2016/10/08

タヌキの溜め糞で喧嘩するカメムシ



2016年7月上旬・午後18:49

堤防の階段にいつも残されているホンドタヌキの溜め糞でカメムシが二匹、激しく争っていました。
成虫なら♀を待つ間に♂同士が縄張り争いをしていると予想されます。
しかし幼虫なら、餌場を巡る喧嘩になります。
糞そのものを吸汁しに来たのか、それとも溜め糞に含まれる植物の種子から吸汁するのか、興味があるのですけどしっかり観察できませんでした。

映像を見直すと、昔観察した喧嘩カメムシと似ている気がしました。

▼関連記事
ヘビイチゴの果実で争うナガカメムシ科幼虫の群れ
今回もアムールシロヘリナガカメムシの幼虫ですかね?(当てずっぽうです)

動画の画質が粗いのは、夕方でかなり薄暗いためです。
あいにく赤外線の暗視カメラを持参していませんでした。
未採集、未採寸。
カメムシを同定するために採集すればよかったですね。
ビニール袋や手袋が無かったので、汚物に触れるのを躊躇してしまいました。(まだまだ修行が足りません。)
動画の次にストロボ写真を撮ろうとしたときには溜め糞に潜り込んで見失ってしまいました。

ちなみに、鳥獣の糞に集まり吸汁するカメムシを観察したのはこれが四度目です。
初回は意外で衝撃を受けましたけど、フィールドで注意しながら見て歩けば、実はそれほど珍しくないのかも?と思うようになりました。


▼関連記事




桜の実を食すスズメ(野鳥)



2016年6月中旬・午後18:59

小さな公園の桜(ソメイヨシノ?)の木の下でスズメPasser montanus)が採食していました。
頬の黒斑が薄いので幼鳥ですね。
嘴の端はもう黄色くありません。
地面で何かを啄んだのでよく見ると、枝から落ちたサクランボ(桜の果実)を種子ごと丸呑みしました。
直後に私を警戒して飛び立ちました。
このスズメがどこかで糞をすれば未消化の種子が散布され、桜の分布拡大につながります。(種子散布)

※ 日没直前に撮った薄暗い映像に対して動画編集時に自動色調補正を施して彩度を上げています。




虫を捕食するイブキヒメギス♂



2016年7月中旬

山間部の道端に生い茂ったヨシの葉にイブキヒメギス♂(Eobiana japonica)が乗っていました。
よく見ると何か黒っぽい虫を捕食していました。
獲物の正体は不明です。
次はそっと近づいてマクロレンズで接写しようとしたら運悪く車が通りかかり、イブキヒメギス♂は跳んで逃げ、見失ってしまいました。



2016/10/07

タヌキの溜め糞とオカダンゴムシ♀



2016年7月上旬

堤防の階段の同じ場所にホンドタヌキの溜め糞が年中、残されています。
ときどき通りかかる度に何か面白い虫が来ていないかチェックしています。
この日は雨で溶けて糞の原型をほぼ留めていませんでした。
かなり悪臭を放っています。
古い糞に混じった種子から植物が芽生えていました。(タヌキによる種子散布



オカダンゴムシ♀(Armadillidium vulgare)が一匹、頭を糞に突っ込んでいました。
背中の黄色い斑点が♀の特徴です。
徘徊して最後は糞の凹んだ穴に潜り込みました。

画質が粗いのは夕方でかなり薄暗いためです。
赤外線の暗視カメラは持参していませんでした。


関連記事(6年後の撮影)▶ 河畔林でタヌキの溜め糞に群がるオカダンゴムシ♀♂


※ この糞塊が本当にタヌキの溜め糞かどうか、実は疑問に思い始めました。
プロは糞を見ただけで判別できるのかもしれませんが、私は未だ自信がありません。
この辺りに生息する野生動物として他にニホンアナグマとハクビシン(†追記参照)も目撃している上に、飼い犬が散歩のついでに排便している可能性もあるからです。
カメラトラップ(トレイルカメラ)を仕掛けて無人の赤外線カメラで溜め糞を監視すればたちどころに解決するはずですけど、機材を買い揃えるまでお預けです。



†【追記】
古谷益朗『なぜハクビシン・アライグマは急にふえたの? (シリーズ鳥獣害を考える―ハクビシン・アライグマ)』によると、
ハクビシンは「ためふん」といって、一定の場所にふんをまとめてする習性があります。ねぐらなどでは、よくこの「ためふん」が見つかります。(p10より引用)



ヤナギハナガサの花蜜を吸うモンシロチョウ



2016年7月中旬

民家の花壇に咲いたヤナギハナガサ(=サンジャクバーベナ、三尺バーベナ)にモンシロチョウPieris rapae)が訪花していました。
ヤナギハナガサの花から花へ飛び回るものの、すぐ隣に咲いているグラジオラスでは吸蜜しませんでした。

この組み合わせは意外にも初見です。
同じ日に別の場所でも見かけました。






2016/10/06

セマダラコガネを狩り肉団子を作るコガタスズメバチ♀



2016年7月上旬・午後18:37

堤防の土手に咲いたネムノキの灌木にコガタスズメバチVespa analis insularis)のワーカー♀が訪花していました。
花蜜が目当てではなく、獲物を探して飛び回っています。
未だ明るいのに、ネムノキの葉が閉じかけています。

蜂が花の陰で何か獲物を捕らえました。
近くに生えたススキの群落に飛んで移動し、枯れ茎にぶら下がると、獲物を解体して肉団子を作り始めました。
コガタスズメバチ♀は左後脚の跗節を引っ掛けただけで器用にぶら下がっています。
獲物はおそらくセマダラコガネExomala orientalis)だと思います。

▼関連記事
ウツギの花で食事するセマダラコガネ
獲物の翅を毟り取って捨て、邪魔な脚も切り落としているようです。
セマダラコガネの筋肉を噛みほぐして肉団子が出来上がりましたが、かなり粗挽きの挽肉です。
コガタスズメバチはこれを咥えて巣に向かって飛び去りました。



高圧線の鉄塔で鳴いて♀を呼び寄せるノスリ♂(野鳥)



2016年7月上旬・午後16:07〜16:17

▼前回の記事
高圧線の鉄塔から見張るノスリ(野鳥)

一週間(7日)ぶりの定点観察に行くと、郊外の田園地帯に立つ高圧線の鉄塔c
#23ノスリButeo japonicus)と思われる猛禽類がこの日も居ました。
今回は大きな進展がありました。
いつものようにてっぺん近くの鉄骨に止まっていましたが、珍しく西を向いて眼下の水田を見下ろしています。
まず後ろ姿を撮ってから少し移動し、真横からのスナップショットも撮りました。

鉄塔のノスリ♂がピーエ、ピーエ♪と甲高い声で繰り返し鳴き始めました。(@0:56)
嘴の動きと鳴き声が同期している(リップシンクロ)ので、この個体の鳴き声で間違いありません。
これが囀りだとしたら♂

突然、左の方から別個体の猛禽が飛来し、鉄塔の同じ高さに止まりました。(@2:32)
つがいの♀を鳴いて呼び寄せたのでしょうか?
若鳥や親子の可能性もありますかね?
2羽の体長を比べたいのですが、鉄骨が邪魔ですし、近くに並んでくれません。

オスよりもメスの方が大型になる。背面は褐色、腹面は淡褐色の羽毛に覆われる。喉の羽毛は黒い。(wikipedia:ノスリより)
鳴いていた♂は後ろを向いているため、初めは気づいていない様子。
ようやく振り返って見て、♀に声をかけました。
右側の♂が鳴き方を変えて柔らかい鳴き声になりました。
求愛の鳴き声なのかな?
左側の個体(♀?)は鉄塔で身震いし(@3:26)、次に尾羽を持ち上げ脱糞しました。(@3:48)
不意に左側の個体(♀?)が鉄塔からフワリと飛び立ちました。(@4:26)
羽ばたく際に翼下面の特徴を確認できて、ノスリと判明。
すぐに旋回して飛び去りました。

一方、♀を見送った♂は鉄塔に居残り、さえずり?を再開。
どうやら遠くの別個体と鳴き交わしているようです。
鉄塔下の地上(民家の庭)で採食中のハシボソガラスCorvus corone)を2羽見つけました。(@5:02)
一つ隣の鉄塔dで営巣しているつがいかもしれません。
いつも不思議に思うのは、カラスが巣の近くで暮らしているノスリに対してモビング(擬攻撃)に向かったり追い払ったりしないことです。
何か特別なカラス撃退法を身につけた手強いノスリなのでしょうか?

ちなみに、この鉄塔cをいくら探しても鳥の巣は見当たりません。
ノスリもカラスも営巣していないのです。
ノスリは近くの防風林で営巣していそうですけど、未確認です。

鉄塔の横の道を更に歩いて、最後はノスリの前から撮りました。
西日を浴びて未だピーエ♪と甲高く鳴いています。


ノスリ♂の鳴き声を声紋解析してみる?







2016/10/05

死んだイモムシに集まるミスジヒメヒロクチバエの翅紋誇示



2016年7月上旬

峠道を法面補強した土留のコンクリート壁面に蔓植物イワガラミが垂れ下がり壁面緑化されています。
その葉陰から覗いている妙な物が気になって葉をめくってみたら、かなり大型のイモムシ(蛾の幼虫)の死骸でした。
死後かなり経過しているようで、腐って全体に黒変しています。
下半身は溶けたように千切れています。
なんとなく、死因は虫カビや寄生などによる病死ではないかと勝手に推測しました。
腐りかけたイモムシの種類を同定するのは無理そうですが、頭楯は真っ黒です。

微小のハエが数匹、死骸に取り付いて身繕いしながら翅紋を誇示していました。
カメラを近づけても逃げない個体を接写してみます。
2匹のハエが死骸の上下に居残っています。
死骸から逃げた個体が近くのイワガラミの葉で前脚を擦り合わせていました。
素人目にはミバエの仲間に見えます。
しかし、死骸を吸汁しに集まるという話は聞いたことがありません。

この日はあまりにも暑くて日射病気味だった私は、マクロレンズを取り出して装着するのも億劫でやりませんでした。
左手で葉をめくりながら右手だけで接写しようとすると、幼虫が絶え間なくブラブラと揺れるので非常に難しいのです。
同定のためにハエだけでも採集すればよかったですね。
もしハエが死骸に産卵したとすれば、芋虫の死骸を採集して飼育すれば次世代が成虫まで育つでしょうか?



いつもお世話になっている「一寸のハエにも五分の大和魂」掲示板でハエの写真鑑定を依頼したところ、茨城@市毛さんよりご教示頂きました。

写真のハエは,ミバエ類ではなく,ヒロクチバエ科のRivellia nigricansミスジヒメヒロクチバエかその近縁種のようです.
また、芋虫の死因についてliriomyzaさんより以下のコメントを頂きました。
おそらく,核多角体病(NPV),ウイルス病かもしれません。死骸の一部をスライドグラスに,一滴の水を垂らして,400倍程度で,六角形の多角体が見えれば核多角体病と思います。
wikipediaの解説によれば、
(バキュロウイルス科に属するNPVに感染した)感染虫は、動きが鈍くなり、変色し、内部が崩れて液状化し死ぬ。表面は黒くなってその後破れ、内部の多角体をまき散らすことになる。


【追記】
成田聡子『したたかな寄生:脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様 (幻冬舎新書)』によると、マイマイガ幼虫に感染するバキュロウイルスによる行動制御が遺伝子レベルで詳細に調べられているそうです。
私が今回観察した宿主の幼虫は芋虫タイプであり、マイマイガの毛虫とは明らかに異なりますが、参考のために引用しておきます。
バキュロウイルスは節足動物に感染し、宿主に対する種特異性が高いことで知られています。つまり、マイマイガに感染しているバキュロウイルスは他の種類の昆虫には感染できません。(中略)通常、ガの幼虫の成長はかなり早く数日に一度は脱皮して大きくなりますが、バキュロウイルスに感染している幼虫はいくら食べても一向に体が大きくなりません。食べたエネルギーはすべてウイルスの増殖に使われているからです。 そして、ウイルスが体内で十分に増殖し、次なる宿主に移動する段階になると、現在の宿主であるマイマイガの行動を操ります。 通常、マイマイガの幼虫は昼間、鳥などの天敵に見つからないように地面に近い場所でじっと身を隠しています。そして、夜になると木の上に登って葉を食べます。しかし、バキュロウイルスに感染した幼虫は、昼も夜も関係なく木や葉の上を目指して登り始めます。そして、葉の一番上に登りきると、動かなくなり、何かを待っているかのようにそこでじっと待機します。このとき、幼虫の体内ではバキュロウイルスが幼虫の体を溶かす大量の酵素を生成して、宿主である幼虫をドロドロに溶かしてしまいます。 そうして、体の形を保てなくなった幼虫は、溶けながら、葉の上から下に流れ落ち、ウイルスを大量にまき散らしていきます。そして、葉の上に落ちたウイルスは新たな宿主に葉と共に食べられることで、また感染を繰り返していくのです。p166-167より引用)

研究者は更に、バキュロウイルスがコードする遺伝子の中で、感染したマイマイガ幼虫を木に登らせるという異常行動を引き起こす原因遺伝子を見事に突き止めています。
延長された表現型」が遺伝子レベルで解明された例としてエレガントな研究です。
新書の中で原著論文も紹介してくれているのは親切ですね。
Hoover, Kelli, et al. "A gene for an extended phenotype." Science 333.6048 (2011): 1401-1401.(検索すれば全文PDFが無料ダウンロード可)
ただし、マイマイガを用いた研究の結果がそのまま別種の蛾の幼虫に当てはまるとは限らないので注意が必要です。
ウイルスと宿主の組み合わせによって、ウイルスによる行動制御の仕組みがそれぞれ異なっていると、現在では考えられています。p169より)



渡部仁『微生物で害虫を防ぐ (ポピュラー・サイエンス)』という昆虫病理学の入門書を読んだら、核多角体病についてしっかり勉強することができました。
りん翅目昆虫(チョウやガの仲間)に核多角体病の発生が多いようです。幼虫が病気になると、体節と体節の間の皮ふがふくれてそこが傷つきやすくなり、体が黄色味を帯びてきます。正常な幼虫の体液は無色か、あるいはやや黄味を帯びていても透き通っていますが、病虫は皮ふの傷口から白く濁った牛乳のような体液を流しながら落ち着きなく歩きまわります。やがて病気の末期になると、不思議なことに、昇天を急ぐかのように高い所へと登って行き、そして、木の枝の先あるいは草の葉の先端にはい登り、腹肢を固定してぶら下がって死にます。やがて、死体はどろどろに溶けてしまうのです。樹木の先端に、時々このような病虫がたくさん集まって大きな塊になることがあります。 (p24-25より引用)

 虫の病死体から飛散した多角体は、広く土の表層に分布し、周辺の植物の葉に付着する機会が多いといわれています。昆虫が植物を食害する際に、たまたま葉に付着していた多角体を一緒に食べると、核多角体病が伝染することになります。つまり、食下された多角体は、虫の消化管の中でアルカリ性の消化液によって溶かされ、中からばらばらになって出てきたウイルスが、消化管壁から体の中へ侵入し、いろいろの組織に感染するのです。(p29より引用) 


ヒダリマキマイマイの脱糞【40倍速映像】



2016年7月上旬

夜、いつものように飼育容器内に霧吹きしようとしたら、一匹のヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)が壁面で脱糞していました。
ニンジンを食べた後なので、赤っぽい糞です。
腹面からも見て排泄中と確認しました。
体の右側面から排便しています。
40倍速の早回し映像をご覧下さい。



↑【おまけの動画】
微速度撮影したオリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開します。




【追記】
野島智司『カタツムリの謎』という本によると、
ヒトは、胆のうでつくられる胆汁の色が混じって茶色のようなフンをします。しかし、カタツムリは胆のうを持ちません。また、ヒトと違ってカタツムリは食べ物に含まれる色素を分解することができません。そのため、カタツムリのフンは食べたものの色がそのまま反映されます。 (p128-129より引用)


2016/10/04

威嚇姿勢で鳴く♪ハシボソガラス(野鳥)



2016年7月上旬

町外れでハシボソガラスCorvus corone)同士が小競り合いになり、喧しく鳴き交わしていました。
電線に止まった一羽に注目して撮影すると、口の中が黒いので成鳥でした。
鳴きながら車道の反対側の電柱のてっぺんのワイヤーに止まり直しました。
左右の翼を同時に持ち上げ、肩をすくめるような姿勢で鳴き騒いでいます。
この行動はおそらく威嚇誇示なのでしょう。
足元の電線に嘴を擦り付けて、攻撃性の捌け口としています。
どうやら近くに居る別個体と口論になっているようです。
2羽を同時にカメラの画角に収めることは無理でした。

私が通りかかる前から騒いでいたので、私に対する威嚇や攻撃性ではありません。



エゾアジサイの花で採餌するトラマルハナバチ♀



2016年7月上旬

峠道の脇の斜面に咲いたエゾアジサイの群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
花上を歩き回る際は羽ばたきを止めています。
それでも甲高い羽音のような音が続いて聞こえたのは、(私の幻聴でなければ)振動集粉なのでしょう。
(振動集粉の音がうまく録音されていないのは、やや遠いから? カメラの仕様で高周波成分がカットされたから?)
蜂は飛びながら前脚を擦り合わせていました。
後半は花にぶら下がって身繕い。



2016/10/03

クリの枝で跳躍移動、横歩きするサシバ♂(野鳥)



2016年7月上旬
▼前回の記事
樹上で脱糞するサシバ♂(野鳥)

用水路から救助した直後のサシバ♂(Butastur indicus)が用水路沿いのクリの木の枝で休んでいます。
ちなみに、栗の花はもう咲いていません。

望遠レンズを向けると、サシバ♂は枝をピョンピョン跳んで移動しました。
横歩きで枝を右往左往することもありました。
ときどき頭を下げて枝葉の隙間からこちらの様子を伺っています。
やがて身震いして羽根の水気を切りました。

ようやく腹面の模様がはっきり見えました。
若鳥に特有の縦斑が無いので成鳥なのかな?
てっきり、巣立ちの初飛行に失敗して用水路に落ちた若鳥かと思い込んでいました。
若鳥だとしたら、生還後は鳴いて親鳥を呼び寄せるかと予想したのですけど、樹上ではもう鳴かなくなりました。
近くの林の樹冠で鳴き続ける親鳥?の近くへ戻るかと期待したものの、一向に飛び立ちません。

サシバの特徴である「喉は白く中央に黒い縦線」がはっきりしません。
喉が白くないのは何故でしょう?
濡れた羽根が乾けば現れるのか、それともこれから換羽するのかな?
この個体は珍しいとされる、全身が黒褐色の暗色型サシバなのでしょうか?

疲れているのか、どこかへ飛び去る気配はありません。
このまま夜を過ごすのでしょうか?
ねぐらを見届けたかったのですけど、夕刻で私の帰る時間が迫り観察を打ち切りました。
鶴の恩返しならぬ、『サシバの恩返し』お待ちしております♪

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
退屈な動画かもしれませんが、千載一遇のチャンスなので長撮りしてみました。
すっかり情が湧いた私にとって、サシバの一挙手一投足が格好いいです。

シリーズ完。



【追記1】
私は未だサシバの細かな識別に自信がありません。
平凡社『日本動物大百科3:鳥類I』p162によると、
成鳥の♂は頭部が灰褐色、♀は暗褐色。♂の体と翼の上面は赤みのある褐色。♀は暗褐色。雌雄とも胸に太い横帯、腹に横縞、のどに太い縦線が1本、尾には暗褐色の横帯が4本ある。♀は眼の上に白い眉斑があるものが多いが、♂では眉斑のないものが多い。眼は金色。幼鳥は成鳥に似ているが、体の上面に赤みがなく、胸から腹にかけて縦斑がある。眼は暗褐色で、眉斑が幅広い。まれに全身黒褐色のタイプが見られる。メスのほうが少し体が大きい。




【追記2】
大田眞也『猛禽類探訪記』によれば、今回の個体は成鳥♂ですかね?
(サシバの)喉は白っぽくて中央に黒褐色の縦線が一本あり、胸や腹には成鳥では横斑、幼鳥では縦斑が密にあります。頭部は、♀では暗褐色ですが、♂では灰色を帯び、白い眉班は♀では幅広くて明瞭ですが、♂では不明瞭で目立ちません。なお、希に白い部分がほとんど無い全身が暗褐色のものもいます。 (p72より引用)



【追記3】
栃木県市貝市での観察記録をまとめたNPO法人オオタカ保護基金 編『英訳付 サシバの里物語 :市貝町とその周辺の里山の四季』によると、
♀は♂に比べて少し大きく、体の上面の赤味や顔の灰色味が薄く、白い眉斑が目立つものが多いです。 (p56より引用)




オオアワダチソウの花で採餌するハキリバチの一種♀



2016年7月上旬

民家の花壇に咲いたオオアワダチソウの群落でハキリバチの仲間♀が訪花していました。
腹面のスコパにオレンジ色の花粉をびっしり付けています。
冒頭でフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)のワーカー♀とニアミスしました。


▼関連記事
オオアワダチソウの花蜜を吸うフタモンアシナガバチ♀

私有地に勝手に踏み込む訳にはいかないのでハチに近づけず、公道から望遠で狙うしかありません。



2016/10/02

クリの花で食餌するマメコガネ同士が威嚇牽制



2016年7月上旬

峠道の横に生えたクリの灌木で2匹のマメコガネPopillia japonica)が訪花していました。
なぜか枯れかけ(終わりかけ)の花に集まって、花蜜や花粉を食べているようです。
互いに近接しているので、初めは交尾中なのかと思いました。
(直前までマウントしていたのかも?)
互いに牽制するために後脚を大きく広げました。
片足ずつゆっくり伸ばすことが多いようです。
餌場での個体間距離を調節しているのでしょう。
直接的に相手を強く蹴る攻撃は見られませんでした。(おそらく、やらないのでは?)
私がカメラを近づけた時も同じポーズで威嚇しました。

これはマメコガネではよく知られた行動です。

人が近づいたり植物が揺れたりすると後脚を斜めに挙げる動作をとる。(wikipediaより)


樹上で脱糞するサシバ♂(野鳥)



2016年7月上旬

用水路から救助した直後のサシバ♂(Butastur indicus)がクリの木の枝から突然、白っぽい液状の糞を勢い良く噴射しました。(@0:14)
何も食べていないはずのに、長時間水に浸かってお腹が冷え、下痢になったのでしょうか。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→クリの枝で跳躍移動、横歩きするサシバ♂(野鳥)



サーターアンダギーと化したナラメリンゴフシ【虫こぶ】



2016年7月上旬

虫瘤ナラメリンゴフシの定点観察記録#4


山間部の道端に生えたミズナラ幼木の枝先に形成されたナラメリンゴフシの様子を見るため、9日ぶりに足を運びました。

梅雨のせいか、表面が柔らかく脆くなっていました。
湿ったサーターアンダギー(揚げドーナッツ)を連想しました。
なんか美味しそうですね。
虫こぶ上を徘徊する小蜂(ナラメリンゴタマバチ?;Biorhiza nawai)も居なくなったようです。

つづく→#5



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