2026/02/14

シラカシ堅果の給餌箱を無視して貯食物を探すニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年11月下旬・午前9:40頃・晴れ 

里山の林縁に転がっている年季の入った倒木の端に給餌箱を設置し、拾い集めたシラカシの堅果(ドングリ)を一杯に入れておきました。 

昼行性のニホンリスSciurus lis)が給餌場に現れたのは、1週間も経ってからのことでした。 
倒木のほぼ中央に乗って奥の方を眺めているリスの後ろ姿が写っていました。 
倒木から林床にスルリと降りると、しばらく地面の下草(落ち葉?)を調べてから、再び倒木の同じ位置に登り直しました。 
今度は向きを変え、監視カメラの方を向いてくれました。 
倒木を伝って少し左へ移動すると、座って再び奥を見つめています。 

ちょっと高い展望台から周囲を警戒すると、再び倒木から地面に飛び降りました。 
手前の下草が邪魔でよく見えないのですが、どうやら地面を掘っているようです。 
倒木に登り直すと、後足で立ち上がりました。
このとき空荷だったので、過去に隠した貯食物を掘り出した訳ではなさそうです。 
お立ち台(倒木)から再び地面に飛び降り、手前の地面の同じ地点を何度も掘り返しています。 
最後は手前に立ち去りました。 

一連の行動を1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:32〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンリスは見慣れない給餌箱に対して警戒しているのか、ドングリの詰まった給餌箱に一度も入ってくれませんでした。 
そもそもあまり好きでもないドングリなんか眼中になくて、過去に貯食物(オニグルミの堅果?)を埋めた場所を思い出すのに苦労していたのかもしれません。

今季試した給餌実験の結論として、シラカシのドングリは野ネズミにもニホンリスにも人気がありませんでした。 
念のために、もう一度ぐらい追試すべきかもしれません。 
どうしてシラカシ堅果がリスに不人気だったのか、Perplexity AIに質問してみました。 

Q1: ニホンリスがシラカシの堅果(ドングリ)を食べたり貯食したりする観察記録はあるか? 

A1: ニホンリスがシラカシ堅果(ドングリ)を食べたり貯食したりしたという、種を特定した詳細な観察記録は、少なくとも公開された代表的な資料の範囲では確認されていません。buna+1

1. ニホンリスのドングリ利用に関する一般論

  • 解説記事では、日本のニホンリスやキタリスは「タンニン含有率が高く渋みの強いドングリ類(カシ類)をあまり貯食しない」とされており、代わりにタンニンの少ないスダジイなどを好んで食べると書かれています。[buna]​

  • ニホンリスの食性と貯食を調べた古典的研究(加藤 1985)では、主要食物としてオニグルミ、アカマツ種子、カラマツ種子などが挙げられており、利用樹種は22種報告されていますが、要約部にはシラカシ(あるいはカシ類堅果)への直接の言及はありません。[cir.nii.ac]​

2. 「シラカシ限定」の記録が見当たらない理由の可能性

  • 報告論文では、多くの場合「カシ類」「ブナ科常緑広葉樹」といった群として扱われ、個々のカシ種(シラカシ・アラカシ等)まで同定・記載していないことが多いと考えられます。[cir.nii.ac]​

  • また、前述のようにカシ類ドングリは「ニホンリスはあまり貯食しない」とされ、研究者もクルミ類やマツ類など主要資源に焦点を当ててきたため、シラカシ利用があっても詳細に報告されていない可能性があります。[buna]​

3. 現時点で言えそうなこと

  • 公開されている代表的な研究・解説レベルでは、「ニホンリスがシラカシ堅果を食べる・貯食する」という種まで特定した観察記録は確認できませんでした。cir.nii+1

  • 一方で、「カシ類のドングリは渋みが強いため、ニホンリスはあまり貯食しない」という記述があり、少なくとも「主要な貯食対象ではない」という方向の一般的見解は示されています。[buna]​

4. フィールドで確認したい場合のヒント

  • シラカシ林・混交林で、リスが残した食痕(殻の割れ方、齧り痕の位置・パターン)を系統的に記録する。クルミやクリの食痕と比較すると識別しやすくなります。[iwate-shizen]​

  • 秋~初冬のリスの行動を継続追跡し、「運搬 → 埋設/樹上隙間への押し込み」といった貯食行動がシラカシ堅果で起きているかどうかを、個体ごと・樹種ごとに記録するのが有効です。[parks.or]​

まとめると、「シラカシのドングリをニホンリスが利用するか」という点は、少なくとも文献上では空白に近く、「あまり貯食しないカシ類」の中の一例として扱われている可能性が高い、という状況だと考えられます。cir.nii+1


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つづく→

ジンヨウイチヤクソウの花

2025年6月下旬・午後・くもり 

里山の雑木林を抜ける山道に謎の白い花が下向きに咲いていました。 
初めて見る植物なので写真に撮ってGoogleレンズ(Gemini)で質問すると、ツツジ科の草本植物でジンヨウイチヤクソウと教えてもらいました。 


残念ながら、訪花する昆虫を見かけませんでした。
薄暗い林床でストロボを焚いたら、白い花が少し白飛び。
上から見下ろす

カナムグラの葉を食べ歩きクズの葉裏に眼下腺マーキングするニホンカモシカ♂:両角欠け

 

2024年10月中旬・午後13:30頃・くもり 

里山をトラバースする林道を私が静かに歩いていたら、前方横の茂みからニホンカモシカ♂(Capricornis crispus)が慌てて山側に逃げました。 
このとき鼻息を荒らげて威嚇♪したと思うのですが、今となっては記憶があやふやです。 
(撮影はここから。) 

落ち着きを取り戻すと、カモシカは山腹を斜めにゆっくり登り始めました(ほぼトラバース)。
蔓植物にびっしり覆われた斜面を苦労して薮漕ぎしているというよりも、おそらく通いなれた獣道があるのでしょう。 

股間に睾丸が見えたので、性別が♂と判明しました。(@2:57〜) ニホンカモシカは外見の性差が乏しく、長々と観察しても外性器が見えるのはごくまれです。 

顔にズームインすると、角が短い個体でした。 
幼獣にしては体格がごついので注意深く見ると、左右の角の先端が欠けていました。 
おそらく成獣♂同士の喧嘩(縄張り争い)で角を突き合わせた際に、破損したのでしょう。 
その後に自分で角を研いで、短いながらもなるべく尖らせているようです。 
毎年角が生え変わるシカ♂とは異なり、カモシカ♀♂の角は再生しません。 
これだけ分かりやすい特徴(両角欠け)があれば、個体識別に使えます。 
記録を遡ると、同じ山系の尾根道で出会ったカモシカと同一個体かもしれません。 



ニホンカモシカ♂は獣道のあちこちで立ち止まって道草を食っています。 
ときどき短い尻尾を左右に振ったり、顔を振ったり、毛皮を器用にぴくぴく動かしたりして、しつこく集まって来る吸血性昆虫やハエ類を追い払っています。 

採食メニューを知りたくてズームインすると、どうやら蔓植物カナムグラの葉を食いちぎっていました。 
明らかに食餌植物の好き嫌いがあるようで、カナムグラだけを選んで食べています。 

関連記事(1ヶ月前の撮影@平地)▶ 蔓植物カナムグラの旋回運動【4000倍速映像】 


蔓植物でもクズの大きな葉をこのカモシカ♂個体は食べず、その代わりあちこちのクズの葉裏に顔を擦りつけました。 
眼下腺からの分泌物で縄張り宣言しているのです。 

有蹄類の草食獣でも食性からグレイザーに分類されるホンシュウジカとは異なり、ブラウザーのニホンカモシカは笹などグラミノイドの葉を全く食べません。 
この点は本で読んだ通りです。
この急斜面は毎年冬になると雪崩が多発するため、激しい撹乱によって樹木はほとんど育つことが出来ません。 
低山なのに草本植物しか生えない森林限界?のような植生になっています。 
カモシカは落葉性広葉樹の葉を好んで食べると言われているのですが、ここでは広葉草本を選択的に採食しています。 

このカモシカ個体がキイチゴ類の葉を食べなかったのは、茎が鋭い棘で守られているからでしょう。 
シダ植物(ワラビ?)の葉も一度も口にしませんでした。
カモシカ研究者が書いた本によると、餌の乏しい冬になればシダを食べるらしい。

ミゾソバのピンクの花や白い花も咲いているのに、花の匂いを嗅いだだけで食べませんでした。(@6:17〜) 
これは興味深い(意外な)観察結果です。 
これまでトレイルカメラによる撮影では、同じ山系で暮らすニホンカモシカは秋になると湿った林道に咲いたミゾソバを食べに複数個体が繰り返し通っていたからです。 

関連記事(2年前の撮影)▶  

カモシカ♂はときどき頭を上げると、私をじっと見下ろしながら臼歯で餌をもぐもぐと咀嚼しています。 
私から安全な距離を取っている上に、カモシカにとって有利な高所に位置しているので、さほど警戒していません。 
もしかすると、近視のカモシカの目にはもう私の姿がよく見えないのかもしれません。 

曇天ですがニホンアマガエルHyla japonica)が鳴いたので♪、これから雨が降りそうです。 


【考察】
直接観察でカモシカの採食メニューのひとつを突き止められたのは、嬉しい収穫です。 

Perplexity AIで掘り下げてみました。
食害を防ぐために二次代謝物(毒)を蓄積する戦略はコストがかかるので、カナムグラは選ばなかったらしい。
それなのに、カナムグラの葉を食べる野生動物は意外にも知られていないそうです。
昆虫ではキタテハ幼虫の食草として有名です。
カナムグラは蔓に棘が生えていて、食べると苦味が強いのだそうです。



※ 編集時に動画素材の順番を入れ替えました。 
後半部(8.05〜)は撮り初めの記録なのですが、茂みに隠れて採食シーンが上手く撮れませんでした。(採餌植物が不明) 
山中で私と鉢合わせして逃げた直後なので、初めはやや緊張しているようです。
私はいつも同じ服装で山に入るようにしているので、顔馴染みのヒト(人畜無害な奴)だとすぐに認識して安心したようです。
視覚ではなく嗅覚(私の体臭)で私を認識しているのかもしれません。
いまいちの映像とは言え、せっかく撮れたのに丸々カットするのも惜しいので、最後に付け足しました。 


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