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2026/02/05

シラカシの堅果(ドングリ)を給餌箱から持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】貯食行動?

 



2024年11月中旬

シーン0:11/11・午後12:23・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
街路樹シラカシの堅果(いわゆるドングリ)を拾い集め、里山の朽ちた倒木に設置した給餌箱に入れてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめます。 

シーン1:11/12・午前1:46(@0:02〜) 
深夜に倒木を右から登ってきた野ネズミが、左端を調べてから引き返して給餌箱に入りました。 
ドングリを物色してから、倒木を右へ駆け下りました。 
動きが早すぎて、ドングリを運んでいるかどうか、いまいち不明です。 

シーン2:11/12・午前4:08(@0:13〜) 
約2時間20分後の未明に野ネズミが再登場。 
給餌箱に入るとドングリを咥えて?倒木を駆け下りたものの、右端で立ち止まりました。 
なぜか引き返して倒木を登り返すと、倒木をあちこち探索しています。 
途中でドングリを落としてしまった訳ではないので、不思議です。 
再び給餌箱の中に入ると、シラカシ堅果を咥えて?倒木を右へ駆け下り、姿を消しました。 

シーン3:11/13・午前2:51(@0:48〜) 
翌日も深夜に野ネズミが給餌場に来ました。 
倒木の右端から野ネズミが斜めの倒木を一気に左へ駆け上がり、左端から下の地面を覗き込んでから右に戻りました。 
朽ちた倒木を右往左往しただけで、餌箱にはなぜか入りませんでした。 

シーン3:11/13・午前3:50(@1:02〜) 
1時間後に野ネズミが倒木を右から左に駆け上がり、躊躇なく餌箱に飛び込みました。 
ドングリ(シラカシ堅果)を物色した後で、右へ立ち去ったのですが、頬袋にドングリを入れて持ち去ったかどうか、動きが早すぎて見えません。 
倒木の右端で立ち止まったときも、口元にドングリは見えませんでした。 

シーン4:11/13・午前4:03(@1:15〜) 
13分後に再び野ネズミが餌箱の中に入っていました。 
しばらくドングリを物色してから、倒木を右へ下りました。 

シーン5:11/16・午後13:40(@2:01〜) 
おまけの動画です。
3日後の昼間、木枯らしというほど強い風ではありませんが、秋風に吹かれてオニグルミ?の落ち葉が盛大に舞い散る様子がたまたま撮れていました。 

シーン6(@2:51〜)
給餌箱に野ネズミが来たシーンを1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
野ネズミが給餌箱からシラカシ堅果(ドングリ)を頬袋に詰めて持ち去ったと思うのですが、説得力のある映像は撮れませんでした。 


【考察】 
野ネズミは餌箱に通ってシラカシの堅果(ドングリ)を持ち去りました。
ヒマワリの種子は殻を剥いて食べましたが、ドングリは冬越しに備えて貯食しているようです。

野ネズミはもっと喜んで足繁く餌箱に通ってくると予想していたのに、意外な反応でした。
シラカシ堅果は貯食する餌としてあまり気に入らないのでしょうか? 
他の堅果や種子を給餌したときよりも訪問頻度が低いことは確実です。 
餌箱の中身をヒマワリ種子から急にシラカシ堅果に変更したので戸惑っているのかな?
山中にシラカシが自生してないので、シラカシのドングリを野ネズミが食べ慣れてないのかもしれません。(食べず嫌い?) 

反省としては、今回給餌したシラカシ堅果は小粒のドングリが多かったのが問題かもしれません。
小粒のドングリだと野ネズミが口に咥えて運ぶのではなく、頬袋に詰めて運ぶため、運搬してるかどうか映像でしっかり見極められません。
小粒のドングリを予め取り除いて、大粒のシラカシ堅果のみ給餌すべきでしたね。
給餌箱に残ったドングリの数を数えていくつ減ったか調べるべきだったのですが、忙しくてつい横着してしまい、初めに入れた数も不明です。
 
ドングリの大きさとタンニンという毒の含有量には一般的な相関関係は認められないらしい。

樹種タンニン含有量 (g/100g乾燥)ドングリサイズ例 (長さ×幅 cm, 重量目安)備考 jspp+1
ミズナラ6.71.5-2.5 × 1-1.5 (中型)タンニン最多、中型
コナラ4.81.6-2.2 × 0.8-1.2 (小型-中型)タンニン高、小型
シラカシ4.51.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型)タンニン高、小型
アラカシ4.41.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型)タンニン高、小型
クヌギ1.32.0-2.5 × 1.5-2.0 (大型)タンニン中、大型
イチイガシ1.21.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型-中型)タンニン中
スダジイ1.01.0-1.5 × 0.8-1.2 (小型)タンニン低、小型
マテバシイ0.52.0-3.0+ × 1.5-2.0 (大型)タンニン最低、大型

この表は、Perplexity AIがまとめたものです。
私はこれまで、ミズナラとシラカシの堅果で野ネズミに給餌実験の真似事をしました。
当地の野ネズミはシラカシよりもミズナラ堅果の方が好きなようです。
(きっちり定量的に調べてはいませんし、シラカシについては追試が必要かもしれません。)

島田卓哉『野ネズミとドングリ: タンニンという毒とうまくつきあう方法 』p147に掲載された図5.1によると、「栄養学的な観点からドングリは大きく3つのタイプに分けられる」そうです。
タイプ2のドングリは、(タンニンなどの:しぐま註)総フェノール量は多く、代謝エネルギーは低いという特徴を持ち、コナラやミズナラ、(シラカシ:しぐま註)などが含まれる。


つづく→ 


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2026/01/28

地中から貯食物を掘り出して持ち去るニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年11月上旬・午前7:50頃 

里山の林縁で斜めに伸びている古い朽木の先に給餌箱を設置し、その中にヒマワリ(向日葵)の種子を一杯に詰めておきました。 
リスや野ネズミが食べに来てくれることを期待しています。 



ある朝、ニホンリスSciurus lis)がようやく現れました。 
倒木の途中に乗ったリスが上体を起こし、給餌箱の方を凝視していました。 
美味しそうなヒマワリ種子の匂いがするはずなのに、ニホンリスは警戒しているのか給餌箱には近寄らず、手前の林床に飛び降りました。 

地中の浅い所に埋めて隠しておいた餌を掘り出すと、口に咥えて手前に持ち去りました。 
監視カメラの画角の死角に入ってしまったのが残念です。 
ちらっと見えた餌は黒っぽかったので、おそらくオニグルミの堅果を貯食していたのでしょう。 
実はこの場所は、オニグルミの古い巨木が横にそびえ立っています。 
空腹のリスがその場でクルミの殻を割って食べたのか、それとも(貯食物を盗まれないように)別な場所にオニグルミ堅果を埋め直したのか、見届けられませんでした。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
昼行性のリスへの給餌実験がどうしても上手く行きません。 
夜行性の野ネズミは同じ給餌箱に通ってくれるのに、リスの警戒心の強さが際立ちます。

それでも今回は貯食物の掘り出しという貴重なシーンを垣間見ることが出来たので、一歩前進です。
人為的に給餌なんかしなくてもニホンリスの自然な営みを撮影できるのなら、それに越したことはありません。

この里山にはオニグルミの木が点在しているのですが、過去に伐採された結果なのか、連続したクルミ林になっていません。
オニグルミを主食とするニホンリスにとっては暮らしにくそうですが、アカマツや植林されたカラマツなども利用して細々と暮らしているのだろうと推測しています。


つづく→ 


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2026/01/25

給餌箱のトチノキ種子(栃の実)が気に入らない野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月下旬

シーン0:10/25・午後12:43・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山で朽ちかけたスギ倒木の端に給餌箱を設置し、中にトチノキの種子を満杯に入れました。 
リスや野ネズミが栃の実を持ち去って貯食することを期待しています。 
前年は給餌実験を行うのが時期的に遅くなってしまったので、その追試です。


野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:10/28・午前1:13・雨天(@0:02〜) 
雨が激しく降りしきる深夜に、野ネズミが給餌箱に入って物色していました。 
しかし、斜めの倒木を右に駆け下りた野ネズミは空荷でした。 
そのまま手前の林床を左へ走り去りました。 


シーン2:10/28・午前3:47(@0:15〜) 
約2時間35分後、雨はほとんど止んでいました。 
手前の草むらを野ネズミが右から左へチョロチョロと横切りました。 


シーン3:10/28・午後23:03(@0:21〜) 
19時間15分後の深夜に、野ネズミが倒木の右端に来ていました。 
今回も栃の実は運んでおらず、空荷で右へ立ち去りました。 


シーン4:10/31・午後23:03(@0:27〜) 
3日後も深夜に野ネズミが登場。 
給餌箱の中に入って中身を物色していました。 
栃の実を嗅ぎ回ったものの、すぐに給餌箱の外に出て、倒木の先端部を探索しています。 
再び給餌箱にちょっと入ってから、すぐに倒木を右に走り去りました。 
今回もトチノキ種子を持ち去りませんでした。 
そして、給餌箱に栃の実を入れている限り、野ネズミは二度と戻ってきませんでした。


【考察】 
予想に反して、野ネズミは給餌したトチノキ種子を運んでくれず、給餌実験は失敗に終わりました。 
前年は別の地点で給餌して成功したので、栃の実が重くて野ネズミには運べないとは思えません。
現場付近にトチノキは自生していないので、当地の野ネズミは栃の実を見るのは初めてなのかもしれません。 
餌として認識できなかったり、運搬の経験がないのでしょうか。 
もしも私がこの秋に拾い集めたトチノキ種子がたまたま有毒成分であるサポニンの含有量が多い物ばかりで、それを野ネズミが見抜いて貯食を見送ったとしたら、興味深い話です。
(サポニンの含有量を測定できない素人がそれを実証するのは、難しそうです。)

もしかすると給餌箱にカビ臭い匂いが残留していて、それを野ネズミは嫌がっただけかな? 


2026/01/05

ニホンアナグマはイチョウの落果(銀杏)を食べるか?【トレイルカメラ】給餌実験

 



2024年10月中旬 

イチョウの種子は被食型の動物散布で分布を広げることが知られています。
私が調べたタヌキの溜め糞場でも秋になるとイチョウの種子が未消化のまま含まれていました。 
イチョウの熟した果肉(正確には外種皮)からは酪酸由来の糞便のような独特の酷い悪臭がしますが、種子散布者となる野生動物の興味を引くためだと考えられています。 
野生動物がイチョウの落果を丸呑みにして食べるシーンを撮るのが次の目標です。 
しかし、人通りの多いイチョウ並木の下にトレイルカメラを設置するのは無理そうです。
そこで、ちょっとした給餌実験をして、イチョウの種子散布を調べてみることにします。 


シーン1:10/10・午後13:17・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン1:10/10・午後13:55・晴れ・気温26℃(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
イチョウ並木の下に熟して落ちていた果実、銀杏ぎんなんを道中で6個だけ拾い集めてきました。 
(ちなみに、まだ黄葉していませんでした。)
アナグマの巣口L、Rの中間地点にひとまとめにした銀杏を置いてみました。 
ここはホンドタヌキも頻繁に通う獣道にもなっています。 
給餌した銀杏をタヌキやアナグマが食べてくれるかな? 
この二次林にイチョウの木は全く生えていません。



シーン2:10/12・午後16:38・晴れ・気温19℃(@0:12〜) 
2日後、営巣地に侵入したタヌキを追い払うために巣穴Lから出てきたアナグマ(前の記事を参照)が、セットをうろついています。 
ようやく私が給餌した臭い銀杏を嗅ぎ当てました。 
興味津々のアナグマが鼻先を付けて銀杏の匂いを嗅ごうとすると、地面で銀杏(イチョウの熟果)が転がってしまいます。 
しかし、結局アナグマは銀杏を食べませんでした。 



シーン3:10/12・午後16:38(@1:12〜) 
別アングルで設置した監視カメラは、薄暮のためモノクロで録画していました。
残念ながら、ギンナンを給餌した地点が、手前のミズキ枯木の陰になって見えません。 
アナグマが銀杏(イチョウ落果)の匂いを長々と嗅ぎながら鼻先で転がしたものの、食べず仕舞いでした。 


シーン4:10/12・午後16:56(@1:51〜)
約20分後に、アナグマが再び銀杏の匂いを嗅ぎに来ました。 
地面に転がっていたイチョウの落果を見つけると、前脚で押さえながら食べようとしましたが、やはり食べませんでした。 

しばらくすると、別個体のアナグマが巣穴Lの入口から外に出てきました。 
個体識別ができていませんが、この2頭は親子(母子)なのかな? 
給餌場に後から合流した個体も、ギンナンの匂いを嗅いだだけで、やっぱり食べませんでした。 


シーン5:10/21・午後16:56・晴れ・19℃(@2:52〜)
シーン5:10/21・午後13:18・晴れ・18℃(@3:03〜) 
給餌期間を終えた現場の様子です。 
給餌した銀杏(イチョウ落果)が少し散らばっていたものの、食べられないまま残っていました。 
イチョウの果肉には天然の防腐剤が含まれているのか、カビが生えたり腐ったりもしていませんでした。 
異臭を嫌ってアナグマが銀杏を土で埋めることもありませんでした。 
我々ヒトのように単純な糞便臭と誤認する訳ではないようで、銀杏の上に自らの排泄物(糞尿)でマーキングすることはありませんでした。


【考察】 
当地のアナグマは銀杏(イチョウ熟果)の強烈な匂いが気になるようですが、2頭とも食べませんでした。 
私の知る限り、この辺りでイチョウの木は次々に伐採されて雄株しか残っていません。
もしかすると当地のアナグマは銀杏(イチョウの果実)を見るのも匂いを嗅ぐのも初めてなのかもしれません。 

やはりイチョウの種子散布者の本命は、アナグマではなくタヌキなのでしょう。 


2025/11/17

ニホンアナグマの営巣地にバナナの果実を置いてみた反応は?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月下旬〜9月上旬

シーン0:8/18(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)に自動センサーカメラを設置して見張っています。 
実割れしたバナナ1本を試しに営巣地の地面に置いてみました。 
近所からやって来るタヌキは、バナナが気に入らなかったようですが、アナグマはどうでしょうか? 



シーン1:8/19(@0:13〜) 


シーン2:8/20(@2:02〜) 
深夜にバナナのすぐ横を走って通り過ぎました。(@2:12〜) 


シーン3:8/23(@2:14〜) 
バナナはまだ手つかずのままです。 
晴れた昼前にバナナのすぐ横を走って通り過ぎました。(@3:30〜) 

幼獣同士で取っ組み合いをしながら、1頭が仰向けになりました。 
このとき下腹部に見えるデベソのような小さな突起は、♂の生殖器なのでしょうか?(@4:30〜) 


シーン4:8/24・(@5:43〜) 


シーン5:9/1・(@6:07〜) 


【考察】 
バナナの果実を給餌しても、ニホンアナグマの母親♀と3頭の幼獣(当歳仔)はまったく普段どおりの生活でした。 
熟したバナナには全く興味を示さず、試食どころか匂いも嗅ぎませんでした。 

アナグマの食事は主にミミズですが、実は雑食性で果実を食べることもあるのだそうです。 
しかし当地のアナグマは、バナナの果実をそれまで見たことも食べたこともないはずです。 
てっきり雑食性のタヌキかアナグマがバナナを見つけたらすぐに持ち去るかその場で食べてしまうだろうと予想していたのですが、外れました。 
何かの罠だと警戒しているのでしょうか。 
熟したバナナの匂いがアナグマは嫌いなのかもしれません。 
皮を剥いたバナナを給餌すれば食べてくれたかな? 
野生動物を餌付けするつもりはないので、バナナを与えたのはこの1回だけです。 


2025/11/10

ホンドタヌキが通る獣道にバナナの果実を置いてみると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月中旬〜9月上旬

シーン0:8/18・午後13:03・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:8/18・午後13:37・晴れ(@0:09〜) 
平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)に自動撮影カメラを設置して見張っています。 

この日は安売りしていたバナナを行動食として現場に持参しました。 
しかし、実割れしていた1本のバナナにショウジョウバエ♀がたかって産卵していたので、食べる気が失せました。
幼虫(蛆虫)が孵化しているかもしれないからです。
ただ捨てるのももったいないので、試しに給餌してみることにしました。 
巣穴LRの横を通る獣道(地面)にただ置いただけです。 
バナナと15cm定規を並べた写真を含むスライドショーを動画の冒頭に示します。 

給餌したバナナに対するホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の反応を以下にまとめました。 


シーン1:8/19・午前5:21・気温22℃(@0:13〜)日の出時刻は午前4:55。 
早朝に2頭のタヌキがやって来ました。 
奥の林内をうろついて餌を探しているようです。 


シーン2:8/19・午前5:23(@0:13〜) 
まだ暗いのにフルカラーでの録画に切り替わりました。 
画質がとても粗いのですが、1頭のタヌキがアナグマの巣口Lの匂いを念入りに嗅いでいます。 
手前の獣道を右に歩き出したところで、地面に置かれたバナナの熟果に気づきました。 
甘い芳香がするはずなのに、初めての物体にかなり警戒しているようです。 
おそらく当地のタヌキは、バナナの果実を見たことも食べたこともないのでしょう。


シーン3:8/19・午前5:24・気温21℃(@0:55〜) 
別アングルの監視映像に切り替えます。 
モノクロの暗視映像ですが、しっかりタヌキの行動が撮れています。 
ところが痛恨のミスで、こちらのアングルでは給餌したバナナがしっかり写っていません。 
見知らぬバナナの出現に警戒したタヌキは、巣口Rに回り込んでから再び左から恐る恐る戻ってきました。 
慎重にバナナに近づいて匂いを嗅いだものの、まだ食べようとしません。 


シーン4:8/19・午後16:27・気温31℃(@1:37〜)
タヌキが次に登場したのは、11時間後です。 
この時点でもバナナは手つかずで残されていました。 
鼻先を上げて頻りに風の匂いを嗅ぎながら辺りをうろついていたタヌキがバナナに近づいたものの、ぷいと顔を背けて素通りしました。 

別個体のタヌキが右から登場し、2頭の幼獣は手前に立ち去りました。 


シーン5:8/19・午後16:27・気温30℃(@2:04〜)
別アングルの監視映像でも撮れていました。 
2頭のタヌキは左奥へ走り去りました。 


シーン6:8/20・午前4:23・気温24℃(@2:28〜) 
約12時間後、日付が変わった未明にもタヌキが通りかかりました。
バナナには見向きもしないで、獣道を左から右へ向かいました。 


シーン7:8/20・午前4:23・気温24℃(@2:32〜)
別アングルの監視映像に切り替えます。 獣道に置かれたバナナは手つかずのままです。 


シーン8:9/1・午後19:59・気温26℃(@2:44〜) 
12日後の晩に、タヌキが単独で登場。 
セットの匂いをあちこち嗅ぎ回ってから獣道を右へ立ち去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 




【考察】
てっきり雑食性のタヌキかアナグマがバナナを見つけたらすぐに持ち去るかその場で食べてしまうだろうと予想していたのですが、外れました。
何かの罠だと警戒しているのか、タヌキはバナナの匂いを嗅いだだけで、味見すらしませんでした。
当地のタヌキは、バナナの果実を見たことも食べたこともないはずです。
当地のタヌキは食べる餌に関してかなり保守的で、冒険しないのでしょうか。
それとも、熟したバナナの匂いがタヌキは嫌いなのかもしれません。
皮を剥いたバナナを給餌すれば食べてくれたかな?
野生動物を餌付けするつもりはないので、バナナを与えたのはこの1回だけです。



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2025/11/03

真夏の深夜にホンドタヌキが口にくわえて運ぶ動物の正体は?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2024年8月中旬・午前0:02頃・気温26℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の巣口Lを塞ぐ落枝に野ネズミ(ノネズミ)がしがみついていました。 
細長い落枝を伝って上の方まで器用に登れたらヒメネズミApodemus argenteus)(Microtus montebelli)と確定するのですが、しばらくすると巣穴Lに潜り込みました。 
どうやらアナグマの母子家族は留守のようです。 

そんなことよりも、その間に興味深い事件が起こっていました。
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の成獣が単独でアナグマの営巣地(セット)を横切りました。 
暗闇でタヌキは野ネズミに気づかずに通り過ぎました。 
そのタヌキは口に何か獲物(中型の哺乳類)を咥えていて、獣道を右に運んで行きました。 
近所の休耕地にタヌキの巣穴があるので、そこを目指しているようで。 
獲物は未だ生きていて、途中で暴れました。 
1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:48〜) 
それでも獲物の正体は不明です。
たまたま手前に写っている野ネズミよりも明らかに大きな動物をタヌキは運んでいます。 
雑食性のタヌキはキツネのように生きた獲物(哺乳類)を狩って捕食することは滅多にありません。 
虫や小動物(両生類や爬虫類など)を捕食する他、たまに動物の死骸を見つけて食べるぐらいです。 

獲物の候補として唯一考えられるとしたら、ニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)の幼獣かもしれません。 
生後間もないノウサギの幼獣は、捕食者に襲われそうになっても逃げずにフリーズするだけなのだそうです。 
山形県で8月中旬のノウサギ幼獣は、生後数週から1か月程度の成長段階にあり、概ね独立し始めるタイミングですが、まだ親のテリトリー内で保護されている個体も多い時期です。 
この時期の幼獣は外敵に対して無防備なので、ホンドタヌキに捕食される可能性はあります。 

しかしタヌキの習性として、狩った獲物を生きたまま巣穴に持ち帰ることは考えにくいです。 
キツネの場合は、親が獲物を生きたまま巣穴に持ち帰り、キツネの幼獣に狩りの練習をさせるそうです。 
しかしタヌキの親はそのような狩猟教育をしません。 

以上のような消去法により、今回の親タヌキが運んでいた動物は、獲物ではなく我が子(当歳仔の幼獣)だったのかもしれません。 
首筋を咥えられて運ばれている途中にタヌキ幼獣が暴れたのでしょう。 
この時期のタヌキ幼獣(当歳仔)はもう自力で歩けるぐらいに成長しているはずですが、遠出して歩けなくなったり迷子になったりして、巣穴に連れ戻されるところなのかもしれません。 

別アングルに設置した監視カメラでも運搬シーンが撮れていれば、タヌキが運ぶ獲物?の正体がしっかり写っていたかもしれず、残念でなりません。 
タヌキの営巣地に設置したトレイルカメラはとっくに撤去しています。(草丈高い雑草が生い茂り、ほとんど何も写らないため。)

関連記事(2ヶ月前の撮影:獲物はおそらく野ネズミ)▶ 獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】 


今回も記事を書く上でPerplexityAIとのブレインストーミングが役立ちました。


2025/10/07

オニグルミの未熟果を給餌しても野ネズミは持ち去らない【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月中旬・午後20:50頃 

シーン0:7/16・午後14:12・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山でスギの朽ちた倒木に給餌箱を設置し、オニグルミの未熟果を12個入れてみました。 
現場まで登ってくるまでに、山道に散らばっていた落果を拾い集めてきたのです。 
トングを持ってくるのを忘れたので、毎回身を屈めて拾うのが大変でした。 
緑色の果皮を剥かずに、そのまま丸ごと給餌してみます。 

現場はオニグルミの巨木の下で、林床には未熟果(落果)が転がっていました。
今度こそ、昼間にリスが採食に来てくれるでしょうか?


シーン1:7/17・午後20:52・雨(@0:03〜) 
雨が降る晩に、野ネズミ(ノネズミ)が餌箱に来ていました。
中に入ってちょっと調べただけで、すぐに餌箱の外に出ると、朽木を右往左往しています。 
オニグルミの未熟果を咥えて運び出すことはなく、空荷で倒木の下に降りました。 
林床の草むらをうろついてから、左へ立ち去りました。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


その後、野ネズミは二度と給餌箱に現れませんでした。 
オニグルミ青い未熟果も1個ずつ持ち去って貯食するのかと思いきや、野ネズミは見向きもしないことが分かりました。 
その場で果皮を剥いて種子の状態を確かめることもしなかったので、この結果はちょっと意外でした。




ちなみに、相変わらず昼行性のリスは一度も現れませんでした。

後に現場入りすると、私が給餌したオニグルミ落果の果皮は黒く腐り、白いカビが生えかけていました。

2025/08/29

キアゲハの幼虫を捕食するモズの幼鳥(野鳥)臭角は自衛の効果なし?

 



2025年8月中旬・午前9:40頃・晴れ 

葉が生い茂るウメ(白梅)の樹上でモズLanius bucephalus)の幼鳥が何か太くて細長い緑色のイモムシ(芋虫)を嘴に咥えていました。 
よく見ると獲物の正体は、キアゲハPapilio machaon hippocrates)の幼虫でした。 
芋虫はもう暴れていないのに、死んだ獲物を枝に何度も叩きつけて念入りに殺しています。

モズの親鳥が幼鳥に口移しで給餌する瞬間を見逃してしまいました。 
幼鳥が餌乞いする鳴き声も聞こえませんでした(聞き逃した?)。 

キアゲハの幼虫は、食草の細い茎にしがみついたまま死んでいました。 
モズの親鳥は、食草ごと引きちぎってイモムシを運び、幼鳥に給餌したようです。 
キアゲハ幼虫は、セリ科の植物しか食べません。 
ウメの樹上にキアゲハの幼虫が居るはずがないので、親鳥が近所の庭などで狩ってきて幼鳥に給餌したのでしょう。 
後で現場検証しても、白梅の木の下にセリ科植物は自生していませんでした。 
したがって、キアゲハの終齢幼虫が蛹化するために近くの庭木に登ってきた可能性は除外できます。 

元の動画がやや不鮮明でカメラのAFが合焦しにくいのは、汚れた窓ガラス越しに室内から撮影したからです。
窓を開けて直接撮影したいのはやまやまですが、その音でモズが警戒して逃げてしまいそうなので、我慢してそのまま撮影を続けました。  
1.5倍に拡大および自動色調補正した上で、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:37〜) 
動画編集時に自動色調補正を施したら、被写体がくっきり見えるようになりました。 

ここで気になるのは、鳥に狩られたキアゲハ幼虫が臭角を伸ばしているかどうか、という点です。 
アゲハチョウ科の幼虫が天敵に襲われたときに頭部からニョキっと伸ばす臭角は、強い刺激臭と派手な色彩で捕食者に対して忌避効果があると考えられています。 

関連記事(4、12年前の撮影)▶  


今回のモズは獲物の急所である頭部を嘴で強く挟み付けながら激しく振り回しているため、キアゲハ幼虫の臭角が見にくいです。 
後半になると、モズはようやく幼虫の体の中央部を咥え直しました。 
スロー再生で拡大すると、死んでぐったりしたキアゲハ幼虫の頭部から鮮やかなオレンジ色の臭角が伸びていることが判明しました。
一般に鳥は嗅覚が鈍いとされているので、キアゲハ幼虫の臭角に自衛効果がなかったのは当然かもしれません。 


隠し撮りをしている私を警戒したのか、モズは庭木の枝から枝へ移動し、枝葉の陰に隠れてしまいました。
獲物を実際に捕食する(飲み込む)まで見届けられず残念でした。 
キアゲハ幼虫の臭角は刺激臭がするだけでなく不味いはずなので、モズが食べる前に獲物を引き裂いて臭角(あるいは幼虫の頭部)を丁寧に取り除くかどうか確認したかったのです。 

モズが早贄はやにえを立てる有名な行動を私はまだ実際に観察したことがありません。 
この時期(真夏)はまだ育雛期なので、モズの親鳥は捕れた獲物をすべて幼鳥に給餌するか自分で食べてしまいます。 
また、体表の柔らかい幼虫は腐りやすいため、早贄として貯食するには向いていないでしょう。 


【追記】
今回のモズは幼鳥ですよね?(あまり自信がありません。)
前回に登場した個体よりも、フワフワした綿羽が生え変わっているようなので、換羽中の別個体なのでしょう。
これから幼鳥に給餌するために獲物を運んできた親鳥♂だとしたら、記事を全面的に書き直さないといけません。


【アフィリエイト】 

2025/07/15

獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後22:08・気温23℃ 

平地の二次林でニホンアナグマの旧営巣地(セット)に、ある晩ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で通りかかりました。 
アナグマの巣口Lの横を素通りして、獣道を足早に立ち去りました。 

1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、口に何か黒っぽい物を咥えて運んでいました! 
初めて撮れた行動です。
この時期は親タヌキが幼獣を運搬している(引っ越し)可能性もありますが、素人目には幼獣ではなく野ネズミ(ノネズミ)などの小動物を獲物として狩ってきたように見えます。 
近くの休耕地にある巣穴に運んで、幼獣に給餌するのでしょう。 
獲物としては、アカネズミ、ヒメネズミ、ハタネズミなどが考えられます。 
あるいは、小動物の死骸を拾ってきたのかもしれません。 


【追記】
今回登場した個体が親ダヌキではなくヘルパーという可能性もあり得るのですけど、「オッカムの剃刀」という原則に従って、当面は難しいことを考えないようにします。

ちなみに、翌2025年にはヘルパーの存在が確定しました。(映像公開予定)


2025/06/08

夕暮れの水場で縄張り争いするクロツグミ♀♂【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年5月下旬 

シーン0:5/24・午前後・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:5/29・午後18:37・日の入り時刻は午後18:57(@0:04〜) 
日没直前の薄暗い水溜りに1羽のクロツグミTurdus cardis)が来ていました。 
旧機種のぽんこつトレイルカメラでは羽根の色が分からないのですが、背側が真っ黒ではないので♀(または幼鳥?)のようです。 
ホッピングでぴょんぴょん移動しながら、岸辺の泥濘をあちこち啄んでいます。 

左から低空で♂が飛来して、幼鳥を追い払いました。 
先住者効果はなかったことになります。 
喧嘩中は激しく鳴いていた♪ 
もしかすると喧嘩ではなく、巣立った幼鳥に親鳥が巣外給餌したのでしょうか? 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:49〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

Perplexity AIと相談したブレインストーミングの結果をまとめてもらいました。 

トレイルカメラによるクロツグミ観察と行動解釈のまとめ

1. 観察状況の概要

  • 場所・時期:山形県の山林内水場(湿地帯)、5月下旬、日没直前の薄暗い時間帯

  • 観察内容:トレイルカメラにクロツグミ2羽が記録される

    • 1羽(♀または若鳥)が水場で採餌中、急に振り返り「キーキー」と鳴く

    • 直後に別個体(♂)が飛来し、2羽で対峙・飛び上がりながら回る行動

    • その後「チュチュン、チュンチュン」と鳴き方が変化し、♂が飛び去る

    • 初めの個体もその場を離れ、周囲は静かになった


2. 行動の解釈

■ 鳴き声の意味

  • 「キーキー」や「チュチュン、チュンチュン」といった鳴き声は、クロツグミが警戒・威嚇・緊張時に発する典型的な声

  • 幼鳥の餌乞い鳴き(「ピィーピィー」など甘えた声)や、翼を震わせる行動は観察されず

■ 縄張り争いの可能性

  • 2羽が対峙し、飛び上がりながら回る行動は縄張り争いや資源防衛の一環と考えられる

  • 特に水場や湿地はミミズやオタマジャクシなど餌資源が豊富なため、親鳥♂が強く防衛する傾向がある

  • 先住者効果(先にいた個体が有利)はあるが、後から来た個体(特に縄張り主や強い♂)が優勢になる場合も多い

■ 親子関係の可能性

  • 巣立ち直後の若鳥♂であれば、依存期には親鳥♂が給餌・保護するが、自立期に入ると縄張りから追い払う行動に切り替える

  • 今回は給餌行動や餌乞い鳴きが見られず、親子給餌の場面とは考えにくい

■ つがい外の♀への対応

  • クロツグミ♂は通常、つがい外の♀には攻撃的になりにくいが、資源防衛や繁殖段階によっては排除することもある


3. トレイルカメラ観察の意義

  • 薄暗い時間帯や人の目が届かない場所でも、自然な行動を記録できる

  • 鳥の行動や鳴き声の違いから、縄張り争い・資源防衛・親子関係など複数の可能性を検証できる

  • 鳴き声や行動パターンを総合的に判断することで、現場の生態的な状況をより深く理解できる


4. まとめ

  • 今回の観察は、クロツグミの繁殖期における縄張り争い・資源防衛行動の一例である可能性が高い

  • 鳴き声や行動の詳細な記録が、個体間関係や生態行動の解釈に非常に役立つ

  • トレイルカメラは、貴重なフィールドデータ収集手段として今後も有効




2025/06/04

山中の水溜りでヒキガエルの幼生を狩って雛に給餌するクロツグミ♀【野鳥:トレイルカメラ】



2024年5月下旬・午後18:35頃・日の入り時刻は午後18:55。

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
山林で湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っています。
浅い泥水の水溜りには、アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生と思われる黒いオタマジャクシの群れが泳いでいます。
1.5倍に拡大した上でリプレイ。
翌年の春には、同じ水溜りではありませんが、そこから連続した湿地帯を流れる雪解け水の沢でアズマヒキガエルの配偶行動を観察しています。(映像公開予定)


シーン1:5/25・午後18:33(@0:18〜)
日没前でまだなんとか明るい時間帯に、クロツグミTurdus cardis)の♀♂ペアが互いに離れて水溜りの水を飲んでいました。

手前の茶色い♀個体が何か黒っぽい獲物を捕らえました!
水溜りでオタマジャクシを狩ったのかな?
獲物をその場では食べず、嘴に咥えたまま次の獲物を探しています。
したがって、近くの巣で待つ雛鳥に給餌するのでしょう。
左へ飛び去りました。

一方、奥に居た黒い♂個体は、水を飲み終えると、更に奥の湿地に移動して餌を探し歩いています。


シーン2:5/25・午後18:36(@1:20〜)
2分後にクロツグミ♀が単独で水場に戻って来ていました。
水溜りの岸の泥濘を繰り返しつついているのですけど、手前に生えたシダの葉が邪魔でよく見えません。
やがて嘴に何か黒っぽい獲物を咥えていました。
オタマジャクシなのかミミズなのか、獲物の正体がよく分かりません。
クロツグミ♀は、その場で脱糞した直後に黒い獲物を咥えたまま左上へと飛び立ちました。

クロツグミ♀による狩りのシーンを1.5倍に拡大した上で自動色調補正を施してリプレイ。(@1:54〜)
画質が粗いのは薄暗いせいなので、仕方がありません。



【考察】
山渓カラー名鑑『日本の野鳥』という図鑑を紐解いてクロツグミについて調べると、
つがいで縄張りを持ち、♂は木の梢で大きな声でさえずる。主に地上をはね歩きながら採餌する。数歩はねて立ちどまり、ゴミムシなどの昆虫やミミズを捕える。(p445より引用)
確かにクロツグミの♀♂つがいが見事に縄張りを防衛しているようで、昼間この水場には他種の鳥がやって来ません。
夜行性のフクロウとは同じ水場というニッチを時間的に分割・共有しています。


今回クロツグミ♀が山中の水溜りで狩った獲物がもしもミミズではなく、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)だとすると、重大な観察事例となります。
ヒキガエルのオタマジャクシには、ブフォトキシンという強力な心臓毒(強心配糖体)が含まれているからです。
親鳥が自分では食べずに雛鳥に給餌したので、雛は中毒死した可能性が高いです。
ヒキガエルの成体なら耳腺という特定の部位に毒腺が局在していますが、幼生の時期には皮膚全体に分布しているのだそうです。
親鳥がオタマジャクシのぬるぬるした皮膚をわざわざ全て剥いでから肉だけを雛に給餌したとは考えにくいです。
少量の餌なら致死量ではないかもしれませんが、体重の軽い雛鳥は毒への感受性が高いはずです。
クロツグミの雛鳥がヒキガエルのオタマジャクシを1匹摂取した場合、含有毒素量が致死量に達するかどうかは、雛の体重や種によって異なります。
致死に至らない場合でも、消化器症状(嘔吐、下痢)や神経症状(痙攣、運動失調)などが現れる可能性があります 。
ヒキガエルを獲物として常食している捕食者なら、ブフォトキシンへの耐性を獲得するように進化した可能性があります。(※ 追記2参照)

ヒキガエルの毒は苦味を伴うらしいのですが、そのような苦味による警告があるにも関わらず、オタマジャクシを捕食したということは、親鳥は過去にオタマジャクシの毒性を学習していない(ヒキガエルやオタマジャクシを味見した上で、その毒で痛い目に遭っていない)ことになります。


クロツグミの親鳥♀は数匹のオタマジャクシを水場で狩ってから、獲物をまとめて巣に持ち帰り、雛に給餌したようです。
このとき、最も激しく餌乞いした1匹の雛に全ての餌を与えるのか、それとも複数の雛に少しずつ餌を与えるのか、2つのシナリオが考えられます。 
後者なら、雛1羽当たりの毒の影響は少ないかもしれませんが、致死量を超えていれば巣内の雛が全滅した可能性もあります。

前回の記事で紹介したように、この時期(育雛期)クロツグミの親鳥は、水場付近でオタマジャクシの他にミミズも獲物として捕らえることがあり、巣に持ち帰っていました。
湿地帯の泥濘でミミズを探していた親鳥が、動きの似ている(身をくねらせて移動する)オタマジャクシを浅い水溜りで見つけて狩るようになったのでしょう。
ミミズには毒がないため、雛に対して毒性の希釈効果が期待できます。

もしも巣内の雛が死んだり体調を崩した場合、親鳥はオタマジャクシの毒のせいだと因果関係を正しく推論して、その後の給餌行動(獲物の選択)を変えることが果たしてできるでしょうか? 
自分で食べたのなら自身の体調の悪化と結びつけて学習することは容易ですけど、雛に給餌する場合は学習の成立は難しそうです。
ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、派手な警告色を持たないため、視覚的に毒性を予測しにくくなっています。
これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応なのでしょう。
親鳥はたとえ因果関係を頭脳で正しく推論・学習できなくても、ヒキガエルのオタマジャクシを忌避するような行動がたまたま進化するかもしれません(育雛中は水辺で狩りをしないようにするなど)。
つまり、ヒキガエルの有毒なオタマジャクシを雛に給餌するような愚かな親鳥は繁殖に失敗し、子孫を残せません。
雛が毒によって自然淘汰される結果として、クロツグミの多くはヒキガエルのオタマジャクシを何らかの理由で忌避するように進化するはずです。






ChatGPTとの問答から、以上の考察を分かりやすいレポートにまとめてもらいました。

クロツグミとヒキガエル幼生に関する観察記録と考察レポート

1. 観察の概要

2024年5月下旬〜6月上旬、山形県の里山における水場に設置したトレイルカメラにより、クロツグミ(Turdus cardis)の成鳥が水溜まりで採餌している様子が複数回記録された。観察映像から、以下の行動が確認された:

  • クロツグミの雌雄ペアが黒色のオタマジャクシを捕獲し、巣に持ち帰る様子

  • ミミズなど他の餌も同時に採餌し、巣に持ち帰っている

特に注目すべきは、捕獲されたオタマジャクシがヒキガエル(Bufo japonicus, アズマヒキガエル)と推定される種であったことである。

2. ヒキガエル幼生の毒性と鳥類による捕食

ヒキガエル類は成体だけでなく、幼生(オタマジャクシ)の段階から心臓毒であるブフォトキシン(bufotoxin)を含むことで知られている。一般にこの毒素は魚類や一部の昆虫捕食者に対する忌避効果を持つとされるが、鳥類による捕食例も報告されている。

ヒキガエルの幼生は黒一色で地味な体色をしており、警告色(アポセマティズム)を持たないため、視覚的に毒を予測しにくい可能性がある。これは、捕食者に対する隠蔽戦略を主とする進化的適応と解釈できる。

3. クロツグミの給餌行動と雛への影響

今回の記録では、親鳥が複数のオタマジャクシを捕食・運搬しており、巣にいる雛に給餌したと考えられる。毒性のあるオタマジャクシを雛が摂取した場合、以下のような影響が懸念される:

  • ブフォトキシンは神経・心臓に作用する強い毒性を持ち、哺乳類や鳥類にも有害

  • 雛は成鳥に比べて体重が軽く、1匹でも中毒死するリスクがある

  • ただし、実際の給餌では、親鳥が複数の雛に分散して餌を与えることが多く、個体ごとの摂取量は限られる可能性がある

  • トレイルカメラの映像からは巣内の雛の生存状況や健康状態は不明

4. 因果関係の認知と学習可能性

親鳥が自らオタマジャクシを食べて中毒を経験すれば、忌避学習が成立する可能性は高い。しかし、給餌対象が雛であり、かつ雛が体調を崩したとしても、その原因を特定の餌と因果づけて推論することは難しい。これは多くの鳥類において制限されている認知能力の範囲と一致する。

とはいえ、種全体としては、毒を持つオタマジャクシの忌避行動が自然選択的に強化される可能性はある。すなわち、雛に毒を与えてしまう親鳥の子孫は減り、毒餌を避ける親の行動が有利に働く。

5. 警告色を持たない毒幼生の戦略的意味

アカハライモリのように腹部の赤色を見せる"unken reflex"を持つ両生類とは対照的に、ヒキガエル幼生は視覚的警告を欠く。これは、警告色の進化には色素細胞の前適応や環境要因が必要であること、また水中での視覚信号の有効性が限定的であることが理由と考えられる。

6. 結論と今後の展望

今回の事例は、毒性のあるヒキガエル幼生がクロツグミに捕食され、給餌対象として利用されるという興味深い生態的相互作用を示している。親鳥および雛への毒の影響は、摂取量や個体差によって異なると考えられるが、今後さらなる観察や給餌後の巣の状況(生存率など)を追跡することで、鳥類と毒動物の相互作用についてより深い理解が得られるだろう。


素人があれこれと妄想してきましたが、実はその後、クロツグミ♀♂つがいの雛は、幼鳥として無事に巣立ったようです。(映像公開予定)
つまり親から毒餌を与えられても、雛の巣立ち数に影響はありませんでした。
たまたま急性毒性が少ないオタマジャクシだったのか、あるいはクロツグミの雛にブフォトキシンへの耐性があったのかもしれません。(※ 追記2参照)


【追記】
別の水場(池)でアカショウビンがアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を繰り返し捕食していたのを思い出しました。
一部の鳥はブフォトキシンに耐性があるのか、あるいは当地のヒキガエル幼生は毒性が弱いのかもしれません。



【追記2】
最近になって興味深い論文が発表されました。
沖縄県の西表島と石垣島のみに生息するカンムリワシは、外来種である毒を持つオオヒキガエルを頻繁に捕食します。
しかし、カンムリワシが中毒症状を起こしたという報告例はありません。
なぜカンムリワシはオオヒキガエルを食べることができるのでしょうか。
DNA解析で、毒耐性に関与するとされる遺伝子を調べた結果、カンムリワシは強⼼配糖体の毒ブフォトキシンへの耐性があるとされるヤマカガシというヘビと同一の配列をこの遺伝子に持つことが明らかになりました。
また、この配列を一部の猛禽類の間で比較したところ、ヤマカガシと同一の配列はカンムリワシのみにみられることが判明しました。

カンムリワシはなぜ有毒外来種を捕⾷できるのか
―毒耐性遺伝⼦の進化的背景―(プレスリリースのPDF

TOBE, Alisa, et al. Evolutionary insights into Na+/K+-ATPase-mediated toxin resistance in the Crested Serpent-eagle preying on introduced cane toads in Okinawa, Japan. BMC Ecology and Evolution, 2025, 25.1: 70. (全文のPDFが無料でダウンロード可能)
私のフィールドでも、クロツグミやアカショウビンのDNAを調べたら、ブフォトキシンへの耐性を獲得していることが証明できるかもしれません。


2025/05/31

水場付近の湿地でミミズを次々と狩って巣に運ぶクロツグミ♀♂【野鳥:トレイルカメラ】


2024年5月下旬〜6月上旬 

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山中の林内にある水場を自動撮影カメラで見張っています。 
泥水が溜まった浅い水溜りで、黒いオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生?)の群れが泳いでいます。 

クロツグミ♀♂(Turdus cardis)が獲物を狩りに来るシーンをまとめました。


シーン1:5/26・午前5:27(@0:04〜)日の出時刻は午前4:18。 
まだ薄暗い早朝にクロツグミの♀♂つがいが現れました。 
嘴に細長い獲物を多数咥えたまま、湿地帯の泥濘を歩き回っています。 
水溜りでオタマジャクシを狩ったのかと思ったのですが、ミミズかもしれません。 
その場では捕食しないで持ち去ったので、近くの巣で待つ雛鳥に給餌するのでしょう。 

手前に来た地味な個体が♀で、奥の草むら(湿地帯)では真っ黒な♂が餌を探し歩いていました。 


 シーン2:6/1・午前4:31(@0:30〜)日の出時刻は午前4:15。 
嘴以外は真っ黒な鳥が日の出直後の水場に来ていました。 
泥濘でニョロニョロと暴れる2匹のミミズを交互につついています。 
クロツグミ♂は両方の獲物を嘴に咥えると、ぴょんぴょんとホッピングして右に移動します。 


シーン3:6/1・午前4:33(@1:12〜) 
手前に居た黒いクロツグミ♂が、いつの間にか水溜りの対岸まで移動していました。 
水際の泥濘からミミズ?を掘り出して捕らえています。 
細長い獲物を嘴に咥えてぶら下げたまま、ホッピングで右上奥の湿地帯に移動すると、次の獲物を探しています。 
奥にもう一つある別の水溜まりへ近づいたところで、1分間の録画時間が打ち切られました。 


クロツグミ♀♂がミミズを捕食するシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:49〜)。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
この水場におけるクロツグミの採餌(捕食)活動は、薄明薄暮性のようです。
「早起きは三文の得」(英語では“Early bird catches a worm.”)という諺の通りでした。 
しかし調べてみると、クロツグミの活動は昼行性らしい。
今回トレイルカメラに薄明薄暮の時間帯だけ写ったのは、その時間帯にミミズなどの活動が高まり捕食者が見つけやすくなるという獲物側の都合かもしれません。

薄暗い薄明薄暮に撮った映像で、しかも真っ黒な泥にまみれている状態なので、獲物の正体がよく分かりません。
ミミズにしては短い気がしたのですが、ヒル(ヤマビル)の可能性はあるでしょうか?
私はフィールドでヒルを見たことがないのですが、尺取り虫のように動くそうです。
ChatGPTに相談してみると、ヒルよりむしろ若いミミズの可能性が高いだろうという見解でした。
2匹のミミズに見えたのは、もしかすると鳥に引き千切られて、それぞれが独立に動いていたのかもしれません。

水野仲彦『野鳥のくらし:卵から巣立ちまで』という名著でクロツグミの営巣習性について調べると、
 クロツグミは雛にミミズを運んで来ることが多い。それも、太い数匹をくちばしの両側に垂れ下げて巣に飛来する。なかにはまだニョロ、ニョロと動いているものさえある。雛はそれをおいしそうに呑みこむ。(中略)暗い林の中で、カサカサ落ち葉をかき分けてミミズ掘りをしているクロツグミを、昔はよく見かけたものだった。ツグミの仲間にはミミズの好きなものが多い。(p120より引用)

山林の湿地帯にミミズが多いのなら、アナグマも捕食に来るのではないか? と期待してしまいます。




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2024/01/04

送電塔天辺の巣で4羽の雛を育てるハシブトガラスの親鳥【10倍速映像】給餌行動など

 



2023年5月中旬・午後14:15〜17:00・晴れ 

三脚を立ててカメラを固定し、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣を微速度撮影してみました。 
10倍速の早回し映像をご覧ください。 

送電塔の天辺にある巣の中には4羽の雛が順調に育っています。 
風が吹くと雛の羽毛がなびいて逆立ちます。 
好奇心旺盛な雛鳥は暇潰しで巣材の小枝を嘴でつついています。 
鉄骨のボルトを締めるナットが気になり、嘴で何度も悪戯している個体がいました。 
ボルトが外れると大惨事なので、外れないように電力会社は対策すべきでしょう。 

親鳥が帰巣したのが計5回。 
そのうち♀♂つがいがほぼ同時に帰巣したのが1回でした。 
横から飛来して直接入巣するのではなく、鉄塔の下段に一旦止まってから、鉄骨を梯子のようにピョンピョン登って入巣することが多いようです。 

親鳥が帰巣すると、雛たちは一斉に嘴を大きく開けて空腹をアピールします。(餌乞い) 
嘴を開いたときに口内が赤いのがカラスの幼鳥の特徴です。 
成長すると口の中が黒くなります。 
親鳥は喉袋に詰め込んできた餌を口移しで雛に与えます。 
複数の雛に口移しで次々と給餌しますが、 最も空腹そうな(強くアピールする)雛鳥から優先的に給餌しているようです。 
親鳥による給餌シーンは、等倍速でリプレイしました。 

食後に雛は排泄します。 
巣の縁から外に上手く排泄できれば良いのですけど、巣内に排泄してしまった場合は、親鳥が摘み上げて外に捨てに行きます。(排糞行動) 
雛の糞はゼラチン質の袋に包まれていて、汚さずとも簡単に持ち運びができるようになっています。 
給餌後の親鳥は雛が便意を催すまで、しばらく巣内で見張っています。 
雛の肛門(総排泄孔)を覗き込んで、白い糞が出て来るやいなや咥えて飛び去りました。 
排糞行動は4回撮れてました。 

巣から飛び去った親鳥は次の餌を探しに出かけますが、ときどき巣の横の高圧線に止まって、周囲を警戒したり鳴いたりすることがあります。 

 次の食事まで待っている間、雛は各々が羽繕いしています。 
巣立ちに備えて羽ばたきの練習をする個体がいたものの、すぐに止めてしまいました。 
後半(夕方)になると、巣内の雛は頭をこっくりこっくり下げて居眠りするようになりました。

※ 水を入れたペットボトルを重りとして三脚に吊るせば、風が吹いても振動が抑えられます。 
私の三脚は安物なので、剛性が足りないのです。(軽いのが取り柄です) 

2023/12/22

送電塔天辺の巣内で羽繕いするハシブトガラスの雛と餌を運んでくる親鳥(野鳥)

 



2023年5月中旬・午後17:10頃・晴れ 

街なかで高圧線を支える送電塔#KN7の天辺に営巣したハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の定点観察にやって来ました。 
昼過ぎに私が撮影ポイントに入ると、親鳥がついてきて警戒声♪を発しました。 
親鳥が私に対して露骨に警戒しているので、しばらくは帰巣・給餌してくれません。 
その間に巣内の様子を観察すると、4羽の雛が育っていました。 
黒い羽毛もしっかり生え揃っています。 
親鳥が給餌に帰ってくるまでの間、各々が羽繕いしたりしておとなしく待っています。 

私が待ちくたびれた頃に、親鳥が近くの某施設の煙突の天辺に止まっていました。 
そこは見晴らしが良いので、カラスお気に入りの止まり場となっています。 
そのハシブトガラスにズームインしたら、左に飛び立ち、送電塔#KN7に向かいました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、親鳥の喉袋が膨らんでいることから、何か餌を運んできたことが分かります。 
親鳥は巣の一段下の鉄骨に一旦止まりました。 
巣内の雛は飛来した親鳥に未だ気づいていないのか、餌乞いしていません。 
(雛が育つと、親鳥が着地した振動で反応するようになります。) 
この後、親鳥が再び飛び上がって巣に入り、雛鳥に給餌したのですけど、カメラの電池切れで肝心の給餌シーンを撮り損ねてしまいました。 



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