ラベル 給餌 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 給餌 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026/06/21

幼い子猿に授乳しながら排尿するニホンザル♀

 

2025年6月下旬・午前9:10頃・くもり 

山麓を流れる用水路沿いの鉄柵にニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)がよじ登り、手摺に座りました。 
腹に幼い子猿(乳飲み子)を抱えています。 

母親♀が胸に抱いて授乳している子猿が、身動きしながら排尿しました。 
少量の小便がぽたぽたと滴り落ちています。
野生ニホンザルの幼獣はオムツなんて履いていませんから、母親にしがみつきながらオシッコしたら、母親の毛皮を尿で濡らしてしまうことになりそうです。
 (母親が小便した可能性もありますかね?) 

うっかり手摺から落ちそうになった子猿を母親が左腕で慌てて抱きかかえました。 
母猿は痒い左脚を左手で掻き、子猿は母親の乳首に吸い付き、母乳を飲みました。 
子猿がようやく乳首から口を離したときに、母親♀の細長く伸びた乳首から乳汁がにじみ出ているかと注目したのですが、なかったです。 
手摺のパイプで独り遊びを始めた子猿が落ちないように、母親は手を添えています。 

子猿が母親の胸に戻って再び乳首を咥えると、母親が子猿を腹に抱えて手摺を移動開始。 
柳の木の枝葉の陰に隠れる位置を選んで、母親が手摺に座り直しました。 
遠くでカメラを構えて隠し撮りしている私から死角に隠れようとしているのです。 
しかし隠れ切れないと悟ると、手摺を伝い歩きして少し戻り、手摺から横の草深い農道に飛び降りました。 
後で分かったことですが、群れの遊動経路に突っ立っている邪魔な私を大きく迂回するようです。


【アフィリエイト】 

2026/06/19

電線で餌乞いして父親を呼ぶモズの幼鳥(野鳥)

 

2026年6月上旬・午後12:30頃・晴れ 

郊外の電柱から農家に引き込むため庭に張られた電線にモズLanius bucephalus)が留まっています。 
この茶色っぽい個体が成鳥♀なのか幼鳥なのかで、その後の行動の解釈が変わってくるのですが、とりあえず幼鳥として話を進めます。 
絶えず尾羽根を上下に動かしながら、キチキチキチ…♪と鋭く鳴いていました。 
カメラを向ける私に対して警戒声♪を発しているのでしょうか?
それとも空腹で餌乞い♪しているのかもしれません。 

やがて、幼鳥は白い糞をポトリと排泄しました。(@0:55〜) 
お気に入りの留まり場らしく、黒い電線のあちこちが鳥の糞で白く汚れています。 

ようやく親鳥♂が飛来して、同じ電線に幼鳥から少し離れて留まりました。 
2羽目の個体は、全体が灰色の夏羽で、眼下腺が黒くて濃いことから、成鳥♂と見分けられます。 

すると、幼鳥は急いで父親♂に駆け寄って、餌を催促します。 
ところが、餌の口移し(巣外給餌)は行われなかったようです。 
親鳥♂は空荷だった(餌を持ってこなかった)のか、幼鳥から横っ飛びで離れてしまいました。 
幼鳥が下を見たということは、焦った親鳥♂がうっかり餌を落としてしまったのかもしれません。 


給餌してもらえなかったモズの幼鳥は、電線から左へ飛び去りました。 
近くに庭木として植栽されたイロハモミジ(=イロハカエデ)には緑の若葉が生い茂り、翼果が赤く色づいています。 
その茂みに隠れた幼鳥は、依然としてキチキチキチ…♪と鳴き続けています。 
最後に親鳥♂も電線から左のイロハカエデ庭木に飛び移りました。 
モズの親子を見失った私はズームアウトしたのですが、その映像をよく見ると、イロハカエデの横枝に幼鳥(左)と親鳥♂(右)が少し離れて留まっている姿が写っていました。 
矢印で示すのを忘れたので、探してみてください。 

脱糞および巣外給餌の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:24〜)


【考察】 
最初に登場した個体が成鳥♀という可能性もあって悩みました。 
親鳥♀だとしたら、近くに営巣木があって、私を警戒して鳴いていたのかもしれません。 
後からパートナー♂が飛来し、♀に求愛給餌した?と一連の行動を解釈できます。 

関連記事(13年前の撮影)▶ モズ(野鳥)の求愛給餌

しかし、撮影時期の6月上旬はモズの1回目の子育てが終わる頃ですから、求愛給餌の可能性は低いはずです。
その上、問題の個体は嘴の根元が黄色味を帯びていたので、幼鳥だろうと判断しました。 (正面を向いていると分かりにくい。)




この問題をChatGPTとブレインストーミングしました。

Q1: モズの幼鳥と成鳥♀はどうやって見分けるか?

A1: モズは成鳥♀も全体的に褐色で、腹に細かい横斑(波状紋)があるため、幼鳥と紛らわしいことがあります。しかし、慣れると比較的見分けられます。

主な識別点は次の3つです。

1. 頭部や背の「ウロコ模様」

最も重要です。

幼鳥は頭頂から背中、胸にかけて細かいウロコ状の斑紋が目立ちます。特に頭部にウロコ模様があれば、まず幼鳥と考えてよいでしょう。 (あきた森づくり活動サポートセンター)

一方、成鳥♀は腹部や脇に波状紋があっても、頭部や背中は比較的すっきりした褐色です。幼鳥ほど全身がウロコ模様には見えません。 (あきた森づくり活動サポートセンター)

2. 嘴の付け根(口角)

巣立ち後まもない幼鳥では、雛の名残で口角が黄色っぽく見えることがあります。 (ズカンドットコム)

成鳥♀ではその黄色味はなく、嘴全体がより均一な色になります。

ただし、秋になると黄色味が薄れるため、この特徴だけでは判断しにくくなります。

3. 羽衣の新しさ

幼鳥は全体にふわっとした印象で、斑紋も鮮明です。

秋以降は幼鳥が換羽して第一回冬羽になるため、見分けが難しくなりますが、それでも若鳥では胸や脇の横斑が強く残ることがあります。 (ズカンドットコム)

実際の野外では

  • 頭部までウロコ模様 → 幼鳥

  • 腹だけ波状紋で頭部は無地 → 成鳥♀の可能性大

  • 口角が黄色い → 幼鳥

  • 夏(6〜7月)に見たばかり巣立った個体 → 幼鳥の可能性が高い

という判断が有効です。

もし写真があるなら、モズは頭部の模様を見るだけでかなりの確率で幼鳥か成鳥♀か判定できます。写真を見せていただければ、どこに注目すべきか具体的に説明できます。


Q2: 最近(6月上旬)に平地の郊外の裏庭で観察。電線に留まってキチキチキチ…と鳴いていた個体が、後から飛来した別個体に給餌された。巣立った幼鳥に親鳥が巣外給餌したのか、それとも♂がパートナー♀に求愛給餌したのか、2つの可能性で悩んでいる。問題の個体は正面を向いていたので、腹面の鱗模様は見えたが、背中や頭部に鱗模様の有無ははっきり見えず。


A2: その状況だと、私は「巣立ち幼鳥への給餌」の可能性をまず疑います。

理由はいくつかあります。

鳴き声が「キチキチキチ…」

モズの巣立ち雛や巣立ち後まもない幼鳥は、親に餌をねだる際に繰り返し声を出します。

一方、求愛給餌を受ける成鳥♀は、幼鳥ほど執拗に餌乞いを続けることはあまりありません。給餌直前に短く鳴くことはありますが、電線に止まって長時間「キチキチキチ…」と鳴き続ける姿は、むしろ幼鳥を連想させます。

時期が6月上旬

モズの繁殖期を考えると、6月上旬は多くの地域で第一回繁殖の巣立ち雛が存在する時期です。

地域差はありますが、

  • 4~5月:抱卵・育雛

  • 5~6月:巣立ち

  • 6~7月:巣外給餌

という流れは十分あり得ます。

したがって、「親が巣立ち幼鳥に餌を運んでいた」という解釈は季節的にも自然です。

求愛給餌の時期との関係

求愛給餌は通常、産卵前後に盛んになります。

6月上旬でも二番繁殖や再営巣なら起こり得ますが、単に時期だけを見ると、既に巣立ち幼鳥がいるケースの方が一般的かもしれません。

腹面の鱗模様

ここが少し厄介です。

モズでは、

  • 幼鳥 → 胸から腹にかけて強い鱗模様

  • 成鳥♀ → 腹面に波状横斑

があり、正面から見るとかなり似て見えることがあります。

そのため、腹面だけでは決め手になりません。

識別に有効なのはむしろ、

  • 頭頂

  • 背中

の鱗模様です。

観察行動から推測すると

もし給餌を受けた個体が

  • 羽を細かく震わせる

  • 給餌者に向かって身を乗り出す

  • 給餌後もしばらく後を追う

ような行動を示していたなら、幼鳥の可能性がかなり高くなります。

逆に、

  • 給餌後も落ち着いている

  • 2羽がほぼ対等な雰囲気で行動する

なら求愛給餌も考えられます。

もう一つの手掛かり

給餌した個体の外見はどうでしたか。

もし給餌した個体がはっきりした黒い過眼線と灰色の頭を持つ♂なら、

  • ♂→幼鳥

  • ♂→♀(求愛給餌)

の両方があり得ます。

しかし、給餌した個体が♀だった場合は、ほぼ確実に巣立ち幼鳥への給餌です。

観察時の「給餌した側」の羽色や、給餌後に2羽がどう行動したかが分かれば、さらに絞り込めると思います。


Q3: キチキチキチ…と鳴いていたのは、てっきり近くで撮影する私に対して警戒声を発したのかと思い込んでいました。


A3: それは十分あり得る解釈ですし、現場ではむしろそのように判断する観察者も多いと思います。

モズの「キチキチキチ…」という声は、警戒声として非常によく知られています。人間、カラス、ネコなどに対して発せられることがあります。

ただし、この声は文脈によっては幼鳥の餌乞い声と紛らわしいことがあります。

今回のケースで重要なのは、

  • 個体が電線に留まっていた

  • 繰り返し鳴いていた

  • その後に別個体が飛来して給餌した

という一連の流れです。

もし鳴いていた個体が本当に警戒していたなら、その後に給餌が起きたという事実が少し気になります。もちろん親鳥が人間を警戒しながら幼鳥に給餌することはありますが、「鳴いていた個体=幼鳥で餌をねだっていた」と考えると、行動のつながりが自然になります。

一方で、モズの求愛給餌でも、給餌される側(♀)が鳴きながら♂を誘うことがあります。したがって、

  1. 幼鳥が親に餌をねだった

  2. ♀が♂に求愛給餌を要求した

  3. あなたに対する警戒声だった

の3つは、観察記録だけでは完全には排除できません。

私なら、6月上旬という時期と「給餌された」という事実から、

  • 巣立ち幼鳥への給餌:やや有力

  • 求愛給餌:十分あり得る

  • 単なる警戒声:鳴いていた理由としてはあり得るが、給餌との関係は不明

くらいの評価にします。

もし記録写真が残っているなら、頭部の羽衣以外にも、

  • 嘴の付け根(口角)が黄色っぽく見えないか

  • 尾羽が短めに見えないか

  • 羽毛がややふわついて見えないか

といった幼鳥の特徴を後から確認できる場合があります。

また、給餌後に受け手が給餌した個体を追いかけて飛び去ったなら、幼鳥説がかなり強まります。巣立ち後のモズの幼鳥は親を追尾しながら餌をねだることが多いからです。逆に給餌後も2羽が近くで落ち着いていたなら、求愛給餌の可能性が相対的に高くなります。


Q4: 動画を見直すと、電線に留まったモズ(羽色は全体的に茶色)が方向転換した時に、頭部と背中がちらっと見えたが、鱗模様はなし。後から電線に飛来したのは成鳥♂だった(灰色の夏羽、黒い過眼線が濃い)。♀が急いで♂に近寄って餌を催促したが、餌の受け渡しは行われなかったようだ。♂はむしろ横っ飛びで♀から離れた。餌をうっかり落としてしまったのかもしれないが、後ろ向きでよく見えず。その後も♀はキチキチキチ…と鳴き続けた。♀、♂の順に電線から飛び去り、近くの庭木(イロハカエデ)の枝葉に隠れた。モズの営巣木が近くにあったので、私に対して警戒声を発していたと解釈できそう。


A4: その追加情報を見る限り、当初よりも「成鳥♀が♂に接近した場面」である可能性が高くなったように思います。

特に重要なのは、

  • 頭部や背中に鱗模様が見えない

  • 全体的に茶色い個体だった

  • 相手は明瞭な成鳥♂

  • ♀の方から♂に急接近した

  • その後も♀が鳴き続けた

という点です。

もし巣立ち幼鳥なら、親が餌を持ってきた際には通常、幼鳥が積極的に接近して餌を受け取ろうとします。ところが今回は、実際に給餌が成立したかどうかが不明で、むしろ♂が横に避けるような動きをしたとのことです。

また、幼鳥であれば頭部や背面の鱗模様がかなり有力な手掛かりになります。動画を確認してそれが見られなかったのであれば、幼鳥説はやや弱くなります。

さらに、

その後も♀はキチキチキチ…と鳴き続けた。

という点も興味深いです。

モズの警戒声は、まさにそのような連続した「キチキチキチ…」です。もし近くのイロハカエデや周辺植栽に営巣中の巣、あるいは巣立ち直後の幼鳥がいたなら、♀があなたを警戒して鳴き続けていた可能性は十分あります。

むしろ今回の行動を時系列で整理すると、

  1. ♀が警戒声を発している

  2. ♂が飛来する

  3. ♀が♂に接近する

  4. 餌の受け渡しは確認できない

  5. 両個体とも近くの樹木へ移動する

という流れになります。

この場合、「♀が警戒しながらも♂に接近した」というだけで、必ずしも求愛給餌とは限りません。繁殖中のペアであれば、お互いの位置確認や警戒対象への共同対応のために接近することもあります。

私なら現時点では、

  • 成鳥♀である可能性:高い

  • 幼鳥である可能性:低くなった

  • 実際に給餌が成立したか:不明

  • キチキチキチ…は警戒声だった可能性:かなり高い

と評価します。

もし近くに営巣木があったのであれば、警戒声の解釈はかなり自然です。モズは巣の周辺で人間を見つけると、露出した見張り場所(電線、アンテナ、樹頂など)から長時間警戒声を発することがあります。今回の電線上での行動は、その典型的な状況とも一致します。


Q5: 顔の向きによっては、下嘴の根元が黄色っぽく見えることもありました。成鳥♀ではなく、やはり巣立ち後の幼鳥ですか?


A5: この写真を見る限り、私は幼鳥の可能性がかなり高いと思います。

もちろん1枚だけで断定はできませんが、成鳥♀よりも幼鳥の特徴がいくつか見えます。

まず目につくのが、下嘴基部の黄色味です。

スズメのように派手ではありませんが、口角付近に黄色い部分が残っています。これは巣立ち後しばらくの幼鳥でよく見られる特徴です。成鳥♀では通常ここまで黄色く見えません。

次に顔つきです。

  • 眼が大きく見える

  • 顔全体が丸みを帯びている

  • 頬から喉にかけての羽毛がややふわっとしている

という印象があります。

これは主観的な要素もありますが、巣立ち幼鳥らしい雰囲気があります。

さらに腹面を見ると、はっきりした鱗模様ではないものの、細かな横斑が見えています。

そして重要なのは、「頭部に鱗模様が見えない」ことが必ずしも成鳥を意味しない点です。

モズの幼鳥は巣立ち直後には頭部まで強い鱗模様がありますが、その後かなり早い段階で摩耗や換羽によって不明瞭になります。6月上旬なら、

  • 巣立ち直後の幼鳥

  • 巣立ち後しばらく経過した幼鳥

の両方が存在し得ます。

この個体は後者に近いようにも見えます。

そして何より、あなたが観察した行動と合わせると、

  • 6月上旬

  • モズの繁殖期

  • 下嘴基部に黄色味

  • 腹面に幼鳥らしい斑

  • ♂が飛来

  • この個体が盛んに鳴く

という状況は、「巣立ち幼鳥が親♂に餌をねだった」と解釈するとかなり自然です。

一方で成鳥♀説だと、

  • 黄色い口角の説明がつきにくい

  • 写真全体の若々しい印象とやや合わない

という点があります。

また、あなたは先ほど

♀が急いで♂に近寄って餌を催促した

と書かれましたが、この写真を見ると、その行動自体が実は「♀ではなく幼鳥が親に接近した」と解釈できるかもしれません。

もし動画を再確認できるなら、

  • 接近時に羽を細かく震わせていないか

  • 口を大きく開けていないか

  • 親を追尾する動きがないか

を見てみるとよいと思います。

現時点では、私は

  • 成鳥♀:可能性あり

  • 巣立ち後の幼鳥:より有力

と評価します。

特にこの写真の下嘴基部の黄色味は、年齢判定のかなり強い材料に見えます。写真だけを見せられて「成鳥♀か幼鳥か」と聞かれたら、私はまず「幼鳥ではないでしょうか」と答えると思います。

 



2026/06/13

サクランボ果実の食べ方を幼鳥に教えるスズメの親鳥(野鳥)巣外給餌

 

2026年5月下旬・午後14:05頃・晴れ 

郊外の住宅地で物置小屋の錆びたトタン屋根にスズメPasser montanus)の親子が留まっていました。 
頬の黒斑が濃いのが成鳥で、巣立ったばかりの幼鳥は頬の黒斑が薄くて嘴の縁が黄色いのが特徴です。 
横に立つサクランボの庭木に果実が鈴なりに実り、赤く熟した落果や種子がトタン屋根にたくさん散乱しています。 

親鳥のスズメがサクランボの赤い落果を食べていました。 
ムクドリと違って体の小さなスズメは、サクランボ果実を丸呑みにするのではなく、果肉だけを啄んでいます。 
その近くで空腹の幼鳥が翼を小刻みに震わせて餌乞いしています。 
餌乞いに特有の鳴き声を発しているはずですが、カメラに対して後ろ向きですし、遠くから撮影していたので聞き取れませんでした。 
周囲でチュンチュン♪とにぎやかに鳴いているのは、別個体のスズメたちです。 

 幼鳥はすぐ横に落ちていたサクランボの種子を見つけると、興味を持ってつついてみたのの、餌ではないと悟って食べませんでした。 
幼鳥が駆け寄ると、親鳥は食べ残しのサクランボ落果を幼鳥とシェアして一緒に食べ始めました。 
親子で交互にサクランボの果肉を啄んでいます。 

やがて親鳥がそのサクランボ落果を丸ごと咥えると、器用に果肉だけを食べています。 
それを見て横の幼鳥が餌乞い(給餌の催促)を再開しました。 
スズメの親鳥は幼鳥にサクランボの食べ方を教えているようです。 
親鳥がその場に落とした食べ残しのサクランボを幼鳥がもらって食べ始めました。 
幼鳥も教わった通りにサクランボ熟果を丸ごと咥え、果肉だけをちびちび食べています。 

その間に親鳥はホッピングでトタン屋根を下り、幼鳥から離れて行きました。 
最後に幼鳥は、食べかけのサクランボ果実を咥えて飛び去りました。 


【考察】 
初夏に核果が実るサクランボの種子散布の戦略は、被食型の動物散布です。
スズメはサクランボ核果の果肉だけをついばみ種を捨てるので、普通はサクランボの種子散布者ではありません。 
しかし今回の事例では、スズメの幼鳥が食べかけたサクランボの果実を持ち去ったので、母樹から離れて分布を広げる種子散布を助けたことになります。

2026/03/11

雪が積もった給餌箱に興味を示すもニホンリスは銀杏を掘り出さず、オニグルミで木登り【トレイルカメラ】

 




2024年12月中旬 

シーン0:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 
雪が積もる前の明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を設置し、イチョウ街路樹の下で拾い集めてきた銀杏(イチョウの種子)で一杯にしました。 
この給餌箱を自動センサーカメラで見張っています。 

ニホンリスSciurus lis)の登場シーンをまとめました。 
果たしてリスは銀杏を食べたり持ち去って貯食したりするでしょうか? 


シーン1:12/12・午前6:46(@0:03〜) 
里山に根雪が積もり、倒木も給餌箱も冠雪しています。 
早朝に右から来たと思われるリスが倒木の上まで登っていて、雪に埋もれた餌箱を見下ろしていました。 
恐る恐る身を乗り出して、餌箱を覆っている雪の匂いを嗅いだものの、その下から銀杏を掘り出そうとはしませんでした。 
リスは倒木上で向きを変えて奥を眺めてから下に飛び降り、左下手前へ走り去りました。 


シーン2:12/17・午後14:29(@0:18〜) 
5日後の昼過ぎに右から雪面を走ってリスが登場しました。 
オニグルミ大木の横枝が数年前から折れて地面に突き刺さったままなのですが、冠雪したその枝にしがみついてよじ登り始めました。 

しばらくすると、オニグルミ樹上から雪が落ちてきた直後に、リスが枝を伝って下向きに降りてきました。 
ところが、また枝の上に姿を消しました。 


※ 動画編集時にモノクロ加工を施しています。 


【考察】 
ニホンリスへの給餌プロジェクトだけは、どうしても思うようにいきません。 
様々な種類の木の実(堅果)や種子を手を変え品を変え給餌してみたものの、持ち去って貯食するシーンをトレイルカメラで記録することが出来ていません。 
どうも、リスは人工的な給餌箱や監視カメラへの警戒心が強いような気がしています。 
かと思えば、岩塩プレートを舐めに通って塩分補給するという全く予想外の行動を披露してくれました。
当地のニホンリスは、餌の選り好みが激しいのでしょうか? 

日が沈むと夜行性の野ネズミが来て、給餌箱からせっせと餌を持ち去ってしまいます。 
昼行性のリスにターゲットを絞って観察をしたいのなら、給餌場から野ネズミを排除するような仕組み(ネズミ返しなど)を取り付ける必要がありそうです。 
給餌場の選定も問題です。
例えば、今回の映像でちょっと写ったオニグルミ大木の幹や横枝に給餌箱を設置し直そうかと思案中です。 

私の給餌プロジェクトには無関心で、ニホンリスはオニグルミの堅果をせっせと貯食したり、隠し場所を変更したりする姿が捉えられていました。
長い冬を乗り切るための保存食を蓄えていたのです。
豪雪地帯の雪山でも冬眠しないで暮らすリスは、一体どこに貯食するのでしょうか?
地中に穴を掘って隠したのでは、冬になると深い雪の下に埋もれてしまって、掘り出すのが大変になるはずです。
晩秋に貯食物を地中から掘り出して持ち去っていたのは、根雪に埋もれる前に隠し場所を変更していたのでしょう。
縄張り内のあちこちの樹上で樹洞に隠したり木の股にクルミの実などを挟んでおいたりするらしいのですが、私はまだ実際にそのような貯食物を見つけたことがありません。


つづく→

2026/03/07

巣を冷やす扇風行動が下火になった9月のモンスズメバチ 【FHD動画&ハイスピード動画】獲物搬入・空中衝突

 



2024年9月中旬・午後15:00頃・くもり・気温27℃ 

モンスズメバチVespa crabro flavofasciata)の二次巣(引っ越し巣)を定点観察しています。 
山麓にある木造建築の年季が入った破風板に複数の穴が開いていて、その裏側の屋根裏に営巣しているのです。 
ただし、ワーカー♀が出入りしている巣口は一つだけです。 

巣口にしがみついたまま全力で羽ばたいて、巣を冷やすための扇風行動をしているワーカー♀個体が居ます。 
扇風役が1匹だけということは、この日はあまり暑くないのでしょう。 
気温を測ると27℃で、確かに30℃を下回っていました。 
他の種類のスズメバチと比べて、モンスズメバチは暑がりな印象があります。
多少涼しくても扇風行動をしているのを見かけます。

関連記事(10年前の撮影)▶ 

巣口で外向きに円陣を組むようにたむろしている他の個体は、扇風をサボっているというか、門衛を努めているだけなのでしょう。 
その間に、他のワーカー♀は次々に飛び立って外役に出かけたり、帰巣したりしています。 
しばらくすると、巣口の扇風役は2匹に増えていました。(@1:01〜) 


240-fpsのハイスピード動画に切り替えて撮影してみました。(@1:38〜) 
曇天で光量不足のため、やや不鮮明な映像です。 
これ以降は巣口で扇風行動しなくなってしまいました。 
日が陰るともう暑くなくなり、扇風冷却が不要になるのでしょう。 
私が観察したときは、ちょうど扇風するかしないかの境目の気温だったようです。

外役から帰巣した蜂に対して巣口から迎撃に飛び立ち、空中で頭同士が衝突することがありました。(@1:59〜) 
門衛が巣に近づく怪しい仮想敵を迎え撃ったようにも見えますが、単に飛び立ちが下手糞な個体というだけかもしれません。 
相手に触角で触れてみて同じコロニー出身の味方だと分かると、激しい喧嘩にはなりません。 

巣口で羽ばたき始めた個体も、扇風を再開する訳ではなくて、すぐに飛び立ってしまいます。 
獲物を狩った後に白っぽい肉団子を運んできたワーカー♀が帰巣しました。(@3:31〜) 
これが果たしてセミを解体した肉片なのかどうか、突き止めたいのですが、帰巣した蜂を片っ端から捕獲して肉団子を取り上げ、DNA検査するしかなさそうです。 
(モンスズメバチはセミを狩るのが得意だと言われていますが、狩りの様子を私は見たことがありません。) 

もう少しズームインしてからハイスピード動画に撮っても、巣口に陣取る門衛は扇風行動していませんでした。(@4:01〜) 
帰巣した個体が飛来したときだけ門衛が軽く羽ばたいているのは、警戒や威嚇牽制のようで、すぐに羽ばたきを止めてしまいます。 
巣口の下の外皮ポケットにもワーカー♀(門衛?)が潜り込んでいて、下界を見下ろしています。 

白っぽい肉片を大顎に咥えて巣に持ち帰ったワーカー♀個体がいます。(@4:41〜) 
巣材パルプの色は焦げ茶色なので、明らかに違います。 
巣口で出迎えた(誰何した)門衛は、すぐに横にどいて入巣を認めました。 
巣内で育つ幼虫に給餌するために狩ってきた新鮮な肉団子の分け前を門番が要求することはありませんでした。 
スズメバチは成虫になると固形物を食べることができず、肉団子を噛みほぐしながら肉汁を吸ったり、スズメバチ幼虫が吐き戻す液体を吸ったり(栄養交換)するだけです。 
あとは外役の際に樹液や花蜜を舐める程度です。 

外役ワーカー♀が続々と帰巣しますが、巣口が混雑していると、一旦飛び去ってからアプローチをやり直します。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2026/03/06

初冬の晩に雪山をうろつくホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月中旬・午後17:50頃・日の入り時刻は午後16:25 

日没後の真っ暗な晩に、冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が雪山の緩斜面を左から右へ軽快に横切りました。 
途中で立ち止まるとカメラ目線になりました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。 

イチョウの種子(銀杏)を一杯に入れておいた給餌箱も雪で埋もれてしまい、テンは気づかずに通り過ぎました。 
たとえ気づいたとしても、硬い種子をテンが食べるはずはありません。 
臭い果肉付きのイチョウ落果をホンドテンが食べて種子散布するかどうか、興味深いテーマなので、来季の課題になります。 


つづく→

2026/02/28

野ネズミは銀杏を貯食するか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年12月上旬 

シーン0:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 

明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を固定し、拾い集めてきたイチョウの種子(銀杏)で一杯にしてみました。 
独特の異臭がする銀杏を野ネズミ(ノネズミ)は持ち去って貯食するでしょうか? 
言い換えると、イチョウの種子散布に野ネズミは関与するでしょうか? 


シーン1:12/5・午後20:21・雨天(@0:03〜) 
雨が激しく降りしきる晩に野ネズミが右下から登場しました。 
林床の草むらを野ネズミがうろちょろしてから、左下へ立ち去りました。 
倒木を登って給餌箱には来ませんでした。


シーン2:12/5・午後21:58・雨天(@0:00〜) 
約1時間半後、依然として雨が降り続いています。 
倒木の右端に来ていた野ネズミが左へ登りかけたものの、すぐに右へ引き返して林床に飛び降りました。 
まるでフェイントをかけたみたいです。 
もしかして銀杏の匂いが嫌いなのか、それとも監視カメラの赤外線LEDを警戒しているのかな? 
林床を左へ向かった野ネズミが、しばらくすると戻ってきて右へ立ち去りました。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
その後は雪が積もり、野ネズミが監視カメラに写ったのはこれが最後でした。 
結局、野ネズミは餌箱の中身を調べもしませんでした。 
銀杏の給餌実験を始めるのが時期的に遅過ぎたかもしれません。 

この山中にイチョウの木は自生していないので、野ネズミが銀杏の匂いを嗅ぐのは初めてのはずです。 
酪酸に由来する独特の異臭で野ネズミが銀杏を忌避したとすれば、それはそれで興味深い結果です。 
次の年も追試してみるつもりです。 


つづく→

2026/02/26

銀杏の匂いが気になるニホンカモシカ当歳仔【トレイルカメラ】

 



2024年12月上旬・午前10:25頃・くもり 

里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木に給餌箱を設置し、今回はイチョウの種子(銀杏)を一杯に入れておきました。 

日中にニホンカモシカCapricornis crispus)が単独で倒木の背後を右からゆっくり歩いて来ました。 
この個体は、角がまだ生えかけで短い幼獣でした。 
倒木の下の地面の匂いを嗅いだ後は、給餌箱の底の匂いを反対側から何度も嗅ぎました。 
明らかに興味津々で、ペロペロと軽く舌舐めずりしています。 
イチョウの果実は酪酸を含み、糞便臭にも似た独特の悪臭がします。
山中にイチョウの木は自生していないので、カモシカにとっては初めて嗅ぐ匂いのはずです。
銀杏の匂いに対抗して、給餌箱または倒木に眼下腺でマーキング(匂い付け)するかと予想したのですが、しませんでした。 


カモシカ幼獣は倒木の下をくぐって手前に来ると、画面の右端から伸びているフジの枯れ蔓の先端の匂いを嗅ぎました。 
そこにも、眼下腺マーキングはしませんでした。 
最後は右下手前へ立ち去りました。 

既に子別れしたようで、近くに母親♀の姿は写っていません。 


【考察】 
ニホンイノシシは銀杏の異臭を嫌ったのか警戒したのか、逃げてしまいました。
カモシカとの反応の違いが興味深いです。


ニホンカモシカの成獣は縄張り内でよく眼下腺からの分泌物で匂い付けします。
この地点でもカモシカ成獣がマーキングしたことがあります。


ところが、カモシカ幼獣のマーキング行動を私は一度も見たことがありません。
不思議に思ったので、Gemini AIに質問してみました。

Q: ニホンカモシカが幼獣の間は眼下腺を擦り付けてマーキングしないのか? 幼獣が成長して眼下腺マーキングを始めた途端に、縄張り内の成獣に排斥されるのか?

A: ## ニホンカモシカの幼獣と眼下腺マーキング、縄張りに関する質問ですね。

### 幼獣の眼下腺マーキングについて

**ニホンカモシカの幼獣が、どの程度の年齢から眼下腺を擦り付けてマーキング行動を開始するのか、という明確なデータは現時点では少ないようです。**

一般的に、哺乳類の幼獣は成長とともに成獣と同じような行動パターンを示すようになることが知られています。ニホンカモシカも、ある程度の年齢になると成獣と同様に眼下腺を用いたマーキング行動を行うと考えられます。

しかし、幼獣期におけるマーキング行動の頻度や、その意味合いについては、さらなる研究が必要な分野です。

### 成獣による幼獣の排斥について

**縄張りを持つ成獣が、眼下腺マーキングを始めた幼獣を必ずしも排斥するとは限りません。**

ニホンカモシカは、基本的に単独で生活し、縄張りを持ちますが、親子関係や血縁関係のある個体同士は、同じ縄張りにいることもあります。

* **親子関係:** 母子は長期間一緒に過ごすことが多く、幼獣が成長してからも、一定期間は母親の縄張り内で生活する可能性があります。
* **血縁関係:** 兄弟姉妹や、より遠縁の血縁関係にある個体同士も、同じ地域に生息していることがあります。

これらの場合、成獣が幼獣を積極的に排斥する必要性は低いと考えられます。

**ただし、以下の条件下では、成獣が幼獣を排斥する可能性が高まるかもしれません。**

* **資源の競合:** 食料や隠れ家など、資源が限られている状況では、成獣と幼獣の間で競合が生じ、成獣が幼獣を追い出す可能性があります。
* **性成熟:** 幼獣が性的に成熟し、繁殖行動を開始しようとした場合、成獣から攻撃を受けることがあります。

### まとめ

ニホンカモシカの幼獣の眼下腺マーキングと、成獣による幼獣の排斥については、まだ解明されていない部分が多く、今後の研究が期待されます。

**現時点では、以下のことが考えられます。**

* 幼獣は、ある程度の年齢になると成獣と同様に眼下腺を用いたマーキング行動を行う。
* 成獣は、必ずしも幼獣を排斥するわけではないが、状況によっては排斥することもある。


最新版のChatGPTでも質問攻めにして、理解が深まりました。

Q1: カモシカ幼獣が母親♀の縄張り内にまだ留まっている間は、幼獣は眼下腺でマーキングして縄張りを主張することはないのか?

A1: 結論から言うと、母親の縄張り内にいるカモシカ幼獣は、基本的に自分の縄張りを主張するための眼下腺マーキングは行わないと考えられています。

理由は行動生態的にかなり明確です。


① 縄張りは母親のものだから

ニホンカモシカでは

  • 成獣は単独生活+縄張り制

  • 縄張りは眼下腺分泌物で維持

ですが、幼獣は

  • 母親の縄張りの内部に「居候」している状態

  • 自分の縄張りをまだ持たない

つまり幼獣がマーキングすると

  • 母親と縄張り主張が競合する

  • 空間の支配構造が乱れる

ため、適応的ではありません。


② 実際の観察例

野外研究では

  • 当歳仔:マーキング行動ほぼ見られない

  • 1歳個体:まれに擦り付け行動が出始める

  • 分散期前後:急にマーキング頻度が上がる

というパターンが報告されています。

つまり

縄張り主張は「独立の準備行動」

として出現します。


③ 幼獣が擦り付ける場合の意味

もし幼獣が眼下腺を擦り付けていたとしても、

それは多くの場合

  • 真の縄張り主張ではない

  • 行動の練習

  • 情動発散

  • 嗅覚探索

と解釈されます。

鳥の「練習ソング」と同じで、

機能が成立する前の予行動作

です。


④ 分散が近づくと変化する

幼獣は

  • 体格が成獣サイズに近づき

  • 母親との距離が開き

  • 行動圏が拡大すると

急に

  • 眼下腺擦り付け

  • 樹木への顔押し付け

  • 排糞場所固定

などが増えます。

これは

「ここから自分の縄張りを持つぞ」

という切り替えサインです。



Q2: 母親♀から独立する前のカモシカ幼獣は、眼下腺が分泌腺として未発達なのか? 匂い物質をほとんど分泌してない?

A2: 結論から言うと、独立前のカモシカ幼獣の眼下腺は形態として存在するが、機能的には未熟で、分泌量も行動的使用頻度も低いと考えられています。

順に説明します。


① 眼下腺そのものは生まれつきある

カモシカの眼下腺は

  • 生後すぐ存在する外分泌腺

  • 解剖学的には幼獣でも確認できる

つまり
器官として欠けているわけではない

です。


② しかし機能成熟は遅い

行動研究・組織学研究から推定されていること:

幼獣では

  • 腺組織が小さい

  • 分泌細胞の活動が弱い

  • 分泌物の脂質量が少ない

つまり

匂い物質は出るが、弱く不安定

です。

これは多くの縄張り性哺乳類で共通です。


③ 分泌が弱い理由(進化的に合理的)

幼獣が強い匂いを出すと

  • 捕食者に検知されやすくなる

  • 母親の縄張り匂いを乱す

  • 成獣との衝突リスクが上がる

ため、

幼獣期は

「匂いを出さないこと自体が適応」

と考えられます。


④ 行動面の発達順序

カモシカでは多くの場合

  1. 腺が存在する(出生時)

  2. 分泌量が増える(1歳前後)

  3. 擦り付け行動が出る(分散前)

  4. 本格マーキング(独立後)

という順序をたどります。

つまり

行動が先ではなく、内分泌成熟が先

です。


⑤ 性ホルモンとの関係

眼下腺の活性は

  • テストステロン

  • エストロゲン

に強く影響されます。

幼獣期は性ホルモンが低いため、

  • 分泌量が少ない

  • 匂いの化学組成も未成熟

になります。

分散期に急にマーキングが増えるのは、

単に行動学習ではなく

内分泌のスイッチが入るから

です。




Q3: おかげで疑問が解消しました。トレイルカメラや直接観察でカモシカ成獣の眼下腺マーキングはよく見るのですが、カモシカ幼獣では一度も見たことがなくて不思議だったのです。


A3: それはとても筋の通った観察結果です。

むしろ 幼獣の擦り付け行動を見ていない という点は、現場の実態にかなり忠実だと思います。

カモシカは

  • 成獣:眼下腺マーキング頻繁

  • 亜成獣:分散前に増加

  • 当歳仔:ほぼ行わない

という年齢差がかなりはっきり出る種なので、
野外観察で幼獣マーキングが見られないのは自然です。

トレイルカメラを継続していれば、将来

  • 突然擦り付けを始める個体

  • 母親の行動圏の縁に移動する個体

が出てくる可能性があり、そこが分散前の転換点になります。
その瞬間が記録できたら、かなり価値のあるデータです。



Q4: カモシカは母親♀の眼下腺マーキング行動を見て幼獣が真似するようになる(学習する)のではなく、性成熟すれば自然に幼獣も眼下腺の分泌物で匂い付けするようになるのですね?


A4: はい、その理解でほぼ正しいです。

カモシカ幼獣の眼下腺マーキングは、主に学習ではなく生理的成熟によって出現する行動と考えられています。

ポイントを整理すると:


① 行動の発現はホルモン依存

眼下腺の分泌量も擦り付け行動も

  • 性ホルモン上昇

  • 内分泌系の成熟

  • 神経行動パターンの解放

に強く結びついています。

つまり
成熟すると“やり方を教わらなくても”自然に始まる行動です。


② 観察学習はほぼ不要

もちろん幼獣は母親の行動を見ていますが、

マーキングは

  • 道具操作でもなく

  • 技術習得型でもなく

  • 社会的儀礼でもない

ので、

鳥の採餌技術のような「模倣学習」は不要です。

多くの縄張り性哺乳類で同じです。


③ ただし完全に無関係ではない

母親の匂いのある環境で育つことには意味があります。

幼獣は

  • 縄張り匂いの意味を経験的に学ぶ

  • 匂い=空間境界という認知を形成する

ため、

行動の出現そのものは生理的ですが、

匂いをどこに付けるかの空間認知には経験が影響する

可能性はあります。


まとめ

  • マーキング開始のトリガー → 生理的成熟

  • 行動そのもの → 本能的に出現

  • 匂いの使い方の細部 → 経験が補助

です。

したがって、あなたが

幼獣が母親の真似をして覚えるのではないか?

と感じた直観は半分正しくて、

  • 行動発現は学習不要

  • 空間的意味づけは経験的

という二層構造だと考えると整理しやすいです。

もし将来、同じ個体を長期観察できれば
「擦り付け開始の瞬間」を記録できるかもしれません。
そこはカモシカの生活史の中でもかなり面白い転換点です。


Q5: カモシカ幼獣が成熟すると、眼下腺を何かに擦りつけたくなる衝動が生まれるのか? 例えば、眼下腺が痒くなって掻きたくなるのか?


A5: 結論から言うと、

「痒いから擦る」のではなく、内分泌により“擦り付け行動の動機づけ”が生じる
と考えるのが最も近いです。

ただし感覚的には、あなたの想像は完全に外れてはいません。


① 痒みではない(病理的刺激ではない)

眼下腺マーキングは

  • 皮膚炎や寄生虫による掻破行動ではない

  • 不快刺激の回避でもない

ので、
医学的な意味での「痒い」は違います。

もし痒みが原因なら

  • 擦る対象がランダムになる

  • 頻度が不規則になる

  • 他の部位も掻く

はずですが、実際は

  • 特定の場所だけに擦る

  • 繰り返し同じ対象を使う

  • 姿勢が典型的

なので、目的行動です。


② しかし「擦りたくなる感じ」は存在する可能性が高い

成熟期に起こるのは

  • 腺の肥大

  • 分泌増加

  • 神経感受性変化

です。

このとき動物にはしばしば

  • 圧迫したくなる

  • 分泌物を放出したくなる

という行動動機が生じます。

例:

  • シカの角研ぎ

  • ネコ科の顔擦り

  • イヌの肛門腺こすり

どれも「痒み」ではなく

分泌腺の充満による行動衝動

です。


③ 感覚としてはどう近いか

人間で無理に例えると、

  • くしゃみが出そうで出したくなる

  • 皮脂が溜まって顔を洗いたくなる

  • ストレスで体を動かしたくなる

に近いです。

つまり

局所感覚+情動動機の混合

です。


④ 進化的には「出したくなる」設計

匂い腺は

  • 出すほど社会的利益がある

  • 出さないと縄張りを失う

ので、

成熟個体は

分泌物を放出することで行動的満足を得る回路

を持っていると考えられます。

だから若い個体は突然

  • 擦る場所を探し始め

  • 匂いを付ける行動に夢中になる

わけです。




Q6: カモシカが眼下腺マーキングする対象物は、木だけでなく葉のこともあります。葉の裏面によくマーキングしているのですが、なぜそんな不安定な物にマーキングするのか?(落葉したり被食されたりするリスクがある。)例えば自分の縄張り内にライバル個体が侵入して眼下腺マーキングしたのを嗅ぎ取ったとして、その葉っぱを食べてしまえば、ライバルの縄張り宣言は無効になってしまうのではないか?


A6: 結論から言うと、

カモシカの眼下腺マーキングは「永続的標識」を作るためではなく、匂い情報を空間に散布するための行動なので、葉のような不安定な対象でも問題ありません。

むしろ葉に付けることには合理性があります。

順に説明します。


① マーキングの目的は「物体を占有すること」ではない

縄張り標識というと人間は

  • 看板

  • 境界線

のような固定物を想像しますが、

哺乳類の匂い標識は

物体ではなく空間を標識している

のです。

つまり重要なのは

  • 木か葉かではなく

  • その場所に匂いが存在すること

です。

匂いが空間に漂えば機能します。


② 葉に付けることの利点

葉の裏面は実は優秀なマーキング面です。

理由:

・鼻が触れやすい高さにある

カモシカは地表〜顔の高さを嗅ぎながら移動します。
葉の裏はちょうど嗅覚ラインに入ります。

・湿度が高く匂いが残りやすい

葉裏は

  • 直射日光を受けにくい

  • 乾燥しにくい

  • 揮発が遅い

ため、匂い保持に向きます。

・柔らかく分泌物が付きやすい

樹皮よりも

  • 摩擦で分泌物が広がる

  • 油脂が吸着しやすい

です。

つまり実用面ではかなり合理的です。


③ 落葉・被食の問題

あなたの疑問の核心:

食べられたら縄張り宣言は消えるのでは?

これは半分正しいですが、重要な前提があります。

カモシカは

単一の標識に依存していない

のです。

縄張りは

  • 多数のマーキング点のネットワーク

  • 排糞場

  • 尿臭
    -足跡臭

などで構成されます。

だから葉が1枚消えても問題ありません。


④ むしろ消えることに意味がある

匂い標識は本質的に

時間で消える設計

です。

理由:

  • 古い情報が残ると誤認が起きる

  • 死んだ個体の縄張りが残る

  • 空間更新ができない

なので、

落葉や分解は

情報の更新システム

として機能します。

つまり

  • 消える=縄張り崩壊
    ではなく

  • 消える=更新が必要

です。


⑤ 侵入個体が葉を食べる問題

これも興味深いですが、

侵入個体は普通

  • 匂いを消そうとはしない

  • 自分の匂いを上書きする

戦略を取ります。

なぜなら、

匂いは

消すより上書きする方が速い

からです。

実際多くの哺乳類では

  • 他個体の匂いの上に重ねる

  • 同じ場所を使う

行動が見られます。



つづく→

2026/02/24

初雪の降った初冬の晩に銀杏の給餌箱から逃げ出すニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月上旬

シーン1:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山のスギ林縁に朽ち果てた倒木があり、その端に設置した給餌箱に銀杏(イチョウの種子)を一杯に入れてみました。 
採取した落果の果肉をしっかり洗い落として乾燥させたのですけど、独特の臭気が残っています。 
銀杏を食べに来る野生動物や野鳥はいるでしょうか?
本来は、イチョウの木の下にトレイルカメラを設置して落果を監視すべきなのですが、街なかのイチョウ並木(街路樹)ではヒトの往来があるので色々と問題になりそうです。
そこで次善の策として、銀杏を拾い集めてひと気のない山中で給餌実験することにしたのです。 


シーン2:12/3・午後18:28(@0:03〜)日の入り時刻は午後16:23。 
山中にも初雪?が少し積もりました。
真っ暗な晩に、倒木の背後を右から左へ黒っぽい獣が横切りました。 
ニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)です。 
餌箱に入れた銀杏の臭いに気づいたようで、立ち止まりました。 
牙が小さいので、♀のようです。 
慌てて身を翻すと、右奥へ逃走。 
起動したトレイルカメラの存在に気づいて警戒したのでしょうか?
餌箱の銀杏は雪で埋もれていますが、怪しい餌箱や銀杏の匂いを嫌ったのかな? 
山中にイチョウの木は自生していないので、山で暮らす野生のイノシシにとって初めて嗅ぐ異臭だったかもしれません。 

ちなみに、銀杏の匂いに対するカモシカの反応はイノシシとは違っていて、なかなか興味深いです。

※ イノシシの鼻息や走る物音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2026/02/22

シラカシの堅果が気に入らなくてもときどき給餌場に通ってくる野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年11月下旬〜12月上旬

シーン0:11/21・午後12:02・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
里山の林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を設置して、シラカシの堅果(ドングリ)を満杯に入れ、自動撮影カメラで見張っています。 
野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:11/25・午後19:10(@0:03〜) 
晩に野ネズミが餌箱の中に入ってドングリを物色していました。 
匂いを嗅ぎ回った挙句に、餌箱から空荷で出て来ると、倒木を右に走って下りました。 頬袋にドングリを含んでいる可能性もありますが、それなら繰り返し餌箱に通ってくるはずです。 

シーン2:11/26・午後22:49・雨天(@0:27〜) 
翌日の晩は雨が降っていました。 
野ネズミは倒木の右下から林床に移動して、草むらを右往左往しています。 
どういう訳か、ときどきピョンと跳ねています。 

シーン3:11/27・午前0:58・雨天(@0:59〜) 
日付が変わった深夜も雨が降り続いています。 
監視カメラの起動が遅れ、野ネズミは倒木の右端を駆け抜けるところでした。 

シーン4:11/28・午前1:22(@1:05〜) 
翌日も深夜未明に野ネズミが登場。 
倒木の右端で動きを止めています。 
しばらくして警戒を解くと、右に立ち去りました。 


シーン5:12/1・午前0:48(@1:15〜) 
餌箱の中に野ネズミが入って、シラカシの堅果を物色していました。 
残念ながらトレイルカメラの電池が消耗していて、わずか4秒間しか撮れていませんでした。 


※ 雨音が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



【考察】
どうやらシラカシの堅果は野ネズミが貯食する餌としてあまり気に入らないのようです。
私としては動物の面白い行動が動画に撮れれば良いので定量的なデータをしっかり取っていませんが、他の種類の堅果や種子を給餌したときよりも、野ネズミの訪問頻度が低いことは確実です。 
おそらくシラカシの堅果は渋いタンニンの含有量が多くて忌避されるのでしょう。

私が給餌箱の中身をときどき変えるので、野ネズミもたまにチェックしに通ってくるのでしょう。

色んな種類のドングリを同時に給餌して、野ネズミがどれを選ぶか選好実験するのも面白そうです。 

実はこの後、給餌箱に残った大量のシラカシ堅果(ドングリ)を全部出して、近くのスギの木の根元に捨てました。(監視カメラなし)
後日に調べると、ドングリの山はすべて無くなっていました。
どうやら、野ネズミやリスなどの齧歯類あるいはカケスなどの野鳥がシラカシ堅果を見つけて持ち去ったようです。
給餌実験に失敗したのは、給餌箱を見張っているトレイルカメラの存在を警戒した可能性が高そうです。


つづく→

2026/02/16

カキノキの下に置いた落果を素通りするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年11月下旬

シーン1:11/27・午後13:21・くもり・気温24℃(@0:00〜) 
平地でカキノキの下に落ちていた果実を1箇所にまとめて置き、自動センサーカメラで見張っています。 
2回目の給餌は、計10個の落果を地面に並べて置きました。

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン2:11/27・午後22:35・気温7℃(@0:02〜) 
晩遅くに左の獣道から来たタヌキがカメラ目線で佇んでいました。 
給餌場に私が並べておいた落柿の匂いを嗅ぎ回ったのに、なぜか食べようとしません。 
カキノキの背後に回り込むと、奥の草むら(ソバ畑の境界)で重点的に餌を探しています。 


シーン3:11/30・午後22:27・気温2℃(@0:00〜) 
3日後も晩にタヌキがやって来ました。 
昼間に来たニホンザルが監視カメラを悪戯したのか、画角が斜めにずれてしまっています。 

しかしタヌキは給餌場を素通りして、左へ立ち去ってしまいました。 
熟柿の甘い匂いが漂っているいるはずなのに、不思議です。 
私の残り香や監視カメラに警戒しているのでしょうか? 
他所でもっと甘い熟柿を食べ飽きていているのかもしれません。


つづく→

2026/02/15

カキノキの下で落果の山を見つけたホンドテンの反応【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年11月下旬・午前1:15頃・気温-3℃ 

平地でカキノキの下に散乱していた落果8個を拾い集めて1箇所にまとめて置き、自動センサーカメラで見張っています。 

気温が氷点下まで下がった深夜過ぎに冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)が登場しました。 
恐る恐る給餌場に近づくと、匂いを嗅ぎ回ったものの、落柿を食べずに走り去りました。 
私の残り香を嗅ぎ取って警戒しているのでしょうか。 
せめてカキノキに登って樹上に残った熟柿を自力で食べるかと期待したのですが、いずれ木登りのシーンが撮れるかな? 


つづく→


【アフィリエイト】テン 種をまく森のハンター

2026/02/14

シラカシ堅果の給餌箱を無視して貯食物を探すニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年11月下旬・午前9:40頃・晴れ 

里山の林縁に転がっている年季の入った倒木の端に給餌箱を設置し、拾い集めたシラカシの堅果(ドングリ)を一杯に入れておきました。 

昼行性のニホンリスSciurus lis)が給餌場に現れたのは、1週間も経ってからのことでした。 
倒木のほぼ中央に乗って奥の方を眺めているリスの後ろ姿が写っていました。 
倒木から林床にスルリと降りると、しばらく地面の下草(落ち葉?)を調べてから、再び倒木の同じ位置に登り直しました。 
今度は向きを変え、監視カメラの方を向いてくれました。 
倒木を伝って少し左へ移動すると、座って再び奥を見つめています。 

ちょっと高い展望台から周囲を警戒すると、再び倒木から地面に飛び降りました。 
手前の下草が邪魔でよく見えないのですが、どうやら地面を掘っているようです。 
倒木に登り直すと、後足で立ち上がりました。
このとき空荷だったので、過去に隠した貯食物を掘り出した訳ではなさそうです。 
お立ち台(倒木)から再び地面に飛び降り、手前の地面の同じ地点を何度も掘り返しています。 
最後は手前に立ち去りました。 

一連の行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:32〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンリスは見慣れない給餌箱に対して警戒しているのか、ドングリの詰まった給餌箱に一度も入ってくれませんでした。 
そもそもあまり好きでもないドングリなんか眼中になくて、過去に貯食物(オニグルミの堅果?)を埋めた場所を思い出すのに苦労していたのかもしれません。

今季試した給餌実験の結論として、シラカシのドングリは野ネズミにもニホンリスにも人気がありませんでした。 
念のために、もう一度ぐらい追試すべきかもしれません。 
どうしてシラカシ堅果がリスに不人気だったのか、Perplexity AIに質問してみました。 

Q1: ニホンリスがシラカシの堅果(ドングリ)を食べたり貯食したりする観察記録はあるか? 

A1: ニホンリスがシラカシ堅果(ドングリ)を食べたり貯食したりしたという、種を特定した詳細な観察記録は、少なくとも公開された代表的な資料の範囲では確認されていません。buna+1

1. ニホンリスのドングリ利用に関する一般論

  • 解説記事では、日本のニホンリスやキタリスは「タンニン含有率が高く渋みの強いドングリ類(カシ類)をあまり貯食しない」とされており、代わりにタンニンの少ないスダジイなどを好んで食べると書かれています。[buna]​

  • ニホンリスの食性と貯食を調べた古典的研究(加藤 1985)では、主要食物としてオニグルミ、アカマツ種子、カラマツ種子などが挙げられており、利用樹種は22種報告されていますが、要約部にはシラカシ(あるいはカシ類堅果)への直接の言及はありません。[cir.nii.ac]​

2. 「シラカシ限定」の記録が見当たらない理由の可能性

  • 報告論文では、多くの場合「カシ類」「ブナ科常緑広葉樹」といった群として扱われ、個々のカシ種(シラカシ・アラカシ等)まで同定・記載していないことが多いと考えられます。[cir.nii.ac]​

  • また、前述のようにカシ類ドングリは「ニホンリスはあまり貯食しない」とされ、研究者もクルミ類やマツ類など主要資源に焦点を当ててきたため、シラカシ利用があっても詳細に報告されていない可能性があります。[buna]​

3. 現時点で言えそうなこと

  • 公開されている代表的な研究・解説レベルでは、「ニホンリスがシラカシ堅果を食べる・貯食する」という種まで特定した観察記録は確認できませんでした。cir.nii+1

  • 一方で、「カシ類のドングリは渋みが強いため、ニホンリスはあまり貯食しない」という記述があり、少なくとも「主要な貯食対象ではない」という方向の一般的見解は示されています。[buna]​

4. フィールドで確認したい場合のヒント

  • シラカシ林・混交林で、リスが残した食痕(殻の割れ方、齧り痕の位置・パターン)を系統的に記録する。クルミやクリの食痕と比較すると識別しやすくなります。[iwate-shizen]​

  • 秋~初冬のリスの行動を継続追跡し、「運搬 → 埋設/樹上隙間への押し込み」といった貯食行動がシラカシ堅果で起きているかどうかを、個体ごと・樹種ごとに記録するのが有効です。[parks.or]​

まとめると、「シラカシのドングリをニホンリスが利用するか」という点は、少なくとも文献上では空白に近く、「あまり貯食しないカシ類」の中の一例として扱われている可能性が高い、という状況だと考えられます。cir.nii+1


【アフィリエイト】 


2026/02/05

シラカシの堅果(ドングリ)を給餌箱から持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】貯食行動?

 



2024年11月中旬

シーン0:11/11・午後12:23・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
街路樹シラカシの堅果(いわゆるドングリ)を拾い集め、里山の朽ちた倒木に設置した給餌箱に入れてみました。 
野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめます。 

シーン1:11/12・午前1:46(@0:02〜) 
深夜に倒木を右から登ってきた野ネズミが、左端を調べてから引き返して給餌箱に入りました。 
ドングリを物色してから、倒木を右へ駆け下りました。 
動きが早すぎて、ドングリを運んでいるかどうか、いまいち不明です。 

シーン2:11/12・午前4:08(@0:13〜) 
約2時間20分後の未明に野ネズミが再登場。 
給餌箱に入るとドングリを咥えて?倒木を駆け下りたものの、右端で立ち止まりました。 
なぜか引き返して倒木を登り返すと、倒木をあちこち探索しています。 
途中でドングリを落としてしまった訳ではないので、不思議です。 
再び給餌箱の中に入ると、シラカシ堅果を咥えて?倒木を右へ駆け下り、姿を消しました。 

シーン3:11/13・午前2:51(@0:48〜) 
翌日も深夜に野ネズミが給餌場に来ました。 
倒木の右端から野ネズミが斜めの倒木を一気に左へ駆け上がり、左端から下の地面を覗き込んでから右に戻りました。 
朽ちた倒木を右往左往しただけで、餌箱にはなぜか入りませんでした。 

シーン3:11/13・午前3:50(@1:02〜) 
1時間後に野ネズミが倒木を右から左に駆け上がり、躊躇なく餌箱に飛び込みました。 
ドングリ(シラカシ堅果)を物色した後で、右へ立ち去ったのですが、頬袋にドングリを入れて持ち去ったかどうか、動きが早すぎて見えません。 
倒木の右端で立ち止まったときも、口元にドングリは見えませんでした。 

シーン4:11/13・午前4:03(@1:15〜) 
13分後に再び野ネズミが餌箱の中に入っていました。 
しばらくドングリを物色してから、倒木を右へ下りました。 

シーン5:11/16・午後13:40(@2:01〜) 
おまけの動画です。
3日後の昼間、木枯らしというほど強い風ではありませんが、秋風に吹かれてオニグルミ?の落ち葉が盛大に舞い散る様子がたまたま撮れていました。 

シーン6(@2:51〜)
給餌箱に野ネズミが来たシーンを1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。 
野ネズミが給餌箱からシラカシ堅果(ドングリ)を頬袋に詰めて持ち去ったと思うのですが、説得力のある映像は撮れませんでした。 


【考察】 
野ネズミは餌箱に通ってシラカシの堅果(ドングリ)を持ち去りました。
ヒマワリの種子は殻を剥いて食べましたが、ドングリは冬越しに備えて貯食しているようです。

野ネズミはもっと喜んで足繁く餌箱に通ってくると予想していたのに、意外な反応でした。
シラカシ堅果は貯食する餌としてあまり気に入らないのでしょうか? 
他の堅果や種子を給餌したときよりも訪問頻度が低いことは確実です。 
餌箱の中身をヒマワリ種子から急にシラカシ堅果に変更したので戸惑っているのかな?
山中にシラカシが自生してないので、シラカシのドングリを野ネズミが食べ慣れてないのかもしれません。(食べず嫌い?) 

反省としては、今回給餌したシラカシ堅果は小粒のドングリが多かったのが問題かもしれません。
小粒のドングリだと野ネズミが口に咥えて運ぶのではなく、頬袋に詰めて運ぶため、運搬してるかどうか映像でしっかり見極められません。
小粒のドングリを予め取り除いて、大粒のシラカシ堅果のみ給餌すべきでしたね。
給餌箱に残ったドングリの数を数えていくつ減ったか調べるべきだったのですが、忙しくてつい横着してしまい、初めに入れた数も不明です。
 
ドングリの大きさとタンニンという毒の含有量には一般的な相関関係は認められないらしい。

樹種タンニン含有量 (g/100g乾燥)ドングリサイズ例 (長さ×幅 cm, 重量目安)備考 jspp+1
ミズナラ6.71.5-2.5 × 1-1.5 (中型)タンニン最多、中型
コナラ4.81.6-2.2 × 0.8-1.2 (小型-中型)タンニン高、小型
シラカシ4.51.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型)タンニン高、小型
アラカシ4.41.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型)タンニン高、小型
クヌギ1.32.0-2.5 × 1.5-2.0 (大型)タンニン中、大型
イチイガシ1.21.5-2.0 × 1.0-1.5 (小型-中型)タンニン中
スダジイ1.01.0-1.5 × 0.8-1.2 (小型)タンニン低、小型
マテバシイ0.52.0-3.0+ × 1.5-2.0 (大型)タンニン最低、大型

この表は、Perplexity AIがまとめたものです。
私はこれまで、ミズナラとシラカシの堅果で野ネズミに給餌実験の真似事をしました。
当地の野ネズミはシラカシよりもミズナラ堅果の方が好きなようです。
(きっちり定量的に調べてはいませんし、シラカシについては追試が必要かもしれません。)

島田卓哉『野ネズミとドングリ: タンニンという毒とうまくつきあう方法 』p147に掲載された図5.1によると、「栄養学的な観点からドングリは大きく3つのタイプに分けられる」そうです。
タイプ2のドングリは、(タンニンなどの:しぐま註)総フェノール量は多く、代謝エネルギーは低いという特徴を持ち、コナラやミズナラ、(シラカシ:しぐま註)などが含まれる。




【アフィリエイト】 

2026/01/28

地中から貯食物を掘り出して持ち去るニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年11月上旬・午前7:50頃 

里山の林縁で斜めに伸びている古い朽木の先に給餌箱を設置し、その中にヒマワリ(向日葵)の種子を一杯に詰めておきました。 
リスや野ネズミが食べに来てくれることを期待しています。 



ある朝、ニホンリスSciurus lis)がようやく現れました。 
倒木の途中に乗ったリスが上体を起こし、給餌箱の方を凝視していました。 
美味しそうなヒマワリ種子の匂いがするはずなのに、ニホンリスは警戒しているのか給餌箱には近寄らず、手前の林床に飛び降りました。 

地中の浅い所に埋めて隠しておいた餌を掘り出すと、口に咥えて手前に持ち去りました。 
監視カメラの画角の死角に入ってしまったのが残念です。 
ちらっと見えた餌は黒っぽかったので、おそらくオニグルミの堅果を貯食していたのでしょう。 
実はこの場所は、オニグルミの古い巨木が横にそびえ立っています。 
空腹のリスがその場でクルミの殻を割って食べたのか、それとも(貯食物を盗まれないように)別な場所にオニグルミ堅果を埋め直したのか、見届けられませんでした。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
昼行性のリスへの給餌実験がどうしても上手く行きません。 
夜行性の野ネズミは同じ給餌箱に通ってくれるのに、リスの警戒心の強さが際立ちます。

それでも今回は貯食物の掘り出しという貴重なシーンを垣間見ることが出来たので、一歩前進です。
人為的に給餌なんかしなくてもニホンリスの自然な営みを撮影できるのなら、それに越したことはありません。

この里山にはオニグルミの木が点在しているのですが、過去に伐採された結果なのか、連続したクルミ林になっていません。
オニグルミを主食とするニホンリスにとっては暮らしにくそうですが、アカマツや植林されたカラマツなども利用して細々と暮らしているのだろうと推測しています。




【アフィリエイト】 

2026/01/25

給餌箱のトチノキ種子(栃の実)が気に入らない野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月下旬

シーン0:10/25・午後12:43・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山で朽ちかけたスギ倒木の端に給餌箱を設置し、中にトチノキの種子を満杯に入れました。 
リスや野ネズミが栃の実を持ち去って貯食することを期待しています。 
前年は給餌実験を行うのが時期的に遅くなってしまったので、その追試です。


野ネズミ(ノネズミ)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:10/28・午前1:13・雨天(@0:02〜) 
雨が激しく降りしきる深夜に、野ネズミが給餌箱に入って物色していました。 
しかし、斜めの倒木を右に駆け下りた野ネズミは空荷でした。 
そのまま手前の林床を左へ走り去りました。 


シーン2:10/28・午前3:47(@0:15〜) 
約2時間35分後、雨はほとんど止んでいました。 
手前の草むらを野ネズミが右から左へチョロチョロと横切りました。 


シーン3:10/28・午後23:03(@0:21〜) 
19時間15分後の深夜に、野ネズミが倒木の右端に来ていました。 
今回も栃の実は運んでおらず、空荷で右へ立ち去りました。 


シーン4:10/31・午後23:03(@0:27〜) 
3日後も深夜に野ネズミが登場。 
給餌箱の中に入って中身を物色していました。 
栃の実を嗅ぎ回ったものの、すぐに給餌箱の外に出て、倒木の先端部を探索しています。 
再び給餌箱にちょっと入ってから、すぐに倒木を右に走り去りました。 
今回もトチノキ種子を持ち去りませんでした。 
そして、給餌箱に栃の実を入れている限り、野ネズミは二度と戻ってきませんでした。


【考察】 
予想に反して、野ネズミは給餌したトチノキ種子を運んでくれず、給餌実験は失敗に終わりました。 
前年は別の地点で給餌して成功したので、栃の実が重くて野ネズミには運べないとは思えません。
現場付近にトチノキは自生していないので、当地の野ネズミは栃の実を見るのは初めてなのかもしれません。 
餌として認識できなかったり、運搬の経験がないのでしょうか。 
もしも私がこの秋に拾い集めたトチノキ種子がたまたま有毒成分であるサポニンの含有量が多い物ばかりで、それを野ネズミが見抜いて貯食を見送ったとしたら、興味深い話です。
(サポニンの含有量を測定できない素人がそれを実証するのは、難しそうです。)

もしかすると給餌箱にカビ臭い匂いが残留していて、それを野ネズミは嫌がっただけかな? 


2026/01/05

ニホンアナグマはイチョウの落果(銀杏)を食べるか?【トレイルカメラ】給餌実験

 



2024年10月中旬 

イチョウの種子は被食型の動物散布で分布を広げることが知られています。
私が調べたタヌキの溜め糞場でも秋になるとイチョウの種子が未消化のまま含まれていました。 
イチョウの熟した果肉(正確には外種皮)からは酪酸由来の糞便のような独特の酷い悪臭がしますが、種子散布者となる野生動物の興味を引くためだと考えられています。 
野生動物がイチョウの落果を丸呑みにして食べるシーンを撮るのが次の目標です。 
しかし、人通りの多いイチョウ並木の下にトレイルカメラを設置するのは無理そうです。
そこで、ちょっとした給餌実験をして、イチョウの種子散布を調べてみることにします。 


シーン1:10/10・午後13:17・晴れ・気温24℃(@0:00〜) 
シーン1:10/10・午後13:55・晴れ・気温26℃(@0:04〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っています。 
イチョウ並木の下に熟して落ちていた果実、銀杏ぎんなんを道中で6個だけ拾い集めてきました。 
(ちなみに、まだ黄葉していませんでした。)
アナグマの巣口L、Rの中間地点にひとまとめにした銀杏を置いてみました。 
ここはホンドタヌキも頻繁に通う獣道にもなっています。 
給餌した銀杏をタヌキやアナグマが食べてくれるかな? 
この二次林にイチョウの木は全く生えていません。



シーン2:10/12・午後16:38・晴れ・気温19℃(@0:12〜) 
2日後、営巣地に侵入したタヌキを追い払うために巣穴Lから出てきたアナグマ(前の記事を参照)が、セットをうろついています。 
ようやく私が給餌した臭い銀杏を嗅ぎ当てました。 
興味津々のアナグマが鼻先を付けて銀杏の匂いを嗅ごうとすると、地面で銀杏(イチョウの熟果)が転がってしまいます。 
しかし、結局アナグマは銀杏を食べませんでした。 



シーン3:10/12・午後16:38(@1:12〜) 
別アングルで設置した監視カメラは、薄暮のためモノクロで録画していました。
残念ながら、ギンナンを給餌した地点が、手前のミズキ枯木の陰になって見えません。 
アナグマが銀杏(イチョウ落果)の匂いを長々と嗅ぎながら鼻先で転がしたものの、食べず仕舞いでした。 


シーン4:10/12・午後16:56(@1:51〜)
約20分後に、アナグマが再び銀杏の匂いを嗅ぎに来ました。 
地面に転がっていたイチョウの落果を見つけると、前脚で押さえながら食べようとしましたが、やはり食べませんでした。 

しばらくすると、別個体のアナグマが巣穴Lの入口から外に出てきました。 
個体識別ができていませんが、この2頭は親子(母子)なのかな? 
給餌場に後から合流した個体も、ギンナンの匂いを嗅いだだけで、やっぱり食べませんでした。 


シーン5:10/21・午後16:56・晴れ・19℃(@2:52〜)
シーン5:10/21・午後13:18・晴れ・18℃(@3:03〜) 
給餌期間を終えた現場の様子です。 
給餌した銀杏(イチョウ落果)が少し散らばっていたものの、食べられないまま残っていました。 
イチョウの果肉には天然の防腐剤が含まれているのか、カビが生えたり腐ったりもしていませんでした。 
異臭を嫌ってアナグマが銀杏を土で埋めることもありませんでした。 
我々ヒトのように単純な糞便臭と誤認する訳ではないようで、銀杏の上に自らの排泄物(糞尿)でマーキングすることはありませんでした。


【考察】 
当地のアナグマは銀杏(イチョウ熟果)の強烈な匂いが気になるようですが、2頭とも食べませんでした。 
私の知る限り、この辺りでイチョウの木は次々に伐採されて雄株しか残っていません。
もしかすると当地のアナグマは銀杏(イチョウの果実)を見るのも匂いを嗅ぐのも初めてなのかもしれません。 

やはりイチョウの種子散布者の本命は、アナグマではなくタヌキなのでしょう。 


ランダムに記事を読む