2026/08/02

山道で対峙したニホンカモシカがタニウツギの葉裏に眼下腺でマーキングし鼻息で威嚇してから逃げるまで

 

2026年6月中旬・午前11:30頃・くもり 

里山の蛇行しながら登る山道でニホンカモシカCapricornis crispus)と出会いました。 
初夏の登山で汗をかいて暑くなったので、私が立ち止まって服を1枚脱いでからカーブを曲がった途端に、カモシカが坂の上から私を見下ろしていたのです。 
遭遇時に私よりも斜面の上に位置していたので、カモシカは心理的に落ち着いているようです。(いつでも逃げられるという自信がある) 

顔を正面からズームインすると、角が太い成獣でした。 
耳や角に目立つ特徴はありません。 
正式名称が分からないのですが、人中じんちゅうとは逆に鼻孔から上へ伸びる黒い突起が左右非対称かもしれません。 

にらめっこに耐え切れずカモシカは視線を逸らして横を向き、砂利道の林道に沿って歩き始めました。 
短い尻尾を左右に振ったのは、吸血性の虫を追い払うためでしょう。 
立ち止まって振り返り、私を見据えて警戒しています。 

歩き去る後ろ姿の股間を見ても陰嚢は見えなかったので、♀ではないかと思うのですけど、素人にカモシカの性別判定は難しいです。 
♀成獣だとすると、当歳仔の幼獣はどこに居るのでしょう? 

やがて、カモシカは道端に自生するタニウツギ幼木の葉裏に顔を念入りに擦りつけました。 
眼下腺からの分泌物で匂い付けするのは、出くわした私に対してやんわりと縄張り宣言しているのでしょう。 
このパターンの行動は何度も繰り返し観察しています。

直後にまた私を振り返って見てから、フシュ♪と鋭く1回だけ鼻息を荒らげて威嚇しました。 
軽い腹立ちの感情表現かもしれません。
やがてニホンカモシカは道端のススキの茂みをかき分けると、谷へ下りて姿を消しました。 

もし私がその場に突っ立っていないで座り込んだら、カモシカは警戒を解いて近づいてくれたかどうか、実験するのを忘れました。 

池の底でアカハライモリ♀がミズムシを捕食したりしなかったり

 

2026年5月中旬・午後12:35頃・晴れ 

山中のスギ植林地に囲まれた浅い池の底で、アカハライモリCynops pyrrhogaster)が歩いたり泳いだりして、餌を探し回っていました。 
この個体は繁殖期なのに尻尾に婚姻色が出ておらず、総排出口が膨らんでないことから、♀のようです。 

交尾中のマツモムシNotonecta triguttata)の♀♂ペアがイモリ♀の頭上の水面を背泳ぎで横切ると、腹を空かせたイモリ♀が反応したのはマツモムシ♀♂の本体ではなく、水底に落ちた影の方でした。 
池の水は意外に透明なのに、水中で活動するアカハライモリの視力はあまり良くないことが覗えます。 
水底のイモリ♀は、マツモムシ♀♂の影に口を近づけて探っても何もないので、諦めて離れて行きました。 

次にイモリ♀は、水底のデトリタスに潜む小さな水生生物を捕食しました。 
口の中で暴れている獲物の正体がよく分からないのですが、イモリ♀はその場で飲み込みました。
繁殖期で食べ盛りのアカハライモリ♀は、食後も水中を手前に向かってどんどん近づいて来ます。 

この池には灰色のワラジムシのような等脚類が水底のデトリタスに多数暮らしていることが分かりました。 
ワラジムシはもちろん陸生なので、別の生き物です。 
調べてみると、謎の水生生物の正体は、フナムシでもなくミズムシの仲間でした。 
ただし、水虫というと皮膚病の足白癬も連想させますし、半翅目にもミズムシという和名の水生昆虫がいるらしくて、かなり紛らわしいです。 
さっきイモリが捕食した獲物も、ミズムシだったようです。 

引き続き池の中で餌を探し回るイモリ♀は、目の前に大型のミズムシ個体と遭遇したのに、なぜか捕食せずに見逃しました。 
大型のミズムシは後退してイモリから逃げて行きました。 
イモリが至近距離でミズムシを凝視して、鼻先でグイグイ押したのに、味見すらしなかったのが、不思議でなりません。 
ミズムシ側が捕食者対策の忌避物質を何か出していたのでしょうか? 
両生類は獲物を丸呑みするから、口よりも大き過ぎる獲物は見逃すのかもしれません。 
しかし、そこまで単純な話ではなくて、アカハライモリは両生類なのに、口内に歯が生えているのだそうです。 
ただし、獲物を噛み砕くための歯というよりも、滑りやすい獲物を保持するために役立つ程度らしい。 

(イモリは)かみちぎることはできないので、口に入る大きさの動物を丸飲みにします。(『はっけん! イモリ 日本のいきものビジュアルガイド 』p65より引用)

すぐ近くに別個体の小型ミズムシが落ち葉の上に乗っていたのに、それもイモリは無視しました。 
さっきミズムシを1匹食べたことで、食欲がある程度満たされたのかな?

この池は広いのに水深が浅いので、イモリ♀が少し顔を上げるだけで容易に息継ぎすることができました。 
水面に泡がプクッと出来ます。 
山麓にある深い池で暮らすアカハライモリと違って、息継ぎのためにわざわざ水中を垂直に浮上する必要がないのです。



関連記事(同じ池で1年前の撮影)▶ 池の底でアカハライモリが捕食していた物とは? 

今回アカハライモリの探餌行動を長撮りしたら、獲物の正体がようやく一つ判明しました。 
水深の浅い池の方が、圧倒的に水中のイモリを観察しやすいです。 



【アフィリエイト】 

2026/08/01

休耕地の巣穴に1〜2頭で出入りするホンドタヌキの家族群:4月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2025年4月上旬 

シーン1:4/7(@0:00〜) 
雪解けが進む休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)家族が暮らす営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
この時期に1〜2頭で出没するタヌキの動向をまとめました。 

夜に両目失明個体♀hが単独で来て、巣口で毛繕いしました。 


シーン2:4/8(@1:03〜) 
夜霧が立ち込める未明に2頭が相次いで巣穴から外出しました。 


シーン3:4/9(@1:11〜) 
未明に2頭のタヌキが巣口で出会ったようですが、夜霧でよく見えません。 
同じ日の晩には、巣口の匂いを嗅いでから走り去りました。 


シーン4:4/10(@2:04〜) 
夜霧が立ち込める未明に未明に、1対の光る目が動いています。 
明け方にようやくうっすらと視界が晴れました。 
2頭のタヌキが巣穴から出て右へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


前年と違って2025年の春は、雪が溶けてもタヌキの営巣地にキツネが来ていません。 


つづく→

ランダムに記事を読む