Σ こんちゅーぶ!
身近な生き物の行動を動画で記録して紹介するYouTube虫撮り日記です。
2026/10/28
水田の畦道で採食するキジバトの♀♂ペア(野鳥)
オオボクトウ(蛾)の幼虫はヤギ臭がする?
オオボクトウ(の幼虫)はニレやヤナギなどに穿孔するが、肉食性ではない。(wikipediaより引用)確かに、幼虫を発見した農道の左側には柳などがたくさん生えている湿地帯や河畔林が広がっています。
英名の Goat Moth というのは, 幼虫の分泌物のにおいが雄ヤギのそれに似ているからだという.(dmothより引用)このまま採集して飼育しようか迷ったのですけど、忙しくて余力がないので、道端の草むらに解放してやりました。
結論から言うと、オオボクトウやゴマフボクトウの幼虫が持つ鮮やかな赤色(ピンク色)は、一般的な植物由来の毒をアピールする「警告色(警戒色)」ではないと考えられています。また、体内に食草由来の毒を蓄積しているという事実もありません。
彼らの体色や生態には、以下のような理由や特徴があります。
1. 毒の蓄積はない(毒を持たない)
一般的に、目立つ色(警告色)を持つ毛虫やイモムシ(マダラガやキョウチクトウを食べるスズメガなど)は、有毒な植物を食べてその毒(アルカロイドなど)を体内に蓄積し、鳥などの捕食者に「食べると危険だ」と警告します。 [1, 2]
しかし、オオボクトウやゴマフボクトウの幼虫はクヌギ、コナラ、ヤナギ、リンゴなどの樹木の内部(材部)や樹皮下を食べて育ちます。これらの食草(樹木)には、捕食者を撃退するような強い特異的毒素は含まれておらず、幼虫が毒を体内に溜め込んでいるということはありません。 [1, 2, 3]
2. なぜ赤くて目立つのか?
これにはいくつかの生物学的な背景や生存戦略が関係しています。
普段は隠れて生活している(隠蔽性)
彼らは基本的に一生のほとんどを「樹木の内部(トンネルの中)」で過ごします。外から見えない暗闇のなかにいるため、そもそも外敵に見つかるリスクが低く、体色を周囲の環境(木の葉や幹)に似せる(保護色にする)必要性が進化の過程であまりありませんでした。 [1, 2, 3]蛹(サナギ)になる前の「地表徘徊」の時期だけ目立つ
幼虫が大きくなり、サナギになるために木から這い出て地面を歩き回る時期があります。この時に人間や鳥の目に留まり、「なぜこんなに派手なのか」と疑問を持たれますが、これは隠れて暮らしていた虫が一時的に露出した状態です。 [1]物理的な防衛と化学的な防衛(臭い)
毒はありませんが、彼らは非常に強力な顎(あご)を持っており、天敵に襲われた際は激しく噛みつきます。また、オオボクトウの英名は「Goat moth(ヤギの蛾)」と呼ばれ、幼虫は非常に強い酸っぱい独特の悪臭(不快臭)を分泌します。この強烈な臭いや、噛みつく強暴さ、そして赤黒い不気味な見た目そのものが、結果として鳥などの捕食者を遠ざける「嫌悪・威嚇の効果」を果たしている可能性は指摘されています。 [1, 2, 3, 4, 5]まとめ
彼らの赤色は、アサギマダラやドクガのような「食草由来の体内毒」を知らせる警告色ではありません。
基本は「木の中に隠れているので何色でも問題なかった」性質であり、外に出てきた際は「強靭な顎による攻撃力と、放つ悪臭」によって身を守っています。 [1]
ボクトウガの幼虫は、樹液を出して他の昆虫を集めて捕食する「肉食性」の一面を持つなど、非常に面白い生態をしています。もし、この幼虫の生態や飼育、あるいは樹木への被害対策などについてさらに気になることがあれば、お気軽にお尋ねください。 [1, 2]