2019年10月上旬・午後15:43〜15:54
▼前回の記事
アキノノゲシの実を食べる前に果柄を吟味するホソバセダカモクメ(蛾)幼虫
ホソバセダカモクメ(Cucullia fraterna)の幼虫がアキノノゲシの茎の下面にしがみついたまま、茎の分岐から横に伸びる果柄の根元を大顎で齧り始めました。
茎の繊維をほぐすようにまずは何回も甘噛みしています。
ときどき体を左右にねじって、果柄に噛み付く向きを変えています。
このとき、噛み傷から滲み出る白い乳液の量は、私が予想していたよりも多くありませんでした。
それどころか、ほとんど分泌しません。
果柄を齧る行動が食前トレンチ行動だとする私の仮説にとって少し都合が悪いのですけど、事実に目を瞑る訳にはいきません。
果柄の小さな分岐(未熟な実かも?)にぶつかると、その先には実が付いていないのに余計なトレンチ行動を余儀なくされました。(@2:50〜)
ようやく果柄の噛み傷から、乳管に蓄えられていた白い乳液が滲み出るのをはっきり認めました。(@3:04)
小さな分岐の先端に達した後は、齧り残した果柄を食べ尽くします。
メインの果柄に戻って来ると、そこからトレンチ行動を再開します。(@4:45)
細長い果柄を皮一枚残して齧り取って折り曲げると、ようやく未熟な実を手に入れることが出来ました。
実を食害しても傷口(食痕)から白い乳液は全く滲んできません。
これは幼虫のトレンチ行動が奏効した結果だと思われます。
例えばアキノノゲシの実の表面を爪などで引っ掻いたりちぎったりすると、傷口から必ず白い乳液が滲んできます。(実験済み)
▼関連記事(1年前の撮影)
アキノノゲシは傷口から乳液を分泌する
実を包んでいる緑色の総苞片を食べ終わると、中に詰まった橙色の種子が見えてきました。
※ 三脚でカメラを固定するとどうも動く幼虫を接写しにくいので、手持ちカメラに切り替えて食事シーンをマクロレンズで接写しました。
ときどきガサガサと耳障りな音が聞こえるのは、小雨対策でカメラに被せたビニール製のレインカバーのせいです。
つづく→ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫が食べるアキノノゲシの実から乳液は出ない【10倍速映像】
2019年10月下旬・午後14:15頃・くもり
カイツブリ(Tachybaptus ruficollis)2羽が川面を上流へ向かって遊泳していました。
付かず離れず行動しているので、♀♂番なのかな?
川面で伸び上がりながら激しく羽ばたくことがありました。
最後に左の1羽が水中に潜水しました。
川魚や水中の小動物を捕食しているのでしょう。
長時間は潜らず、すぐにほぼ同じ場所から浮上しました。
此岸の木の枝や笹が目障りですが、隠し撮りの状況なので私の方から下手に動く訳にはいきません。
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カイツブリ2(野鳥)@川面遊泳 |
2019年10月上旬・午後13:15頃
農村部の庭に咲いたクジャクアスター(別名クジャクソウ)でキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
吸蜜するかと期待したのですが、花蜜が目当てではないようです。
白い花の周囲を飛び回り、他の訪花昆虫を狩ろうと獲物を探しているのでしょう。
あまりにも忙しなく飛び回り目が回りそうなので、探餌飛翔をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
つづいて等倍速でリプレイ。
2019年10月上旬・午後13:45頃・晴れ
つづら折れの峠道の横に咲いたカワミドリの群落でベニシジミ(Lycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
この組み合わせは初見です。
吸蜜虫は翅を閉じることもありましたが、半開きのことが多いです。
翅の縁がかなり擦れた個体で、翅全体が色褪せています。
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ベニシジミ:翅裏@カワミドリ訪花吸蜜 |
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ベニシジミ:翅表@カワミドリ訪花吸蜜 |
2019年10月下旬・午前11:15頃
冬鳥がもうやって来る時期になりました。
桜並木と農業用水路に挟まれた笹薮の茂みにジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)を見つけたので隠し撮り。
地面に打ち込まれた鉄パイプの天辺に止まり、ときどき尾羽を上下に震わせながら辺りをキョロキョロ見回しています。
撮影中にSDカードの容量が限界を迎え、尻切れトンボの映像になってしまいました。
ちなみに桜(ソメイヨシノ)の木は、上部の枝から紅葉が始まっていました。
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ジョウビタキ♂(野鳥)@鉄パイプ天辺 |
2019年10月上旬・午前11:25頃
平地の農耕地(田畑)を流れる用水路で連結した赤とんぼの♀♂ペアが産卵していました。
収穫の済んだこの時期、農業用水路に水はほとんど流れていません。
同定のために撮った写真をよく見ると、アキアカネ♀♂(Sympetrum frequens)のようです。
♂の腹背は橙赤色でいわゆる赤とんぼでしたが、♀は腹部が淡褐色のままの個体でした。
水路の底を連結態で低く飛びながら、緑の苔(種名不詳)に覆われた石を目掛けて繰り返し産卵しています。
この場合は、連結「打水」産卵ではなく連結「打泥」産卵と呼ぶべきかもしれません。
(「打苔」産卵という用語は無いみたいです。)
アキアカネ♀♂の連結打泥産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:27〜)
♀が全身を使って振り子のように前方の目標物に腹端を打ち付けて産卵しています。
湿った苔だけでなく水際の泥や小石にも産卵していました。
水面ならどこでも良い連結「打水」産卵とは明らかに違います。
なぜか最後はとんぼ返りして飛び去りました。
一方、ノシメトンボ♀は空中で苔の上から卵を放出していました。(打空産卵)
▼関連記事
スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】
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アキアカネ♀♂:側面@水路底:苔+連結打水産卵 |
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アキアカネ♀♂:背面@水路底:苔+連結打水産卵 |
ホシヒメホウジャク(蛾)の飼育記録#5
▼前回の記事
腹部を回して暴れるホシヒメホウジャク(蛾)の蛹
2019年10月上旬・室温約23℃
蛹化から12日目、営繭(巣作り)から14日目。
虫の知らせがしてホシヒメホウジャク(Neogurelca himachala sangaica )の蛹を入れておいた容器を朝(9:30頃)に見ると、成虫♂が羽脱していました。
翅が未だ伸びていないので、私は慌てて止まり木を探します。
ニセアカシアの枯れ枝を差し出すと、すぐに登ってようやく落ち着きました。
私が三脚の調節などに手間取っている間に、新成虫のしわくちゃだった翅芽が半分伸びてしまいました。
予め撮影の準備をしていなかったのが悔やまれます。
20倍速の早回し映像をご覧下さい。
少しずつ翅が伸びていきます。
腹端を背側に反らした海老反り姿勢になりました。
翅の伸展が終わると閉じてしまいました。
閉じた翅を立てているので、翅裏がしっかり見えるように止まり木の向きを変えました。
ようやく見えた触角の形状から♂と判明。
(ホシヒメホウジャクの)触角は♂では繊毛状, ♀ではほとんど糸状に近い.(Digital Moths of Japanサイトより引用)
ゼンマイ状の口吻は既に完成していて、クルクルと少しだけ動かしていました。
カメラがもう1台あれば、口吻の形成を微速度撮影したかったです。
初め左右に分かれていた口吻が羽化直後に合着して1本の長い長い管になるのです。
▼関連記事(11年前の映像)
ホシヒメホウジャク♀(蛾)の口吻を伸ばしてみる
やがて閉じていた翅を水平に広げ、見慣れた姿勢になりました。
小さな戦闘機のようです。
↑【おまけの映像】
早回し速度を半分に落とした10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。
シリーズ完。
その後、羽化液(蛹便)の排泄および新成虫の初飛行も動画に記録したかったのですが、撮り損なった挙句に逃げられてしまいました。
同時期に複数のテーマにあれこれ手を広げ過ぎてしまい、一つ一つの撮影が散漫になってしまったのが反省です。
▼関連記事(11年前の撮影)
ホシヒメホウジャク♀の飛翔前準備運動
2019年10月上旬・午前11:30頃
平地の農地(田畑)を流れる農業用水路内でキセキレイ♀(Motacilla cinerea)を見つけました。
喉が白い(黒くない)ので♀です。
収穫がほぼ終わったこの時期の水路内にはもう水が流れておらず、砂利が敷かれた底は浅い水たまりになっていました。
キセキレイ♀はおそらく水路内で餌を探していた(虫を捕食)のでしょう。
私が近づいたら警戒心の強いキセキレイ♀は水路の外に飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
逃げた先は横の防風林のスギ(杉)樹上でした。
辺りをキョロキョロと見渡して警戒しています。
逆光がレンズの埃に乱反射して見苦しい動画ですが、個人的にこんな平地でキセキレイと出会えたのは珍しいので、忘れないように証拠映像を残しておきます。
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キセキレイ♀(野鳥)@水路内 |
2019年10月上旬・午後15:21〜15:42
この日の撮影テーマは、ホソバセダカモクメ(Cucullia fraterna)の幼虫がアキノノゲシの実を食べる前のトレンチ行動をマクロレンズで接写することです。
前回撮影した食草に黒いテープで目印を付けておいたのですが、3日後に再訪してみると2株とも幼虫は居なくなっていました。
終齢幼虫が蛹化のために食草を離れ地中に潜ってしまったのでしょうか?
(天敵に捕食されてしまった可能性もあります。)
仕方がないので、堤防の土手に生えたアキノノゲシの群落を丹念に見て歩きました。
この時期は土手の雑草がきれいに刈られてしまい、もうあまりアキノノゲシが残っていません。
かなり探し歩いた後に、ようやくホソバセダカモクメ幼虫を2頭見つけ、一安心。
今回は個体dに注目します。
まず手前に三脚を立てて準備します。
撮影の邪魔になるアキノノゲシ茎の分岐を剪定バサミで切り落としました。
このとき、茎や葉の切り口から白い乳液が滲むことを確認しています。
(映像はここから)
2019年10月上旬・午後15:21〜15:42
斜め横に伸びた茎の下面にしがみついていた幼虫dは、警戒を解くと方向転換し、前進しました。
分岐から横に伸びる果柄の根元を調べています。
これからトレンチ行動を始める前に、果柄の先端に実がついていることを確認したようです。
このとき、ホソバセダカモクメ幼虫dがその気になれば実に直接口が届くのに食べなかったことが重要です。
やはり乳液対策のトレンチ行動をしてからでないと実を食べないのでしょうか。
次の展開を固唾を呑んで見守っていると、小雨がパラパラと降り始めました。
幼虫dは吟味していた果柄をなぜか諦め、茎を更に右へ移動して行きます。
つづく→ホソバセダカモクメ(蛾)幼虫のトレンチ行動を接写
2019年10月上旬
駐車場のブロック塀を覆い尽くすように蔓延るキヅタ(別名フユヅタ)でキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)のワーカー♀が訪花していました。
この組み合わせも初見です。
吸蜜しているとクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀に足先を繰り返し咬まれ、慌てて飛び去りました。
アリは蜜源を守る縄張り意識が高いのでしょう。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
▼関連記事(同様にスズメバチもアリに追い払われました)
・キヅタの花蜜を吸うコガタスズメバチ♂の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
・キヅタの花からクロスズメバチ♀を追い払うクロヤマアリ♀
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キボシアシナガバチ♀@キヅタ訪花吸蜜 |
2019年10月上旬・午後14:20頃・くもり
堤防の土手に咲いたアキノノゲシの群落でイチモンジセセリ(Parnara guttata)が訪花していました。
初めは翅を閉じて吸蜜していたのですが、途中から半開きになりました。
共に普通種ですけど、意外にもこの組み合わせは初見です。
同一個体を追いかけて撮影しました。
花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:29〜)
後半は吸蜜しながらも閉じた翅を小刻みに震わせて準備運動(アイドリング)していました。
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イチモンジセセリ:翅裏@アキノノゲシ訪花吸蜜 |
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イチモンジセセリ:翅表@アキノノゲシ訪花吸蜜 |
2019年10月上旬・午前11:15頃・晴れ
溜池でカルガモ(Anas zonorhyncha)が群れで採食する様子を撮っていると、軽い喧嘩があちこちで勃発しました。
繁殖期が近づいて気が立っている♂同士の小競り合いなのかな?
カルガモの性別を見分けられないのが残念です。
シーン1:
カルガモAが水中に頭を突っ込む逆立ち姿勢になり、後脚の水かきでバシャバシャ水を掻きながら池の底で採食しています。
Aが採食後に水面を遊泳していると、右から別個体Bが急いでやって来ました。
BはAを追い越すと、左で更に別個体Cと正面衝突し、頭突きで押し合いを始めました。
1/5倍速のスローモーションでまずはご覧下さい。
短時間ながらも激しい喧嘩になり、水中に一瞬潜ったのでどちらが勝ったのか不明です。
たまたま近くに居た個体も驚いて逃げ惑い、喧騒状態になりました。
互いに離れると各々が軽く水浴して翼を大きく広げ、羽ばたきました。
これはおそらく闘争後の転移行動なのでしょう。
▼関連記事
夏の川で頭突きの喧嘩をするカルガモ(野鳥)
シーン2:
溜池の岸に近い浅瀬で2羽のカルガモD,Eが逆立ち採食を繰り返しています。
水中に頭を突っ込む逆立ち姿勢になりながら後脚の水かきでバシャバシャ水を掻いています。
仲良しの番なのかと思いきや、途中で別個体Fが右からやって来て、1羽を嘴でつつく真似をして追い払いました。
餌場の場所取りまたは♀の奪い合いなのかと思いきや、Fがあっさり泳ぎ去ってしまったので意味が分かりません。