2026/08/27

春に夜な夜な旧セットに通って巣穴を再整備し、縄張り宣言のマーキングを繰り返すニホンアナグマ♀♂:4月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬〜下旬

シーン0:4/17(@0:00〜) 
春の落葉二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の旧営巣地(セット)を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
最近ではホンドタヌキの家族がこの巣穴Rで越冬し、春になっても暮らしています。 

発情期のアナグマ♂が♀の巣穴を夜な夜な探し歩くシーンをまとめるつもりだったのですが、性別判定に自信がなくて、♀個体の動画も一緒にしました。 


シーン1:4/18(@0:07〜) 
夜に来たアナグマ♂が巣口Lを覗き込んだ直後に、巣口Lの縁やセットの地面にスクワットマーキングを繰り返しました。(@0:50〜)
もう一つの巣口Rも訪れて匂いを嗅いだものの、中には入りませんでした。 


シーン2:4/20(@4:16〜) 
深夜に現れたアナグマ♂が巣穴Lに潜り込みました。 
巣穴Lの内検後は、スクワットマーキングしながら旧セットから立ち去りました。 
…と思いきや、小走りでセットに戻ってきて、そのまま入巣L。 
巣口Lの縁に念入りに尻を擦りつけてスクワットマーキングしています。 

同じ日の晩には、♀が単独で登場しました。(@6:14〜) 
巣穴Lに潜り込んで内検しました。 
その後、♀はセットでスクワットマーキングしてから、立ち去りました。 

何度もセットに戻って来ては、巣口Lを点検し、アクセストレンチにスクワットマーキング、という行動を繰り返しています。 


シーン3:4/21(@8:50〜) 
深夜に♀が来て巣口L、Rを順に点検。


シーン4:4/22(@9:36〜) 
深夜に♀が戻ってきて、巣口L点検とスクワットマーキング。 
立ち去る際に、獣道にもスクワットマーキングしています。 


シーン5:4/25(@10:36〜) 
3日後も深夜に♀が登場。 
狭い巣口Lに入りかけながら、念入りに尻の臭腺を擦りつけて匂い付けしているようです。 

次は♂も繰り返しやって来て、巣穴Lを内検し、巣口Lの縁にスクワットマーキングで縄張り宣言。 
巣外で身震いし、体毛に付着した土を払い落としました。 
珍しく巣口Rも少しだけ覗き込んで匂いを嗅ぎました。 

同じ日の晩にもアナグマ♀が登場。 
セットを立ち去りかけたのになぜか走って戻ってきて、巣穴Lに入りました。 
セットに侵入者があって警戒した訳ではありません。 
同様の行動は別の地点(休耕地の巣穴)に設置したトレイルカメラでも記録されています。 
これは私の想像ですが、林内で危険な敵と出会ったときに巣穴に避難するための訓練をしているような気がします。 
巣穴Lから半径何mまでなら安全に逃げ込めるか、避難訓練で確認しているのでしょう。 
夜でも巣穴までの獣道が分かるように、点々と匂い付け(スクワットマーキング)をしているのかもしれません。 
ヘンゼルとグレーテルが森にパンくずを点々と落として目印を残そうとした方法よりも確実です。

晩遅くに来たアナグマ個体は♂のような気がしてきました。 
股間の外性器や腹面の乳首の有無ではなく、体型や顔つきでアナグマの性別を見分けているのですが、いまいち自信がありません。 
AIに動画を見せて個体識別や性別判定を任せたいと切実に思います。 

巣穴Lの奥に潜った後は、アナグマの顔が黒土で汚れています。 
巣外に出てきた直後に身震いして、毛皮に付着した土汚れを勢い良く振り落としました。 


シーン6:4/26(@21:17〜) 
晩遅くに♀が登場。 
いつものように巣口Lやセットの地面にマーキングしてから立ち去りました。 


【考察】 
この時期、ニホンアナグマ♀♂は夜しか登場しませんでした。 
なぜか巣穴Lに執着して、しつこくマーキングを繰り返しています。「アナグマ参上!」とタヌキに対して縄張りを主張して、巣穴を奪還するつもりのようです。 
「同じ穴のむじな」と言われ仲の良い2種ですが、タヌキは従来通り巣穴Rで暮らし、アナグマは別の巣穴Lでというように、棲み分けするつもりなのでしょうか? 
その巣穴Lは冬季に深い雪の下に埋もれて、タヌキは越冬に使いませんでした。 
そのため、巣穴Lは少し埋もれかけてしまったのではないかと想像しています。 
しかしアナグマ♀♂は、巣穴Lを本格的に拡張整備する穴掘り作業は一度もしていません。 
(地中から掘り出した大量の土砂を巣穴Lの外に捨てていない。)
まずはタヌキに対して巣穴Lの所有権をはっきりさせるマーキングに専念しているようです。 

ところで、動画に登場したアナグマ♀♂はどういう関係なのでしょうか? 
素朴に考えると、♀♂つがいのように見えます。 
しかしニホンアナグマの社会構造は乱婚制で、♂は春の繁殖期に交尾する以外は♀と一緒に暮らさないはず…というのが定説です。 
母親♀と若い息子♂がヘルパーとして同居しているのではないかと、私は推測しています。 
この点を解明するには、アナグマの個体識別をしっかりできるようになった上で長期観察しないといけません。 
定説に反して、当地のアナグマは♀♂ペアで暮らすことが明らかになれば、それはそれで面白い発見です。 

アナグマの♀♂ペアが連れ立って同時に旧セットに来ることはありませんでした。 
ここはまだ別荘(別宅)で、別の場所に本宅(セット)があるのでしょう。 

互いに執拗な匂い付けで縄張り宣言を繰り返しているタヌキとアナグマが夜のセットでニアミスしたらどうなるのでしょう?
縄張り争いの激しい喧嘩が勃発するのか、興味があるところです。 
しかし、互いにそれとなく避けているのか、一度もニアミスしませんでした。 


つづく→

2026/08/26

林内の雪解け水が貯まった排水溝で一緒に水を飲むヒヨドリとアトリ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2025年4月下旬・午後16:45頃・くもり・気温22℃ 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝を自動撮影カメラで見張っています。 
丸木橋のように倒木が水路を跨いでいる地点に監視カメラを設置し直しました。 
私が人為的に丸木橋を架けたのではなく、これが自然な状態です。 


夕方に1羽のヒヨドリHypsipetes amaurotis)が丸木橋に乗っていました。 
手前の水際に降りたヒヨドリが、雪解け水を飲み始めました。 

一方、画面手前の岸に別種の小鳥が冒頭から来ていました。 
アトリFringilla montifringilla)が水を飲むシーンは初見です。 
すっかり春になった4月下旬に冬鳥のアトリを見かけるのも珍しいのですが、渡去前の冬鳥が当地に立ち寄ってくれたのでしょう。 
アトリは同種の群れで行動しているはずなのに、単独で写ったのは不思議です。 
留鳥ヒヨドリと冬鳥アトリの混群なんて、珍しい取り合わせです。 
監視カメラの死角(右下手前)には仲間のアトリがもっと多く来ていたのかもしれません。 

最後はヒヨドリとアトリが同時に飛び去りました。 
小さなアトリがよく見えるように、1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:23〜)。

ブタナの花蜜を吸い飛び回るキアゲハ♀春型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年6月中旬・午後12:50頃・くもり 

里山の山頂広場に咲いた帰化植物ブタナ(ヨーロッパ原産の外来種)の群落で春型のキアゲハ♀(Papilio machaon hippocrates)が忙しなく訪花していました。 
ともに普通種ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 
カメラのピントを合わせるのが難しい…。

花から花へ忙しなく飛び回り、吸蜜中も翅を翅を小刻みに羽ばたかせています。 
ブタナの細長い茎の天辺にある頭花に留まると、キアゲハの体重でも茎がしなって姿勢を崩すので、羽ばたき続けることでバランスを保っているのです。 

キアゲハ♀がブタナの花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:26〜) 
翅表が全体的に暗色ではないので、まだ春型です。 
腹端を横から見た形状から、♀と判明。 


街なかならともかく、本来は生物多様性が高いはずの里山でも帰化植物のブタナが占有しているという事実は深刻です。 
山頂広場をヒトが草刈りで撹乱しているので、在来種の植物は育ちにくく、この結果は自業自得です。 
キク科のブタナは綿毛(冠毛)を使った風散布で種子の分布を広げます。 
こんな山頂まで平地からブタナの種子が飛んで来るでしょうか? 
台風だったら、あり得るかなぁ?
まさか誰かが「殺風景で寂しいから黄色い花を咲かそう」と、無神経な「善意」でブタナの種を撒いたのかな?と疑ってしまいます。

森昭彦『帰化&外来植物 見分け方マニュアル950種』でブタナについて調べると、ブタナが孕む外来種問題のジレンマを筆者は喝破しておられました。
・草刈りしても根が残れば再生する
・なかなか手ごわい相手である。(中略)蜜源植物でもあるため、ハチなどの昆虫は嬉々として集まり(中略)、地元の生物多様性を、植物界の多様性を打ち砕く本種が支えているのもまた事実。
(p628〜629より引用)


関連動画(訪花昆虫などをまとめたプレイリスト)▶  ブタナに来る生き物たち


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