2024年5月下旬〜6月上旬
モリアオガエル♀♂(Rhacophorus arboreus)が繁殖期に樹上で次々と産卵する様子を長期間の微速度撮影してみました。
里山にある繁殖池に行ってみると、前年と全く同じ場所に白い泡巣が早くも作られていました。
池畔に自生するマユミ灌木の葉に白い泡状の塊が付着しています。
BrinnoタイムラプスカメラTLC200を専用の防水ケースに格納し、水際のマユミを狙って設置しました。
この機種TLC200の最短撮影距離は約75cmで、接写にはあまり向いていません。
しかし、モリアオガエルがマユミの枝葉のどこに次の泡巣を作るか予想できませんから、広角で狙う方が好都合です。
明るい昼間だけ(午前6:00〜午後17:30)1分間隔でインターバル撮影するように設定しました。
モリアオガエルの繁殖行動は夜通し行われるのですが、残念ながらこのカメラ機種には暗視機能がないため、明るい日中のみの撮影になります。
トレイルカメラを使えば昼も夜も連続してインターバル撮影が可能になるのですが、手持ちのトレイルカメラは全て他のプロジェクトで使っているので仕方がないのです。
天気予報通り、夕方から雨が降り出しました。
さて、6日間(5/30〜6/4)インターバル撮影してみたタイムラプス動画を見てみましょう。
マユミの樹上でモリアオガエルが作る泡巣の数が増えていました。
マユミの左隣のハルニレ?灌木にも産卵していました。
その重みで枝葉が垂れ下がり、撮影後半にはカメラの視界を遮ってしまいました。
被写体(泡巣)までの距離が近過ぎてピンぼけになるかと心配でしたが、大丈夫でした。
モリアオガエル♀♂がマユミの木に登って集まり、抱接しながら白い粘液を泡立てて泡巣を作り、その中に産卵・受精します。
しばらくすると泡巣の表面は乾いて固くなり、内部の受精卵を乾燥や捕食者から守ります。
やがて卵から幼生が孵化すると泡巣の耐水性は次第に失われ、雨で溶けた泡巣からオタマジャクシが脱出して下の池に落ちます。
晴れたに日は、溶けかけた古い泡巣にハエなどの虫が集まっていました。
昼間の池には、カルガモ(Anas zonorhyncha)の♀♂番 が水面を泳ぎ回っていました。
曇ったり雨が降ったり夕方になったりすると、マユミの横枝が垂れ下がることが分かりました。
晴れると光合成が活発になり、横枝もピンと持ち上がります。
生きた植物はゆっくりながらも活発に動いていることが、タイムラプス動画にすると一目瞭然です。
池を取り囲むスギ林の影が日時計のように刻々と移動します。
モリアオガエルの繁殖期は、梅雨の初め(雨季)と重なっています。
カメラの設置場所が水際なので、湿度が高くて気温が下がる朝晩にはレンズに結露したり霧が発生するかと心配でしたが、それは大丈夫でした。
激しい雨が降るとレンズの表面に水滴が付着します。
しかし晴れると水滴が自然に蒸発して、きれいに乾きました。
Brinno専用の防水ケースの撥水性はかなり優秀でした。
防水ハウジングの内部に雨が浸水することもなく、結露もしていませんでした。
それでもレンズの水滴対策が必要だと分かったので、次回からは雨よけの庇を取り付け、防水ケースのレンズの部分には曇り止めの撥水スプレーを噴霧した方が良さそうです。
つづく→#2
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