2011/12/31

ヤマガタヒメバチ♂@ガードレール徘徊



2011年11月下旬・気温8℃

里に下山する途中で車道のガードレールを歩く大型の蜂を発見。

胸背に黄点があり、いかにもヒメバチの仲間です。
長い触角で探りながらせかせかと歩いています。

顔正面から撮りたくて、前方でカメラを構えて待ち構えていたら気づいて引き返しました。
ガードレール支柱の丸い台のところを暫し堂々巡り。


いまにも飛び立ちそうな素振りを見せたので、撮影を打ち切り捕獲しました。

写真鑑定してもらうために、ありあわせのビニール袋で採集しました。
この蜂の名前が分かる方は教えて下さい。

【追記】
コメント欄にてBaconLさんより、ヤマガタヒメバチ♂(Chasmias major)だろうとご教示頂きました。




2011/12/30

雪上を疾走するキハダエビグモ♂亜成体【蜘蛛】



2011年11月下旬・気温4℃(雪面)

雪が少し積もった山道で見慣れないクモが雪上をすばやく走っていました。
立ち止まると低温のせいか、体をつついても反応しません。
擬死なのかな?
素人目にはエビグモ科の一種ではないかと思います。
体全体が扁平な(非常に薄い)印象。
触肢が膨らみかけているので♂亜成体でしょうか。
しばらくすると、また突然走り出しました。
轍の窪みにたどり着くと静止。
持久力が無い(長距離を走れない)のかもしれません。
動画撮影後に一時捕獲してみると体長8mm。


いつものように「クモ蟲画像掲示板」にて問い合せたところ、画像のみで確定するのは難しいがサイズと歩脚斑紋からキハダエビグモかもしれないとご教示頂きました。
エビグモ科Philodromus属の一種で、暫定的にキハダエビグモ♂亜成体としておきます。
クモ生理生態事典』によると、キハダエビグモは亜成体で越冬し、冬期は樹皮の下にいるらしい。
ちなみに成体♂の体長は4〜6mmとあるので、今回は大型の個体のようです。
(成体の出現期は5〜8月。)
また、興味深い記述として「樹皮のような淡い茶色から刺激によって腹部後端が黒化する瞬間的体色変化をするが,くり返すと刺激しても黒化しない場合もある」らしいです。
下の組写真は採集2日後に炭酸ガス麻酔下で接写したものですが、確かに雪面で見たときより黒化が進んでいる印象を受けました。



【追記】

映像だけ見ると、クモが「走っている」様子はあまり伝わっていないかもしれません。
雪面で急に移動してはしばらく止まる、を繰り返すのですが予測不能なので何度も動画撮影に失敗しました。
(私のカメラは動画モードの起動が遅いのが難点。長撮りすべきでした。)
走っているのを見たのは確かです。
低温4℃の雪面なのに意外なダッシュ力(短距離スプリント)に驚きました。
見つけてすぐの方が走る勢いが良かったです。
実は現場では「もしや北国では幻のアシダカグモ?!」と内心ときめきました。
動画撮影はそこそこで切り上げて、見失わないうちに採集を優先した次第です。



2011/12/29

水面に浮いて跳ねるエビガラトビムシ?集団



2011年11月下旬

ミニ・ビオトープの水盤で何か黒い物が水面に浮かんでいました。
よく見ると夥しい数の黒い小さな虫が集まっています。
水面に大小幾つもの集団が浮いて離合集散し、ときどき空中にピンピンと跳ねる個体がいます。
カメラを動かしてパンしなくても、風で集団が水面を流されていきます。


大概の生物は平気で苦手意識などは無いつもりだったのに、初めて見る得体の知れない蟲が大群で蠢く様子を接写していたら不覚にもゾワゾワと少し気分が悪くなってしまいました。
単に慣れの問題だと思いますが、この日は採寸したり採集したりする気になれませんでした。
跳躍器で跳ぶ様子をハイスピード動画に撮ればよかった…と帰ってから後悔しても後の祭り。




帰ってから調べてみると、どうやらトビムシの仲間のようです。
以下の記述を見つけてミズトビムシかなと思ったりするものの、全くの当てずっぽうで定かではありません。
ミズトビムシ科のミズトビムシPodura aquaticaはしばしば群をなして水面に浮かんでいるのがみられる種で、全世界に分布する。(小学館『日本大百科』より)

【追記】
『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』に掲載された、シロトビムシ科エビガラトビムシHomaloproctus sauteri)の写真が素人目には似ている気がしました。
(一属一種で日本特産の本種は、)冬季の夕方に、地表に出てくることで知られている。トビムシ類の大集団の発現はそれほど珍しくない。 (p54より引用)



全く馴染みが無い生き物だったので、こちらの動画↓でトビムシ全般についてお勉強。




↑【おまけの動画2】
「Slo-mo camera reveals why springtails land perfectly every time」by New Scientist
トビムシの跳躍と着陸の仕組みをスーパースローの映像で解明しています。

2011/12/28

カルガモ群れの水浴と羽繕い【野鳥】



2011年11月中旬

一山越えて湖に下りようとしたら、激しい水音が静かな山中に響き渡りました。
てっきり水鳥が天敵に襲われているのかと思いつつ静かに接近すると、カルガモの群れが水上で羽繕いしています。
湖畔の木陰からそっと覗くと、翼で激しく水面を打って水浴しているようです。
ときおり潜水する個体もいました(採食?)。

欲を出して更に近づこうとしたら目ざとく気づかれてしまい、カルガモは水面を泳いで対岸へと一斉に移動しました。

【追記】
『カルガモ親子はなぜ引っ越す』p208より
カルガモは、♂も♀も同じ黒褐色の羽色である。よく見ると、♂は、背中の方が♀より濃く、三列風切り羽がはっきりと白いというちがいはある。しかし、それでもじっくり見なければわからない程度の差でしかない。



2011/12/27

シラキトビナナフシ♀の死骸と卵

2011年11月下旬

某山寺の軒下でナナフシの死骸を発見。
仰向けに死んでいました。
同定のため、採集して持ち帰りました。



手元の本と見比べてみると(『ナナフシのすべて』p26)、初見のシラキトビナナフシ♀(Micadina conifera)と判明。
後翅を広げると鮮やかな赤色。
現場では見落としていたのですが、腹端の産卵弁から卵が一粒のぞいていました。
産卵中に寿命を迎えたのでしょう。



ナナフシの卵の実物を見るのも初めてです。
噂に聞く通り植物の種子に擬態しているようで、林床に落ちていても見つけられないでしょう。
ナナフシの種類によって異なる卵の造形美をじっくり観察するために♀の体から取り出そうとしたら、産卵弁にきつく締め付けられていて苦労しました。


堅い卵の表面は網目模様で刻印され、側面には切れ込みがあります。
虫ピンやピンセットを使って卵を摘出する際に堅い表面を誤って傷つけてしまったかと焦りました。
調べてみるとこの切れ目は精孔と呼ばれ、ここから精子が侵入して受精するのだそうです。
ただしシラキトビナナフシには♂の存在が報告されておらず、♀が単為生殖を行うらしい。
(従って未受精卵から幼虫が孵化する。)

採集した卵を容器で大切に保存し、外気に晒した状態で越冬させることにしました。
得られた卵はわずか一個のため春に幼虫の孵化を観察するのは困難だと思いますが、飼育してみるつもりです。
後で思うと、♀体内の卵巣に産み残した卵が残っていたかもしれないので解剖してみて採卵すればよかったですね。

※ 今日は珍しく動画ネタではなく写真のみです。


『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p116によると、

(ナナフシの)野外での産卵行動の記録は少ないが、飼育下での観察によると、産卵方式には「落下方式」と「粘着方式」がある。大部分の種類は、産卵の際に腹端を上下に振って卵を産出する落下方式である。



関連記事(11年後の撮影)▶ イヌツゲ灌木をうろつくシラキトビナナフシ♀ 




2011/12/26

松葉を舐めるクロヤマアリ♀



2011年11月中旬・気温14℃

里山の尾根に生えたアカマツの幼木で黒いアリのワーカー(働き蟻)も松葉を舐めていました。
クロヤマアリFormica japonicaだと思うのですがどうでしょう?
未採寸、未採集。

シダクロスズメバチ♂2匹も同様の摂食行動を示したので、松葉の表面がアブラムシ類の排泄した甘露で汚れているのではないかと予想しました。

2011/12/25

松葉を舐めるシダクロスズメバチ♂の謎



2011年11月中旬・気温14℃

里山の尾根道に生えたアカマツの幼木(樹高〜160cm)でクロスズメバチの仲間を発見。
松葉の茂みをかき分けるように枝を歩き回っています。
顔を見てシダクロスズメバチ♂(Vespula shidai )と確定しました。
観察を続けると、松葉にしがみ付きながら舌を伸ばして頻りに葉の表面を舐めています。
動画撮影後にこの個体♂aを採集。
しばらくするともう一匹のシダクロスズメバチ♂bが飛来し、同様の摂食行動を始めました。
初めて見る不思議な行動に興味を覚えました。

よく晴れた午後なので松葉にもう朝露は付いておらず、単なる水分摂取ではなさそうです。

松葉を集めると松脂なのか独特の芳香がします。
松葉に誘引されたシダクロスズメバチが今回♂だけである(n=2)ことが偶然でなければ、次の可能性として雄蜂が性フェロモンや性成熟に必要な成分を松葉から摂取しているのかと妄想しました。
ところがしばらくすると、黒アリ♀も同じ松葉を舐めに来ていることに気づきました(動画あり)。
また先日は別の場所で松葉に興味を示すキイロスズメバチ(性別不明)も観察しました。
これらはフェロモン説で説明できそうにないので、残念ながら却下。

晩秋の里山では蜜源植物もすべて枯れてしまい花は何も咲いていません。
飢えたスズメバチが必死で甘いものを探し求めているのでしょう。
松葉に蜜腺があるという話は聞いたことがないので、アブラムシ類の分泌した甘露が松葉の表面に残っているのではないかと予想しました。
松に寄生するアブラムシやカイガラムシの害がひどくなると「すす病」が発生するらしいのですが、この松葉にそのような症状は特に見られませんでした。
今思えば私も松葉を舐めてみて、本当に甘いのかどうか確かめるべきでしたね。
実は誰か糖尿病を患った爺様がここで立ち小便した結果、というオチかもしれませんが…。

【追記】
『スズメバチの科学』p97によると、
秋にマツ類につくカラマツオオアブラムシなどから多量に分泌される甘露は、多くのスズメバチ類の重要な餌資源となっており、カラマツなどの周りを飛び交う彼らの姿はよく観察される。


【追記2】
有名な小説家の井伏鱒二に『スガレ追ひ』(1974年)という作品があります。

何人もの蜂取り名人からクロスズメバチの採集法や飼育法を聞き取り調査してまとめた本です。
ヂバチ(地蜂)の見分け方が不十分でローカルな俗称しか書いていない点を除けば、生態に関する記述もおそろしいぐらいに詳細かつほぼ正確で、現在の蜂屋にも読み応えがある内容でした。
本に何種類も登場するスズメバチ類の正確な和名が分からないのですが、外見や習性に関する記述からおそらくあの蜂だろうと推測するのも楽しいものです。

その中に興味深い記述がありましたので引用します。

ただ一つ、わかってゐると云へるのは、ヂバチが唐松の木に関わりを持つやうになると、幼虫の色に急に艶が出ることである。
しかし、なぜ唐松の木に関りを持つとさうなるか、蜂が唐松の木にたかって来て何をしてゐるかはわからない。
ただ結果として、はつきりと幼虫に艶が出て油つこくなることは確かである。食べてみて味がいい。
「蜂の子と唐松の木は、きっと何か取引関係を持ってゐる。唐松は蜂を優秀にする。なかでも、八ヶ岳の唐松と関係を持つたのが最高だ。」
ヂバチが自発的に唐松の木に寄って来るのは、九月の初めから十一月にかけての間である。
葉が分かれてゐるまはりを這ひまはり、何を食べてゐるか何を嗅いでゐるか不明だが、とにかく夢中になって歩きまはってゐる。
もうそのころ、唐松にたかるやうになつたものは、スガレ追ひの蛙の肉は見向きもしない。
蛙よりも唐松の方に気を取られてゐる。
一方また、唐松の木に来ないで草のなかなど舞ってゐるやつは、遅蒔ながら蛙の肉にたかつて来る。
これは同じ巣へ帰るにしても、木の屑を選ぶのは木の屑を運び、餌を運ぶのは餌を運び、自分の仕事がそれぞれ違つてゐるためだらう。
それぞれが専門部分に分れて働いてゐる。(『井伏鱒二 全集第25巻』p393~394より)



動画の一匹目♂aを捕獲して持ち帰り、蜂蜜を与えてみました。

2011/12/24

ネコハエトリ♀の徘徊・跳躍



2011年10月中旬

腹部が丸々と太ったネコハエトリCarrhotus xanthogrammaを接写してみました。
亜成体♀かなと思うものの、腹面の外雌器を確認していないので定かではありません(未採寸・未採集)。
顔正面から見ると、単眼のつぶらな瞳が美しい。
腹端の糸疣から常に命綱の「しおり糸」を伸ばしながら徘徊していることが分かります。



2011/12/23

クロスジフユエダシャク♂の飛翔



2011年11月中旬

初冬の山道を歩くと足元から次々と地味な冬尺蛾の♂が飛び立ちます。
ひらひらと低空飛行する一頭を追いかけて撮ると、道端の小枝に止まってくれました。
クロスジフユエダシャク♂(Pachyerannis obliquaria)と正体が判明。



2011/12/22

キイロスズメバチがアカマツの葉を探索飛行



2011年11月上旬

林道沿いに並ぶアカマツの木にキイロスズメバチが飛来しました。
高い枝先に止まり松葉に興味を示している様子。
晩秋になると獲物となるような虫はもう殆ど居ないはずです。
松葉に付くアブラムシやその甘露が目当てなのだろうか。
(甘露で汚れた松葉が糖分で甘くなっている?)
この日はクロスズメバチの仲間も同様に松葉へ飛来していたので気になります。
(つづく→「松葉を舐めるシダクロスズメバチ♂の謎」)

2011/12/21

クロオビフユナミシャク♀を見つけた!



2011年11月中旬・気温17℃

里山の標高〜660m地点にて、フユシャクの仲間が白壁の西面に止まっていました。
翅が中途半端に退化している(短翅)♀です。
クロオビフユナミシャク♀はこれが初見になります。
午後は丁度西日が当たって暖かいのでしょう。
しかし本来は寒さを苦にしないはずなので、西側の壁に居たのは偶然のような気もします。
定点観察を繰り返しサンプル数を増やせば何か傾向が分かるかもしれません。

腹端をヒクヒクさせていたので、性フェロモンで♂を誘引しているのだろうか(コーリング)と妄想しました。
(冬尺蛾の求愛交尾行動を未だ見たことがないので、真相は不明です。)
指で軽く触れると慌てたように壁を少し登り始めたのですが、すぐに滑落。
退化した翅では飛べないようで、地面に落ちて見失ってしまいました。



2011/12/20

ムモンホソアシナガバチ新女王の身繕い



2011年10月下旬


用水路の鉄柵にホソアシナガバチ属の蜂♀が止まっていました。
晩秋という時期を考えるとワーカーではなく、これから越冬する新女王でしょう。
正面から顔を接写すると頭楯に黒条を欠くことからムモンホソアシナガバチParapolybia indica)と判明。
閉じた大顎の隙間から舌をチロチロと出し入れしていました。
背側を見ると中胸背板および前伸腹節に黄色の2縦線があります。
蜂は静止しつつもキョロキョロ辺りを見ています。
鉄パイプの上を少し歩くと身繕いを始めました。
左右の後脚を互いに擦り合わせています。




2011/12/19

エンマコオロギの求愛歌♪と精包授受(交尾)の接写



エンマコオロギの飼育記録
2011年9月中旬・室温29℃


エンマコオロギ♂♀(Teleogryllus emma)を一匹ずつ同居させると、連日連夜、配偶行動を繰り返しています。
今回は精包の授受をよく観察するためにマクロレンズで接写してみました。
(引きの絵による全体像と解説は、前回の記事をご覧下さい。)

♂が♀の側でしつこく恋歌を奏でています。
♀が根負けして求愛を受け入れました。
(♀がマウントする様子は撮り損ねました。)
♂が激しく身震いしながら腹端から白い精包を排出すると、♀の腹端の左側に付けました。
新鮮な精包は外側が透明です。

♀はしばらく精包をぶら下げて歩き回ります。
栄養豊富な精包をその後自分で食べてしまうのですが、どうしてもそのシーンを撮ることができませんでした。
来季の宿題です。




2011/12/18

ニホンカナヘビの日光浴



2011年10月中旬

林道上で日光浴中のニホンカナヘビTakydromus tachydromoidesを発見。
胸部がリズミカルに動くのは心臓の鼓動なのかな。
口元をよく見るとチロチロと舌なめずりしています。
あまり動きが無いのに痺れを切らし、撮りながら一歩踏み出したら一目散に逃げて行きました。








2011/12/17

アシグロツユムシ♀の身繕いと飲水



2011年11月中旬

アシグロツユムシ♀(Phaneroptera nigroantennataが腹部を前方に曲げて産卵姿勢を取っていたのに、カメラを取り出す間に警戒して中止してしまいました。
やがて身繕いを始めました。
右の触角を口でしごくように舐めています。
本種の長く黒い触角には所々白い節の部分が目立ちます。
次に右中脚の先を口で掃除しています。

そして足元の木の葉(ミズナラ)に付いた水滴に口を付けて飲み始めました。
口髭で水滴表面を触れて確認しています。


この映像は飼育下で撮りました。
実はコカマキリの生き餌として採集し飼育容器に同居させていた個体です。

たまたまコカマキリ♀が産卵間近で食欲が無いおかげで生き延びました。
(コカマキリ♀がアシグロツユムシ♀を捕食すると翅を毟ってから平らげますが、固い産卵管の部分だけ食べ残します。)
今季はコカマキリで手一杯でしたけど、今度はアシグロツユムシを主役に飼育してみるつもりです。
特に、♂の鳴き方や♀の産卵管の使い方を観察してみたいものです。



2011/12/16

ヒガラの鳴き声♪【野鳥】



2011年11月上旬

本日はお日柄も良く、アカマツにお集まり下さいまして有難うございます。
ヒガラPeriparus ater insularis)が跳ねるように枝を移動してから飛び立ちました。
ヤマガラと混群を作っていました。

2011/12/15

ヒカゲチョウが日なたで日光浴



2011年11月上旬

山道を歩いていたら、ミズナラの落ち葉に地味なヒカゲチョウLethe sicelisが止まっていました。
晩秋の日差しを浴びて翅を開閉しています。
その後、別アングルを撮ろうと回り込んだら飛んで逃げられました。
動画を撮りながら移動すれば良かった…。







2011/12/14

ヤマガラが鳴きながらアカマツの実を採食【野鳥】



2011年11月上旬

林道脇に立つアカマツの方から野鳥の鳴き声が聞こえました。
目をやるとヤマガラが枝に止まって松傘(松ぼっくり)を啄んでいました。
ヒガラと混群を成していました。
つづく



2011/12/13

クリ樹上で威嚇誇示する野生ニホンザル



2011年11月上旬

里山のクリ(栗)園で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇(後編)。
約30m離れた樹上で一頭の猿がこちらを見ながら(カメラ目線)枝を掴んで激しく揺すっています。
鳴き声は発していません(聞こえませんでした)。
単なる遊び(はしゃいでいる?)かもしれませんが、カメラを構える私に対する威嚇誇示のような気がしました。
若い個体なのかな?
栗の実を地面に落とす収穫行動だとしたら凄いですけど。
気づいて撮り始めるまで手間取ったせいで、すぐに猿は枝を飛び移ってしまいました。
クリ園のあちこちに群れで何頭も居るので、目移りしてしまいます。



【追記】『ニホンザル観察事典』p22より
木にのぼって、木をゆさゆさとゆらすのは、木ゆすり行動です。大きな音をたてて、自分の力強さをしめす行動です。

2011/12/12

オナガの古巣【野鳥】

2011年11月上旬


平地の川べりの湿地帯にて、若い柳の樹上に野鳥の古巣を見つけました。
地上からの高さは190cm、巣の外径は約13cm。
お椀型の巣の中は柳の落ち葉が少しあるだけで空っぽでした。
中に卵や雛は残っておらず、時期的にも巣立ち後の古巣と思われます。
古巣をそっと持ち上げると枝の又からすっぽり抜けました。
持ち帰ると部屋に虫が湧きそうな気がしたので、写真に撮っただけです。


近くでオナガの群れを見たことがあるので、オナガやカケスかな?と予想してみました。
図書室で調べた鳥の巣図鑑によると、オナガCyanopica cyanaは産座の巣材に苔を使うのが特徴らしい。
今回の巣ではこの点どうだったか、よく観察していませんでした。
鳥屋さんの掲示板にお邪魔して質問してみたところ、オナガの巣で良さそうとのことでした。



(今日は珍しく動画ネタではありません。)


【追記】
オナガの繁殖期は5月から9月。
『オシドリは浮気をしないのか:鳥類学への招待』p143より




2011/12/11

野生ニホンザルの群れが栗林から移動



2011年11月上旬

里山のクリ園で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇(中編)。
ニホンザルはクリが大好物らしいのですが※、実際に樹上で実を採食する様子は観察できませんでした。
クリの実を覆う鋭いイガ(トゲトゲ)を猿がどのように剥くのか興味があります。
(素手で痛くないのか、ヒトのように道具を使うのか?)


群れのメンバーが徐々に移動を始めました。
ときどき互いに激しく鳴き交わしています。
遠くの個体に気を取られて初めは気づかなかったのですが、すぐ近くに立つクリの木の上から数頭の猿が見下ろしていました。
黄葉した茂みの陰からこちらの様子をうかがっています。
やがて仲間の後を追うためにクリの幹を下りました。

衝撃映像】猿も木から下りる!【スクープ
…当たり前ですね。

群れは三々五々とクリ園を横断して斜面を下り、隣接する杉林の奥に姿を消しました。
個体によっては杉の倒木の上を選んで歩く猿もいて興味深い。

※【参考】
ブルーバックス『野生ニホンザルの世界:志賀高原を中心とした生態』p120

後編につづく。



2011/12/10

ウススジハエトリ♂成体



2011年10月下旬

水路沿いの鉄柵上を徘徊するハエトリグモを発見。
一時捕獲して調べてみると、ウススジハエトリ♂成体のようです。
CO2麻酔下で採寸(体長7mm)と接写を行ないました。

昨年見つけた♂成体では第一脚腿節の前面にある黒条が印象に残ったのですが、今回の♂成体では黒条の色が薄く目立ちません。
ただの個体差なのでしょう。
性成熟に伴い現れる模様なのだろうか(二次性徴?)と密かに予想しているので亜成体♂かと思いきや、成体♂であるとクモ蟲画像掲示板にてご教示頂きました。
いつか幼体から飼育してみて仮説を自分で確かめてみたいものです。
デーニッツハエトリにも似ていて迷いました。


2011/12/09

野生ニホンザル母子の地上採食と毛繕い



2011年11月上旬

里山の栗林で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscataの群れと遭遇(前編)。
広場で一頭の猿がこちらに背を向けて地面に座り採食していました。
そこへ親子連れの二頭がやって来ました。
好奇心旺盛な子猿は分け前を期待するかのように背後から覗き込みます。
初めの猿はこれを嫌ってか、その場を立ち去りました。
子猿は何やらおこぼれを採食。
母猿は近くの倒木に腰を下ろすと体を掻き、自分で毛繕いを始めました。
子猿が寄って来ると丁寧に毛繕い(ノミ取り)してやる様子が微笑ましい。
毛を掻き分けてノミを一匹ずつ器用に取って食べています。
遠くからカメラを構えて撮影するこちらを初めはチラチラ意識(警戒)していましたが、やがて馴れたようでリラックス。

中編につづく。





2011/12/08

クロスズメバチ♂@瀕死の徘徊・旋回



2011年11月上旬

山間部の歩道でクロスズメバチの仲間が日光浴していました。
長い触角と腹部が7節あることから♂と分かります。
腹端の交尾器が伸びていますが、交尾済みなのだろうか。
次に顔の側面を見て、ホオナガスズメバチ属ではない(マーラー・スペースが狭い)ことを確認しました。
蜂が路上をうろうろ徘徊し始めたので、顔正面を拝むのに苦労しました。
頭盾中央の黒帯が下縁まで達していない点からクロスズメバチ♂(Vespula flaviceps)だろうと判明。
雄蜂はその場でぐるぐる旋回し始めました。





撮影後、あり合わせのビニール袋に採集して持ち帰りました。
クロスズメバチ♂は相当弱っていたようで(寿命?)、帰宅するとすでに息絶えていました。



2011/12/07

トビ2羽の飛び立ち【野鳥】



2011年11月上旬

トビと思われる野鳥が電柱の天辺に二羽止まり、眼光鋭く辺りを睥睨していました。
つがいまたは親子なのでしょうか。
やがて一羽ずつ飛び立ちました。
飛翔シーンはスローモーションにすればよかったですね。
(HTML5対応のブラウザで閲覧すると、YouTube動画の再生速度を各自が調節できます。)
力強く羽ばたいた後は風に乗って滑空します。
鳴き声は発しませんでした。
(風切り音で聞こえませんでした。)

2011/12/06

ミヤマアリマキバチ♀



2011年11月上旬

里山の尾根の鞍部(標高〜620m)にて、見慣れない黒い蜂を発見。
頭でっかちで、羽アリかと一瞬思いました。
晴れているのに日光浴する訳でもなく、なぜか物陰で休んでいました。
マクロ動画を撮ってみたものの、触角が風で揺れるだけで動きが乏しい。
逃げられる前に同定のため採集しました。
いつもお世話になっている「蜂類情報交換BBS」にて写真鑑定してもらったところ、本州中北部に分布するミヤマアリマキバチ(Pemphredon montanus)♀とご教示頂きました。
幼虫のためにアブラムシを貯食する狩り蜂らしい。
次は営巣行動を観察してみたいものです。
アリマキバチ科の中でもアリマキバチ属はうれしい初物です。



左:前伸腹節の背面、右上:腹端節の背面。


2011/12/05

クワコ♀(蛾)の産卵@カーテン



クワコの飼育記録#6
2011年11月上旬・室温23℃



クワコBombyx mandarina)の成虫♀aが羽化してから10日後、閉じ込めておいた容器の蓋を開けたら室内で飛んで逃げました。
明るい日の射す窓のレースカーテンに止まり、早速産卵を開始。
どこに産むか選り好みしないのだなと改めて実感。
太陽光が腹端の産卵管に直接当たるので観察しやすい。


この二日後、ついに寿命を迎えました
残念ながら交尾相手の♂を見つけてやれませんでしたが、成虫期間12日間に飲まず食わずで未受精卵を計308個産み付けて逝きました。
(内訳は容器内に53個、止り木として入れた割り箸に117個、座布団に124個、レースカーテンに14個。)
未受精卵の直径は約1mm。


シリーズ完。





2011/12/04

ホオジロの鳴き声♪と脱糞【野鳥】



2011年11月上旬

林道を歩いていたら、樹上でホオジロEmberiza cioidesが鳴いていました。
歌いながらポトリと排泄しました。



2011/12/03

クワコ♀(蛾)の産卵@座布団

クワコの飼育記録#5
2011年10月下旬・室温20℃

9日前に羽化して以来、クワコBombyx mandarina成虫♀aの飼育を続けています。
飼うと言っても、クワコ成虫の口器は完全に退化しているので餌も水もやらずに大きめのプラスチック容器にただ閉じ込めておくだけです。
求愛交尾を観察したかったので、もう一つの繭b(終齢幼虫が一日遅れで繭を紡いだ)から成虫♂が羽化するのを期待して待ちました。
ところが、待てど暮らせど二頭目は羽化してくれません。
残念ながら蛹内で変態に失敗したのか寄生されていたと思われます。
【追記】12月上旬、羽化してこないクワコ繭bを切り開いてみたところ、寄生ではなく蛹化異常でした。
放置している9日間に、容器内で虚しく性フェロモンを放出したクワコ♀aは未交尾のまま、止り木として入れておいた割り箸に計85個、プラスチック容器内のあちこちに計41個の未受精卵を産み付けていました。
「産ませてよ!」

産卵基質として割り箸だけでは気の毒に思い、幼虫の食餌植物である桑の葉を採集してきました。
飼育容器の蓋を開けて桑の葉をそっと差し出すと、クワコ♀は驚いたのか飛んで逃げました。
品種改良(家畜化)されたカイコとは違い、原産種である野生のクワコは飛ぶことが出来ます。
室内の座布団に止まると、直ちに腹部を曲げて黄土色の無精卵を産み始めました。
せっかく採って来た桑の葉が無駄になりましたけど、座布団の方が観察しやすいので、予定を変更してそのまま見守ることにしました。
(映像はここから。)



カイコの本で読んだ通り、産卵基質の選択は無頓着のようです。
青い座布団の布地は絹…ではなく化繊で、1マス約3.5mmの網目になっています(映像から採寸するのに好都合)。
産卵の合間にときどき羽ばたいたり少し移動したりしました。
ときどき休憩するものの、クワコ♀の翅や体にそっと触れたり刺激すると慌てたように産卵を再開しました。
次々に産み付けて卵塊を作りますが、特に几帳面に(規則的に)卵を並べたりはしないようです。
映像の前半は10倍速の早回し映像をお届けします。
後半は側面から産卵管を接写しました。
腹端にうまく照明を当てるのに苦労しました。
(座布団の下に鏡を置いて照明を反射させました。)

つづく→シリーズ#6



2011/12/02

蜂蜜を舐めるキボシアシナガバチ新女王



2011年11月上旬


神社の板壁で日光浴していたキボシアシナガバチ♀を生け捕りにしてきました。
左の触角が途中で欠損しています。
時期的におそらくワーカーではなく、これから越冬する新女王でしょう。
容器内でウロウロするキボシアシナガバチの目の前に蜂蜜を一滴垂らしてやると、空腹だったのか一心不乱に舐め始めました。
正常な右の触角の先で確認するように蜜滴表面をときどきチョンと触れます。
本当は希釈した方が良かったかもしれませんが、原液のまま与えました。
口吻の動きをクローズアップでご覧下さい。


翌朝、ハチを窓から逃してやりました。
紙面の蜜滴は未だ残っていました。





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