2026/07/24

日が暮れても雨が降っても枯野の巣外で寝ていたホンドタヌキ3頭の家族が外出するまで【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬・午後18:26〜18:46・雨天・気温8℃・日の入り時刻は午後18:11 

休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)家族の暮らす営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
巣穴の奥はまだ残雪で覆われています。 
晴れた昼間には家族水入らずでひたすら日光浴していたのですが、日没後に暗くなっても3頭のタヌキは巣外に留まったままでした。 
雨が降り出して毛皮が濡れても巣穴に入りたがらないということは、雪解け水が巣内にしみ出して居住環境がよほど劣悪なのだろうと想像しています。 

暗視動画で見ると、1頭の個体だけ両目のタペータム(輝板)がカメラの赤外線を反射していないことがよく分かります。 
両目失明した娘♀hが健常両親♀♂のヘルパーを務めていると考えています。 
両目失明の娘♀hが立ち上がって両親の間に割り込み、身を寄せ合って寝ています。 
発情期は両親が神経質になっていて、ヘルパー個体♀hは常に少し怯えている(気を使っている)印象でしたが、交尾が無事に終わるとまた家族で仲良く暮らせるようになったようです。

やがて寝ていたタヌキは立ち上がりました。
身震いしたり、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしたりしています。 
隣の個体と相互毛繕いしています。 

ついにタヌキの家族は1頭ずつ営巣地を離れて、夜の採餌に出かけました。
両親♀♂が先行し、両目失明の個体♀hがいつものように殿しんがりを務めます。 
夜目が効かなくても、鋭い嗅覚と聴覚でなんとか補えるようです。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

シダエダシャク(蛾)と春風

 

2026年5月上旬・午後14:40頃・くもり 

線路の土手(砕石バラスト)に生えた雑草の茎に地味な蛾がしがみついていました。 
この茎は赤くて棘が生えているので、キイチゴ類のようです。 
前翅を後翅に重ねて三角の翅形で留まっている蛾を写真に撮ってGoogleレンズで画像認識してもらうと、たちどころに名前が判明しました。 
シダエダシャクPetrophora chlorosata)の食草は、山菜として有名なシダ植物のワラビらしく、キイチゴは無関係でした。 

シダエダシャクが強い春風に翅が煽られて、地面に吹き飛ばされました。 
自発的に飛んだ(飛び降りた)と言えるかどうか、微妙です。 
地上で半開きの翅を上下に動かしています。 
翅をたたむと、触角が翅の下に隠れて見えなくなりました。 
翅が周囲の落ち葉と同じ薄茶色なので、じっとしていると紛らわしいです。 
見事な隠蔽擬態ですね。 

隣の田んぼ(刈田)でキジ♂が縄張り宣言の母衣打ち♪する鳴き声が聞こえます。

2026/07/23

残雪の溶けた春の旧営巣地に夜な夜な通ってマーキングを強化するニホンアナグマ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月上旬〜中旬

シーン0:3/31・午後14:30・晴れ・気温19℃(@0:00〜) 
シーン0:3/31・午後14:46・晴れ・気温25℃(@0:04〜) 
まだ雪深い早春の落葉二次林でホンドタヌキが越冬している巣穴Rを自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマMeles anakuma)が掘った営巣地(セット)でした。 

越冬明けのニホンアナグマが頻繁に登場したシーンをまとめました。 


シーン1:4/5・午前3:31・雨天・気温1℃(@0:07〜) 
小雨がぱらつく未明に タヌキの留守中にアナグマ♂が巣穴Rに潜り込んで中を調べていました。 
入巣Rの際に巣口Rの縁に尻の肛門腺や臭腺を擦りつけて、スクワットマーキング(匂い付け)しています。 

外に出てきたアナグマは、鼻面が短く、ずんぐりむっくりした体型の♂でした。 
両目のタペータム(輝板)は正常です。 
身震いして体毛の土を払い落としてから、巣口R手前の地面で再びスクワットマーキング。 

雪面や細い灌木にも、通りすがりにスクワットマーキングしながら立ち去りました。 


シーン2:4/5・午前3:31・雨天・気温0℃(@1:00〜)
つづきが別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
ミズキの左下の獣道で露出した地面を掘り返しているようです。 
採食や造巣のためではなく、縄張り宣言のために目印を残しているのでしょう。  

スクワットマーキングしながらセットに戻り、左上奥(北西)へ立ち去りました。 


シーン3:4/11・午前3:44・気温5℃(@1:29〜) 
6日後の未明。 
4月中旬になると、林床に積もっていた残雪がすっかり溶けていました。 
♀と思われるアナグマが、巣口Rの手前の地面に尻を擦りつけていました。(スクワットマーキング) どこから来たのか不明です。 
右(E)へ立ち去りました。 


シーン4:4/11・午後21:10・気温9℃(@1:39〜) 
約17時間半後の晩に、手前(S)から来たアナグマがセットに来ていました。 
通りすがりに巣口Rを覗き込んでから、奥(N)へ立ち去りました。 性別は♀?(自信なし)


シーン5:4/13・午後20:35・気温10℃(@1:52〜) 
2日後の晩にも右(E)からアナグマ♂が来ていました。 
どこかで穴掘りしてきたのか、鼻面に黒い泥汚れが付着しています。 
セット周辺の林床に、スタンプを押すようにスクワットマーキングを念入りに繰り返しています。 
ミズキの左下の林床を少し掘り返しました。 
採食のための穴掘りにしてはおざなりなので、やはり「アナグマ♂参上!」とアピールする目印なのでしょう。 

身震いしてから奥(N)へ向かいます。 
巣口Rの少し奥で座り込んだ。 立ち止まって地面の匂いを嗅いでいるものの、手前の落葉灌木が邪魔でよく見えません。 


シーン6:4/14・午前1:46・気温9℃(@2:25〜) 
日付が変わった深夜に、性別不明のアナグマがセットをうろついていました。 
なんとなく♀かな? 
この個体のは旧セットでマーキングを全くしないので、深夜徘徊の目的が不明です。 


シーン7:4/14・午前1:55・気温8℃(@2:36〜) 
8分後に同一個体が戻ってきたようで、再びセットをうろついています。 
この個体はスクワットマーキングを全くやりません。 
やはり♀ですかね? 


シーン8:4/14・午後23:44・気温4℃(@3:01〜) 
約21時間50分後の深夜に、アナグマ♂がセット左端のミズキの左下に来ていました。 
斜めに生えた細い落葉灌木の根元に肛門を念入りに擦りつけてマーキングしています。 
スクワットマーキングの派生系なのか、初めて見る匂い付け行動でした。 
後ろ姿なのでよく見えませんが、同時に穴掘りしているようです。 
爪の生えた前足で黒土を後方に掻き出しています。 
虫を捕食するための穴掘りなのか、縄張り宣言の目印を残したいだけなのか、どちらでしょう? 
掘ったばかりの浅い穴の縁でスクワットマーキングしました。 
トイレを掘って排泄した可能性もありそうです。 
ニホンアナグマがセットの近くに溜め糞場を作るという話はアナグマ関連の本でよく読んでいますが、私は見つけたことがありません。 
当地のアナグマはきれい好きなのか、セットから離れた地点に溜め糞場を形成しているのです。 

スクワットマーキングしながら左(W)へ立ち去りました。 


シーン9:4/14・午後23:45(@4:00〜) 
戻ってきたアナグマ♂がナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)群落の横の獣道にスクワットマーキングを繰り返しながらセットに出てきました。 
巣口L/Rの中間地点でもスクワットマーキングしてから、巣口Lの横を経由して右下手前(SE)へ立ち去りました。 


シーン10:4/15・午後23:05・雨天・気温2℃(@4:26〜) 
翌日の深夜は春雨が降っていました。 
右(E)から来たアナグマ♂が巣口Lを内検しています。 
冬の間、タヌキはこの巣穴Lをまったく使わず、雪の下に埋もれていました。 

アナグマ♂は巣口Lの縁および巣口L/Rの中間地点にスクワットマーキングしてから巣口Rへ向かいます。 
後ろ姿の股間に発達した陰嚢が見えました。


シーン11:4/15・午後23:07・雨天(@5:26〜) 
出巣Rしたアナグマ♂がミズキの左下でスクワットマーキングしてからセットに戻りました。 
あちこちでスクワットマーキングをしつこく繰り返しています。 


シーン12:4/16・午後23:20・気温7℃(@5:59〜) 
翌日も晩遅くにアナグマ♂が登場。 
巣口のL/R中間地点でスクワットマーキングしたり、巣口Lに顔を突っ込んで匂いを嗅いだりしています。 
アクセストレンチLに何度も念入りにスクワットマーキングしてから、奥(N)に走り去りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
越冬明けのニホンアナグマ♂が交尾相手の♀を探索し始め、夜這いに通う時期です。
しかし、今季はこの巣穴でアナグマ♀は越冬しませんでした。 
留守がちなタヌキに対抗して旧セットの匂い付けを強化し、いずれアナグマ♂が巣穴を乗っ取るつもりなのでしょうか? 
この時期のアナグマはいつも夜に現れました(夜行性)。

つづく→

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