2024年12月下旬・午後17:55頃・気温-3℃・日の入り時刻は午後16:31
休耕地でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。
日没後の真っ暗な晩に、右下手前から奥へ向かって、雪原をラッセルする大型の真っ黒い獣が写っていました。
根雪が積もったのに、ツキノワグマ(Ursus thibetanus)が未だに冬眠しないで彷徨っているのでしょう。
タヌキが越冬している巣穴は新雪に埋もれていて、クマは気づかずに素通りしました。
ちなみに、クマが通る前の新雪の雪面に野生動物の足跡は何も付いていません。
ツキノワグマは奥の農道に達し、更に奥のスギ防風林を目指しているようですが、監視カメラが照射する赤外線が届きません。
この地点の周囲にいくつか設置してある他のトレイルカメラを全てチェックしたのですが、クマの姿は写っていませんでした。
特に、熟果が樹上に残っているカキノキに登って採食していたのではないかと期待したのですけど、残念ながら予想は外れました。
「令和6年:クマ目撃マップ@山形県」にも記録なし。
【考察】
まさか平地の雪原をラッセルするツキノワグマが私のトレイルカメラで撮れるとは予想しておらず、興奮しました。
近年マスコミが「冬眠しないクマ」とセンセーショナルに騒ぎ立てていますが、誤解を生む大袈裟な表現です。
例えば、Yahooニュースでも
「冬眠しないクマが1年中出回る可能性」専門家が注意呼びかけ 北海道や東北で目立つ冬眠時期なのに“クマ目撃” すでに2025年に出没情報6件「これからは避けて通れない…」
といった記事がありました。
正しくは「なかなか冬眠しないクマ」とか「冬眠が遅れたクマ」と書くべきでしょう。
本当にまったく冬眠しないで春まで活動を続けるクマは、日本に生息していません。
トレイルカメラやドローンなどの監視技術が全国に普及したこと、熊(らしき動物)を目撃した市民が積極的に通報するようになったことで、これまで見過ごされてきた出没事例が可視化されただけではないか?という気がしています。
『日本の食肉類:生態系の頂点に立つ哺乳類』第9章ツキノワグマによると、
ツキノワグマの日周活動は、自然状態では昼行性で、薄明薄暮に活動が活発になる。(中略)ツキノワグマが人間活動域やその周辺に接近する際には、夜行性に変化する事例が知られる。 (p212より引用)
冬眠は10月下旬から12月の間に開始し、3月から5月にかけて終えることが多い。 (p213より引用)