2024年5月下旬・午後14:05頃・晴れ
民家の玄関先に植栽されたピンクの薔薇の花に真っ黒なムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が訪花していました。
私は園芸植物にまるで疎いので、このバラを画像認識で調べてもらうと、おそらくアンジェラという半八重の品種だろうと教えてもらいました。
スミゾメハキリバチ♀は小型の個体という印象です。
吸蜜ではなく、集粉に専念しているようです。
バラの花でときどき回転集粉を行いましたが、振動集粉の音は聞こえませんでした。
腹面のスコパは茶色(赤褐色)の毛が密生しています。
バラの花粉は黄色のはずですが、スコパに付着しているようには見えません。
雄しべの葯を見ても、花粉が枯渇していて少なそうです。
そもそも八重咲きの花は雄しべが花弁にホメオティック変異した品種なので、半八重では通常よりも雄しべの数が少なくなっています。
スミゾメハキリバチ♀は羽音を立てて次のバラの花へ飛んで移動します。
訪花中になぜか蜂が腹部を海老反りにすることがありました。
腹面のスコパが雄しべに触れなくなるので、集粉するには逆効果のはずです。
近くで撮影している私に対して威嚇・警戒しているのかな?
※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
バラハキリバチのように、スミゾメハキリバチも巣材としてバラの葉を切り抜くことがあるのでしょうか?
動画を見直しても、ハキリバチに葉を丸くくり抜かれた跡は写っていません。
関連記事(6年前の撮影)▶ バラハキリバチ♀の仕業【フィールドサイン】
Perplexity AIに質問しても、スミゾメハキリバチが利用する巣材の植物について報告がないらしい。
ただし、スミゾメハキリバチの原亜種であるムナカタハキリバチ(Megachile willughbiella)だとヨーロッパでよく調べられていて、バラの葉を切り抜いて巣材にすることがあるそうです。
(バラの葉だけを巣材にするのではなく、植物種をあまり選り好みしないらしい。)
ちなみに最近、ムナカタハキリバチの全ゲノムが解読されたそうです。
CROWLEY, Liam M., et al. The genome sequence of Willughby’s leafcutter bee, Megachile willughbiella (Kirby, 1802). Wellcome Open Research, 2024, 9: 164.次にスミゾメハキリバチのゲノムも解読して比較すれば、亜種の違い(黒化した体色)がどのように進化したのか突き止められそうですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿