2026/10/03

営巣地の原っぱで昼間に虫を捕食するホンドタヌキの家族群【トレイルカメラ】

 



2025年5月中旬

休耕地に営巣するホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族群を自動センサーカメラで見張っています。 
両親♀♂および両目のタペータムを失明したヘルパー♀(娘)から構成する3頭の家族群です。 
巣内で母親♀が当歳仔を出産したかどうか、まだ確認できていません。 

明るい日中は基本的に巣内で寝ているか、巣口でのんびり日光浴や昼寝をしているだけなのですが、今回はタヌキが周囲の原っぱで餌を探し回って虫を捕食するシーンだけをまとめました。 


シーン1:5/14・午前9:29・晴れ・気温25℃(@0:00〜) 
手前から帰巣したタヌキが、途中の草むらで何か虫を捕食しました。 

シーン2:5/14・午前10:19〜10:24・晴れ・気温29℃(@0:53〜) 
真っ昼間から家族総出で(3頭が同時に)巣外で活動するのは珍しいです。 
休耕地の原っぱに散開して、各々が餌を探しているようです。 
もしかすると、奥に見える農道から手前の営巣地に向かって帰って来る途中なのかもしれません。

巣口に着いた個体は、いつものように寝そべって毛繕いしたり日光浴をしたり、くつろぎ始めました。 
昼間は個体識別ができないのですが、巣口に並んで横たわって毛繕いしている2頭がおそらく♀♂ペアで、殿(しんがり)を務めながら探餌行動しているのが両目失明のヘルパー♀hではないかと推測しています。 


シーン3:5/14・午前10:26・晴れ・気温32℃(@1:41〜) 
巣口の草むらでタヌキが何か虫を見つけたようです。 
左に歩き去る黒い昆虫を捕食せずに見逃したということは、毒のある不味い虫なのかな? 


シーン4:5/16・午後13:21・晴れ・気温34℃(@2:41〜) 
2日後の昼下がりに手前から営巣地に戻ってきたタヌキが、途中の草むらで何か虫を見つけたようです。


シーン5:5/16・午後13:26・晴れ・気温34℃(@3:41〜) 
2頭のタヌキが巣口で日光浴しています。 
左の個体が、巣口を飛び回る昆虫(ハエ類?)を目で追い、噛み付いて捕食しようとしています。 
タヌキはヒトのように手を振って飛んでいるハエを追い払うことができないので、その代わりでしょう。 
ハエは素早く飛んで逃げるのですが、狩りの成否は不明です。 


シーン6:5/19・午前9:48〜9:56・晴れ・気温31℃(@4:15〜) 
3日後も日中にタヌキが巣口で日光浴しています。 
立ち上がると、右の草むらに移動して虫採りを始めました。 

獲物を見つけると、高くジャンプしてから前脚を揃えて着地し、獲物に飛びかかっています。 
これはキツネやテンが冬の雪原で野ネズミを狩るときと同じでした。 
食肉目に共通した狩りの行動なのでしょう。

関連記事(1年前の撮影)▶  

しかし、今回のタヌキが狙っているのは、野ネズミではなくて昆虫だと思います。 
鈍臭いタヌキが素早く逃げる生きた野ネズミを狩るのは無理でしょう。 

やがて左から別個体のタヌキが帰巣し、虫採りに夢中な個体と合流しました。 
しかし、タヌキは群れで協同して獲物を追い詰めて狩りをするような高度な作戦は(私の知る限り)やりません。 
各自で餌を探し虫を捕食するだけです。 

最後は、右奥の巣口R付近の原っぱでも虫採りをしています。 


つづく→


【考察】
ChatGPTを相手にブレインストーミングしてみました。
観察した例数が全然少ないのに大風呂敷を広げるのは時期尚早なのは重々承知です。
これから行動のどこに注目して観察すべきか、と頭を整理しておく必要があるのです。


春の林内で排水溝の水を飲み、岸辺で落ち葉をめくって餌を探し歩くカラスたち【野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年4月下旬 

シーン0:4/22・午後13:39・晴れ(@0:00〜) 
林内で雪解け水が溜まった排水溝を自動撮影カメラで見張っています。 
倒木が水路を跨いでいて、天然の丸木橋になっています。 

カラスの落ち葉めくり行動をまとめましたが、恥ずかしながらカラスの種類の同定に自信がありません。 
外見と行動で総合的に判断するのですが、ハシブトとハシボソの中間型のような特徴をもっているのです。 
(嘴が細いのに、おでこが少しでっぱっています。) 
林内で活動するのはハシブトのはずですし、その若鳥ではないか?と想像しているのですけど、どうでしょう? 
本当はカラスの種類ごとに動画を分けたかったのですけど、迷い始めると難しいです。 


シーン1:4/23・午前8:00・雨天・気温11℃(@0:03〜) 
小雨が降る朝に、ハシブトガラス?が左岸に来ていました。 
岸辺で落葉落枝を嘴でかき分け、餌を探しています。 
ウォーキングで手前に歩いて来ると、死角に消えた後で嗄れ声で鳴きました♪
行動的には、ハシボソガラス(Corvus corone)ですかね? 


シーン2:4/28・午前9:16・晴れ(@0:39〜) 
 5日後、カラスが丸木橋を歩いて右へ渡りました。 
右岸の地面に積もった落ち葉を嘴でかき分けて、虫などの餌を探しています。 
1.5倍にズームインしてみたら、嘴の太いハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)でした。 
倒木に乗ると、足元の倒木に嘴をこすりつけて汚れを拭いています。 


シーン3:4/28・午後15:43・くもり(@1:39〜) 
6.5時間後、1羽のカラスが丸木橋に乗って排水溝に溜まった雪解け水を飲んでいました。 
喉の乾きを癒やすと、手前の水中に浸っている落枝に飛び乗りました。 
右岸に歩いて上陸すると、細い落枝に乗って濡れた嘴を拭きました。 
別個体が林床に飛び降りると、落ち葉をめくって餌を探し歩いています。 


つづく→

2026/10/02

「穴があったら入りたい!」春のトラマルハナバチ創設女王

 

2025年5月上旬・午後14:30頃・くもり 

トラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)が春の二次林を低空で飛び回り、野ネズミの古巣を見つけては内検を繰り返していました。 
早春に営巣地を探すトラマルハナバチ創設女王は初見です。 
野ネズミの巣穴に潜り込む瞬間を撮り損ねてしまったのですが、しばらく待つと、中から出てきて飛び去りました。 
内検しても気に入らなかったようで、営巣適地の探索を続けます。 
もし気に入れば、地中のトンネル内で自分の巣を独りで作り始め、育房に産卵するのです。 

マルハナバチの創設女王が林床に開いた野ネズミの小さな巣口を目ざとく見つける能力は素晴らしく、もしかして視覚だけでなく嗅覚も利用しているのではないかと推測しています。 
野ネズミの巣穴に特有の匂いがあるのかもしれません。(尿の匂い?)

フィールドでトラマルハナバチの巣を私はまだ見つけたことがありません。
理論的には、春に創設女王が本格的に営巣を始めるまで愚直に追いかければよいのですが、いつも途中で見失ってしまいます。
私がしつこく追いかけるので、女王蜂が怖がって逃げてしまうのかもしれません。

この時期に見られるマルハナバチはワーカー♀(働き蜂)ではなく、越冬明けの創設女王♀です。 
ミツバチと違ってマルハナバチのワーカーは冬に生き残ることが出来ず、死に絶えてしまいます。
マルハナバチのような真社会性昆虫で、春にコロニーを一から創設する役割の女王蜂を創設女王と呼びます。
それに対して、コロニーの末期に羽化する女王蜂を新女王と呼びます。
その頃に創設女王は寿命を迎えます。
雄蜂♂と交尾した新女王が無事に越冬できれば、春に創設女王になるのです。
このような生活史は、スズメバチやアシナガバチでも同じです。


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