2022/01/08

大雨の朝に水場の岸を登るアズマヒキガエル【トレイルカメラ】

 

2021年10月中旬・午前8:55頃・大雨 

山中の水場に設置した無人センサーカメラ(トレイルカメラ)にアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)が登場しました。 
朝から激しい雨が降っていて、水面が波立っています。 
レンズのすぐ目の前に突然カエルの顔が現れました。 
おそらく池から上陸して此岸の崖をよじ登ってきたようです。 

トレイルカメラは恒温動物の熱源を動体検知して録画を始める仕組みなのですが、変温動物の両生類でも、至近距離でレンズの前を横切ればさすがにセンサーが作動するようです。 
画面の左へ歩き去った後もゴソゴソ♪という物音が録音されていました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


春になったらこの水場でヒキガエルが繁殖活動するかどうか、確かめる必要がありそうです。



雨上がりの林道で吸水・ミネラル摂取するメスグロヒョウモン♀

 

2021年8月下旬・午後13:00頃・晴れ 

数日前に降った大雨の後で山から滲み出る雨水が林道のわだちを流れて行きます。 
こういうときは長靴を履いて入山すべきだったのに、忘れてスニーカー靴が濡れてしまいました。 

轍の横にメスグロヒョウモン♀(Damora sagana)が降り立ち、沢の水で濡れた小石の表面に口吻を伸ばして舐めていました。 
半開きの翅を開閉しながら吸水しています。 
水を飲むだけでなく、ミネラル摂取も兼ねているのでしょう。
チョウのミネラル摂取は主に♂が性成熟のためにやるものとされていますが、メスグロヒョウモンでは今のところ♀でしか観察できていません。
関連記事(1年前の撮影)▶ 山道で吸水・ミネラル摂取するメスグロヒョウモン♀
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2022/01/07

水場の周囲を夜な夜な活動するノネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬〜中旬・夜

里山の水場を監視するために設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)のレンズの前を夜になると頻繁に何か謎の生物が横切ります。 
池の岸辺を夜な夜な歩き回るザトウムシ(種名不詳)の長い歩脚なのかと首をひねっていたら、遂にその正体が分かりました。 
ノネズミ(野ネズミ;種名不詳)の長い髭や尻尾が写っていたのです。 
3夜連続で撮れた暗視映像をまとめました。 

シーン1:10/9 午後22:14 
レンズの前の至近距離に登場し、シルエットからようやく野ネズミと分かりました。 
ゴソゴソという地響きのような足音が大きく録音されていました。 
池の此岸は崖になって、複数の横穴が開いていました。 
後々分かってきたのですが、どうやらそこに野ネズミが巣穴を構えているようです。 


シーン2:10/10 午後19:00 
レンズのすぐ目の前を野ネズミが右往左往しています。 
至近距離過ぎて、何をしているのかよく分かりません。 
隠しカメラを仕込んでおいた崖の穴に入り込もうとしたものの、カメラが邪魔で退散したようです。 
巣材の細長い草や枯枝を運び込んでいるような気もするのですけど、どうでしょう?  
このアングルの撮影では野ネズミの全身像がほとんど写りません。 
別アングルでトレイルカメラを仕込む必要がありそうです。 

シーン3:10/11 午前0:55 
遂に野ネズミの全身像が撮れました! 
画面奥、池の右岸に注目して下さい。 
草で覆われた右岸を野ネズミがチョロチョロと登り、奥の林道の方へ消えました。 
暗視カメラの赤外線で目が白く光って見えます。 
もし池畔に巣穴があるのなら、やがて外出から戻ってくるかと期待したのですが、帰巣シーンは撮れていませんでした。 

野ネズミというのは総称です。 
今回撮れたのはアカネズミApodemus speciosus)またはヒメネズミApodemus argenteus)だと思うのですが、私には今のところ映像で見分けられません。 
同一個体が繰り返し写っているのか、それとも複数個体が登場しているのか、分からないことばかりです。 
トレイルカメラでいろんな動物が撮れるのは嬉しいのですけど、新たに勉強しなければいけないことが次々に増えて大変です(嬉しい悲鳴)。

つづく→

交尾しながらアキノキリンソウの花で吸蜜ホバリングするニトベハラボソツリアブ♀♂の連結飛翔【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年10月上旬・午後15:25頃・晴れ

低山の明るい細い尾根道の横に生えたアキノキリンソウの群落で交尾中のニトベハラボソツリアブ♀♂(Systropus nitobei)が訪花していました。 
互いに逆向きになって交尾器を連結しながら、♀が吸蜜しています。 
♂は常にホバリング(停空飛翔)を続けて♀の訪花活動に付き添っています。 
♂自身が貞操帯となって♀が産卵するまで浮気を防止する交尾後ガード(配偶者ガード)も兼ねているのかもしれません。 

ニトベハラボソツリアブ♀♂の連結飛翔を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:00〜) 
吸蜜する♀は、できることなら葉や花に着陸して羽ばたくのを休みたいようです。
しかし長い後脚が着陸できない場所では訪花中も羽ばたいています。 
♀単独なら易々と着陸できそうな場所でも、♂と連結している状態では腹部の傾きをある角度以上は下げられません。 
♂が前傾姿勢で連結ホバリングできる角度に限界があるのでしょう。 

♀♂ペアの2匹が逆向きに連結してホバリングしても乱気流が発生しないのが不思議です。 
横風が吹いてアキノキリンソウの株が大きく揺れても平気で連結飛翔を続けています。 
連結部に大きな負担がかかっているはずですが、どういう仕組みになっているのでしょうか?

 

2022/01/06

夕方に水場の横を通過するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午後16:20頃・(日の入り時刻は午後17:08) 

里山の水場に設置したトレイルカメラ(無人センサーカメラ)の前を夕方にニホンカモシカCapricornis crispus)が通りかかりました。 
登場シーンは撮れていません。 
秋の山中は日の落ちるのが早い上に、鬱蒼とした雑木林に囲まれた現場はかなり薄暗いようで、トレイルカメラは赤外線の暗視モードになっています。 
 カモシカの飲水シーンが撮れるかと期待したのですが、今回は水場に立ち寄らずに林道を左へ歩き去りました。 
カモシカは完全に夜行性という訳ではなく、日中も活動します。 
ただし、トレイルカメラの電池を節約するために、終日監視せず主に夜間(夕方から早朝まで)に限定して監視するようにタイマー設定しています。 
したがって、仮に野生動物が昼間に通りかかっても記録されません。 
(予備調査で、昼間はほとんど通らないと判断しました。)

林床で落ち葉に産卵するオオウラギンスジヒョウモン♀

 

2021年9月下旬・午後13:05頃・くもり 

里山の明るい林床でオオウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome ruslana)が産卵していました。
関連記事(3年前の撮影@9月下旬)▶ オオウラギンスジヒョウモン♀の産卵(田んぼの畦道でイネ科の枯草に産卵)

本種の幼虫の食草はスミレ類なのですが、母蝶は緑の下草ではなく、あちこちの枯れ葉や落ち葉の表面に卵を1個ずつ産みつけています。 
卵で越冬してから翌春に孵化した幼虫が自力でスミレを探し歩くのでしょう。 
蝶にしては珍しくスパルタ放任主義です。
(オオウラギンスジヒョウモンの)産卵は食草近くの他物に1卵ずつで、北海道では食草と無関係な樹木の葉上に産卵した報告がある。産付された卵はそのままの状態で越冬するが、一部秋に孵化して幼虫で越冬するのではないかとも思われる。(保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ類編(1972)』p213より引用)

2022/01/05

夜の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬〜中旬・夜

山中の水場に飛来する夜行性コウモリ(種名不詳)の姿がトレイルカメラ(無人センサーカメラ)に撮れていました。 

シーン1:午後22:43 
画面奥の森から飛来した1頭のコウモリが水面すれすれを低空で飛び、身を翻して左へ飛び去りました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ツバメのように一瞬で水面の水をすくって飲んだように見えます。 
それともユスリカやアメンボなどの昆虫を捕食しに来たのかな? 
使用したトレイルカメラは動画のフレームレートが15fpsしかないのですが、なんとかコウモリの羽ばたきが見えました。 
モモンガやムササビの滑空とは明らかに違います。 

コウモリが池に飛来したとき、長い歩脚をもつザトウムシの仲間(種名不詳)がカメラの前を横切りました。 
果たしてこれは偶然でしょうか? 
池の岸辺を歩くザトウムシを超音波で探知したコウモリが捕食しようと飛来した可能性もありそうです。 
カメラの発する超音波(電子ノイズ)に驚いてコウモリは逃げてしまった、と考えられなくもありません。 
それとも池の小魚を捕食しに来たのでしょうか? 
小魚を捕食するコウモリが海外には居るらしいのですが(中南米のウオクイコウモリなど)、日本で魚食性コウモリの動画が撮れたらスクープ映像かもしれません。 
ただし、この浅くて小さな池で私は小魚を見たことがありません。 
カエルなど両生類なら池に居ても不思議ではありません。 

シーン2:翌日の午前2:26 
3時間40分後、深夜の山中で2頭のコウモリが飛び回っています。 
今度は池の水面に触れませんでした。 

1/5倍速のスローモーションで音声を聞き直してもコウモリの発する超音波は可聴化されませんでした。 
バットディテクターとトレイルカメラを組み合わせて超音波の鳴き声も同時に記録してみたいものです。 
バットディテクターを使えば超音波の声紋解析でコウモリの種類が同定できるらしいのも魅力です。

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


野菊の花蜜を吸うイカリモンガ(蛾)同士で小競り合い?

 

2021年10月中旬・午後12:45頃・晴れ 

里山の急な林道沿いに咲いた野菊(種名不詳;ノコンギク?ヨメナ?)の群落で3頭のイカリモンガPterodecta felderi)が集まって訪花していました。 
いつものように翅をしっかり閉じて吸蜜しています。 
この組み合わせを撮るのは久しぶりです。
関連記事(10、12年前の撮影)▶  
イカリモンガの翅表を撮りたい!(ハイスピード動画) 
野菊とイカリモンガ
後半はすぐ隣の花で並んで吸蜜する2頭に注目しました。 
互いの距離が密になり、遂に右の個体Rが先に逃げ出しました。 
左の個体LがRを追い払ったのでしょうか? 
再生速度を15%に落としたスローモーションでリプレイしてみましょう。 
Lが足でうっかりRに触れたので、驚いたRが飛び立ったようです。 (蹴飛ばしたようには見えません。) 
続いてLは翅をすばやく開閉して翅表の紅紋を誇示したように見えました。 
しかしRが飛び去った直後なので、(驚いて)反射的に翅を開いただけかもしれません。 
蜜源植物を巡る占有行動なのかと思いきや、ライバルを追い払ったはずのLも続けてすぐに野菊の花から飛び去ってしまいました。 

野菊の群落集まって互いに出会っても求愛行動が全く見られないということは、全て♀なのかな? 
腹部が太く膨満しているので、いかにも♀のように見えます。 
ただし私はイカリモンガの性別の正しい見分け方を知りません。

2022/01/04

山中の水場で水浴するカケス(野鳥)【トレイルカメラ】

 

2021年10月上旬・午後16:00頃・くもり(日の入り時刻は午後17:10) 

山中の水場にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置しようと思ったきっかけは、私が横を通りかかった際に数羽のカケスGarrulus glandarius)がけたたましく鳴きながら水場から飛び去ったのを見かけたからです。 
野鳥の水浴シーンが撮れそうだと期待して、水場に監視カメラを据えました。 
カケスはとにかく警戒心が強くて、私が普通にカメラを構えても自然な行動を滅多に撮らせてくれません。 
カラス科のカケスは賢いので、私がブラインドに隠れて隠し撮りしようとしてもすぐに見破られそうです。 
トレイルカメラのおかげで、カケスがリラックスして水浴するシーンを初めて撮ることができました。 
ジャージャー♪という耳障りな警戒声を発しないカケスの姿は新鮮です。 

未だ日の入り前の午後なのに、鬱蒼とした雑木林の山中は一日中薄暗いのか、暗視モードで記録されていました。 
画面全体がピンクで不自然な色調の映像をモノクロに加工しました。 

雨が上がっても水場の水量は安定していて、さほど増していませんでした。 
画面右の岸辺で1羽のカケスが水浴びしていました。 
翼で跳ね上げるパシャパシャ♪という水音が聞こえます。 
水浴を中断すると、岸から池の上に張り出した細い枝に飛び乗りました。 
翼を軽く震わせ、横枝に嘴を擦りつけました。 
画面奥の対岸に飛び降りると、さっきとは別の浅瀬で水浴を再開。 

姿がよく見えないのですが、どうやら周囲の樹上にもう1羽のカケスも来ているようです。 
夕方の行水を済ませたカケスは水場から飛び立つと、画面右から池の上に張り出している枯れ木の先に止まり直しました。 
ぴょんぴょん跳んで枯れ木を登り、画角の外に消えました。 
水浴後の羽繕いをしたかどうか不明です。 
最後は、枯れ木から画面の奥の森に向かって飛び、樹上に止まり直しました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


関連記事(1年後に新機種を使い高画質のフルカラーで撮影)▶ 山中の池で水浴するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

雨の夜に水場の横を通り過ぎるニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月上旬・午前3:21および午後19:06 

里山の水場に設置した無人センサーカメラ(トレイルカメラ)にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の暗視映像が撮れていました。 
一度は絶滅した山形県内でイノシシはもはや幻の野生動物ではなくなったようです。 

シーン1: 午前3:21
雨が降る深夜に1頭が林道の右から登場しました。 
赤外線カメラで両目が白く光っています。 
カメラの存在に気づいてしまったのか、なぜか水場には近づかずに引き返してしまいました。

シーン2: 午後19:06 
同じ日の15時間40分後、今度は2頭で水場の横の林道に左から現れました。 
雨は止んでいます。
地面の匂いを嗅ぎながら2頭が前後して歩いて来ます。 
この2頭には体格差がありました。 
親子ではなく♀♂ペアなのでしょう。 
イノシシの体格には性的二型があり、♀<♂らしい。 

水場の奥の林道を右往左往しながら採食しています。 
池畔まで近づいて来たものの、今度も水場に入って泥浴びしたり水を飲んだりしませんでした。 
カメラの録画時間(最大で90秒間)が切れて、尻切れトンボの映像になってしまいました。 

実は水場の岸(画面中央)に茹でたクリの実を試しに数個置いておきました。
野生動物が食べてくれるかと期待したのですが、逆にヒトの手汗の匂いが残る餌が不自然に置いてあるとイノシシは罠かと疑ってしまい、異常に警戒したのかもしれません。 
後日に私が現場入りするとクリは1個も減らずに残っていてカビが生えかけていました。 
水源を汚染しそうなので慌てて遠くに投げ捨てました。 
生のクリの実なら食べてくれたかな?
これに懲りて、今季はストイックに給餌なしで野生動物の活動をトレイルカメラで記録することにします。





2022/01/03

止まり木でも飛翔中も鳴き続ける♪ノスリ(野鳥)

 

2021年9月下旬・午後12:00頃・くもり
前回の記事:▶ 飛来したノスリが携帯電話の中継塔に止まる(野鳥)

山麓の道端に立つ電柱の天辺にノスリButeo japonicus)が止まって小声で(静かに)ピーエ♪と鳴いていました。 
先程まで止まっていた携帯電話の中継塔にノスリの姿はもう無かったので、おそらく同一個体だろうと考えています。 

電柱から飛び立つと右に旋回し、先程と同じモミ大木の下方の横枝に止まり直しました。 
樹上でもノスリが鳴く声♪がかすかに聞こえます。 

しばらくモミ樹上で休んでから、再び飛び立ちました。 
強風を利用してくるりと輪を描きながら帆翔しています。 
滑空と羽ばたきを交互に繰り返し、今度はドイツトウヒ(別名オウシュウトウヒ)の梢に止まり直しました。 
枝には未熟な細長い球果が下向きに多数ぶらさがっています。 

止まり木から飛び立つ瞬間をまたもや撮り損ねてしまいました。 
強風の曇り空を背景に飛ぶノスリを見上げると、翼の先端の羽根だけ上に反り返っています。 
私の真上まで偵察に来るようになりました。 
飛び回ってから再びお気に入りのモミ大木の横枝(別の枝)に着陸。 
樹上でも嘴を大きく開いて鳴いています。 

すぐにまた止まり木から飛び立つと、私の頭上を旋回しました。 
上空から急降下したので私に対する威嚇のディスプレイ飛翔を始めたかと思いきや、そのまま先程のモミ横枝に止まりました。
関連記事(3ヶ月前の撮影)▶ 対人威嚇の波状飛翔ディスプレイを繰り返しながら鳴くノスリ(野鳥)
すぐに再び強風を利用してフワリと飛び上がり、私の頭上を通り過ぎました。 
羽ばたきと滑翔を交互に繰り返すものの、強風に流されそうになっています。 

 一連の飛翔行動をどう解釈すべきでしょうか? 
鳴きながら飛び回り、止まり木を落ち着き無く変えていました。 
しつこくカメラを向ける私を警戒していたのかもしれません。 
あるいは、ノスリは(顔見知りである)私のことなど眼中になくて、帆翔の高度を上げることができずに困っていたのかもしれません。(風待ち) 
地上に居る私の体感では横風が強く吹いていたのですが、曇っていたので上昇気流が足りなかったのでしょう。 
幼鳥が飛行訓練をしていた可能性もありますが、個体識別できていません。

今回のノスリは特定のモミ大木に離着陸を繰り返し、その周囲を飛び回るので、もしかして営巣木ではないかと私は疑い始めました。 
しかし、このモミの木にズームインして上から下まで探しても巣の構造物は見当たりませんでした。 
見落としているかもしれないので、モミ巨木の真上にドローンを飛ばして詳しく調べてみたいものです。 

ノスリが縄張りとしている田園地帯には、稲穂を食害する鳥を追い払うための鳥追いカイト(鷹型)が設置され、風に舞っていました。 
猛禽類の飛ぶ姿に似せて作られていますが、ノスリはこの虚仮威しの凧に対して攻撃することもなく無反応でした。

※ ノスリの鳴き声が風切り音で聞き取りにくいので、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

イチジクの熟果に集まり順番待ちするアカタテハ

 

2021年8月下旬・午後13:35頃・小雨

熟したイチジク(無花果)果実の甘い匂いに誘われてアカタテハVanessa indica)も飛来しました。 
しかしオオスズメバチ♀の群れが熟果を占有している間は、怖くて近づけないようです。 
順番待ちしながらアカタテハは未練がましく口吻を伸ばしてイチジクの葉柄や未熟果の表面を舐めています。 

この組み合わせは初見だったのに、実際にアカタテハがイチジク熟果から吸汁するシーンは撮れませんでした。 
スズメバチが来てないイチジク熟果もあったので、いずれアカタテハも吸汁できたはずです。
しかし小雨が降っていたため、私も長時間粘る気になれず帰りました。

 

2022/01/02

秋の山道で行動を共にするニホンカモシカ母子

 

2021年10月上旬・午後15:45頃・晴れ 

山道が広場になった地点でニホンカモシカCapricornis crispus)の母子と遭遇しました。 
毛が白っぽい幼獣は私(の気配)に気づいたようで、こちらを振り返って見ています。 
一方、先を歩く母親は私に全く気づいていませんでした。 
カモシカの幼獣は角が生えてないと思いきや、頭部にズームインしてみると小さな突起のように可愛らしい1対の角が生えかけていました。(@2:22) 
幼獣を連れて歩く成獣は♀のはずですが、シカと違ってカモシカは♀の頭にも角があるので、性別を外見で見分けられません。 
股間の外性器を見ようとしても性別不明です。 
下腹部も毛に覆われているため、乳首も見えません。 
せめて幼獣に授乳してくれれば母子と確定するのですが、ちょうど乳離れした時期のようでした。

広場の横に自生するヒメヤシャブシ灌木の葉がさび病に罹ったのか褐色に変色しています。 
ニホンカモシカの母親♀はその枝葉の匂いを頻りに嗅いでいます。 
顔の眼下腺をヒメヤシャブシや隣に生えたミズナラの葉に擦り付けてマーキングしているようです。 
結局、母親♀は灌木の葉を採食しないで歩き始めました。 

幼獣は母親に追いつくと、並んで歩いて行きます。 
ガードレールの陰で幼獣は左後脚の足の先(蹄)で左耳を器用に掻きました。(@0:44) 

母親♀は体表の毛が黒く、秋晴れの山道で暑そうに喘いでいます。 
一方、幼獣の毛皮は少し白っぽい。 
小走りで母親について歩く幼獣は舌を出し入れしていました。 

母親が立ち止まって道草を食いました。(採食) 
ようやく私の匂いを嗅ぎつけたのか、♀がこちらを振り返って正面から私を不思議そうに凝視しました。 
しかし鼻息を荒げて威嚇することはありませんでした。 
少し距離が離れているので、カメラを構えたままじっとしている私の姿が近視のカモシカには見えてないようです。 

ゆっくりした足取りのまま母親♀が先導し、広場の端の急斜面を下り始めました。 
山中で電線の下の斜面は保線管理のためきれいに草刈りされています(伐採帯)。 
私が急いで近づいてから続きを撮ると、カモシカの母親♀は電柱のケーブルカバーの匂いを嗅いでいました。(眼下腺マーキング?) 
枯れ草を踏みしめる音をなるべく立てないようにゆっくり忍び寄った私が急斜面の上から見下ろすと、カモシカの母子は近道の伐採帯を下り切るところでした。
砂利の敷かれた林道に辿り着いた母子が並んで立ち止まりました。
カモシカの母親は右横に来た幼獣の脇腹の匂いを嗅ぎながら、尾を左右にパタパタと激しく振りました。 
最後、母子は林道を左に曲がって死角に消えました。 

この後もしつこく2頭を追いかけようか迷ったのですが、冒頭で母親♀が眼下腺マーキングをしていた灌木の樹種を調べに戻りました。
 (写真鑑定でヒメヤシャブシおよびミズナラと判明。)

野生ニホンカモシカの母子を見れたのは久しぶりです。 
これまで母子を目撃した時期は8月上旬および下旬、3月下旬でした。 
 関連記事(6、8年前の撮影)▶  
走り去るニホンカモシカ母子 @2015年8月上旬 
 むらたこういち『ニホンカモシカ (くらべてみよう!どうぶつの赤ちゃん)』という本で復習すると、カモシカの母子が行動を共にする期間は約1年間なのだそうです。
・ニホンカモシカは毎年5月から6月に赤ちゃんを産みます。一度に1頭出産し、お母さんだけで赤ちゃんを育てます。 (p7より引用) 
・1才になるまで、子どもはお母さんといっしょにすごします。(p15より) 
・4ヶ月ほどたつとお乳だけではなくお母さんと同じように木の葉っぱや果物を食べるようになります。 (p17より) 
・(♀の)乳首は、お腹の後ろ足のつけ根の近くに2つある。
この本によると、10月上旬の幼獣はちょうど離乳し始めた頃になります。 
確かに今回、母親は幼獣に授乳しませんでした。 
幼獣も母親の真似をして自力で草などを少し採食したようです。 

 
眼下腺マーキング@ヤシャブシ/ミズナラ葉
ヤシャブシ葉(さび病?褐色変)

仲間の糞を咥えて捨てるカクモンヒトリ(蛾)若齢幼虫

 

2021年10月上旬・午後15:15頃・くもり
前回の記事:▶ コシアブラ幼木の葉に群がるカクモンヒトリ(蛾)の若齢幼虫

コシアブラの葉の表面を徘徊するカクモンヒトリLemyra inaequalis inaequalis)若齢幼虫を動画に撮っていると、面白い行動がたまたま記録されていました。 
おそらく隣の別個体が残したと思われる糞を見つけると、それを抱えて葉の外にポイと捨てたのです。(@0:35) 
黒い糞を短い胸脚で抱えたというよりも、口で咥えて捨てたように見えました。 
集団で食べている植樹植物を衛生的に保つだけでなく、寄生蜂や狩蜂などの天敵を糞の匂いで誘引しないために進化した行動でしょう。 
そもそも、それぞれの幼虫は排便する際に糞が食草の外に落ちるような体勢になるはずですが、たまに失敗してもお互いに糞を掃除するようです。 
この行動は利他的のように見えて、実は天敵から我が身を守るための利己的な行動だからこそ、進化してきたのでしょう。

カクモンヒトリは幼虫越冬らしい。
幼虫の段階では近縁種クロバネヒトリと酷似しているので成虫まで飼育したかったのですが、この時期は忙しくて世話する手が回らず、諦めました。 

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