2015/09/19
フクラスズメ(蛾)幼虫の排便
2015年7月下旬
山間部の道端でアカソの葉を食べているフクラスズメ(Arcte coerula)を動画で長撮りしていると、ほぼ定期的に脱糞しました。
腹端を軽く持ち上げて排便します。
直後に左に大きく体を屈曲させる奇妙な行動を示しました。
幼虫の左側はこちらから死角になって見えませんが、飛来した寄生バエを追い払ったのか、体表に産み付けられたヤドリバエの卵を口で取り除こうとしているのかもしれません。
その後も何度か同じ行動を目撃したのですけど、動画にうまく記録できませんでした。
映像後半は、10倍速の微速度撮影で食事シーンを記録している際にたまたま撮れていた2回の排泄シーンです。
この微速度撮影はジオラマモードで撮っているため、画角の上下がわざとぼかされています。
そのために、肝心の肛門付近がややピンぼけになってしまいました。
これまで様々な種類の幼虫(芋虫・毛虫)の脱糞シーンを飼育下で観察してきましたが、いつも大体30分間隔でした。
ところが野外で撮影した今回は、それよりも短い間隔(半分以下)で頻繁に排便しました。
フクラスズメ幼虫の消化力が種として例外的に優れているのか、それとも野外で新鮮な食草を食べているとお通じも快調になるのでしょうか?
つづく
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微速度撮影
ノブドウの花蜜を吸うキアシナガバチ♀とオオハラナガツチバチ♂
2015年7月中旬
河川敷に蔓延るノブドウは蜂が大好きな花で、千客万来です。
キアシナガバチ(Polistes rothneyi)およびフタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis)のワーカー♀、そしてオオハラナガツチバチ♂(Megacampsomeris grossa matsumurai)が相次いで訪花していました。(登場順)
体長で劣るフタモンアシナガバチはキアシナガバチとニアミスすると、すぐに逃げ去りました。(@1:05)
触角も体長も長いオオハラナガツチバチ♂とは互角のようです。
いつもなら蜂の種類別に映像を切り分けるのですけど、ニアミスなのでそのままにしました。
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訪花
2015/09/18
アカソの葉を食すフクラスズメ(蛾)の幼虫
2015年7月下旬
山間部の道端に生えたアカソの群落でフクラスズメ(Arcte coerula)の幼虫が葉を食べていました。
葉裏の主脈にしがみついて隠れたまま食事しています。
食べ進むと胸脚で葉を掴みながら海老反りになり、曲げた葉を食しています。
ときどき食休みをします。
つづく→フクラスズメ幼虫の脱糞
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食事
フキの葉で休むクロマルハナバチ♀
2015年7月中旬
庭でクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀がフキの葉に乗って身繕いしていました。
後脚の花粉籠は空荷です。
暑くて外役を休んでいる(サボっている)のでしょうか?
たまたま手にはめていたゴム手袋で蜂に触れても無反応でした。
どうも弱ってるようで、寿命が近いなのかな?
葉縁で方向転換した際にちらっと見えた腹面にもダニの寄生は無さそうです。
▼関連記事
クロマルハナバチ♀と寄生ダニ
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2015/09/17
キボシアシナガバチの偽交尾【暗視映像】
2015年7月中旬・午後19:30
キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#12
キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)創設女王(と思われる個体)以外に2匹の♂(早期羽化雄)がいつの間にか巣盤下面に来ていました。
私の予想通り、暗くなると女王は優位行動や誇示行動をしなくなりました。
気の荒い女王に排斥されないよう、暗くなるのを待っていたのでしょうか?
ムード作りを大切にするのかもしれません。
そして♂が女王にマウントしました。
しかし交尾器は結合していないので、交尾は未遂に終わった(偽交尾)と思われます。
アシナガバチの交尾はマウントしてから腹部を互いに絡ませるはずです。
その間、女王は静止していましたが、実は非協力的で息子との交尾を拒否しているのかもしれません。
例えば、巣内では交尾せず、必ず外出中に出会った相手と交尾することで、なるべく近親相姦の忌避を図っているのかもしれません。(※追記参照)
その後♀♂ペアは別れ、女王は巣盤上部へ移動しました。
一方、別個体の♂がすぐ横で育房内の幼虫と栄養交換していました。
ライバル♂に対する交尾干渉はありませんでした。(もし気づいていたら邪魔したかな?)
※ ♀の個体識別をしていないので、偽交尾したのがワーカーである可能性を否定できません。
それならそれで、また興味深い行動になります。
つづく→#13:夜の栄養交換【暗視映像】
※【追記】
小林朋道『先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』という本でセグロアシナガバチの観察記録を楽しく読んでいると、擬交尾について詳しく解説してありました。
「擬交尾」では、交尾のように、♂が♀に乗りかかるようにして、腹部の先端を♀の腹部の先端にくっつけるのだが、実際には、精子の受け渡しは行われない。問題は、巣を離れる前の♂や新女王の関係である。当然のことながら、巣を離れる前の♂や新女王は、自分たちの巣で、互いに一緒に過ごすわけであるが、もしそのとき、交尾して、♂が新女王に精子を渡してしまったとしたら、それは近親交配になってしまう。(中略)
セグロアシナガバチにおいても、巣を離れる前の♂や新女王は、自分たちの巣で出会っても、交尾しないような仕組みができているはずである。もしできていなかったとしたら、セグロアシナガバチは、子どもが残せなくて、進化の過程で速やかに絶滅していたはずである。(中略)そういうわけで、同じ巣の♂と新女王は、交尾のような行動をしても、♂が新女王に遺伝子を渡さないようになっているのだろうと考えている。つまり、「擬交尾」なのである。(p79より引用)専門書よりも詳しい解説で、とても勉強になりました。
理屈は分かるのですけど、巣上での擬交尾では本当に受精しないのかどうか、実は誰も確認していないのですかね?
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ハチ・アリ(膜翅目),
食事,
配偶行動,
夜の生活
ヤブキリ♀の産卵
2015年7月下旬
草刈りされた山麓の土手でヤブキリ♀(Tettigonia orientalis)が長い真っ直ぐの産卵管を地面のあちこちに突き刺して感触を確かめていました。
腐葉土になる前の枯葉が堆積してフカフカ(スカスカ)の状態です。
ヤブキリは植物の茎に産卵するかと勝手に想像していたので、地中に産卵するとは意外でした。
餌植物の豊富な藪の中ではなく、やや日当たりの良い開けた空き地を選んでいるのも不思議です。
卵が孵化するまでの胚発生を太陽光で早めるためかもしれない、と想像しました。
しかし調べてみるとヤブキリは卵で越冬するらしい。
ようやく産卵適地を見つけると、地中に産卵管を深く差し込んでじっとしています。
産卵中に小さなアリが脚などに這い上がってきそうになると、ピクッと動いて嫌がりました。
ただし産卵管から這い登ってきそうになっても無反応でした。
周囲でときどき聞こえるシリリリリ…♪という鳴き声もヤブキリ♂のようです。
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産卵
2015/09/16
涼しい夕刻に扇風行動するキボシアシナガバチ♀の謎【暗視映像】
2015年7月中旬・午後18:20
キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#11
この日の観察で初めて、キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)の持続的な扇風行動がようやく見られました。
1匹のワーカーと思われる♀が巣盤下面の縁にぶら下がり、向きを変えながら激しく羽ばたいています。
ところが気温は23℃しかなくて、寝苦しい熱帯夜どころか体感では全く暑くありません。
この日は午後から観察してきましたが、日中は扇風行動を示しませんでした。
暑い昼下がりならともかく、何故よりによって気温が下がる日没後から扇風を始めるのか、理解に苦しみつつも驚きました。
夜は湿度が上がるから、巣に夜露が結露しないよう除湿するための行動なのでしょうか?
柳の枝葉に囲まれた巣上の微気象は風通しが悪くて蒸し暑いのかな?
今後は湿度計も必要ですね。
扇風行動が解発される温度が種として厳密には決まっておらず、「暑がりの個体」が居るのでしょうか?(個体差)
一方、巣盤中央に陣取る創設女王と思われるα♀個体は扇風していません。
翅を半開きにして警戒姿勢を取り、ときどき身繕いや優位行動をするだけでした。
昨年は樹洞内で営巣するモンスズメバチの門衛が涼しくても巣口で夜通し扇風行動する様子を見て不思議に思いました。
▼関連記事
・涼しい夜も巣口で扇風行動するモンスズメバチ♀【暗視映像】
・涼しくても扇風行動を続けるモンスズメバチ♀の謎
アシナガバチの巣はスズメバチの巣とは違い外被が無くて開放的なので、巣内が酸欠状態になり換気が必要になった、という可能性は考えられません。
巣の温度を冷やすための行動という従来の解釈が単純過ぎるのかもしれません。
夜に観察してみるだけでも、新しい発見や不思議なことはまだまだたくさんあるようです。
つづく→#12:偽交尾【暗視映像】
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夜の生活
ノブドウの花蜜を吸うツルガハキリバチ♂?
2015年7月中旬
河川敷に蔓延るノブドウの群落でハキリバチの仲間が訪花していました。
頭楯に白い口髭のような毛が密生しているので♂(雄蜂)ですね。
初めは顔が花粉で汚れているのかと一瞬思ったのですけど、ノブドウは花粉が乏しい(無い?)ようで、他の蜂も集粉はしていません。
先客のクロアリを嫌ってホバリング(停空飛翔)するシーンが撮れました。
このハキリバチに関しては、♂ばかりが訪花した点が興味深く思いいました。
♂が♀よりも先に羽化する雄性先熟なのでしょうか?
交尾相手の♀を待つなら花粉の多い花で待ち伏せすべきでは?と素人考えでは心配してしまいます。
花の近くで二匹が空中戦(小競り合い)をしていたこともあったのですが、一瞬の出来事で撮り損ねました。
誤認求愛だったのかもしれません。
忙しなく飛び回り、同一個体かどうか定かではありません。
前後半(@1.23)で別個体かもしれません。
撮影後に1匹採集しました。(映像に登場した同一個体とは限らない)
以下は標本写真。
ツルガハキリバチ♂(Megachile tsurugensis)だと思うのですが、あまり自信がありません。
一番厄介な可能性は、映像に複数種が混じっていることです。
腹背 |
♂は腹部下面にスコパ無し |
腹端背面 |
頭部下面 |
左前翅 |
左後翅 |
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ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
2015/09/15
砂粒を跳ね上げ巣を作るアリジゴク【HD動画&ハイスピード動画】
2015年7月下旬
急斜面の杉林でスギの木の根元だけがちょっとした砂地になっています。
そこに数匹のアリジゴク(ウスバカゲロウの仲間の幼虫)が巣を作っていました。
大顎で砂を跳ね上げてすり鉢状の巣穴を作る様子を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(@0:40〜)
複数個体(2匹)を撮影。
ひとつはアリの死骸が入った巣穴でした。
時計回りの後退で地中に潜り込みながら砂を巣外に跳ね上げていました。
完成すると巣穴の底で大顎を広げて待機します。
飼育して成虫まで羽化させれば同定できると思うのですが、そこまで余力がありませんでした。
つづく→杉の根本でアリを捕食するアリジゴク
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クサカゲロウ・ウスバカゲロウ(脈翅目),
スローモーション,
造巣
2015/09/14
キボシアシナガバチ♂の夜食:幼虫と栄養交換【暗視映像】
キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#10
2015年7月中旬・午後18:03巣盤の上部に居るキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)♂(早期羽化雄)が育房内の幼虫と栄養交換しました。
幼虫が吐き戻した透明な液体が口元にはっきり見えました!
その水滴が小さくなり、雄蜂が飲み干したことがよく分かります。
自然光下より明瞭に撮れたかもしれません。
※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。
スズメバチ科の蜂は芋虫を狩り、その肉団子を巣内の幼虫に給餌します。
成虫の蜂は固形物を自ら摂取することが出来ず、外で花蜜を舐めてきたり巣内で幼虫が吐き戻した液体を摂取するのです。
つづく→#11:♀が涼しい夕刻に扇風行動する謎【暗視映像】
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ハチ・アリ(膜翅目),
食事,
夜の生活
ノブドウの花蜜を吸うクロマルハナバチ♀
2015年7月中旬
河川敷に蔓延るノブドウの群落でクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
ノブドウは花粉が少ない(無い?)花なので、花粉を集めたいはずのハナバチ類が来るのは珍しく思いました。
複数個体を撮影。
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ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
2015/09/13
キボシアシナガバチ♂の誇示行動【暗視動画】
キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#9
2015年7月中旬・午後17:58キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)が巣を作った柳の木陰はただでさえ薄暗く、日が暮れると通常のカメラでは撮影できなくなります。
そこで赤外線の暗視動画に切り替えました。
残照のため全体が赤っぽい映像ですけど、輪郭がシャープになりました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。
巣盤の下面に居る♂(早期羽化雄)に注目して下さい。
触角の先端がカールしているのが雄蜂の特徴です。
♀から攻撃された直後に、♂が短時間だけ羽ばたきました。
姉または女王蜂から虐められて、腹立ち紛れに抗議の誇示行動をしたのでしょうか。
反撃でつっかかる動きはしませんでした。
コロニー内の順位制で♂は一番立場が弱いようです。
暗くなると蜂は視覚でコロニー内の個体認識ができなくなるはずです。
夜は成虫間の優位行動(権力闘争)が収まるのでしょうか?
それとも体表を触角で触れるだけで暗闇でも互いに個体認識できるのかな?
つづく→#10:キボシアシナガバチ♂の夜食:幼虫と栄養交換【暗視映像】
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闘争,
夜の生活
コンクリート階段を舐めるアカタテハ
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2015年7月下旬
アカタテハ(Vanessa indica)が日陰になったコンクリート階段に長時間止まっていました。
何をしているのかズームで撮ってみると、翅を開閉しながら口吻を伸ばしてコンクリート階段の表面を舐めていました。
おそらく塩分やミネラルを摂取しているのでしょう。
越冬個体以外だとアカタテハ成虫は今季初見かもしれません。
後日、同じ階段でコミスジも同じ行動をしていました。
2015年7月下旬
アカタテハ(Vanessa indica)が日陰になったコンクリート階段に長時間止まっていました。
何をしているのかズームで撮ってみると、翅を開閉しながら口吻を伸ばしてコンクリート階段の表面を舐めていました。
おそらく塩分やミネラルを摂取しているのでしょう。
越冬個体以外だとアカタテハ成虫は今季初見かもしれません。
後日、同じ階段でコミスジも同じ行動をしていました。
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