2013/01/05

灯籠横に作られた初期巣をガードするコアシナガバチ創設女王



2012年5月上旬

石燈篭の側面に作られた初期巣にコアシナガバチPolistes snelleni)の創設女王が休んでいました。
小さな巣盤の中を覗いてみると育房数は7室で産卵済みでした。
巣柄は石灯籠の南面の地上約30cmに付着していました。






リンゴを食すアシグロツユムシ♂♀



2012年9月下旬

野外で採集してきたアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata
)の♀♂ペアを飼い始めました。
水分補給のつもりで与えたリンゴの切れ端を喜んで食べてくれました。


アシグロツユムシ♂@リンゴ摂食
10月上旬




ヤブガラシの花で争うヒメスズメバチ♀【ハイスピード動画】



2012年9月下旬

ヤブガラシに訪花するヒメスズメバチVespa ducalis pulchra)のワーカー♀同士で小競り合いする様子をハイスピード動画(220-fps)で撮れました。
相手を毒針で刺そうとするほど本格的な闘争なのかどうか不明です。
一匹が花から滑落し、残った一匹も飛び去りました。

てっきり同じコロニー出身のワーカーが内輪もめしていると思ったのですけど、別の巣からも来ているのかな?
スズメバチ類の中で本種は気性が荒い方ではないというのが定説です。
樹液なら占有行動に値する餌場ですけど、蜜流のあるヤブガラシの花はわざわざ防衛するには分散し過ぎていると思います。



【追記】
実は性別をしっかり見分けられていないので(触角の長さが確認できない)、もしかすると雄蜂♂が交尾を試みている可能性もありそうです。

2013/01/04

フキノトウで吸蜜するクジャクチョウ



2012年4月下旬

道端に咲くフキノトウの群落で花蜜を吸う越冬明けのクジャクチョウ(Inachis io geisha)です。

同一個体が花から飛び立つ瞬間をハイスピード動画で撮ってみた記事はこちら



ニホンカナヘビは尻尾を自切するか?(成功篇)



2012年9月下旬

庭の草むらでじっとしていたニホンカナヘビTakydromus tachydromoides)を両手で包むように捕獲しました。
午前中は体温が低く動きが鈍いのかな?
尻尾の先を既に自切している個体です。

春にもニホンカナヘビの幼体を捕まえ、尻尾を自切するかどうか試したのですが、扱い方が分からず失敗しました。

関連記事→「ニホンカナヘビ幼体は尻尾を自切するか?(失敗篇)
この機会に再挑戦します。
今回も成体ではなく幼体です(…よね? あまり自信なし)。
囚われの身となったカナヘビはときどき身を捩って暴れるものの、意外に大人しくしています。
撮影しながらの実験なので少々難しいのですが、尻尾を指で強く挟んで拘束してみます。
しつこくちょっかい出すと私の指に噛み付こうとします。
ようやく尻尾を自切して逃げて行きました!(@2:03)
自切した瞬間、ブチっと切れた感触が手に伝わりました。
決して私が無理やり尻尾を引っ張って引きちぎった訳ではありません。

丁度挟まれた位置で自切したようです。

残された尻尾はピクピクと激しく動きます。
切り口から僅かに血が滲んでいるようです。
次第に動きが弱まってきても、尻尾に触れると再び動き始めます。
動く尻尾の切れ端を見れば、なるほど確かにネコなんかはすっかり気を取られるだろうなぁと実感しました。



【追記】
浅間茂『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略 』というとても面白い中公新書を読んでいたら、前書きに驚くべきことが書いてありました。
トカゲが捕食者から逃れるために紫外線反射の強い尾を自ら切って、そちらに目を向けさせて逃げる。 (piiiより引用)
カナヘビではどうなのでしょう?
紫外線で動画が撮れるカメラが欲しくなりますが、特注でないと手に入らないようです。



【追記2】
『トカゲ・ヘビ・カメ大図鑑』で調べ物をしていたら、「トカゲの自切のしくみ」と題したコラムが掲載されていました。
カナヘビの自切とは少し違うのかもしれませんが、参考のために引用しておきます。
トカゲの仲間でも尾の再生能力が無い種類もいるのだそうで、その進化(退化?)の道筋に興味をもちました。
にげているトカゲの尾にちょっとふれただけでも、尾はかんたんに切れてしまいます。尾は背骨と同じように小さな骨がつながってできていますが、その小さな骨にはとちゅうに切れ目があり、骨が前後に分かれて切れてしまうのです。(中略) 自切したあとに生えてくる尾は、骨は軟骨で、模様も変わることがあります。また、子どものときほどよく自切を行いますが、大人のトカゲは自切をしにくくなります。尾に栄養分をたくわえているからです。(中略) 傷口の筋肉が強くしまるので、ほとんど血はでない。 (p24より引用)








オトコエシに訪花吸蜜するアカスジツチバチ♀を接写



2012年9月下旬

オトコエシの花でアカスジツチバチ♀(Carinoscolia melanosoma fascinata)が吸蜜していました。
今回はマクロレンズで接写してみます。
花の上を歩き回りながら舌を差し込んで花蜜を舐めています。
花上で待ち伏せしていたハナグモEbrechtella tricuspidata)とニアミスするも(@1:00)、体長差がありすぎて(蜂>クモ)勝負になりません。


2013/01/03

クロマルハナバチ♂がミゾソバに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端のミゾソバ群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。
後脚の花粉籠は空なので、集粉ではなく吸蜜していたと思われます。


【追記】
映像を見直すと、オオマルハナバチのワーカー♀ではなく、クロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀の雄蜂♂の間違いですね。
訂正しておきます。
♂は後脚に花粉籠を持たないので、空荷なのは当然です。



ヘリグロツユムシ♂とアシグロツユムシ♂



2012年9月下旬

サルトリイバラ?の葉に静止して触角だけ動かしていたヘリグロツユムシ♂(Psyrana japonica)を撮っていたら急に歩き始め、隣のカエデの葉にゆっくり移動しました。
それと入れ替わるようにサルトリイバラの葉にはアシグロツユムシ♂(Phaneroptera nigroantennata)が登ってきました。
これは偶然なのか、二種の力関係を反映した占有行動のようなもの(小競り合い)なのか不明です。
見かけ上はアシグロツユムシよりもヘリグロツユムシの方が大きい気がしました。
撮影後にヘリグロツユムシを採集してみると、体長26mmの♂でした。
飼育下で鳴き声を記録するつもりで持ち帰り、室内で放し飼いにしてみました。
しかし夜も鳴かずにどこかへ行ってしまいました。





アメリカセンダングサに訪花するオオマルハナバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

アメリカセンダングサにせっせと訪花するオオマルハナバチ(Bombus hypocrita)のワーカー♀を220 fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
側面から見ると後脚の花粉籠が空なので、どの個体も集粉ではなく吸蜜していたのだろうと思われます。

通常のHD動画でも撮ってみました。
冒頭の個体は後脚にオレンジ色の花粉団子を付けていますね。
リアルタイムで見るといかに忙しなく花から花へ飛び回っているか分かりますね。
むしろスローモーションに適した題材です。

実はこのアメリカセンダングサ群落のすぐ横でオオカマキリがクズの葉に乗って待ち伏せしていました。
しばらく見張ってみたものの、蜂が近くを飛来せず狩りのシーンは撮れませんでした。




2013/01/02

首の折れたシマヘビの蛇行



2012年9月下旬

おそろしく時差のある季節感の無いブログですけど、年が明けたので巳年の干支に因んだネタを一つ。
しかし残念ながら健康体の蛇ではなく、おめでたい動画とは言えません。

どこか動きのおかしなシマヘビElaphe quadrivirgata)を道端で見つけました。
とぐろを巻いたり蛇行したりのたうち回っている蛇の首が右に妙な角度で曲がったままです。
草むらに逃げ込もうとしても上手く蛇行で前進できないようです。

車に轢かれて骨折しているのでしょうか?
天敵の鳥獣に襲われて負傷したのかな?
それとも生まれつき背骨や頚椎が奇形の個体?
骨格標本にするかX線写真に撮らなければ分かりませんね…。





ナギナタコウジュの葉を食すアシグロツユムシ♂



2012年9月下旬

道端のナギナタコウジュ群落にてアシグロツユムシ♂(Phaneroptera nigroantennata)が葉を齧っていました。
葉縁に虫食い跡(食痕)が残ります。

右の触角が途中で切れた別個体もナギナタコウジュの葉を食していました。
食事シーンを接写していると、また別のお邪魔虫♂が乱入してきて追い払われました。
一種の占有行動や穏やかな闘争なのかもしれませんが、この間、鳴き声は発しませんでした。



クルミの実を運ぶニホンリス【HD動画&ハイスピード動画&声紋解析】



2012年9月下旬

道端の胡桃の木からキキキッ♪と鳴き声がするので見上げるとニホンリスSciurus lis)がいました!
初めはカメラ操作を間違って、ハイスピード動画(220 fps)の設定で撮ってしまいました。
画質は落ちますが、リスが幹を登るスローモーションが撮れてなかなか良い感じ♪

慌てて高画質のHD動画モードに戻しました。
枝を素早く走り回るため、なかなかカメラでは追い切れません。
少なくとも2匹いるようです。
番(つがい)なのかな?
ときどき幹にしがみ付いて静止してくれます。
枝からクルミの果実を採取すると口に咥えてどこかへ持ち運んでいます。
一匹はクルミの木から右手のスギの木へ跳び移って姿を消しました。
巣にクルミを運んでいるのでしょうか。
巣の位置は見つけられませんでした。
それとも冬に備えてクルミの実を貯食するのかな?
時折クルミの実を採取し損うのか、実が落ちる音が森に響きます。
最後はキキキキッ♪と鋭い鳴き声を発しながらクルミの枝を走って左隣の杉の木に跳び移りました。





『日本動物大百科1:哺乳類I』p70によれば、ニホンリスは
樹上で危険を感じると、反対側の幹へまわり込、尾をたらして張り付く。


『リスのきた道―なぜ鎌倉にタイワンリスか? 』p163によると、
ニホンリスは、人に出会うと、クルリと木の幹のうら側へまわって、すがたを隠そうとする習性をもっています。



ニホンリスの鳴き声を声紋解析してみる

映像の最後で鳴いた1秒間の音声を切り出してスペクトログラムを描いてみました。
辺りが静かなため、前回より明瞭な声紋が得られました。
15kHz以上の高周波数域が不自然にカットされているのはカメラの録音の仕様です。



【追記】
『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』p112によると、ニホンリスは
来るべき冬のために木の実などを地面に埋めるという貯食行動をとる。
貯食行動をするリスはクルミの木と種子散布の共生関係にあります。

『空中モグラあらわる:動物観察はおもしろい』p186によると
クルミにとって殻をじょうぶにするということは、「だれに食べられるか」を選べることになります。たくさんの動物の中から、相手としてリスを選べる。ほかにアカネズミもクルミの実に穴を開けて食べるのですが、今わかっているところは、日本の動物では、これらの二種しかクルミの硬い殻をやぶれないのです。



2012/12/31

ススキの穂を食すイブキヒメギス♀



2012年9月下旬

イブキヒメギス♀(? Eobiana japonica)がクズの葉に乗り、何かを食べていました。
てっきり虫の死骸かと思いきや、近づいてよく見るとススキの穂先でした。

栄養豊富な種子を食しているのでしょう。
引きの絵にすると横にススキが生えているのが分かると思います。
珍しく写真を優先したら、動画ではすぐに食べ終わってしまいました。


前回はサワガニの蟹味噌を食べていたので、やはりイブキヒメギスは雑食性ですね。


全景


イチモンジセセリがカワミドリに訪花吸蜜



2012年9月下旬

道端のカワミドリ群落でセセリチョウが訪花していました。

口吻をのばして花蜜を吸っています。
あまり自信がないのですけど、これもイチモンジセセリですよね?







ヤブガラシに訪花するコガタスズメバチ♀【ハイスピード動画&HD動画】



2012年9月下旬

ヤブガラシの花でコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が何匹も吸蜜していました。
花から離着陸を繰り返す勇姿を220-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。





通常のHD動画でも撮ってみました。


顔写真が上手く撮れず、識別点である頭楯下の突起がはっきり数えられないのですけど、もしかしてオオスズメバチだったりして…?






2012/12/30

野菊の花を食すアシグロツユムシ♀



2012年9月下旬

道端に咲いた野菊の群落でアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata)が食事中でした。
産卵管をもつので成虫の♀です。
長い脚で花から花へゆっくり歩いて移動すると、花の中央に口を付けています。
花弁ではなく中央の黄色い花粉を食べているようです。
アシグロツユムシの口器は「噛む口器」ですけど、花蜜を舐めているのかもしれません。

『虫たちのふしぎ』p18 によると、アシグロツユムシは「花びらや花粉が大好き!」らしい。
私は初めて見ました♪




どなたかこの野菊の花の和名をご存じの方は教えて下さい。





エントツドロバチ♀がアキノキリンソウに訪花吸蜜



2012年9月下旬

民家の横に咲いたアキノキリンソウエントツドロバチ♀(Orancistrocerus drewseni)が訪花していました。





カタグロチビドロバチ♀の営巣(その4:獲物の搬入ハイスピード動画&HD動画)



2012年9月中旬

丸太の既存孔(4×3mm)に営巣するカタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)の定点観察

この日も巣穴にせっせと芋虫を搬入する瞬間を220 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
何度も失敗をしつつも場数を踏むごとに上手く撮れるようになってきました♪
獲物を空輸(空中輸送)して帰巣する際、少し迷って隣の節穴に入ろうとする時があるのですが、画角の狭いマクロレンズでは撮れていません。
側面から接写できた回では、干からびたような貧弱な獲物を抱えていました。
(元々こういう種類の芋虫である可能性も無くはないですけど…。)
外出の際、定位飛行することもありました。
帰巣間隔が長くなってきている印象です。
搬入する芋虫の栄養状態が悪い(死にかけ?)ように見える点と考え合わせると、最近の日照りで辺りの植物が枯れ、狩場に獲物(蛾の幼虫)が少なくなってきているのでは?などと想像します。

同じ日に1回だけ通常のHD動画でも撮ってみました。
毒針による麻酔が浅いようで、芋虫が暴れています。





貯食に続く工程として、育房の隔壁や巣口を巣材で埋める様子を見届けたくて定点観察に通いました。


『狩蜂生態図鑑』p82によると、本種は既存坑を泥で仕切るらしい。
ところがこの日を最後に蜂の姿が見られなくなり、巣穴も開いたままでした。
理由は分かりませんが、営巣を中断したのか母蜂が死亡したようです。
おそらく後半は育房に一括給餌する獲物が不足しており、営巣完了する前に寿命が尽きたのではないかと思います。
営巣を完了したら丸太を採集して、彫刻刀などで削って中の様子を調べたり蜂の子を飼育してみよう、などと計画していのに当てが外れました。
来年も観察したいので(持続可能な定点観察)、今季は採集せず丸太の巣はそのまま残しておくことにしました。


シリーズ完。

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