2026/07/17

早春の林内で雪解け水の貯まった排水溝を飛び越えるニホンザルの群れ【トレイルカメラ】キカラスウリ落果を採食?

 

2025年4月上旬 

シーン0:4/7・午後13:37・くもり・気温15℃(@0:00〜) 
この冬は記録的な大雪が降ったので、春の訪れが少し遅れましたが、平地の二次林で林床に積もっていた雪がようやくほぼ溶けました。 

林内に謎の溝が掘られていて、その目的が分かりませんでした。 
隣接する田畑を灌漑する農業用水路を掘りかけて止めたのかと思っていました。 
この溝に雪解け水が貯まって、満水になりました。 
ただし、小川として水が一方向に流れている訳ではなくて止水です。 
本来はハンノキが占有する湿地の森だったようですが、開墾して田んぼにしたり防風林としてスギを植林したようです。
スギの根腐れ対策で林内の水はけを良くするために排水溝を掘ったのでしょうか。 
(冬の積雪が少ない年は、春になっても溝に雪解け水は貯まりません。) 
やがて貯まった雪解け水が涸れると、この溝は野生動物が行き交う獣道となります。 

早春に出現した水場で野生動物がどんな行動をするのか知りたくて、自動センサーカメラを設置してみました。 
排水溝の左にはスギが植林されていて、防風林となっています。
画面に左端に写っているスギの木の左下にはホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が排便に通う溜め糞場WBCがあり、これまでトレイルカメラで長期間の定点観察をしてきました。 


シーン1:4/9・午前7:37・くもり・気温6℃(@0:03〜) 
朝からニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが林床を遊動していました。 
どの個体も白っぽい毛皮で、まだ冬毛のようです。 
林内の残雪が消えると、逆に目立っています。 
白猿(アルビノまたは白変種)が右岸を歩き去る後ろ姿が写っていました。 

一方、画面の奥から親子(成獣1頭と子猿2頭)が右岸をこちらに向かって来ます。 
元気な子猿同士が岸辺でじゃれ合ったり、格闘遊びをしたり、追いかけっこ遊びをしたり、落葉灌木を登り下りしたりしています。 
猿たちが水路を跳んで対岸に続々と渡りました。 

画面の左端に奥から歩いて来た成獣個体に注目してください。 
タヌキの溜め糞場WBCに落ちていた黄色い物体に顔を近づけて何度も匂いを嗅いでいます。(@0:37〜) 
奥から走って来て合流した子猿も謎の黄色い物体に興味を示し、右手で触れました。 
残念ながら、せっかくいいところで録画が打ち切られてしまいました。 

この黄色い物体はおそらく、キカラスウリの落果だと思います。 
数日前には無かったので、誰かが運んできたのか、上から落ちたのでしょう。 

関連記事(同所で2、4ヶ月前の撮影)▶  

落葉樹に幾つもぶら下がっていたキカラスウリの黄色く熟した瓢果をニホンザルが冬に食べている(少なくとも味見している)ようなのですが、いまのところ状況証拠ばかりでした。


シーン2:4/9・午前7:40(@1:26〜) 
次に監視カメラが起動したときには、さっきのキカラスウリ落果が溜め糞場WBCから無くなっていました。 
強い興味を示したニホンザル母子のいずれかが持ち去ったようです。 
今回も採食シーンの決定的な証拠映像が撮れずに残念無念。 
キカラスウリの種子は被食型の動物散布で分布を広げます。
当地で種子散布者はニホンザルだろうと現時点では考えています。

排水溝の両岸で2頭の子猿が落葉灌木によじ登ったり、雪解け水を飲んだりしています。 


ニホンザルが排水溝を渡る跳躍シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:04〜1:25、@1:39〜1:50、@2:03〜2:09、@2:58〜3:42、@4:22〜4:31) 
一気に跳んで渡る個体もいれば、溝の中から生えていた落葉灌木(樹種不明)を経由して安全に渡る個体もいました。 
この灌木は、一時的に水没しても根腐れしない樹種なのでしょう。
ちなみに、第二の渡河法をやるのは、ニホンザルだけです。 
タヌキもアナグマもやらないのは、知能の問題というよりも、体の作りや運動能力の違いによるものでしょう。 
邪魔だからと言ってこの灌木を伐採してしまうと、サルは排水溝を渡りにくくなって困りそうです。 
ところが、現実の自然環境はもっと多様で、少し離れた位置で倒木が天然の丸木橋のようになっていて、野生動物が排水溝を渡れるようになっていました。(映像公開予定)


シーン3:4/9・午前11:00・くもり・気温9℃(@1:26〜)
2時間20分後にニホンザルの群れがまた戻って来ました。 


シーン4:4/9・午前11:10・くもり・気温12℃(@2:10〜) 


シーン5:4/9・午前11:14・くもり・気温11℃(@3:43〜) 
排水溝の水際で水面に口を付けて、雪解け水を飲んだようです。 
肝心の口元が見切れてしまって残念。 
灌木を経由せずに、右へ一気に跳んで渡りました。 
このニホンザル個体は右前足を怪我(手首の捻挫?)しているのか、着地しないように庇っているようです。 


シーン6:4/17・午後12:42・晴れ・気温23℃(@4:32〜) 
依然として排水溝に雪解け水が貯まったままです。


【考察】
ニホンザルがキカラスウリ落果を食べるかという問題と、猿が排水溝を跳び越える動画を2つに分割するべきでしたね。
次に機会があれば、冬の林内にぶら下がっているキカラスウリの熟した瓢果をトレイルカメラで見張って、説得力のある動画でニホンザルの採食シーンを撮ってみたいものです。
ヒヨドリなどの鳥が食べに来る可能性もありますが、どうもあまり人気がないようです。

つづく→

ホンドタヌキの越冬用巣穴が気になって何度も調べる早春のハシブトガラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 


2025年3月中旬〜下旬 

シーン0:3/10・午後16:40・晴れ・気温13℃(@0:00〜) 
雪国の落葉二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴Rをトレイルカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 
ハシブトガラスが登場したシーンをまとめました。 


シーン1:3/12・午前9:27・晴れ(@0:03〜) 
ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が単独で巣口Rに来ていました。 
巣口Rを覗き込んでから、右横の雪面をつついた(食べた?)ようですが、後ろ姿でよく見えません。 
溶けかけた残雪の上を右へトコトコ歩いて(ウォーキング)から、右へ飛び去りました。 


シーン2:3/26・午前9:45・くもりのち晴れ・気温16℃(@0:34〜) 
2週間後、ハシブトガラスが雪原を左から歩いて登場しました。 
タヌキの巣口Rを覗き込んでから、土で汚れた残雪をひとくち啄みました。 
(雪を食べたのではなく、雪面に落ちていた小さな餌を拾い食いしたのかもしれません。) 
株立した落葉ミズキの枝をピョンピョン伝って移動すると、止まり木で身震いしてから低空で右へ飛び去りました。 


シーン3:3/26・午前9:45・くもり・気温13℃(@1:25〜)
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
雪を食べたかどうか、このアングルでもカラスが巣口Rの窪地に隠れて見えませんでした。 

途中でシジュウカラParus minor minor)と思しき小鳥が飛来し、画面の右上に伸びたミズキの細い横枝に留まりました。(@1:50〜) 
カラスの様子を見に来たのでしょう。(野次馬) 
カラスが止まり木で少し上の枝に移動したら、シジュウカラは右に飛んで逃げました。 
ハシブトガラスがシジュウカラを追い払ったようには見えません。 


シーン4:3/28・午後14:27・くもり・気温10℃(@2:15〜) 
2日後、珍しく2羽のハシブトガラスが一緒に来て、タヌキの巣口Rを覗き込んでいました。 
近くに別個体がいるようで、カラスの鳴き声が聞こえました。 
まず1羽が左上奥に飛び去りました。 
居残った個体が雪面を歩きながら、カァー、カァー♪と澄んだ声で鳴きました。 

定説ではハシブトガラスの歩き方はホッピングなのに、まるでハシボソガラスのように雪面でウォーキングしています。 

雪面から飛び上がって株立したミズキの落葉灌木に留まりました。 今回のカラスは2羽とも雪を食べませんでした。 


シーン5:3/28・午後14:29・くもり・気温9℃(@3:15〜) 
つづきが別アングルの監視カメラに写っていました。 
ミズキの止まり木からハシブトガラスが左下手前に飛び去りました。 


シーン6:3/30・午前9:52・晴れ・気温10℃(@3:32〜) 
さらに2日後にもハシブトガラスが単独で登場。 
セットの雪面から飛び立つと、低空で右上奥へ飛び去りました。 
しばらくすると、カメラの死角からハシブトガラスが澄んだ声で3回鳴く声が聞こえました。 


シーン7:3/30・午前9:54・晴れ・気温12℃(@3:49〜) 
別のカラス個体が同じルートで飛び去る後ろ姿が写っていました。 


シーン8:3/31・午前11:48・くもり・気温12℃(@3:56〜) 
林床の雪解けが進み、巣口Rの手前の地面も丸く露出しました。 
いったん黒い地面が露出すると、その周囲の残雪も昼間の太陽熱でどんどん溶けていきます。 
林内では樹々の根元から雪解けが進みます(根開き)。 


【考察】 
登場したカラスはすべて森林性のハシブトガラスでした。 
近縁種のハシボソガラスは平地性と言われていて、確かに同じカラス科の留鳥でもニッチを棲み分けているようです。


つづく→



2026/07/16

ようやく雪が溶けた巣口で日光浴・毛繕いするホンドタヌキ3頭の家族【トレイルカメラ】

 



2025年4月上旬

シーン0:3/21・午後14:39・くもり・気温25℃(@0:00〜) 
雪国の休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が越冬している巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:4/4・午前10:10・晴れ・気温11℃(@0:03〜) 
4月になってもタヌキの巣口周辺および手前の林縁の雪が溶けただけで、奥には残雪が広がっています。 

巣口に2頭のタヌキが出てきて身震いし、日光浴しています。 


シーン2:4/4・午前10:11・晴れ(@1:03〜) 
巣口の地面に2頭が座ったり伏せたりして、日向ぼっこしています。 
 途中から3頭目の個体が巣穴から外に出てきて身震いしました。 
鼻面を突き合わせて家族と挨拶しています。 

3頭のうちの1頭は両目を失明した♀h個体と思われますが、明るい昼間はタペータム(輝板)の反射で見分けることができません。 


シーン3:4/4・午前10:17・晴れ・気温12℃(@2:03〜) 
巣口の手前に3頭のタヌキ家族が身を寄せ合うように並んでいました。 
自分で毛繕いしたり、対他毛繕いしたりしています。 
左の個体がのんびり欠伸をしました。 


シーン4:4/4・午前11:07・晴れ・気温12℃(@3:03〜) 
巣内からタヌキがゆっくり外に顔を出しました。 


シーン5:4/5・午前10:51・晴れ・気温16℃(@3:17〜) 
翌日も朝遅くにタヌキが巣口から外に顔を出して、周囲を警戒しています。 
身震いしてから手前に向かってゆっくり歩き出しました。 


シーン6:4/6・午後12:44・くもり・気温15℃(@4:03〜) 
雪解けが進み、奥の雪原もあちこちで地面が露出するようになりました。 


つづく→

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