2026/09/11

ジムグリの死骸をホンドタヌキの溜め糞場に給餌してみてると…【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月下旬〜5月上旬

シーン0:4/30(@0:00〜) 
ドラッグストア郊外店の広い駐車場で、ヘビの死骸を見つけました。
白っぽい腹面を上に向けて舗装路に横たわっていました。 
損傷が激しく、頭部が完全に失われていた他、尻尾の先も千切れかけています。 
駐車場で車に轢き殺された(ロードキル)とは限らず、カラスやトビなどのスカベンジャーが他所から死骸を運んできた可能性もありそうです。

ビニール袋に入れて死骸を採集しました。 
死後硬直はなく、手に持つとぐったりしていました。 
ハエなどが集まって来ていなかったこともあり、死んでからまだそれほど時間が経過していないようです。


裏返して背面も調べると、ヘビの種類はジムグリ(Elaphe conspicillata) でした。
街なかによく出没する種類ではないので、やはり他所から持ち込まれた死骸のような気がします。

関連記事(2年前の撮影)▶ 


シーン1:4/30・午後16:04・晴れ(@0:03〜) 
スギ防風林にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場WBCまでジムグリの死骸を持ってきて林床(スギ落ち葉の上)に置きました。
死骸を採集してから5時間以上も経っていたので、死後硬直が進んでいました。
採寸のため、15センチの定規を並べて写真に撮りました。
ここには複数のタヌキが頻繁に通って来ることが分かっています。
スカベンジャーとして知られるタヌキがヘビの死骸を見つけたときの反応をトレイルカメラで記録しようという企みです。
本当は、溜め糞場から離れた獣道で給餌実験をすべきなのですけど、撮影機材が足りないので仕方がありません。
なるべく夕方に近い時間に給餌したのは、昼間にカラスが死骸を見つけて食べてしまうと困るからです。


シーン2:4/30・午後18:44・気温10℃(@0:22〜) 日の入り時刻は午後18:32。
日没直後の晩に、早速2頭のホンドタヌキが連れ立って溜め糞場WBCに現れました。
近くにある休耕地の巣穴から排便に来たようです。

珍しく先に到着していた両目失明個体(ヘルパー♀h)がヘビの死臭を嗅ぎつけ、頭部のない死骸の首付近を咥えて持ち上げました。
そのままズルズルとひきずるように獲物を持って少し右に移動。
2番目に来た親タヌキ(♀?)がそれに気づくと、近づいて分け前を要求しました。
このとき餌乞いの鳴き声などは発しませんでした。 
ヘビの反対側の端を咥えると、親子2頭で綱引きのように引っ張り合いを始めました。 
そのまま蛇を引き千切るかと思いきや、立場の弱いヘルパー♀hがあっさり諦めて口を離したので、激しい争奪戦にはなりませんでした。
ジムグリ死骸の匂いを嗅いだり舐めたりしてから、親タヌキはヘビ死骸の太い端(前側)を咥えて奥に持ち去りました。 
林床の少し離れた地点まで運ぶと、蛇の死骸を独り占めで食べ始めました。

せっかく先に見つけた 獲物を奪われた両目失明個体(ヘルパー♀h)は抵抗も抗議もしませんでした。
タヌキにとって、ヘビの死骸は争奪戦するほどの魅力がない餌なのかな?  
その場で未練がましくスギ落葉の残り香を嗅いだりしています。 

最後3番目に来た親タヌキ(♂?)は、溜め糞場wbcで排便もしないで、ぼんやり佇んでいるだけです。

重要なシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:24〜2:21) 


シーン3:4/30・午後18:46(@2:22〜)
ヘビの死骸を持ち去った親タヌキa(♀?)がさらに奥に移動していて、食べ続けています。 
(完食しなかったことが後に判明します。)

その間に、両目失明個体が溜め糞場で排便しました。
もう1頭の親タヌキb(♂?)はパートナーに分け前を要求することなく、少し離れたまま林床の匂いを嗅ぎ回っています。 
ジムグリ死骸の残り香が気になるようです。 

脱糞シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@3:22〜) 


シーン4:4/30・午後19:06・気温11℃(@4:23〜)
約20分後、奥の林床にヘビの死骸が放置されているようです。
単独行動のタヌキが溜め糞場を素通りして奥へ歩き去りました。 

やがて別個体が手前から登場しました。 
林床の匂いを嗅ぎながら奥へ歩いて行きます。
2頭とも後ろ姿なのでタペータム(輝板)が見えず、個体識別が出来ません。 



シーン5:5/1・午前4:20・気温2℃(@4:53〜) 日の出時刻は午前4:40。
監視カメラが次に起動したのは日の出直前です。
スギ林床の赤丸で囲んだ位置にヘビの死骸がなぜか突然出現していました。
何者かがここに運んできたシーンが撮れていないことになります。 
シデムシなど腐肉食性の昆虫が死骸を埋葬するために運んできたとしたら、変温動物ですからトレイルカメラには当然写りません。 
しかし5月上旬の未明は気温がかなり低い(2℃)ので、越冬明けの昆虫はまだ活動できないはずです。

左から来たタヌキ(両目の輝板は正常)が、ヘビ死骸の食べ残しを見つけました。
左前足で押さえつけながら、咥えてグイグイ引っ張っています。 
引きちぎることはできないものの、ヘビの皮を剥いているようです。
残念ながら、尻切れトンボで録画が打ち切られてしまいました。 
ホンドタヌキがヘビの死骸を完食したのか、どこかに持ち去ったのか、不明です。
後日に現場検証すると、私が置いたジムグリの死骸は無くなっていました。


シーン6:5/1・午前5:25・気温1℃(@5:54〜)
すっかり明るくなった早朝に、単独で来たタヌキが林床をうろついています。
もうヘビの死骸は残っていないようです。


【考察】
私にはまだ親タヌキの性別が見分けられず、個体識別ができていません。
ジムグリ死骸を食べた個体は、妊娠、出産、育児で食用旺盛な母親♀なのではないかと勝手に想像しています。 

給餌実験をしたら、親と子ダヌキ(ヘルパー)間の力関係を示す重要な証拠動画が撮れました。 
両目を失明したヘルパーは、親タヌキに餌を奪われても全く反抗しないで完全に服従しているようです。 
実は、冬の積雪期にも同様のシーンを観察しています。



野生動物に給餌するのは原則的に避けるべきですが、ヘビの死骸を駐車場に放置していれば、いずれ何らかのスカベンジャー(掃除屋)が食べに来たはずです。 
トレイルカメラを設置した獣道に死骸を移動しただけですから、タヌキにドッグフードなどを給餌するよりはマシでしょう。 
路上の死骸(ロードキル)を放置したままだと不衛生なのは確かです。
通報して死骸を焼却処分してもらうと燃料代がかかりますから、なるべくスカベンジャーに食わせる方がCO2の放出も減らせてエコです。
生態系にはスカベンジャーというグループがいて大切な役割を果たしているということを都会人は忘れがちです。

次に死骸を給餌するときには、監視カメラの近くから持ち去られないように工夫した方が長く観察できそうです。


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つづく→

2026/09/10

キジ♂が求愛に来ても飛んで逃げる♀(野鳥)

 



2025年6月中旬・午後15:25頃・晴れ 

私が同一個体のキジ♀(Phasianus versicolor)をしつこく追いかけて採食シーンの撮影を続けると、♀は怖がって全力疾走で田んぼの畦道を走り去りました。 
その様子を隣の田んぼから見ていたのか、1羽のキジ♂が左から低空で飛来しました。 
まるで窮地のヒロインを救いに来たヒーローが颯爽と登場!といった印象を受けました。 
しかし、武器を持たないキジ♂が外敵(今回は私)を撃退できるとは思えません。 
敵の目を惹きつけてパートナー♀を逃がすために、まさか偽傷してみせるのでしょうか? 
(映像はここから。) 


田園地帯の農道をキジ♂(Phasianus versicolor)が奥から手前に向かって雄々しく歩いて来ます。 
広い農道を横断する途中で立ち止まると、背伸びや身震いをしたり、その場で方向転換したりしました。 
母衣ほろ打ちしそうだったのに、結局ケンケーン♪と鳴いて縄張り宣言することはありませんでした。 
私が農道にじっと立ち止まって撮影しているせいで、キジ♂は怖がってそれ以上キジ♀に近づけないのかもしれません。
 (私とキジ♂との間に♀が位置しています。) 
観察を続けると、どうやらキジ♂は私のことなど眼中になくて、♀を見つけて慎重にアプローチしていただけ、という可能性もありそうです。 

ようやくキジ♂は警戒を解いたのか、意を決したように農道を手前に歩き始めました。(その先に♀が居ます。) 
キジ♂の歩行シーンを正面から撮れるのは珍しく、ラッキーでした。 
鳩胸を誇示するように威風堂々と歩いて来ます。 
光沢ある濃緑の羽根がとても美しく、惚れ惚れします。 

除草剤で雑草を枯らした畦道で、キジ♀が採食していました。 
♂の接近に気づいているはずなのに、逃げようとしません。 
何気ない素振りで、キジ♀は右足で痒い顔を掻きました。
その間に♂は♀の正面に回り込み、尾羽根の模様を見せつけました。 
羽繕いしていた♀はちょっと驚いて飛び退くと、身震いしました。 
♂が逆方向から♀の正面に回り込み、再び尾羽根を誇示。 
♀はピョンと跳んで逃げ、採食を再開。 

♀の横で♂が同じく地面を啄んだ隙に、♀は羽ばたいて飛び去りました。 
続けて♂も飛び立ち、♀を追いかけます。 
キジ♀♂が相次いで飛び去る様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:01〜) 
せっかく低空で飛ぶキジ♂を流し撮り出来たのに、カメラのバッテリーをここで使い切ってしまいました。 
(映像はここまで。) 
それまでもカメラの画面でバッテリー切れの警告がカラータイマーのように点滅していたので、気が気ではありませんでした。
キジの求愛行動がいよいよ盛り上がってきたのに、続きを録画できずに残念無念…。 

キジ♀は水田の上を飛び越えて、私からだいぶ離れた畦道に着陸しました。 
追いかけて来た♂が♀と合流したところまでは見届けました。 
キジ♂の求愛が成就して交尾に至るまでの過程を私はまだ観察したことがありません。 
今回のキジ♀が飛んで逃げたのは、交尾拒否の行動(交尾相手を選り好み)だったのでしょうか。 
近くで見ている私を警戒して、交尾する気になれなかったのかもしれません。 
しかし専門家によると、キジ♂の求愛ディスプレイが交尾につながることは滅多にないのだそうです。 

ホタルブクロの白い花で採餌するスミゾメハキリバチ♀

 

2026年6月中旬・午後15:20頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたホタルブクロムナカタハキリバチ(別名スミゾメハキリバチ)♀(Megachile willughbiella sumizome)が忙しなく訪花していました。 
釣り鐘状の白い花に潜り込んで正当訪花を繰り返しています。 
中の様子は見えませんが、花蜜と花粉を集めているようです。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:21〜)、腹部下面のスコパ(集粉毛)に白っぽいクリーム色の花粉をびっしり付けて運んでいました。 
巣に持ち帰って吐き戻した花蜜と花粉をこね合わせて育房内に花粉団子を作り、その上に産卵するらしいのですが、私はまだスミゾメハキリバチの巣を見つけたことがありません。 
今回も花壇から飛び去った蜂をすぐに見失ってしまいました。 


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