2023/09/23

夜の小川を遡上し丸木橋を渡るニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬〜下旬 

小川に架かった天然の丸木橋を自動センサーカメラで監視していると、ニホンイタチMustela itatsi)らしき小動物が登場しました。 
ホンドテンMartes melampus melampus)と迷ったのですが、小さいのでイタチだと思います。 

【追記】


シーン0:3/17・午後14:55・(@0:00〜) 
明るい日中に撮れた現場の様子です。 


シーン1:3/19・午後23:44・(@0:05〜) 
深夜に小川の右岸近くの浅瀬をチョロチョロと走って遡上していました。 
尻尾が短い点が気になったのですが、ニホンイタチは尻尾が胴体の半分よりも短いのが特徴なのだそうです。 
一方で、外来種のシベリアイタチ(チョウセンイタチ)は尻尾が胴体の半分よりも長いらしい。 
短い遡上シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:14〜) 


シーン2:3/22・午後20:47・(@0:31〜) 
3日後の晩には右岸に現れました。(赤丸に注目) 
小川に沿って下流へ向かって少し移動すると、丸木橋を渡り始めました! 
慎重に左岸へ渡ると、河畔林の笹薮に姿を消しました。 

ところで、空中をフワフワと舞っている白い物は雪なのか、早春の花粉や雪虫(アブラムシ?)が風で飛散しているのか、気になります。 

※ 一部は動画編集時に自動色調補正を施しています。 



空中投下でクルミの殻を割って食べるハシボソガラス(野鳥)

 

2023年3月中旬・午後14:15頃・晴れ 

胡桃の実を咥えたハシボソガラスCorvus corone)が市街地の電線に止まっていました。 
てっきりいつものようにオニグルミの堅果だと思ったのですが、後に現場近くでカシグルミ(=テウチグルミ)の庭木を見つけたので、その落果を拾ってきたのかもしれません。 

カラスは少量の固形糞をピュっと排泄した直後に電線から飛び立つと、空中でクルミを離して下の駐車場に落としました。 
後を追うようにカラスもふわりと駐車場に舞い降ります。 
脱糞およびクルミ空中投下の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

舗装された駐車場に投げ落とした衝撃でクルミの硬い殻が見事に割れました。 
割れたクルミ堅果を足で押さえつけながら、美味しい中身(子葉)を嘴でほじくって食べています。 
ハシボソガラスが地上で止まっている細い金属パイプは、雪国に特有の消雪パイプです。 
消雪パイプに並んだ穴からシャワーのように散水して、駐車場や車道に積もった雪を融かすのです。 

車道にわざとクルミ堅果を置いて車に踏ませて殻を割ってもらうという有名なクルミ割り行動を残念ながら当地のカラスはなぜかほとんどやりません。
車を利用する方法に比べて投げ落とし(空中投下)によるクルミ割り行動は簡単そうですが、意外に難しくて奥が深いのです。 
落としたクルミが大きく転がって見失うことがあるからです。 


クルミの紛失をどう防ぐかがカラスの知恵の見せ所です。 
クルミに与える衝撃を増そうとしてあまり高い位置から投下すると、跳ね返った後に勢い余って遠くまで転がってしまうかもしれません。 
落下中に風にあおられて、狙いを付けた場所にクルミが落ちないかもしれません。
かと言って低い位置から投げ落とすと打撃が不十分になり、何度も何度も繰り返さないといけなくなります。 
クルミを投下する高さの加減が難しいのです。 

私が7年前に観察した事例では、雨水を排水するためにわずかに傾斜のついた駐車場にクルミを投下していました。 
広い駐車場の中央部に排水溝があり、外側がすり鉢状に少し高くなっていたのです。 
ここにクルミを投げ落とせば、駐車場の外にクルミが転がり出る前に止まります。 

今回の事例でも、駐車場に埋設された消雪パイプのおかげで、投げ落としたクルミが駐車場の外に転がり出るのを阻止していました。 
くるみ割りをする場所としてこの駐車場を選んだのは偶然かもしれませんが、学習(試行錯誤)の成果だとしても驚きません。 

割れ残ったクルミの殻の半分を嘴で咥えると、ハシボソガラスはどこかに飛び去りました。 
もっと落ち着いて食事ができる場所に移動したのでしょう。 
食べ残しのクルミを持って飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

投げ落としによるカラスのクルミ割り行動は、ヒトが大規模に舗装するようになってから発達したのでしょうか?
アスファルトやコンクリートが発明される前にもカラスは岩山や河原などで岩の上にクルミを投下して割っていたのかな?
動物の行動は化石に残らないので、誰か気づいたヒトが書き残さない限り「無かったこと」にされてしまいます。(記録の重要性)
逆に、クルミを地面に置いて空中から重い石を投げ落として割る方法(道具使用)が進化しなかったのは、身体的なパワー不足と思われます。
それから、地面に放置したクルミを仲間に盗まれてしまいそうです。

2023/09/22

小川の丸木橋を夜な夜な渡る早春のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬〜下旬

自動センサーカメラを使った新しいプロジェクトを始めました。

シーン0:3/17・午後14:55・(@0:00〜) 
明るい昼間に撮れた現場の様子です。 
画面の手前から奥に向かって小川が流れ、その先で川の本流に合流します。 
その昔、小川の左岸で育ったニセアカシアの幹にフジの太い蔓が幹に巻き付きました。
そのニセアカシアの木が根元から倒伏し、右岸まで届いて天然の丸木橋になりました。 
年季の入った倒木ですが、横枝だった2本が垂直に太く高々と伸びています。
したがって、このニセアカシアは驚いたことに倒伏したまま何年もたくましく成長を続けたようです。 

倒木が架かっている両岸を調べると分かりやすく獣道になっていたことから、野生動物が丸木橋として小川を渡っていることが予想されます。 
そこでトレイルカメラを設置して見張ってみることにしました。 

早春でも日当たりが良いので、岸辺の残雪は全て溶け去っていました。 
左岸には常緑の笹薮が生い茂っています。 
その他の植物は未だ芽吹く前の状態です。 


シーン1:3/19・午後21:20・(@0:05〜) 
ある晩、右岸から左岸へ丸木橋を渡ったのは1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)でした。 
タヌキが乗っても丸木橋は安定しており、揺れたりたわんだりすることはありません。 
実は、タヌキが小川を渡った先には河畔林の笹薮に覆われた溜め糞場rpがあるので、そこへ行く途中なのかもしれません。 

その後、右岸の茂みの中で野ネズミらしき小動物の目が白く光って見えました。(@0:18〜) 
極めて分かりにくいので、位置を赤丸で示すべきでしたね。 
本筋とは関係のない枝葉末節の出来事なので、皆さんは忘れてください。
丸木橋を渡る野ネズミについては別の記事にまとめます。(映像公開予定) 


シーン2:3/21・午前5:46・(@0:49〜) 
2日後、日の出直後の早朝に単独のタヌキが右岸に佇んで右を眺めていました。 
目線の先には残雪の小山があります。 
行動を共にするパートナーの行方を探してるのかな? 
ちなみに、日の出時刻は05:39。 

やがて右に歩き始め、小声で甲高く鳴きました♪  
少し遠回りになりますが、丸木橋を渡らなくても溜め糞場rpに行くことは可能です。
ハシボソガラスも嗄れ声で鳴き始めました。 


シーン3:3/23・午前4:14・(@1:12〜) 
未明の低温のせいか、カメラの起動が遅れてしまいました。
丸木橋を渡り終えたタヌキが左岸に上陸するところでした。 


シーン4:3/27・午後22:09・(@1:23〜) 
4日後の晩は、タヌキが右岸をうろつくところから撮れていました。 
そのまま丸木橋を渡って左岸に向かい始めました。 
倒木を渡る際にタヌキの白く光る目が小川の水面にも反射しています。 
暗闇でも足取りに迷いがないので、通い慣れた丸木橋であることが伺えます。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
登場する単独のタヌキは、同一個体が繰り返し通っているのか、複数個体が代わる代わる写っているのか、今のところ私には見分けられません。

カメラを設置した所から被写体の丸木橋までやや距離が遠いので、赤外線LEDの照明が充分に届いていません。
手前の茂みが邪魔で、赤外線を遮っています。
映像を強引に明るく加工すると、画質が粗くなってしまいます。



午前中に続々と雪解け田んぼに飛来するコハクチョウの群れ(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前10:30頃・晴れ 

雪解けが始まった刈田で朝からコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の群れが採食していたようです。 
それを知らずに私が横の農道を歩いたせいで、警戒した白鳥が刈田から飛び立ちました。 
しばらくすると、餌場に続々と舞い戻って来ました。 
家族群を単位に行動しているのでしょうか。 
必ずしも「く」の字型の飛行隊形ではなく、縦列になって飛ぶこともあるようです。(見るアングルの問題なのかな?) 
飛びながらときどき鳴き交わしています。 
数羽ずつの小さな群れで飛来すると、餌場の上空を何度も旋回して安全を確認してからようやく着陸します。 
着陸前にスーッと滑空する様が美しいですね。 

先ほど逃げた群れが戻ってくるだけでなく、新たに飛来する群れもいるようです。 
餌場を探しながら飛来した群れは、雪解け田んぼに先客の仲間が居ると安心して着地・合流します。 

つづく→

2023/09/21

夜明け前後に河畔林の残雪をうろつく早春のホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬 

下草に笹薮が生い茂る河畔林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場rpを監視していると、同じ日にホンドギツネVulpes vulpes japonica)が2回現れました。 
同じ流域の溜め糞場rvおよびbLに冬季キツネが来ていたので、ここrpに登場しても不思議ではありません。 
しかし、どの地点でもキツネの登場頻度はタヌキよりかなり低いです。 
これはそのまま生息密度(個体数)を反映しているのでしょうか。 


シーン1:午前3:59・気温-1℃・(@0:00〜) 
右から登場したキツネは、溜め糞場rpには立ち寄りませんでした。 
凍った残雪の上を右奥に歩き去りました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して暗所を明るく加工しています。 


シーン2:午前6:20・気温-2℃・(@0:13〜)(日の出時刻は午前5:53) 
約2時間20分後、明るくなった早朝にキツネが再登場。 
同一個体なのか、別個体なのか、気になるところです。 
嗅覚に優れるキツネがタヌキの糞便臭に気づいていないはずはないのに、今回もキツネはタヌキの溜め糞場rpには全く興味を示さず、立ち寄りもしませんでした。 
オニグルミの大木を迂回するように左へ回り込み、笹藪の背後で残雪の雪原を右往左往しています。 

2回の短い登場シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:34〜) 
キツネの尻尾は先端が地面(雪面)に着きそうで着かない長さでした。

溜め糞場でキツネとタヌキがばったり出くわした時に何が起きるのか、見てみたいものです。 
激しい喧嘩(縄張り争い)になるのでしょうか?
お互いに遠慮しあってニアミスを回避しているのかもしれません。

雪解け水の溜池から飛び去るアオサギ(冬の野鳥)

 

2023年3月中旬・午後15:50頃・くもり 

平地の溜池に単独で飛来したアオサギArdea cinerea jouyi)が着水しました。 
池に佇むアオサギに私がカメラをこっそり向けた途端に警戒して飛び立ちました。 
流し撮りすると、右旋回して飛び去りました。 
今回の個体は鳴き声を発しませんでした。 
池畔は未だ残雪で覆われ、雪解け水の貯まった池は冷たそうです。 

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:23〜) 
空中で脱糞したかと撮影中は思ったのですが、アオサギの足から水滴が滴り落ちただけでした。

2023/09/20

笹薮の溜め糞場でホンドタヌキの♀♂ペアとよそ者タヌキが出会うと…【トレイルカメラ】

 



2023年3月中旬・午前5:36頃・気温-2℃(日の出時刻は午前5:47) 

笹薮に囲まれた河畔林の溜め糞場rpに早朝からホンドタヌキNyctereutes viverrinus)aが排便に来ていました。 
珍しく東を向いて脱糞中です。 
日の出直前の河畔林はもうだいぶ明るく、トレイルカメラは自然光モードで起動しました。

右奥の雪原を別個体bが右からブラブラと歩いてやって来ました。 
少し遅れて左から別個体cが走って右に走って来たので、驚いたbは慌てて右に引き返し逃走。 
縄張り争いで侵入者を追い払ったようですが、タヌキの唸り声や鳴き声は聞き取れませんでした。 
そもそも溜め糞場は複数のタヌキが共有しているので、完全に排他的な縄張りではありません。 
たまたま同じ時刻に溜め糞場rpで鉢合わせしてしまったのでしょう。

溜め糞場rpで排便を済ませた個体aが、奥の残雪上で待っていたcに合流しました。 
しばらく並んで佇み右を眺めてから、ペアは一緒に右へ走り去りました。 
bは、嬉しげに(はしゃぐように)駆け出しました。 
近くの川でカラスが鳴いています♪ 

タヌキは一夫一妻制です。 
aとcが♀♂つがいを形成しており、単独行動のbは縄張り侵入者だったようです。 
あぶれ♂が既婚♀に横恋慕する三角関係だとしたら面白いですけど、もしかするとbはacペアの間に昨年生まれた子供なのかもしれません。 
繁殖期に入り子別れしたのかな?と思ったりするのですが、私の勝手な想像です。
素人目には、深刻な縄張り争いというよりも、タヌキの幼獣同士がふざけてやる追いかけっこ遊びにも似ていました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



早春の餌場上空で旋回飛翔しながら脱糞するコハクチョウ(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午前10:50頃・晴れ 

春になって広大な田んぼの雪が溶け始めると、コハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が採餌のため朝から飛来するようになりました。 
家族単位なのか、小群に別れて続々と飛んできます。 
2羽で飛来したペアに注目して流し撮りしてみました。 
よく晴れた撮影日和で順光ですけど、被写体の白鳥が白飛び気味になってしまいました(露出オーバー)。 

雪解け田んぼの上空をぐるぐると旋回して安全な餌場を探しているようです。 
その途中で1羽が飛びながら白い液状便を撒き散らしました。(@1:02〜) 
脱糞シーンを1.5倍に拡大しながら1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
白鳥の脱糞シーンを見るのは初めてです。

右に左に旋回しながら少しずつ高度を下げたものの、結局は雪田に着陸してくれず、南に飛び去ってしまいました。 
餌場に先客の仲間が居ないと不安なようです。 
もしかすると、しつこくカメラを向ける私を警戒したのかもしれません。

2023/09/19

川の岸辺で寝ているカモに2頭のイエネコが深夜に相次いで忍び寄る【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月中旬

中州横の川辺に残されたタヌキの溜め糞場wnを監視する自動撮影カメラに、イエネコFelis silvestris catus)が一晩になんと2頭も写っていました。 


シーン1:3/14・午前1:08・(@0:00〜) 
早春の川岸は残雪が溶けてどんどん薄くなり、地面がパッチ状に露出しています。 
深夜にネコが右から登場しました。(赤丸に注目) 
なんとなく三毛猫のように見えますが、モノクロの暗視映像では体色が分かりません。 

倒木を跨ぎ、奥の川辺へ慎重に忍び寄ろうとしています。 
どうやら川の左岸に塒入りしたカモ類(カルガモやマガモなど)を狩ろうとしているようです。 
これまで夜も川の方からときどきカモが鳴き騒ぐ声がするので、それを聞きつけてネコがやって来たのでしょう。 
しかし、ネコが川面を覗き込んでも、寝ているカモ類は居なかったようです。 (逃げられた?)

三毛猫?が振り返ると、両目のタペータムが爛々と光っています。 
赤外線カメラに頼らなくても、暗闇でもよく見えるネコの目が羨ましいです。 

凍結した残雪の上を歩いて戻り始めました。 
雪面の匂いを嗅ぎながら、ゆっくりカメラの方に近づいて来ます。 
左右の肩(首の後ろ)に黒点が目立ちます。 
タヌキの溜め糞場wnの匂いに気づいたようで、頻りに嗅ぎ回っています。(@1:14〜) 
最後は左に(川下へ)立ち去りました。 



雪深い厳冬期にはイエネコはこの河畔林に現れませんでした。
春はネコの発情期ですから、おそらく♀を探し求めて♂が出歩くようになったと考えたくなります。 
しかし三毛猫の♂は極稀なので、空腹の三毛猫♀が狩りモードで探餌徘徊していたのでしょう。 
河畔林の林床には獲物となる野ネズミも出没しているはずです。 


シーン2:3/14・午前5:00・(@1:40〜) 
3時間50分後の未明に、左から別個体のネコbが現れました。 
体の斑紋から明らかに先程の三毛猫とは異なる個体と分かります。 
タヌキの溜め糞場wnを迂回しながら右へ歩いて行きます。 

6分30秒後に、奥の川辺りを右から戻って来ました。(赤丸@1:56〜) 
忍び足で水際に近寄ると、少し背伸びして下の川面を覗き込みました。
川面や中州の様子を窺っています。 
左岸に集まって寝ているカモ類の集団塒を襲う気満々です。 

夜行性のイエネコが野外で狩りをする瞬間がトレイルカメラで撮れたら最高です。 
しかし、獲物の近くまで首尾よく忍び寄ったところで、冷たい雪解け水の川に飛び込んでカモを狩る気が本当にあるのでしょうか? 
野生のイリオモテヤマネコやツシマヤマネコとは異なり、日本の飼い猫は水を嫌いますから、まさか本気でカモを狩るつもりはないでしょう。 
家から抜け出した飼い猫がただ好奇心に駆られて水鳥に忍び寄り、狩猟本能を満足させるのかな?

このとき画面の左で、カモと思しき水鳥が暗い川面をスーッと下流に流されて行く様子がかすかに写っていました。(@2:02〜)
カルガモは警戒心がおそろしく強いので、忍び寄るネコの気配を感じて静かに離れて行ったのでしょう。
逃げる際にけたたましい警戒声を発しなかったのが意外でした。
あるいは暗闇で忍び寄る猫にカモが全く気づいてなかった可能性もあり、夜も寝ないで川面を気ままに遊泳している個体がいるのかもしれません。
カモ類の集団塒にトレイルカメラを設置して夜の様子を撮影するのも面白そうです。
夜は安全な中州に集結して寝るのかな?

※ ネコが遠い川岸に行ったシーンだけ動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 


シーン3:3/14・午前6:14・(@2:50〜)
夜が明けて明るくなりました。
この日の日の出時刻は午前5:50です。 
早朝の川ではカルガモAnas zonorhyncha)の群れが遊泳しています。 
右に(川上に向かって)少し遡上した個体が、朝の水浴びを始めました。(@3:04〜) 
川面をスーッと横に移動して中州の方へ行く個体もいます。 
足の水かきで遡上しながら水流に対して体を少し斜めに向けるだけで、水流の力を利用して対岸へ楽に渡ることができるのです。(ベクトルの合成)
カヌーの経験者にはお馴染みの基本スキルです。 

早春の公園で落ち葉をめくって虫を探し捕食するツグミ(冬の野鳥)

 

2023年3月中旬・午後12:00頃・晴れ 

川沿いの公園に立ち寄ると、雪がほとんど溶けていました。 
水溜りの横に1羽のツグミTurdus eunomus)を発見。 
飲水や水浴を始めるかと期待して私がカメラを向けたら、ツグミは警戒したのか水溜りから離れてしまいました。 
断続的に小走りし、私から少しずつ離れて行きます。 
走る際には頭を下げて前傾姿勢になります。 

地面は枯れ草や落ち葉に覆われ、溶け残った残雪が未だ少しあります。 
そんな環境でツグミが立ち止まると、見事な保護色で見つけにくいのが実感できます。 
私のカメラでは被写体としてツグミを自動認識・追随できません。 
公園の築山に植栽されたカシワには茶色の枯れ葉が枝に残ったまま(カシワの特徴)ですが、一部の枯れ葉は落ち葉となって地面に散乱しています。 

やがてツグミは地面に散乱する落ち葉を丹念にめくって獲物となる虫を探し始めました。(@0:51〜) 
急に振り返って駆け寄ると、地面に居た虫を捕食しました。(獲物の正体は不明 @1:04〜) 
落ち葉をめくるというよりも、嘴で横に素早く跳ね除けることが多いです。 
落ち葉の葉柄を咥えて持ち上げて移動させることもありました。(カシワの落ち葉は裏返らず)(@2:09〜) 
それから、苔や芝生に覆われた地面に嘴を素早く突き刺して、穴を掘ることもありました。 

雪が完全に溶けた築山を駆け上がると、大きな庭石に登りました。 
見晴らしの良い高台から周囲をしばらく見回すと、庭石の背後に下りて姿を消しました。
どうも私に対する警戒を最後まで解いてくれなかった印象です。    



2023/09/18

溜め糞場の近くで残雪に倒れた笹に排尿マーキングするホンドタヌキ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬 

笹薮に囲まれた河畔林の溜め糞場に残された最大級の溜め糞場rpを見張る監視カメラの記録映像です。 

シーン1:3/9・午後20:06・気温6℃・(@0:00〜) 
軽い吹雪が降る晩に、オニグルミ大木の背後から右へ回り込むようにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が登場しました。 
残雪上に倒伏したササの匂いを嗅いでから、跨いで立ち止まりました。 
腰を落として排尿マーキングしたようです。(@0:03〜) 
排尿時に片足を上げるのではなく、腰を落としたので、この個体は♀と思われます。 
溜め糞場rpには立ち寄らずに、右手前に通り過ぎました。 





シーン2:3/10・午前3:41・気温0℃・(@0:14〜) 
3時間10分後に右から♀aがやって来ました。 
溜め糞場rpの匂いをチェックしただけで奥に立ち去ります。 
その途中で、残雪上に倒伏したササを跨ぎながら腰を落として小便を少量ひっかけました。 (@0:24〜)
排尿姿勢から、この個体も♀と分かります。 

♀aと入れ替わるように、右からパートナーの♂bが登場。 
溜め糞場rpには寄り道しないで、先行する♀aの後を追います。 
♀aが排尿マーキングしたばかりの笹の匂いを嗅ぎながら、小声でクゥーン♪と鳴きました。(@0:37〜) 
非常にかすかな鳴き声なので、ボリュームを上げてヘッドフォンを使わないと聞き取れないかもしれません。
尿の匂いで♀の発情状態をチェックしているのでしょう。 
タヌキも異性のフェロモンの匂いを嗅いだ際にフレーメン反応するのでしょうか?
ネット検索で調べると、イヌにもフレーメン反応があるらしいので、同じイヌ科のタヌキもやりそうです。
この後、♂bは残雪上に倒伏した笹を跨いで通り過ぎ、自分ではマーキングしませんでした。 


シーン1と2で同じ対象物に排尿マーキングした♀が同一個体なのか別個体なのか、とても重要なポイントです。 
しかし、私には未だ個体識別できません(見分けられません)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工し、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



波状に滑翔するトビの謎(野鳥)ディスプレイ飛翔?

 

2023年3月上旬・午後12:35頃・晴れ 

岸に雪が残る早春の川の上空を単独で飛ぶトビMilvus migrans)の様子がおかしいので気になりました。 
周囲の木々が邪魔で撮りにくいのですが、翼の下面の斑紋からトビと同定できました。 
晴れた青空と白い雲を背景に、羽ばたかずに翼を広げてグライダーのように滑翔しています。 
上下に大きく波打つような飛び方をするトビを今まで見たことがありませんでした。 
風切り音でトビの鳴き声は聞き取れませんが、鳴かずに黙って飛んでいたようです。 
キョッキョッ♪と鳴くキツツキ(おそらくアカゲラ)の声が近くの河畔林から聞こえてきます。 

この波状飛翔の意味を知りたいのですが、トビの生態に特化した本や写真集は出版されていません。 
猛禽類の中でトビは普通種なのに、なぜかバードウォッチャーからは人気がなくて資料が無いのです。 
『フィールドガイド日本の猛禽類』シリーズでトビを扱った続編が出版されることを切望します。 

自分なりに、いくつか仮説を立ててみました。 
(1)独りで強風に乗る遊び(ウィンドサーフィン)を楽しんでいるのかな? 
(2)上昇気流に乗りながらクルクル回って帆翔したくても、上昇気流が弱くて不安定なのでしょうか? 
(3)繁殖期が始まり、異性にアピールするディスプレイ飛翔なのかもしれません。 (願望)

実は以前、鳴きながら似たような波状飛行を披露するノスリを観察しました。 




幸いノスリに関する専門書は出版されていて、それによると波状飛翔ディスプレイは威嚇や縄張りからの排除行動だと知りました。 
その解釈がそのままトビにも当てはまるのかどうか問題です。 
今回のトビは黙って飛んでいますし、私のことなど眼中には無いようで、対人威嚇には見えませんでした。
波状飛行ディスプレイにしては上下動が小さいでしょうか?


2023/09/17

雪山で見つけたニホンカモシカの立小便跡と糞粒【アニマルトラッキング・フィールドサイン】

 

2023年1月中旬・午後13:45頃・晴れ 

スノーシューを履いて雪深い里山に登っている途中で雪面にニホンカモシカCapricornis crispus)の新鮮な足跡を見つけたので、追跡開始。 
雪質が腐れ雪(湿雪)だと蹄の跡がくっきり残り、分かりやすいです。 
雪山でカモシカの溜め糞場を見つけるのが今季の目標です。 

やがてカモシカが立ち止まって(立ったまま)排尿した跡が雪面に黄色く残っていました。 
尿で自分の縄張りをマーキングする行動は様々な哺乳類で見られますが、そのようなマーキング時には少量しか排尿しません。 
それに対して今回のカモシカは、膀胱に貯まっていた尿を時間をかけて一気に放出したようです。 
温かい小便で雪が溶け、雪面に丸く穴が開いています。 

※ もしかして、私が雪面に立ち小便した跡を撮ったヤラセ映像だと思う人がいるかもしれません。
そうだとしたら、周囲の雪面に私の足跡が残るはずです。

カモシカの排尿姿勢には性差があるそうです。
雪面に残る尿の放出角度からカモシカの性別が見分けられるでしょうか?
ちなみに、ニホンカモシカのマーキングは尿ではなく、顔の眼下腺からの分泌物で行います。

15分後にはスギを植林した斜面でアカマツ林との境界付近にカモシカの新鮮な糞塊を見つけました。 
黒い糞粒の量はそれほど多くなく、排泄1回分のようです。 
カモシカの溜め糞場だとすれば雪の下に古い糞が大量に埋まっていることになりますが、そもそもカモシカがここに何度も通っている形跡がありません。 
縄張り巡回中に便意を催して、通りすがりに排便しただけでしょう。 

その後も足跡を追い続けると、いつの間にかカモシカの足跡が順行⇔逆行と頻繁に入れ替わるようになりました。 
雪山で体力の消耗を軽減するために自分の古い踏み跡の上を選んで歩いているのか、あるいはワンダリング(堂々巡り)しているようです。 
雪面の蹄跡を読み解くのが難しくなり、追跡を諦めました。 
おそらくカモシカはワンダリングで私の追跡をまいてから急斜面を登って行ったようです。 




早春の雪解け田んぼで採食するコハクチョウの大群と首輪標識を付けた個体

 

2023年3月下旬・午後15:00頃・晴れ 

早春の広大な雪田にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して採食していました。 
冬に渡来した白鳥の群れが毎晩過ごす集団ねぐらの川があるのですが、朝になって採餌のために塒から飛び去る行き先が長年分かりませんでした。 
白鳥に関する本を読んで、昼間に田んぼで採食するという知識は得ていました。 
しかし、ここ豪雪地帯では冬季に田んぼが深い雪に埋もれていますから、白鳥は採食できないはずです。
隣の宮城県や福島県など雪の少ない暖かな地方に毎日遠征して餌場に通っているのだろうと勝手に推測していました。 
念願だった白鳥の採食シーンを実際に観察するのは今回が初めてです。 
春になって雪が溶ければ、集団塒の川から遠出しなくても近場の田んぼで採食できるようになるのでしょう。
長年の謎(ミッシングリンク)がようやく解けたときの喜びは、自然観察の醍醐味です。 

白鳥の数があまりにも多く(数百羽?)、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。 
採食中の白鳥にどれだけ近づけるか分からなかったので、警戒させないように、まずは遠くから大群の全景を撮影します。 
よく晴れて春の日差しが強く、残雪が溶けて露出した地面からは陽炎がゆらゆらと立ち昇っています。 
せっかくなので白鳥のシャープな映像を撮りたいのですけど、自然現象なので仕方がありません。 

コハクチョウたちは、雪が溶けて泥濘になった田んぼで落ち穂を丹念に食べているようです。 
羽毛が純白の個体は成鳥で、少数混じっている灰色の個体は若鳥です。 
採食だけでなく、羽繕いしたり、雪原や畦道に座り込んで昼寝をしたりする個体も見受けられます。 
その場で背伸びをしながら翼を羽ばたかせる個体もいました。 
コーコー♪と白鳥が鳴き交わす声もかすかに聞こえます。 

カメラを右から左へゆっくりパンしていると、大群に混じって1羽だけピンクの首輪を装着した個体が居ました。(@2:05〜) 
白鳥を一時捕獲して個体標識することで、渡りのルートなど詳細な研究が可能になります。
例えば、この個体はロシアのシベリア地方で首輪を装着されたのかもしれません。
首輪には個体標識の記号や文字などが記されているはずですが、遠いので残念ながら読み取れません。
それどころか、撮影中の私は首輪装着個体に全く気づきませんでした。 

参考サイト:


予定を変更し、この後も夢中で白鳥を撮りまくりました。 

つづく→

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