2024/08/31

晩秋にニホンアナグマ♀が巣穴に戻ると中から虫の大群が慌てて脱出【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬・午後17:00頃・気温14℃(日の入り時刻は午後16:38) 

日没の約20分後、1頭のニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が外から巣穴Lの中に戻ると、入れ替わりで、巣穴Lに潜んでいた大量の虫が湧き出るように外に脱出してきました。 
まずは5倍速の早回し映像でご覧ください。 
次に等倍速によるリプレイをご覧ください(@0:23〜)。 
早回し映像にしないと蟲の動きに気づきにくいことがお分かり頂けるかと思います。 

同様の現象はこれで3回も録画されていました。 
関連記事(8、30日前の撮影)▶  


したがって、謎の虫は巣外に一旦避難してもほとぼりが冷めたら元の巣穴にこっそり戻っていると推察されます。 
変温動物の昆虫がいくら動いてもトレイルカメラの熱源センサーが反応しないので、証拠の映像はありません。 

まるで「蜘蛛の子を散らす」ようですが、穴居性のカマドウマ幼虫ではないか?と今のところ私は予想しています。 
謎の虫は、このままアナグマと一緒に巣穴で越冬するのでしょうか? 
虫の大群が巣穴に居候していることに鈍感なアナグマは気づいていないのか、虫を全て捕食したり巣穴から追い払ったりしないのが不思議でなりません。 
冬ごもりの間の非常食にするつもりなのでしょうか?

この秋は様々な鳥や獣が代わる代わるこの巣口にやって来ては、虫を捕食していました。 
それでも食べ尽くせないぐらいの膨大な数の虫が依然としてアナグマの巣穴に潜んでいるのです。 

強風(木枯らし)が吹き荒れる晩で、落ち葉が舞い散り、トレイルカメラを固定したミズキ灌木が左右に大きく揺れています。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


電柱の天辺で鳴き、順に脱糞してから飛び立つノスリの♀♂ペア(野鳥)

 

2023年10月上旬・午後16:05頃・くもり 

農村部の田園地帯で2羽のノスリButeo japonicus)が電柱のてっぺんに仲良く並んで止まっていました。 
眼下に広がる田んぼを眼光鋭く見渡して、獲物となる小動物を探しているようです。 
実はこのとき近くの田んぼでは稲刈り作業が進行中で、コンバインで刈った稲穂をまとめて並べていました。 

ノスリは体格に性差があるため、左の小柄な個体が♂で右のやや大型な個体が♀と分かります。 
左の♂はコンクリート製電柱の天辺に止まり、右の♀は碍子を跨ぐように電線に止まっています。 
ノスリのつがいを同時に撮れたのは珍しいです。 


右の♀がおもむろに尾羽を持ち上げ、白い液状便を勢い良く後方に放出しました。(@0:32〜) 
脱糞して体重を軽くすると、直後に右へ飛び去りました。 
このとき左の♂は、隣の♀が脱糞した勢いにびっくりしたようですが、♀につられて飛び立つことはありませんでした。
逃げたノスリ♀は、カメラを向ける怪しい私から距離を取りたかったようで、道端に並ぶ隣の電柱(私から離れた奥の電柱)に止まり直していました。 

電柱の天辺に居残った♂は、ピーエ、ピーエ♪と甲高い声で繰り返し鳴き始めました。 
ノスリの鳴き方はバリエーションが乏しいのですが、今回は私に対する警戒声なのでしょう。
嘴を開閉する動きと鳴き声が同期しているため(リップシンクロ)、この個体の鳴き声で間違いありません。 
(鳴く♂に注目し続けたので、遠く離れた♀が鳴き返したかどうか不明です。) 

しばらくすると、♂は身震いしました。 
次に♂は電柱の天辺で細かく足踏みしながら方向転換し、♀が見える方向に向き直りました。 
♀と同様に脱糞してから(@2:33〜)♂も電柱から右に飛び立ちました。 
羽ばたきと滑空を交互に繰り返し、♀からも離れてどこかへ飛び去りました。

パートナーの♂が居なくなっても、♀は遠くの電柱に止まったままでした。 
撮影後に私が道を歩いて近づくと、カメラを起動した途端に♀は逃げてしまいました。(映像なし) 

ノスリ♀♂が1羽ずつ脱糞してから飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@3:34〜) 
♀が飛び去る直前に♂と鳴き交わしていました。 
(♂が一瞬先に鳴き、♀が応えてから離陸。) 

※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


日の入り時刻は午後17:16。
夕方に塒入りする時刻にはまだ早いのかもしれませんが、ねぐらの位置を突き止められませんでした。 
おそらく近くのスギ防風林ではないかと予想しています。 
それとも山林に帰るのでしょうか? 


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2024/08/30

晩秋にスギ林床の巣穴に夜な夜な出入りする大小の野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬〜中旬 

平地のスギ防風林で林床に営巣した野ネズミ(ノネズミ)が夜な夜な餌を探し回り、巣穴に出入りする様子をまとめました。 

シーン0:11/5・午後14:14(@0:00〜) 
ニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpを自動センサーカメラで見張っています。 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 


シーン1:11/5(@0:05〜) 
野ネズミの巣穴入り口の位置を赤丸で示しました。 
広葉樹の落ち葉数枚を巣口の上に被せて隠蔽(カモフラージュ)してあります。 

シーン2:11/7(@1:08〜) 

シーン3:11/8(@1:42〜) 

シーン4:11/9(@3:51〜) 

シーン5:11/11(@4:10〜) 

シーン6:11/12(@4:20〜) 

シーン7:11/13(@4:27〜) 

シーン8:11/14(@4:41〜) 

シーン9:11/15(@4:54〜) 


【考察】
トレイルカメラの原理上、出巣の瞬間を撮るのは難しいのですが、それでも何回か動画で記録できました。 

単独で活動するので分かりにくいのですが、同じ巣穴に出入りする野ネズミを動画で見ていると、明らかに体格の異なる個体(大小)が登場しています。
これは別種の野ネズミなのか(大がアカネズミで小がヒメネズミ)、それとも同種の野ネズミで成獣/幼獣(親子)の違いを見ているのか、私には分かりません。
この点を動画で見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてもらいたいです。
異種の野ネズミが同じ巣穴を共有するとは考えにくいので、後者ではないかと思うのですけど、どうでしょうか?
野ネズミの体格に明らかな性差は無いとされています。

大小の野ネズミが夜の林床でニアミスするシーンは撮れていません。
難しいのは、動画に複数の野ネズミが写っていて、見た目の大きさが違ったとしても、それは遠近法による違いかもしれない、ということです。(近くの物は大きく写る。)
巣口という同一地点に出没する野ネズミで大きさを比べる必要があります。

現場にトラップ(捕獲用の罠)を仕掛けて、実物の標本を元に野ネズミをしっかり同定するのが近道です。
しかし、正式に許可取りをする必要がありますし、そこまで手が回りません。

ホトトギスの花蜜を吸うオオタバコガ(蛾)【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でオオタバコガ♀♂(Helicoverpa armigera armigera)が訪花していました。 
口吻を伸ばして、コブ状のきょの奥に溜まった花蜜を吸っています。 
触角をピクピク動かしています。 
吸蜜しながら翅を小刻みに震わせ始めました。 
花弁の外側に脚をかけて止まっているので、ホバリング(停空飛翔)とは違います。 
飛び立つ前の準備運動なのでしょう。 
気温を測るのを忘れてしまいましたが、晴れていて別に寒くはありませんでした。 
(なぜ準備運動が必要なのか、分かりません。)

オオタバコガはホトトギスの花の中央にある雄しべや雌しべに全く触れずに吸蜜していることから、盗蜜行動と言えるかもしれません。 
しかし、鱗翅目は極細の長い口吻を伸ばして少し離れた位置からでも吸蜜できますから、ほとんどの種類の花に対して実は盗蜜しています。 
花も鱗翅目に送粉者としての役割をほとんど期待していないようです。 

オオタバコガの飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:51〜)

 

2024/08/29

晩秋に夜の山林を飛ぶコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬 

シーン0:10/30・午後13:14(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林でカラマツの根元の窪みにクリ堅果を並べて置いて、それを持ち去りに来る野ネズミをトレイルカメラで見張っています。 
今回は副産物で撮れた映像です。 


シーン1:11/3・午後17:48(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:42 
すっかり日も暮れた晩に、コウモリが左から右へ高速で横切りました。 
その後、餌場付近の林床を黒い虫が徘徊し、画面の上から造網性クモが懸垂下降で登場しました。 
夜蛾も素早く飛び回っています。 
晩秋の夜でも虫たちがまだ冬眠せずに活動していることが分かります。 
それを狙って夜行性のコウモリも活動しているのです。 


シーン2:11/5・午後21:03(@0:37〜) 
2日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
斜面の上を左から右へ横切りました。 


コウモリの素早い飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:47〜) 
旧機種のトレイルカメラは動画のフレームレートが15fpsしかないために、動きの早い動物を撮るには物足りません。 


つづく→

アナグマの溜め糞場で虫を捕食し、付近の落ち葉をめくって虫を探すシロハラ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年11月上旬 

平地のスギ防風林でニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpを監視するトレイルカメラに写ったシロハラTurdus pallidus)の採食行動をまとめました。 

シーン0:10/27・午後13:40(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
画面の左上隅に風倒木の切株が朽ち果てています。 
その手前の溝に、古い手押し車のフレームが錆びたまま放置されています。 
ここにアナグマ専用の溜め糞場stmpがあり、黒い下痢便が溜まっています。 
杉防風林の林床にはスギの落ち葉が堆積しているだけでなく、広葉樹の落ち葉もあちこちに散乱しています。 


シーン1:11/1・午前8:37(@0:04〜) 
シロハラと思われる地味な鳥がアナグマの溜め糞を啄んでいました。 
食糞しているのではなく、そこに集まる虫を捕食しているのでしょう。 
そのままスギ林床に移動すると、嘴で落ち葉をめくり始めました。 
次は画面の左上で切株をつついて虫を捕っています。 


シーン2:11/1・午前9:21(@0:56〜) 
シロハラがアナグマの溜め糞場stmpに居座り、黒い泥状の溜め糞を何度もつついて虫を捕食していました。 
1.5倍に拡大した映像でご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。(@1:56〜) 


シーン3:11/1・午前9:26(@2:57〜) 
シロハラがペアで(2羽)登場しました。 
飛来して左のスギ落枝に止まった個体aがホッピングでアナグマの溜め糞stmpに近づき、虫を探しています。 
その間に別個体bが右上で落ち葉めくりをして隠れている虫を探しています。 


シーン4:11/1・午前9:31(@3:38〜) 
シロハラが単独でアナグマの溜め糞場stmpから切株を通って林床を移動していきます。 
目の前を素早く飛び回るハエを目で追ったものの、フライングキャッチしませんでした。 


シーン5:11/1・午前9:52(@4:09〜) 
シロハラが再びアナグマの溜め糞場stmpに戻ってきていました。 
しばらく虫を啄んでから飛び去りました。 
1.5倍に拡大した映像でご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。(@4:44〜) 


シーン6:11/1・午前9:52(@5:20〜) 
スギ林床の落ち葉を嘴で素早くめくって、裏に潜む虫を捕食しています。 


シーン7:11/2・午前9:58(@5:53〜) 
翌日も同じ時間帯(午前中)にシロハラがペアで登場し、採食していました。 
1羽は切株の根本で落ち葉めくりをしています。 
もう1羽は、アナグマの溜め糞場stmpで虫を探していました。 

急に2羽が飛び上がりました。(@6:10〜) 
まずは1/3倍速のスローモーションでご覧ください。 
その後に等倍速でリプレイ。(@6:33〜) 
それまで仲良く採餌していたシロハラのペアが餌場で小競り合いする理由が分かりません。 飛来したハエを空中で捕食しようと、1羽のシロハラが反射的にフライングキャッチを試みたのかもしれません。 
その後も何事もなかったかのように、2羽が各々で採食を続け、最後は飛び去りました。 


シーン8:11/2・午前10:03(@7:09〜) 
左上の落枝に止まっていた鳥が飛び去りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
冬鳥のシロハラが渡来したようです。 
上から見下ろすアングルでは、肝心の腹面がよく見えません。
この地点でシロハラの採食行動が撮れたのは初めてです。 
溜め糞場での虫取りと、落ち葉めくりによる虫取り、という2つの採食行動は連続していて分離できません。 

実はこの画面内のスギ林床には野ネズミの巣穴があり、その巣口は落ち葉で頻繁に偽装隠蔽されています。
昼間にシロハラなどの野鳥が落ち葉めくりをするために撹乱され、夜になると野ネズミが再び巣口の偽装工作をやり直さないといけないのかもしれません。




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2024/08/28

晩秋に丸々と太ったニホンアナグマの幼獣同士が未明の営巣地で格闘遊び【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン1:11/8・午前3:34・気温11℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)で、未明に2頭のアナグマa,bが頭を突き合わせるように向き合っていました。 
本格的な兄弟喧嘩ではなく、格闘遊びではしゃぎ回っているだけでした。 
冬越しに備えて丸々と肥えていますが、おそらく幼獣なのでしょう。(天高く穴熊肥ゆる秋)

1頭aが巣穴Rに入ると、3頭目cが右から登場しました。 
セットで対峙したb,cは突進してすれ違い、軽い格闘遊びが勃発しました。 
すぐに休戦して近寄ると、互いに肛門の匂いを嗅ぎ、相互毛繕いを始めました。 
入巣Rする個体bの肛門の匂いを、巣外に最後まで残った個体cが嗅いでいます。 
アナグマは肛門腺や臭腺で匂い付けしたり互いに個体識別していると考えられています。 
嗅覚によるコミュニケーションは、巣穴の中や夜の森など暗闇でこそ有効になります。
この点はアリと共通していて、興味深い収斂進化です。

行動がいかにも幼いので、今年ここで生まれた幼獣4頭のうちの3頭が大きく育ったのでしょう。 
観察歴の浅い私には、もはや外見で成獣との区別が付きません。 
母親♀は赤外線の暗視映像で見たときに左右の目の大きさが異なる(右目<左目)という分かりやすい特徴があるのですが、今回登場したアナグマは全て目の大きさが同じでした。
これから幼獣が格闘遊びや追いかけっこ遊びをしなくなったら、いよいよ私には成獣と見分けられなくなるでしょう。 


シーン2:11/8・午前3:40(@1:00〜) 
小雨が降っています。 
奥の二次林内で2頭のアナグマ(幼獣)が採餌しています。 
しばらくすると、画面の左下隅から別個体(3頭目)がノソノソと歩いて登場しました。(@1:45〜) 
セットで2頭が向かい合って対峙すると、軽い格闘遊びが勃発しました。 
深刻な縄張り争いではなさそうです。 


シーン3:11/8・午前3:40(@2:00〜) 
別アングルで設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
強い秋風が吹き荒れ、カメラを固定したミズキ立木が大きく揺れています。 
2頭の幼獣による格闘遊びが繰り広げられていますが、その間に鳴き声は聞き取れませんでした。 

左の死角に移動しても、踏まれた落枝が動くことで、アナグマの動きを推測できます。 
最後は左から来た1頭のアナグマが、獣道を辿って右へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


ホトトギスの花蜜を盗むトラマルハナバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】盗蜜行動

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落でトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が訪花していました。 
複数個体で訪花していたオオマルハナバチ♀と違って、トラマルハナバチ♀は1匹しか見かけませんでした。 



この個体は、後脚の花粉籠にごく少量の白い花粉団子を付けていました。 
しかし、吸蜜の際にホトトギスの開いた花の内側には潜り込まず、毎回いつも花の外側から距に口吻を差し込んでいます。
雄しべや雌しべに全く触れていませんから、盗蜜行動と呼ばざるを得ません。 
ホトトギスの花の基部に3つあるきょの膨らみが訪花するトラマルハナバチにとって格好の止まり場所を提供しています。 
今後ホトトギスの距は更に細長く進化していくのでしょうか? 
園芸植物のユリズイセン(ユリズイセン科)の花が蜂に盗蜜されるのを見たときにも思ったのですが、ホトトギス(ユリ科)の花の構造は、花蜜のただ盗りを防ぐセキュリティが明らかに甘いですね。
花弁が根元まで開けっぴろげなのが問題で、少なくとも花弁の基部はしっかり閉じてもっと花筒型になるべきでしょう。
野生種のホトトギスは元々そのような形状だったのではないか?と勝手に予想するのですけど、どうでしょうか?
園芸植物として品種改良された結果、花弁が開けっぴろげになってしまったのかな?
ユリ科なので、もしかして種子よりも球根で増える(クローン)のがメインなのかと思ったのですが、調べてみるとそんなことはありませんでした。
種子と挿し木(クローン)で増やすのだそうです。

私は未だ実際に見たことがありませんが、トラマルハナバチはホトトギスの受粉を助ける送粉者として知られているそうです。 
トラマルハナバチは長舌種なので、普段は盗蜜行動をする必要がありません。 
(盗蜜に手を染めるのは短舌種のハナバチです。) 
盗蜜するトラマルハナバチを見たのはこれが初めてで、驚きました。
ホトトギスの花は雄性先熟なのだそうです。 
今回は、ホトトギスの雄しべの葯で花粉の生産が終わりハナバチに花粉を取り尽くされた後の雌性期だったので、トラマルハナバチ♀も仕方なく盗蜜していたのかもしれません。 

トラマルハナバチ♀の盗蜜行動および飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:49〜) 
長い舌を伸ばしたまま、次の花に向かって飛んでいました。

2024/08/27

晩秋のニホンアナグマ営巣地に侵入を繰り返しあちこちにマーキングするホンドテン♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン1:11/5・午後23:10・気温10℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にホンドテンMartes melampus melampus)が夜中にやって来ました。 
冬毛に生え変わったはずですが、赤外線の暗視映像では残念ながら体色が分かりません。 
巣口Lの匂いを少し嗅いだだけで左へ行きかけたものの、手前に向きを変えてから地面にマーキングしたようです。 
おそらく排尿だと思うのですが、尻尾が上下に動いたので排便の可能性もありますかね? 
マーキングの際にお尻をカメラに向けてくれなかったので、どちらか分かりません。 

しばらくすると、画面の右下からテンが戻ってきました。 


シーン2:11/5・午後23:12・気温10℃(@0:29〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラの映像に切り替えます。 
驚いたことに、テンはアナグマの巣穴Rを覗き込んでそのまま頭から奥に潜り込みました。 
巣穴の主であるアナグマは留守なのでしょうか? 
しばらくすると、巣内で方向転換したテンが頭から巣口Rの外に出て来ました。 

巣口Rの左に生えたマルバゴマギ灌木の根元に排尿マーキングしたようです。 


シーン3:11/5・午後23:12(@0:54〜) 
ホンドテンは♀♂ペアで来ていました! 
1頭がアナグマの巣口Lを覗き込んでいる間に、もう1頭が少し右上で待っています。 
アナグマの巣穴に居候している虫の大群(おそらく穴居性のカマドウマ幼虫?)を捕食した成功体験を覚えていて、また来たのかもしれません。 


それとも、越冬用の巣穴を探索しているのでしょうか? 
こちらの巣穴Lにはテンが侵入しなかったということは、中にニホンアナグマが居た可能性もありそうです。 
どうも、2つの巣穴LRは内部でつながっていないようです。 
(侵襲的な発掘調査をしないことには確かめられません。) 

テンの♀♂ペアが連れ立って左奥へ駆け出しました。 
通りすがりに1頭のテンが獣道の横に自生するミズキ立木の根元の匂いを嗅いだのですが(タヌキ♂の排尿マーキング跡)、自ら排尿マーキングすることはありませんでした。 


シーン4:11/8・午後19:22・気温7℃(@1:09〜) 
3日後の晩には単独でテンが登場しました。 
アナグマの巣口Lを覗き込んでから飛び越えると、左へ立ち去りました。 
夜はテンの毛皮の色を見分けられないのが残念です。 


シーン5:11/8・午後19:24・気温7℃(@1:20〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
アナグマの巣口Rを嗅ぎ回ってから、 


シーン6:11/8・午後19:24(@1:41〜) 
アナグマの巣口Lを飛び越え、手前へ向かいました。 
3日前にテンがマーキングした地点(巣穴LRの中間地点)にはなぜか無関心でした。


シーン7:11/8・午後19:24(@1:50〜) 
左奥の二次林内で腰を屈めて排尿マーキングしたようです。 
林内を右へ軽快に走り去りました。 


シーン8:11/10・午前4:40・気温3℃(@2:29〜) 
2日後の冷え込む未明にも単独行動のテンがやって来ました。 
アナグマの巣口Lの匂いを軽く嗅いでから、左に飛び越えました。 
巣口LRの中間地点で立ちどまると、腰を軽く屈めて地面に脱糞しました。 
シーン1と全く同じ地点で強烈なマーキング(匂い付け)を残したことになります。 
今回は横向きでしっかり撮れたのですが、少量の糞だったようです。 

一旦左に消えてしばらくすると、戻ってきました。 
獣道の奥に自生する常緑ヒメアオキの低い茂みにわざわざ入って、薮漕ぎしています。 
実は、まさにそこの林床に野ネズミの巣穴があることが後に判明します。 
暗闇でも獲物となる野ネズミの匂いを嗅ぎつけて的確に探索したということで、名ハンターの片鱗が垣間見れました。 
最後は右上奥へ立ち去りました。 


【考察】
ホンドテンが夜な夜な多彩な行動を披露してくれて、なかなか面白い動画が撮れました。 
アナグマが越冬する巣穴をテンは乗っ取るつもりなのでしょうか?
この2種が「同じ穴の狢」という諺通りに同居するようになったら異例です。
テンとアナグマがニアミスしたときにどうなるのか、気になります。 
2種間の力関係はどちらが強いのでしょう?

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


晩秋の二次林で活動するシメ、ヤマガラ、啄木鳥【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年11月上旬・午後15:50頃・気温22℃(日の入り時刻は午後16:42) 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を見張るトレイルカメラの天辺に鳥が止まりました。 
レンズに尾羽だけが写っています。 
素人目にはなんとなく、シメCoccothraustes coccothraustes)の尾羽ではないか?と思うのですが、どうでしょうか。 

関連記事(同所で約20日前の撮影)▶ 秋の二次林に渡来した2羽のシメ【野鳥:トレイルカメラ】 

謎の鳥はすぐに画角の外へ飛び去ってしまいました。 
その後もしばらく周囲の樹上を枝から枝へ飛び回っているようで、細い蔓が揺れています。 

次はヤマガラSittiparus varius)が飛来すると、木質の細い蔓にちょっと止まってからすぐに飛び去りました。 
不審な監視カメラを偵察に来たのかな?

最後に、何者かが近くで木の幹を素早くコツコツ♪とつつく音が響きましたが、啄木鳥の姿は写りませんでした。 
ヤマガラなどのカラ類とよく混群を形成する啄木鳥はコゲラですが、この森には他にもアカゲラやアオゲラが生息しています。 
もしかすると、この打音は啄木鳥のドラミングではなくて、ヤマガラが樹上にドングリを埋め込んで貯食する音かもしれません。 

関連記事(3年前の撮影)▶ 木の実を樹皮の下に貯食するヤマガラ(野鳥) 


落葉が進む晩秋の二次林には、いろんな野鳥が現れます。 
木の葉が鬱蒼と生い茂って林内が暗くなる夏よりもむしろ鳥の出現頻度が多いようです。

2024/08/26

毎晩採餌に出かける前に巣口の横で念入りに毛繕いする晩秋の野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬 

平地のスギ防風林にあるニホンアナグマMeles anakuma)専用の溜め糞場stmpを自動センサーカメラで見張っています。 
スギ林床で営巣する野ネズミ(ノネズミ)が毛繕いするシーンをまとめました。 

シーン1:11/3・午後17:31(@0:00〜) 
巣口のすぐ近くの林床で野ネズミが立ち止まり、ひたすら毛繕いしています。 
前脚を忙しなく擦り合わせているようです。 


シーン2:11/4・午後17:20(@1:02〜) 
前日と全く同じ地点で毛繕いしています。 
前脚を擦り合わせ、顔を拭いました。 

シーン1および2は、動画編集時に1.5倍に拡大してあります。 


シーン3:11/5・午後14:14(@2:02〜) 
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の状況です。 
シーン3以降は、拡大するのを止めて、オリジナルの映像でお届けします。 


シーン4:11/5・午後17:19(@2:06〜)日の入り時刻は午後16:40 
出巣直後だと思うのですが、いつもの場所(巣口の近く)で日課の毛繕いをしています。 
ときどき身震いもしています。 


シーン5:11/6・午後17:23(@3:06〜) 
翌日もほぼ同じ時刻に同じ地点で、同一個体?が毛繕いをしていました。 
毛皮を掻きむしっています。 


シーン6:11/7・午前0:39(@4:06〜) 
珍しく日付が変わった深夜にも、外出する前に、巣口の横のお気に入りの地点で毛繕いをしています。 


【考察】 
野ネズミは夜行性なので、昼間は巣穴で寝て休みます。 
日没後の晩に活動を始めると、まず巣口の外で念入りに身繕いするのが日課(イブニング・ルーチン)のようです。 
化粧を済ませると餌を探し求めて探索を始めるはずですが、いつも録画が途中で打ち切られてしまっていて、探餌徘徊に移行するシーンが撮れていません。 

晩秋になって見られるようになった新規の行動なので、気温の低下と関係がありそうです。 
シバリングや乾布摩擦のように前脚で体をこすって、体温を積極的に上げているのかもしれない、と思いつきました。 
動画撮影時の気温を取得できていないのが残念です。 
サーモグラフィカメラで動画を撮ったら確かめられるかもしれません。 

林床の一箇所に毎晩長時間留まっていると、夜行性の天敵(フクロウやテン、イタチ、キツネなど)に捕食されるリスクがあるのではないかと心配になります。
いざとなれば近くの巣口に素早く飛び込めるという自信があるのでしょう。 
巣口には落ち葉を被せて隠蔽偽装されています。 



ホトトギスの花で吸蜜ホバリングするヒメクロホウジャク(蛾)

 

2023年11月上旬・午後15:40頃・晴れ(日の入り時刻は午後16:41) 

堤防路の花壇に咲いたホトトギスの群落で夕方にヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)が訪花していました。 
激しく羽ばたいてホバリングしながら口吻を器用に伸ばして距に差し込み、花蜜を吸っています。 
花壇でホトトギスと一緒に咲いていたシュウメイギクの花には見向きもしませんでした。 
(動画のサムネイルでは、まるでピンクのシュウメイギクに訪花しているように見えますが、実際は吸蜜していません。)
1種類の花を好んで訪れる習性は、定花性と呼ばれます。

ヒメクロホウジャクの吸蜜ホバリングを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:16〜)
ホトトギスの花の全景

2024/08/25

ニホンカモシカがクリの給餌場を素通り【トレイルカメラ】

 



2023年11月上旬・午後17:00頃(日の入り時刻は午後16:41) 

カラマツの木の根元にクリの堅果を並べて置いた給餌場を監視していると、日没後の夕暮れにニホンカモシカCapricornis crispus)が登場しました。
山腹の斜面をトラバースするように右から来たようで、トレイルカメラの前で佇んでいます。 
監視カメラをローアングルで設置したので、カモシカの前脚の一部と胸辺りしか写っていません。 
肝心の頭部が写っていないのですが、立木で角を研いだり、眼下腺を立木の幹に擦り付けるマーキングをしたりしなかったようです。 
やがて左へゆっくり歩き去りました。 

カモシカは木の実(堅果)を食べないので、給餌場に全く興味を示さないのは当然です。 
液果ならたまに食べるのではないか?という気がするのですけど、どうなのでしょう?(私は見たことがありません)


つづく→

ドングリを運んであちこちに隠す秋のカケス:その3【野鳥:トレイルカメラ】再貯食

 



2023年11月上旬・午前9:55頃・晴れ・気温16℃ 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の巣口Lのすぐ横の地面にカケスGarrulus glandarius)が降り立っていました。 
嘴にドングリは咥えてはいません。 
地面の特定の地点を執拗につついています。 
採食行動かと初めは思ったのですが、1.5倍に拡大した上でリプレイしてみると(@1:00〜)、1箇所に複数の餌を隠し直していました。 
貯食物には木の実(ドングリ?)だけでなくミミズのような細長い虫の死骸も含まれていました。 
(隠蔽工作の行動がそのように見えただけかもしれません。)

右に移動すると、そこでも林床に餌を貯食し直しています。 
隠した餌が無事であることをときどき確かめに来るようです。

賢いカケスはリスクヘッジのために、ドングリを1個ずつ別の地点に貯食すると思っていたのですが、複数の餌を同じ地点に隠すことがあると知って意外でした。 
膨大な数の隠し場所を記憶するのは、やはり大変なのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→


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