2026/08/24

獲物のヤゴを池の岸に運び、隠れて捕食するクロゲンゴロウ

 

2026年5月中旬・午後13:40頃・晴れ 

山麓にある小さな池Lで、1匹のクロゲンゴロウCybister brevis)が何か白っぽい獲物を運んでいました。 
トンボの幼虫(ヤゴ、種名不詳)を捕まえたようです。 
獲物を持ち運びながら水中を泳ぎ回り、浅い岸辺をうろうろしています。 
最後は岸辺に生えた抽水植物(スゲの一種)の根元に潜り込むと、ようやく落ち着いて捕食を始めました。 


※ 濁った水中のヤゴが見えやすいように、後半のリプレイでは動画編集で自動色調補正を施しました。 
色味がどぎつく(不自然に)なるのは仕方がありません。 


【考察】 
クロゲンゴロウがヤゴを狩る瞬間を見逃したのは残念でした。
肉食性であるクロゲンゴロウ同士で熾烈な獲物の争奪戦が繰り広げられています。 
獲物を捕らえた個体は急いで隠れ家に運ばないと、腹を空かせたライバルに獲物を横取り(強奪)されてしまうリスクがあるのです。 

関連記事(同じ池で3年前の撮影)▶ 池で溺れたノシメトンボ♂を捕食するクロゲンゴロウの群れ 


いくつかの疑問をPerplexity AIに訊いてみました。 
Q1: クロゲンゴロウの成虫はヤゴを捕食するか?

A1: はい、クロゲンゴロウ(Cybister chinensis)の成虫も、ヤゴを捕食する可能性があります。ただし、幼虫ほど積極的に生きた獲物を襲うとは限らず、主に小型・弱った・負傷したヤゴ、または死んだヤゴが捕食対象になりやすいと考えられます。

根拠と注意点

  • クロゲンゴロウ幼虫では、ヤゴは主要な餌の一つで、野外・飼育実験の双方で明確に捕食されています。特に幼虫は、オタマジャクシよりヤゴを多く捕食する傾向が報告されています。 jstage.jst.go
  • 一方、成虫の食性は幼虫ほど「動く獲物を積極的に襲う」タイプではなく、水面下に落ちた昆虫や、弱った・死んだ水生動物を利用する傾向があります。 ja.wikipedia
  • そのため、成虫とヤゴを同居させた場合、ヤゴが常に捕食されるとは限りませんが、脱皮直後、衰弱個体、狭い容器内、餌不足などの条件では捕食されるリスクがあります。

飼育上の判断

ヤゴを確実に残したい場合は、クロゲンゴロウ成虫とは分けて飼育するのが安全です。特に小型ヤゴやイトトンボ類のヤゴは、成虫にかじられる可能性が高くなります。反対に、大型で活発なヤゴなら成虫から逃げられる場合もありますが、混泳が安全だとはいえません。

なお、文献で強く裏付けられているのは「クロゲンゴロウ幼虫によるヤゴ捕食」であり、クロゲンゴロウ成虫が健全な生きたヤゴを恒常的に捕食する頻度についての直接的な研究例は、今回確認できた範囲では限られます。したがって結論は、「成虫も食べ得るが、幼虫ほど典型的・活発な捕食ではない」です。


Q2:クロゲンゴロウがとりわけ機敏なハンターとは思えないのに、なぜヤゴはクロゲンゴロウに捕食されてしまうのか? ヤゴは腹端からジェット水流を出して素早く逃げることが可能なのでは? 

A2: ご指摘の通り、健全なヤゴが開けた水中でクロゲンゴロウ成虫に追いつかれて捕食される、という単純な図式ではありません。腹端からのジェット推進は実際に有効な逃避手段です。ただし、それは「常時高速で泳げる」という意味ではなく、状況によってはクロゲンゴロウ側の捕食が成立します。

ジェット推進には限界がある

ヤゴのジェットは、直腸へ取り込んだ水を腹部の収縮で排出する仕組みで、瞬間的な加速には有効です。 しかし、次のような性質があります。 link.springer

  • 短時間の急加速であり、長距離を高速巡航する遊泳ではない。
  • 方向転換や停止後の再加速には時間を要する。
  • 腹部を収縮させるため、連続使用には疲労や呼吸上の制約がある。
  • 逃走方向が水草や底面に遮られると、速度を十分に生かせない。

したがって、ヤゴのジェットは「一瞬の距離を稼ぐ」には優れますが、開けた水域でなければ必ず逃げ切れるわけではありません。

クロゲンゴロウは追跡型とは限らない

クロゲンゴロウ成虫がヤゴを捕食する場合、必ずしも高速で追跡して捕らえる必要はありません。成虫は流線形の体と遊泳に適した後脚を持ち、比較的よく泳ぎますが、重要なのは速度そのものよりも、次のような接近様式です。 ja.wikipedia

  • 水草の間や底面でヤゴと偶然接近する。
  • ヤゴが静止・休息しているところに接近する。
  • ヤゴが脱皮直後や負傷時で逃避能力を失っている。
  • 夜間や濁水中など、視覚的な早期発見が難しい条件で接触する。
  • まず脚で押さえ、ヤゴがジェットを出す前に大顎で咬みつく。

つまり、これは「クロゲンゴロウがヤゴを泳いで追い抜く」捕食というより、近距離での遭遇、待ち伏せ、あるいは弱った個体の利用として考える方が自然です。

ヤゴ側の逃避姿勢にも問題がある

ヤゴのジェット推進は、腹端から水を後方へ噴出して前進するため、基本的には腹部の向いている方向へ逃げる運動です。捕食者が正面または側面から接近した場合、ヤゴはまず向きを整えなければなりません。その間に、ゲンゴロウ成虫が脚で接触して捕らえる可能性があります。

また、ヤゴは普段から高速遊泳しているわけではなく、水草や底質上で静止している時間が長い動物です。水田などの浅い水域では、植物の茎・落葉・泥底が多く、ジェットで逃げてもすぐ障害物に当たります。実際、クロゲンゴロウ類では、ヤゴを主要な餌とする幼虫の出現時期とヤゴの多い時期が一致し、浅い水田環境で両者の生息場所も重なります。 nagasaki-u.ac

成虫と幼虫を分けて考えるべき

ここは重要です。ヤゴを積極的かつ頻繁に襲う主役は、一般にはクロゲンゴロウ幼虫の方です。ゲンゴロウ類の幼虫は待ち伏せから短距離で飛びかかる捕食者で、ヤゴなどの動く水生動物を捕らえます。 クロゲンゴロウ幼虫についても、水生昆虫類、特にヤゴを主な餌とする報告があります。 nagasaki-u.ac

一方、成虫については、クロゲンゴロウが肉食性であることは確認されていますが、健全なヤゴをどの程度の頻度で能動的に捕食するかという直接的な定量資料は限られます。 成虫が見つけたヤゴを食べるとしても、典型的には次のような条件が考えやすいです。 pref.ishikawa.lg

  • ヤゴが小型である。
  • ヤゴが脱皮直後で軟弱である。
  • ヤゴが死亡または衰弱している。
  • 飼育容器が狭く、逃走距離がない。
  • 水草や底質のため、ヤゴが方向転換しにくい。
  • 餌不足で成虫の探索・接触頻度が高い。

結論

ヤゴのジェット推進は有効ですが、接近を事前に察知して、腹端を逃走方向へ向け、障害物のない方向へ一気に逃げられる場合に有効です。クロゲンゴロウ成虫による捕食は、速度勝負というより、近距離遭遇・不意打ち・障害物・ヤゴの状態によって成立すると考えるのが妥当です。

したがって、観察上「成虫が健全なヤゴを頻繁に追跡して捕食している」のであれば、通常の高速追跡よりも、ヤゴが小型・弱体化している、夜間である、あるいは水草内で逃走方向を制限されている可能性をまず疑うべきです。


若葉が芽吹き始めた春の二次林でタヌキの巣穴入口を調べるホンドギツネ:4月下旬【トレイルカメラ】

 

2025年4月下旬 

シーン0:4/17・午後14:44・晴れ(@0:00〜) 
ようやく雪が溶け切った落葉二次林で、ホンドタヌキの営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
この時点で写っている緑の葉は、冬緑性のナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)と常緑樹のヒメアオキの群落だけです。 
他の落葉樹はまだ冬芽のままです。

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:4/25・午前5:01・晴れ・気温9℃(@0:03〜)日の出時刻は午前4:48 
マルバゴマキなど落葉樹の若葉が芽吹き始めました。 

日の出直後の早朝にキツネが単独で監視カメラの前を横切りました。
途中で倒木の上に前脚を掛けながら、ミズキの灌木を見上げました。 


シーン2:4/26・午前5:24・気温0℃(@0:27〜)日の出時刻は4:46
翌日も早朝にキツネが現れました。 
おそらく同一個体と思われ、尻尾の毛がフサフサしています。 
この時期は冬毛から夏毛へと生え変わる換毛期です。 

2つの巣口L、Rを順に覗き込んで匂いを嗅いだものの、中に入ろうとはしませんでした。 

左の林内へキツネが立ち去ると、カラスが嗄れ声で鳴き始めました。 
キツネに対する警戒声なのでしょう。


【考察】
キツネの換毛期について、Perplexity AIに訊いてみました。

Q: 山形県で4月下旬に見られるホンドギツネは冬毛の状態か?

A: はい。**山形県で4月下旬に見られるホンドギツネは、通常は冬毛から夏毛へ移行中の「換毛期」**と考えるのが妥当です。ただし、冬毛が完全に残っている個体と、かなり夏毛化した個体が混在します。

見た目の目安

春の換毛では、一般に次のような状態になります。

  • 胴体や背中に冬毛の長い上毛がまだ残る
  • 下毛が抜けて、全体に冬より細く見える
  • 腹部、頸部、脇、尾の基部などから先に毛が薄くなる
  • 毛並みがぼそぼそ・不均一に見える
  • 尾が冬季より細くなり始める
  • 赤褐色の夏毛が目立つ一方、灰褐色または淡色の冬毛が部分的に残る

キツネでは春に冬毛の下毛が抜け、夏毛へ移行します。飼育下のホンドギツネでも、春から初夏にかけて毛が大量に抜け、尾が著しく細く見えることが報告されています。 また、ホンドギツネの換毛期は春と秋の年2回とされています。 circle.kyoto-np

山形県・4月下旬の場合

山形県は本州内では積雪・寒冷の影響が比較的大きいため、4月下旬は関東平野部より換毛が遅れている可能性があります。したがって、野外個体では、

  • 冬毛がまだかなり残る
  • 換毛が進み、部分的に夏毛になっている
  • 低地の暖かい地域や暖冬年では、ほぼ夏毛に近い

という幅が予想されます。

特に山間部、積雪の多い地域、標高の高い場所では、4月下旬でも「冬毛の印象」が強い個体がいて不思議ではありません。一方、日当たりのよい低地や市街地周辺では、すでにかなり細身に見えることがあります。

観察時の判定

写真や動画で判定するなら、単に「ふさふさしているか」よりも、次を確認するとよいです。

所見 推定される状態
首・胸・尾が非常に豊かで、毛並みが均一 冬毛が強く残る
背中や脇の毛が不均一で、抜け毛が目立つ 換毛中
尾が細く、胴体の輪郭が明瞭 夏毛化が進行
毛が短く、全体にすっきりしている 夏毛に近い

したがって、山形県の4月下旬の個体を記録する場合は、「冬毛」か「夏毛」かの二択ではなく、「冬毛から夏毛への換毛中」と記載するのが最も適切です。なお、毛がまだらに抜けて見えるだけなら、必ずしも皮膚病や栄養不良を意味しません。

2026/08/23

川岸の浅瀬で水を浴びるモズ♂(野鳥)

 

2025年4月下旬・午後15:50頃・晴れ 

河原で若葉が芽吹き始めたオニグルミの灌木にモズ♂(Lanius bucephalus)が止まって尾羽根を上下に動かしていました。 
やがて止まり木から下の川岸に飛び降りて、浅瀬で行水を始めました。 
(映像はここから。) 

激しく水飛沫を上げて気持ち良さそうに水浴しています。 
ハイスピード動画に切り替えるタイミングを見計らっていたら、突然左に飛び去り、姿を見失いました。 

関連記事(13年前の撮影)▶ モズの水浴、羽繕いと鳴き真似♪?【野鳥】

ランダムに記事を読む