2023/05/13

トレイルカメラを警戒し、給餌場のクルミを食べずに逃げるニホンイノシシ♀【暗視映像】

 

2022年10月下旬・午後23:07・気温7℃ 

冒頭のシーンは明るい日中に撮った現場の様子です。 
泥汚れの付いたカラマツ大木の根元にオニグルミの堅果を山盛りに給餌しました。 
クルミの実も夜行性の野ネズミがせっせと持ち去って貯食します。(動画公開予定) 

給餌した当日の深夜に待望のニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)が登場しました。 
野ネズミが餌場のクルミをほとんど運び去り、少し休んでいる間に、左の獣道からやって来たようです。 
給餌場の手前で地面の匂いを嗅ぐと、イノシシの鼻息で落ち葉が動きました。 
牙が小さいので♀ですかね? (間違っていたらご指摘願います。) 
隻眼ではなく健常個体でした。
関連記事(3ヶ月前の撮影)▶ 右目を失明したニホンイノシシが夜霧の水場に登場【トレイルカメラ:暗視映像】
イノシシ♀はフガフガ♪鳴いて身を翻すと、走って左に引き返してしまいました。 
低い位置に設置したトレイルカメラに気づいて警戒したのでしょう。 
カラマツの幹に体や牙を擦り付けるマーキング行動もやりませんでした。 

イノシシがクルミの堅果を強靭な歯で噛み砕いて食べるかと期待したのですが、怪しい罠だと思ったのか逃げてしまいました。 
イノシシをメインの被写体として狙うのであれば、トレイルカメラをもっと離れた場所や高い位置に設置して給餌場を見下ろすように監視すべきです。 
しかしイノシシの生息密度が低い当地では滅多に登場しませんし、ほとんど野ネズミしか通って来ない現状では、なるべく餌場に近づけてカメラを設置したいのです。 
ドングリを給餌している期間にイノシシが来てくれなかったのが残念です。 
クルミよりもドングリの方が食べてくれそうな気がします。 

イノシシが増えている地域では農作物への食害が深刻となり、害獣駆除の対象となっています。
そんな地域でイノシシに餌付けするのは問題視されるはずですから、ご注意下さい。

※ 動画編集時に自動色調補正を施し、音声も正規化して音量を強制的に上げています。 

カラスの群れにモビングされて逃げるトビ(野鳥)

 

2022年9月中旬・午前10:50頃・晴れ 

山麓の農村部の上空で4羽のカラス(種名不詳)が猛禽を追い回していました。 
モビング(擬攻撃)にしては淡白で、カラスはあっさり追跡を止めて引き返しました。 
カラスは嗄れ声で少し鳴きましたが、逃げる猛禽は鳴きませんでした。 

1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:46〜) 
秋の青空と白い雲を背景に飛び去る猛禽の翼の下面を確認すると、ノスリではなくトビMilvus migrans)でした。 
トビは滑翔と羽ばたきを交互に繰り返して飛び去ります。 

※ トビの翼の下面にある斑紋がよく見えるように、後半のスローモーションでは逆光補正を施しています。 


2023/05/12

低山の稜線で野生ニホンカモシカとニアミス

 

2022年10月中旬・午後13:00頃・晴れ  

里山の平坦な尾根道を私が静かに歩いていたら、ちょっとした曲がり角でニホンカモシカCapricornis crispus)と遭遇しました。 

手前に生えた灌木の茂みの陰に隠れ、その隙間から私の様子を窺っています。 
私が横にゆっくりずれて撮影アングルを確保すると、カモシカはこちらを振り返って凝視していました。 
パニックになって走り出すことはありませんでしたが、カモシカは尾根道から外れるようにゆっくり歩いて逃げ始めました。
カモシカは尾根道の左の法面に行きかけたものの、思い直して逆の右へ向かい、灌木の茂みの奥に隠れました。 
後を追ってそっと近づいてみると、ガサガサ、ポキポキと薮漕ぎする物音が聞こえるだけで、逃げたニホンカモシカの姿を見つけられませんでした。 

今回ニアミスした個体は、私に対して鼻息を荒らげて威嚇しませんでした。 
鼻息威嚇の有無は何によるものなのか、いつも気になっています。 
縄張り意識が高ければ鼻息威嚇をしてくるはずですが、年齢や性差があるのかな?
例えば、若い個体や♀は鼻息威嚇しない?という仮説を立てています。
それとも山中で何度も出会う私の姿や匂いを個体識別して、私に馴れた個体が鼻息威嚇しなくなるのかもしれません。

今回の個体は♀のような気がしますが、どうでしょう。 
後ろ姿の股間に睾丸が発達していれば成獣♂だと見分けられるようになりましたが、♀の外性器はいまいちよく分からず、あまり自信がありません。
個体識別できそうな分かりやすい特徴も見つけられませんでした。
 

ナギナタコウジュの花蜜を吸うキタキチョウ

 

2022年10月上旬・午後13:20頃・くもり 

山間部の道端に咲いたナギナタコウジュの群落でキタキチョウ♀♂(Eurema mandarina)が訪花していました。 
この組み合わせも初見です。 
翅をしっかり閉じたまま吸蜜しています。 
花の紫と蝶の黄色は補色関係にありますから、秋らしく映えますね。 

キタキチョウは自発的に飛び立ち、隣の花穂へ移動しました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 

ナギナタコウジュの群落の葉に白カビのような病変が発生していました。

2023/05/11

秋の林床で餌を探し回るニホンリス【トレイルカメラ】

 



2022年10月中旬・午前11:05 

冒頭のシーンは明るい昼間に撮った現場の様子です。 
里山の雑木林で湾曲したカラマツの根元にドングリ(ミズナラの堅果)を山盛りに置いて給餌しました。 
夜行性の野ネズミ以外にも昼行性のリスが餌場に通ってドングリを貯食するために持ち去るのではないかと期待しました。 
ところが、夜の間にドングリを見つけた野ネズミがほとんど運び去ってしまうために、昼間にはもう給餌場にドングリは(野ネズミの食べ残ししか)残っていません。 
一石二鳥、三鳥…と欲張った私の目論見は破れました。

カラマツの背後から右にニホンリスSciurus lis)が登場しました。 
餌を運んでいるわけではなく、空荷でした。  
途中で何度も立ち止まりながら、斜面を駆け上がりました。 
林床でドングリ落果などの餌を探し歩いているのでしょう。 
給餌場の存在を知らないようで、カラマツの根元には立ち寄りませんでした。 

ドングリを給餌した当日の昼間にリスが来て見つけてくれたら、貯食のための運搬を観察できたかもしれません。
リスの貯食行動を確実に観察するためには、樹上にドングリ餌場を設置したり、野ネズミが近寄れないように「ネズミ返し」を取り付けたりして、リス専用の給餌場にする必要がありそうです。 
野ネズミの中でもヒメネズミは木登りが得意なので、リスの競争相手(ライバル)になりそうです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
古くて癖のあるトレイルカメラを騙し騙し使い続けているため、設置してから初めの一晩を過ぎると日中の自然光下での動画がフルカラーで正常に録画できなくなります。 




 

↑おまけの動画
「How flying squirrels carve nuts to store them securely in tree branches」by New Scientist
リスではなくムササビの話題ですが、興味深い方法で堅果を貯食することが最近分かったそうです。

ミミズの死骸に群がるオオヒラタシデムシとキンバエ、ニクバエ

 

2022年6月中旬・午後15:55頃・晴れ 

平地の舗装された農道に細いミミズのロードキル死骸が転がっていて、屍肉を好むスカベンジャーたちが群がっていました。 
周囲の環境(農道の左右)は、雑木の防風林と広い畑が広がっています。 
林縁または畑から這い出したミミズが通りかかった車に路上で轢かれたのでしょう。

先ずはストロボ写真で記録してから動画に切り替えたら、ミミズの屍肉を齧っていたオオヒラタシデムシNecrophila japonica)が慌てて逃げ始めました。 
濡れた舗装路で立ち止まると、大顎を開閉したり、前脚を舐めて身繕いしたりしました。 
マイマイガ♀♂(Lymantria dispar japonica)の幼虫が脱皮した頭楯の抜け殻が路上に転がっていたものの、通りかかったオオヒラタシデムシは全く興味を示しませんでした。(@0:03〜) 

キンバエの仲間が最大で16匹、ニクバエの仲間が2匹、ミミズの死骸に群がって吸汁していました。 
キンバエの体格が大小まちまちなのは個体差や性差なのか、それとも複数種が混じっているのかな? 

初めは何の死骸かよく分からず、拾った小枝でハエを追い払い、尺取り虫にしては長過ぎる?と思いつつひっくり返したりしてみました。 
驚いたことに、オオヒラタシデムシと違ってハエは図太く、私が死骸を撹乱してもあまり逃げませんでした。 
実はすぐ近くにミミズの死骸がもう1匹あり、同様にキンバエが群がっていました。(写真を撮り忘れ) 
急いでいた私は、ミミズの死骸にシデムシが戻ってくるまで待てませんでした。


関連記事(1年後の撮影)▶ ミミズの死骸に群がるキンバエ

2023/05/10

痒い耳の裏を蹄で掻いてからコシアブラの幼木に眼下腺マーキングするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月中旬・午後17:55頃・気温13℃ 

日が暮れて間もなく、里山の杉林道にニホンカモシカCapricornis crispus)がやって来ました。 
ちなみに、日の入り時刻は午後17:11。 
左から来たカモシカが立ち止まり、右後脚を持ち上げて右耳の裏を蹄で器用にゴシゴシと掻いています。 
私がこんなポーズを真似しても足が耳に届きませんし、体のあちこちが攣りそうです。 
痒い耳裏を掻き終わると頭を激しく振り、舌をペロペロと出し入れしました。 

すっきりしたカモシカはそのまま林道を横切ると、スギの木の右下に自生するコシアブラの幼木の枝葉に顔を擦りつけました。 
眼下腺マーキングが済むと、林道を右に立ち去りました。 
この個体は今回、林道の脇から突き出したスギの落枝には眼下腺マーキングをしなかったようです。 
(なぜかトレイルカメラの起動が遅れて撮り損ねたという可能性も無くはありませんが…。) 
カモシカの個体識別ができるようになれば、匂い付けの対象物の違いについても、何か理由が掴めるかもしれません。

8月下旬に現場で撮ったコシアブラ幼木の写真を以下に掲載します。

つづく→杉林道を歩くニホンカモシカの記録:2022年10月中旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

ブロック塀に作った巣で留守番するフタモンアシナガバチ♀

 

シーン1:2022年7月中旬・午後17:40頃・ 晴れ
郊外の公道に面したブロック塀にフタモンアシナガバチPolistes chinensis antennalis)の巣を見つけました。 
南向きのブロック塀の上縁の庇の下から、大きく発達した巣盤が吊り下げられています。 
巣盤の下面と上面に♀が1匹ずつ居ました。 
どちらかが創設女王と思われます。 
他の多数のワーカー♀は外役に出かけているのでしょう。 
個々の育房をチェックすると、老熟幼虫が育っている育房が1室あります。 
他には白い繭キャップが破れた跡が残っている育房があります。 
私がカメラを近づけて接写すると、在巣の蜂が警戒姿勢を取りました。
こんな目立つ場所に営巣したのでは、すぐに駆除されてしまいそうです。
 

シーン2:2022年7月下旬・午後16:25頃・ くもり
12日後の夕方に現場を通りかかると、意外にもフタモンアシナガバチの巣は駆除されておらず無事でした。 
巣盤の中央部の育房が少し食いちぎられているのは、ヒメスズメバチの仕業かな? 
白い繭キャップが破られて成虫が羽化した跡と、無傷の繭キャップも1つ見えます。 
多くのワーカー♀が外役に出かけている間、巣盤の下面で3匹の成虫♀が留守番しています。 
翅を半開きにして震わせる威嚇姿勢ではありませんでした。 
在巣の蜂のどの個体が創設女王なのか、短時間の観察では不明です。 

やがて1匹の蜂が巣盤からブロック塀を伝って降りてきました。 
軽くホバリングして警戒しましたが、巣を守るために私に襲いかかったり毒針で刺したりすることはありませんでした。 
それにしても、レンズの汚れが見苦しいですね…。

【後日談】 
更に10日後の8月上旬に営巣地を再訪すると、 巣盤が激しく破損していました。
アシナガバチの天敵であるヒメスズメバチに襲われて巣が食いちぎられ壊滅したようです。
コロニーは逃去して空き巣になっていました。
非力なアシナガバチはヒメスズメバチ♀に必死で反撃して巣を守ることはなく、さっさと逃去してしまいます。
新天地で新たに営巣する例をいつか観察したいものです。

2023/05/09

小雨が降る夜にも給餌場からドングリをせっせと持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

前回の記事:▶ 給餌場のドングリを全て持ち去った後も残り物が無いか何度も確認しに戻る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】 


2022年10月中旬 

里山の雑木林で泥汚れの付いたカラマツの根元にドングリを山盛りに置き、通ってくる野生動物(または野鳥)を自動撮影カメラで監視しています。 
 給餌2回目はミズナラの堅果43個を餌場に積み上げました。 
ドングリを山で採取してから日にちが経っているため、多くの堅果が割れて幼根が伸びかけています。 
そんな状態でも野ネズミは気に入ってくれるでしょうか? 
今回持参したドングリには、シギゾウムシ老熟幼虫の脱出口が全くありませんでした。
 

シーン0:10/18 
トレイルカメラを設置し直した直後、明るい日中に撮った現場の様子です。 
赤丸で囲った位置、カラマツの根元の乾いた窪みにドングリを給餌しました。 


シーン1:10/18・午後23:56 (@0:06〜) 
給餌した当日は真夜中になってようやく、野ネズミ(ノネズミ)が給餌場に現れました。 
ドングリを吟味すると、1個選んですぐに左へ持ち去りました。 


シーン2:10/19・午前0:17 (@0:12〜) 
日付が変わりました。 
約20分後に給餌場に戻って来た野ネズミはドングリを口に咥えて左へ運び去りました。 


シーン3:10/19・午前2:43 (@0:20〜) 
小雨がポツポツと降り始めました。 
今回、野ネズミは餌場のドングリを咥えて左へ持ち去ったものの、思い直して右へ行き、カラマツの木の背後を回り込んで右の斜面へ運搬しました。 
そのまま録画を続けると、画面の右下から餌場へまっしぐらに戻って来ました。(@0:35〜) 
途中で大きく跳躍し、元気いっぱいに張り切っています。 
迷いなく選んだドングリを今度は下に運んで行きます。 


シーン4:10/19・午前2:47 (@0:49〜) 
カメラの起動が少し遅れたようで、餌場を離れ左の斜面を駆け上がる野ネズミの後ろ姿が写っています。 
シダ植物シシガシラの群落が生い茂る左斜面の暗闇を白く光る眼が右往左往してから、ある地点で移動しなくなりました。 
夜の山林で地面に穴を掘ってドングリを埋め、隠したようです。 

貯食作業を終えた野ネズミは、左斜面を駆け下りて給餌場に戻って来ました。 
選んだドングリを咥えると、再び左斜面を駆け上がります。 
安全な貯食場所を探して左斜面を右往左往している間に、録画が終了しました。 

給餌場に宝の山があることを知った野ネズミは、ほぼ休みなく働き続けていることが分かります。 
ドングリを選ぶ際に、ドングリから伸び始めた幼根を餌場で切り落として食べてから運ぶのかな?と予想していたのですが、野ネズミは幼根を全く気にしていませんでした。 
運搬に支障を来すほど幼根が長く伸びていれば、取り除くかもしれません。 


シーン5:10/19・午前2:49 (@1:45〜) 
監視カメラが再び起動すると、またもや野ネズミは餌場を離れて左斜面を駆け上がるところでした。 
今度はカラマツの木の背後を回り込んで右斜面へトラバースして行きます。 

野ネズミはドングリを貯食する場所を毎回変えていることが分かります。 
隠したドングリをライバルに見つかって盗まれないようにリスクヘッジしているのでしょう。 
ドングリを1箇所に集めるよりも広範囲に分散して埋めてくれる方が、ミズナラの種子散布にとって好都合です。
互いにメリットがある見事な相利作用関係ですね。 


シーン6:10/19・午前3:03 (@1:58〜) 
野ネズミはどこかで少し休憩してきたようで、撮影間隔が開きました。 
将来のために貯食するだけでなく、安全な隠れ家で夜食のドングリを平らげてきたのかもしれません。 
秋雨が強く降るようになっても、餌場通いを再開しました。 
前回と同ルートでドングリを右上に運び去りました。 


シーン7:10/19・午前3:07 (@2:11〜) 
なぜか画面の左下から餌場に駆け戻って来ました。 
同一個体の野ネズミだとしたら、斜面をぐるっと大回りしてきたことになります。 
ミズナラ堅果を咥えたまま左斜面を駆け上がり、カラマツの背後を回り込んで右上に運んで行きました。 


シーン8:10/19・午前3:16 (@2:34〜) 
今回は珍しく給餌場でドングリの吟味に手間取っています。 
ドングリから伸びた幼根をその場で食べているのかな? 
それとも、貯食には向かない(虫食い)ドングリばかりが餌場に残っているのかもしれません。 
ようやく選んだドングリを前回と同ルートで運び去りました。 


シーン9:10/19・午前3:58 (@2:55〜) 
40分以上も間隔が開きました。 
休息後に給餌場へ戻った野ネズミは、運び出すドングリをなぜか見つけられないでいます。 
結局、空荷で右下へ走り去りました。 
赤外線の暗視映像では餌場から少しだけ左にずれた位置に転がっているドングリが見えるのに、野ネズミはそれを発見できません。 
夜行性なのに野ネズミは夜目が効かないというか、そもそも視覚に頼って餌を探していないようです。 
鋭い嗅覚で餌を探り当て、髭の触角で正確な位置を突き止めるのでしょう。 


シーン10:10/19・午前5:02 (@3:05〜) 
前回から1時間も間隔が開きました。 
餌場に来た野ネズミは、すぐに画面下にチョロチョロと走り去ってしまいました。 
あまりにも動きが敏捷で、ドングリを搬出したかどうかスロー再生しても不明です。 
餌場にはもう貯食に適したドングリが残っていないのかもしれません。 

10/19未明の活動としては、これが最後でした。 
ちなみに、この日の日の出時刻は午前5:48。 
夜が明ける前に給餌場にドングリが残ってないかどうか、念のため最終確認に来たようです。 

別個体の野ネズミが探餌徘徊中に給餌場をたまたま探し当てた可能性もありますが、話を複雑にしても仕方がないので、同一個体が通っているものと仮定して話を続けます。(オッカムの剃刀) ※ 追記参照
一時捕獲して個体標識しないことには、野ネズミを個体識別するのは無理そうです。 


シーン11:10/19・午後19:10 (@3:12〜) 
明るい昼間は天敵(捕食者)が多くて危険なので、野ネズミは巣穴で寝て英気を養います。
暗い夜になると餌場通いを再開しました。 
給餌場で最後のドングリを見つけて、左下に搬出。 


シーン12:10/19・午後23:11 (@3:20〜) 
4時間も間隔が開きました。 
餌場に来た野ネズミは空荷で下に走り去りました。 

給餌場の少し左下に転がっていたドングリ1個が、いつの間にか(4時間の空白期間に)無くなっていました。
トレイルカメラのセンサー感度や性能の限界、電池の消耗など様々な理由で記録漏れがあるようです。
野ネズミはドングリを一度に1個ずつしか運べません。
計43個もドングリを給餌したのに、野ネズミによる搬出シーンが撮れた動画は43回もありません。 


シーン13:10/20・午前2:30 (@3:27〜) 
3時間20分後に登場した野ネズミは、給餌場を素通りして、右に走り去りました。 
と思いきや、戻って来て右斜面をウロチョロと探餌徘徊しています。 
もはや餌場にはドングリが残っていないと知っていて、通常の餌探しモードに切り替えたようです。 
当然ながら、餌場への訪問頻度は下がります。 
10/20未明の活動はこれが最後でした。 

※ 暗視映像が暗い場合は、動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 






【追記】
後日、同じ餌場で2匹の野ネズミが同時に登場しました。


農道を歩いてトウモロコシ畑に入るキジ♂(野鳥)

 

2022年8月下旬・午前8:45頃・晴れ 

キジ♂(Phasianus versicolor)が農道を歩き去る後ろ姿を撮りました。 
ときどき地面を啄んでいます。 
やがてキジ♂は農道から外れて、キンエノコロなどの雑草が繁茂した道端の草むらに入って行きました。 
草むらの奥には広大なトウモロコシ畑が広がり、飼料用のデントコーンが背高く育っています。
隠れて餌を探すのに格好の餌場なのでしょう。

2023/05/08

林道上のミゾソバを食べなくなった秋のニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月中旬 

里山の林道で水たまりが年中できている区間を自動撮影カメラで見張っています。 
カメラの設置アングルをこれまでとは90°変えてみました。 
この時期にニホンカモシカCapricornis crispus)が登場したシーンをまとめてみました。 

シーン0:10/15・午後15:44 
明るい午後に撮れた現場の様子です。 
画面中央のやや下に黒々とした水溜りの泥濘が写っています。 
ときどき落葉も舞い、美しい斜光が絵になります。 
野生動物や野鳥は何も写っていませんが、秋風が強く吹いてカメラを固定した木が横にゆっくりと揺れたせいで誤作動したのでしょう。 


シーン1:10/15・午後18:43
日がとっぷり暮れると、林道をゆっくり歩き去るカモシカの後ろ姿がいきなり写りました。 
おそらく画面右の谷から獣道を登って林道に出て来たのでしょう。 


シーン2:10/18・午前9:55 (@0:28〜) 
3日後の午前中に再びカメラが起動しましたが、例によってフルカラーではもう写らなくなりました。(謎の症状) 
林道をゆっくり歩き去るカモシカが後ろ姿でいきなりまた登場しました。 
同一個体が縄張り内の同じルートを巡回しているのかな? 
途中で立ち止まって林道脇の法面に生えた幼木の枝葉の匂いを嗅いでいます。 
画面右奥で道端の立木に寄り道したようですが、手前に生い茂る枝葉が邪魔でよく見えません。 
おそらく灌木の枝葉を採食したのか、あるいは顔を擦りつけて眼下腺マーキングしたようです。 
シーン1(夜間)でも同様の行動をした可能性が高いですが、暗視カメラが照射する赤外線が届く範囲までしか写りません。 
林道をトボトボと歩き去るカモシカの後ろ姿が次第に小さくなります。 (まさに一点透視図法)
強い秋風が吹いているようで、トレイルカメラを固定した木が左右にゆっくり振動しています。

林道上に繁茂するミゾソバなどの下草を食べるのがあれほど大好きだったのに、カモシカは全く口にしなくなったことが興味深いです。
時間帯の異なる2回とも下草を採食せずに通り過ぎたということは、満腹状態というだけでは説明しにくいです。
秋も深まりミゾソバの旬が過ぎて味が落ちたのでしょうか。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して暗視映像を明るく加工しています。 

モクゲンジの花で吸蜜するモンシロチョウ♀に交尾拒否されてもしつこく求愛する♂【ハイスピード動画】セクハラ

 



2022年7月中旬・午前11:20頃・晴れ 

モクゲンジの花で吸蜜するモンシロチョウ♀(Pieris rapae)を240-fpsのハイスピード動画で撮っていると、背後から♂が飛来しました。 
途端に♀は閉じていた翅を開き腹部を高々と持ち上げました。 
これは教科書通りの「モンシロチョウ♀の交尾拒否」行動です。 
それでも♂が求愛を続けるので、♀は花から落ちるように飛んで逃げました。 
逃げた先でも再び♂にしつこく迫られ、♀は交尾拒否と逃避を繰り返します。 
探雌飛翔していた別個体の♂もそこへ参戦し、三つ巴の激しい乱舞になりました。 

交尾済みの♀はもう交尾する気がないのに、絶倫の♂にしつこく絡まれて迷惑しています。 
モンシロチョウの♂は♂で自分の遺伝子を残そうと必死なのです。 
産卵前の栄養補給に支障を来すほど♂のセクハラが激しいと、♀の適応度(繁殖成功度)を下げてしまいます。(性的対立) 
昆虫の種類によって、♀に断られた♂があっさり諦めて紳士的に離れるものと、♂の諦めが悪いものがいます。
モンシロチョウでは♀の交尾拒否行動が確立しているのに、♂が諦めず執拗に求愛するということは、わずかながらも交尾に至るチャンスがあるのでしょう。(嫌よ嫌よも好きのうち)
♀の訪花シーンは写真に撮ってなくて、この個体は♂

2023/05/07

黒猫とフレンチブルドッグの遭遇

 

2022年10月中旬・午後16:00頃・晴れ 

堤防路から河川敷に降りるスロープを黒猫が歩いて降りてきました。 
種としてはイエネコFelis silvestris catus)です。
顔にズームインしてみると、右耳の先端が欠けています。 
繁殖期の喧嘩で耳を食いちぎられたのかな? 
目が黄色く、野生の黒豹を連想しました。
私に気づくと、立ち止まってその場に座り込みました。 
両耳を自在に動かして周囲の物音に油断なく耳を澄ませています。 
クロネコが左右をキョロキョロ見回し、急に背後を振り向いて凝視しました。 
逃げ腰で道端に身を伏せました。 

一体何事かとカメラをズームアウトすると、スロープの上からおじさんが白い飼い犬を連れて散歩にやって来ました。 
犬種はフレンチ・ブルドッグと思われますが、種名はイエイヌCanis lupus familiaris)です。 
クロネコは明らかに怯えて警戒しているものの、横の草むらへ逃げ込まずにギリギリで踏み留まりました。 
犬を怖がりつつも、ちょっとしたスリルを味わっているのでしょうか。 
下手に逃げるとリードを振り切ったイヌが走って追いかけてくる危険性を知っているのかもしれません。
いざとなったら猫パンチで小型犬を撃退できるという自信があるのかな?
リードに繋がれたフレンチブルドッグは躾が行き届いているのか、黒猫の存在に気づいても迂回して通り過ぎました。 

なんとか犬をやり過ごした黒猫がようやく立ち上がりました。
頭を低く下げて耳を横に伏せ、背中を弓なりに曲げて高く見せ、威嚇のポーズを取りました。 
一旦通り過ぎたフレンチブルドッグが振り返って黒猫と対峙しています。 
後ろ向きになったイヌの股間に睾丸(イヌノフグリ)が見えたので♂ですね。 
この小型犬は幼いのか、クロネコに襲いかかるどころか無邪気に近づこうとしています。
番犬や闘犬としての迫力は全くありません。
もしかすると、散歩の度に出会う顔馴染みの仲なのかもしれません。 
飼い主にリードで制されて諦めたフレンチ・ブルドッグが立ち去ると、ようやく黒猫はリラックスしました。 

その後も黒猫は移動せずに土手のスロープに座ったまま私を凝視していました。 
河川敷や河畔林で野ネズミを狩りに来たのではないかと期待したのですが、動きがないので諦めて撮影終了。
微笑ましい出会いだったと思う人が多いのでしょうけど、個人的には野生動物と比べてペットの行動はどうしても抑圧されたように見えて、あまり面白くありません。


スギ林道の溜め糞場に生えたキノコはイバリシメジ?エセオリミキ?

2022年10月中旬 

里山のスギ林道でニホンアナグマMeles anakuma)とホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が共有している溜め糞場sを定点観察しています。 
秋になってキノコが生えてきたので、写真に撮ってみました。 
溜め糞場sのすぐ横でスギの落ち葉の下からキノコの傘が 2つ並んで開いていました。
1本を引き抜いて軸および傘の裏も写真に撮りました。 
以前、同所で得られたスギエダタケは傘が白色でしたが、このキノコは茶色に色づいています。

キノコに疎いながらも、糞尿の分解跡に生えるアンモニア菌というキノコの話は聞きかじっていた私は、てっきりその仲間ではないかと期待しました。 
イバリシメジだと嬉しいのですが、調べてみると素人目にはアンモニア菌とは無関係のエセオリミキと似ています。
間違っていたらご指摘願います。
(似たキノコでモリノカレバタケという種類も図鑑に載っていました。)

重い腰を上げて、これからキノコを少しずつ勉強していくつもりです。
個人的な興味関心の取っ掛かりとしてはアンモニア菌なのですが、それらしいキノコを未だ1種類も見つけられていません。
アンモニア菌はヒトの放尿跡にも生えてくるらしいので、手軽に実験できそうです。
 
ストロボ発光下
自然光下

林道の水溜り横で下草をついばむ2羽のヤマドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 



2022年10月中旬・午前9:15頃 

里山の林道で水溜りが年中ある区間を自動撮影カメラで監視しています。 
画面の中央に黒々とした水溜りの泥濘があります。 

明るい午前中に2羽のヤマドリ(亜種キタヤマドリ:Syrmaticus soemmerringii scintillans)が林道をカメラに向かってゆっくり歩きながら、ミゾソバなどの下草をついばんでいます。 
干上がりかけた水溜りの周囲に留まり、2羽が一緒に採食していました。 

♀♂つがいなのか♀だけの群れなのか、この映像では残念ながら見分けられません。 
羽の色の情報が失われている上に、最後まで尾羽根の長さを見せてくれませんでした。 

動画の冒頭は、明るい昼間に撮った現場の状況です。 
フルカラーで録画できるのは設置直後だけという古い機種のトレイルカメラをだましだまし使っています。 
夜の暗視映像は問題なく撮れるのですが、日中は画面全体がピンク色に点滅して非常に見苦しいため、動画編集時に自動色調補正を施しています(ほぼモノクロ化)。 
いずれ新機種と入れ替えるつもりではいるのですが、予算不足で機種変がなかなか進みません…。 

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