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2025/04/21

セイヨウタンポポの大群落で採食するスズメの群れ(野鳥)

 

2024年4月下旬・午前11:50頃・晴れ 

セイヨウタンポポの花が咲き乱れる道端の空き地(原っぱ)でスズメPasser montanus)の小群が採食していました。 
動画に写っている2羽とも成鳥なので、♀♂つがいなのかもしれません。 

スズメが食べるのは種子や虫なので、タンポポの花には興味を示しません。 
枯草の下に隠れた虫を捕食しているようです。

私を警戒して、スズメは次々に飛び去ってしまいました。

2025/04/20

根返りスギの根元で餌を探す雪国のシジュウカラ、ヤマガラ、ミソサザイ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月下旬〜2月上旬

シーン0:1/22・午後12:56・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
スギ防風林で、根こそぎ倒れたまま放置されているスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴a」をトレイルカメラで見張っています。 
今季は記録的な暖冬で、積雪がきわめて少ないです。 

 昼間に次々にやって来て餌を探す野鳥をまとめました。 
(混群で来たり、同定が難しかったりするので、鳥の種類ごとにまとめるのを止めました。) 
手前の地面にはツルウメモドキの赤い実があるのに、なぜか野鳥はこれを食べようとしません。


シーン1:1/27・午前10:11・くもり(@0:03〜) 
珍しく大雪が積もった後の静かな午前中に、小鳥が根返りスギの下の穴から外に出てきて、巣口の細い横枝に止まりました。 
すぐに飛び去ったので1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
どうやらシジュウカラParus minor minor)のようです。 

雪面はいかにも湿雪で、野生動物が歩いた足跡は付いていません。 


シーン2:1/31・午後15:14・晴れ(@0:18〜) 
根返りスギの土付き根っこで餌を探していたシジュウカラが、細い横枝に一瞬止まってから左へ飛び去りました。 

しばらくすると、ヤマガラSittiparus varius)が左から飛来し、倒木をあちこち探ってから右へ飛び去りました。 


シーン3:2/1・午前6:56(@0:51〜) 
ミソサザイTroglodytes troglodytes)らしき小鳥が根曲がり巣穴aにちょっと入ってみたり、倒伏したスギの根の辺りで餌を探し回ったりしています。 


シーン4:2/4・午後16:57(@1:40〜) 
また新雪が積もりましたが、雪面に動物の通った足跡はありません。 

おそらくミソサザイと思われる小鳥が巣口aから右横に出てきて、根返りスギの根っこを探索しています。 


シーン5:2/5・午前11:46(@1:54〜) 
シジュウカラが来ていました。 
根返りスギの土付き根っこを嘴で啄んでいるのは、土そのものを食べてミネラル摂取しているのか?と思ったりもしたのですが、越冬中の虫を捕食しようと探しているのだと知りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/04/17

ニワハンミョウ♀♂の交尾行動:早く終わらせて別れたい♀と続けたい♂の性的対立

 

2024年4月下旬・午後13:15頃・晴れ 

田園地帯の舗装された農道で、交尾中のニワハンミョウCicindela japana)♀♂ペアを見つけました。 
♀に背後からマウントするために、♂は白い大顎を大きく開き、♀の胸部と腹部の間を挟んでしっかり保定しています。 
♀の背中に乗った♂の腹端をよく見ると、細長くて明るい茶色の交尾器を伸ばして、♀と結合していました。 
♂は腹部を少し前方に曲げているため、鞘翅に隠れていたメタリック・グリーンの腹背が覗いて見えます。 

一方で♂を背負った♀は、大顎を開閉しながら路上を走り回り、獲物を探しているようです。 
ときどき♂を振り落とそうとするものの、マウントした♂は♀に必死にしがみついたまま離れようとしません。 
求愛行動を見ていませんが、♂が♀にいきなりマウントして交尾を始めるのだろう。 


この機会に、ニワハンミョウの性差がある形質を探してみましょう。 
体格はやや♀>♂で、♂の前脚および中脚の腿節に白い剛毛が密生している気がするのですが、いずれも微妙な差で、これだけで単独個体の性別を見分けられる気がしません。 
鞘翅の鈍い金属光沢の色が♂は緑っぽく、♀が赤っぽいのですが、これは偶然の個体差かもしれません。 
比較的分かりやすいのは、大顎および上唇の色で、♂は白っぽく♀は黄ばんでいます。
(訂正:頭楯ではなく上唇の間違いでした。)

交尾中のペアが路上で佇んでいると、右から風に飛ばされてきた小さなゴミが♀の眼の前を横切りました。
それを♀が反射的に咥えました。 
獲物のアリではないと気づくとすぐに吐き出し、ゴミはそのまま風に吹き飛ばされました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:22〜) 
ニワハンミョウの優れた動体視力と反射神経に驚かされます。 
もしかするとニワハンミョウが食べ残したアリの捕食残渣かと思ったのですが、そうではなく植物質のゴミだったようです。 

やがて、♀は♂を背負ったまま方向転換し農道をうろつき始めたのですが、その前に♀がクチャクチャ噛んでいた獲物の食べ滓を路上に吐き捨てました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜) 
捨てた物体は黒いので、おそらくアリのクチクラ(捕食残渣)のようです。 

♀は食後の身繕いを始めました。 
左右の触角を同時に足で拭ったり、同側の脚を互いに擦り合わせたりしています。 
残念ながら、後ろ姿では化粧シーンがよく見えません。 

次に、♀は立ち止まると、マウントした♂を後脚を使って払い落とそうと暴れ始めました。(@1:57〜) 
♂はじゃじゃ馬に乗ったロデオのように、♀から振り落とされまいと必死にしがみついたままで、交尾を続けます。(♂交尾器を挿入したまま。) 
農道を断続的に走り回った後で、再び♀が暴れ始めました。 
♀が激しく暴れても、♂の細い陰茎が折れたり外れたりすることはありませんでした。

ニワハンミョウ♀の大顎の先端が黒いので、獲物のアリをまだ咥えたままのように誤解しがちですが、正面からしっかり見ると何も食べていないことが分かります。 


また交尾中の♀♂ペアを見つけて新たに動画を撮り始めました。(@2:45〜) 
同一ペアの続きなのか、覚えていません。 
鞘翅の白紋を見る限り、同一ペアに見えます。 
しかし鞘翅の色が♀♂共に赤系なので、さっきとは別のペアのような気もするのですけど、光の当たる角度によって構造色の見え方が変わってくるのかもしれません。 

♀が♂との交尾を早く打ち切ろうと暴れているときに、左から別個体が乱入しました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@4:13〜) 
新参者のニワハンミョウは、鞘翅が緑色っぽくて、上唇や大顎が白っぽいので、どうやら♂のようです。 
てっきり「あぶれ♂」が乱入して♀の争奪戦が始まるかと期待したのですが、ニアミスしても何事もなく離れて行きました。 
交尾していること自体が、最強の配偶者ガードになっているのかもしれません。(あぶれ♂に勝ち目なし) 

♂を振り落とそうと暴れながら歩き続ける♀は、次に路上に落ちていたゴミを咥えたものの、数口咀嚼しただけですぐに吐き出して捨てました。(@5:53〜) 
アリのように素早く逃げる獲物が相手ですから、たとえゴミであっても、餌らしい物体を見つけたら、反射的に噛み付いて口に入れてしまうのでしょう(誤認捕食)。 
このゴミはもしかすると、別個体のニワハンミョウが吐き捨てた食べ残し(残渣)かもしれません。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:58〜) 

路上を徘徊する交尾ペアと別の単独個体がまたすれ違いました。 
ニアミスしても小競り合いにはなりませんでした。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@6:47〜) 
あまりにも一瞬のすれ違いで、相手の性別を見分けられませんでした。 
交尾中の♀♂ペアは、路肩の土壌がある地点に辿り着いてから、舗装路に引き返しました。 


【考察】
ニワハンミョウ♀♂の交尾行動は初見です。
交尾を早く打ち切りたい♀の行動と、必死で交尾を続ける♂が、ロデオを見ているようで面白かったです。
重い♂を背負ったままでは敏捷なアリを狩るのに邪魔(足枷)になりますし、鳥などの天敵(捕食者)に襲われたときも逃げ足が遅くなってしまいます。 
つまり♀にとって、いつまでも交尾を続ける♂は大迷惑です。

一方♂としては、たとえ♀と交尾できても自分の精子が確実に次世代に受け継がれるとは限りません。 
♀が産卵するまでライバル♂との浮気を防ぐ必要があり、交尾時間が長くなるのでしょう。 
昆虫の種類によっては、♂が前回に交尾したライバル♂の精子を♀の体内から陰茎を使って掻き出したり、自分の精子を大量に送り込んで精子置換したりしてする例が知られています。(ハンミョウも同じなのかどうかは、知りません。) 
つまり雌雄で繁殖戦略の思惑が異なるために、典型的な性的対立が生じます。

ニワハンミョウの♀♂ペアが交尾を解消して離れる瞬間まで見届けられませんでした。 
♀が獲物を咀嚼している間はおとなしく交尾を受け入れてくれるなら、♂が♀に求愛給餌する行動が進化してもよさそうな気がします。 
しかし、ハンミョウが狩ったばかりの新鮮な獲物しか捕食しないのだとしたら、無理ですね。 

次は求愛から交尾に至る過程を観察したいものです。

つづく→


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2025/04/11

路上でアリを次々と狩り、捕食後に残渣を吐き捨てるニワハンミョウ

 

2024年4月下旬・午後13:05頃・くもり 

山間部の田園地帯で舗装された農道をニワハンミョウCicindela japana)が何匹も走り回っていました。 
どの個体を観察すべきか目移りしてしまうのですが、とりあえず選んだ個体を動画に撮り続けると、複数個体の捕食シーンが撮れました。 

頭楯と大顎の色から、おそらく♀だと思います。(♂なら白いはず)
大顎を開閉しながら路上に佇んでいたニワハンミョウ♀が急に方向転換したり走り出したりするので、見失いそうになります。 
歩く方向はまちまち(ランダム・ウォーク)で、♀の場合は獲物を探し歩いているようです(探餌行動)。 

路肩に駆け込むと、逃げる獲物を素早く狩りました。 
枯草の茂みが邪魔でよく見えなかったのですが、狩った獲物の正体は黒いアリのワーカー♀だったようです。 
種名は不詳ですが、ごく普通種のクロヤマアリまたはクロオオアリと思われます。 
アリジゴクのように獲物を待ち伏せするのではなく、敏捷に逃げるアリを積極的に追いかけて狩るとは驚きです。
参考サイト:アリを捕らえたニワハンミョウ@海野和男デジタル昆虫記 

ニワハンミョウが鋭い鋸歯のある大顎を左右に大きく開閉して獲物を咀嚼している間にも、あちこち忙しなく動き回ります。 
獲物を噛み砕いて固形物として飲み込むのではなく、獲物の体液を吸汁しているだけでした。 
ハンミョウの場合、この食事法を体外消化と呼んで良いのかどうか、AIで調べても分かりませんでした。 
獲物を咥えたまま、ときどき硬い路面に打ち付けているのは、獲物を噛んで丸めながら咥え直しているのか、それともアリを押し潰して殺し、滲み出る体液を吸汁しているのかもしれません(広い意味で咀嚼行動、道具使用)。 

餌食となったアリはニワハンミョウの牙に噛まれたまま暴れていますが、蟻酸による反撃がハンミョウに全く効かないのは不思議です。 
ニワハンミョウに襲われてもアリはしばらく生きていて、必死に暴れています。 
つまりニワハンミョウは、蟻酸による反撃を封じるために仕留めたアリを即死させている訳ではありません。 
ニワハンミョウが噛みついているのはアリの急所の頭部ではなく胸部?でした。 
アリが大顎で反撃したくても届きません。 

狩りおよび捕食シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:15〜)
狩ったアリをしばらく噛みしめて体液を吸い尽くすと、消化できないクチクラの残渣を吐き捨てました。(@8:15〜) 
そして次の獲物を探しに行きます。 

路上でアリをくちゃくちゃ噛みながら佇んでいる個体♀a(鞘翅が赤色っぽい)に対して、同種の別個体♂b(鞘翅が緑色っぽい)が交尾しようと襲いかかることがありました。 
鞘翅の色が違いますけど、同種のニワハンミョウです。 
スロー再生すると、♀aは急いで羽ばたいて飛び去っていました。(@2:44〜) 
私はニワハンミョウの性別判定がいまいち覚束ないのですが、ハンミョウの成虫同士で獲物を強奪する行動があるとは思えないので、♀♂の求愛および交尾拒否だと解釈しました。 

その後もかなり粘ったのですが、なぜかアリ狩りの動画が撮れなくなりました。 
いきなり最初に撮れたビギナーズラックの動画のクォリティーを越えることができません。 
ニワハンミョウがこの農道で獲物のアリを狩り尽くしてしまったのでしょうか? 
満腹したらもう狩りはしなくなり、配偶行動に切り替えるのかな? 
もしかすると、アリを狩るのに適した時間帯があって、それを過ぎると獲物のアリが巣外で活動しなくなるのかもしれません。 

次はニワハンミョウ♀♂の配偶行動に注目します。 
つづく→ 


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2025/04/05

晩秋の刈田で何度も虫を狩り捕食するチョウゲンボウ♀【野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年11月中旬・午後13:20頃・晴れのち曇り 

広い田んぼに隣接するグランド(球場)でネットの支柱の天辺にチョウゲンボウ♀(Falco tinnunculus)が止まっていました。 
ここはチョウゲンボウがお気に入りの止まり木で、毎年秋になるとよく見かけます。 
支柱の天辺は鳥の糞で白く汚れています。 
支柱の天辺で周囲を見渡して、稲刈りが終わった刈田に潜む獲物を眼光鋭く探しています。 
秋風でチョウゲンボウ♀の羽毛がなびいています。 

まるで頷くように、しきりに顔を上下に動かしている行動にも意味があります。 
眼球が固定されている猛禽類が広い視野を確保するためには、頭全体を動かす必要があります。 
このチョウゲンボウは、首をねじって背後も見張っています。 
また、猛禽は両眼視野が狭いので、頭を上下に動かすことで遠方の対象物への距離感や立体視を補完しているのだそうです。 

獲物を見つけたチョウゲンボウ♀は支柱から飛び立つと、刈田の上空で羽ばたきながら一点に留まり(ホバリング、停空飛翔)、狙いを定めてからスーッと急降下し、地上の獲物に襲いかかります。 
残念ながら、手前に生えたススキやアメリカセンダングサ、セイタカアワダチソウなどが邪魔で、チョウゲンボウ♀が獲物を狩る瞬間をどうしても撮れません。 

狩りの成否に関わらず、チョウゲンボウ♀は同じ止まり木(支柱天辺)に戻ってきます。 
舞い戻ってきて着陸するまで待ち構えて、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜2:04) 
チョウゲンボウの性別は頭部の色で見分けられます。 
この個体は頭が茶色いので♀です。
尾羽根の下面に黒い横縞が目立つ点も♀の特徴です。 
スローモーションでしっかり確認できました。 

片足の鉤爪で小さな獲物と一緒に細長い藁(枯草)を運んでいました。 
獲物を掴んだ足には体重をかけず、反対側の足でふわりと着地し、翼を畳みました。 

チョウゲンボウが狩ってくる獲物は小さくて軽いので、片足で掴んで運びます。 
利き足がありそうな気がしたのですけど、何度も観察すると、左右の足を(交互にランダムで?)使っていました。 

支柱の天辺に持ち帰った獲物をチョウゲンボウ♀は早速食べ始めました。 
カメラのデジタルズームを最大にしても、少し遠くて獲物の正体をしっかり同定できませんでした。 
獲物は小動物(脊椎動物)ではなく、バッタやコオロギなど昆虫のようです。 
トンボを狩るときもあるのですが、今回の獲物はトンボには見えませんでした。 
チョウゲンボウは嘴を使って虫の翅を器用にむしり取ってから、ちびちびと食べました。 
他の種類の鳥とは違って、食後に汚れた嘴を掃除しないのが不思議に思いました。 

小宮輝之(監修)『鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑 おもしろふしぎ鳥類学の世界』でチョウゲンボウの食性を調べると、
大きく羽を広げ、ホバリングから急降下して昆虫やネズミなどの小動物を捕らえます。カマキリを捕獲! (p123より引用)
虫を1匹完食しても、満腹になりません。 
見晴らしの良い支柱の天辺で、チョウゲンボウは再び刈田に潜む次の獲物を探し始めます。 

支柱の天辺から飛び立つ直前に、脱糞した瞬間(@5:20〜)も動画に撮れていました。 
液状の白っぽい糞尿を後方に勢い良く噴出しています。 
今思いついたのですが、チョウゲンボウがよく止まっていた支柱の真下まで行ってペリットを採集できれば、未消化物に含まれる残渣から捕食した虫の種類を同定できるかもしれません。 
ただし、チョウゲンボウがペリットを吐き出すシーンを私はまだ観察したことが一度もありません。 
ペリットが無くても、チョウゲンボウが食前に毟り取った虫の翅などが支柱の下に散乱しているはずなので、アリなどに持ち去られる前に調べに行けばよかったですね。

やがて1羽のハシボソガラスCorvus corone)が飛来して、支柱の天辺に止まりました。 
お気に入りの止まり木を横取りされたチョウゲンボウ♀は、仕方なく隣に立つ支柱の天辺に移動して、そこで獲物を捕食するようになりました。 
別個体のカラスも加勢しに来たようで、嗄れた鳴き声が近くから聞こえます。 
カラスはとにかく猛禽類が大嫌いなので、縄張りからチョウゲンボウ♀を追い払うために集まってきたようです。 
晩秋はカラスの繁殖期ではありませんから、本格的なモビング(擬攻撃)にまでエスカレートすることはありませんでした。 
それでも地味に嫌がらせしたり心理的な圧力をかけたりしています。 
隣の空いた止まり木(コンクリート支柱)に移動したチョウゲンボウは、田んぼから少し離れたせいで獲物を探しにくくなったようです。 

最後にチョウゲンボウ♀はこの狩場から飛び去ってしまい、戻ってきませんでした。 
飛び去るチョウゲンボウをカラスの群れがしつこく追尾することはありませんでしたが、ハシボソガラスの地味な嫌がらせが奏功し、天敵を追い払えたことになります。 



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2025/03/30

春の林床で落ち葉をめくって虫を探すカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年4月中旬・午前9:06・晴れ・気温19℃ 

平地の二次林に設置した自動撮影カメラで昼間にカケスGarrulus glandarius)が写りました。 
細い灌木に止まっていたカケスが地面に飛び下りると、林床の落ち葉を嘴でめくって隠れている虫を探し始めました。 
最後はピョンピョン跳ねて(ホッピング)右へ立ち去りました。 

カケスの落ち葉めくりを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:32〜) 


つづく→

2025/03/24

早春の池で獲物を吸汁(共食い?)するマツモムシ

 

2023年3月下旬・午後13:45頃・晴れ 

山麓で沢の水(雪解け水)が溜まった池の岸辺でヤマアカガエルRana ornativentris)の卵塊を観察していると、マツモムシNotonecta triguttata)が背泳ぎしながら現れました。 
背泳しながら何か獲物を前脚と中脚で抱えて捕食(吸汁)しています。 
背泳ぎしながら腹端を水面の上に少しだけ出しているのは呼吸のためでしょうか。

獲物の正体が気になるのですが、映像をいくら見直してもよく分かりません。 
ヤマアカガエルの胚を捕食してるとしたら面白いのですが、そうではなさそうです。 
なんとなく、脱皮や羽化に失敗した仲間を共食いしているような気がします。 
しかも獲物の体が一部食いちぎられているようです。 
(マツモムシの口器は吸汁専門で、噛むことはできません。)
アングルが変わると、どうやら獲物は表面に空気の層をまとっているようで、白っぽく見えました。 

そこへ、別個体のマツモムシが近寄ってきました。 
捕食中だった個体は、獲物を横取りされないように全速力で逃げて行きました(水中に潜った)。 
逃げ遅れたら、逆に共食いされてしまう危険があるのでしょう。

獲物の正体をしっかり同定するために、マツモムシごと一時捕獲しようか私が迷っていたら、見失ってしまいました。 
早春の時期でも池の定点観察には手網タモを持参するべきですね。


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2025/03/22

雪解け水の溜まった早春の田んぼで獲物を捕り歩くダイサギ(野鳥)

 

2024年3月中旬・午後14:35頃・晴れ 

平地の田園地帯で、積もっていた雪がほとんど溶けました。 
畦道の日陰になった縁などに、最後の残雪がわずかにあるだけです。 
稲刈り後の田んぼは基本的に水を抜いたままの乾田ですが、早春の時期は雪解け水が田んぼのあちこちに溜まっています。 
そこで1羽のダイサギArdea alba)が餌を探し歩いていました。 
この季節に撮ったのは初めてです。 

何か細長い物を素早く咥えましたが、ドジョウやミミズではなく、ただの枯れ茎を獲物と間違えたようです。 
すぐに首を振ってゴミを吐き捨てました。 
一度は飲み込もうとしたものの、喉に引っかかって異物を吐き出したようです。 

大股で田んぼを闊歩し、狙いを定めて長い嘴を泥水の中に突き刺すと、今度は狩りに成功しました。 
小さな獲物(小魚?)を丸呑みします。 
次はその場でガクガクと足踏みして地面に振動を与え、隠れている獲物を追い出そうとしています。 
その作戦もうまく行き、獲物を捕りました。
捕食シーンを1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:45〜)

手前の畦道が邪魔でよく見えませんが、ダイサギの下面に水面の反射が写っていることから、田んぼに雪解け水が溜まっているようです。 
強い春風が吹くと、ダイサギの羽毛がなびきました。 
警戒すると首を長く伸ばして周囲を見渡します。 

ダイサギが田んぼの奥へ奥へとどんどん歩き去ってしまうのは、しつこくカメラを向ける私を警戒しているのでしょう。 
道端の電柱の陰から隠し撮りをしたつもりでしたが、警戒心の強いダイサギにはお見通しだったようです。

2025/03/01

早春の冬水田んぼで獲物を捕食する雪国のダイサギ(冬の野鳥)

 

2024年3月上旬・午後14:55頃・晴れ 

郊外の小規模な田んぼでダイサギArdea alba)が採食していました。 
未だあちこち残雪に覆われていますが、雪解け水が田んぼに貯まって湿地帯と化しています。 
あるいは最近注目されている、収穫後も水を抜かない「冬水田んぼ(冬季潅水)」なのかもしれません。 
長い足で歩き回るダイサギは、ときどき立ち止まったまま脚をガクガクと動かして、その振動で獲物を隠れ家から追い出そうとしています。 

狙いをつけると長くて黄色い嘴を水中に素早く突き刺し、何か小さな獲物を捕食しました。 
ダイサギの捕食シーンを1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:53〜) 
獲物は淡水性の小さな貝(カワニナ?)またはサワガニのように見えたのですけど、どうでしょうか。 

ダイサギは警戒心が強いのに、珍しく近距離から捕食シーンを撮らせてくれました。 
背後の雪原ではカラスも餌を探していました。 


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2025/02/23

早春の休耕地で枯草や落ち葉をめくって餌を探すカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年3月下旬 

休耕地でホンドギツネの営巣地を自動センサーカメラで監視しています。 


シーン1:3/24・午前7:29・くもり・気温2℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:34 
夜が明けると、枯野がうっすらと雪化粧していました。 
寒の戻りで雪が少し降ったようです。 

画面の左下から1羽のカケスGarrulus glandarius)が歩いて登場。 
新雪が積もった地面で枯草を啄んでいます。 
1.5倍に拡大した映像の後に、オリジナル(等倍)の動画でリプレイ。
この地点の監視カメラにカケスが写ったのは初めてです。


シーン2:3/24・午前10:30・くもり・気温11℃(@0:37〜) 
3時間後に監視カメラが再び起動すると、枯野の手前に積もった新雪はすでに溶けていました。 

画面の右下にカケスが来ています。 
枯草や落ち葉を嘴で左右に払い除けたり、摘んで引っ張ったりして、その下に隠れた虫を探しているようです。 
もしかして、秋に貯食したドングリ堅果を掘り出そうとしているのか?と期待したのですが、そのようなシーンは撮れていませんでした。 


つづく→

2025/02/14

網にかかったトンボを捕食中のジョロウグモ♀と交接しようと何度も試みる臆病な♂(蜘蛛)

 

2023年9月下旬・午後12:10頃・晴れ 

里山の急斜面をつづら折れで登る山道の曲がり角(ヘアピンカーブ)で、ジョロウグモ♀♂(Nephila clavata)が同居する馬蹄形円網を見つけました。 
小型の♂は2匹います。 
♀は網に掛かったトンボ(種名不詳)を捕食中でした(獲物を噛んで体外消化)。 

♀の食事中に1匹の♂が網の上から(逆さまにぶら下がった♀の下から)忍び寄って♀の体に触れるものの、交接できずに慌てて逃げてしまいます。 
特に1回目の求愛が最も惜しくて、♂αが膨らんだ触肢を♀の外雌器になかなか挿入できずにもたついている間に、もう1匹の♂βが接近しました。 
♂αはライバル♂βを追い払うのかと思いきや、なぜか諦めて♀の元から立ち去りました。 
♂βに交接権を譲った訳ではなく、♂βも元の位置に戻りました。 
「色気より食い気」の♀は網上でほとんど静止しており、素人目には♀が嫌がって交尾(交接)拒否したようには見えません。 

同一個体の♂αが何度も♀に挑みますが、非常に慎重というか臆病で、なかなか交接してくれません。 
♂は必ず、網で下向きに占座した♀の後方から近づき、♂が逃げるときも必ず上に退散します。 
♂αは♀に共食いされるのをひどく恐れているようです。 
関連記事(15年前の撮影)▶ ジョロウグモの交接と性的共食い 
にもかかわらず、♂が♀に近づく前に網の糸を弾くなど、♀の攻撃性を宥める儀式的な求愛行動は何も見られませんでした。 

クモの種類によっては、♀と交尾(交接)できた♂は自分の触肢を自切して外雌器に残し、♀が次のライバル♂と交接(浮気)できないように物理的にブロックしてしまう者がいます。 
しかし、私が慎重に回り込んでこのジョロウグモ♀の外雌器にズームインしてみても、そのような貞操帯を付けてはいませんでした。 

同じ円網で2匹の成体♂が同居しているのに、交接相手の♀を巡る闘争にならないのが不思議でした。 
この2匹の♂の間では既に順位付けができていて、劣位の♂はライバル♂αが♀に共食いされるまで交接の順番を待っているのでしょう。 
♂αが♀と交尾できそうになったら邪魔して♀を挑発して共食いするようにしむける作戦なのかな?
もしも♂同士が激しく争う動物種なら、♂の方が♀よりも体格が大きくなるという、ジョロウグモとは逆の性的二型になるはずです。
非力なジョロウグモ♂は直接戦わなくても、ライバル♂を♀に早く殺してもらうように交尾を邪魔したり♀を苛立たせたりする作戦を進化させても不思議ではありません。
劣位の♂をよく見ると、触肢が未だあまり発達していないので、少し若いのかもしれません。 
平凡社『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』によると、
ジョロウグモの♀の網には複数の♂がいることが多い。網をはさんで♀と向き合う位置にいる♂がふつういちばん大きく、交尾の優先権をもっている。網の周辺部にいる♂はまったく交尾できないわけではないが、確率は低い。(p18より引用)


関連記事(8年前の撮影)▶  


トンボの他には、1匹のオオハナアブPhytomia zonata)がジョロウグモ♀の円網に掛かって、弱々しく暴れていました(虫の息状態?)。 
多数の真っ黒い食べ滓が網上に残されたままになっています。 
ジョロウグモ♀の網にイソウロウグモの仲間を今回も見つけられませんでした。 

三脚を持参していれば、ジョロウグモ♀♂が交接に成功するまでじっくり長撮り・監視できたのですが、残念です。 
この日の山行でジョロウグモ♀の網を次々に見て回ると、♂が♀の網に同居している例はいくつも見つけたのですが、交接中の♀♂ペアは見つけられませんでした。 


小田英智、難波由城雄『網をはるクモ観察事典 (自然の観察事典 21)』によれば、
ジョロウグモの♂の80%近くが、♀の脱皮の時に、結婚のための交接を行います。のこりの20%は、♀がえさをたべて油断しているときをねらって交接します。こうしたときをえらぶのは、不用意に♀に近づくと、♂だって捕らえられ、たべられてしまうからです。そのために♂はしばらく巣にとどまり交接後ガードを行う。(p22より引用)
ジョロウグモの♂は一生に一回しか交接しません。でも♀は、ほかの♂と、2回目の交接を行うことがあります。(p23より引用)


ところで、この動画を撮影中に周囲の茂みでひっそり鳴いていた虫(直翅目)が気になります。 
コオロギの仲間だと思うのですが、名前が分かりません。 
どなたか教えてもらえると助かります。 


【アフィリエイト】 

2025/02/11

雪が溶けた林床で落ち葉をめくって餌を探すカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年3月中旬・午後12:20頃・くもり・気温6℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を見張る自動撮影カメラにカケスGarrulus glandarius)が写りました。 
昼下がりに、二次林の林床でカケスが残雪の上をホッピングしながら右へ移動します。 
画面の右端で立ち止まると、嘴で落ち葉を掻き分けて餌を探し始めました。 
越冬中の虫を探しているのでしょう。 
もしかすると秋に貯食したドングリを掘り出しているのかもしれない、と期待したのですが死角でよく見えず、右に姿を消しました。 

落ち葉めくり行動が見えやすいように、まずは1.5倍に拡大した映像をご覧ください。 
その後にオリジナル(等倍)の全景動画でリプレイ。(@0:47〜) 




【アフィリエイト】 

2025/01/31

クモの網から救出したヒメクロホウジャク(蛾)が飛び去るまで【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年10月中旬・午後13:00頃・晴れ 

郊外で家庭菜園の花壇の手前に建てられた鉄パイプの柵(実際はアルミ管)にクモの円網が張り巡らされ、そこに1頭の蛾(スズメガ科)が捕らえられていました。 
花壇に訪花しようと飛来した蛾が道端の網にかかったようです。
ズグロオニグモYaginumia sia)などコガネグモ科が人工物の足場枠に張った垂直円網だろうと予想したのですが、なぜか網の主は見当たりませんでした。 
もしかすると夜行性のクモで、昼間は隠れているのかもしれません。
飛翔力の強いスズメガ類がクモの網に掛かって逃れられないでいるのは珍しいと思い、写真に撮りました。 
全く動かず粘着性の糸にぶら下がっているだけなので、てっきりこの蛾は死んでいるのかと思いました。 

蛾の腹面しか見えなかったので、同定用に背面の写真をしっかり撮るために、クモの網から手掴みで外してやりました。
途端に蛾は激しく羽ばたいて暴れ始めました。 
暴れ疲れて擬死(死んだふり)していただけと判明。 
そうと分かれば、クモの糸にぶら下がっていた状態も動画で記録すべきでしたね。 
すでに疲労困憊しているのか、すぐに私の掌の上で大人しく静止してくれました。 
翅の鱗粉はほとんど剥げ落ちてしまっていますが(まさか憧れのオオスカシバ?!)、胸背がウグイス色だったので、ヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)だろうと判明しました。 
図鑑で近縁種の前翅長を比べると、ヒメクロホウジャクが15〜18mm、クロスキバホウジャクが25mmなので、今回の小さな蛾はヒメクロホウジャクでしょう。 

救出した蛾は翅を小刻みに震わせて、飛び立つ前の準備運動をしています。 
手乗りヒメクロホウジャクが飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:31〜) 
しばらくすると、胸部飛翔筋による準備運動で体温が充分に上がったらしく、ようやく自発的に飛び去りました。 
私の体温で、手乗り蛾を少し温めてやれたかもしれません。
腹端付近に細い白帯が見えました。 


【アフィリエイト】 

2025/01/30

木に登って幹をつつくアカゲラ♀(冬の野鳥)

 

2024年2月下旬・午後15:20頃・くもり 

郊外の雑木林で見つけたアカゲラ♀(Dendrocopos major)です。 
後頭部が赤くないのが♀の特徴です。 

落葉した木(樹種不明)の幹を登りながら、あちこちつついて中に潜む虫を探しています。 
左に少し飛ぶと、隣の木でもつつきました。 
この個体は全く鳴きませんでした。


【追記】
キツツキの足には4本の指があり、通常は2本が前を向き、2本が後ろを向いています。
このような足指の配置を、「外対趾足がいたいしそく」と呼びます。
第4指(通常は後ろ向き)が水平に動かせるのが特徴です。
これにより、木の幹を登る際には「外対趾足」の形態をとり、枝に止まる際には「対趾足」の形態に変化させることが可能です。
この足の構造は、キツツキが木に登ったり、垂直な幹に止まったりするのに適しています。
キツツキは両脚と硬い尾羽の三点で体を支えます。
特に尾羽は中央の4枚が太くて硬く、両端の2枚は柔らかいという特徴があります。
(Perplexity AIの回答より)

2025/01/29

晩冬の雪原で野ネズミを巣穴から外に追い出そうと頑張るホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月下旬

シーン0:2/20・午後13:10・くもり・気温23℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴をトレイルカメラで監視しています。 
異常な暖冬で積雪量が少なく、あちこちで地面が露出しています。 
少なくとも3つの巣口(左から順にL、M、R)が点在しています。 
ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:2/24・午後23:40・気温-4℃(@0:04〜) 
晴れて静かな深夜に監視カメラが誤作動したようです。 
新雪が積もり、雪原を往来するタヌキなど野生動物の足跡が残されています。 


シーン2:2/27・午前5:53・気温4℃(@0:11〜)日の出時刻は午前6:12。 
タヌキが巣穴Rに入ってからわずか1分後の夜明け前に、右から来たキツネが雪原に佇んでいます。 
尻尾がふさふさした健常個体(フサ尾)でした。 
やがて左へ足早に立ち去りました。 
雪原は凍っているようで、キツネの足跡が残りません。 

てっきりタヌキの営巣地には興味がないのかと思いきや、しばらくすると、画面の左上隅からキツネが再登場。 
警戒しながら雪原をジグザグに歩いて、タヌキの巣穴Mへ近づきます。 
巣口Mの手前で立ち止まったまま、動かなくなりました。 
この後どうなったのか気になりますが、1分間の録画が打ち切られました。 


シーン3:2/27・午前6:06・気温0℃(@0:56〜) 
「フサ尾」のキツネが右から再び手前の巣口Mに近づきました。 
匂いを嗅いだだけで、巣穴Mには侵入しませんでした。 
奥の巣口Mも点検した後、巣口Rに向かいました。 

巣口Rの窪地に入ると、前脚を揃えて着地しました。
おそらく野ネズミを狩る行動のようです。 
キツネの尻尾しか見えないのですが、凍った雪面?を揃えた前足で何度も割ろうとしているのでしょう。 
あるいは、地面にわざと振動を与えて野ネズミを巣穴Rから外に追い出そうとする作戦なのかな? 

巣内で寝ているタヌキの家族を立ち退かせようと、キツネが執拗に嫌がらせしている、という可能性はどうでしょう? 
まるで地上げ屋の嫌がらせみたいです。
巣穴Rの主であるタヌキが玄関(巣口)の内と外でキツネと対峙して威嚇し合っているのかもしれません。 
しかし、耳を澄ませても鳴き声が何も聞こえませんでした。 


シーン4:2/27・午前6:09・気温1℃(@1:56〜) 
「フサ尾」のキツネがまたもや手前にあるタヌキの巣口Mに右から近づきます。 
頭を突っ込んで強引に押し入ろうとしています。 
右上奥の巣口Rに戻り、そちらでも鼻面を巣内に突っ込みました。

巣口Mと巣口Rは内部のトンネルでつながっているのでしょう。 
キツネは両方の出口から交互に威嚇して、なんとか獲物を外に追い出そうとしているようです。
「モグラ叩きゲーム」のように、逆の巣口から獲物が顔を出すかと期待したのですが、キツネにいくらしつこく挑発されても一度も外に出てきませんでした。 
専守防衛の籠城作戦です。 

ようやく諦めたキツネは、身震いしてから雪原を右上へ立ち去りました。 


シーン5:2/27・午後17:45・気温3℃(@2:50〜)日の入り時刻は午後17:32。 
同じ日の日没直後の様子です。 
昼間はよく晴れて、急速に雪解けしました。 
林縁に近い手前の地面が完全に露出しています。 


シーン6:2/28・午後23:51・気温0℃(@2:59〜) 
翌日の深夜、尻尾がフサフサした健常個体が枯野の手前を左から右へ横切りました。 
タヌキの営巣地を通りすがりにちらっと見たものの、今回は立ち寄りませんでした。 


シーン7:2/29・午後19:23・気温3℃(@3:15〜) 
翌日の晩も「フサ尾」のキツネが枯野の手前を左から右へ横切りました。 
今回もタヌキの巣穴を素通りしました。 

実はこのとき、巣穴のひとつに別個体のホンドギツネ(「細尾」の疥癬感染個体)が潜り込んでいました。(映像公開予定) 
2頭のキツネの間で何も交渉がなかった(同じ巣穴に入って合流したり巣口で挨拶したりしなかった)のが意外でした。 
細尾とフサ尾は♀♂つがいの関係かと予想していたのですが、違うのかな? 
ペアでなければ、この2頭のキツネ同士で縄張り争いにならない点が疑問になります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
タヌキの営巣地に通うキツネが次々に新しい行動をするので、どう解釈すべきか頭の整理がなかなか追いつきません。

今回のホンドギツネは、匂い転がり行動をやらずに野ネズミを狩ろうとしていました。
狙っている獲物はたぶんハタネズミMicrotus montebelli)かな?

日本の食肉類: 生態系の頂点に立つ哺乳類』第3章キツネによると、雪国のキツネにとって雪解けした春が野ネズミ狩りに最適のシーズンなのだそうです。
キタキツネの主要な餌は野ネズミ類であるが、もっとも多く野ネズミを捕食しているのは、その個体数が最多となる秋ではなく、逆に野ネズミがもっとも少ない春である(中略)。夏から秋に繁茂する草本類と冬の積雪が、野ネズミにとってキツネの捕食を避けるシェルターとなるが、春の雪解け時期はこのどちらもなく、キツネにとってネズミがもっとも捕獲しやすい時期である (p75より引用) 春だけはネズミを主とする哺乳類をもっとも頻繁に食べていた。(中略)雪が解け、草がまだ生えそろっていない春にネズミ類を捕獲しやすくなるため (p75より引用)

しぜんのせかい1『きつね』という、キタキツネの生態を紹介した古い児童書(写真集)を読むと、
隠れている餌を見つけると何度もジャンプして地面をゆらし、驚いて飛びだしたところをつかまえる技術も持っています。 @p22 
・キツネのジャンプ力はとても強く、軽々と1mくらいは飛び上がります。 @p23 
・キツネは聴覚と嗅覚がとても発達しています。雪の下に埋まった餌もほりあてて食べることができます。 @p29 
・子別れしたキツネは独立し、初冬に結婚の相手を見つけ、翌年の春には子を産みます。 @p25 
・キツネは冬眠しないで冬も活動します。この時はすでに冬毛で、とても太った感じに見えます。 @p28


つづく→疥癬に罹ったホンドギツネがホンドタヌキの巣穴を晩冬に乗っ取って住み着いた!【トレイルカメラ:暗視映像】

2025/01/26

根返りスギで年末年始に餌を探す雪国の小鳥たち:シジュウカラ、コガラ、ヤマガラなど【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬〜2024年1月上旬 

シーン0:12/27・午後14:21・晴れ(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で風倒木が何本も長年放置されています。 
画面の右下手前から奥に向かって根こそぎ倒れた(根返り)スギの根際に掘られた巣穴bを自動撮影カメラで見張っています。 
そこにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬していたのですが、最近ではなぜか姿を見かけなくなりました。 

今季は記録的な暖冬で、積雪が例年よりもはるかに少ないです。 
水平の細い別な倒木が朽ちて樹皮がどんどん剥がれ落ち、雪面に散乱しています。 

昼間に集まる小鳥たちの採食行動をまとめてみました。 
主にシジュウカラですが、少数のコガラやヤマガラなどを含むカラ混群のようです。 


シーン1:12/28(@0:03〜) 
シジュウカラ♀♂(Parus minor minor)の群れが根返りスギの土付き根っこをしきりに啄んでいます。 
そこで休眠越冬する昆虫を捕食しているのでしょう。 
チッチッ♪と鳴き交わす声もかすかに聞こえます。 


シーン2:12/29(@1:56〜) 
シジュウカラの群れ。 
ヒヨドリの鳴き声も聞こえましたが、姿は写っていません。 

 突然、監視カメラのレンズを覗き込んだ小鳥がいたのですが、あまりにも近過ぎて種類を見分けられませんでした。(@3:32〜) 


シーン3:12/30(@3:43〜) 
常連のシジュウカラの他に、コガラPoecile montanus)やヤマガラSittiparus varius)も来ているようです。 

根返りスギの土付き根っこを嘴でつつくシジュウカラたちの様子を、動画編集でゆっくりズームインしてみました。 
(最終的に1.5倍まで拡大)


シーン4:12/31(@8:09〜) 
珍しく、奥の残雪の上で餌を探すシジュウカラの個体がいます。 


シーン5:1/1(@9:34〜) 
翌日の元日には、雪解けが進んでいました。 


シーン6:1/2(@9:38〜) 
ヤマガラが来ています。 
珍しくフルカラーで録画されていました。 
トレイルカメラ旧機種の不安定な挙動に悩まされます。 


シーン7:1/5(@10:10〜) 
林床の積雪はほとんど溶け切っていました。 


シーン8:1/6・午前後(@10:11〜) 
これ以降は、監視カメラの電池が切れて、わずか1秒間しか録画してくれなくなりました。 
それでも健気に記録し続けるので、小鳥が来た記録にはなります。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


つづく→

2025/01/25

ホンドタヌキが越冬する営巣地の端で雪面や地面を転げ回って匂い付けするホンドギツネの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月下旬〜3月上旬

シーン0:2/20・午後13:10・くもり・気温23℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 異常な暖冬で積雪量が少なく、あちこちで地面が露出しています。 少なくとも3つの巣口(左から順にL、M、R)が点在しています。 


シーン1:2/24・午後23:40・気温-4℃(@0:04〜) 
深夜に監視カメラが誤作動したようです。 
晴れて静かな夜でした。 
新雪が積もり、雪原を往来するタヌキなど野生動物の足跡が残されています。 


シーン2:2/25・午前4:01・気温-7℃(@0:07〜) 

シーン3:2/27・午前5:57(@0:11〜)日の出時刻は午前6:12。 
夜明け前にホンドギツネVulpes vulpes japonica)がまた左から現れました。 
フサフサした尻尾を水平にピンと伸ばして歩きます。 
雪面は固く凍結しているようで、キツネが歩いても足跡が残りません。 
タヌキの巣穴がある左をちらっと見ました。 

画面の右端で、落葉したオニグルミ樹上から垂れ下がったクズの蔓の下をくぐろうとしたキツネが、後足を滑らせたように見えました(スリップ?)。 
死角で見えないのですが、足で雪を後方に掻いたようです。 
凍った雪面で転んだのかと思ったのですが、どうやら雪面に体を投げ出して転げ回っているようです。 
右の死角から雪を後方に掻いたようです。
しばらくすると、キツネが右から戻ってきました。 
再び監視カメラの死角で雪面に寝転がったようです。 
立ち上がって、タヌキの巣穴を見ています。


シーン4:2/27・午前5:58(@0:50〜) 
約20秒後に同一個体のキツネが右から来て、手前をぐるっと回り込んでタヌキの巣口Lの横を通り過ぎました。 
次は巣口Mを覗き込んで匂いを嗅いでいます。 
再び巣口Lに戻ると、鼻面を浅く突っ込みました。 
驚いたことに、巣口Lの手前でキツネは腹這いになり、雪面に体を投げ出しました。 
おそらく匂い付けの行動なのでしょう。 
それとも、わざと物音を立てて巣内に潜むタヌキの動向を伺っているのかな? 
続けて雪原を右へ回り込み、巣口Rに向かいかけたところで、1分間の録画が打ち切られました。 


シーン5:2/27・午前6:00(@1:50〜) 
約25秒後に監視カメラが再起動すると、キツネは画面の右端で再び雪原に腹這いになっていました。 
立ち上がると、タヌキの巣穴の方を見て反応を伺っています。 
巣口Mに忍び寄り、中を覗き込みました。 
右奥の巣口Rに立ち寄りかけたところで、録画が打ち切られました。 

この間、巣内の主であるタヌキは一度も外に出て来ませんでした。
専守防衛の籠城作戦なのか、それとも留守にしているのかな?


シーン6:2/27・午後17:45・気温3℃(@2:50〜)日の入り時刻は午後17:32。 
同じ日の日没直後の様子です。 
昼間はよく晴れて雪解けが急速に進みました。 
林縁に近い手前の地面が完全に露出しています。 


シーン7:2/29・午前2:45・気温-1℃(@2:54〜) 
2日後の深夜に右からキツネが登場しました。 
画面の右端で、枯草に覆われた地面に転がって匂い付けをしています。 
この個体は前回とは違い、疥癬に感染して尻尾の毛がひどく抜け落ちて細く見える個体(細尾)でした。
細尾のキツネは立ち上がると、タヌキの巣口Mを点検してから巣口Lの匂いも嗅ぎ、最後は巣口Rの窪みに飛び込みました。 
驚いた野ネズミ(ハタネズミMicrotus montebelli)?)が巣口Rから飛び出してきたのか、枯野を走って逃げ回る獲物をキツネが追い回しています。(@3:25〜) 
この時期は気温がまだ氷点下なので、休眠越冬中の昆虫が逃げ出したという可能性は除外できそうです。 
監視カメラの赤外線があまり届かないぐらい遠くて暗いです。 
動画を自動色調補正して拡大しても、逃げ回る獲物の正体が見えずに残念でした。 
狩りの成否は不明です。 
細尾キツネは、身震いしてから右に立ち去りました。 


シーン8:2/29・午前4:10・気温-1℃(@3:47〜) 
約1時間半後に、細尾のキツネがタヌキの営巣地に戻ってきました。 
画面の右端で地面を何度も転げ回っています。 
立ち上がると身震いしてから画面手前を通って左へ立ち去りました。 


シーン9:3/2・午前1:41・気温-3℃(@4:05〜) 
2日後の吹雪が降き荒れる深夜に、キツネがまた現れました。 
新雪が積もった雪面に新しい足跡が残っているのに、そのシーンが監視カメラに写っていません。 
どうやら奥から右下手前へ来たばかりのキツネの足跡のようです。 
やはり熱源が画面の前後方向に動くと、トレイルカメラのセンサーは反応しにくいようです。 

画面の右下隅の雪原でキツネが転げ回っていました。 
立ち上がったキツネは、尻尾がふさふさの健常個体でした。 
身震いしてから左へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
キツネが地面で何度も転げ回る行動は初めて見ました。 
キツネ関連の書籍でも読んだことがありません。 
しかし、飼い犬が散歩中に気に入った匂いが付いた地面で興奮したように転げ回る行動はよく見られます。 
イヌ科の動物で見られるこのような行動は、英語でscent-rollingまたはperfume-rollingと呼ばれているのだそうです。(確立された訳語なし)

おそらく、雪面や地面の気に入った匂いをキツネが自分の身にまとうための匂い付けの行動と思われます。 
逆にキツネが自分の匂いを残して縄張り宣言をしたいのであれば、小便を排泄していたはずです(排尿マーキング)。 
体外寄生虫対策の砂浴びだとしたら、どこでやっても良いはずなのに、わざわざ特定の地点で繰り返す理由が説明できません。
監視カメラをもう少しだけ右に向けて設置し直し、この地点を重点的に監視すべきですね。 

後に私が現場検証しても分からなかったのですが、もしかするとこの地点にタヌキが大小便を排泄していたのかもしれません。 (営巣地の端の溜め糞場)
雪面や地面に残るタヌキの小便跡の上でキツネが転げ回り、体臭を偽装しようとしていた可能性があります。 

キツネがタヌキの巣穴を乗っ取ろうと企んでいるとしたら、寄主の巣穴に侵入する前に体表を化学擬態する社会寄生性の女王蜂や女王アリを連想しました。 
暗闇の巣内では、匂いさえ同化していれば侵入しても反撃されにくいはずです。 
近くのスギ防風林の中にあるタヌキの溜め糞場wbcでもキツネが転げ回って匂い付けしているかどうか、確かめたいところですが、撮影機材が足りません。

キツネの目当てはタヌキの巣穴という不動産物件ではなく、そこに居候している野ネズミなのかもしれません。
獲物に気づかれないよう、巣口に近づく前に自分の体臭を消してタヌキの体臭を身にまとったのかもしれません。

ホンドギツネの健常個体と疥癬個体が代わる代わる同一地点で転げ回り、匂い付けしたことは、大問題です。 
疥癬の原因となる体外寄生虫のヒゼンダニが健常個体にも移った可能性があるからです。
つまり、匂い転がりをする地点がヒゼンダニの温床になってしまいます。
雪国の冬なら宿主から離れたヒゼンダニは低温で死滅してしまうかな? (低温耐性が問題になります。)
キツネにとって疥癬という皮膚病は予後が悪く死に至る病なので、事態は深刻です。 
さらには、この営巣地で暮らすタヌキの家族にも疥癬が拡大しかねません。 
困ったことになりました。 

登場した2頭のホンドギツネは行動圏が重なっていますから、もしかすると♀♂つがいなのかもしれません。
この地点で興味深い匂いを先に見つけた健常個体が転がり行動をして匂いを持ち帰り、パートナーの疥癬個体(細尾)に情報伝達した可能性も考えられます。
キツネの家族が寝床を共有したり交尾するなどの濃厚接触でもヒゼンダニは感染を広げてしまいます。




【追記】
キツネが反応したのは、タヌキの小便跡とは限りませんね。
野ネズミも自分の営巣地の周辺の決まった場所に糞尿でマーキングすることが知られているらしい。
肉眼で現場検証しても分からなかったのですが、ブラックライトで紫外線を照射すると野生動物の尿は発光するそうです。
ビタミンB2(リボフラビン)という蛍光物質が含まれているためで、紫外線照射で発光するのは野ネズミの尿に限りません。

野外にトレイルカメラを設置すると野ネズミがよく写るのですが、私はこれまでマーキング行動(排泄)を観察したことがありません。
私がただ見過ごしているだけかもしれません。
野ネズミの排泄やマーキング行動時には、以下のような特徴的な姿勢が見られる可能性があります:
  1. 後ろ足で立ち上がる姿勢
  2. 尾を少し持ち上げる
  3. 体を少し前傾させる
  4. 短時間静止する
これらの姿勢は、尿や糞を正確に配置するために必要な体勢です。
以上、Perplexity AIと相談しながら追記しました。
次回からは、ブラックライトを持参してフィールドサインを探してみようと思います。(明るい昼間でも蛍光が見えるのかな?)

2025/01/12

河川敷の芝生で虫を捕食しようと探し歩く三毛猫

 

2023年11月上旬・午後13:10頃・晴れ 

河川敷の芝生でイエネコ♀(Felis silvestris catus)がうろついていました。 
舶来品種なのか、三毛猫にしては茶色も黒も薄い気がします。 

芝生の匂いを嗅ぎながら、忍び足でゆっくり前進しています。 
斜めに上げた尻尾の先をくねらせていることから、三毛猫がワクワクしている感情が伺えます。 
突然、前足を揃えて前方の地面に飛びかかりました。 
その足元をしげしげと見つめていますが、どうやら狩りには失敗したようです。 
獲物に跳びついた狩りの瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:12〜) 
逃げた獲物の正体は不明ですが、おそらくバッタやコオロギの仲間だと予想しています。 
三毛猫は残念そうに舌舐めずりしながら辺りを見回し、左に引き返しました。 

この個体は、やや太り気味の体格でした。 
(冬毛に生え変わったからそう見えるだけかな?) 
近所の飼い猫だと思われますが、首輪は付けていませんでした。 
三毛猫の♂は遺伝学的に極めて珍しいので、この個体は♀の可能性が高いのですが、股間に睾丸(にゃんたまω)は見えませんでした。 
ただし、野良猫でなければ、♂でも去勢されているはずです。


三毛猫は芝生に座り込んでも、私とは目を合わせようとしません。 
再び歩き出すと、生け垣(植え込み)の横を通って左へ向かいます。 
また座って身を低くしましたが、狩りの行動には移りませんでした。
しつこく動画を撮り続ける私を嫌がったのか、ついに三毛猫は生け垣の中に潜り込んで隠れてしまいました。 


【アフィリエイト】 

2025/01/10

根返りしたスギの根元で餌を探す雪国のミソサザイ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2023年12月下旬 

シーン1:12/27・午後14:21・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
平地のスギ防風林で風倒木が何本も放置されています。 
画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れた(根返り)スギの根際に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで見張っています。 
今季は記録的な暖冬で、積雪量が少ないです。 
水平の倒木が朽ちて樹皮がどんどん剥がれ落ち、雪面に散乱しています。 


シーン2:12/29・午後16:29(@0:03〜)日の入り時刻は午後16:31。 
監視カメラが起動した理由が分からなかったのですが、しばらくすると1羽の小鳥が手前から奥に飛来して、巣口bの手前の雪面に落ちていた樹皮に着地しました。 
小鳥の正体はミソサザイTroglodytes troglodytes)のようです。 
ミソサザイといえば山地の渓流の近くで見かける小鳥という認識だったので、こんな平地の防風林で見れるとは意外でした。 
他の鳥と同じく、根返りした土の塊を調べて、餌となる虫を探しに来たのかな? 

千葉県立中央博物館のホームページに掲載された記事によると、
 根返りした木は、土ごと倒れて根元は大きな土の塊となっている。この土の塊の中が生きものの越冬場所として好まれるようだ。オサムシ、ゴミムシ類の他に、カメムシ、ムカデ、トカゲ、カエルなども越冬している。皆、わざわざこの土の固まりに登ってから潜っているわけだ。(「 根返りで越冬するオサムシ」より引用)
やがてミソサザイは、ピョンピョン飛んで奥に消えました。 
ちょうど日没の時刻だったことから、もしかするとねぐら入りの行動だったのかもしれません。(※ 追記参照)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
ミソサザイは小さな鳥なので、最終的に1.5倍に拡大するように素材の動画をゆっくりズームインする、という編集を試してみました。 
タイムスタンプ(撮影日時)を改めて画面内の元の位置に焼き込む工夫をしたのがポイントです。





※【追記】
ミソサザイの塒について調べてみました。
ハルシネーション(AIによる知ったかぶりの誤情報)が少ないとされるPerplexity AIに質問した回答を引用します。
このAIは、質問する言語によって回答が質的に変わってくるので注意が必要です。
今回の件では、日本語よりも英語の方が圧倒的にソース(情報源)の質量ともに充実しています。
ミソサザイは、ヒトが架けた巣箱に入って越冬することもあるそうです。
ただし、大陸のミソサザイと日本のミソサザイで習性が微妙に異なる可能性もあり得るので、AIの言うことを鵜呑みにはできません。

ミソサザイの冬季のねぐら入りについて、特に雪国での具体的な情報は提供された検索結果には含まれていません。しかし、ミソサザイの一般的な生息環境と冬の行動から、以下のことが推測できます:

ミソサザイは通常、山地の渓流沿いの藪や岩のある林に生息しています[3][4]。冬になると、より低い山地や山麓の沢や岩のある林に移動する傾向があります[4]。この習性から、冬のねぐらとして以下の場所を利用する可能性が高いと考えられます:

1. 岩の隙間や穴
2. 倒木の下や樹洞
3. 厚い藪の中
4. 渓流沿いの岸辺の植生の中

雪国では、これらの場所が雪から保護され、比較的暖かい環境を提供すると考えられます。ミソサザイは体が小さいため、寒さから身を守るためにこのような隠れ場所を利用すると推測されます。

ただし、ミソサザイの具体的な冬のねぐら入り行動については、さらなる研究や観察が必要です。

Citations:
[1] https://www.pref.niigata.lg.jp/site/aicho/20210401aicho.html
[2] https://www.pref.niigata.lg.jp/site/aicho/20200401aicho.html
[3] https://zukan.com/jbirds/internal14978
[4] https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1497.html
[5] http://www.omnh.jp/wada/birds-rep11.html
[6] https://www.omachi-sanpaku.com/common/file/sanpaku/backnumber/13-4_cmp.pdf
[7] http://sizenkansatu.jp/05daigaku/s_2.html

 

The **Eurasian wren** (Troglodytes troglodytes) typically roosts in **dark retreats, snug holes, and even old nests** during the winter months. These roosting sites provide essential shelter from cold weather and predators. In harsher conditions, they may gather in groups, often consisting of family members or multiple individuals, to conserve warmth[1][3][6]. 

They are known to utilize various habitats for roosting, including dense vegetation such as bushes, hedgerows, and brush piles. This adaptability allows them to find suitable roosting spots across a wide range of environments, from gardens and parks to more natural settings like forests and marshes[1][3].

Citations:
[1] https://www.allaboutbirds.org/guide/Eurasian_Wren/lifehistory
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Winter_wren
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_wren
[4] https://www.audubon.org/field-guide/bird/pacific-wren
[5] https://animaldiversity.org/accounts/Troglodytes_troglodytes/
[6] https://animalia.bio/eurasian-wren?letter=w
[7] http://www.birdwatchingacademy.com/winter-wren/
[8] https://www.allaboutbirds.org/guide/Winter_Wren/overview
[9] https://www.discoverwildlife.com/animal-facts/birds/wren-facts


Eurasian wrens (Troglodytes troglodytes) do use man-made structures for roosting in winter, including nest boxes. While they typically prefer natural roosting sites, they have been observed using artificial structures when available:

1. Wrens have been recorded roosting in large numbers in nest boxes during winter. In one instance, as many as 60 wrens were found roosting together in a single nest box[4].

2. They are known to use various man-made structures for shelter, including stone walls and even old nests[3][5].

3. Wrens often seek out "dark retreats" and "snug holes" for roosting, especially during harsh winter weather[3]. Nest boxes can provide such protected environments.

It's important to note that wrens are adaptable and will use a variety of roosting sites. They may roost alone or in groups, with communal roosting being a common strategy to conserve heat during cold winter nights[4]. While nest boxes are not their primary choice, they can serve as valuable artificial roosting sites when natural options are limited or during particularly harsh weather conditions.

Citations:
[1] http://www.birdwatchingacademy.com/winter-wren/
[2] https://animaldiversity.org/accounts/Troglodytes_troglodytes/
[3] https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_wren
[4] https://scotlandsnature.wordpress.com/2019/01/16/a-small-bird-with-a-big-impact/
[5] https://www.allaboutbirds.org/guide/Eurasian_Wren/lifehistory
[6] https://www.backyardecology.net/winter-wren-one-of-our-other-wrens/

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