2025年4月中旬・午後13:05〜13:35頃・晴れ
林内で雪解け水が貯まった排水溝にトレイルカメラを設置して、生き物の往来を監視しています。
久しぶりに現場入りして、トレイルカメラの保守作業(電池やmicroSDカードの交換)をしていると、フクロウ(Strix uralensis)の鳴く声♪が聞こえました。
繁殖期に入ったフクロウ♂が、どこか近くの樹上で「ゴッホウ、ゴロッケ、ゴゥホウ♪」と繰り返し鳴いて縄張りを宣言し、♀にアピールしているのです。
フクロウの鳴き声に呼応するように、カラスの大群が水路沿いのハンノキ大木に集結して鳴き騒いでいます。
どうやら天敵のフクロウ(夜行性の猛禽)に対してモビング行動(擬攻撃)を繰り返し、カラスの縄張りから追い払おうとしているようです。
手前に自生する落葉灌木の藪が撮影の邪魔なのですが、私が下手に移動するとフクロウやカラスに逃げられそうなので、じっと我慢して撮り続けました。
フクロウがどこで鳴いているのか私には見つけられなくても、モビングするカラスの離合集散を見ることで、推測できます。
二次林内をあちこち飛んで逃げ回るフクロウの姿を何度も目撃しました。(撮影失敗)
関連記事(同じ二次林で1年前に撮影)▶ カラスの群れにモビングされて逃げる昼間のフクロウ(野鳥)
鳴き交わしながらモビングするカラスの種類を見分けられませんでした。
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
撮影後に現場検証すると、カラスの大群が集結していた落葉大木の樹種はハンノキでした。
フクロウが営巣する樹洞があるのかと思って見上げても、見つかりませんでした。
【考察】
「キジも鳴かずば撃たれまい」という諺 があります。
保護色のフクロウ♂が止まり木で黙って隠れていれば、カラスにモビングされるリスクは減るはずです。
それでも断続的に鳴き続けるフクロウ♂には何か理由があるはずです。
近くで聞いているパートナーの♀に対して、カラスにモビングされても囀り を続けられるというたくましい活力をアピールしているのかもしれません。
あるいは、偽傷行動のように自らが囮となって、パートナー♀が抱卵・抱雛している樹洞(巣穴)からカラスを遠ざけようと頑張っているのかもしれません。
取り囲まれたカラスに対する警戒声や威嚇の鳴き声を発している可能性はどうでしょう?
Perplexity AIに訊くと、フクロウの警戒声は「ギャー」とか「ギャアアア」という全く別の鳴き方らしい。
この動画の画角では写っていないのですが、左奥の死角にあるスギ植林地の一区画が翌年(2026年)の春に伐採されました。
長く続く騒音や振動のせいで、周囲で暮らしていた野生動物や野鳥の繁殖に多大な影響が出ました。
フクロウの鳴き声が2026年にまったく聞こえなくなったのもそのひとつです。 (騒音がもたらした沈黙の春)
たとえフクロウの営巣木が伐採を免れたとしても、近くでチェーンソーや重機の騒音が続いたら落ち着いて子育てできません。
翼がある鳥は環境が悪化するとその場からすぐに姿を消してしまうため、環境のバロメーターと言われています。
タヌキやアナグマなど哺乳類への悪影響については、いずれ別の記事で書く予定です。
充分に育ったスギを伐採しないといけない林業の都合も分かるのですが、せめて繁殖期の春を避けて作業してもらえなかったかな?というのが生物愛好家の嘆きです。
最近では、愛鳥週間も有名無実化しています。
気候変動や地球温暖化のせいで、鳥の繁殖期の開始や渡り鳥(夏鳥)の渡来が昔より早まっている可能性があり、愛鳥週間(毎年5月10日から5月16日までの1週間)をもっと前倒しにする必要があるかもしれません。
他には例えば、草地で繁殖するヒバリのために、河川敷の草刈りを春は控えて欲しいという要望もあります。
私が気づけた事例は氷山の一角でしかありません。
ヒトの無自覚な活動のせいで、鳥が暮らす環境が悪化している事例が多発しています。