2011/10/08
ウスバカマキリ♀が翔んだ日
2011年8月下旬
ウスバカマキリ♀の飼育記録
採集直後でウスバカマキリ♀(Mantis religiosa)が未だ元気だった頃の映像です。
(在りし日の有翅...もとい勇姿。)
卓上で遊ばせると高い所に登り窓に向かって(明るい方に?)羽ばたいて逃げようとしました。
飛び立つ様子をハイスピード動画で撮ってスローモーションにすれば良かったですね。
つづく
2011/10/07
オオカマキリ♀の卵鞘作り(60倍速動画)
2011年9月下旬・気温18℃→14℃
日当たりの良い南に面したコンクリート壁面に身重のオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)が午後の間中じっと止まっていました。
いかにも産卵しそうな予感がしたので気を付けて様子を見ていると案の定、夕方から下向きで白い卵鞘を泡立て始めました。
産卵地点は地上〜80cmですぐ上には庇があり雨が降っても濡れない位置にあります。
虫にとってよほど産卵に適した条件を備えているのか、すぐ隣にはナガコガネグモ♀の産み付けた褐色の卵嚢がぶら下がっています。
5年前に飼育下でオオカマキリが卵鞘を作る様子を動画に撮りました。
フィールドで一部始終を観察する機会に恵まれたのは初めてです。
いよいよ最近習得したインターバル撮影の出番です。
カメラを三脚に固定し、3秒間隔で連続写真を撮り始めました。
今回は産卵基質が堅牢なコンクリートなので、風がいくら吹いても揺れる心配が全く無く、助かりました。
日が暮れて暗くなってきたら懐中電灯で照らしながら撮影を続けました。
ライトを固定する用意がなかったので、手持ちで長時間照らし続けました。
しっかり固定しないと、動画では照明がちらちら動いて少し見苦しいですね。
映像では見切れていますが、終盤に辺りを徘徊していた一匹のアリが卵鞘作りで忙しいオオカマキリ♀の頭部にまで上がってきました。
複眼の辺りを這い回っても♀はしばらく反応しませんでした。
産卵中は無我の境地なのかと感心していたら、さすがに最後は鎌で払いのけました。
卵鞘が完成し18時過ぎに撮影を打ち切った頃にはすっかり冷え込みました。
大量の連番写真を素材に20fpsで編集ソフトVirtualDubに取り込み、約2時間半の産卵行動を60倍速の映像に仕上げました。
【追記】
卵鞘は一般的に卵の収まっている房室部と空気を取り入れる薄膜とがあり、上方末端に孵化時の脱出口となる部分がある。(『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p94より)
さて、雪国の伝承を実証した「カマキリの積雪予想」が越冬戦略として話題になったことがあります。
オオカマキリ♀は来る冬の積雪量を予想して、雪に埋もれない高さに卵鞘を産み付けるというのです。
著者のフィールドワークと情熱に敬意を表すものの、私は個人的にこの説に懐疑的です。
今回の卵鞘が一つの反例になりそうだと考えています。
- オオカマキリ♀が人工物を産卵基質とするケースが結構多いことを著者の説では説明できません。この日も木造家屋の高い軒下に別なオオカマキリの卵鞘を見つけました。
- 当地は豪雪地帯なので、今回の卵鞘@コンクリート壁面も地上80cmの高さでは根雪で埋もれるだろうと予想されます。実際にそれを確認し、それでも春に無事オオカマキリ幼虫が孵化することを見届ければ反例になるでしょう。
今後の定点観察が楽しみです。
【追記】
残念ながら、この卵鞘は初冬までにその一部を天敵に食害されました。
カツオブシムシ(カマキリタマゴカツオブシムシ)の仕業と思われます。
すっかり雪に埋もれて冬を越し、春になるとコンクリート壁面から剥落して地面に落ちているのが見つかりました。
2011/10/06
飼育ウスバカマキリ♀に獲物を与える
2011年9月上旬
ウスバカマキリ♀の飼育記録
カマキリの飼育で生き餌をいちいち手渡しで与える(handfeed)のは過保護で私の趣味ではありません。
しかし今回は事情が変わりました。
原因不明の症状で鎌以外の4本の足が先端からどんどん壊死していき、自分で身繕いする際に食いちぎってしまうのです。
次第に脚力が弱まり、自力では止まり木によじ登れなくなりました。
獲物を追って動き回ると止り木から滑落したり転んでしまいます。
最期の頃は起き上がったり歩行すら困難になりました。
複眼の偽瞳孔も明るさに関係無く黒い部分が残り、視力が低下しているのかもしれません。
本種は山形県レッドリストの準絶滅危惧種(NT)に登録されているVIPなので、責任を持って飼育・介護しないといけません。
幸い鎌(前脚)の動きや力は正常です。
止り木にぶら下がった(落ち着く姿勢)ウスバカマキリ♀(Mantis religiosa)にせっせと獲物をhandfeedすることにしました。
身重の♀は食欲旺盛で、一日にトンボ3匹は平らげます。
映像ではトンボ二匹とセセリチョウを一匹捕食しています。
鎌で捕まえたイチモンジセセリを平らげる一部始終は10倍速の早回し映像にしてみました。
なんとか産卵するまでは持ちこたえて欲しいものです。
つづく
2011/10/05
隻腕コカマキリ♀が鎌一本でハエを狩る【片腕繁盛記】
2011年9月下旬
コカマキリ♀の飼育記録
夕方の原っぱで暗がりの中、コカマキリ(Statilia maculata )♀を掴まえ飼育するため持ち帰りました。
明るいところでよく見ると、いつどこで怪我をしたのか左の鎌(前脚)が脛節の途中で折れてしまっています。
つまり左の鎌は肘のすぐ上から欠損しており、使い物になる鎌が右の一本しかありません。
厳しい自然界でこんなハンディキャップを背負ってよくぞ今まで生きてこれたものだと驚きました。
若齢幼虫のときの怪我ならば、脱皮の際に少しは鎌も再生するのかもしれませんが、成虫になると回復の見込みはありません。
鎌はカマキリの腿節な、もとい大切な商売道具(武器)ですから、これが片方欠損すれば狩りに支障を来すはずだと思いがちです。
果たして鎌一本だけで自活できるのでしょうか。
飼育容器はDVDスピンドル容器を再利用しました。
中央に立つプラスチックの円柱には登るための滑り止めとしてガムテープ(布タイプ)を巻いてあります。
生きたハエを容器に投入すると、隻腕のコカマキリ♀は壁面で身繕い中のハエを早速認め、こっそり忍び寄って一撃必殺。
獲物に狙いを定め一本の鎌を一閃するや見事に仕留めました。
待ち伏せハンターの面目躍如。
通常ならば食べ進むにつれて鎌で獲物を微妙に持ち替えないといけませんが、口と右鎌だけで器用に羽を毟ってハエを完食しました。
食後は汚れた鎌をきれいに舐めて身繕い。
飛び回るハエを空中で捕らえたこともありました(映像なし)。
他にも生き餌として与えた虫※は全て自力で捕食し元気に暮らしているので、今のところ手助けしてやる(直接給餌、handfeed)必要はありません。
※トンボ(アキアカネ、オツネントンボ)、コオロギ、アメバチ、ジョロウグモ♀、小蛾、アブ、コバネササキリ♀など。ただし体の左側に位置する獲物を狩ろうとすると、右鎌ではリーチが若干遠いので失敗する確率が高いかもしれません。
高い所に登ったり天井にぶら下がったりするのも少し苦労するだけで、健常カマキリと変わりありません。
隻腕カマキリもヒトの患者同様に幻肢の症状に悩まされたりするのだろうか。
交尾を済ませているのか不明ですが、なんとか卵鞘を産めるまで栄養を付けて欲しいものです。
2011/10/04
飼育ウスバカマキリ♀への給水
2011/10/03
夕暮れの空(微速度撮影)
2011年9月中旬
「秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。」(清少納言『枕草子』より)
あるハチの定点観察をしていて、待てど暮らせど帰巣しません。
暇つぶしに夕暮れの空をインターバル撮影してみました。
5秒間隔で64分間撮った大量の写真を連番で動画編集ソフトに取り込み、20fpsの動画に仕立てました(100倍速)。
予め夕焼けになりそうな方角を狙えばよかったですね。
2011/10/02
スジチャタテの室内徘徊
2011年9月中旬
夜に室内の卓上を触角の長い変な虫がうろうろと徘徊していました。
まるで見たことのない虫で、何科に属するのかすら見当も付きませんでした。
カメラを取り出すのが間に合わず、動画を少し撮れただけで見失いました。
採集すればよかった…。
映像を元に調べてみると、どうやらチャタテムシの仲間のスジチャタテ(Psococerastis tokyoensis)のようです。
登録:
投稿 (Atom)
ランダムに記事を読む
01/08/2023 - 0 Comments
12/10/2024 - 0 Comments
06/08/2023 - 0 Comments
27/10/2017 - 0 Comments
08/07/2015 - 0 Comments