2023年9月下旬・午後20:08〜21:10・小雨
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の家族が転出した後も旧営巣地(セット)にアナグマがときどき戻ってきて巣穴を点検したりしていたのですが、久々に新しい展開がありました。
シーン0:9/7・午後14:18・気温33℃(@0:00〜)
明るい時間帯にフルカラーで撮れた現場の様子です。
アナグマの古い巣穴2つを新旧2台の自動センサーカメラで見張っています。
シーン1:9/21・午後20:08〜20:35・気温22℃(@0:04〜)
おそらく獣道を右から来たと思われるアナグマが巣口Lに頭を突っ込むと、前脚で土砂を後方に掻き出し始めました。
巣坑の拡張工事を始めたということは、この個体はヘルパー♂なのかな?
股間に睾丸の有無を確かめたいのですが、手前の落枝が邪魔だったりして、はっきり見えません。
後退しながら土を掻き出すので、アクセストレンチの坂が左に形成されることになります。
途中から、10倍速の早回し影像に加工しました。
暗視動画を連続で撮ると電池の消耗が激しく、赤外線LEDの光量が次第に弱くなってきました。
カメラ自体の発熱が激しいので、気温の表示は異常値になります。
アナグマは次第に巣穴Lの奥深くに入るようになりました。
排土の結果、アクセストレンチをかなり左まで延長しています。
風が吹き、小雨がぱらついています。
途中から霧が発生し、濃くなったようです。
我々ヒトの感覚ではわざわざ雨天決行しなくても…と思うのですが、アナグマにとって雨で土が湿っている方が穴掘りしやすいのかな?
巣外でカメラ目線になった際に、左右の目の大きさが非対称でした。(@2:45〜)
この特徴から、巣穴で出産・育児をした母親♀でした。
重労働の穴掘りはヘルパー♂に任せっきりだと思っていたのに、♀が自力で穴を掘るとは意外でした。
もしかすると、子育てが終わり幼獣が独立したこの時期には、前のヘルパー♂はお役御免で追い出し、母親♀は独り暮らしなのかもしれません。
休み無くひたすら穴を掘り続ける体力と集中力に感心しました。
最後はアクセストレンチを左に伸ばしてから、そのまま左に立ち去りました。
喉の渇きや空腹を癒やすために出かけたのかな?
シーン2:9/21・午後20:58(@2:53〜)
しばらくすると(約20分後)、同一個体♀と思われるアナグマが隣の巣口Rでも穴掘りしていました。
後ろ向きで土砂を掻き出しながら巣穴Rの外に出て来ました。
2つの巣穴LRは内部でつながっていると思うのですが、私はまだ確かめていません。
シーン3:9/21・午後21:09(@3:31〜)
巣口Rから右に向かってアクセストレンチ(溝)を整備しています。
アクセストレンチは1本だけでなく、別方向(左下)にも伸ばしました。
【考察】
アナグマが戻ってくると信じて、旧営巣地(セット)の監視を執念深く続けていた甲斐がありました。
ここでアナグマが穴掘り作業をしたのは約1ヶ月ぶりです。
関連記事(1ヶ月前の撮影)▶ 古い巣穴を掘り返し古い寝床を外に捨てるニホンアナグマのペア【トレイルカメラ:暗視映像】
当地は雪国(東北地方日本海側の多雪地帯)なので、ニホンアナグマ♀は長い冬ごもりに備えて、古い巣穴を本格的にリフォームし始めたと予想しています。
少し気の早い話ですが、引っ越し(転入)する前に断熱材の寝床(巣材)を大量に搬入するはずです。
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