2012年5月中旬
庭のコンクリート土台で見慣れない黒い芋虫が徘徊していました。
調べてみるとウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ)の幼虫でした。
体に触れると頭部からオレンジ色の臭角を伸ばして威嚇してきます。
匂いは特に感じませんでした。
臭角に触れてみて匂いを嗅いでみればよかったですね。
臭角を出すのはアゲハチョウ科の特徴です。
すぐに引っ込んでしまい、お祭りの玩具「吹き戻し」(俗称ピロピロ笛)を連想しました。
臭角が引っ込んだ状態でもオレンジ色の痕跡が外から分かります。
面白がって繰り返し刺激すると、今度は口から黄色の液体(消化液?)を大量に吐き戻しました(最終兵器?)。
後半は黒っぽい液体に変化しました。
体表にヤドリバエの白い卵が1つ産みつけられており、早急に脱皮しないとこのままでは捕食寄生されてしまいます。
臭角や吐き戻しによる防御法(対捕食者戦略)でもヤドリバエの攻撃(寄生産卵)は防げないことが分かります。
静止している間も胸脚を小刻みに動かしている点が興味深く思いました。
アイドリング運転なのだろうか。
ウスバアゲハ幼虫に正常な行動かもしれませんが、寄生されたことによる神経系の異常(寄主の行動操作)なら面白いのになと妄想しました。
庭の草叢からわざわざ無機質なコンクリートに登ってきたということは、蛹化する場所を探して徘徊しているのだろうか。
『イモムシハンドブック』p20によると、ウスバアゲハ終齢幼虫の体調は約40mmに達するらしい。
この個体は未だそこまで大きくありません。
本種の食草はムラサキケマン,ヤマエンゴサクなどケシ科の植物らしい。
いつか飼育して成虫まで育ててみたいものです。
背面 |
側面 |
採寸 |
縮んだ臭角@C字姿勢 |
産みつけられたヤドリバエの卵(寄生) |
食草の一つ:ヤマエンゴサク花 |
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