2026/07/31

山麓で雑木林に逃げ込むニホンカモシカ

 

2025年6月上旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の水路沿いの小径を私が静かに歩いていたら、前方でニホンカモシカCapricornis crispus)が横にあるスギと雑木の混交林に逃げ込みました。 
ちょっとした広場で採食していたカモシカが、私より先に気づいて慌てて逃げ出したようです。 

カモシカは暗い林縁から私の方を見つめて警戒しています。 
私はカモシカからかなり離れた位置で立ち止まって動画を撮り始めたので、近視のカモシカには私の姿があまり見えてないはずです。 
カモシカの顔にズームインしても、角や耳介に目立った特徴はありませんでした。 

一度は奥へ走りかけたものの、立ち止まって振り返りました。 
舌なめずりしたり、濡れた鼻をヒクヒクさせて風の匂いを嗅いだりしています。 
最後は奥の林内へゆっくり走り去りました。 

野帳には「鼻息威嚇♪をした」とだけ書いてあるのですが、動画内では一度も鼻息を荒らげませんでした。 
今となっては詳細を覚えてないのですけど、動画を撮り始める前にカモシカが私に対して鼻息威嚇♪をしたのかもしれません。

山麓の池で求愛するアカハライモリ♀♂

 

2026年5月中旬・午前10:30頃・晴れ 

山麓で沢から雪解け水が流れ込む池HでアカハライモリCynops pyrrhogaster)の求愛行動が始まりました。 
池の水が濁っているせいで見えにくいのですが、♂の尻尾が薄紫色の婚姻色になっています。 
上から見下ろすアングルでも、腹面の赤い模様がたまにちらっと見えました。 

性成熟した♀は、総排出口からイモリンと呼ばれるペプチドの性フェロモンを分泌しているので、♂はまずその匂いを嗅いで確かめます。 
♀が水底を歩いたり泳いだりして逃げようとしても、♂が先回りして妨害します。 
♂は逃げ回る♀の進路を塞ぎながら、♀の目の前で尻尾を小刻みに揺らしていました。 
♂は尻尾の婚姻色を♀に見せつけるだけでなく、総排出口からソデフリンと呼ばれるペプチドの性フェロモンを分泌して♀を誘引するのだそうです。 

♂を引き連れて♀が浅い岸辺まで来てくれたので、アカハライモリの求愛行動を明瞭に観察できるようになりました。 

しつこく求愛する♂を押しのけたり迂回したりして、♀が逃げ回ります。 
この♂個体が気に入らなくて選り好みしているのか、それとも♀個体が充分に性成熟していないのでしょうか? 
アカハライモリの♀♂ペアは求愛行動に夢中で、周囲のオタマジャクシを蹴散らしながら池を泳ぎ回っています。 

水中で激しく求愛する♂は酸素の消費量が激しいようで、いつもより頻繁に息継ぎする必要があるようです。 
求愛中に♂が水面に浮上してすばやく息継ぎすると、すぐにまた水中に潜りました。(@2:27〜) 
その隙に♀が♂から逃げようと急いで泳ぎ去ります。 
逃げる♀を♂が慌てて追いかけ、その行く手を塞いで求愛します。

一方、♀が息継ぎのため緊急浮上すると、♂も後ろから追いかけて来ます。 
水面で息継ぎした♀はすぐにまた潜水するので、逃げられないように♂自身は息を止めたまま♀をひたすら追いかけます。(@4:04〜) 

今回の♀♂ペアは交尾に成功したのでしょうか? 
精包の授受が無事に行われたのか、素人目にはよく分かりませんでした。 
♂から求愛を受けていた♀が体をひねりながら何か白っぽい塊を咥えたのですが、(@2:51〜)これが♂から受け取った精包なのかな? 
その後も♂がしつこく求愛を続けているということは、私の勘違いかもしれません。 


アカハライモリの求愛行動を実際に観察できたのは初めてで、感動しました。 
飼育下での求愛が詳細に記述されていますが、野外での撮影は大変でした。 
イモリが池の深い所に移動すると、濁った水を通しての撮影が難しくなりますし、水面が風で波立つだけでもピンぼけになってしまいます。 


【アフィリエイト】 
アカハライモリの生態について調べるなら、この本が断然おすすめです。
かゆいところに手が届く資料で、フルカラーの写真も素晴らしく、充実した内容です。
情報量が多く盛り込んであるのは、イモリを実験材料とした生物学研究の歴史が古いからでもあります。
各分野のイモリ研究者が寄稿したコラムが巻末に何本も掲載されていて、お得です。
子供にも配慮して、すべての漢字にルビ(読み仮名)が丁寧に振ってありますが、内容は本格的で子供だましの本ではありません。
ほかの生物種についても、このぐらい濃密な本を出して欲しいものです。 

2026/07/30

落葉二次林で日没後に外出の準備をするホンドタヌキ3頭の家族群:4月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶ 巣口で日光浴中のホンドタヌキ家族が残雪に覆われた林内を歩き回るキジバト?を目ざとく発見【野鳥:トレイルカメラ】 


2025年4月上旬・午後18:30頃・気温7℃・日の入り時刻は午後18:08

残雪が溶けかけた落葉二次林内の営巣地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)3頭の家族群が日没後も依然として巣口で一緒に寄り添って寝そべっています。 
暗くなって赤外線の暗視映像に切り替わると、輝板(タペータム)の反射の有無で一部の個体を見分けられるようになります。 
両親は健常個体で、ヘルパーらしき娘♀hだけが両目失明しています。 

家族全員が完全に覚醒しており、お互いの毛繕いに余念がありません。 
相手の毛皮を舐めるだけでなく、甘噛みもしています。 
ときどき、小声で鳴く声がかすかに聞こえました♪ 

やがて立ち上がると、欠伸をしたり、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしたりしています。 

やがて1頭ずつ営巣地を離れ、残雪の林内を歩いて、採餌に出かけて行きます。 
いつものように、健常個体の両親♀♂が先行し、両目失明の個体♀hが殿しんがりを務めます。 


【考察】
昼間に巣穴の入口で日光浴したタヌキの家族が日没後にやる外出前の準備行動は、どの営巣地(休耕地および二次林内)であっても、ほぼ共通している(定形行動、ルーティン)ことが分かりました。 


つづく→

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