2026/06/27

リンゴ園の樹上で未熟果を食い荒らすニホンザルの群れ

 

2026年6月上旬・午前10:10頃・くもり 

山麓の果樹園に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが傍若無人に侵入していました。 
今季はまだ果樹園全体が電気柵で囲われていなかったので、無防備な状態でした。 
当地は豪雪地帯ですから、積雪の重みで潰れたり壊れたりしないように、秋の収穫が終わると電気柵を全て撤去してしまいます。 
猿害対策として電気柵は有効ですが、正しく設置して保守管理しないと、賢いニホンザルはすぐに攻略してしまいます。 



果樹園の敷地の端(リンゴ林の林縁)でリンゴの果樹に登っていたニホンザルが赤く色づき始めた小ぶりの未熟果を次々に食い荒らしていました。 
リンゴ農家も果実を間引いて大きく育てるために不要な枝を剪定したり摘果したりするので、この時期の食害には寛容なのでしょうか。
それとも単に人手不足で猿害対策が間に合わないのかもしれません。 

多くのニホンザルが続々とリンゴの木によじ登って未熟果を食べ漁るので、どの個体に注目して撮影すべきか、目移りしてしまいます。 



ときどき、ニホンザルがリンゴの枝をポキッと折る音が聞こえます。 
リンゴの樹上に座ったニホンザルが近くの枝から未熟果を手でもぎ取り、かぶりついてモグモグと咀嚼します。 
片手を伸ばして小枝を引き寄せ、未熟果を口で直接咥えてもぎ取ることもありました。 
しかし猿は一口か二口食べただけで、食べかけの果実を惜しげもなく捨ててしまい、次の果実を採取します。 
ニホンザルに特有のこのような採食法が我々に「もったいない」と強く感じさせ、果樹農家に憎まれる原因になります。 

果皮が赤く色づいていない「青りんご」の状態でもニホンザルは平気で食べています。(@2:02〜) 
渋くないのかな? 
普段ニホンザルは野生の果実ばかり食べているので、栽培品種のリンゴ果実は未熟でもよほど美味に違いありません。

リンゴの芯や種子は食べずに捨てているのか、それとも逆に、リンゴの果皮を捨てているのか、よく見えませんでした。 
リンゴの木の下に散乱している食べ残し(食痕)を観察しに行く必要があります。 
また、この時期のニホンザルが排泄した糞に未消化のリンゴ種子が含まれているかどうか、調べる必要がありますね。 
果実が熟していないということは、種子も未だ成熟していない(発芽能力がない)ので、今回は種子散布の話と無関係です。 
つまり、リンゴという植物にとって、ニホンザルによる未熟果の食害は、完全な食べられ損です。

リンゴの樹上で私に背を向けて座り、未熟果を食べていた個体が真っ逆さまに(頭を下にして)幹を下りました。(@1:37〜) 

ニホンザルの群れは、緑の葉が生い茂った枝から枝へ渡り歩いて、リンゴ園の奥へと入って行きます。 
私に見られているのを嫌い、茂みの奥に隠れたいのかもしれません。 


短時間の観察でしたが、この群れにはアルビノ(または白変種)が少なくとも2頭含まれていました。 
白猿と呼ばれて地元では昔から神聖視(半ばアイドル化)されています。 

まず見つけた白猿は、体格の良い太った成獣♀です。(@2:41〜) 
胸に幼い子猿を抱えていたので、今季出産した♀であることが分かります。 
興味深いことに、子猿の毛皮は母親のように真っ白(ホモ)ではなくて、通常の野生型(ヘテロ)でした。 
幼い子猿はまだ離乳前らしく、自分でリンゴの未熟果を採食することはありませんでした。 
授乳期の母猿は、栄養価の高い餌をたくさん食べないといけません。 
樹上の白猿が振り返ったときに瞳の色を確認すると、黒目があるようにも見え、メラニン色素が薄くて青い目のようにも見えます。(YouTube動画のサムネイルとなった場面@3:29〜) 
やがて、乳飲み子を抱いたまま、隣の木に跳び移りました。(@3:42〜) 
アルビノ♀が出産するのは珍しいとのことですが、私自身はそこまで詳細な記録を取っていません。 

私が撮影に夢中になっていると、手前の農道を別個体の白猿が通り過ぎました。(@3:03〜) 
若いアルビノ(白変種?)個体です。 
私をあまり恐れずに、ゆっくり歩いて果樹園の方へ向かいました。 
残念ながら後ろ姿しか見えなかったので、瞳の色を確認できていません。 
アルビノの母猿と若いアルビノは、親子なのでしょうか? 
その後、年齢の離れたアルビノ同士がリンゴ園で合流する様子は見ていません。 


※ 撮影順ではなく、映像素材の順番を編集で入れ替えました。 


つづく→猿も木から落ちる!


【追記】
こういう動画を公開すると、「のんきに傍観してないで、さっさと害獣を追い払え!」と怒る人が出てきます。
猿の襲撃が1回限りなら、全くその通りです。
しかし、何度も繰り返されるとなると、話が変わってきます。
猿害(ニホンザルによる農作物の食害)に苦しむ農家の心情も理解できるのですが、私は長年ひっそりと観察に徹しているからこそ、このような記録映像を撮ることができるのです。
ちなみに、私は野生のニホンザルに撮影目的の餌付けや給餌を一切していません。
もし私がニホンザルの追い払い活動に参加すると、猿たちは私に対して警戒を強め、自然な行動を見せてくれないどころか、群れに近づくことも困難になります。

つまり、猿害対策には分業が必要となるのです。
害獣防除の専門業者も必要ですし、ニホンザルの行動や生態を地道に調べる研究者や動物カメラマンも必要です。
現在では無人のカメラを農地や果樹園に設置して、野生動物の侵入を不眠不休で監視することも可能になりました。

軍事で例えると、偵察部隊や斥候(隠密偵察)はこっそり敵の様子を視察して、正しい情報を本隊に伝えるのが任務の専門職です。
敵と遭遇したからと言って、いちいち戦闘したり追い払ったりするのは御法度です。
隠密偵察が持ち帰った情報や証拠映像を元に対策を立てたり作戦を練ったりするのは、別の担当者です。

クリの幹の根元に集まり餌を探すエナガの群れ♪【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年1月上旬・午後13:15頃・晴れ 

山麓の農村部でクリ(栗)園の横を通りかかったら、エナガAegithalos caudatus)の群れが賑やかに鳴き交わしながら採食していました。 
落葉したクリの木の下で、雪が溶けて露出した落ち葉を調べたり、根元付近の樹皮をあちこちつついたりして、隠れて越冬している虫を探しています。 

エナガの忙しない採食行動をじっくり観察するために、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
短い距離を飛んで移動する羽ばたきが、見応えのあるスーパースローで見れるようになりました。 
エナガは垂直な幹をピョンピョンとよじ登り、あちこちの樹皮をつついています。 


【考察】 
エナガが嘴でつついて捕食していた獲物の候補として、クリオオアブラムシLachnus tropicalis)の越冬卵が考えられます。
クリ林(果樹園)に発生する害虫を冬に食べてくれるエナガは益鳥になります。
現場検証で獲物の正体を突き止めたくても、クリ園の敷地に勝手に入る訳にはいかないので、今のところ推測に過ぎません。 

参考ブログ:冬越しブラック団 by 湘南むし日記


他の鳥が林床でよくやる「落ち葉めくり行動」をエナガはなぜやらないのか、不思議でした。
嘴の短いエナガは、落ち葉をうまく摘んだり払い除けたりできないのかもしれません。 


今回の採食行動について、Perplexity AIに質問してみました。

Q: エナガはクリの幹の下部(根元付近)に執着し、そこの樹皮を重点的につついていました。
獲物となる越冬卵や越冬昆虫の分布が樹冠部ではなく根元付近に偏っている理由は何だろう? 
雪面に近いほうが乾燥から免れるのか? 大雪が積もれば雪の下に埋もれたり潰されてしまう可能性もあります。 

A: 越冬する卵や虫が根元付近に偏って分布する理由は、いくつかの重要な環境要因が関係しています。

根元付近を選ばれる主な理由

要因理由・効果
温度変化の少なさ根元は地表に近いため、温度変化が最も少なく安定している [city.kurayoshi.lg]。樹幹上部は風や日射で温度変動が大きい
湿度の保たれやすさ根元の樹皮の隙間は外部から隠れ、湿度も保たれる [biome.co]。乾燥は越冬卵の細胞内水環境を変化させ致命的
風・雨の避けやすさ根元は風雨の当たらない場所 [hayakawa-kitasho.ed]。風で寒くならないため
外敵からの隠れやすさ根元の樹皮の間や落ち葉の下は、地表を歩き回って獲物を探す鳥類などの天敵に見つかりにくい [biome.co]
0℃付近の安定環境落ち葉の間に潜ったり隙間に入ったりと、0℃あたりの温度と湿り気をくれる環境 [city.kurayoshi.lg]

雪面のメリットとデメリットについて

メリット(乾燥回避)

  • 雪の下は断熱効果があり、温度が急激に下がらない

  • 雪は湿度を保つため、乾燥を防ぐ[city.kurayoshi.lg]

デメリット(大雪のリスク)

  • 大雪が積もれば雪の下に埋もれてしまう可能性

  • しかし、昆虫は自分の致死温度以上で安定した場所を選んで越冬するため、雪の厚さや温度を考慮して場所を選んでいる[detail.chiebukuro.yahoo.co]

クリオオアブラムシの具体的な産卵場所

クリオオアブラムシは幹の株元近くに複数の雌成虫が集まって卵をまとめて産みます 。これは「日当たりがよい南側の雨がかかりにくい枝の下面」に多いという情報 と矛盾せず、株元付近の樹幹下部の南側を選ぶ傾向があると考えられます。[hro.or]

結論

エナガが根元付近を重点的につついていた理由

  1. 越冬卵が根元付近に集中して産みつけられている[hro.or]

  2. 根元は温度・湿度が安定し、乾燥から免れやすい[biome.co]

  3. 風雨・外敵からの保護が得られる[hayakawa-kitasho.ed]

  4. 雪面近くでも、岩根や樹皮の隙間に潜ることで過度の低温や雪の重圧を回避している[detail.chiebukuro.yahoo.co]

大雪が積もる場合でも、昆虫は致死温度以上の安定場所を選ぶため、根元の樹皮隙間や落ち葉下などの微環境を利用しています。





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2026/06/26

雪原の営巣地でホンドタヌキ♂が♀の発情状態をチェック・家族団らんの相互毛繕い:3月中旬【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬

冬は雪原となる休耕地で、ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の営巣地を2台のトレイルカメラで見張っています。 
いよいよ交尾期が始まるので、撮り漏らしを減らすために、トレイルカメラをもう1台増やしました。 

遂に、この日は重要な出来事が起こります。 


シーン1:3/12・午前7:10・晴れ・気温0℃(@0:00〜) 
朝からなぜか画面全体がぼんやり曇っています。 
レンズに霜が付着したのか、朝霧が発生しているのかもしれません。 
※ このシーン1だけ編集時に自動色調補正を施し、5倍速にしました。
(早回し映像にしたほうが、霧の中でも行動を読み解きやすくなるのです。)


右から3頭のタヌキが次々と帰巣しました。 
そのまま入巣するかと思いきや、巣口の手前で別々に立ち止まっています。 
先行の2頭が入巣した後も、最後尾の3頭目が巣外に留まっています。 
これまでの行動パターンでは、先行する2頭が♀♂ペア(両親)で、殿しんがりを務めているのが両目失明個体(ヘルパー♀h)と予想しています。 


シーン2:3/12・午前7:36・晴れ・気温2℃(@0:12〜) 
約25分後、レンズがクリアになっていました。 

巣穴から外に出てきたばかりの♀♂ペアが雪原を右に移動していました。 
先行個体♀が雪面の匂いを嗅ぎ回ってから、体をねじって毛繕いを始めました。 
後続の♂個体が立ち止まったまま身震いしました。 

♂が♀に近づくと、♂から♀への対他毛繕いを始めました。 
その流れで♂は♀の尻の匂いを嗅いで、発情状態をチェックしています。 
尻や陰部を舐められた♀は尻尾をピクピク持ち上げました。 
素人目には、♀も発情しかけているような気がします。 
(発情チェックの行動でようやくペアの性別が確定したので、遡って性別を記したのです。) 

その間に、ヘルパー個体(両目失明♀h)が巣口から顔を出して、♀♂ペアの様子を眺めています。
(タペータムの反射機能が消失していても、明るい昼間の視覚は問題ないと推測しています。)


シーン3:3/12・午前8:36・晴れ・気温9℃(@1:12〜) 
1時間後にも、3頭の家族群が営巣地の雪原をうろついていました。 
巣穴へ向かって右から順番に(1頭ずつ)歩いてきます。 
個体識別ができていませんが、先行する2頭が両親♀♂ペアで、いつも最後尾を歩いているのがヘルパー個体(両目失明♀h)なのでしょうか。 


シーン4:3/12・午前8:37・晴れ(@2:12〜) 
狭い巣口に3頭の家族がひしめき合っていました。 
三つ巴で対他毛繕い、相互毛繕いしてるようです。 



つづく→いよいよ交尾が始まります。

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