2026/08/19

春の昼下がりに樹上で繰り返し鳴くフクロウ♂とモビングに集まるカラスの群れ(野鳥)

 

2025年4月中旬・午後13:05〜13:35頃・晴れ 

林内で雪解け水が貯まった排水溝にトレイルカメラを設置して、生き物の往来を監視しています。 
久しぶりに現場入りして、トレイルカメラの保守作業(電池やmicroSDカードの交換)をしていると、フクロウStrix uralensis)の鳴く声♪が聞こえました。 

繁殖期に入ったフクロウ♂が、どこか近くの樹上で「ゴッホウ、ゴロッケ、ゴゥホウ♪」と繰り返し鳴いて縄張りを宣言し、♀にアピールしているのです。 
フクロウの鳴き声に呼応するように、カラスの大群が水路沿いのハンノキ大木に集結して鳴き騒いでいます。 
どうやら天敵のフクロウ(夜行性の猛禽)に対してモビング行動(擬攻撃)を繰り返し、カラスの縄張りから追い払おうとしているようです。 

手前に自生する落葉灌木の藪が撮影の邪魔なのですが、私が下手に移動するとフクロウやカラスに逃げられそうなので、じっと我慢して撮り続けました。 
フクロウがどこで鳴いているのか私には見つけられなくても、モビングするカラスの離合集散を見ることで、推測できます。 
二次林内をあちこち飛んで逃げ回るフクロウの姿を何度も目撃しました。(撮影失敗) 

関連記事(同じ二次林で1年前に撮影)▶ カラスの群れにモビングされて逃げる昼間のフクロウ(野鳥) 


鳴き交わしながらモビングするカラスの種類を見分けられませんでした。 
嗄れ声と澄んだ声が混じっていたので、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)とハシボソガラスCorvus corone)の混群なのかもしれません。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


撮影後に現場検証すると、カラスの大群が集結していた落葉大木の樹種はハンノキでした。 
フクロウが営巣する樹洞があるのかと思って見上げても、見つかりませんでした。 


【考察】 
「キジも鳴かずば撃たれまい」ということわざがあります。
保護色のフクロウ♂が止まり木で黙って隠れていれば、カラスにモビングされるリスクは減るはずです。 
それでも断続的に鳴き続けるフクロウ♂には何か理由があるはずです。 
近くで聞いているパートナーの♀に対して、カラスにモビングされても囀りさえずりを続けられるというたくましい活力をアピールしているのかもしれません。 
あるいは、偽傷行動のように自らが囮となって、パートナー♀が抱卵・抱雛している樹洞(巣穴)からカラスを遠ざけようと頑張っているのかもしれません。

取り囲まれたカラスに対する警戒声や威嚇の鳴き声を発している可能性はどうでしょう?
Perplexity AIに訊くと、フクロウの警戒声は「ギャー」とか「ギャアアア」という全く別の鳴き方らしい。


この動画の画角では写っていないのですが、左奥の死角にあるスギ植林地の一区画が翌年(2026年)の春に伐採されました。 
長く続く騒音や振動のせいで、周囲で暮らしていた野生動物や野鳥の繁殖に多大な影響が出ました。 
フクロウの鳴き声が2026年にまったく聞こえなくなったのもそのひとつです。 (騒音がもたらした沈黙の春
たとえフクロウの営巣木が伐採を免れたとしても、近くでチェーンソーや重機の騒音が続いたら落ち着いて子育てできません。
翼がある鳥は環境が悪化するとその場からすぐに姿を消してしまうため、環境のバロメーターと言われています。 
タヌキやアナグマなど哺乳類への悪影響については、いずれ別の記事で書く予定です。 

充分に育ったスギを伐採しないといけない林業の都合も分かるのですが、せめて繁殖期の春を避けて作業してもらえなかったかな?というのが生物愛好家の嘆きです。 
最近では、愛鳥週間も有名無実化しています。 
気候変動や地球温暖化のせいで、鳥の繁殖期の開始や渡り鳥(夏鳥)の渡来が昔より早まっている可能性があり、愛鳥週間(毎年5月10日から5月16日までの1週間)をもっと前倒しにする必要があるかもしれません。 

他には例えば、草地で繁殖するヒバリのために、河川敷の草刈りを春は控えて欲しいという要望もあります。 
私が気づけた事例は氷山の一角でしかありません。
ヒトの無自覚な活動のせいで、鳥が暮らす環境が悪化している事例が多発しています。

2026/08/18

山中の池を泳ぎ回るオオヒメゲンゴロウ

 

2026年5月中旬・午後12:25頃・晴れ 

里山にあるモリアオガエルの繁殖池で赤っぽいゲンゴロウ類を見つけました。 
くすんだ橙色という見慣れない体色のゲンゴロウで、第一印象はゴキブリを連想してしまいました。 
真っ黒なクロゲンゴロウしか知らなかった私は、角度によって赤っぽく見えるだけとか色彩変異なのかと初めは思いました。 
しかし胸背に黒くて細長い横帯があることから、オオヒメゲンゴロウRhantus erraticus)と判明しました。 

浅い池を泳ぎ回り、水底の泥(デトリタス)に潜り込もうとしています。 
肉食性ですから、獲物を探しているのでしょう。 
水生昆虫に疎い素人目には、後脚に遊泳毛が密生してないように見えます。 
泳ぎがあまり得意ではないのかな?
最後はスギ落葉の下に潜り込んで動かなくなりました。 
息継ぎのため水面に浮上するまで見届けられませんでした。 

モリアオガエル♂が周囲で鳴く声♪が聞こえます。 


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カキノキの幹を登り脚立を使って下りる夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2026年5月上旬・午後22:40頃 

庭木カキノキの下に残されたホンドタヌキの小規模な溜め糞場を旧機種のトレイルカメラで見張っています。 

ある晩、ホンドテンMartes melampus melampus)が単独で現れました。 
モノクロの暗視映像では毛並みの色は不明ですが、この時期は夏毛に生え変わっていると思われます。 
左から来たテンはタヌキの溜め糞を匂いを嗅いだだけで左へ引き返しました。
タヌキに対抗してマーキングすることはありませんでした。
カキノキを見上げてから垂直な幹をよじ登りました。 
樹皮に爪を立てて、まるで駆け上がるように身軽に登りました。

しばらくすると、庭に放置してある脚立を使ってカキノキから地上に降りました! 
そのままホンドテンは板塀の下をくぐって隣家の庭へ向かいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
タヌキの溜め糞場にトレイルカメラを設置すると、本命であるタヌキの排泄行動だけ(映像公開予定)でなく、ついでに撮れた映像が面白いです。 
郊外とは言え、こんな住宅街にも野生のホンドテンが堂々と出没するとは意外でした。 

テンは一体なんのために柿の木に登ったのでしょうか?
このカキノキはまだ若くて細いので、テンが巣やねぐらとして使える樹洞はありません。 
この時期(5月上旬)カキノキ樹上の枝には若葉が生い茂っているだけで、前年の果実は残っていません。 
また、カキノキ樹上に鳥の巣は作られていませんでした。 
つまり、カキノキに登ったところで、テンの住処や食べ物はありません。 
カキノキ樹上にねぐら入りしていた鳥の寝込みを襲った可能性もありそうですけど、警戒心の強い鳥はすぐに気づいて逃げるはずです。
テンが木登りした直後に鳥が鳴き騒ぐ声は録音されていませんでした。
それでもテンは夜の庭で探索行動の一環として、試しに登ってみただけのようです。 

このカキノキに木登りしたのは、ホンドテン以外にはハクビシンだけでした。 


イエネコも頻繁に庭を往来していたものの(映像公開予定)、一度も木登りはしませんでした。 


テンは脚立という人工物を恐れるどころか、梯子をちゃんと使って樹上から降りてきたのも興味深いです。
テン自身が脚立を用意した訳ではありませんから、この行動を道具利用とは呼べません。
ただ与えられた環境や構造物を移動経路に利用したに過ぎません。

関連記事(4ヶ月前に別のカキノキで撮影)▶ 


秋に実ったカキノキ果実の多くはヒトが干し柿を作るために収穫してしまいます。
脚立を使っても採りにくい樹冠部などに残った一部の熟果は冬の間に鳥が少しずつ食べるのだと思っていました。
テンも果実が大好きで木登りが得意ですから、熟柿を食べに来るかもしれません。



つづく→?


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