2026/09/05

春の夜に林内のタヌキ営巣地を別々にうろつく2匹のイエネコ:4月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬〜下旬 

シーン0:4/17・午後14:44・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:4/17・午後15:24・晴れ(@0:03〜) 
春の二次林でホンドタヌキやニホンアナグマが出入りする巣穴を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの掘った営巣地(セット)でした。 

イエネコFelis silvestris catus)の登場シーンをまとめました。 
赤外線の暗視カメラで撮れた夜行性の記録ばかりなので、毛並みの色は不明です。 


シーン1:4/19・午後21:07・気温14℃(@0:07〜) 
ある晩、白毛を基調とする三毛猫♀が現れました。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、横に座り込んで警戒しています。 

シーン2:4/19・午後21:13・気温17℃(@1:07〜)
同一個体と思われる三毛猫♀が、東からセットに戻って来ました。 
2つの巣口L/Rの間を横切ると、そのまま西の林内へ向かいました。 

シーン3:4/19・午後21:12・気温16℃(@1:23〜)
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
最後は朽ちた細い倒木の上を伝って、西へ立ち去りました。 


シーン4:4/21・午後23:10・気温5℃(@1:32〜) 
2日後の晩遅くに登場した猫は、明らかに三毛猫とは違いました。 
モノクロの暗視映像では毛並みの色が分かりません。 
全身が白っぽく、薄い茶色の模様があちこちに入っているのではないか(茶ブチ)と想像しています。 

西から巣口Lに忍び足で来て、中を覗き込んでいます。 
最後は獣道を東へゆっくりと立ち去りました。 


【考察】 
毛並みの模様が異なる2匹のイエネコが単独で代わる代わるやって来ました。 
近所の家の飼い猫が夜の散歩に出歩いているようです。
夜の林内で野ネズミの巣穴を探しているのでしょう。 
イエネコが狩りをする決定的なシーンを私はまだトレイルカメラでまだ撮れていません。
野外を我が物顔に跳梁跋扈して野ネズミを狩る外来種のイエネコは、フクロウやホンドテン、ニホンイタチ、ホンドギツネなど在来種の猛禽や肉食獣の競合相手になります。

ネコが興味を示した巣穴Lは最近、アナグマが頻繁に整備したりマーキングしたりしています。
なぜかもう一つの巣穴Rに猫は2匹とも立ち寄りませんでした。



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つづく→

2026/09/04

田んぼの用水路で水を飲むキジ♀(野鳥)

 

2025年6月中旬・午後15:15頃・晴れ 

水田で農道を単独で歩くキジ♀(Phasianus versicolor)を見つけました。 
キジ♀も私の存在に気づいていて、どんどん奥へと逃げて行きます。 
田植え前に除草剤を撒いた農道の区画では枯草が広がっています。 
褐色系の迷彩模様を身にまとったキジ♀にとっては、緑の草地を歩くよりも保護色になっています。 
それを自覚していてキジ♀は奥へ奥へと逃げていたのかもしれません。 

逃げる途中で、畦道の横を流れる細い農業用水路からキジ♀が水を飲みました。 
よほど喉が渇いていたようで、私から逃げつつ場所を変えながら、何度も水を飲んでいます。 
用水路をピョンと飛び越えました。 
畦道を右に曲がると、最後は水田の中に入って水を飲んだようです。 

水飛沫を上げながら水を飲んだり、用水路を飛び越えたりする様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:21〜) 
キジ♀が流水の水面から顔を上げたら、嘴ですくい上げた水滴が前方に飛びました。 
もし私が怖がらせなければ、キジ♀は用水路内で落ち着いて水浴したのかな? 


キジが水を飲むシーンを初めて動画で記録できて嬉しかったのですが、デジカメ(Panasonic LUMIX DC-FZ85D-K)の手ブレ補正機能の副作用が酷いです。 
撮影を始めるまで私はカメラを起動したまま首からぶら下げて農道を歩いていました。 
私の歩行リズムを打ち消すようにカメラが手ブレを補正しようとするので、私が立ち止まって動画を撮り始めても横方向の不自然な振動が続いてしまうのです。 
動画を撮りながら私が画角の振動を打ち消そうとカメラを手で動かすほど逆効果で、不自然な振動が長く続くことになります。 
カメラの電源を一度切ってから再起動すればこの症状が直ることは分かっているのですが、再び動画が撮れるようになるまでかなりのタイムラグがあります。 
その間に生き物の面白い行動の決定的な瞬間を撮り逃がしてしまいがちで、これまで何度も悔しい思いをしてきました。 
そのため、私は我慢して動画を撮り続けるようにしています。 
何も撮れないよりも、ぶれている動画の方がはるかにマシだからです。(Better than nothing.)
別の裏技として、カメラの電源を切らずに、写真・動画をバックモニターで見る再生モードに切り替え、再び撮影モードに戻すと、手ブレ補正の暴走がリセットされることを後に知りました。 
カメラメーカーのPanasonicには、この症状だけを素早く止める緊急リセットボタンを特別に用意してもらいたいものです。


つづく→

菜の花を舐めるスイセンハナアブ♂

 

2025年5月下旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外の住宅地で民家の家庭菜園に咲いている菜の花に見慣れないハナアブが忙しなく訪花していました。 
口吻を伸縮させて、黄色い菜の花の花蜜や花粉を舐めています。 
後半は、菜の花に隣接するハルジオンにも一瞬だけ訪花しました。 

いつものように望遠マクロで虫を撮りたくても、菜の花の茂みが込み入っているため、AFで被写体にピントを合わせるのはまず無理です。 
仕方がないので、通常のマクロモードでレンズをそっと近づけて接写するしかありません。 
ハナアブが花から花へ飛び回る際に、プーン♪という羽音がかすかに聞こえます。

初めはクロマルハナバチ♀の小型個体またはコマルハナバチ♀かと騙されかけたのですけど、よく見るとベイツ型擬態のハナアブでした。 
胸部(襟元)が黒ではなく色が薄い(黄褐色)点では、クロマルハナバチよりもオオマルハナバチ♀(Bombus hypocrita)っぽいかもしれません。
(しかし撮影地は平地なので、山地性のオオマルハナバチは生息していませんから、ベイツ擬態が成立しなくなってしまいます。)
顔を正面から見ると、左右の複眼が頭頂で接していたので♂と判明。 
後脚の腿節が黒くて太いです。 

今回の菜の花は園芸植物なのか、それともアブラナ科の野菜が花を咲かせたのか、真面目に検討していません。

謎のハナアブの名前を知りたくてGoogleレンズ(画像認識AI)を使ったら、スイセンハナアブ♂(Merodon equestris)とすぐに教えてくれました。 
スイセンなどの球根に幼虫が寄生する外来種らしい。 
輸入された園芸植物の球根と一緒に検疫をすり抜けて日本に侵入し、分布を広げているそうです。 
ベーツ擬態が中途半端でモデルがよく分からないのは、もともと日本在来種ではないからだと分かりました。

最近買った『ハナアブハンドブック』で調べ直すと、p93に掲載されていました。 
発生時期が5〜6月とのことで、ぴったり合います。 
スイセンハナアブは体色に変異型が色々とあるらしく(colour form多型の写真)、この個体は混合型(var. bulborumとvar. equestrisのどっち?)らしい。 
外来種のベーツ擬態の問題は考えてみるとかなり面白いので、改めて別の記事にします。(別個体の訪花シーンを映像公開予定)





余談ですが、2026年4月に出版された『ハナアブハンドブック』の書評を遅ればせながら少し書いておきます。 
ハナアブ専門の図鑑を長年待ち望んでいたので、調べ物の取っ掛かりとして本書はとてもありがたいです。 
紙の表紙にビニールカバーが被せられていて、野外に携帯しても汚れや摩耗から保護してくれそうです。 
しかし、肝心の図鑑編に掲載された各種ハナアブの写真が暗いのが不満です。 
文一総合出版のハンドブック・シリーズで共通したホワイトバック(背景が白色)の写真なのに、きちんとストロボを焚いていないのか、まるで蛍光灯の下で撮ったような暗い写真ばかりです。
細部の特徴が写真でよく分からないのでは、生物図鑑やハンドブックとして致命的な欠陥だと言わざるを得ません。 
もしかするとフラッシュを焚いているのに、斜めから撮っているせいかもしれません。 
ハナアブを同定するには背面と側面と顔正面の3枚ずつ、♀♂両方の写真を載せて欲しいのに、掲載写真を減らすため(コストカット)の苦肉の策として、本書では基本的に斜めから撮った写真が中心です。 
たとえばハナアブの世界というWEBサイトには、各種の標本写真がきれいにまとめてあって、今回も重宝しています。 
ハナアブ類の生態を説明した解説編の内容が充実していて本当に素晴らしいだけに、写真がとにかく残念です。 
出版社の編集者が心を鬼にして筆者に指摘する(撮り直しを命じる)べきでした。 
労作なのは重々承知の上で、筆者に対して酷な要求ですけど、写真を差し替えて改訂することを望みます。 


生物の図鑑は今後すべて紙ではなく電子書籍版で出版して欲しいというのが個人的な希望です。 
今さらですけど、電子書籍のメリットを列挙してみます。 
  • 電子書籍なら図鑑やハンドブックを何冊でもフィールドに持っていくことが可能になり、現場で調べることができます。 
  • 掲載するカラー写真の数を泣く泣く減らしたり、サイズを小さくトリミングしたり、カラー印刷のページだけ口絵としてまとめたりする必要が一切なくなります。 欲張りな私は、各種につき標本の写真も生態の写真も削らずに盛りだくさんに掲載してほしいのです。
  • 小さな文字が読みにくい読者は、虫眼鏡を使わなくても拡大して表示することができます。 写真も文字も小さな本は、老眼の高齢者への配慮を欠いています。 
  • 鳴き声の音声や行動の動画などマルチメディア素材との連携もスムーズになります。 1990年代にCD-ROMのマルチメディア図鑑が登場したときは革命的でした。感動・熱狂した当時と比べて、今の図鑑は明らかに使いにくく退化しています。 
  • 内容に訂正があれば、電子書籍ならすぐに反映できるはずです。


現状では伝統的な紙の出版文化を守ろうとして両方出し続けているために、色々と中途半端になっています。 
出版社の都合で、読者(消費者)の不満がいつまでも解消されません。 
電子書籍版と言いつつも、紙の書籍をスキャンした画像をまとめただけの粗悪な代物ばかりなのは、出版社の怠慢です。 
電子書籍の強みを遺憾なく発揮した編集になっていません。 
たとえば目次や索引からハイパーリンクで該当ページに直接飛べるように、最低限の編集をして欲しいものです。 
個人の有志が自費出版している電子書籍の図鑑には、すばらしい物があるので、技術的にできないとは言わせません。 
(たとえば『日本チョウ類E図鑑』など。)
大手の出版社もさっさと電子版に本格移行して欲しいものです。 
図鑑の未来は電子書籍にあると私は確信しています。 
子供向けの入門図鑑では、紙の書籍版も意味があるかもしれません。 
しかし、大人向けの専門的な図鑑は、すべて電子版にすべきだと私は考えます。 
紙の書籍で多くの種類を網羅しつつコンパクトで安価な図鑑にまとめるのは、もう限界でしょう。
料金は1冊毎の買い切りが私の好みですけど、いずれサブスク制が主流になりそうです。


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