2018/06/16

昼間も巣に留まるコロニー末期のヒメスズメバチ♀【暗視映像】



柳の根際に営巣したヒメスズメバチの記録#7

前回の記事#6

2017年10月上旬・午後15:11

15日ぶりの定点観察。
少し体調を崩してしまい、観察できない空白期間が開き過ぎてしまいました。
「どうせ誰かに壊された巣だし、正常な(自然な)状態ではないから…」とモチベーションが上がらなかったせいもあります。

柳の根際にあるヒメスズメバチVespa ducalis)営巣地の様子を午後に見に行くと、コロニーは完全に解散したようで、出入りする蜂は一匹も見かけませんでした。
未だ昼間ですけど、巣穴の奥に赤外線のビデオカメラを突っ込んで内部を暗視動画撮影してみました。

巣口のすぐ右横に外皮の破片が見えました。
真上にはキノコが一本生えてます。
ヒメスズメバチの食べ滓を栄養源にして育ったキノコだとしたら興味深いのですが、巣盤との位置関係が未だよく分かりません。
右上奥に巣と数匹の蜂がチラッと写りましたが、撮影中は気づきませんでした。
攻撃してこなかったのは、ワーカー♀ではなく性質が穏健な新女王である証拠かな?
もし白色LEDを点灯していたら、攻撃されたかもしれません。(防護服が無いので、無茶して危険な実験はできません。)
1/5倍速でスロー再生すると、5、6匹の♀が巣盤でウロウロしていました。
巣の外被は上半分しか無くて底が抜けています。

巣を壊された後で少し再建したのかもしれませんが、定かではありません。

おっかなびっくり液晶画面を見ながらの撮影はとても難しかったです。
内視鏡のようなファイバースコープカメラが欲しいところ。

数時間後の夕方に再訪しても巣穴から蜂の出入りが無いことを確認しました。
次回は、念の為に巣を発掘調査してみるつもりです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#8:コロニー解散後のヒメスズメバチ営巣跡の調査



落ち葉をめくって餌を探すスズメの群れ(冬の野鳥)



2018年2月下旬

神社の参道でスズメPasser montanus)が群れていました。
雪が溶けると、コンクリートで固めた参道の横の地面が露出しました。
砂利が敷き詰められた地面には、杉(スギ)やイチョウなどの落ち葉が積もっています。

計8羽のスズメが続々と集まり、とても狭い区画で採食しています。
嘴で杉の落ち葉をめくったり地面をほじくりかえしたりして、餌となる虫を探しているのでしょう。

食べ物の少ない厳冬期はスズメも必死です。
ときどき隣のスズメ同士で小競り合いが勃発します。
群れから2羽が離れ、少し雪が残る参道をときどきついばみながら横断し始めました。
しかし、すぐに仲間のもとに走って戻りました。
引きの絵にすると、奥にもう一羽の仲間外れ?の個体が居たので、計9羽でした。

最後は何かに驚いて一斉に飛び立ち、近くの電線にスズメの群れは避難しました。
すぐに私は採食現場に向かい、動画で記録。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズメ(野鳥)群れ@参道+採食:落ち葉めくり
スズメ(野鳥)群れ@参道+採食:落ち葉めくり
スズメ(野鳥)9群れ@電線

2018/06/15

カキの落果に群がり吸汁するハエ



2017年11月上旬

道端でカキノキの下に熟した果実が落ちていました。

その落果に様々なハエが計8匹も群がり、果皮の破れ目に頭を突っ込んで果肉を舐めていました。
内訳はミドリキンバエ1、赤金色のキンバエ1、ニクバエ?6匹。
(ハエの種名を見分けるのは自信がなくて、ほぼ適当です。)

最後はカキノキを見上げると、枝には未だたくさんの実がなっています。



柳の枝でモズ♂が脱糞(野鳥)



2016年4月下旬

湿地帯に生えた柳の灌木でモズ♂(Lanius bucephalus)が横枝に止まっていました。
後ろ姿を撮っていると、白い糞をポトリと排泄。(@0:15)
最後は下の地面に飛び降りました。

画質がやや粗いのは、遠くてカメラのデジタルズームを試しに使用したからです。



2018/06/14

夕暮れにセイタカアワダチソウの花で吸蜜するキクキンウワバ(蛾)



2016年10月上旬・午後17:28〜17:31

郊外の住宅地の道端に咲いたセイタカアワダチソウの群落で、日没後に2頭の蛾が訪花していました。
吸蜜中も羽ばたきを続けていますが、脚を花に掛けているのでホバリング(停空飛翔)ではありません。
ちなみに、この日の日の入り時刻は午後17:13。

同定するために動画だけでなくストロボを焚いて写真に撮ったものの、ピントがしっかり合う前に逃げられてしまいました。
おそらく3年前にも撮影したキクキンウワバThysanoplusia intermixta)だと思うのですが、どうでしょうか。

前回も撮影時刻は夕暮れでした。


▼関連記事
セイタカアワダチソウの花蜜を吸うキクキンウワバ(蛾)

キクキンウワバ?2(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜
キクキンウワバ?2(蛾)@セイタカアワダチソウ訪花吸蜜

屋根に積もった雪を食べるハシボソガラス(冬の野鳥)



2018年1月中旬・午後16:00頃

川沿いの民家の屋根に登る梯子から水平に伸びた鉄骨に2羽のハシボソガラスCorvus corone)が止まっていました。
互いに至近距離で向き合ってお辞儀をしながら大声で鳴き交わしました。
繁殖期が始まるのは未だ早いと思うのですが、つがいのお見合い行動なのかな?
(求愛の一種?)
周囲に対する縄張り宣言なのかもしれません。

挨拶が済むと足元の鉄骨で嘴を拭い、相次いで屋根の方へ別々に歩き出しました。
一羽が屋根に残った雪で嘴を拭い、ザラメ雪を少し食べました。

▼関連記事
屋根の雪を食べるハシボソガラス【冬の野鳥】
雪を食べるハシボソガラス【冬の野鳥】

傾斜のついた屋根を登り反対側へ歩いて行ってしまうと、死角で見えなくなります。
(雪国の屋根は、積もった雪がなるべく自然に落ちるように急傾斜になっていることが多いのです。)
もう一羽は梯子の近くに居残り。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2018/06/13

越冬中のツマグロオオヨコバイ成虫を室内で見つけた!



2018年2月上旬

深夜、台所の天井隅に色鮮やかな(黄緑色の)1匹のツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)が止まっていました。

ツマグロオオヨコバイはありふれた昆虫ですが、成虫で冬越しするとは知りませんでした。
極寒の屋外から暖かい室内に迷い込んだのか、それとも室内のどこかで休眠越冬中に目覚めてしまって天井隅に移動してきたのかもしれません。
室温を測るべきだったのに、忘れてしまいました。

ビデオカメラで撮りながらツマグロオオヨコバイの体に箸の先で触れると反射的に擬死落下したので、生きていることが分かりました。
床に落ちた後はどこに紛れ込んだのか、見失ってしまいました。
(受け皿を用意しておけばよかった…。)


3日後の午後、同じ台所の窓際で緩慢に徘徊していたツマグロオオヨコバイを発見。
おそらく同一個体だと思います。
(それとも台所のどこかで集団越冬しているのか?!)
採取して1mm方眼紙に載せると、ゆっくり歩き回りました。

静止すると、前脚で触角を交互に擦りました。
この化粧(身繕い)の様子がなんとも可愛らしいですね。
近くに置いてあった黄色のプラスチックケースに登ったところを指で触れると、翅を広げジャンプ(跳躍)しながら飛び立ちました。
このときの室温は25℃。

真冬の雪国で生きた昆虫(しかも成虫)に出会えたのは、ささやかな喜びでした。


【追記】
ツマグロオオヨコバイは成虫で越冬する。葉っぱの裏側などをのぞくと、冬に群れになって寒さをしのいでいる様子が観察できる。(p49より引用)

そこに掲載されている生態写真がとても見事で説得力がありました。 

ここ雪国でも常緑植物の葉裏に集団越冬しているのでしょうか?

私は未だ見つけたことがありません。

凍死を免れたとしても、厳しい冬の間に腹を空かせた鳥に捕食されてしまうのではないかと思ってしまいます。





ツマグロオオヨコバイ越冬@天井
ツマグロオオヨコバイ越冬@天井
ツマグロオオヨコバイ越冬@方眼紙

葉桜の花蜜を吸うヒヨドリ(野鳥)



2017年5月上旬

郊外の道端に育ったソメイヨシノの老木で花が散りつつある葉桜の状態でした。

一羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が訪花していました。
細い枝でも逆さまにぶら下がった姿勢で嘴を花につっこみ、器用に吸蜜します。

次から次へと訪花するヒヨドリの嘴は桜の花粉で汚れています。
この時期は未だ活動する虫の数が少ないので、もしかすると桜の花の受粉を主に担っているのは昆虫ではなくヒヨドリなのかもしれません。
(桜は鳥媒花か虫媒花なのか?)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/06/12

初期巣にアリ避けを塗布するキボシアシナガバチ創設女王



2016年6月上旬

山間部の峠道の横に生えたタラノキ灌木の葉裏にキボシアシナガバチPolistes nipponensis)の初期巣を見つけました。
葉裏の主脈に巣柄を固定し、巣盤を吊り下げています。
育房内には白い卵が既に産み付けられていました。
巣を真下から見上げるアングルを現場で確保できなかったために、育房数や卵数をカウントできませんでした。
創設女王が育房を忙しなく点検して回ります。
そのついでに女王蜂は、巣盤の上部や巣柄、育房壁に腹部下面を擦り付けていました。

この行動は天敵であるアリが巣に侵入しないように、アリが忌避する物質を巣に塗布しているのでしょう。
アシナガバチ♀は腹部末端節の腹板基部に開口したヴァン・デル・ヴェフト腺からアリ避け物質を分泌するのだそうです。
単独営巣期は特に、女王が外役に出かけると巣は完全に留守(無防備)になりますから、真剣なアリ対策が必要になるのです。
外出の前にこの行動をよく行います。

つづく→タラノキの葉裏で初期巣を増築するキボシアシナガバチ創設女王



カワガラス:厳冬期の潜水漁(冬の野鳥)



2018年2月中旬

街中を流れる川でまたカワガラスCinclus pallasii)を見つけました。
撮影しようと私が不用意に近づくと、カワガラスは鳴きながら川面の上空を低空で飛んで逃げてしまいます。
鳴き声はチュンチュンチュン♪またはチッチッチッ♪と聞こえました。
警戒心が強いようですが、今回もなんとか潜水漁を動画で記録することが出来ました。

カワガラスは川中にある岩の上に乗って、捕ってきたばかりの獲物を岩に叩きつけて殺していました。
川の両岸は積もった雪が壁のようになっています。

うっかり獲物を落としてしまいましたが、すぐに拾い直しました。
食べ残し(食べ滓)を岩の上に置きました。
なんとなく貝殻のような気がします。
食後は川の水で嘴をゆすぎました。
すぐに再び冷たい川に飛び込んで漁を再開。

同じ岩にピョンと飛び乗るように戻って来たカワガラスは空荷でした。
どうやら今回は不漁に終わった模様です。
ときどきパチクリと瞬きすると白い瞬膜が目立ちます。
尾羽根を忙しなく上下に動かしています。
岩から飛び立ち、漁をする場所を変えました。

切り立ったコンクリートの護岸には枯れ草が垂れ下がっていて、一部は残雪に覆われています
そこで何か動く獲物(虫?)を見つけたのか、橋の下の近くの護岸をカワガラスは少し調べてから飛び去りました。


そっと追いかけて三度目に見つけたときは、川の中央部で潜水と息継ぎを何度も繰り返していました。
水中で見つけた獲物を嘴に咥えると、飛んで岸壁に戻りました。
すぐに入水し、潜水漁を再開。
泳ぎながら川の中央部(流れの早い瀬の部分)へ向かいます。
最後は上流へ飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ときどきしか冬の川に通えませんでしたが、カワガラスに出会えたのはこの日が最後でした。
街中を流れる川で餌を食べ尽くし、縄張りを変えたのでしょうか。
それとも繁殖期が始まると上流域の渓流に戻るのでしょうか。



2018/06/11

衰退したヒメスズメバチのコロニー



柳の根際に営巣したヒメスズメバチの記録#6



前回の記事#5


2017年9月中旬・午後15:45〜15:50

4日ぶりの昼間に様子を見に来てみると、コロニー活動の衰えを感じます。
巣に出入りするハチの数が激減していました。
巣を壊されたという理由だけでなく、時期的にコロニーの解散が間近なのかもしれません。

ヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis)がワーカーなのか新女王なのか見分けられないのが、もどかしいところです。
今思うと、長いピンセットを使って巣前庭に1円玉をそっと置けばよかったですね。
大きさの比較対象となり、居残っている蜂を採寸できたことでしょう。

巣前庭で2匹の♀α、βが日光浴しながらのんびり化粧(身繕い)していました。
巣を背後にした2匹は別々の方角を向いています。
奥の巣穴から3匹目の♀γが前庭に歩いて現れ、飛び去りました。

しばらくすると突然、巣穴の上部から出巣しようと4匹目の♀δが前庭に滑落しました。
日光浴中に突然ぶつかってこられた♀個体は反射的に反撃しても良さそうなものなのに、喧嘩にはなりませんでした。
(やはりワーカーよりも性格が穏健な新女王なのかな?)
落ちてきた個体♀δはそのまま前庭を少し歩いてからから羽ばたいて出巣しました。
次は巣穴の右奥から更に5匹目の♀εが歩いて出て来て、同様に出巣。
前庭に居残った♀α、βのうち左側の個体が身繕い。
門衛として巣を守っているつもりなのか、触角は油断なく動かしています。

恐れ知らずのオツネントンボが飛来し、巣口に上から垂れ下がっていた柳?の細根に止まりました。
コロニーに勢いがある時期なら追い払うか獲物として狩る瞬間が見れたかもしれませんが、前庭で油を売っているヒメスズメバチからは死角になって見えないようです。
このオツネントンボは虎口で休んでも狩られることなく、いつの間にか飛び去りました。

蝿(ニクバエの一種)が一匹、巣前庭に止まっても、ヒメスズメバチは無関心でした。
私がハエに気を取られている間に、一匹の♀(?)が帰巣し、巣穴の右奥に姿を消しました。



つづく→#7



トチノキを登り飛び立つアカゲラ♂(冬の野鳥)



2018年2月上旬

庭木の若いトチノキアカゲラ♂(Dendrocopos major)が木登りしながら餌を探していました。
今回は鳴き声を発していません。
未だ細い幹を登ると、てっぺんから飛び去りました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


2018/06/10

キンケハラナガツチバチ♂は捕まえると腹端のトゲで刺そうとするが痛くない



2017年11月中旬

8年前にキンケハラナガツチバチ♂(Megacampsomeris prismatica)を初めて撮影したブログ記事で、私は次のように書きました。

♂なので毒針はもちませんが、腹端に刺が3本生えていて捕まえるとこれでチクチク刺してくるのだそうです。
今度見つけたら試してみよう。

セイタカアワダチソウに訪花していた♂雄蜂を見つたので、長年の懸案だったテーマを実験してみましょう。
持っていたビニール袋を使ってキンケハラナガツチバチ♂を生け捕りにしました。
♀と比べて♂の大顎は貧弱なのか、ビニール袋を食い破れません。



家に持ち帰り、袋からハチを取り出しました。
右翅と脚を指で摘んだ状態で保定すると、長い腹部を曲げて腹端にある3本の鋭い突起で刺そうとしてきました。
しかし全く痛みはなく、こけ脅しでした。
腹端トゲの材質が柔らかく、いくら指に突き立てても皮膚を貫通して出血するほど刺さりません。
これは以前、キンケハラナガツチバチ♂標本の腹端トゲに触れた時も感じたことで、だからこそ私は恐怖心を抱かずに生きた雄蜂で実験できたのです。

つまり同種(あるいは近縁種)の♀による刺針行動を♂が擬態しているのでしょう。(刺針行動擬態と勝手に呼ぶことにします。)
もし鳥などの捕食者がキンケハラナガツチバチ♀の毒針に刺された経験があれば、雄蜂♂が痛くなくても刺す素振りをするだけでその恐怖の記憶が蘇り、捕まえた雄蜂を咄嗟に離してしまうことは有り得そうです。
比較対象として、キンケハラナガツチバチ♀の毒針を使った刺針行動も動画に撮ってみたいものです。
ちなみに、腹部が黄色と黒の縞模様なのは多くのハチ類に共通したミューラー型擬態です。



♂に特有の腹端トゲの正式名称を知らないのですが(ご存知の方は教えて下さい)、もしかすると♀と交尾する際に何か重要な役割があるのかもしれません。

例えばトンボの♂は腹端には把握器があり、♀の首根っこを掴んで尾繋がり状態になるのが交尾への第一歩です。
しかしキンケハラナガツチバチ♂の腹端トゲは動きません。

あるいは♂同士が争うときに、この三叉棘を武器として使うのでしょうか?
3本のトゲの物理的な強度をもう少し上げて刺す武器として進化させるのは難しくない(明らかに生存に有利)と思うのですが、武器としてなまくらな状態のままなのは何故でしょう?

繭から羽化脱出するときに普通の蜂は大顎で食い破るのですが、キンケハラナガツチバチ♂はこのトゲを使って繭を内側から破いたり引き裂いたりするのかな? 
しかしこの仮説は、♂にしか無い理由を説明できるでしょうか?
ツチバチの♂成虫は♀よりも腹部が長いので、繭の段階から性的二形があったりして?
ツリアブ科の中にはハナバチや狩蜂の巣内に労働寄生して育つものがいます。
そのようなツリアブは蛹の頭頂部に生えている鋭い突起を使って寄主♀が(泥などで)巣を封じた隔壁を中から破って外に脱出してから羽化するのです。
▼関連記事 
竹筒トラップに寄生したエゾクロツリアブ?の羽化

♀の毒針は産卵管が変化したもので伸縮自在です。
一方♂の腹端トゲ(三叉矛)は、腹端のクチクラが棘状に変形した構造で、伸縮しません。

余談ですが、顔を接写してみるとキンケハラナガツチバチ♂の大顎は左右非対称でした。
左の大顎だけが開閉しています。
どの個体もそうなら、機能的にどんな意味があるのでしょうね?
実は腹端トゲに刺されるよりも、大顎に噛まれたくなかったので、今回の実験では翅を摘んだのでした。
(実は噛まれても痛くないのかな?)


【追記】
大谷剛『昆虫―大きくなれない擬態者たち』という本を読むと、まさにこの問題を扱った章「雄バチは雌バチに擬態している」がありました。
ツチバチの雄バチの標本を見ると、尻の先端にとがったものが三本も見えるではないか。(中略)改めてツチバチの♂を見ると、どれも必ずにせの針(一本ではなく三本というところが面白い)がある。♀は本物をもっているから、ちゃんと針はひっこめることができる。雄バチのものは尻先の突起物でひっこめることはできない。
 つまり、♂の尻先の突起物は毒針の擬態なのだが、鋭くとがっているので、尻を曲げて押し付けられると、かなり痛いのだ。これで痛いと思ってあわてて放り出すとすれば、単なる擬態よりも効果的だから、「ベイツ型擬態」というより「ミュラー型擬態」に近いことになる。(p74より引用)

私の知る限り、擬態に関する本でこの問題を取り上げたのは大谷氏だけで、貴重な記述です。

しかし私の実体験では、(少なくともキンケハラナガツチバチにおいて)雄蜂♂の3本棘に刺されても痛くないと断言できます。

ツチバチの捕食者が鳥類や哺乳類の場合、羽毛や毛皮に覆われた体表を貫いて突き刺して痛みを与えることはまず無理だろうと思います。

他のツチバチ類の雄蜂♂でもいずれ試してみるつもりです。

更に、ツチバチ♂を生き餌として鳥や動物に与えてみて、3本棘による痛みで忌避するかどうか、実験で確かめることが必要です。

 




キンケハラナガツチバチ♂@捕獲+刺針行動擬態
キンケハラナガツチバチ♂@捕獲+刺針行動擬態
キンケハラナガツチバチ♂@捕獲+刺針行動擬態

滑翔中に鳴く♪トビ(野鳥)



2016年7月上旬・午前9:06〜9:12

郊外の住宅地の上空を一羽のトビMilvus migrans)が帆翔していました。
逆光のためトビのシルエットしか写らず、翼の下面の模様は見えませんでした。
「鳶がくるりと輪を描きながらピーヒョロロ♪と鳴いている」シーンがなかなか撮れません。
私が望遠レンズを向けると警戒してしまうのか、鳴き止んでしまうのです。

滑翔の合間にときどき羽ばたいて高度を上げています。
近くでカラスの鳴き声がしますけど、未だモビング(擬攻撃)しには来ません。

後半にようやくピーヒョロロ♪と鳴いてくれました。
遠くの空からかすかに聞こえてきますが、残念ながら私が立っているすぐ横を流れる側溝の水音でかき消されてしまいそうです。


トビ(野鳥)@滑翔

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