2026/10/04

秋の畑で獲物を狩って捕食するノスリ(野鳥)待ち伏せ猟

 

ビニールハウスの骨組に止まって獲物を待ち伏せ、匍匐飛行で襲いかかり捕食するノスリ

2026年9月上旬・午後17:00頃・晴れ 

田園地帯の農村部で骨組みだけが残ったビニールハウスにノスリ(Buteo japonicus)が留まっていました。 
夕方に順光の西日を浴びながら、周囲の農地を眼光鋭く見回しています。 

しばらくすると、被覆されていないビニールハウスのフレームからノスリは右へ低空で飛び去りました。 (@0:57〜)
太陽を背にした私がずっとカメラを向けて動画に撮っていることを嫌がって逃げたのかと思ったのですが、ノスリは飛び立つ直前に脱糞していません。 
羽ばたきと滑空を繰り返して低く飛んで行くノスリを流し撮りすると、畑の端に着地したのと同時に鉤爪で獲物を掴んだようです。 
畑の農作物を獣害から守るために電気柵が張り巡らされている区画があります。
残念ながら、右手前に並んでいる電気柵の杭が邪魔になり、着地したノスリがその陰に隠れてしまいました。 
私が動画を撮り続けながら左に少しずれて、なんとかアングルを確保しました。 

最大限にデジタルズームしても、手前に生えたイネ科の雑草が邪魔になり、獲物が見えません。 
獲物の正体は野ネズミとは限らず、昆虫や爬虫類、両生類、または小鳥かもしれません。 
ノスリは獲物を持ち去らず、その場ですぐに獲物を啄みました。 
獲物が鳥なら食べる前に羽根を毟り取ったはずですが、そんな様子はありません。
ちなみに、奥に見えているのはソバ畑でしょうか。

食後のノスリは周囲をキョロキョロと見回してから空荷で右へ飛び去り、姿を見失いました。 
農地に隣接する防風林へ飛び込んだのかもしれません。 

飛び立ちや狩りの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@3:06〜) 
最後に飛び立ったとき、ノスリは獲物を持ち去っていません。

私のフィールドでノスリは最も頻繁に見ることができる猛禽です。 
ノスリの狩りは成功率が低いようで、観察(撮影)していても、いつも失敗続きでした。 
成功した狩りの一部始終を見れたのは初めてかもしれません。 
今回はホバリング(停空飛翔)しないで待ち伏せ猟でした。
待ち伏せ地点から小さな獲物までの距離は数十m離れていたのに難なく発見していて、ノスリの視力が優れていることを実感しました

関連記事(13年前の撮影)▶ ノスリの狩り・捕食と飛翔(冬の野鳥) 

(ノスリの)狩りの際の挙動は、「停飛から急降下」[4]と、後述する「樹上から急降下して匍匐飛行」が見られる。

和名ノスリの由来の説として、上記後者の樹上からの狩りの際に、野を擦るような地表すれすれを匍匐飛行する(野擦)ことが知られている。[5]

獲物に気づかれぬように接近する目的の行動と思われるが、最終位置の確認と思われる「獲物の直前でポップアップ機動」をする場合も目撃される。 (wikipedia:ノスリの生態より引用)


野擦という語源も匍匐飛行という用語も知りませんでしたが、確かに今回の狩りにぴったり当てはまります。
獲物となる小動物の多くは地上にいても上空を常に警戒していて、猛禽が飛来すると警戒声を発して素早く逃げ出します。
それに対抗してノスリは、遠くから匍匐飛行で襲いかかる狩りを進化させたのでしょう。(軍拡競争)
獲物の目線からすると、見えないところから急に天敵が出現することになり、逃避行動に移るのが遅れます。
「獲物の直前でポップアップ機動」も行いましたが、獲物を定位しながら翼を広げて減速・着地するために必要な運動でしょう。
着地と同時に両足の鉤爪で獲物を捕獲するので、動きに無駄がありません。

ノスリ観察のバイブル『フィールドガイド日本の猛禽類vol.04ノスリ』によると、

・ノスリは“野擦り”、すなわち野原を擦るように低く滑空する姿がその名の由来となった鷹
・餌となる動物の種類は地域によって異なるが、ナンバーワン人気は決まってネズミ類かモグラ類である。(中略)ノスリの足は握力は強いが小さめで、大きなサイズの餌をとることに適さない。(中略)イタチ類、リス類、ウサギ類の幼獣も獲物となることがあり、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類も捕食する。餌食となる鳥類は、地上で採食する種が多い。
・最も多く使われる狩りのスタイルは待ち伏せ型で、林縁や農耕地など開けた環境に立つ木の枝、杭、電柱に止まって地面を見張り、忍耐強く獲物が出現するのを待つ。 (p4より引用)

飛び去る鳥を流し撮りすると、たまに幸運なスクープ映像が撮れるという好例でした。 
何度も練習して体で覚えないと流し撮りは上達しないので、普通種の鳥でも良いからとにかく練習あるのみです。


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橋の欄干で日光浴する越冬明けのルリタテハ

 

2025年4月中旬・午後14:20頃・晴れ 

山麓の谷に架かる水路橋の手摺に越冬明けのルリタテハ(Kaniska canace no-japonicum)が留まっていました。 
私が知らずに近づいたら飛び立ったものの、すぐに再着陸。 
ルリタテハの性別を私には見分けられませんが、縄張りを張って♀を待ち伏せしている♂なのかな? 

翅を開閉しながら日光浴しています。 
きれいな翅表がしっかり見えずに残念でした。 
ルリタテハはとても敏感な蝶で、私が少しでも動いてアングルを変えようとすると、すぐに逃げてしまうのです。
顔と翅裏しか見せてくれないというのも、それはそれで珍しいアングルです。 
口吻を伸ばして手摺の表面を舐めている訳ではありませんでした。 
昆虫は6本脚なのに、タテハチョウ科の成虫は脚が4本しかないように見えます。 
前脚が退化しているからです。

2026/10/03

営巣地の原っぱで昼間に虫を捕食するホンドタヌキの家族群【トレイルカメラ】

 



2025年5月中旬

休耕地に営巣するホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族群を自動センサーカメラで見張っています。 
両親♀♂および両目のタペータムを失明したヘルパー♀(娘)から構成する3頭の家族群です。 
巣内で母親♀が当歳仔を出産したかどうか、まだ確認できていません。 

明るい日中は基本的に巣内で寝ているか、巣口でのんびり日光浴や昼寝をしているだけなのですが、今回はタヌキが周囲の原っぱで餌を探し回って虫を捕食するシーンだけをまとめました。 


シーン1:5/14・午前9:29・晴れ・気温25℃(@0:00〜) 
手前から帰巣したタヌキが、途中の草むらで何か虫を捕食しました。 

シーン2:5/14・午前10:19〜10:24・晴れ・気温29℃(@0:53〜) 
真っ昼間から家族総出で(3頭が同時に)巣外で活動するのは珍しいです。 
休耕地の原っぱに散開して、各々が餌を探しているようです。 
もしかすると、奥に見える農道から手前の営巣地に向かって帰って来る途中なのかもしれません。

巣口に着いた個体は、いつものように寝そべって毛繕いしたり日光浴をしたり、くつろぎ始めました。 
昼間は個体識別ができないのですが、巣口に並んで横たわって毛繕いしている2頭がおそらく♀♂ペアで、殿(しんがり)を務めながら探餌行動しているのが両目失明のヘルパー♀hではないかと推測しています。 


シーン3:5/14・午前10:26・晴れ・気温32℃(@1:41〜) 
巣口の草むらでタヌキが何か虫を見つけたようです。 
左に歩き去る黒い昆虫を捕食せずに見逃したということは、毒のある不味い虫なのかな? 


シーン4:5/16・午後13:21・晴れ・気温34℃(@2:41〜) 
2日後の昼下がりに手前から営巣地に戻ってきたタヌキが、途中の草むらで何か虫を見つけたようです。


シーン5:5/16・午後13:26・晴れ・気温34℃(@3:41〜) 
2頭のタヌキが巣口で日光浴しています。 
左の個体が、巣口を飛び回る昆虫(ハエ類?)を目で追い、噛み付いて捕食しようとしています。 
タヌキはヒトのように手を振って飛んでいるハエを追い払うことができないので、その代わりでしょう。 
ハエは素早く飛んで逃げるのですが、狩りの成否は不明です。 


シーン6:5/19・午前9:48〜9:56・晴れ・気温31℃(@4:15〜) 
3日後も日中にタヌキが巣口で日光浴しています。 
立ち上がると、右の草むらに移動して虫採りを始めました。 

獲物を見つけると、高くジャンプしてから前脚を揃えて着地し、獲物に飛びかかっています。 
これはキツネやテンが冬の雪原で野ネズミを狩るときと同じでした。 
食肉目に共通した狩りの行動なのでしょう。

関連記事(1年前の撮影)▶  

しかし、今回のタヌキが狙っているのは、野ネズミではなくて昆虫だと思います。 
鈍臭いタヌキが素早く逃げる生きた野ネズミを狩るのは無理でしょう。 

やがて左から別個体のタヌキが帰巣し、虫採りに夢中な個体と合流しました。 
しかし、タヌキは群れで協同して獲物を追い詰めて狩りをするような高度な作戦は(私の知る限り)やりません。 
各自で餌を探し虫を捕食するだけです。 

最後は、右奥の巣口R付近の原っぱでも虫採りをしています。 


つづく→


【考察】
ChatGPTを相手にブレインストーミングしてみました。
観察した例数が全然少ないのに大風呂敷を広げるのは時期尚早なのは重々承知です。
これから行動のどこに注目して観察すべきか、と頭を整理しておく必要があるのです。


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