2026/03/12

冬眠の遅れたツキノワグマが年末の晩に雪原をラッセルして横断【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年12月下旬・午後17:55頃・気温-3℃・日の入り時刻は午後16:31 

休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。
日没後の真っ暗な晩に、右下手前から奥へ向かって、雪原をラッセルする大型の真っ黒い獣が写っていました。 
根雪が積もったのに、ツキノワグマUrsus thibetanus)が未だに冬眠しないで彷徨っているのでしょう。 
タヌキが越冬している巣穴は新雪に埋もれていて、クマは気づかずに素通りしました。 
ちなみに、クマが通る前の新雪の雪面に野生動物の足跡は何も付いていません。 
ツキノワグマは奥の農道に達し、更に奥のスギ防風林を目指しているようですが、監視カメラが照射する赤外線が届きません。 

この地点の周囲にいくつか設置してある他のトレイルカメラを全てチェックしたのですが、クマの姿は写っていませんでした。 
特に、熟果が樹上に残っているカキノキに登って採食していたのではないかと期待したのですけど、残念ながら予想は外れました。 

令和6年:クマ目撃マップ@山形県」にも記録なし。

【考察】 
まさか平地の雪原をラッセルするツキノワグマが私のトレイルカメラで撮れるとは予想しておらず、興奮しました。
近年マスコミが「冬眠しないクマ」とセンセーショナルに騒ぎ立てていますが、誤解を生む大袈裟な表現です。
例えば、Yahooニュースでも
 「冬眠しないクマが1年中出回る可能性」専門家が注意呼びかけ 北海道や東北で目立つ冬眠時期なのに“クマ目撃” すでに2025年に出没情報6件「これからは避けて通れない…」
といった記事がありました。
正しくは「なかなか冬眠しないクマ」とか「冬眠が遅れたクマ」と書くべきでしょう。
本当にまったく冬眠しないで春まで活動を続けるクマは、日本に生息していません。 
トレイルカメラやドローンなどの監視技術が全国に普及したこと、熊(らしき動物)を目撃した市民が積極的に通報するようになったことで、これまで見過ごされてきた出没事例が可視化されただけではないか?という気がしています。

日本の食肉類:生態系の頂点に立つ哺乳類』第9章ツキノワグマによると、
ツキノワグマの日周活動は、自然状態では昼行性で、薄明薄暮に活動が活発になる。(中略)ツキノワグマが人間活動域やその周辺に接近する際には、夜行性に変化する事例が知られる。  (p212より引用) 
冬眠は10月下旬から12月の間に開始し、3月から5月にかけて終えることが多い。 (p213より引用)


カキノキの樹上で翼を素早く開閉するシロハラ(冬の野鳥)

 

2024年12月中旬・午後13:30頃・くもり 

郊外の農地の端に並ぶカキノキの大木に見慣れない鳥が来ていました。 
カメラを向けてズームインすると、冬鳥のシロハラTurdus pallidus)でした。 
樹上で熟柿を啄む採食行動を観察したかったのに、警戒心がとても強くて、枝の陰に隠れようとしています。 
翼を素早く開閉する謎の動きを繰り返していました。 
警戒や威嚇のディスプレイなのでしょうか。 
この間、鳴き声(警戒声など)は聞き取れませんでした。 

カキノキ樹上から水が滴り落ちているのは雨ではなく、冠雪した枝からの雪解け水です。 
柿の木の奥にはスギの防風林が見えます。

2026/03/11

雪が積もった給餌箱に興味を示すもニホンリスは銀杏を掘り出さず、オニグルミで木登り【トレイルカメラ】

 




2024年12月中旬 

シーン0:12/3・午前8:41・晴れ(@0:00〜) 
雪が積もる前の明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山のスギ林縁で朽ち果てた倒木の端に給餌箱を設置し、イチョウ街路樹の下で拾い集めてきた銀杏(イチョウの種子)で一杯にしました。 
この給餌箱を自動センサーカメラで見張っています。 

ニホンリスSciurus lis)の登場シーンをまとめました。 
果たしてリスは銀杏を食べたり持ち去って貯食したりするでしょうか? 


シーン1:12/12・午前6:46(@0:03〜) 
里山に根雪が積もり、倒木も給餌箱も冠雪しています。 
早朝に右から来たと思われるリスが倒木の上まで登っていて、雪に埋もれた餌箱を見下ろしていました。 
恐る恐る身を乗り出して、餌箱を覆っている雪の匂いを嗅いだものの、その下から銀杏を掘り出そうとはしませんでした。 
リスは倒木上で向きを変えて奥を眺めてから下に飛び降り、左下手前へ走り去りました。 


シーン2:12/17・午後14:29(@0:18〜) 
5日後の昼過ぎに右から雪面を走ってリスが登場しました。 
オニグルミ大木の横枝が数年前から折れて地面に突き刺さったままなのですが、冠雪したその枝にしがみついてよじ登り始めました。 

しばらくすると、オニグルミ樹上から雪が落ちてきた直後に、リスが枝を伝って下向きに降りてきました。 
ところが、また枝の上に姿を消しました。 


※ 動画編集時にモノクロ加工を施しています。 


【考察】 
ニホンリスへの給餌プロジェクトだけは、どうしても思うようにいきません。 
様々な種類の木の実(堅果)や種子を手を変え品を変え給餌してみたものの、持ち去って貯食するシーンをトレイルカメラで記録することが出来ていません。 
どうも、リスは人工的な給餌箱や監視カメラへの警戒心が強いような気がしています。 
かと思えば、岩塩プレートを舐めに通って塩分補給するという全く予想外の行動を披露してくれました。
当地のニホンリスは、餌の選り好みが激しいのでしょうか? 

日が沈むと夜行性の野ネズミが来て、給餌箱からせっせと餌を持ち去ってしまいます。 
昼行性のリスにターゲットを絞って観察をしたいのなら、給餌場から野ネズミを排除するような仕組み(ネズミ返しなど)を取り付ける必要がありそうです。 
給餌場の選定も問題です。
例えば、今回の映像でちょっと写ったオニグルミ大木の幹や横枝に給餌箱を設置し直そうかと思案中です。 

私の給餌プロジェクトには無関心で、ニホンリスはオニグルミの堅果をせっせと貯食したり、隠し場所を変更したりする姿が捉えられていました。
長い冬を乗り切るための保存食を蓄えていたのです。
豪雪地帯の雪山でも冬眠しないで暮らすリスは、一体どこに貯食するのでしょうか?
地中に穴を掘って隠したのでは、冬になると深い雪の下に埋もれてしまって、掘り出すのが大変になるはずです。
晩秋に貯食物を地中から掘り出して持ち去っていたのは、根雪に埋もれる前に隠し場所を変更していたのでしょう。
縄張り内のあちこちの樹上で樹洞に隠したり木の股にクルミの実などを挟んでおいたりするらしいのですが、私はまだ実際にそのような貯食物を見つけたことがありません。


つづく→

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