2026/07/19

雪解け水の貯まった早春の林内を夜な夜なうろつくニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年4月上旬〜中旬

シーン0:4/7・午後13:37・くもり・気温15℃(@0:00〜) 
左側にあるスギ林の水はけを良くするために掘られたと思われる排水溝に雪解け水がたっぷり貯まりました。(幅は約2m) 
この一時的な止水に来る野生動物を見張るために、自動撮影カメラを設置してみました。 

ニホンアナグマMeles anakuma)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:4/9・午前2:23・気温5℃(@0:03〜) 
深夜にアナグマが左岸を手前に向かってノソノソ歩いて来ました。 


シーン2:4/11・午後20:26・気温11℃(@0:12〜) 
2日後の晩にもアナグマが登場。 
右から左へ水路を跳んで渡河した直後なのかな?
そのまま左へ向かい、スギの根元の匂いを嗅いでから、地面に尻を擦りつけてスクワットマーキングしています。 

アナグマが奥へ向かった先(スギの木の左下)には、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の通う溜め糞場WBCがあります。 


シーン3:4/12・午後20:11・気温10℃(@0:53〜) 
翌日の晩には、アナグマがスギ林内を歩き去る後ろ姿が写っていました。 
今回もスギの根元の匂いを嗅いでから、タヌキの溜め糞場wbcに向かったようです。 


シーン4:4/17・午後12:42・晴れ・気温23℃(@1:04〜) 
明るい昼間に見ると、林床の残雪は完全に溶けていました。 
それでも排水溝に雪解け水が貯まったままです。 
いずれ水が干上がってただの溝になり、野生動物が行き交う獣道となります。


シーン5:4/20・午前0:18・気温12℃(@1:11〜) 
深夜にスギ林内の獣道を通って左から来たアナグマ♂がスギの手前で立ち止まり、排水溝の手前で佇んでいました。 
なぜか身を翻すと、左下へ足早に立ち去りました。 
迂回して倒木の丸木橋を渡るのかな? 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
林内を夜にうろつくニホンアナグマが水路を跳び越えて渡るシーンは一度も写っていませんでした。 
もしかして、アナグマは水が苦手なのでしょうか? 
だとすると、このようなちょっとした水路や小川があるだけでアナグマの生息域が分断されることになります(移動阻害の要因)。 

他の地点の水場でも、アナグマが水を飲んだり水浴びするシーンを私はこれまで一度も撮れたことがありません。 
穴掘りで体毛が土で真っ黒に汚れても、しばらくするときれいに戻っているので、どこかで水浴していると思うのですけど…。
(まさか毛皮の手入れは毛繕いだけなのかな?)


つづく→

キジ♂はヤブコウジの赤い実を食べるか?【野鳥:トレイルカメラ】

 

2025年4月上旬・午後15:20頃・くもり・気温16℃ 

スギ防風林の林床に常緑小低木ヤブコウジの群落があります。 
秋になると果実(液果、核果)が赤く熟すので、被食型の動物散布で分布を広げていることが予想されます。 
種子散布者を突き止めるために、自動センサーカメラでヤブコウジの群落を見張ることにしました。 
雪国では冬の間は深い雪の下に埋もれてしまうので、春になって雪が溶けるのを待って設置しました。 
林床にはタヌキなどが行き交う獣道が形成されています。

すると、ある日の午後にキジ♂(Phasianus versicolor)が登場しました。 
下草をついばみながら歩いていたものの、ヤブコウジの赤い実を食べるシーンは残念ながら撮れていません。 
なぜか監視カメラの起動が遅れてしまい、歩き去るキジ♂の姿がチラッと写っただけでした。 


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【考察】 
余談ですが、落語『寿限無』の途中で出てくる「やぶらこうじのぶらこうじ」とは、ヤブコウジのことらしいです。(wikipediaより)

しばらく監視しても結局、ヤブコウジの赤い実を食べに来る種子散布者の証拠映像は撮れず、このプロジェクトは失敗に終わりました。 
諦めてトレイルカメラを撤去した後で、いつの間にかヤブコウジの熟果が少しずつ無くなっていったので、もっと粘ればよかったかもしれません。 
春になってから思いつきで急遽始めたプロジェクトだったので、怪しいトレイルカメラの出現に野鳥が警戒してしまい、慣れるまで時間がかかったのかもしれません。 
ヒヨドリなど果実食性の鳥が食べに来ることを予想していたのに、残念でした。 
とにかく撮影確率が低いので、監視カメラの数をもっと増やさないと難しそうです。 
冬の間から監視カメラを設置して、鳥に慣れてもらう必要がありそうです。
ヤブコウジ熟果の減り具合を定量的に調べるためには、全ての果柄に予めテープを巻いておくなどして、目印を付けておく必要がありそうです。

Perplexity AIに相談してみました。

Q1: キジに果実食のイメージがあまりないのだが、林床の果実を採食するだろうか? 具体的には、ヤブコウジの赤い実をキジが食べることはあるだろうか?

A1: キジ(Green Pheasant)は雑食性で、地上を歩きながら植物質や動物質を幅広く採食する鳥です。植物質の中では、ハコベ、ヨモギ、ドングリ、キイチゴ、アケビなどの果実も含まれています[kajyu]。また、キジは地表にある果実を食べることがあり、特に冬季には果実や種子が全体の食餌の大部分を占めることもあるため、地面に落ちた果実を採食する可能性は十分にあります[jstage.jst.go]。

一方で、ヤブコウジ(十両)の赤い実については、人間には渋みが強く食用には適さないとされていますが、小鳥などの動物による採食が確認されています[midorigumi]。林床植物の赤い実は鳥類によって持ち去られることが多く、種子散布に寄与していることも示唆されています[bird-research]。

キジがヤブコウジの赤い実を食べるかどうかについては明確な記録はありませんが、キジの雑食性と地表で果実を採食する習性から考えると、その可能性は十分にあると言えます。ただし、ヤブコウジの実が他の動物や鳥類に比べてどれほど好まれるかについてはさらなる観察が必要です。


Q2: ヤブコウジの種子散布者について調べられているか?


A2: ヤブコウジの種子散布者に関する研究

主要な種子散布者

ヤブコウジ(Ardisia japonica)の種子散布については、以下の動物が確認されています:

  • ヒヨドリ:日本の温帯林で主要な被食散布者として機能し、ヤブコウジの果実を採食することが自動撮影カメラで記録されています[kaken.nii.ac]。

  • ツグミ類(シロハラ、トラツグミなど):冬季に林床の赤い果実を採食し、種子散布に関与します[kaken.nii.ac]。

  • メジロ:小型鳥類ですが、果実を飲み込むことで種子散布に寄与する可能性があります[kaken.nii.ac]。

散布メカニズムと効率

  • ヒヨドリの重要性:口径が大きい鳥種(ヒヨドリなど)は果実を丸ごと飲み込む傾向が強く、種子の消化耐性も高いため、質的・量的に優れた散布効率を示します[kaken.nii.ac]。

  • 中型哺乳類の関与:一部の研究ではタヌキやアナグマなどが液果を採食する可能性が指摘されていますが、ヤブコウジに関する具体的なデータは限られています[nagoya.repo.nii.ac]。

研究手法と課題

  • 自動撮影カメラ:金沢大学や石川県立大学の調査では、ヤブコウジの結実個体にカメラを設置し、鳥類の採食行動を記録しています[kaken.nii.ac]。

  • ネットワーク分析:ヒヨドリは特定の植物と強い結びつきを持つ「モジュール型」の散布構造を示すことが予測されており、ヤブコウジもその対象となり得ます[kaken.nii.ac]。

今後の展望

  • ヤブコウジの種子散布はヒヨドリに依存する傾向が強い一方、果実の豊凶や森林構造(例:竹林伐採後の結実量増加)が散布効率に影響を与えることが示唆されています[kaken.nii.ac]。

  • 他の低木(ヒサカキ、ノブドウなど)との比較から、鳥類の選好性や散布距離の差異を解明する必要があります[academist-cf]。


2026/07/18

ホンドタヌキはヤブコウジの赤い実を食べるか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2025年4月上旬・午前0:05頃・気温4℃ 

スギ防風林の林床に群生する常緑の小低木ヤブコウジに秋になると果実(液果、核果)が赤く熟しました。 
冬になってもヤブコウジの赤い実は残ったままでした。
雪国でヤブコウジの群落は雪の下に埋もれてしまったのですが、春になって雪が溶けたので、種子散布者が熟果を食べに来る様子を自動センサーカメラで見張ることにしました。 
ちなみに、このスギ林には野生動物が行き交う獣道が形成されています。 

深夜に近所のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
ところが監視カメラに気づいたようで、方向転換して引き返してしまいました。 
と思いきや、すぐにまた戻って来ました。 
怪しいカメラに気を取られたせいか、残念ながらタヌキはヤブコウジの赤い実を食べずに迂回してしまいました。 

ヤブコウジの小さな赤い果実は熟しても芳香がしないので、夜行性のタヌキは存在に気づかないのでしょう。 
しかし、明るい昼間でも食べに来ることはありませんでした。 
赤色を好む果実食性の鳥類を誘引するようにヤブコウジは進化してきたのでしょう。 



【考察】 
今回はトレイルカメラを設置した位置が低くてタヌキにバレてしまいました。
トレイルカメラでしばらく監視しても結局、ヤブコウジの赤い実を食べに来る種子散布者の証拠映像は撮れず、このプロジェクトは失敗に終わりました。 
諦めてカメラを撤去した後で、いつの間にかヤブコウジの熟果が少しずつ無くなっていったので、もっと粘ればよかったかもしれません。 


Q1: 哺乳類の野生動物がヤブコウジの赤く熟した果実を食べることはあるか? 

A1: ヤブコウジ(十両)の赤い果実は、主に鳥類(ヒヨドリ、ツグミ類、メジロなど)によって採食・散布されることが研究で確認されていますが、哺乳類による摂食記録は限定的です。以下に具体的な知見を整理します:

哺乳類の関与に関する証拠

  1. 中型哺乳類の可能性

    • タヌキやアナグマなどの中型哺乳類は、液果を採食する習性があり、ヤブコウジ科の植物(例:モクタチバナ)の種子散布に関与する可能性が指摘されています[nagoya.repo.nii.ac]。ただし、ヤブコウジに特化したデータは不足しています。

    • 自動撮影カメラを用いた調査では、ヤブコウジの果実を食べる鳥類(ヒヨドリなど)が優先的に記録され、哺乳類の関与は明確に確認されていません[bird-research]。

  2. 生態的な条件

    • ヤブコウジの果実は直径5~7mmと小さいため、ネズミなどの小型哺乳類が対象となり得ますが、現地調査では鳥類が主要な散布者とされています[bird-research]。

    • 哺乳類の関与が疑われる場合でも、鳥類に比べて種子の運搬距離が短く、発芽率への影響も未解明です[agriknowledge.affrc.go]。

考察

  • ヤブコウジの果実は赤色で鳥類に認識されやすい一方、哺乳類には視覚的なアピールが弱い可能性があります[akaitori3.web.fc2]。

  • 哺乳類が関与する場合、竹林や密生した林床など、鳥類のアクセスが困難な環境で観察される傾向がありますが、具体的な事例は稀です[city.kamakura.kanagawa]。

結論

現時点では、ヤブコウジの種子散布は鳥類依存型とされ、哺乳類の関与は補助的または偶発的と推測されます。今後の研究では、自動撮影カメラや糞分析による哺乳類の役割解明が待たれます。



Q2: 溜め糞場を形成するタヌキの糞内容物調査で、ヤブコウジの種子が検出されたことはあるか? 


A2: 結論から言うと、「タヌキの溜め糞場の糞分析でヤブコウジ Ardisia japonica の種子が検出された」という、種レベルまで明示した報告は、少なくともよく知られた文献では確認されていません。

既存のタヌキ糞内容物研究の傾向

タヌキの溜め糞場(ため糞場)に関する研究では、果実・種子の利用が詳しく調べられていますが、検出種として頻繁に挙がるのは以下のような樹木やツル植物です。

  • エノキ(Celtis sinensis)、ムベ(Stauntonia hexaphylla)、アケビ類など、比較的大型の液果をつける木本。[wmo.co]

  • サルナシ(マタタビ科)、ツルウメモドキ(ニシキギ科)などのつる性植物、ズミなどバラ科の果実。[tenbou.nies.go]

これらの研究では、溜め糞場から大量の種子が発芽し、実生群を形成することや、タヌキ・アナグマが二次種子散布者として機能しうることが示されていますが、掲載されている「種子リスト」にヤブコウジが含まれている例は見当たりません。[kyoto-u.ac]

ヤブコウジ種子が検出されない理由として考えられる点

  • ヤブコウジは林床の常緑小低木で、果実も小型で目立ちにくいため、タヌキの主要な餌資源としては相対的に重要度が低い可能性があります。

  • 多くの糞分析研究では、樹上や林縁の比較的大きな液果(サルナシ・エノキ・アケビ等)に焦点が当たりやすく、林床小低木の果実は検出されても「種レベル同定が困難」としてまとめて扱われている場合があります。

その結果、「ヤブコウジを明示的に同定して報告する」段階まで至っていない可能性があります。

現時点で言えること

  • タヌキが果実を多く食べること、溜め糞場に多種の種子が堆積すること、そして林床の実生形成に関与しうることは、多数の研究で示されています。[tenbou.nies.go]

  • しかし、「ヤブコウジの種子が溜め糞場から検出された」と明記した既存の糞分析結果は、少なくとも主要な報告・要約ベースでは確認できません。

したがって、可能性はあるものの「検出例が文献として示されている」とまでは現状言えず、「未確認/未報告(あるいは未同定)」と扱うのが妥当だと思われます。

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