2020/01/04

連結打空産卵中にほとんど羽ばたかないノシメトンボ♀の事例【ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午前10:46


▼前回の記事
スギゴケ?の上で連結打空産卵するノシメトンボ♀♂【HD動画&ハイスピード動画】

湿地帯のスギゴケ上空で連結打水産卵するノシメトンボ♀♂(Sympetrum infuscatum)を240-fpsのハイスピード動画で撮っていたら、興味深いカップルがいました。

♀がほとんど羽ばたいていないのです。
良く言えば省エネ飛行と言えるかもしれません。
しかし♂の負担が増しているはずです。
♀のやる気が無いのか、早くこの♂と別れたくて(ペアを解消したい)サボタージュしているのでしょうか?
それとも産む卵が体内に残っていないのかな? 

ところが、スローモーション映像をじっくり見直すと、♀の腹端から白い卵がひと粒ずつ正常に投下されていました。
このノシメトンボ♀は、疲労や空腹で弱っている個体なのかもしれません。


つづく→連結打空産卵するノシメトンボ♀♂ペアとあぶれ♂の小競り合い【HD動画&ハイスピード動画】


電線で2羽のキジバト♀に続けて求愛して振られる♂



2019年8月下旬・午後11:55頃

川の堤防沿いの工場地帯で3羽のキジバトStreptopelia orientalis)が電線に止まっていました。
初めは同じ電線に左から順に♀β、♀α、♂が並んでいました。
(キジバトは雌雄同色ですが、この後に繰り広げる行動から性別を推定しました。)
右端の♂が鳩胸を膨らませ、左隣の♀αにお辞儀を繰り返しています。(求愛誇示行動)
しかし♀αは♂を見向きもしないで、♂から離れようと電線上を少しずつ歩いています。
♂は首を曲げて自分で羽繕いしました。
これも♀αへのアピールなのかな?

脈が無いと悟った♂は諦めて電線から飛び立つと、少し離れた♀βのところへ移動しました。
ところが♂が節操無く次の♀に求愛する前に、嫌がる♀βは飛んで逃げてしまいました。
♂はしつこく♀βを追いかけて飛び立ったものの、思い直したように引き返し、細長いアンテナに止まりました。
空中ですれ違ったスズメに気を取られたのかもしれません。

電線には先程の♀αが未だ居残っています。
せっかく両手に花のミニ・ハーレム状態だったのに、なんとも求愛の下手糞なキジバト♂でした。
(そりゃ♀に振られるわなー。)



※ 逆光気味なので、動画編集時に彩度を上げました。
飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。



▼関連記事
キジバト♀♂の求愛拒否(野鳥)
堤防で求愛・採食するキジバトの♀♂ペア(野鳥)
キジバト(野鳥)の交尾と三角関係 (今回とは異なり♂2♀1の3羽)


キジバト♀♂@電線+求愛誇示

クズの花で採餌するクマバチ♀



2019年8月下旬・午前10:53

河川敷に蔓延るクズの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
飛び立った直後に正面を向いた顔が黒かったので♀と判明。
後脚の花粉籠は空荷でした。

意外にもこの組み合わせは初見です。
次回はじっくり撮影してみたいところです。


クマバチ♀@クズ訪花採餌

2020/01/03

甲羅干しの場所が取れず泳いで探し回る巨大ミシシッピアカミミガメ



2019年8月下旬・午後午後13:40頃

これまで蓮池の岩場を占領していたカルガモ親子が居なくなり、再び亀が甲羅干しのために集まるようになりました。
カルガモ幼鳥が完全に独り立ち(親離れ)したのかな?

1匹の巨大なミシシッピアカミミガメTrachemys scripta elegans)が岩場の周囲で活発に泳ぎ回り、上陸を試みてはまた水中に戻るという謎の行動を繰り返していました。
警戒心が強いのか、あるいは半身浴が好きなのかと初めは思ったのですが、どうやら甲羅干しに適した岩が見つからなくて困っているようです。

ミシシッピアカミミガメの他には大小様々なクサガメMauremys reevesii)がそれぞれの岩に陣取っていました。
空いている岩は日陰で日光浴ができないか、あるいは大きなミシシッピアカミミガメにとって狭過ぎたり傾斜が急過ぎたりして上陸できないのでしょう。
このミシシッピアカミミガメは最も巨体なのに平和主義者のようで、他のクサガメを強引に押しのけたり割り込んだりしてお気に入りの岩場を強奪することはありませんでした。

小型のクサガメの中には大型の個体の甲羅にちゃっかり乗っている個体もいました。
一方で、ミシシッピアカミミガメは別の亀の背中に乗って日照権を奪うこともありませんでした。
甲羅干しに適した岩場は争わずに(陣取り合戦なしで)早い者順に埋まっていくのでしょうか。

ミシシッピアカミミガメは池の中を泳ぎ回る鯉の存在もちょっと迷惑そうです。(鯉に遠慮している印象)


池の畔にライブカメラを設置して亀の動向を生中継したり、早回し映像を作れたら面白そうです。


つづく→クサガメ♂の岩登り


ミシシッピアカミミガメ@蓮池→岩場上陸
ミシシッピアカミミガメ@蓮池→岩場上陸
ミシシッピアカミミガメ@蓮池→岩場上陸

地面を舐めてミネラル摂取するミヤマカラスアゲハ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午前11:25頃

平地の川沿い、橋の下の地面でミヤマカラスアゲハ♂(Papilio maackii)が吸水していました。
翅表に黒いビロード状の性斑(性標)があるので、♂と分かります。
翅を半開きにしたまま、砂地で口吻を伸ばし地面を舐めています。

初めは撮影アングルがいまいちだったので私がそっと移動すると、ミヤマカラスアゲハ♂も警戒して飛び立ちます。
しばらく辺りを飛び回っている間に私がじっとしていると、ほぼ同じ場所に舞い戻ってきてくれました。
半開きの翅を小刻みに羽ばたいているのは、いつでも飛び立てるように準備運動しているのでしょう。
後半は低空で飛び回り橋脚の陰に行ったので、私も慌てて追いかけて続きを撮りました。

(ミヤマカラスアゲハは)花以外に吸水にも来る。オスは湿地に集団で吸水に来る性質があり、それを狙って採集する人も多い。水分補給は水分だけでなく微量の塩分も摂取するためだと思われるが、吸水に来る理由や吸水集団を形成するのがオスに限定される理由は解明されていない。 (wikipediaより引用)


ようやく真横から観察できるようになったのですが、吸水しながらの排尿は今回見られませんでした。
今回ミヤマカラスアゲハ♂が一心不乱に舐めている砂地はあまり湿っているようには見えず、乾いているようでした。
つまり今回は吸水がメインの目的ではなく、ミネラル摂取のための行動でしょう。


▼関連記事(10〜11年前の撮影)
ミヤマカラスアゲハ♂の吸水・排尿
ミヤマカラスアゲハ♂の吸水と排尿
ミヤマカラスアゲハ夏型♂の集団吸水

自発的に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:12〜)
突風が吹くと翅が煽られて、風見鶏のように向きが変わります。

最後は満ち足りたようで、橋の下から河畔林の方へ飛び去りました。
おそらく交尾相手を探す旅に出かけたのでしょう。(探雌飛翔)

※ 話を分かりやすくするために、映像素材の順番をかなり入れ替えました。


ミヤマカラスアゲハ♂@地上吸水+ミネラル摂取
ミヤマカラスアゲハ♂@地上吸水+ミネラル摂取

2019/12/31

エクリプスのマガモ♂♀が夏の水路で採食(野鳥)



2019年8月下旬・午後12:30頃

街なかから川の本流に流れ込む水路で見慣れない地味なカモが2羽遊泳していました。
カモ類のつがいならば通常、外見で性的二型があるはずです。
よく見ると、1羽は嘴が黄色っぽいのでマガモAnas platyrhynchos)のエクリプス♂と判明しました。
もう1羽の嘴は橙と黒で汚れたような色をしているので、マガモ♀でした。
そもそも私にとってマガモは冬鳥という認識で、夏に見かけるのは初めかもしれません。

エクリプスとは、

天体の日食などの、食という意味。もともとは輝きを失うことだが、鳥ではカモ類の♂の夏から秋にかけての非生殖羽を指す。 (『マルチメディア鳥類図鑑』より引用)



カモ類の雄は派手な体色をするものが多いが、繁殖期を過ぎた後、一時的に雌のような地味な羽色になるものがおり、その状態を指す。エクリプス羽(英:eclipse plumage)。もともとは日食や月食などの食を意味する。 (wikipediaより引用)

マガモの場合、

非繁殖期のオスはメスとよく似た羽色(エクリプス)になるが、くちばしの黄色が残るので区別できる。 (wikipediaより引用)


ところで、この水路はいつも洗剤の人工的な匂いが漂い、水面が泡立っています。
水質汚染が環境や生き物に及ぼす悪影響が気がかりでなりません。
工場や銭湯の排水が川に垂れ流されている違法状態ではないかと疑っているのですけど、どこに通報すれば良いのですかね?
告発・通報する前に、自分でもCOD(化学的酸素要求量)BOD(生物化学的酸素要求量)などを測って水質調査してみたいところです。



繁殖期が終わったのに、2羽のマガモは付かず離れずクルクルと川面を泳ぎ回っていました。
マガモ♀♂は洗剤で白い泡だらけの水面を嘴でつついています。
水面の白い泡を何か餌だと誤認しているのかもしれません。
逆立ちしての潜水採食をしないのが不思議でした。
どうして水質のきれいな(ましな)本流で採食しないのでしょう?
水質汚濁による富栄養化で食植性の水鳥が集まってきてしまうのかな?
汚水とともに流れてくる虫の死骸を食べているのだとしたら最悪です(生物濃縮が心配)。

しかしマガモは草食性のはずですし、泡立つ水面で実際に何を啄んでいたのか採食メニューは不明です。
鳥は羽繕いの際に尾腺から分泌する脂分を羽根に塗り広げます。
水鳥が洗剤で汚染された川で活動していたら、その脂分が洗い落とされて羽根の撥水性が失われてしまうのではないでしょうか?

私がそっと近づいて撮ろうとすると、警戒したマガモ♀♂は川の流れに乗って逃げてしまいました。


【追記】
カモの♂は渡りの前、外敵に襲われにくくするため♀と同じような羽色の羽根に換羽してから渡って来ます。この状態をエクリプスと言います。
♂がエクリプスになる理由を書いてある本を読んだのは初めてで、なるほどと納得しました。


マガモ♀(野鳥)@川面遊泳
マガモ♂エクリプス(野鳥)@川面遊泳+採食

池で単独産卵するギンヤンマ♀



2019年8月下旬・午後13:25頃

ギンヤンマ♀(Anax parthenope julius)が公園の池で単独で産卵していました。
池から生えた枯枝に掴まり、腹端だけを水中に浸しています。
腹端の産卵管で探っているものの、細い枯枝(枯死植物)の樹皮にうまく突き刺せないようです。
翅が黒っぽく染まっていないということは、老熟個体ではなくて産卵経験が浅い個体なのでしょう。
側面から見ると、脚の腿節は赤褐色で、複眼および胸部は鮮やかな黄緑色でした。

枯枝から急に飛び立つと、近くで縄張りを張っていたシオカラトンボ♂が背後から追いかけて来ました。
ギンヤンマ♀は少し飛んでから、池の岸の草むらに止まり直しました。
岸から垂れ下がったイネ科の草の葉にしがみ付くと、水面に浮いているイネ科の落葉に産卵管を突き刺そうとしています。
すぐにまた飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

今回、単独産卵中の♀を警護する♂の姿を近くで見かけませんでした。


図鑑『日本のトンボ』でギンヤンマの産卵について調べると、

産卵(Oviposition) 交尾を終えたペアは連結態のまま水面に飛来し、浮葉植物の葉や浮いた枯死植物などに産卵する。♀単独での産卵も行う。 (p207より引用)

▼関連記事(6年前の撮影)
ギンヤンマ♂♀の連結産卵


ギンヤンマ♀@池:枯枝+単独産卵
ギンヤンマ♀@池岸:イネ科草葉+単独産卵

2019/12/30

倒木に腰掛け体を掻くニホンザル



2019年7月下旬・午後7:45頃

野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)が林縁の倒木に座って右腿をポリポリ掻いていました。
私に気づくと警戒して山林へ移動し身を隠しました。


ニホンザル@倒木

休息中に口吻を伸縮運動するジャノメチョウ



2019年8月下旬・午後13:12

河畔林の林縁でジャノメチョウMinois dryas bipunctata)が何か蔓植物(種名不詳)の葉に止まっていました。
直射日光は当たっていないのですが、翅を全開にして休んでいました。

ゼンマイ状の口吻をクルクルと伸縮させている行動が興味深く思いました。
葉に水滴や鳥の糞などは付いておらず、このジャノメチョウは葉の表面を舐めているのではありません。
蝶は羽化直後の成虫が似たような行動をして元々は2本に別れていた口吻を1本のストロー状に結合するのですが、この個体は翅が擦れていますし羽化直後ではありません。
もしかすると口吻に水分を少し吐き戻してから伸縮させ、気化熱で口元から体温を冷やしているのかな?と妄想を逞しくしてみました。
これを検証するために、解像度の高いサーモグラフィカメラで動画を撮ってみたいところです。

▼関連記事(1年前の撮影)
イチモンジセセリ?の舌舐めずり

急に前脚で顔(複眼?)を猛烈に拭ってから、飛び立ちました。
飛び去る瞬間の様子を1/5倍速のスローモーションでまずはご覧ください。


ジャノメチョウ@?葉上+口吻伸縮+身繕い

2019/12/29

離着陸を繰り返すオナガサナエ成熟♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月下旬・午後14:00頃

川から少し離れた堤防上の路肩で見慣れないトンボが枯草の茎の天辺に静止していました。
図鑑で調べてみると、オナガサナエMelligomphus viridicostus)の成熟♀でした。
頭部をグリグリと動かし、辺りを油断なく見張っています。
ここで縄張りを張り、餌となる小さな昆虫が飛来するのを待ち伏せているようです。

飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@0:16〜)
首をねじってから、その方向に力強く羽ばたいて離陸しました。
すぐに左へ急旋回し、同じ枯れ茎に舞い戻って来ました。
着陸の寸前まで脚を胴体に縮めていることが分かります。
止まる向きも同じでした。
空中での狩りは失敗だったようで、獲物は捕らえていませんでした。

次はカメラを三脚に固定してハイスピード動画を撮りながら、私がトンボに近づいて飛び立たせました。
オナガサナエ♀は前方に急速発進して逃げ、少し離れた笹の葉に止まり直しました。

しつこく同一個体の撮影を続けます。
ハイスピード動画を撮りながら、笹を揺らして強制的に飛び立たせてみました。
するとオナガサナエ♀はすぐ隣の葉先に止まり直しました。



つづく→警戒心の薄い鈍感なオナガサナエ成熟♀【ハイスピード動画】

オナガサナエ成熟♀c@枯茎天辺
オナガサナエ成熟♀c@枯茎天辺

オナガサナエ成熟♀c@笹葉

夜も岸から池の幼鳥を見守るカルガモ親鳥(野鳥)



2019年8月中旬・午後19:10頃(日の入り時刻は午後18:31)
▼前回の記事
真夏にカルガモとクサガメが集う池の岩場(野鳥)

日没40分後に蓮池の定点観察に来てみると、12日前の夜と同じく、カルガモAnas zonorhyncha)の親鳥(おそらく♀?)は岸壁の縁に座り込んでいました。
池を向いて辺りを油断なく監視しています。

岩場では2羽の幼鳥が未だ覚醒していて、羽繕いしていました。
オレンジ色の外灯(ナトリウムランプ)が一晩中煌々と点いているので、暗闇に紛れて夜行性の捕食者が忍びよろうとすればカルガモの群れはすぐに気づいて逃げ出すことができるでしょう。
このカルガモ一家は安全なねぐらを選んだのです。

1枚だけストロボを焚いて写真に撮っても親鳥は逃げませんでした。
人馴れしているというか、むしろ積極的にヒトの存在を当てにしている(ヒトに幼鳥を守ってもらう)のでしょう。

この池には他にも多数のカルガモが生息していますが、その多くはヒトから離れた対岸で休んでいます。

カルガモ親鳥はこうやって夜通し岸から幼鳥を見張っているのでしょうか?

それとも、夜が更けたら幼鳥と一緒に岩場で寝るのかな?
一度ぐらいは夜中にも観察すべきでした。


つづく→


カルガモ(野鳥)親鳥♀@夜:池畔+見張り

ヒメジョオンの花蜜を吸いながら脱糞するツメクサガ(蛾)



2019年8月下旬・午後12:55頃

河川敷に咲いたヒメジョオンの群落でツメクサガHeliothis maritima adaucta)が訪花していました。
翅を半開きのまま吸蜜しています。
腹部がかなり太いので♀なのかな?

その腹端下面が黄色に染まっているのは、ヒメジョオンの花粉なのでしょう。
ヒメジョオンの花に腹端を擦っているのなら、ツメクサガ♀は送粉者として働いていることになりそうです。
近接する花には飛ばずに歩いて移動しています。

吸蜜しながら腹端から黄色っぽい液状便を排泄しました。(@1:27)
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
直後に少し飛んで隣の花に移動したということは、飛び立つ前に少しでも軽量化するために排便したのでしょう。
羽化直後を除くと蛾の成虫の脱糞を見たのは初めてかもしれません。

最後は満腹になったようで、伸ばしていた口吻をクルクルとゼンマイ状に丸め、左前脚で左触角と複眼を拭ってから飛び立ちました。(@1:50)


▼関連記事(6年前にヒメジョオンの花で撮影)
飛べ!ツメクサガ【ハイスピード動画&HD動画】


ツメクサガ(蛾)@ヒメジョオン訪花吸蜜
ツメクサガ(蛾)@ヒメジョオン訪花吸蜜

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