2021/10/30

冠水した氾濫原を早朝に歩くアオサギが獲物を狙うも…【トレイルカメラ:野鳥】

 

2021年8月中旬・午前5:10頃・気温14℃(日の出時刻は午前4:54) 

大雨が降った後、川の増水で氾濫原の獣道がすっかり冠水していました。 
日の出直後の早朝に通りかかった1羽のアオサギArdea cinerea jouyi)がトレイルカメラに写っていました。 
普段はアオサギがこの獣道を歩いて通ることは一度もなく、専ら近くの水路や池で暮らしています。 
大雨の増水で氾濫原になると、自ずと行動域が広がるのでしょう。 

水深はアオサギの長い足の膝上まであります。 
カメラの存在にアオサギは全く気づいていないようです。 
画面の左から右へゆっくり横切るように渡渉しています。 

画面奥に広がる湿地帯(ヨシ原と柳灌木)の手前で カメラの正面で立ち止まったアオサギが水中の獲物(小魚?)に狙いを付けて嘴を一閃しました。(@0:15) 
しかし残念ながら捕り逃してしまったようです。 

なぜか急に左を振り返って警戒しました。 
長い首を中心に全身の羽毛を逆立てたのは(鳥肌が立つ)、激しい興奮の現れだと思うのですが、何を見たのか不明です。 
その後は抜き足差し足で水中の倒木をまたぐと、右へ歩き去りました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
映像も明るく加工しました。 


アオサギは警戒心がとても強く、普通に撮ろうとしてもカメラを向けただけで逃げてしまうことが多いです。 
トレイルカメラ(無人センサーカメラ)という文明の利器を使うことで、アオサギの全く無防備な姿、自然な行動を撮影することができました。 

夜の山で無人カメラが撮った謎の怪奇現象・UMA?人魂?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月中旬 

ハロウィン記念に謎の怪現象について投稿します。 
山中の水辺に設置した無人センサーカメラ(トレイルカメラ)に奇妙な物体が写っていました。 
たまたま他の夜行性動物の活動によってセンサーが反応し、録画した暗視映像です。

シーン1:午後19:46 

不定形の塊が音もなく上からゆっくり降りてきて、空中に一旦停止してから今度はゆっくり上昇して画面から消えました。 
オカルトの類を全く信じない私でも人魂やエクトプラズムのように見えて、なかなかゾッとしました。 
レンズの表面に垂れてきた水滴が乱反射しているのかと初めは思ったのですが、上に移動するのは不自然です。 
大きさや遠近感が分からないのも不気味です。 

シーン2:2日前の午後18:55 

カメラの赤外線で白く光る2つの点が池の上に現れました。 
2点の間隔が伸び縮みしています。 
これは別に怖くありません。 
おそらく、造網性のクモが吹き流した糸が風に乗って流れてきたのだと思います。 
糸の上に並ぶ粘球が広く光って見えるのでしょう。 

これを踏まえてシーン1の怪現象を推理すると、クモが吹き流した糸がたまたまカメラの方向に向かう風に乗って流れてきて、その粘球が異様に大きく写ったのかもしれません。 
改めて映像を見直すと、謎の大きな塊の奥にもう一つ小さな粘球らしき物が連なって写っています。
時間帯も深夜ではなく19:00前後というのも共通しています。 
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」 
それにしても、これほど大きな粘球を作る造網性のクモがいるのでしょうか? 
吹き流しの糸の先端部には少し重りをつけるのかな?
ナゲナワグモの仲間は大きな粘球を作るらしいのですが、無駄に糸を吹き流したりしないはずです。


【追記】
この日の月齢は11.7で、満月になる3日前でした。
現場は里山の鬱蒼とした雑木林で、樹冠の木の葉が日光を遮るために昼間もかなり薄暗いところです。
重なり合った木の葉の僅かな隙間から夜の月光が奇跡的にクモの糸の粘球に射してカメラの方に反射したのかもしれません。
この時間の天球図で月の位置を調べると、左斜め背後の山に隠れていそうで、この可能性は低そうです。
(月がもっと高く昇らないと、月明かりは山中の池に届かない。)



2021/10/29

水辺の獣道をハクビシンが深夜徘徊【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年8月中旬・午前1:52・気温18℃ 

氾濫原の周囲の獣道に仕掛けた無人センサーカメラ(トレイルカメラ)に今度はハクビシン(白鼻芯、白鼻心;Paguma larvata)が写っていました。 
画面の左右にまっすぐ通る遊歩道とは別に、どうやら左のヨシ原の茂みの奥にも別な獣道が伸びているようで、そこから登場したようです。 
ハクビシンは滅多に通りかかりませんが、タヌキと共通の獣道を使っていました。 

※ 動画編集時に映像を正規化して全体を明るく加工しています。

ムラサキツメクサの花で採餌するトラマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午前5:15頃・晴れ 

田園地帯の農道沿いに咲いたムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が早朝の陽光を浴びながら訪花していました。
関連記事(9年前の撮影)▶ アカツメクサに訪花するトラマルハナバチ♀
トラマルハナバチは長舌種なので、ムラサキツメクサの小花でも穿孔盗蜜する必要はなく、まめに正当訪花しています。 
長い口吻を細長い花筒へ毎回器用に挿入していました。 
吸蜜後に花筒から引き抜くと長い舌がよく見えます。 
後脚の花粉籠に茶色の花粉団子を少量運んでいました。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:10〜) 
次の花へ飛びながら空中で両足を擦り合わせ身繕いしています。 
複数個体を撮影。 

ちなみに、シロツメクサとムラサキツメクサは似ているようで細かな点で色々と異なります。 
花の作りの違いに応じて送粉者も変わっています。
同じマメ科だけれど、ムラサキツメクサと相性が良いのはマルハナバチの仲間なんだよ。(シロツメクサと異なり:しぐま註)ムラサキツメクサは花粉をもらった花が下を向く性質もないんだよ。(一寸木肇『シロツメクサの花のふしぎ』p37より引用)

2021/10/28

イエネコ♂に自家製の乾燥マタタビを与えてみると…(その1)

2021年7月中旬 

里山の林縁で蔓植物のマタタビを見つけました。 
杉(スギ)高木の高い枝まで巻き付いて育っていました。 
葉は白い斑入りで、枝には虫えい(虫こぶ)もたくさん付いていました。 
この虫こぶは正式にはマタタビミフクレフシと呼ばれ、果実にマタタビミタマバエ(Pseudasphondylia matatabi)が寄生したことで形成されるのだそうです。 
剪定ばさみで枝葉を採集して持ち帰ります。

採取してきた枝葉をハンガーに吊るして5日間、陰干しにしました。 
枯葉に手で触れると、カサカサ、パリパリと乾いた音がします。 
粉末にするのも面倒なので、そのままイエネコFelis silvestris catus)に与えて反応を見てみましょう。 
被験者は去勢された若い雄猫♂(キジトラ猫)です。 
薄暗い廊下で涼んでいた猫に乾燥マタタビをそっと差し出してみました。 
眩しい照明を点灯すると嫌がり、リラックスした自然なマタタビ反応が撮れなくなってしまいます。 
仕方がないので、昼間でも赤外線の暗視カメラで撮影しました。

 

2021年7月中旬 

飼い猫は一応マタタビを気に入ってくれたようですが、予想よりも薄い反応でした。 
キジトラ猫は少し警戒しながらも、乾燥したマタタビの枯れた葉や虫こぶの匂いを頻りに嗅いでいます。 
パリパリに乾いた枯葉の表面をペロペロ舐めました。 
しかし、フレーメン反応は見られませんでした。 
後で調べてみると、猫のマタタビ反応には個体差があるらしく、必ずしも去勢された♂猫は無反応、という訳でもないらしい。
ネコが期待通り(予想通り)の行動を示さないのは、いつものことです。
少し期間を空けてネコが成長してからもう一度改めて乾燥マタタビを与えてみることにします。 
次は乾燥させずに生のマタタビを与えてみたらどうでしょう? 

つづく→ 


【参考サイト】より引用。
・  獣医師が解説|効かない猫も?またたびの効果・危険性・上手な与え方
またたびはフェロモンを感知する器官を刺激して、興奮を起こします。発情期を迎えていないメス猫や性的に未熟な子猫に与えても、あまり反応を示さないことがあるようです。この興奮が性的興奮であるかはわかっていません。避妊や去勢を行った猫はそもそも発情をしなくなるので、またたびへの反応が薄くなる傾向も。 またたびへの反応は個体差もあるようです。人もお酒を飲んで酔っ払う人とそうでない人がいるように、猫の中にはまたたびに全く興味を示さない猫もいるそうです。 安全性を考慮すると、嗅覚と神経系が十分に成長した生後6ヶ月~1才以降から与えるのがよいでしょう。 与える頻度は多くても1週間に2回までにとどめ、連日与えるのは避けてください。
猫が大好きな「またたび」 正しい与え方と注意点
またたびの木には、正常な実と「虫えい果」と呼ばれる実の2種類がなります。猫が好むとされているのは「虫えい果」で、ハエやアブラムシが実に卵を産み付けることで変形したものです。  またたびによる反応は、猫の上あごにあるヤコブソン器官(フェロモンを感知する器官)を、マタタビラクトンやアクチニジンといった、またたび特有の成分が通ることにより引き起こされます。  成分がヤコブソン器官を通ることにより中枢神経が麻痺するため、猫によっては転げ回ったり走り回ったりといった、陶酔したような姿を見せることがあるのです。  中には、酔っ払った状態に似ていることから依存性を心配する飼い主さんもいらっしゃいますが、一時的なもので依存性はほとんどないとされています。  また、「粉末、液体、実、枝」の順で強度が高いとされています。強度によって適量が変わるため、必ず飼い主さんの方で把握してください。



【追記】

余談ですが、佐々木正己『ニホンミツバチ: 北限のApis cerana』という本を読んでいたら、興味深い記述がありました。

マタタビの匂い(ラクトンの1種)に、それが性フェロモンでもないのにクサカゲロウの♂が強く誘引される (p159より引用)

今後、マタタビの周囲で注意して見てみることにします。 

八重桜の樹洞内の巣を夜に守り威嚇するモンスズメバチ♀【暗視映像】

前回の記事:▶ 八重桜の樹洞の上下に入口があるモンスズメバチの巣:門衛と外役ワーカー♀の空中戦

2021年7月下旬・午後22:15頃・外気温27℃ 

前日に見つけたモンスズメバチVespa crabro)のコロニーの様子を翌日の夜に見に来ました。 
赤外線の暗視カメラによる撮影です。 
モンスズメバチは夜行性とよく言われるのですが、営巣木の周囲は静まり返っていました。 
夜に巣に出入りする外役ワーカー♀の活動は全く無く、樹洞上下に2つある巣口を守る門衛の姿を1匹も見かけませんでした。 
この状況は同一のヤエザクラ(八重桜)樹洞に営巣した前年のモンスズメバチのコロニーでも同じでした。 
この辺りの自然環境は、モンスズメバチ♀が夜勤するほど餌(樹液など)が豊富ではないのでしょうか。 
逆に、昼間の採餌活動だけでコロニーの食欲を賄えるだけ豊かなのかもしれません。 
私はモンスズメバチのコロニーで本当に夜行性だった例を未だ1巣しか観察したことがありません。 
そこは自然豊かな山中で、周囲の雑木林には樹液酒場があちこちに開宴してました。
関連記事(7年前の撮影:クヌギ樹洞)▶ モンスズメバチ♀の夜間飛行【暗視映像】
持参した脚立に乗って上から見ると、八重桜の樹洞の上端(伐採した枝の切り口)が自然に朽ちて開いた穴をモンスズメバチが外皮状の皮膜を張って塞いでいることがよく分かりました。 
歪な円形の穴だけ開いたままになっていて、昼間はこれを巣口として蜂が出入りしていたのです。 
スズメバチの巣で巣口が上部にある例は初めてです。 
樹洞内の熱気を逃がす排気口としての機能もあるのかもしれません。 
大雨が降ったら上の巣口を急いで閉鎖するのかな? 
巣口から内部の様子を覗こうとしても、奥は真っ暗で分かりませんでした。 (ファイバースコープ・カメラが必要。) 

脚立を降りて幹を回り込み、下部の大きな洞の様子を調べてみましょう。 
縦に長い開口部の上から外皮状の皮膜で塞ぎつつあります。 
巣口の周囲を塞いでいる外皮状皮膜を部分的に壊したら、モンスズメバチは急いで修復するはずです。 
その様子を微速度撮影で記録するのも面白いかもしれません。 

次はいよいよ樹洞内の巣盤の様子を観察してみましょう。 
赤外線投光器2台を樹洞の底に置いて上を照らしながら、暗視ビデオカメラを樹洞内にそっと差し込みます。 
去年の定点観察で慣れているので、防護服がなくても緊張せずに撮影できます。 
樹洞内部の上端に円形の巣盤が3段重ねて作られていました。 

物陰に頭を突っ込んで寝ている成虫♀個体と覚醒(内役活動)している個体がほぼ半々でした。 
巣盤の外の樹洞壁面(画面の死角)で休んでいる個体も居るようです。 
一番下の小さな巣盤の巣柄に巻き付くような姿勢で複数の成虫♀が寝ています。 
卵の入った育房の天井を成虫が呼吸熱で温めて胚発生を早める抱卵行動と思われます。 
スズメバチの初期巣で創設女王が抱卵するのは以前も観察してきましたが、巣が大きくなると複数のワーカー♀が抱卵するのですね。 
どれが創設女王か見分けられませんでした。

巣をじっくり観察する暇もなく、1匹のモンスズメバチ♀がブーン♪と低い羽音を立ててカメラに飛び降りてきたので焦りました。 
慌てて撮影を中断し、カメラを取り出しました。 
幸いカメラを持った手を刺されることもなく、蜂が樹洞の外に飛び出してくることもありませんでした。 
モンスズメバチに赤外線は見えてないはずですから、おそらく侵入者の気配を感じて威嚇しただけでしょう。 
私が樹洞の外側を先に撮影したので、その物音で在巣のモンスズメバチが警戒してしまったようです。 
樹洞内の巣の撮影を先にやるべきでした。 
肝を冷やしたので、この日はこれで帰ります。 
なんとか無事だったものの、油断大敵です。 

ちなみに、樹洞の外の枝の樹皮の隙間にゴキブリが潜んでいて、長い触角が揺れています。(@0:06 〜 0:09) 
おそらくヤマトゴキブリPeriplaneta japonica)だと思われます。 

※ 蜂の羽音が聞こえるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
映像も明るくするために正規化した後にモノクロ加工しています。 



ハルジオンの花で吸蜜するマドガ♀(蛾)を接写してみる

 

2009年6月上旬・晴れ 

里山に咲いたハルジオンの群落でマドガ♀(Thyris usitata)が訪花していました。 
マクロレンズを装着して接写してみました。 
腹部が太く、腹端にヘア・ペンシルが無いので♀ですね。 

古い映像が出てきたので投稿しておきます。 
風揺れは仕方ないのですが、手ブレしないように一脚を使っているようで、昔の方が丁寧に接写していました。 
最近は撮影が雑になってきたので、初心を忘れないようにと、反省しました。 

2021/10/27

電線に並んで寝ていた夜明け前のハシボソガラス♀♂(野鳥)

 

2021年7月下旬・午前4:20頃・晴れ(日の出時刻は午前4:40) 

郊外の通り沿いの電線で未明に2羽のハシボソガラスCorvus corone)が並んで止まっていました。 
おそらく営巣期の♀♂つがいと思われます。 
子育てをする巣と親鳥が夜に寝るねぐらは基本的に別物です。 
左の個体は首を曲げ嘴を背中の羽毛に埋めて眠っています。 
一方、右の個体は目覚めていて、辺りをキョロキョロ見回していました。 
東の空が少し明るくなってきました。

明け方の通りすがりに撮っただけの記録なので、本当にカラスの夫婦が一晩中ここで寝ていたのかどうかは、定かではありません。
おそらく近くの送電塔の天辺に営巣したペアではないかと予想しています。

落ち葉の上を低空でひたすらホバリングし続けるシダクロスズメバチ♀の謎【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午後12:05頃・晴れ 

登山口から里山を登り始めてすぐの地点。 
山道の横の落ち葉が堆積した溝の辺りを1匹のシダクロスズメバチVespula shidai)のワーカー♀が低空で飛び回っていました。 
林床のとある区画になぜか執着し、思わせぶりにホバリング(停空飛翔)し続けていました。 
こんな行動は今まで見たことがありません。 
一体何をしているのでしょうか? 
シダクロスズメバチは地中に営巣します。 
この辺りに巣口があったのかもしれません。 
もしかすると私が巣の存在を知らずに歩き回ったり座ったりしたせいで、シダクロスズメバチの巣口が埋もれてしまい、外役から帰巣したワーカーが迷子になってるのでしょうか? 
しかしそれなら、もっと多数の蜂が飛び回る気がします。 

素直に考えれば、獲物を探索するワーカー♀の探餌飛翔でしょう。 
シダクロスズメバチ♀が興味を示した地点には、多数のアリも集まっていることに気づきました。 
しかしクロスズメバチの仲間がアリを狩るという話は聞いたことがありません。 
新鮮な屍肉によく集まって肉団子を切り取り、巣に持ち帰ります。
関連記事(2年前の撮影)▶ ドバトの死骸に通い肉団子を作るシダクロスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)
ひょっとすると、落ち葉の下に小動物の死体が埋まっているのかもしれません。 
シデムシが落ち葉の下に埋めた死骸の放つ死臭にアリやシダクロスズメバチ♀は誘引されたのではないかと想像しました。 
しかし私の鼻では何も嗅ぎ取れませんでした。 
この辺りの落ち葉をめくって徹底的に探してみるべきでしたね。 
実はこのとき私は、スズバチの営巣活動を撮影するための待ち時間に片手間で撮影していたので、スズバチの泥巣からあまり目を離す訳にはいきませんでした。
関連記事(7日前の撮影)▶ 山形県に泥を塗るスズバチ♀:造巣行動
シダクロスズメバチ♀による謎のホバリング行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:05〜) 
かなり薄暗い林床なので、カメラの設定で予め明るさを上げました。 
落ち葉に覆われた林床の特定の区画に興味を示して離着陸やホバリングを繰り返しています。 
飛翔中のシダクロスズメバチは脚を体軸に沿って後方に伸ばし、空気抵抗を減らしていました。 
アシナガバチの飛行姿勢とはまるで違います。 
ホバリングしながら後脚で腹部の側面を擦って身繕いすることもありました。 
林床に一瞬着地している間も羽ばたき続けています。 
落ち葉の下を覗き込むような仕草も見られました。 
そのときも羽ばたきを止めません。 

大小のクロアリも落ち葉の上や下を多数走り回っています。 
その中で私が見分けられる蟻は、大型のクロオオアリCamponotus japonicus)ぐらいです。 
シダクロスズメバチ♀とアリがニアミスしても喧嘩することはありませんでした。 

スローモーションを見直すと、シダクロスズメバチ♀だけでなく、何か非常に微小な蜂?(双翅目かも)も飛び回っていることに気づきました。 
同様に林床を低空でホバリングしています。 
寄生性のハチとかハエなら面白いのですが、おそろしく微小な昆虫なので、正体不明です。

2021/10/26

ハクチョウソウ(ガウラ)の実を食べるカワラヒワの群れ(野鳥)

 

2021年7月下旬・午後14:30頃・くもり 

民家の庭の花壇に咲いたハクチョウソウ(=ヤマモモソウ、ガウラ)カワラヒワCarduelis sinica)が群がっていました。 
細くてよくしなる茎に器用に止まって揺れながら、ガウラの実を啄んでいます。 
茎の先端に止まるにはカワラヒワの体重が重過ぎるようです。

カワラヒワが飛ぶ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
いかにも種子食性らしいカワラヒワの新たな食事風景を動画で記録できて大満足。
カワラヒワ♂(野鳥)@ハクチョウソウ種子食

ムラサキツユクサの花粉を集めるニホンミツバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年7月下旬・午前5:45頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたムラサキツユクサの群落で早朝からニホンミツバチApis cerana japonica)のワーカー♀が多数、忙しなく訪花していました。 
耳を澄ますとミツバチの羽音♪がかすかに聞こえます。 
どの個体も後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を運んでいます。 
花の真上でホバリングしながらグルグル回るのに、なぜか着陸せずに次の花へ飛び去ることがありました。 
ムラサキツユクサの花に着陸しなくても花粉の量を見定めることができるようです。 

朝日を浴びながらニホンミツバチ♀が花から花へとあまりにも忙しなく飛び回るので、普通に撮るとこちらの目が回りそうです。 
採餌シーンおよび花からの飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:18〜) 
ムラサキツユクサの花に着陸しても羽ばたきを滅多に止めず、雄しべの葯を抱えながらグルグル回って花粉を集めています。 
訪花中は口吻を伸ばしておらず、吸蜜よりも集粉に専念していることが分かりました。 

花の手前でホバリング(停空飛翔)しながら左右の脚を軽く擦り合わせていました。 
体に付着した花粉をまとめて後脚の花粉籠に移しているのです。 

訪花中に複数個体がニアミスしても譲り合い、争いにはなりませんでした。 
同じコロニー出身なのでしょう。

2021/10/25

水辺の獣道を深夜徘徊するホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年8月上旬・午前00:20頃・気温20℃ 

氾濫原の周囲を通る獣道に仕掛けたトレイルカメラ(無人センサーカメラ)にホンドギツネVulpes vulpes japonica)が写っていました。 
平地にもキツネが出没するとは意外でした。 
カメラ目線をくれつつ、右から左へ歩き去りました。 
赤外線の暗視カメラで目がギラギラと明るく光って見えます。 
性別不明。 
夏毛のキツネはかなり痩せて見えます。 
冬に最寄りの雪山で見た疥癬に感染した個体ではなく、健常個体のようでした。
関連記事(5ヶ月前の撮影)▶ 杉の木の下の隠れ家から雪山に逃げる疥癬症のホンドギツネ

※ 動画編集時に正規化(equalizor)して画面全体を明るく加工しています。

早朝に車道の真ん中で座り込んでいたカルガモ(野鳥)

 

2021年7月下旬・午前4:50頃・くもり(日の出時刻は午前4:40) 

田園地帯の農道で夜明け直後にカルガモAnas zonorhyncha)が単独で舗装路の真ん中に座り込んでいました。
まさか路上をねぐらとして一晩寝ていたのでしょうか?
しかし動画を撮り始めたときからカルガモの目は開いていました。 
なんとも大胆なカルガモです。 
いくら過疎地の農村部とは言え、夜中に車が一台も通らなかったとは思えません。
むしろ田舎の農道では夜中に高速で暴走する車がいます。 
そもそも、群れを離れて独りでいるカルガモも珍しい気がします。
関連記事(10年前の撮影:午前5時過ぎ)▶ カルガモの早朝散歩【野鳥】
私がゆっくり近づいても、なかなか逃げようとしません。 
足を怪我しているのでしょうか? 
私が横まで来ると、カルガモは嫌々ながら(?)ようやく立ち上がり、ペタペタと歩いて反対側の歩道へ移動しました。 
私から遠ざかりながら、ときどき尾羽を左右に振る仕草をしました。 
このボディランゲージはどういう意味でしょう? 
寝起きで機嫌が悪いのか、寝ぼけているのか、小声でブツブツ鳴いているようです。 
歩道の奥は休耕田や水田が広がっているのに、そこへ逃げ込もうとしません。 
私が立ち去ったら再び車道に戻るつもりなのでしょうか? 
最後まで飛んで逃げなかったのが意外でした。





2021/10/24

吸水中に排尿するイカリモンガ(蛾):ミネラル摂取

 

2021年7月下旬・午前6:15頃・晴れ 

低山を登り始めてすぐの地点で、山道のわだちイカリモンガPterodecta felderi)が静止して泥水をすすっていました。 
いつものように翅をしっかり閉じたまま、水浸しの轍で吸水しています。 
口吻は先端を地面に付けたまま、全く動かしていません。 

吸水中のイカリモンガがときどき腹端から透明な液体をポタポタと排泄していることに気づきました。 
おそらく摂取したい必須のミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニウム塩など)の含有濃度が低く、大量の水を飲まないといけないために、余分な水分を直ちに排出しているのでしょう。 
夏に体温を下げるため大量の水を飲んでいる可能性も考えられますが、時間帯が涼しい早朝なので、それはないでしょう。 
そもそもイカリモンガは涼しくて薄暗い林縁に生息する蛾です。

イカリモンガの吸水シーンやミネラル摂取は初見です。 
マクロレンズを装着して排尿シーンをじっくり接写しようか迷いました。 
私のカメラFZ85はバックモニターの角度を変えられず(メーカーPanasonicの改悪でバリアングル機能が廃止)、ヤブ蚊が飛び回る中を水浸しの山道に腹這いにならないといけません。 
そこまでの根性が無くて諦めました。 
(極端なローアングルまたはハイアングルで撮影する際にはバックモニターのバリアングル機能をとても重宝していました。)
その代わり、後半は通常のマクロモードでカメラを被写体に近づけながらしゃがんで接写してみました。 
それでもイカリモンガは飛んで逃げること無く、無心に吸水を続けていました。
ひょっとすると水を飲み過ぎて体温が下がってしまい、飛び立ちにくくなってしまったのかもしれません。
翅に触れてすぐに(準備運動無しで)飛び立つかどうか確かめればよかったですね。

八重桜の樹洞の上下に入口があるモンスズメバチの巣:門衛と外役ワーカー♀の空中戦

 

2021年7月中旬・午後17:10頃・晴れ

関連記事のまとめ(1年前の撮影)▶ 八重桜の樹洞に営巣するモンスズメバチ:2020年

前年に定点観察したヤエザクラ(八重桜)の樹洞が今年も気になり、ときどき様子を見に来ています。 
去年は8月上旬に モンスズメバチVespa crabro)の巣を発見したのですが、今年はもっと早くモンスズメバチの活動に気付くことができました。 
昨年と全く同じ樹洞に今季もモンスズメバチ創設女王が営巣してくれたことになります。 
昨秋(9月末)に駆除された際の殺虫剤が樹洞内に残留してないことが分かり、一安心です。 
7月上旬(17日前)に見たときには、この樹洞でモンスズメバチ♀を1匹も見ませんでした。 
このとき樹洞内で創設女王による営巣の有無をしっかり確認すべきでした。

最近になって羽化したワーカー♀の数が急増したのでしょうか? 
別なところの初期巣(一次巣)から最近引っ越してきた二次巣という可能性も考えられます。
巣の引っ越し(nest relocation) モンスズメバチとキイロスズメバチにおいて越冬後の女王蜂によって狭い空間に巣が創設された場合、巣の発達に応じて広い場所に新たな巣を造り移動すること。最初の巣を母巣(primary nest)、後の巣を移動巣(第二次巣:secondary nest)という。(小野正人『スズメバチの科学』p171より引用)
縦に長い樹洞の開口部を、上端からパルプの薄い外皮を張って狭くしようとしています。 
これは去年も見られた同じ現象です。 
ガバガバの巣口を狭くした方が、外敵に対してコロニーの防衛力が高まります。 
ときどき外役から戻ったワーカー♀が飛来して、この1番目の巣口から樹洞の中に入りました。 

今年の巣では、新しい発見がありました。 
営巣木の幹の中程に太い枝を根本から伐採した跡があり、その古い切り株に複数のワーカー♀が集まっていました。 
私が上から覗き込むように撮影してみると、枝の古い切り口にモンスズメバチが作った外皮の鱗模様が見えました。 
モンスズメバチが営巣している樹洞の天井部にも開口しているようです。 
つまり巣口がもう一つあって、やはり外皮の膜で狭くなっていました。 
この2番目の巣口の存在を、去年の私は全く気づきませんでした。 
今年になって新たに出来た穴なのか、去年も穴があったのに私が気づかなかっただけなのか、不明です。 
上向きの巣口があるスズメバチの巣は初見です。 
雨が降っても樹洞内の巣が濡れないように何らかの工夫がされているのでしょうか? 

樹洞上部にある2番目の巣口付近で、3匹ほどの門衛が常駐していました。 
門衛はピリピリとかなり警戒を高めた状態で、離着陸を繰り返しています。 
巣口から出入りする蜂を門衛が誰何して、同じコロニー出身の仲間かどうか確かめているのでしょう。 
外役から戻ったワーカー♀が飛来する度に、門衛がスクランブル発進で飛び立ち、空中で迎撃していました。 
門衛同士が空中戦の小競り合いになることもありました。 
外役ワーカー♀は門衛のスクランブルをかいくぐって帰巣する必要があるのです。 
外役ワーカー♀が巣口から飛び立つ際にも門衛は一瞬緊張・警戒していました。
素人目には過剰防衛に見えるのですけど、これは私がモンスズメバチの巣を見つける度にいつも見られる行動です。 
門衛が過敏に巣口を守っているのは、モンスズメバチに特有の習性なのかな? 
門衛が何に対して巣口を厳しく防衛しているのか、仮想敵の正体を知りたいところです。(オオスズメバチ?) 
木にスズメバチが群がって激しく飛び回っているのを見るだけで恐怖を感じる一般人が多いのですけど、落ち着いてじっくり観察してみると、ほとんどの場合はヒトに対する攻撃性ではありません。
ヒトが巣を駆除しようとしない限り、忙しいスズメバチはヒトのことなど眼中にありません。

門衛のスクランブル行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:42〜) 
出巣した個体とつられて飛び出した門衛が空中で衝突事故を起こしました。(@3:30) 
スクランブルした門衛が帰巣ワーカー♀を巣口の手前の空中で迎撃・撃墜しています。(@3:54) 

不思議なことに、樹洞下部の広い巣口を守る門衛は1匹も居ませんでした。
今年の巣ではこれから下の巣口を完全に塞いでしまい、上の小さな巣口から出入りする方針なのかもしれません。

余談ですが、樹洞内の底には木屑が堆積していて、その上にマイマイガ♀(蛾)成虫の死骸が転がっていました。 
ちなみに昨年はこの樹洞内でマイマイガの蛹を見つけています。 

今年も定点観察に通うことにします。

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