2026/06/21
幼い子猿に授乳しながら排尿するニホンザル♀
2026/06/19
電線で餌乞いして父親を呼ぶモズの幼鳥(野鳥)
A1: モズは成鳥♀も全体的に褐色で、腹に細かい横斑(波状紋)があるため、幼鳥と紛らわしいことがあります。しかし、慣れると比較的見分けられます。主な識別点は次の3つです。
1. 頭部や背の「ウロコ模様」
最も重要です。
幼鳥は頭頂から背中、胸にかけて細かいウロコ状の斑紋が目立ちます。特に頭部にウロコ模様があれば、まず幼鳥と考えてよいでしょう。 (あきた森づくり活動サポートセンター)
一方、成鳥♀は腹部や脇に波状紋があっても、頭部や背中は比較的すっきりした褐色です。幼鳥ほど全身がウロコ模様には見えません。 (あきた森づくり活動サポートセンター)
2. 嘴の付け根(口角)
巣立ち後まもない幼鳥では、雛の名残で口角が黄色っぽく見えることがあります。 (ズカンドットコム)
成鳥♀ではその黄色味はなく、嘴全体がより均一な色になります。
ただし、秋になると黄色味が薄れるため、この特徴だけでは判断しにくくなります。
3. 羽衣の新しさ
幼鳥は全体にふわっとした印象で、斑紋も鮮明です。
秋以降は幼鳥が換羽して第一回冬羽になるため、見分けが難しくなりますが、それでも若鳥では胸や脇の横斑が強く残ることがあります。 (ズカンドットコム)
実際の野外では
頭部までウロコ模様 → 幼鳥
腹だけ波状紋で頭部は無地 → 成鳥♀の可能性大
口角が黄色い → 幼鳥
夏(6〜7月)に見たばかり巣立った個体 → 幼鳥の可能性が高い
という判断が有効です。
もし写真があるなら、モズは頭部の模様を見るだけでかなりの確率で幼鳥か成鳥♀か判定できます。写真を見せていただければ、どこに注目すべきか具体的に説明できます。
Q2: 最近(6月上旬)に平地の郊外の裏庭で観察。電線に留まってキチキチキチ…と鳴いていた個体が、後から飛来した別個体に給餌された。巣立った幼鳥に親鳥が巣外給餌したのか、それとも♂がパートナー♀に求愛給餌したのか、2つの可能性で悩んでいる。問題の個体は正面を向いていたので、腹面の鱗模様は見えたが、背中や頭部に鱗模様の有無ははっきり見えず。
A2: その状況だと、私は「巣立ち幼鳥への給餌」の可能性をまず疑います。
理由はいくつかあります。
鳴き声が「キチキチキチ…」
モズの巣立ち雛や巣立ち後まもない幼鳥は、親に餌をねだる際に繰り返し声を出します。
一方、求愛給餌を受ける成鳥♀は、幼鳥ほど執拗に餌乞いを続けることはあまりありません。給餌直前に短く鳴くことはありますが、電線に止まって長時間「キチキチキチ…」と鳴き続ける姿は、むしろ幼鳥を連想させます。
時期が6月上旬
モズの繁殖期を考えると、6月上旬は多くの地域で第一回繁殖の巣立ち雛が存在する時期です。
地域差はありますが、
4~5月:抱卵・育雛
5~6月:巣立ち
6~7月:巣外給餌
という流れは十分あり得ます。
したがって、「親が巣立ち幼鳥に餌を運んでいた」という解釈は季節的にも自然です。
求愛給餌の時期との関係
求愛給餌は通常、産卵前後に盛んになります。
6月上旬でも二番繁殖や再営巣なら起こり得ますが、単に時期だけを見ると、既に巣立ち幼鳥がいるケースの方が一般的かもしれません。
腹面の鱗模様
ここが少し厄介です。
モズでは、
幼鳥 → 胸から腹にかけて強い鱗模様
成鳥♀ → 腹面に波状横斑
があり、正面から見るとかなり似て見えることがあります。
そのため、腹面だけでは決め手になりません。
識別に有効なのはむしろ、
頭頂
額
頬
背中
の鱗模様です。
観察行動から推測すると
もし給餌を受けた個体が
羽を細かく震わせる
給餌者に向かって身を乗り出す
給餌後もしばらく後を追う
ような行動を示していたなら、幼鳥の可能性がかなり高くなります。
逆に、
給餌後も落ち着いている
2羽がほぼ対等な雰囲気で行動する
なら求愛給餌も考えられます。
もう一つの手掛かり
給餌した個体の外見はどうでしたか。
もし給餌した個体がはっきりした黒い過眼線と灰色の頭を持つ♂なら、
♂→幼鳥
♂→♀(求愛給餌)
の両方があり得ます。
しかし、給餌した個体が♀だった場合は、ほぼ確実に巣立ち幼鳥への給餌です。
観察時の「給餌した側」の羽色や、給餌後に2羽がどう行動したかが分かれば、さらに絞り込めると思います。
Q3: キチキチキチ…と鳴いていたのは、てっきり近くで撮影する私に対して警戒声を発したのかと思い込んでいました。
A3: それは十分あり得る解釈ですし、現場ではむしろそのように判断する観察者も多いと思います。
モズの「キチキチキチ…」という声は、警戒声として非常によく知られています。人間、カラス、ネコなどに対して発せられることがあります。
ただし、この声は文脈によっては幼鳥の餌乞い声と紛らわしいことがあります。
今回のケースで重要なのは、
個体が電線に留まっていた
繰り返し鳴いていた
その後に別個体が飛来して給餌した
という一連の流れです。
もし鳴いていた個体が本当に警戒していたなら、その後に給餌が起きたという事実が少し気になります。もちろん親鳥が人間を警戒しながら幼鳥に給餌することはありますが、「鳴いていた個体=幼鳥で餌をねだっていた」と考えると、行動のつながりが自然になります。
一方で、モズの求愛給餌でも、給餌される側(♀)が鳴きながら♂を誘うことがあります。したがって、
幼鳥が親に餌をねだった
♀が♂に求愛給餌を要求した
あなたに対する警戒声だった
の3つは、観察記録だけでは完全には排除できません。
私なら、6月上旬という時期と「給餌された」という事実から、
巣立ち幼鳥への給餌:やや有力
求愛給餌:十分あり得る
単なる警戒声:鳴いていた理由としてはあり得るが、給餌との関係は不明
くらいの評価にします。
もし記録写真が残っているなら、頭部の羽衣以外にも、
嘴の付け根(口角)が黄色っぽく見えないか
尾羽が短めに見えないか
羽毛がややふわついて見えないか
といった幼鳥の特徴を後から確認できる場合があります。
また、給餌後に受け手が給餌した個体を追いかけて飛び去ったなら、幼鳥説がかなり強まります。巣立ち後のモズの幼鳥は親を追尾しながら餌をねだることが多いからです。逆に給餌後も2羽が近くで落ち着いていたなら、求愛給餌の可能性が相対的に高くなります。
Q4: 動画を見直すと、電線に留まったモズ(羽色は全体的に茶色)が方向転換した時に、頭部と背中がちらっと見えたが、鱗模様はなし。後から電線に飛来したのは成鳥♂だった(灰色の夏羽、黒い過眼線が濃い)。♀が急いで♂に近寄って餌を催促したが、餌の受け渡しは行われなかったようだ。♂はむしろ横っ飛びで♀から離れた。餌をうっかり落としてしまったのかもしれないが、後ろ向きでよく見えず。その後も♀はキチキチキチ…と鳴き続けた。♀、♂の順に電線から飛び去り、近くの庭木(イロハカエデ)の枝葉に隠れた。モズの営巣木が近くにあったので、私に対して警戒声を発していたと解釈できそう。
A4: その追加情報を見る限り、当初よりも「成鳥♀が♂に接近した場面」である可能性が高くなったように思います。
特に重要なのは、
頭部や背中に鱗模様が見えない
全体的に茶色い個体だった
相手は明瞭な成鳥♂
♀の方から♂に急接近した
その後も♀が鳴き続けた
という点です。
もし巣立ち幼鳥なら、親が餌を持ってきた際には通常、幼鳥が積極的に接近して餌を受け取ろうとします。ところが今回は、実際に給餌が成立したかどうかが不明で、むしろ♂が横に避けるような動きをしたとのことです。
また、幼鳥であれば頭部や背面の鱗模様がかなり有力な手掛かりになります。動画を確認してそれが見られなかったのであれば、幼鳥説はやや弱くなります。
さらに、
その後も♀はキチキチキチ…と鳴き続けた。
という点も興味深いです。
モズの警戒声は、まさにそのような連続した「キチキチキチ…」です。もし近くのイロハカエデや周辺植栽に営巣中の巣、あるいは巣立ち直後の幼鳥がいたなら、♀があなたを警戒して鳴き続けていた可能性は十分あります。
むしろ今回の行動を時系列で整理すると、
♀が警戒声を発している
♂が飛来する
♀が♂に接近する
餌の受け渡しは確認できない
両個体とも近くの樹木へ移動する
という流れになります。
この場合、「♀が警戒しながらも♂に接近した」というだけで、必ずしも求愛給餌とは限りません。繁殖中のペアであれば、お互いの位置確認や警戒対象への共同対応のために接近することもあります。
私なら現時点では、
成鳥♀である可能性:高い
幼鳥である可能性:低くなった
実際に給餌が成立したか:不明
キチキチキチ…は警戒声だった可能性:かなり高い
と評価します。
もし近くに営巣木があったのであれば、警戒声の解釈はかなり自然です。モズは巣の周辺で人間を見つけると、露出した見張り場所(電線、アンテナ、樹頂など)から長時間警戒声を発することがあります。今回の電線上での行動は、その典型的な状況とも一致します。
Q5: 顔の向きによっては、下嘴の根元が黄色っぽく見えることもありました。成鳥♀ではなく、やはり巣立ち後の幼鳥ですか?
A5: この写真を見る限り、私は幼鳥の可能性がかなり高いと思います。
もちろん1枚だけで断定はできませんが、成鳥♀よりも幼鳥の特徴がいくつか見えます。
まず目につくのが、下嘴基部の黄色味です。
スズメのように派手ではありませんが、口角付近に黄色い部分が残っています。これは巣立ち後しばらくの幼鳥でよく見られる特徴です。成鳥♀では通常ここまで黄色く見えません。
次に顔つきです。
眼が大きく見える
顔全体が丸みを帯びている
頬から喉にかけての羽毛がややふわっとしている
という印象があります。
これは主観的な要素もありますが、巣立ち幼鳥らしい雰囲気があります。
さらに腹面を見ると、はっきりした鱗模様ではないものの、細かな横斑が見えています。
そして重要なのは、「頭部に鱗模様が見えない」ことが必ずしも成鳥を意味しない点です。
モズの幼鳥は巣立ち直後には頭部まで強い鱗模様がありますが、その後かなり早い段階で摩耗や換羽によって不明瞭になります。6月上旬なら、
巣立ち直後の幼鳥
巣立ち後しばらく経過した幼鳥
の両方が存在し得ます。
この個体は後者に近いようにも見えます。
そして何より、あなたが観察した行動と合わせると、
6月上旬
モズの繁殖期
下嘴基部に黄色味
腹面に幼鳥らしい斑
♂が飛来
この個体が盛んに鳴く
という状況は、「巣立ち幼鳥が親♂に餌をねだった」と解釈するとかなり自然です。
一方で成鳥♀説だと、
黄色い口角の説明がつきにくい
写真全体の若々しい印象とやや合わない
という点があります。
また、あなたは先ほど
♀が急いで♂に近寄って餌を催促した
と書かれましたが、この写真を見ると、その行動自体が実は「♀ではなく幼鳥が親に接近した」と解釈できるかもしれません。
もし動画を再確認できるなら、
接近時に羽を細かく震わせていないか
口を大きく開けていないか
親を追尾する動きがないか
を見てみるとよいと思います。
現時点では、私は
成鳥♀:可能性あり
巣立ち後の幼鳥:より有力
と評価します。
特にこの写真の下嘴基部の黄色味は、年齢判定のかなり強い材料に見えます。写真だけを見せられて「成鳥♀か幼鳥か」と聞かれたら、私はまず「幼鳥ではないでしょうか」と答えると思います。
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A: ## ニホンカモシカの幼獣と眼下腺マーキング、縄張りに関する質問ですね。### 幼獣の眼下腺マーキングについて**ニホンカモシカの幼獣が、どの程度の年齢から眼下腺を擦り付けてマーキング行動を開始するのか、という明確なデータは現時点では少ないようです。**一般的に、哺乳類の幼獣は成長とともに成獣と同じような行動パターンを示すようになることが知られています。ニホンカモシカも、ある程度の年齢になると成獣と同様に眼下腺を用いたマーキング行動を行うと考えられます。しかし、幼獣期におけるマーキング行動の頻度や、その意味合いについては、さらなる研究が必要な分野です。### 成獣による幼獣の排斥について**縄張りを持つ成獣が、眼下腺マーキングを始めた幼獣を必ずしも排斥するとは限りません。**ニホンカモシカは、基本的に単独で生活し、縄張りを持ちますが、親子関係や血縁関係のある個体同士は、同じ縄張りにいることもあります。* **親子関係:** 母子は長期間一緒に過ごすことが多く、幼獣が成長してからも、一定期間は母親の縄張り内で生活する可能性があります。* **血縁関係:** 兄弟姉妹や、より遠縁の血縁関係にある個体同士も、同じ地域に生息していることがあります。これらの場合、成獣が幼獣を積極的に排斥する必要性は低いと考えられます。**ただし、以下の条件下では、成獣が幼獣を排斥する可能性が高まるかもしれません。*** **資源の競合:** 食料や隠れ家など、資源が限られている状況では、成獣と幼獣の間で競合が生じ、成獣が幼獣を追い出す可能性があります。* **性成熟:** 幼獣が性的に成熟し、繁殖行動を開始しようとした場合、成獣から攻撃を受けることがあります。### まとめニホンカモシカの幼獣の眼下腺マーキングと、成獣による幼獣の排斥については、まだ解明されていない部分が多く、今後の研究が期待されます。**現時点では、以下のことが考えられます。*** 幼獣は、ある程度の年齢になると成獣と同様に眼下腺を用いたマーキング行動を行う。* 成獣は、必ずしも幼獣を排斥するわけではないが、状況によっては排斥することもある。
A1: 結論から言うと、母親の縄張り内にいるカモシカ幼獣は、基本的に自分の縄張りを主張するための眼下腺マーキングは行わないと考えられています。理由は行動生態的にかなり明確です。
① 縄張りは母親のものだから
ニホンカモシカでは
成獣は単独生活+縄張り制
縄張りは眼下腺分泌物で維持
ですが、幼獣は
母親の縄張りの内部に「居候」している状態
自分の縄張りをまだ持たない
つまり幼獣がマーキングすると
母親と縄張り主張が競合する
空間の支配構造が乱れる
ため、適応的ではありません。
② 実際の観察例
野外研究では
当歳仔:マーキング行動ほぼ見られない
1歳個体:まれに擦り付け行動が出始める
分散期前後:急にマーキング頻度が上がる
というパターンが報告されています。
つまり
縄張り主張は「独立の準備行動」
として出現します。
③ 幼獣が擦り付ける場合の意味
もし幼獣が眼下腺を擦り付けていたとしても、
それは多くの場合
真の縄張り主張ではない
行動の練習
情動発散
嗅覚探索
と解釈されます。
鳥の「練習ソング」と同じで、
機能が成立する前の予行動作
です。
④ 分散が近づくと変化する
幼獣は
体格が成獣サイズに近づき
母親との距離が開き
行動圏が拡大すると
急に
眼下腺擦り付け
樹木への顔押し付け
排糞場所固定
などが増えます。
これは
「ここから自分の縄張りを持つぞ」
という切り替えサインです。
A2: 結論から言うと、独立前のカモシカ幼獣の眼下腺は形態として存在するが、機能的には未熟で、分泌量も行動的使用頻度も低いと考えられています。順に説明します。
① 眼下腺そのものは生まれつきある
カモシカの眼下腺は
生後すぐ存在する外分泌腺
解剖学的には幼獣でも確認できる
つまり
器官として欠けているわけではないです。
② しかし機能成熟は遅い
行動研究・組織学研究から推定されていること:
幼獣では
腺組織が小さい
分泌細胞の活動が弱い
分泌物の脂質量が少ない
つまり
匂い物質は出るが、弱く不安定
です。
これは多くの縄張り性哺乳類で共通です。
③ 分泌が弱い理由(進化的に合理的)
幼獣が強い匂いを出すと
捕食者に検知されやすくなる
母親の縄張り匂いを乱す
成獣との衝突リスクが上がる
ため、
幼獣期は
「匂いを出さないこと自体が適応」
と考えられます。
④ 行動面の発達順序
カモシカでは多くの場合
腺が存在する(出生時)
分泌量が増える(1歳前後)
擦り付け行動が出る(分散前)
本格マーキング(独立後)
という順序をたどります。
つまり
行動が先ではなく、内分泌成熟が先
です。
⑤ 性ホルモンとの関係
眼下腺の活性は
テストステロン
エストロゲン
に強く影響されます。
幼獣期は性ホルモンが低いため、
分泌量が少ない
匂いの化学組成も未成熟
になります。
分散期に急にマーキングが増えるのは、
単に行動学習ではなく
内分泌のスイッチが入るから
です。
Q3: おかげで疑問が解消しました。トレイルカメラや直接観察でカモシカ成獣の眼下腺マーキングはよく見るのですが、カモシカ幼獣では一度も見たことがなくて不思議だったのです。
A3: それはとても筋の通った観察結果です。
むしろ 幼獣の擦り付け行動を見ていない という点は、現場の実態にかなり忠実だと思います。
カモシカは
成獣:眼下腺マーキング頻繁
亜成獣:分散前に増加
当歳仔:ほぼ行わない
という年齢差がかなりはっきり出る種なので、
野外観察で幼獣マーキングが見られないのは自然です。トレイルカメラを継続していれば、将来
突然擦り付けを始める個体
母親の行動圏の縁に移動する個体
が出てくる可能性があり、そこが分散前の転換点になります。
その瞬間が記録できたら、かなり価値のあるデータです。
Q4: カモシカは母親♀の眼下腺マーキング行動を見て幼獣が真似するようになる(学習する)のではなく、性成熟すれば自然に幼獣も眼下腺の分泌物で匂い付けするようになるのですね?
A4: はい、その理解でほぼ正しいです。
カモシカ幼獣の眼下腺マーキングは、主に学習ではなく生理的成熟によって出現する行動と考えられています。
ポイントを整理すると:
① 行動の発現はホルモン依存
眼下腺の分泌量も擦り付け行動も
性ホルモン上昇
内分泌系の成熟
神経行動パターンの解放
に強く結びついています。
つまり
成熟すると“やり方を教わらなくても”自然に始まる行動です。② 観察学習はほぼ不要
もちろん幼獣は母親の行動を見ていますが、
マーキングは
道具操作でもなく
技術習得型でもなく
社会的儀礼でもない
ので、
鳥の採餌技術のような「模倣学習」は不要です。
多くの縄張り性哺乳類で同じです。
③ ただし完全に無関係ではない
母親の匂いのある環境で育つことには意味があります。
幼獣は
縄張り匂いの意味を経験的に学ぶ
匂い=空間境界という認知を形成する
ため、
行動の出現そのものは生理的ですが、
匂いをどこに付けるかの空間認知には経験が影響する
可能性はあります。
まとめ
マーキング開始のトリガー → 生理的成熟
行動そのもの → 本能的に出現
匂いの使い方の細部 → 経験が補助
です。
したがって、あなたが
幼獣が母親の真似をして覚えるのではないか?
と感じた直観は半分正しくて、
行動発現は学習不要
空間的意味づけは経験的
という二層構造だと考えると整理しやすいです。
もし将来、同じ個体を長期観察できれば
「擦り付け開始の瞬間」を記録できるかもしれません。
そこはカモシカの生活史の中でもかなり面白い転換点です。
Q5: カモシカ幼獣が成熟すると、眼下腺を何かに擦りつけたくなる衝動が生まれるのか? 例えば、眼下腺が痒くなって掻きたくなるのか?
A5: 結論から言うと、
「痒いから擦る」のではなく、内分泌により“擦り付け行動の動機づけ”が生じる
と考えるのが最も近いです。ただし感覚的には、あなたの想像は完全に外れてはいません。
① 痒みではない(病理的刺激ではない)
眼下腺マーキングは
皮膚炎や寄生虫による掻破行動ではない
不快刺激の回避でもない
ので、
医学的な意味での「痒い」は違います。もし痒みが原因なら
擦る対象がランダムになる
頻度が不規則になる
他の部位も掻く
はずですが、実際は
特定の場所だけに擦る
繰り返し同じ対象を使う
姿勢が典型的
なので、目的行動です。
② しかし「擦りたくなる感じ」は存在する可能性が高い
成熟期に起こるのは
腺の肥大
分泌増加
神経感受性変化
です。
このとき動物にはしばしば
圧迫したくなる
分泌物を放出したくなる
という行動動機が生じます。
例:
シカの角研ぎ
ネコ科の顔擦り
イヌの肛門腺こすり
どれも「痒み」ではなく
分泌腺の充満による行動衝動
です。
③ 感覚としてはどう近いか
人間で無理に例えると、
くしゃみが出そうで出したくなる
皮脂が溜まって顔を洗いたくなる
ストレスで体を動かしたくなる
に近いです。
つまり
局所感覚+情動動機の混合
です。
④ 進化的には「出したくなる」設計
匂い腺は
出すほど社会的利益がある
出さないと縄張りを失う
ので、
成熟個体は
分泌物を放出することで行動的満足を得る回路
を持っていると考えられます。
だから若い個体は突然
擦る場所を探し始め
匂いを付ける行動に夢中になる
わけです。
Q6: カモシカが眼下腺マーキングする対象物は、木だけでなく葉のこともあります。葉の裏面によくマーキングしているのですが、なぜそんな不安定な物にマーキングするのか?(落葉したり被食されたりするリスクがある。)例えば自分の縄張り内にライバル個体が侵入して眼下腺マーキングしたのを嗅ぎ取ったとして、その葉っぱを食べてしまえば、ライバルの縄張り宣言は無効になってしまうのではないか?
A6: 結論から言うと、
カモシカの眼下腺マーキングは「永続的標識」を作るためではなく、匂い情報を空間に散布するための行動なので、葉のような不安定な対象でも問題ありません。
むしろ葉に付けることには合理性があります。
順に説明します。
① マーキングの目的は「物体を占有すること」ではない
縄張り標識というと人間は
看板
柵
境界線
のような固定物を想像しますが、
哺乳類の匂い標識は
物体ではなく空間を標識している
のです。
つまり重要なのは
木か葉かではなく
その場所に匂いが存在すること
です。
匂いが空間に漂えば機能します。
② 葉に付けることの利点
葉の裏面は実は優秀なマーキング面です。
理由:
・鼻が触れやすい高さにある
カモシカは地表〜顔の高さを嗅ぎながら移動します。
葉の裏はちょうど嗅覚ラインに入ります。・湿度が高く匂いが残りやすい
葉裏は
直射日光を受けにくい
乾燥しにくい
揮発が遅い
ため、匂い保持に向きます。
・柔らかく分泌物が付きやすい
樹皮よりも
摩擦で分泌物が広がる
油脂が吸着しやすい
です。
つまり実用面ではかなり合理的です。
③ 落葉・被食の問題
あなたの疑問の核心:
食べられたら縄張り宣言は消えるのでは?
これは半分正しいですが、重要な前提があります。
カモシカは
単一の標識に依存していない
のです。
縄張りは
多数のマーキング点のネットワーク
排糞場
尿臭
-足跡臭などで構成されます。
だから葉が1枚消えても問題ありません。
④ むしろ消えることに意味がある
匂い標識は本質的に
時間で消える設計
です。
理由:
古い情報が残ると誤認が起きる
死んだ個体の縄張りが残る
空間更新ができない
なので、
落葉や分解は
情報の更新システム
として機能します。
つまり
消える=縄張り崩壊
ではなく消える=更新が必要
です。
⑤ 侵入個体が葉を食べる問題
これも興味深いですが、
侵入個体は普通
匂いを消そうとはしない
自分の匂いを上書きする
戦略を取ります。
なぜなら、
匂いは
消すより上書きする方が速い
からです。
実際多くの哺乳類では
他個体の匂いの上に重ねる
同じ場所を使う
行動が見られます。
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カキノキの下で落果の山を見つけたホンドテンの反応【トレイルカメラ:暗視映像】
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シラカシ堅果の給餌箱を無視して貯食物を探すニホンリス【トレイルカメラ】
A1: ニホンリスがシラカシ堅果(ドングリ)を食べたり貯食したりしたという、種を特定した詳細な観察記録は、少なくとも公開された代表的な資料の範囲では確認されていません。buna+1
1. ニホンリスのドングリ利用に関する一般論
解説記事では、日本のニホンリスやキタリスは「タンニン含有率が高く渋みの強いドングリ類(カシ類)をあまり貯食しない」とされており、代わりにタンニンの少ないスダジイなどを好んで食べると書かれています。[buna]
ニホンリスの食性と貯食を調べた古典的研究(加藤 1985)では、主要食物としてオニグルミ、アカマツ種子、カラマツ種子などが挙げられており、利用樹種は22種報告されていますが、要約部にはシラカシ(あるいはカシ類堅果)への直接の言及はありません。[cir.nii.ac]
2. 「シラカシ限定」の記録が見当たらない理由の可能性
報告論文では、多くの場合「カシ類」「ブナ科常緑広葉樹」といった群として扱われ、個々のカシ種(シラカシ・アラカシ等)まで同定・記載していないことが多いと考えられます。[cir.nii.ac]
また、前述のようにカシ類ドングリは「ニホンリスはあまり貯食しない」とされ、研究者もクルミ類やマツ類など主要資源に焦点を当ててきたため、シラカシ利用があっても詳細に報告されていない可能性があります。[buna]
3. 現時点で言えそうなこと
公開されている代表的な研究・解説レベルでは、「ニホンリスがシラカシ堅果を食べる・貯食する」という種まで特定した観察記録は確認できませんでした。cir.nii+1
一方で、「カシ類のドングリは渋みが強いため、ニホンリスはあまり貯食しない」という記述があり、少なくとも「主要な貯食対象ではない」という方向の一般的見解は示されています。[buna]
4. フィールドで確認したい場合のヒント
シラカシ林・混交林で、リスが残した食痕(殻の割れ方、齧り痕の位置・パターン)を系統的に記録する。クルミやクリの食痕と比較すると識別しやすくなります。[iwate-shizen]
秋~初冬のリスの行動を継続追跡し、「運搬 → 埋設/樹上隙間への押し込み」といった貯食行動がシラカシ堅果で起きているかどうかを、個体ごと・樹種ごとに記録するのが有効です。[parks.or]
まとめると、「シラカシのドングリをニホンリスが利用するか」という点は、少なくとも文献上では空白に近く、「あまり貯食しないカシ類」の中の一例として扱われている可能性が高い、という状況だと考えられます。cir.nii+1
2026/02/05
シラカシの堅果(ドングリ)を給餌箱から持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】貯食行動?
| 樹種 | タンニン含有量 (g/100g乾燥) | ドングリサイズ例 (長さ×幅 cm, 重量目安) | 備考 jspp+1 |
|---|---|---|---|
| ミズナラ | 6.7 | 1.5-2.5 × 1-1.5 (中型) | タンニン最多、中型 |
| コナラ | 4.8 | 1.6-2.2 × 0.8-1.2 (小型-中型) | タンニン高、小型 |
| シラカシ | 4.5 | 1.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型) | タンニン高、小型 |
| アラカシ | 4.4 | 1.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型) | タンニン高、小型 |
| クヌギ | 1.3 | 2.0-2.5 × 1.5-2.0 (大型) | タンニン中、大型 |
| イチイガシ | 1.2 | 1.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型-中型) | タンニン中 |
| スダジイ | 1.0 | 1.0-1.5 × 0.8-1.2 (小型) | タンニン低、小型 |
| マテバシイ | 0.5 | 2.0-3.0+ × 1.5-2.0 (大型) | タンニン最低、大型 |
タイプ2のドングリは、(タンニンなどの:しぐま註)総フェノール量は多く、代謝エネルギーは低いという特徴を持ち、コナラやミズナラ、(シラカシ:しぐま註)などが含まれる。
