2022/01/22

池に飛び込み一瞬の水浴を繰り返すヒヨドリ(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午後12:45頃・気温13℃ 

山中の水場を監視していたトレイルカメラ(無人センサーカメラ)にヒヨドリHypsipetes amaurotis)の水浴シーンが撮れていました。 
浅い池の中央で落枝に乗ると、お辞儀をして水を飲みました。 
急に飛び立つとすぐ眼の前の水面に飛び込み、一瞬水浴しただけで飛び去りました。 
何かに警戒して逃げたのでしょうか? 

ヒヨドリが居なくなると、次は見慣れない小鳥が水場に飛来しました。(@0:20) 
これはコゲラDendrocopos kizuki)ですかね? 
もし間違っていたらご指摘願います。 
ところが水を一口飲んだだけで、コゲラはヒヨドリに追い払われるように逃げて行きました。 
【追記】コゲラではなく、マヒワ♀かもしれません。

そのヒヨドリは、今度は右岸付近の水面に飛び込みました。 
またもや短時間の水浴をしただけで、すぐに飛び去りました。 
「カラスの行水」よりもせっかちな早業です。 
その後もおそらく同一個体と思われるヒヨドリが同じ場所(右岸付近の水面)で飛び込み水浴をもう2回繰り返しました。 

ヒヨドリの飛び込みシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@1:00〜) 
アメンボなど水面の獲物を狙って捕食したのではなく、明らかに水浴行動を繰り返しています。 
ヒヨドリが落ち着き無く短い水浴を繰り返すのは、てっきりトレイルカメラが発する微かな電子ノイズを警戒しているのかと初めは思いました。 
しかし、過去の水浴映像を見直してみると、これがヒヨドリに特有の水浴行動なのだと分かりました。
短い水浴行動が進化したということは、ヒヨドリの祖先が水辺で待ち伏せしている天敵(捕食者)に繰り返し襲われた過去があるのかな?
関連記事(3、7年前の撮影)▶  
川で水浴びするヒヨドリの群れ(野鳥) 
川岸で水浴びするヒヨドリとハクセキレイ♂(野鳥)

【参考サイト】 
ヒヨドリの水浴び
午後から陽射しが出てきましたので、ヒヨドリが水浴びをしていました。 ヒヨドリの水浴びは他の小鳥と違い、カワセミの様に木の枝等からダイビングして行い、直ぐ上がってきますので、所謂、カラスの行水より短いが、これを何遍も繰り返します。(引用)
・ヒヨドリスト ~ヒヨドリの雛 保護観察レポート~ レポート27 ヒヨドリの行水



つづく(1年後に新機種カメラで高画質)→古池やヒヨドリ飛び込む水の音♪【野鳥:トレイルカメラ】

 
この動画を拝見すると、ヒヨドリの水浴時間が短いのは生まれつきだと判明しました。 


私の使っているトレイルカメラは明るい昼間でもなぜか暗視モードになってしまい、困っていたのですが、遂にフルカラーで動画を撮れるようになりました。 (祝!)
これまでは動画モードに設定していたのを試しに写真+動画モードに切り替えたら、あっさり解決しました。 
そんなことはカメラの取り扱い説明書にも書いてないので、制御プログラムのバグだと思います。 
写真+動画モードだと、センサーが熱源を動体検知したら写真を1枚撮ってから動画撮影が始まります。 
動画を撮り始めるまでどうしても若干のタイムロスがあるのですが、気温や月齢を写真で取得できるようになりました。

サザンカ訪花中のオオチャバネセセリに襲いかかるキイロスズメバチ♀【ハイスピード動画】

 

2021年10月下旬・午後13:15頃・晴れ
前回の記事:▶ サザンカ(白花)で訪花吸蜜するオオチャバネセセリ【HD動画&ハイスピード動画】
シーン1: 
オオチャバネセセリZinaida pellucida)がサザンカ(山茶花)の花蜜を吸っている様子を240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、探餌飛翔中のキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が背後から飛来しました。 
花の手前でホバリング(停空飛翔)して獲物を狩ろうとしたものの、敏捷なオオチャバネセセリは飛んで逃げてしまいました。 
獲物を逃してしまったキイロスズメバチ♀は、停飛しながら空中で向きを変え、逃げたオオチャバネセセリを目で追っているようです。 
諦めたキイロスズメバチ♀は結局、サザンカの花に着陸して吸蜜を開始。 
吸蜜が済むと白い花弁によじ登ってから飛び去りました。 

キイロスズメバチ♀は初めから吸蜜しようとサザンカ(白花)に訪れたら、たまたま先客がいただけかもしれません。 
そもそもキイロスズメバチ♀が狩るのは鱗翅目の成虫ではなく幼虫がメインです。 
チョウやガの成虫を狩るシーンは一度も見たことがありません。 

シーン2:(@1:10〜) 
今度は逆に、キイロスズメバチ♀がサザンカの白花で吸蜜していると、その横をセセリチョウの仲間(オオチャバネセセリ?)が飛んで横切りました。 

2022/01/21

山林を遊動し枝にぶら下がって遊ぶニホンザルの群れ

 

2021年10月中旬・午後14:05頃・くもり 

里山の林道を渡った野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが山林の斜面を遊動する様子を動画で記録しました。 
カメラを向けると幼い子ザルは興味津々で見下ろしてくれますが、逃げ出して茂みに隠れる個体がほとんどです。 
木に登り降りしたり、木から木へ身軽に飛び移ったりするのはお手の物です。 
枝にぶら下がって揺れているのは、まるでブランコ遊びのようです。 
視界の悪い森の中でニホンザルの群れが静かに鳴き交わすクーコール♪(コンタクトコール♪)がときどき聞こえます。

タヌキの溜め糞上で羽ばたき誇示し合う謎の微小寄生蜂?(求愛/闘争)

 

2021年10月中旬・午後12:25頃・くもり 

里山の林道上に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞aでセンチコガネを撮り始めたら、またもやメタリックに輝く微小な謎の寄生蜂が写っていました。 
今季あちこちで溜め糞の調査をすると繰り返し登場するので、とても気になっています。 
いつも他の大きな被写体を撮った映像に偶然写っていたという記録ばかりです。
▼関連記事(2、3ヶ月前の撮影) 
タヌキの溜め糞に来た謎の微小な寄生蜂?【名前を教えて】 
獣糞で吸い戻し中のキバネセセリ♂の翅に寄生蜂が産卵?!
今回は新たな進展がありました。 
黒く乾燥したタヌキの溜め糞上に2匹の寄生蜂?が来ていて、何やら思わせぶりな行動をしたのです。 
センチコガネの左上にご注目。
松ぼっくりの上と落枝の上にメタリックな微小蜂?が2匹止まって羽ばたいています。 
1匹が羽ばたきながら歩いて近づき、もう1匹に飛びかかりました。 
これは求愛行動なのでしょうか、それとも喧嘩(縄張りの占有行動)かな? 
せっかく決定的な瞬間が撮れそうだったのに、撮影中の私は寄生蜂?の存在に全く気づいていません。 
溜め糞に来ている虫が逃げないように、少し離れた位置から望遠マクロで撮影しています。
カメラのバックモニター(液晶画面)やファインダーを通してセンチコガネに集中していると、微小蜂にはどうしても気づけないのです。 
我ながら腹立たしいのですが、早々に撮影を切り上げてしまいました。 
動画の前後に撮った溜め糞の写真を見返しても、謎の微小蜂は写っていませんでした。 

来季こそは溜め糞に来る謎の微小蜂の行動をマクロレンズでじっくり接写したり、採集して正体を突き止めたいものです。 
本当に蜂の仲間(膜翅目)なのかどうかも自信がなく、もしかするとハエの仲間(双翅目)かもしれません。


【追記】
翌年、注意してタヌキ溜め糞を見て回ると、メタリックに輝く微小昆虫の正体はハエでした。

したがって、この記事の映像に写っているのも寄生蜂ではなさそうです。
ただし、体型が違うので別種かもしれません。

2022/01/20

山中の池で飲水・水浴・採食するシロハラ?(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午前11:26〜午後16:30

里山の水場を監視している無人センサーカメラ(トレイルカメラ)で見慣れない野鳥が撮れていました。 
同じ日に繰り返し何度も登場しました。 
おそらく冬鳥のシロハラTurdus pallidus)ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。
間違っていたら(別種の鳥の映像が混じっていたら)ご指摘願います。 
『やまがた野鳥図鑑』p160によると、県内でシロハラは10月中旬から見られるそうです。 
ほとんど白黒の映像なので、鳥の色が分からず同定の難易度が上がってしまっています。 (私の設定ミス? トレイルカメラの制御ブログラムのバグ?)

シーン1:午前11:26 
カメラのレンズに水滴が付着したのか、肝心の画面の中央部がぼやけています。 
冒頭から鳥が至近距離のカメラ目線で登場しました。 
此岸の崖を降りて水際まで降りると、池の中に入りました。 
水深が浅いので小鳥でも立てます。 
少し水を飲んだようです。(目の前の虫を啄んだ?) 
すぐに飛び去ってしまいました。 

シーン2:午前11:31 
左岸近くの浅瀬で水浴しています。 
別個体が飛来し右奥の林道に着陸しました。 
小雨がポツポツ降っていて、水面に波紋が広がります。 
右から別個体が飛来し、池の落枝に着陸しました。 
ところが水浴せずに辺りをキョロキョロ見回しています。 
左岸で水浴していた個体は入れ替わるように飛び去りました。 

シーン3:午後14:15 
レンズに付着していた水滴が乾いたようで、視界が晴れました。 
画面の右下隅で水浴を開始。 
少なくとも2羽が水場を訪れています。 
右岸でシロハラ?が嘴で払い除けた落ち葉が池に落ちました。 
落ち葉をめくって下に隠れた虫を探しているのでしょう。(探餌行動) 
飛んで右岸から左岸に移動すると入水し、水際をつついて歩きます。

シーン4:午後14:17 
つづき 左岸の水際で採食活動を続けています。 
嘴で落ち葉をめくって虫探し。 

シーン5:午後14:32 
画面の左下隅に登場したものの、左上に飛び上がって消えました。 

シーン6:午後15:46 
手前の水面の落枝を慎重に伝い歩いて右へいどうすると、ようやく入水。 
浅い所で軽く水浴・飲水。 
ようやく警戒を解いて本格的に水を浴び始めたのに録画終了(尻切れトンボ)。 

シーン7:午後16:27 
左岸の浅瀬で行水していました。 
水浴を繰り返しながら少しずつ深いところへ進みました。 
水浴後は左岸から池の上に張り出したミズナラの横枝に止まり、羽繕いしてるようです。(画角のギリギリ外) 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
明るい昼間に撮れた動画なのに、なぜか赤外線の暗視モードになっています。 
画面全体がピンク色に点滅する目障りな症状が出るので、自動色調補正しました。 
画面奥の森の緑色だけが薄っすらと復活しています。 

実はもう1台の別なトレイルカメラを設置し、逆のアングルから池畔を狙いました。 
以下の写真はその別カメラで同じ日に撮れたシロハラ?の静止画です。 
動画を撮ったメインカメラが発する赤外線に反応して、最後の写真は白飛びしてしまっています。 
シロハラ?は池畔の崖で周囲の安全を確認してから水場に降り立つようです。 
写真+動画モードで記録すると、肝心の動画撮影を始めるまで遅延が生じてしまうのですけど、写真に気温と月齢が記録されるメリットがあります。 
(動画モードにすると気温と月齢が記録されない原因が分からず、困っています。)

池の水面を走るウヅキコモリグモ♀♂(蜘蛛)

 

2021年10月下旬・午前11:30頃・くもり 

山腹の池の畔を私が歩くと、岸辺の植生に潜んでいたクモが驚いて逃走開始。 
水面を走って逃げて行き、波紋が広がります。 
クモが水面で立てる波紋に反応してカメムシ目(半翅目)の捕食者(アメンボやマツモムシなど)がやって来て対決するかと期待したのですが、残念ながら何も居ませんでした。 
水生昆虫が居なくなったのは、もしかしてこのクモが食べ尽くしてしまったのでしょうか?

コモリグモ科の仲間とはすぐに分かったものの、そこから先が私には大変です(見分けるのが苦手)。 
目撃時期と生息環境からはキクヅキコモリグモかと思いきや、外見(腹背の斑紋)からはウヅキコモリグモPardosa astrigera)と判明しました。 
私がじっとしていると、池の中央まで逃げたウヅキコモリグモは向きを変えて岸辺の草(スゲ?)まで戻って来ました。 
私が面白がって岸辺を歩き回ると、次々にクモが水面を走って逃げ回ります。 
話には聞いていたものの、実際に見るのはこれが初めてでした。 

水面で静止したときにズームインしてよく見ると、歩脚の先端(跗節)で水面に立っています。 
風が吹くとそのまま漂流します。 
アメンボのように表面張力を利用して水に浮いているのでしょう。 
界面活性剤(洗剤)を使った実験をしてみたくなりました。 

ウヅキコモリグモの水面歩行を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:20〜) 
アメンボの洗練された動き(滑走)とは明らかに違い、ピョンピョンと無駄な(?)上下動しながら水面を掻いて進んでいます。 
腹部を上下動するのでギャロップのように見えます。 
水面でもしおり糸をあちこちに付けながら歩こうとしているのかな? 
(さすがに水面にしおり糸は付着しない気がします。) 
跗節の先端にある3本爪で水面を掻くだけで進めるのでしょうか?
足は比較的たくましい。後ろ足が長いものが多い。足の爪は3本で、造網性のクモの系列であることを示している。wikipedia:コモリグモより)
少し長い第4脚の役割は主に水面で踏ん張って浮かぶだけで、主に第1脚で水面を掻いて進んでいるようです。 
陸上歩行とは異なり、左右の歩脚を同時に動かさないと真っ直ぐ前進できないのでしょう。 
つまり、陸上での歩行法をそのまま水面でやってもうまく進めないので、水陸両用のクモは歩行法を切り替える必要があるのです。 

240fpsのハイスピード動画でも水面歩行の足並みを撮るべきでしたね。 
コモリグモの陸上歩行を改めてスローモーションで記録して、水上歩行と見比べないといけません。 

複数個体を撮影。 
触肢が膨らんだ♂も含まれていました。 
未採集なので外雌器は確認していません。 

新海栄一、緒方清人『クモ (田んぼの生きものたち)』によると、
・コモリグモは水陸両用なので、一年中、田んぼとその周辺で暮らしています。 
・コモリグモやハシリグモの仲間は田んぼの水面を、アメンボのように素早く走り回っています。(中略)彼らの脚にはたくさんの毛が生えています。そのため、水と接している面積が大きくなり、水面に浮くことができるのです。 
・(ウヅキコモリグモは)脚にたくさんの毛が生えているので、水に浮き水面を走り回ることができる。乾いた田んぼに多い。 (p9より引用)

2022/01/19

片足立ちから飛び立つノスリ(野鳥)

 

2021年10月下旬・午後16:15頃・くもり 

田園地帯の端に立つ電柱の天辺にノスリButeo japonicus)が止まっていました。 
片足立ちで休んでいたのが少し珍しく思いました。 
足が冷えるので、左右交互に体に引き寄せて温めているのでしょう。 
顔をこちらを向けて私がカメラで狙っていることに気づくと、ノスリは警戒して飛び去ってしまいました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
上げていた左足を下ろしながら閉じていた鉤爪を開いてコンクリート電柱の天辺の縁を掴みました。 
電柱を両足で軽く蹴り出しながら右に飛び立ちました。 
片足立ちのままでは飛び立てないのかな?
関連記事(同所で2年前の撮影)▶ 電柱の天辺から飛んで逃げるノスリ(野鳥)

サザンカ(白花)で訪花吸蜜するコガタスズメバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年10月下旬・午後13:15頃・晴れ

民家の軒下に咲いた白花品種のサザンカ(山茶花)コガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が訪花していました。 
この蜜源ではキイロスズメバチ♀が優占種で、コガタスズメバチ♀は少数派でした。(1匹のみ?) 

吸蜜後にコガタスズメバチ♀が山茶花の花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
雌しべや雄しべが密生する花の中央部から直接飛び立つことは出来ないようで、必ずいつも花弁によじ登ってから隣の花へ飛び去ります。

2022/01/18

左後脚を負傷して跛行する野生ニホンザル

 

2021年10月中旬・午後14:10頃・くもり 

私が山麓の農村に近づくと、野生ニホンザルを追い払う発砲音(空気銃? 爆竹?)が聞こえました。 
集落の家庭菜園や畑は電気柵や網で厳重に囲まれていて、猿害の深刻さがうかがえます。 
その後、私が入山するとすぐに ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の鳴き交わすクーコール♪(コンタクトコール♪)が聞こえました。 
足音を忍ばせて林道を少し登ると案の定、ニホンザルの群れと遭遇しました。 
どうやら、麓の集落から追い返されたニホンザルの群れが山に帰ってきたところに遭遇したようです。 

私の姿を見つけるとニホンザルは警戒しつつ走って林道を横断し、山側の雑木林に逃げ込みました。 
林道上に突っ立って撮影する私を警戒し、迂回するように群れは遊動しています。 
山側から再び林道に降りて走り去る個体もいます。 
隙あらば里の畑や果樹園に戻って採食したいのでしょう。 

遊動する群れの中で1頭の若い個体が跛行していることに気づきました。(@2:15) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:25) 
出血は見られませんが、左後脚を骨折しているのか、痛む左後足を地面に付けることができないようです。 
三足歩行でも素早く林道を横切りました。 
木登りはどうするのか知りたかったのに、見失ってしまいました。 
今のところ遊動する群れに何とかついて歩けるようですが、予後が心配です。 
雪国で厳しい冬を無事に越せるのでしょうか? 

遊動する野生ニホンザル群れのど真ん中に私が意図せずして入り込んでしまったため、次々に現れる個体のどれを撮るべきか目移りしてしまいました。 
カメラをぶん回して撮った細切れ映像の中からニホンザルが林道を横断するシーンをまとめました。 
猿の登場順は時系列の通りではなく、適当に入れ替えています。



タヌキの溜め糞に含まれる未消化の種子を食べるモリオカメコオロギ♂

 

2021年10月下旬・午後12:30頃・くもり
関連記事(52日前の撮影)▶ 山道の溜め糞を匂っただけで通り過ぎるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

里山の尾根道に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞cで久しぶりに新鮮な糞が追加されていました(標高約520m地点)。 
未消化の種子が多数含まれています。 
個々の溜め糞を長期間定点観察してみると、季節消長というか栄枯盛衰があり、使われなくなる時期があったり復活したりすると分かりました。 
おそらく当地のタヌキは生息密度が低く、利用できる餌資源の季節消長に応じてタヌキの活動域が変化するのだろう、と推測しています。 

この日は常連客のベッコウバエの他に、意外な珍客も溜め糞に来ていました。 
糞食性のコオロギがいるとは知らなかったので、驚きました。 
まず、産卵管が無いので♂と分かります。 
胸背や前翅が白っぽく、左右の複眼を結ぶ頭頂部の白線が目立ちます。 
図鑑で調べてみるとモリオカメコオロギ♂(Loxoblemmus sylvestris)と判明。 
左の触角が根元から欠損した個体でした。 

糞の中にゴロゴロと含まれる未消化の種子よりもコオロギの頭部は小さいので、種子をかじってもツルツル滑って歯が立ちません。 
種子食と呼ぶのは不正確かもしれません。 
種子の表面に付着した糞を舐めていると言うべき? 
あるいは小さな種子を食べているのでしょうか? 
近縁種ハラオカメコオロギで食性を調べると、
昼間、草の根際に潜み、夜になると出歩いて餌を探す。雑食性で、植物の実や葉、小動物の死骸などを食べる。wikipedia:ハラオカメコオロギより引用)

飼育下でモリオカメコオロギ♂の鳴き声を聞いたり糞食性を調べるために、採集して持ち帰りたかったのですが、この日はあいにく採集容器や袋を何も持ち合わせていませんでした。
▼関連記事(9年前の撮影:飼育個体) 
ハラオカメコオロギ♂:鳴き声♪の声紋解析
コオロギの他には白いウジ虫(ハエの幼虫)や小型のハネカクシ類、アカアリ(種名不詳)が溜め糞の上を徘徊していました。 

雑食性のタヌキは果物(液果)を食べた後に移動し、縄張り内の溜め糞に排泄することによって植物の種子散布に協力しています。 
そんな教科書的な話には続きがあって、未消化の種子を食べようと様々な生き物がタヌキの溜め糞にやって来るというのは面白いですね。 
この場合、モリオカメコオロギ♂は植物にとって種子捕食者になります。
溜め糞をめぐる生態系の奥深さをまた1つ実感しました。

タヌキの糞には色とりどりの種子が消化されないまま含まれているので、これを本格的に調べてみるのも楽しそうです。(溜め糞調査の王道) 
この尾根道沿いにはあちこちでコブシが赤い実をつけていて、落果も見つけました。 
タヌキが通りすがりにコブシの果実(落果)を食べていても不思議ではありませんが、独特の形状をしたコブシの種子は糞に含まれていないようです。(パッと見の印象) 
あるいはホオノキの種子かも? 
黒くて小さい種子はアケビかな?と想像するものの、ちゃんと調べていません。 
タヌキが現場の尾根道(標高520m地点)から里の畑まで降りて採食するとすれば、スイカや柿の種が糞に含まれているかもしれません。

2022/01/17

里山の池で水を飲み水浴するハイタカ?(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月下旬・午前11:00頃・晴れ 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視している里山の水場に珍しく猛禽が登場しました。 
明るい昼間のはずなのに、カメラの設定ミスで暗視モードの白黒映像になってしまったのが残念です。 
おそらくハイタカAccipiter nisus)ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。 
カッコウと迷ったのですが、この時期に夏鳥はもう渡去して居ないでしょうし、尾羽の横縞模様が違います。 

浅い池の中央で辺りを警戒しながら水を飲んでいました。 
やがて水浴を始めました。 
翼を羽ばたかせながら頭を水中に何度も浸しています。 
しかし手入れの行き届いた羽毛は水をすぐに弾いてしまいます。 
その後も飲水と行水を繰り返しています。 
カメラの設定で1分30秒で録画が終了してしまいます。 
ハイタカ?が水場から飛び去るまで見届けられず残念。 

ところが、数分後におそらく同一個体と思われるハイタカが水場に戻って来ました。 
♀♂つがいの可能性もありますかね? 
今度は場所を変え、左岸付近の浅瀬で水浴を開始。 
ときどき水浴を中断し、池の中でじっと辺りを警戒しています。 
断続的に水浴びを繰り返しました。
パタパタ、パシャパシャと翼を羽ばたいて水飛沫を上げる音が聞こえます。 
水浴の合間に、浅い池の中で羽繕いを始めました。
胸の羽毛を嘴で軽く整えています。 
その後も再び同じ所で水浴をやり直しました。 

結局、ハイタカが水場から飛び立つ様子を見届けられませんでした。 
尻切れトンボの映像で残念です。 

ハイタカがこれほど水浴好きとは知りませんでした。 
もしかすると狩りの直後で獲物の返り血を浴びていたのかな? 

※ 画面全体が不自然なピンク色に点滅する症状が煩わしいので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 
画面奥に見える森の緑色だけがほんのりと復活しています。 


サザンカ(白花)で訪花吸蜜するオオチャバネセセリ【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年10月下旬・午後13:15頃・晴れ 

民家の軒下に咲いたサザンカ(山茶花)(白花)でオオチャバネセセリZinaida pellucida)が訪花していました。 
翅を半開きにして吸蜜しています。 
口吻をくるくるとゼンマイ状に縮めてから次の花へ飛んで移動しました。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:32〜) 
吸蜜中に半開きにしていた翅を途中から閉じました。 
閉じた翅を細かく震わせているのは、飛翔筋のアイドリング(準備運動)なのでしょう。

2022/01/16

水場の横の林道を昼も夜も往来するニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 

2021年10月中旬 

前回の記事:▶ (初登場

水場の横の林道を通りかかったニホンカモシカCapricornis crispus)の登場シーンをまとめた10月中旬の記録です。 
今までトレイルカメラの電池を節約するために、夜だけ監視するようにタイマー設定していました。 
野生の哺乳類はだいたい夜行性ですし、昼間はときどきヒト(登山客や林業関係者)も林道を往来するので、野生動物は現れないだろう、という判断でした。 
試しに終日監視するように設定し直すと、7日間で5回カモシカが撮れました。 
登場時刻はまちまちで、カモシカは昼も夜も活動していました。 
林道を歩く方向もバラバラでした。 
同一個体なのか複数個体なのか不明です。 
私もカモシカを個体識別できるようになりたいものです。 

カモシカは水場の横を素通りするだけで、水を飲みませんでした。 
この水場でニホンカモシカの飲水シーンは今のところ1度しか撮れていません。(後日にもう一度:映像公開予定)
▼関連記事 
山中の水場で水を飲むニホンカモシカ【トレイルカメラ】
秋になって気温が下がると、喉があまり渇かなくなるのかな? 
おそらく縄張り内で水を飲める場所が他にあるのでしょう。 

林道は池の対岸でカメラからやや遠いせいか、カモシカの登場から録画開始までいつも少し遅れるのが残念です。
画面奥の斜面を登って来て林道に現れている可能性もありそうです。
採食シーンや眼下腺マーキングなどの行動はしっかり撮れていませんでした。 

シーン1: 10/11 午後17:20頃 
夜の林道を左へ歩き去りました。

シーン2: 10/12 午後15:40頃 
昼間の 林道を右へ立ち去りました。

シーン3: 10/15 午前9:40頃 
朝の林道を右へ立ち去りました。

シーン4: 10/16 午後18:55頃 
夜の林道で白い目が暗視カメラに光って写ります。 
全身のシルエットが辛うじて見えたものの、すぐに左へ立ち去りました。

シーン5: 10/17 午後23:20頃 
霧が少し立ち込めています。
深夜の林道を右へ立ち去りかけたものの、途中で一度立ち止まり、再び歩き去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

タヌキの溜め糞上でベッコウバエ♂が謎の手招き行動

 

2021年10月下旬・午後12:50頃・くもり 

里山で使われなくなった林道(廃道)を薮漕ぎしながら辿ると、ミズナラの木の下でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞gを新たに見つけました。 
新鮮な溜め糞の天辺に1匹のベッコウバエ♂(Dryomyza formosa)が陣取り、交尾相手の♀が飛来するのを待っていました。 
 前脚を交互に前へ伸ばして宙を掻く手招き行動をゆっくりと繰り返しているのが気になります。 
この手招き行動は以前にも観察したことがあります。 
まさか♀が呼び寄せる求愛誇示(ディスプレイ)なのでしょうか? 
他の解釈を思いつかないので、欲求不満で手持ち無沙汰の♂による真空行動ではないか?という気がします。
関連記事(8,11年前の撮影)▶  
葉の上で手招きするベッコウバエ 
獣糞で翅紋を単独誇示するベッコウバエ
溜め糞gの近くでミズナラ幼木の葉には別個体の♂が乗って♀を待ち伏せしていました。(下記最後の写真を参照)

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