2022年8月下旬・午後18:35頃・気温24℃(日の入り時刻は午後18:27)
日没直後のスギ林道に子連れのニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)が登場しました。
現場は里山の東斜面なので、公式の日の入り時刻よりもずっと早く太陽が稜線に隠れて暗くなります。
つまり、この時刻には真っ暗です。
林道を挟んで互いに逆から狙う2台のトレイルカメラで連続撮影に成功しました。
まず現れたのは母親のイノシシ♀です。
下腹に乳房と乳首が見えるので、♀と分かります。
牙が短いのも♀の特徴です。
林床に生い茂る下草や落葉を鼻で掻き分けて探餌採食しています。
尻尾を絶えず左右に振っているのは、つきまとう吸血性のアブや蚊を追い払っているのでしょうか。
しかし、動画には夜行性の吸血昆虫は写っていません。
母親の後から縞瓜に似た縦縞模様の幼獣(通称「ウリ坊」)が2頭続けてやって来ました。
既に乳離れしているようで、母親の周囲をうろちょろと自力で採食しています。
幼獣が母親の腹の下をくぐり抜けたときも授乳しませんでした。
音量を上げると、イノシシが低音でブーブー♪鳴く声が聞こえます。
鳴き交わしているというよりも、母親が一方的に鳴いて幼獣に居場所を伝えているコンタクトコールなのかな?
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
トレイルカメラを設置したスギの根元にイノシシの母親が採食しながら近づきました。
するとカメラのセンサーが感知して、赤外線LEDが点灯しました。(@1:26〜)
イノシシの母子家族は上から照射する赤外線が見えてないようで、全く無反応・無関心で採食を続けています。
カメラの真下で結構長時間、採食してくれました。
続けて別カメラからの映像をご覧ください。(@1:54〜)
緩やかな坂道となった林道をイノシシの家族群が左から降りてきました。
まず登場したのは縞模様のウリ坊です。
カメラの真下の死角で採食しているようです。
続けて成獣♀(母親)も画面下の死角から現れました。
地面に積もったスギの落葉を鼻で掻き分けながら餌を探しています。
後からもう1頭の幼獣が追いつきました。
イノシシの家族群は、母親を先頭に林道を右に立ち去りました。
こちらのトレイルカメラ@スギではなぜかイノシシの鳴き声が録音されていませんでした。
カメラに内蔵されたマイクの性能に差があるのかもしれません。
ニホンイノシシの母子は、林道の中央にあるタヌキとアナグマの溜め糞場sを迂回して通り過ぎました。
好奇心が旺盛なはずの幼獣も溜め糞には近寄りませんでした。
嗅覚に優れるイノシシにとっては、臭い汚物という認識なのでしょう。
私にとって、イノシシの採食シーンが初見というだけでなく、母親に引率された幼獣も初見です。
この雪国の山域でニホンイノシシが繁殖しているという決定的な証拠映像が撮れました。
イノシシ@wikipediaによると、
通常4月から5月頃に年1回、平均4.5頭ほどの子を出産する。秋にも出産することがあるが、春の繁殖に失敗した個体によるものが多い。妊娠期間は約4か月。雄は単独で行動するが雌はひと腹の子と共に暮らし、定住性が高い。子を持たない数頭の雌がグループを形成することもある。最近読んだ本:高橋春成『泳ぐイノシシの時代』によれば、
イノシシの子のウリ模様は、生後4か月ほどまでみられる。(p85より引用)とのこと。
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