2024/08/27

晩秋のニホンアナグマ営巣地に侵入を繰り返しあちこちにマーキングするホンドテン♀♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月上旬

シーン1:11/5・午後23:10・気温10℃(@0:00〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)にホンドテンMartes melampus melampus)が夜中にやって来ました。 
冬毛に生え変わったはずですが、赤外線の暗視映像では残念ながら体色が分かりません。 
巣口Lの匂いを少し嗅いだだけで左へ行きかけたものの、手前に向きを変えてから地面にマーキングしたようです。 
おそらく排尿だと思うのですが、尻尾が上下に動いたので排便の可能性もありますかね? 
マーキングの際にお尻をカメラに向けてくれなかったので、どちらか分かりません。 

しばらくすると、画面の右下からテンが戻ってきました。 


シーン2:11/5・午後23:12・気温10℃(@0:29〜) 
別アングルで設置したトレイルカメラの映像に切り替えます。 
驚いたことに、テンはアナグマの巣穴Rを覗き込んでそのまま頭から奥に潜り込みました。 
巣穴の主であるアナグマは留守なのでしょうか? 
しばらくすると、巣内で方向転換したテンが頭から巣口Rの外に出て来ました。 

巣口Rの左に生えたマルバゴマギ灌木の根元に排尿マーキングしたようです。 


シーン3:11/5・午後23:12(@0:54〜) 
ホンドテンは♀♂ペアで来ていました! 
1頭がアナグマの巣口Lを覗き込んでいる間に、もう1頭が少し右上で待っています。 
アナグマの巣穴に居候している虫の大群(おそらく穴居性のカマドウマ幼虫?)を捕食した成功体験を覚えていて、また来たのかもしれません。 


それとも、越冬用の巣穴を探索しているのでしょうか? 
こちらの巣穴Lにはテンが侵入しなかったということは、中にニホンアナグマが居た可能性もありそうです。 
どうも、2つの巣穴LRは内部でつながっていないようです。 
(侵襲的な発掘調査をしないことには確かめられません。) 

テンの♀♂ペアが連れ立って左奥へ駆け出しました。 
通りすがりに1頭のテンが獣道の横に自生するミズキ立木の根元の匂いを嗅いだのですが(タヌキ♂の排尿マーキング跡)、自ら排尿マーキングすることはありませんでした。 


シーン4:11/8・午後19:22・気温7℃(@1:09〜) 
3日後の晩には単独でテンが登場しました。 
アナグマの巣口Lを覗き込んでから飛び越えると、左へ立ち去りました。 
夜はテンの毛皮の色を見分けられないのが残念です。 


シーン5:11/8・午後19:24・気温7℃(@1:20〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
アナグマの巣口Rを嗅ぎ回ってから、 


シーン6:11/8・午後19:24(@1:41〜) 
アナグマの巣口Lを飛び越え、手前へ向かいました。 
3日前にテンがマーキングした地点(巣穴LRの中間地点)にはなぜか無関心でした。


シーン7:11/8・午後19:24(@1:50〜) 
左奥の二次林内で腰を屈めて排尿マーキングしたようです。 
林内を右へ軽快に走り去りました。 


シーン8:11/10・午前4:40・気温3℃(@2:29〜) 
2日後の冷え込む未明にも単独行動のテンがやって来ました。 
アナグマの巣口Lの匂いを軽く嗅いでから、左に飛び越えました。 
巣口LRの中間地点で立ちどまると、腰を軽く屈めて地面に脱糞しました。 
シーン1と全く同じ地点で強烈なマーキング(匂い付け)を残したことになります。 
今回は横向きでしっかり撮れたのですが、少量の糞だったようです。 

一旦左に消えてしばらくすると、戻ってきました。 
獣道の奥に自生する常緑ヒメアオキの低い茂みにわざわざ入って、薮漕ぎしています。 
実は、まさにそこの林床に野ネズミの巣穴があることが後に判明します。 
暗闇でも獲物となる野ネズミの匂いを嗅ぎつけて的確に探索したということで、名ハンターの片鱗が垣間見れました。 
最後は右上奥へ立ち去りました。 


【考察】
ホンドテンが夜な夜な多彩な行動を披露してくれて、なかなか面白い動画が撮れました。 
アナグマが越冬する巣穴をテンは乗っ取るつもりなのでしょうか?
この2種が「同じ穴の狢」という諺通りに同居するようになったら異例です。
テンとアナグマがニアミスしたときにどうなるのか、気になります。 
2種間の力関係はどちらが強いのでしょう?

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


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