2014/10/04
獣糞を舐めるキオビトビノメイガ(蛾)
2014年7月下旬
渓流脇の濡れた階段でキオビトビノメイガ(Pyrausta mutuurai)という美しい小蛾が地面で吸水していました。
…と思ったのですが、映像を見直すと、水浸しになった細長い獣糞や泥から吸汁(ミネラル摂取)していたのかもしれません。
少し飛んで近くの下草に止まりました。
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ノギランの花蜜を吸うシロスジベッコウハナアブ♀
2014年7月下旬
里山の斜面に咲いたノギランの群落でシロスジベッコウハナアブ♀(Volucella pellucens tabanoides)が訪花していました。
左右の複眼が離れているので♀です。
口吻を伸ばして吸蜜しています。
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2014/10/03
ニホンマムシの蛇行
2014年7月下旬
里山の頂上広場で三脚を立てて蜂の撮影に熱中しているときに、
▼関連記事虫の知らせでふと振り返るといつの間にか足元に大きなニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)が忍び寄って居ました。
巣材を採土するオオフタオビドロバチ♀
気づかずにうっかり踏みつけていたら毒牙に噛まれていたかもしれません。
危機一髪のニアミスに冷や汗をかきました。
マムシは赤土の上でのんびり日光浴していただけかもしれませんが、保護色で全く気づきませんでした。
マムシは鼻先にある一対のピット器官で熱源を感知できますが、まさか積極的にヒトを襲うつもりはなかったはずです(…と思いたい)。
カメラをズームした音(超音波?)に驚いたようで、マムシは蛇行して逃げ始めました。
チロチロと舌を出し入れしながら逃げ、灌木の茂みに姿を消しました。
オオアワダチソウ?の花蜜を吸うスジグロシロチョウ
2014年7月中旬
林縁の用水路沿いに咲いたオオアワダチソウと思われる花でスジグロシロチョウ(Pieris melete)が吸蜜していました。
この花の名前について
初めはセイタカアワダチソウかと思ったのですが、背丈もそんなに高くないし花が7月に咲くのは早過ぎると思います。
オオアワダチソウですかね?(もし違っていたら、ご指摘願います。)
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2014/10/02
巣材を採土するオオフタオビドロバチ♀
2014年7月下旬
里山の頂上付近でオオフタオビドロバチ♀(Anterhynchium flavomarginatum)が巣材集めにせっせと通っていました。
数年前に竹筒トラップで営巣行動を観察できたものの、採土行動だけは未見でした。
これでようやくミッシングリンクが繋がりました。
個体標識していませんが、おそらく同一個体の♀と思われます。
かなり太った(体格の良い)♀個体です。
山頂広場での採土ポイントは毎回変わり、飛来した蜂は忙しなく移動しながらあちこちで試掘して回ります。
土質が気に入ると、水を吐き戻しながら大顎で掘った赤土を丸めて泥玉を作ります。
泥玉に小石が多少混じっても蜂は気にしないようです。
泥団子が完成するとそれを抱えて毎回東へ飛び去りました。
灌木林を越えて行く先に巣があるのでしょう。
オオフタオビドロバチ♀が泥玉作りに熱中している間に通りすがりのクロアリ(種名不詳)に噛まれて、驚いた蜂が飛んで逃げることもありました。
採土作業を中断させられた蜂はそのまま巣材を持って帰巣しました。
巣に戻る直前には扇状の定位飛行ではなく、低空飛行でぐるぐる旋回していました。
採土場をピンポイントに記憶する必要がないため、大雑把に全体的な風景を覚えるのでしょう。
あるいは太陽コンパスで巣の方角を見定めているのかもしれません。
動画ファイルのタイムスタンプを参照すると;12:54:03、13:01:14、13:11:48、13:32:24、14:36:59。
蜂が採土場に飛来した時刻に規則性(◯分間隔)は特にありませんでした。
間が開いている時間帯はハイスピード動画撮影に切り替えたり、他のドロバチに目移りしていました。
▼つづく
採土に通うオオフタオビドロバチ♀を個体標識してみる
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2014/10/01
オレガノを訪花するキオビツチバチ♀の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】
2014年7月中旬
民家のガレージ脇に咲いたオレガノの白い花でキオビツチバチ♀(Scolia oculata)が吸蜜していました。
顔が白い花粉で汚れています。
花から花へ飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:24〜)
複数個体を撮影。
猫の額ほどの小さな群落なのに千客万来で、どの昆虫を撮るか目移りするほどでした。
関連記事(9年後の撮影)▶ 吸蜜後にオレガノの花から飛び立つキオビツチバチ♂【ハイスピード動画】
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斜面の草を食むニホンカモシカ
2014年7月下旬
久しぶりに野生のニホンカモシカ(Capricornis crispus)と遭遇しました。
入山してすぐ山道の横の急斜面でカモシカが出迎えてくれました。
手前に生い茂る背の高い雑草が邪魔で、初めはカモシカの顔がよく見えません。
草葉の陰からこちらを見下ろしています。
ようやく顔をはっきり見れたものの、耳や角などに個体識別できる特徴は見当たりません。
こちらが一歩も動かずに立ち尽くしていると、カモシカは警戒を解いて斜面の草を採食開始。
シロツメクサ以外の採食メニューは残念ながらはっきり見えませんでした。
虫に刺されて左腰が痒いのか、自分で噛んだり舐めたりするような仕草をしました。(@3:25〜3:35)
後半は高々と顔を上げて風の匂いを何度も嗅ぎました。(@4:02-)
性別も不明ですし歯茎が見えないので、まさかフレーメン反応ではないと思います。
(※ 飼育下でカモシカのフレーメン反応を撮った連続写真がこちらのサイトで掲載されていました。)
カモシカはひどい近眼で私の姿がよく見えないため、匂いを嗅いで様子を探っているのでしょう。
やがて、こちらに向かって斜面をトラバースしながらゆっくり登り始めました。(@5:05)
林縁に達すると茂みに隠れながらこちらを覗き見てます。
最後は雑木林の奥に姿を消しました。
撮影中にカモシカは鼻息による威嚇を一切行いませんでした。
常に私よりも上に位置しているので(上から目線)、比較的落ち着いていたのかもしれません。
2014/09/30
メスグロヒョウモン♀に求愛するミドリヒョウモン♂(異種間求愛と交尾拒否行動)
2014年7月中旬
山間部の道端に咲いたオカトラノオの花でメスグロヒョウモン♀(Damora sagana liane)が吸蜜していました。
そこへミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が飛来すると、驚いたことに別種の♀に対して求愛を始めました。
♂は♀の背後に止まり交尾器を連結しようとするも、♀が翅を全開にし腹端を上げた交尾拒否姿勢をとりつつ花の上で逃げ回ります。
吸蜜どころではなく♀の口吻はゼンマイ状に縮んでいます。
嫌がる♀が遂に飛んで逃げ出し、♂もすかさず追飛。
近くのオカトラノオ群落に訪花していた他のミドリヒョウモン♂も反応して乱舞になりました。
メスグロヒョウモン♀は近くのオカトラノオ花に着陸しました。
一連の行動を1/4倍速のスローモーションでリプレイ。
今回♀が交尾拒否したのは、異種の♂から求愛されたからとは限りません。
同じ日に同じ場所でミドリヒョウモン同士の求愛と交尾拒否を観察しています。
▼関連記事ミドリヒョウモン♀の交尾拒否♀は未だ性的に成熟していないのかもしれませんし、生涯で交尾するのは一度だけなのかもしれませんし、交尾する♂を選り好みしている可能性もあります。
異種間の誤認求愛は珍しいと思ったのですが、交尾に至り雑種が生まれる例はあるのでしょうか?
生殖的隔離はどうなっているのかな?
メスグロヒョウモンは翅の色が性別によってまるで異なる性的二型です。
人間であればメスグロヒョウモン♀とミドリヒョウモン♀の翅の色と見間違えることは絶対にありませんが、蝶(ミドリヒョウモン♂)の目からはどのように見えているのでしょう?
例えばモンシロチョウの場合、可視光ではなく紫外線スペクトルでの見え方が種内の性別を見分けるのに重要であることが知られています。
もしかすると、紫外線で見ればメスグロヒョウモン♀とミドリヒョウモン♀の翅の色や斑紋は意外に紛らわしいのかもしれません。
それともメスグロヒョウモン♀が放つ性フェロモンの化学構造がミドリヒョウモンの性フェロモンと似ていて、どうしても♂が騙されてしまうのかもしれません。
逆の組み合わせ(メスグロヒョウモン♂とミドリヒョウモン♀)ではどうなのでしょう?
実はこの2種は分類学的に近縁で、メスグロヒョウモン属 Damoraは近縁のミドリヒョウモン属 Argynnis に組みこまれていたことがあるそうです(wikipediaより)。
メスグロヒョウモンとミドリヒョウモンの二種間では生殖隔離の仕組みが未だ甘いのかもしれませんね。
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グラジオラスの花蜜を吸うクロマルハナバチ♀
2014年7月下旬
民家の花壇に咲いたグラジオラスの花でクロマルハナバチ(Bombus ignitus)のワーカー♀が採餌していました。
爽やかな薄いオレンジ色の花に複数個体が正当訪花しています。
後脚の花粉籠は空荷でした。
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2014/09/29
サンリンソウの花蜜を吸うモンシロチョウ
2014年7月中旬
山麓の道端に咲いたサンリンソウの群落でモンシロチョウ(Pieris rapae)が訪花していました。
個々の花蜜が少ないのか、忙しなく飛び回ります。
この地味な花の名前を知らず、なんとか図鑑で調べてどうやらサンリンソウらしいと分かりました。
私の記憶が確かなら、鎮守の森の杉の木の下に生えていました。
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ラベンダーの花蜜を吸うクマバチ♀
2014年7月中旬
堤防の花壇に咲いたラベンダーの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
後脚の花粉籠は空荷でした。
重いクマバチがラベンダーの花穂に止まると茎が大きくしなります。
ラベンダー特有の強い芳香が辺りに漂っています。
千客万来で、様々な蜂の他にもセセリチョウ(イチモンジセセリ?)が吸蜜に来ていました。
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2014/09/28
寄主オビガ(蛾)の繭から脱出するヤドリバエ幼虫
2014年7月中旬・室温26℃
▼前回の記事オビガ(Apha aequalis)終齢幼虫bが飼育下で繭を紡いでから7日後、繭の内側でウジ虫が蠢いていることに気づきました。
繭を紡ぐ白毛のオビガ(蛾)終齢幼虫【早回し映像】
どうやらオビガ終齢幼虫を野山で採集してきた時点で寄生ハエ(ヤドリバエ科?)に体内寄生されていたようです。
慌ててカメラを取り出し、ヤドリバエの一種(種名不詳)の終齢幼虫が寄主の蛹を食い破って繭から脱出する様子を動画に撮り始めました。
ウジ虫は繭の端から脱出すると、這い回った跡が粘液で濡れています。
昨年観察したヨシカレハの繭からヤドリバエの幼虫が脱出したときよりも、粘液の分泌量は少ない気がしました。
▼関連記事毎回気になる点として、ヤドリバエ幼虫はコクナーゼなどの酵素を自ら分泌して繭の絹糸を溶かしながら脱出するのですかね?
寄主ヨシカレハ(蛾)の繭から脱出するヤドリバエ幼虫
寄主のオビガ幼虫が羽化に備えて繭に脱出口を予めこしらえていたのでしょうか?
『繭ハンドブック』p36によれば、オビガの繭には成虫の出口となる上部にあらかじめ穴が開いており、下部にも小さな穴が開いているそうです。
私もいつか飼育に再挑戦してオビガの成虫が羽化するまで見届けたいものです。
ウジ虫はプラスチックの垂直壁面を登れず、蛹化する場所を探して徘徊を続けます。(ワンダリング)
映像に登場するウジ虫は1匹だけですが、このオビガ繭から計3匹のウジ虫が続々と脱出しました。(多寄生)
プラスチック円筒容器は綿棒の入れ物を再利用しました。
容器の底に開けられた通気孔の円の直径は15mm。(大きさの比較対象にして下さい。)
本来ヤドリバエの幼虫は土に潜って蛹化するらしいのですが、しばらくすると容器内で囲蛹殻形成し黒い囲蛹になりました。
大きさはまちまち。 |
寄主の繭を切り開いてみると、捕食寄生されたオビガ前蛹の死骸が残されていました。
脱皮して蛹になる前に死んだようです。
繭を紡ぎながら自らの長毛を絹糸に編み込んだために、毛虫の毛がほとんど抜け落ちています。
その後、残念ながらヤドリバエの成虫は3匹とも羽化してくれませんでした。
したがって、ヤドリバエの種類も分からず仕舞いです。
原因が分からず悩んだ末にハエ関係の掲示板(一寸のハエにも五分の大和魂)で相談したところ、飼育するにはヤドリバエの囲蛹を動かしたり向きを変えたりするのは御法度らしく、殺菌した土を入れてやらないと羽化率が悪いのだそうです。
実は昨年、オビガを寄主とするヤドリバエ成虫を得ています。
オビガ終齢幼虫を採集してきて飼育を始めたものの、忙しくてろくに観察できないまま繭を放置していました。
いつの間にか2匹のヤドリバエ成虫が羽化して容器内で死んでいました。
このときも容器内に土を入れてなかったものの、ウジ虫の脱出に私が全く気づかず囲蛹に全く手を触れなかったことが結果的に良かったようです。
ブランコヤドリバエですかね?(自信なし)
ただし寄主が同じオビガであっても、同種のヤドリバエであるとは限りません。
その後、残念ながらヤドリバエの成虫は3匹とも羽化してくれませんでした。
したがって、ヤドリバエの種類も分からず仕舞いです。
原因が分からず悩んだ末にハエ関係の掲示板(一寸のハエにも五分の大和魂)で相談したところ、飼育するにはヤドリバエの囲蛹を動かしたり向きを変えたりするのは御法度らしく、殺菌した土を入れてやらないと羽化率が悪いのだそうです。
実は昨年、オビガを寄主とするヤドリバエ成虫を得ています。
オビガ終齢幼虫を採集してきて飼育を始めたものの、忙しくてろくに観察できないまま繭を放置していました。
いつの間にか2匹のヤドリバエ成虫が羽化して容器内で死んでいました。
このときも容器内に土を入れてなかったものの、ウジ虫の脱出に私が全く気づかず囲蛹に全く手を触れなかったことが結果的に良かったようです。
ブランコヤドリバエですかね?(自信なし)
ただし寄主が同じオビガであっても、同種のヤドリバエであるとは限りません。
2匹目は羽化不全個体 |
ヤドリバエ老熟幼虫が脱出後の寄主オビガ繭 |
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ノリウツギの花蜜を吸うオオウラギンスジヒョウモン♂
2014年7月中旬
平地の用水路沿いに咲いたノリウツギの群落にオオウラギンスジヒョウモン♂(Argyronome ruslana)の群れが訪花していました。
日差しが強く暑いのか、翅を閉じたまま吸蜜しています。
そのため性別を見分けるのが困難ですが、少しだけ開いた翅表を見て♂と判定しました。
♂同士で誤認求愛も見られました。
複数個体を撮影。
(写っている個体全てが♂とは限らないかも?)
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