2023/01/21

水溜りのある林道を走り回る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月下旬



里山の林道でヌタ場らしき水溜りがある区間を自動撮影カメラで監視していると、夜行性の野ネズミ(ノネズミ)が同じ晩に2度登場しました。 

シーン1:午後20:15頃 
浅い水たまりをピョンピョン跳ぶように走って渡りました。 
野ネズミが水を全く恐れないことに、いつ見ても驚きます。 
以前も山中の泉で夜に泳いでいました。
関連記事(1年前、1月前の撮影)▶  
夜に池の浅瀬を渡る野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】 
夜の池で浅瀬を泳ぐ野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】
林道を右へ走り去ったと思いきや、再び引き返してきて下草が生い茂るジメジメした林道上をチョロチョロと動き回っています。 
餌を探し歩いているようですが、白く光る眼の動きだけで行動を推理するしかありません。 


シーン2:午後21:30頃 (@0:14〜) 
1時間15分後、野ネズミが林道の下草をウロチョロと走り回っています。 
一度姿を消したのに再び戻って来て、水たまりの端を通過しました。 


アカタテハの蛹化【10倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#9

前回の記事:▶ アカタテハ前蛹の蠕動【100倍速映像】蛹化前の眠状態


2022年8月下旬・午前7:10頃・室温25℃ 

アカタテハVanessa indica)が前蛹になってから約12時間後、ようやく脱皮が始まりました。 
偶然かもしれませんが、部屋のカーテンを開けて朝日が射したことが蛹化の引き金になったのかな? 
撮影用のUSBリングライトを夜通しで前蛹に煌々と照らしていたので、光量の変化はあまり関係ない気がします。 

前蛹の蠕動運動が激しくなると、胸背が割れて抜け殻が腹端の方に送られていきます。 
蛹化殻を振り落とすために激しく暴れました。 
落ちた抜け殻はすぐ下のクサコアカソの茎に引っかかりました。 

これでアカタテハは垂蛹となりました。
しばらくは自発的に蠕動し、次第に変色します。

つづく→#10:? 
これ以降は以前に撮影済みなので、観察がおざなりになってしまいました。 



2022年9月上旬 
蛹化してからわずか7日目にアカタテハ成虫が室内で無事に羽化しました。 
過去の経験から、てっきり10日かかると思い込んでいたので、油断していました。 
残暑で室温も高く、完全変態に必要な積算温度が早く達成できたのでしょう。 
垂蛹の色の変化で羽化の前兆(翅の色が透けて見えるようになる)に気づかなかったのは不覚です。

2023/01/20

同じ日に溜め糞場を別々に訪れる2頭のニホンアナグマ(顔白、顔黒)【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年8月下旬 

監視カメラを設置している里山スギ林道の溜め糞場sで、同じ日に3回もニホンアナグマMeles anakuma)が現れました。 
しかも別個体が1頭ずつ登場しました。 


シーン1:8/23・午前1:45・気温22℃ 
アナグマが溜め糞場sに来たのは3日ぶりです。 
深夜の林道を右からやって来たアナグマは、自分たちの溜め糞の匂いを嗅いだだけで、排便せずに素通りしました。 
スギの根元で軽くスクワットマーキングしてから、左へ立ち去りました。 
全身が白っぽく見える(アルビノ?)いつもの個体でした。 


シーン2:午後19:43・気温25℃ (@0:11〜) 
日が沈んで晩になってから登場した個体はいつもと違い、赤外線の暗視映像でも顔の黒い過眼線がくっきり見えます。 
いかにもアナグマらしいアナグマです。 
今までの暗視映像でアナグマが白っぽく見えていたのは、赤外線投光器が強過ぎて白飛びしていたのではないか?という懸念が拭えませんでした。 
しかし、そうではないことがこれではっきりしました。 
同じ機種のトレイルカメラでも顔の黒い縦縞の有無によって、少なくとも2頭のアナグマ(顔白と顔黒)が見分けられることになります。(個体識別可能な形質) 
老齢になると毛皮の黒い毛が白髪化するのですかね? 
それとも近親交配による近交弱勢でアルビノが生まれるのかな? 
金子弥生『里山に暮らすアナグマたち』というバイブルを読むと、
 養殖場に飼育されている顔面の白黒模様がないアナグマ。アナグマの顔の白黒模様は、地理的亜種の判別に使われるほど形質が安定しているが、養殖場では無軌道な地域個体群の交雑や近親交配の影響からか、このような黒い顔のアナグマが増え、死亡率が高いという。(p166に掲載された写真のキャプションより引用)
という記述がありました。 
これは韓国のアナグマ養殖事情についての文脈で、ニホンアナグマとは別種(Meles leucurus アジアアナグマ Asian badger)らしいです。
かと思えば、同じ本でも違うことが書いています。
研究開始時に、顔の模様や胴体の特徴などの外見によって個体識別をしようと試みたことがあったが、春先の変貌ぶりにあきらめざるをえなかった。(p71より引用) 

珍しく左からやって来たアナグマ(顔黒)は、タヌキが残した溜め糞sの手前で立ち止まると、スギ落葉の匂いを嗅いでいます。 
タヌキの溜め糞を迂回しながら下草の匂いを嗅ぎました。 
一旦画面の死角に消えてから、ぐるっと回って画面の右下から再登場。 
アナグマの溜め糞の匂いを嗅いでから右へ立ち去りました。 
この個体は結局、排便もスクワットマーキングもしませんでした。 

ちなみに、画面中央やや下に黒々と写っているタヌキの溜め糞の上を黒い糞虫が活動しています。 (別の記事に改めて取り上げます。)


シーン3:午後19:47・気温29℃ (@0:52〜) 
わずか3分後、右からアナグマ(顔黒)が再登場。 
どうやら同一個体が戻って来たと思ったのですが、左後脚をヒョコヒョコと跛行しています。 
下草にスクワットマーキングするための姿勢ではなさそうです。 
暗闇の林床で何か棘のある落枝でも踏んで怪我したのでしょうか? 
嗅覚でタヌキの溜め糞に気づくと迂回し、画面左下の死角に消えました。 
今回も結局、溜め糞場sで排便もスクワットマーキングもやりませんでした。 


まとめると、この日8/23に登場したアナグマはおそらく2頭で、溜め糞場sに排便はしませんでした。 
顔白と顔黒の2頭がこの辺りを縄張りとする♀♂ペアなのかな? 
アルビノっぽい顔白が♂ですが、顔黒が♀かどうか確認できていません。
アナグマもタヌキのように♀♂ペアが一緒に行動することはないのでしょうか。
タヌキの残した溜め糞を匂いで嗅ぎつけると、アナグマは必ず迂回しました。





【追記】
日本の食肉類:生態系の頂点に立つ哺乳類』という専門書の第8章:金子弥生「ニホンアナグマ」を読むと、アナグマを個体識別する上でのヒントが得られました。
・顔の黒い縦縞には、個体差が見られる。(p176より引用)
・鼻の色は、ピンク、黒、2色の混合の3タイプが見られる。(p176より)
顔の模様のバリエーションを示した写真が図8.2として掲載されていました。(p178)
この総説を読んで私が一番感心したのは、個体識別のために腹面(後ろ足内側)に入れ墨の処置をしたという点です。(p186より)


ヘリアンサス「レモンクイーン」の花で採餌するツヤハナバチの一種♀

 

2022年8月下旬・午後16:00頃・くもり 

山麓の裏庭に咲いた園芸植物ヘリアンサス「レモンクイーン」にツヤハナバチの一種♀(Ceratina sp.)が訪花していました。 
キオビツヤハナバチまたはヤマトツヤハナバチだと思うのですが、採集して標本をじっくり精査しないと見分けられません。 

小さな蜂は吸蜜に夢中で、カメラのレンズを近づけても逃げませんでした。 
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。 
採餌活動の合間に身繕いして体に付着した花粉を花粉籠に移します。 
中央の筒状花から一旦レモン色の花弁に移動してから飛び去りました。

2023/01/19

ツキノワグマの大量出没? 晩夏に5日連続でスギ林道を通過【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年8月下旬〜9月上旬 

里山のスギ林道にツキノワグマUrsus thibetanus)がなんと5日連続で登場し、トレイルカメラに記録されていました。 

シーン1:8/28・午後15:09・気温20℃ 
明るい日中に林道を右から左へ足早に歩いて通り過ぎました。 
全身の黒い毛皮に緑のひっつき虫(動物散布型の種子)が大量に付着しています。 
短い登場シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:07〜) 


シーン2:8/29・午後20:25・気温18℃ (@0:21〜) 
闇夜の林道を右から登場。 
初めからカメラ目線で様子を窺っています。 
タヌキとアナグマが残した溜め糞場sの匂いを嗅ぎながら左へ歩き去りました。 


シーン3:8/30・午前1:50・雨天・気温17℃ (@0:41〜) 
雨が降る深夜、対面に立っているスギ(胸高直径約60.5cm)の根元で立ち止まり、匂いを嗅いでいました。 
林道を左から右へ立ち去りました。 
短い登場シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜) 


シーン4:8/31・午後16:58・気温25℃ (@1:16〜) 
夕方のスギ林道を右から左へ通り過ぎました。 
開いた口の中が赤いのが気になりました。 
カラスだと口内が赤い個体は幼鳥なのですけど、クマだと何かあるのでしょうか? (それともクマ全般に共通の特徴?)
心なしか目も充血してるように見えます。 
まさか花粉症のアレルギーなのかな? 
こういう個体が苛々してヒトを襲ったりするのでしょうか。 (ただの個人的な妄想です)
短い登場シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイ。 

全身の毛にひっつき虫が点々と付着しています。 
この時期の山林で心当たりがあるひっつき虫は、キンミズヒキやヌスビトハギなどです。 
ひっつき虫の種類はまだ色々ありますが、これから少しずつ勉強しないといけません。 


シーン5:9/1・午後21:43・気温22℃ (@1:46〜) 
右から左へカメラの前を足早に通り過ぎました。 


ツキノワグマの個体識別ができていないので、5日間で計何頭の熊が登場したのか分かりません。 
複数個体であることは間違いありません。 
8月下旬にクマの出没頻度が急増したのは、何か理由があるのでしょうか? 
マスコミが騒ぐようにツキノワグマの「大量出没」(異常事態)なのか、それとも毎年のことなのか、これからも地道に調査を続ける必要があります。 

熊は昼間も活動していますから、山中でヒト(登山客)とのニアミス事故が無いように、各自が対策しないといけません。 
気休めの鈴を持ち歩くだけでなく、護身用の熊よけスプレーを必ず携行するようにしましょう。 
少し高価ですが、銃器よりも有効ですし、命には代えられません。 
いくら口を酸っぱくして忠告しても、どうして熊よけスプレーの費用を惜しんで(ケチって)徒手空拳で無防備に入山する人が多いのか理解できません。 
イヌを連れて歩くのも良い対策らしいのですが、飼い犬と普段から山歩きの訓練をする必要があります。



アカタテハ前蛹の蠕動【100倍速映像】蛹化前の眠状態

 


アカタテハの飼育記録:2022年#8 




2022年8月下旬

クサコアカソの葉裏に腹端で懸垂して前蛹となったアカタテハVanessa indica)は、みん状態でも実は自発的に激しく蠕動しています。 
蛹化の瞬間を見落とさないように、夜通しで微速度撮影を続けました。 
100倍速の早回し映像をご覧ください。 
まるで激しく痙攣しているようです。
ヒトも入眠時にビクッと大きく痙攣することがありますが、そのジャーキング現象を連想しました。(実際には無関係です)
これからいよいよ蛹になります。


 

↑【おまけの映像】 
素材となった元々の10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。 

2023/01/18

おんぶしていた子ザルを抱っこに持ち変えるニホンザル♀

 

2022年8月下旬・午後15:45頃・晴れ 


山麓で子連れの野生ニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)と遭遇しました。 
この時期の母猿は通常、子ザルを腰におんぶして運びます。 
四足歩行で遊動する母親の腰に子ザルはしっかりしがみついています。 

別の母子が子ザルの運搬法で興味深い行動を見せてくれました。 
子ザルは初め、母親の腰に乗っています。 
しかし、母猿はカメラを構えた私の姿を見つけた途端にあからさまに警戒し、逃げ腰になりました。 
母ザルは腰にしがみついた子ザルに左手を伸ばすと、素早くくるっと前に回して抱っこの姿勢に変えました。 
まるでショルダーバッグを後ろ掛けから前掛けに変えるように慣れた手付きでした。 
子ザルを腹にしがみつかせた状態で移動し、左の木陰に隠れました。 
緊急の逃走時にはおんぶよりも抱っこの方が安定するのかな? 
母猿のこんな行動は初めて見ました。 
スロー再生してみると、子ザルも母親に協力しながら抱っこに移行していました。
たまたまこのタイミングで子ザルが抱っこしてもらいたくなり、それを察した母猿が手を貸したのかもしれません。
手前に生い茂るミズナラの枝葉の隙間から母親は油断なくこちらを覗き見しています。

タヌキの溜め糞を分解する糞虫たちの活動【10倍速映像】(オオセンチコガネ、センチコガネ、エンマコガネ?など)

 

2022年8月下旬・午前11:30〜午後12:15頃・くもり・気温25℃ 

里山のスギ林を抜ける林道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場sがあります。 
糞の鮮度は古くなっていたものの、この日は多数の糞虫類が集まっていました。 
まず目につくのは、赤紫のメタリックカラーに輝くオオセンチコガネPhelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus)です。 
その体表を白っぽいダニが徘徊していました。
近くで、地味な藍色のメタリックカラーをしたセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)も活動していました。 

溜め糞の横に三脚を立てて、糞虫たちの活動を微速度撮影してみました。 
ここを終日監視しているトレイルカメラの電池を交換する作業のついでです。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。(@1:52〜) 
鬱蒼と育ったスギ林の林床は昼下がりでもかなり薄暗いので、予めカメラの設定でゲインを上げてから撮影しました。 

センチコガネ類は食糞するだけでなく、溜め糞の中に潜り込んだり出てきたり、地表下にトンネルを掘り進めたりしています。 
その結果、溜め糞はよく耕され撹拌され、分解が進みやすくなります。 
獣糞が新鮮な場合はセンチコガネ類が小さくちぎり取って地中にどんどん埋めるのですが、糞の鮮度が落ちたこの日はそのような活動は見られませんでした。 
タイムラプス映像で見ると、溜め糞自体がモコモコと上下に地殻変動しています。 
地下の浅い所で糞虫が何匹もトンネルを掘って活動しているのだと推測できます。 
表に見えるよりも溜め糞に集まっている糞虫の数が多いのでしょう。 
センチコガネ類が溜め糞場でニアミスしても、配偶行動や争いなどは始まりませんでした。 
糞虫だけでなく、多数の微小な白いダニが溜め糞上を這い回っています。 

明らかに別種と分かる小型の丸っこい糞虫(エンマコガネ?)も活動していました。 
せめて1匹だけでも採集して、同定すべきでしたね。 
しかしなかなか獣糞の上に現れてくれないので、採集のチャンスがありません。 
なりふり構わず溜め糞をほじくり返してエンマコガネ?を必死で探すべきなのですけど、今季の私は動画撮影を優先しているので、溜め糞を人為的に乱したくありません。

2023/01/17

ウリ坊に授乳しながら杉林道で採食するニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年8月下旬・午後18:00頃・気温20℃(日の入り時刻は午後18:17) 

里山のスギ林道にある溜め糞場sをトレイルカメラで見張っていると、ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の親子群がまた登場しました。 
日没直前でも、山の東斜面(特に杉林の中)は既にとっぷり暮れています。 

群れを先導していたのは、母親ではなくウリ坊でした。 
キーキー、キューキュー♪と甲高く鳴いているのは、ウリ坊3頭が鳴き交わす声でしょう。 
母親は重低音でブーブー♪(フゴフゴ♪?)と鳴いているようです。 

林床で餌を探し歩く母親の下腹に1頭のウリ坊がまとわりつき、乳房に吸い付いていました。
イノシシの授乳シーンが撮れたのは今回が初めてです。
 

母親♀は溜め糞場sの周囲に敷き詰められたスギの落ち葉を鼻面でひっくり返して、餌を探しています。 
落ち葉の下に潜んでいる食糞性の昆虫を捕食しているのでしょうか? 
3頭のウリ坊は溜め糞場sに興味を示しませんでした。
母親♀は牙が短く、外からは(映像では)見えません。 
ニホンイノシシの家族群は母親が先導して林道を右へ立ち去りました。 

1週間前(7日前)に登場したイノシシの母親♀は幼獣2頭を連れていました。 
今回のイノシシ母子は幼獣が3頭です。 
したがって、別の母子群ではないかと思うのですが、どうでしょうか? (個体識別はできていません。)
野外で母親から一度はぐれてしまった幼獣(ウリ坊)が自力で再び家族と合流するのは無理ではないか?と個人的には思ってしまいます。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



アカタテハ終齢幼虫が葉裏にぶら下がって前蛹になるまで【10倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#7 



2022年8月下旬・午後19:10頃・室温25℃ 

クサコアカソの葉裏で静止していたアカタテハVanessa indica)の終齢幼虫の微速度撮影を続けると、前蛹になる瞬間を記録することが出来ました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 

葉裏にしがみついていた終齢幼虫の歩脚の握力が次第に失われ、遂に最後の胸脚を離すと腹端からぶら下がりました。 
これに備えて、腹端を固定する場所に予め絹糸を敷き詰めて白い座布団のような足場を作っていたのです。
これから脱皮して蛹になるまでの状態を前蛹と呼びます。 

私もようやく飼育幼虫のための食草調達から解放されました。



2023/01/16

深夜の林道を歩き毛繕いするハクビシン?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月下旬・午前2:35頃および3:45頃 

里山の林道でヌタ場らしき水溜りのある区間を無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で監視していると、とある深夜に謎の野生動物が2回現れました。 

シーン1:午前2:35 

動画の冒頭、林道で立ち止まった獣が細長い体を曲げると口で尻尾を毛繕いしていました。 林道の真ん中にある水溜りを避けるように、林道の端を歩いて左から右へ通り過ぎました。
その途中でちょっとだけ、林道に座り込みました。 
最後は林道脇の道端の草むらに潜り込み、姿を消しました。 
その奥の斜面を下って行ったように見えたのですが、もし林道をそのまま右に向かったとすると、進行方向には水場があります。 

さて、この獣の正体は何でしょう? 
初めはたまに登場するホンドテンMartes melampus melampus)かと思ったのですが、尻尾がとても長いのでハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)のような気がしてきました。 
ハクビシンの尻尾の長さは、胴体と同じくらいとされています。
残念ながらカメラ目線をくれなかったので、顔にハクビシン特有の白黒縦縞があるかどうか確かめられませんでした。 


シーン2:午前3:43 (@0:21〜) 
同種と思われる謎の獣が、1時間前とほぼ同じルートを辿り、左から右へ通過。 
黒くて細長い尻尾がとにかく印象的です。 
同一個体が繰り返し巡回しているのか、それとも別個体(例えばつがいのパートナー?)なのでしょうか? 
林道をそのまま右に向かったとすると、進行方向には水場があります。 

実は、池畔に設置した別のトレイルカメラに数分後の行動が2回とも記録されていました。 
その監視映像でもテンかハクビシンで迷いました。 
顔の真ん中に白線があるかどうか、暗視映像ではよく分からなかったのです。 
しかし、とにかく尻尾が長くて黒いことから、やはりホンドテンではなくハクビシンと訂正しておきます。 
もし間違っていたら、ご指摘願います。 

ハクビシンがこの山域でトレイルカメラに写っていたのは初めてです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


【追記】
林道脇の法面を約3mほど上がった地点で、翌年ハクビシンの活動が記録されました。


ツルフジバカマの花蜜を吸うイチモンジセセリ

 

2022年8月上旬・午後17:00頃・くもり 

線路沿いに咲いたツルフジバカマのマント群落でイチモンジセセリParnara guttata)が訪花していました。 
口吻を伸ばして吸蜜する近くで、実はクロマルハナバチ♀も訪花していました。

2023/01/15

赤ちゃんを肩に乗せて運ぶニホンザル♀

 

2022年8月下旬・午後15:45頃・晴れ 

里山の麓にある原っぱを野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の母子が横切りました。 
母親♀が幼い子ザルを左肩に乗せて運んでいました。 
幼い子ザルは母親の腰に乗るか腹にしがみついて運ばれるのが普通です。 
こんな変則的なおんぶは珍しく、初めて見ました。 
この運搬法を何と呼ぶべきか、ヒトの親子がやる肩車とも違います。 
やんちゃな子猿がふざけて母親の肩に乗り、少し不安定な乗り心地を楽しんでいるのでしょう。 (ロデオのような遊びの一種?)
赤ん坊がもっと育って体重が増えると母親の負担も大きくなりますから、「おんぶしてもらいたいなら、しっかり真ん中に乗りなさい」と叱るはずです。



アカタテハ終齢幼虫が前蛹になる前の準備作業【30倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#6 



2022年8月下旬・午後・室温25℃ 

隠れ家は未完成ですが、脱皮前の眠に入ったと判断し、微速度撮影を始めました。 
30倍速の早回し映像をご覧ください。 
アカタテハVanessa indica)の終齢幼虫クサコアカソの葉の間に白い絹糸を粗く張り巡らせただけの粗末な巣の中でじっとしています。 
無防備な丸見え状態で天敵対策は大丈夫なのかと心配になりますが、蛹化を撮影するためには逆に好都合です。 

葉裏で幼虫はときどき方向転換しました。 
下から照らした撮影用の照明(USB-LEDライト)が眩しくて嫌がっているのかと思いましたが、とりあえず静観します。 
巣作りはこれ以上進展しないと判断した私は、撮影の邪魔になる周囲の葉や茎をそっと切り落としました。 
かけられていた糸を数本切っても、アカタテハ幼虫は無反応でした。 

長い休息の後に、アカタテハ終齢幼虫はクサコアカソ葉裏の主脈の上に白い絹糸を集中的に紡ぎ始めました。 
これから下垂するための足場(絹の座布団)を作っているようです。 
最後の脱糞を済ませると(@6:55〜)、絹の座布団に腹端(尾脚?)をしっかり固定しました。 
斜めになった葉の裏側で頭を下向きにして静止しました。 
前蛹になるための準備がようやく整いました。 
早回し動画で見ると、眠状態の幼虫もときどき蠕動、微動していることがよく分かります。


 
↑【おまけの映像】 
同じ素材で元々の10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。 
外は雨が降っています。 
撮影用の強い照明で乾燥したのか、ちょっとした振動でクサコアカソの雄花から花粉が室内の微風に舞います。(映像なし) 
クサコアカソが風媒花たる所以です。

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