2012/05/26
イタドリハムシの飛び立ちハイスピード映像
2012年5月上旬・気温34℃(日向)
山道の草地で多数のイタドリハムシ(Gallerucida bifasciata)が飛び回っていました。
個人的に甲虫が鞘翅をパカッと開いて飛び立つ様子が大好物(フェチ)なので、ハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
スローモーションの映像をヘビーローションしても、飽かずに延々と見ていられるんですよねー。
地上では絶妙に折り畳まれ格納された薄い後翅がシャキーンと伸びて健気に羽ばたく様子がもう堪りません。
辺りにいくらでも飛び回っているので、選り取り見取りの撮り放題でした。
歩き回ったり身繕いしても、しばらく待てば必ず飛び立ちます。
今回は撮れませんでしたけど、擬死行動もハイスピード動画の題材として面白そうです。
葉の上を歩くイタドリハムシに触れると即座に脚を縮めて擬死し、葉から転がり落ちます。
それにしてもこの大発生と大騒ぎは何事でしょう。
飛び回っていても蚊柱のように空中で集まる「群飛」ではありませんでした。
どこか近くの杉林などで集団越冬していたのだろうか?
気温が急激に上がって一斉に出てきたのかもしれません。
必ずしも食草であるイタドリの群落を目指して飛んで行く訳でもありませんでした。
オオマルハナバチ女王が桜に訪花
2012年5月上旬
里山でひっそりと咲くヤマザクラ?の花にオオマルハナバチがやって来て密を吸っていました。
花粉を集めている様子はありません。
時期的にワーカーではなく未だ女王蜂(創設女王)だと思います。
Labels:
ハチ・アリ(膜翅目),
訪花
2012/05/25
巣材の苔を集めるメジロ【野鳥】
2012年5月上旬
森でメジロ(Zosterops japonicus)が、樹皮に着生した緑の苔の繊維を集めていました。
コナラの倒木の根元に下りて、細長い繊維を必死に嘴で引っ張り毟り取ると、咥えてどこかに飛び去りました。
巣材として利用するのでしょう。
メジロは
(ピッキオ『鳥のおもしろ私生活』p209より)
雌雄同色で見分けがつきませんし、巣材を集めていたから♀(あるいは逆に♂)とは言えないようです。
営巣地は見つけられませんでしたが、どんな巣を作るのでしょう。
以前、小枝(草?)を咥えて運ぶメジロの動画を撮ったことがあります。
『鳥の巣の本』p8によると
(メジロは)樹の枝の二股部分にクモの(卵嚢の)糸を巻き付けハンモック状にし、その中にススキの穂やコケを絡めて整形して、コップ状の巣を作ります。
産座には細い草の穂、動物の毛などを使う。
私もいつか自分でメジロの巣作りを観察してみたいものです。
造巣性の蜂だと営巣中の♀は気に入った場所で繰り返し巣材を集めることが多いのですが、今回その場で待ち続けたらメジロも再訪してくれただろうか?
野鳥は警戒心が強いので、こちらはブラインドに隠れて観察しないと張り込みは無理なような気がします。
メジロにしてみれば、わざわざ同じ場所に戻らなくても苔はそこら中にありますしね。
何という名前の苔だろう? |
【参考サイト】 メジロの巣
関連記事→「メジロの古巣を見つけた【野鳥】」
2012/05/24
スズバチの泥巣に寄生したドロバチヤドリニクバエの羽化
スズバチ泥巣の飼育記録
2011年11月
山中で三角点の側面(南東面)にドーム状の立派な泥巣を見つけました。
その独特の形状から スズバチが作った泥巣と思われます。
マイナスドライバーで縁から削り取るように採集してみました。
最後は一気に全体が剥がれましたが、メリメリッと繊維質の紙粘土を千切るような感触でした。(※)
母蜂は独房を3室作ってから全体を大量の泥で覆ったようです(外被)。
個々の独房は横向きに作られ、縦に増築されています。
1室(上の写真で左の独房)は寄生されており、ハエの蛹が多数詰まっていました。
泥巣を発掘した際に一部の囲蛹が溢れ落ちました。
2室(中央、右の独房)は蜂の子が繭を紡いだ後のようです。
独房の隙間に詰まっている物(少しカビが生えている)は、幼虫の餌として狩られ麻酔状態で搬入された鱗翅目幼虫の糞と思われます。
このまま持ち帰り、プラスチック容器に密閉して飼育(放置)してみました。
果たして本当にスズバチが羽化してくるのか楽しみです。
カリバチは一般に前蛹で越冬します。
冬季も特に外気に晒すことなく室温で冬越しさせました。
2012年4月下旬・室温22℃
容器内に多数転がっている寄生バエの囲蛹から一匹の成虫が羽化したようです。
気づいたときには既に翅が伸びきった状態でした。
ドロバチ類に労働寄生するドロバチヤドリニクバエ(の仲間)だと思います。
身繕いを念入りに行い、容器内を徘徊すると口吻を伸縮させて壁面を舐め始めました。
元気に飛び回って容器にぶつかるので、翅がすぐに擦り切れてしまいます。
【参考文献】
「スズバチ(Oreumenes decoratus Smith)の造巣活動」
茨城県自然博物館研究報告 (3), 47-51, 2000-03 (PDFファイル)
羽化記録の詳細な表が載っています。
【予告】
この後も続々と泥巣から羽化してきます。
を動画で記録できましたので、そのうちに公開します。
続報をお楽しみに!
(つづく→ドロバチヤドリニクバエ翅伸展の微速度撮影)
2011年11月
山中で三角点の側面(南東面)にドーム状の立派な泥巣を見つけました。
その独特の形状から スズバチが作った泥巣と思われます。
マイナスドライバーで縁から削り取るように採集してみました。
最後は一気に全体が剥がれましたが、メリメリッと繊維質の紙粘土を千切るような感触でした。(※)
※ ドロバチが泥の巣材に植物などの繊維質を混ぜ込むという話は記憶にないので、おそらく繭の繊維が剥がれるときの感触と思われます。
母蜂は独房を3室作ってから全体を大量の泥で覆ったようです(外被)。
個々の独房は横向きに作られ、縦に増築されています。
1室(上の写真で左の独房)は寄生されており、ハエの蛹が多数詰まっていました。
泥巣を発掘した際に一部の囲蛹が溢れ落ちました。
2室(中央、右の独房)は蜂の子が繭を紡いだ後のようです。
独房の隙間に詰まっている物(少しカビが生えている)は、幼虫の餌として狩られ麻酔状態で搬入された鱗翅目幼虫の糞と思われます。
このまま持ち帰り、プラスチック容器に密閉して飼育(放置)してみました。
果たして本当にスズバチが羽化してくるのか楽しみです。
カリバチは一般に前蛹で越冬します。
冬季も特に外気に晒すことなく室温で冬越しさせました。
2012年4月下旬・室温22℃
容器内に多数転がっている寄生バエの囲蛹から一匹の成虫が羽化したようです。
気づいたときには既に翅が伸びきった状態でした。
ドロバチ類に労働寄生するドロバチヤドリニクバエ(の仲間)だと思います。
身繕いを念入りに行い、容器内を徘徊すると口吻を伸縮させて壁面を舐め始めました。
元気に飛び回って容器にぶつかるので、翅がすぐに擦り切れてしまいます。
背面 |
側面 |
【参考文献】
「スズバチ(Oreumenes decoratus Smith)の造巣活動」
茨城県自然博物館研究報告 (3), 47-51, 2000-03 (PDFファイル)
羽化記録の詳細な表が載っています。
【予告】
この後も続々と泥巣から羽化してきます。
- 羽化直後の寄生バエの羽が伸びる様子
- スズバチ♀が泥巣から脱出する様子
を動画で記録できましたので、そのうちに公開します。
続報をお楽しみに!
(つづく→ドロバチヤドリニクバエ翅伸展の微速度撮影)
Labels:
アブ・ハエ・カ・ガガンボ(双翅目),
ハチ・アリ(膜翅目),
寄生,
発生
2012/05/23
繭から出したイラガ前蛹(蛾)の激しい徘徊運動【微速度撮影】
サイカチの木の棘だらけの枝先にイラガ(Monema flavescens)の繭があちこち作られているのを見つけました。
春になってから(4月)、害虫駆除と称して繭を大量に採集してきました。
手の届く範囲だけでも15個と豊作です。
成虫の羽化を観察するのと被寄生率を調べるのが目的です。
2本のサイカチ枝が交叉した部分という風変わりな場所に作られた繭を採集する際に、枝を無理に引き剥がそうとしたら硬い繭が割れてしまいました。
背面 |
側面 |
腹面 |
中身は意外にも未だイモムシ様の前蛹でした。
『イモムシ・ハンドブック』p54によると、イラガは前蛹で越冬するらしい。
なーるほど。
冬にアカゲラが嘴でイラガの繭を砕いて捕食するのを観察したことがあります。
繭から引きずり出して食べていたのはイラガの蛹ではなく前蛹ということになります。
閑話休題。
幸い体が傷ついていないようなので、前蛹を割れた繭から取り出して清潔なプラスチック容器に移してみました。
蛹化および変態の様子を観察できる絶好の機会です。
果たして剥き出し(裸)の状態でうまく育ってくれるでしょうか?
2012年5月上旬・室温24℃
それまで大人しかった前蛹がある日、容器内で激しく蠕動を始めました。
内径30mmの丸い容器内を壁に沿って前進しています。
遂には脱走しそうな勢いで壁を登り始めました。
越冬明けの前蛹にこれ程の運動性が保たれているとは知りませんでした。
特に遮光していないので、暗い所を探しているのだろうか。
剥き出しの状態では心細く、まさか繭を作り直すのかな?
もし食草を与えたら摂食するだろうか?
5秒間隔で93分間インターバル撮影した写真を元に早回し映像を製作。
蛹化の前兆かと内心では期待したものの、結局、前蛹は疲れ果てたように静止しました。
この意味不明の散歩は、単に休眠状態から目覚めただけなのかもしれません。
ひょっとして自然界でも狭くて暗い繭の中で前蛹がぐるぐると激しく寝返りを打っているのかもしれない…と想像すると楽しいですね。
レントゲンか何かでイラガ繭の中を透視できたら面白そうです。
イラガの蛹化【後日談】
明らかに居心地の悪い不自然な状況なので、蛹化前に激しい運動で消耗しないか心配でした。
そのまま前蛹の飼育を続けたところ(ただ放置するだけ)、20日後に最終脱皮を行い無事に蛹になりました(@5月下旬)。
成虫の羽化が楽しみです。
イラガの成虫出現期は6~9月とのこと。
つづく→「イラガ(蛾)の蛹が尻尾を回す運動」
【追記】
余談ですが、サイカチの棘について面白い豆知識を知りました。
植物は、さまざまに工夫をして、トゲを作っている。たとえば、バラやタラノキ、サンショウなどは表皮を変化させて、トゲを作っている。サイカチのトゲは、枝を針状にしたものである。 (稲垣栄洋 『たたかう植物: 仁義なき生存戦略 』(ちくま新書) p142より引用)
Labels:
チョウ・ガ(鱗翅目),
発生,
微速度撮影
2012/05/22
雪面を走るクロモンサシガメ終齢幼虫
2012年4月下旬
林道上に残った雪の上を黒光りする見慣れない虫が元気に徘徊していました。
サシガメの仲間で、翅芽が未だ短いことから幼虫のようです。
前脚の腿節が太い気がします。
おそらく越冬明けの幼虫と思われます。
翅が未だ短い |
採寸 |
側面 |
顔 |
腹面 |
【追記】
『カメムシ:おもしろ生態と上手なつきあい方』p30によると、
普通に見られるクロモンサシガメは、翅の長さは個体によってさまざまで、ほとんどが短翅型でまれに長翅型が見られる。
Labels:
セミ・カメムシ・サシガメ(半翅目)
2012/05/21
モズ♂の鳴き声と羽繕い【野鳥】
2012年4月下旬
鳴いているモズ♂(Lanius bucephalus)を撮れたのは初めて。
見晴らしの良い木の天辺に止まり、長い尾羽を常に上下させています。※
ときどき鳴いたり羽繕いしたりしていました。
辺りを飛び回っている虫を捕食するかなと期待したものの、モズは興味を示しませんでした。
モズは他の鳥の鳴き真似をするらしい。(「百舌」の語源)
いつか鳴き声の声紋解析で実際にどれだけ似ているのか調べてみたいものです。
その前にまずはバードウォッチングやバードリスニングの経験値を上げないといけませんね。
※【追記】
木の枝などにとまっているときは、胸をはって、長い尾ばねをたえず左右にふる癖があります。(『科学のアルバム:モズのくらし』p42より)
尾羽をぐるぐる回すように振るのがモズの特徴。(『スズメの少子化、カラスのいじめ:身近な鳥の不思議な世界』p173により)
『雪国動物記』p120-に「モズのテリトリー」を秋に調べた結果の章あり。
2012/05/20
欄干に止まるキセキレイ♂【野鳥】
2012年4月下旬
用水路の欄干に見慣れない黄色い鳥が止まっているなと思ってレンズを向けてみると、キセキレイ♂でした。
※ 夏羽では♂の喉は黒い。嬉しい初物です♪
川の激しい水音でかき消されてしまい、鳴き声がよく聞こえません。
♂ |
初めは2羽いたのですが、一羽しか撮れませんでした。
動画撮影後に、喉が黒くない♀タイプが路上で採食していました。
近くで番が営巣しているのでしょうか。
♀ |
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