2024年3月中旬
シーン1:3/20・午後20:08・気温0℃(@0:00〜)
平地の二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を自動撮影カメラで見張っていると、小雪がちらつく晩に、尻尾が異常に細いホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)がやって来ました。
疥癬に感染して脱毛が進行している個体「細尾」です。
右から来て、アナグマの巣口Lの匂いを嗅いでいます。
巣口Lを跳び超えて、左へ立ち去りました。
シーン2:3/20・午後20:51・気温0℃(@0:13〜)
約45分後に疥癬キツネ「細尾」が、また左から戻ってきました。
アナグマの巣口L、Rの匂いを順に嗅いでから右へ立ち去りました。
尻尾の太さに注目すると、脱毛の症状が軽いので、別個体のようです。
逆に同一個体だとすると、シーン1は尻尾が水に濡れていっそう細く(針金のように)見えただけかな?
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
近くの雪原(休耕地)でホンドタヌキの巣穴を乗っ取った疥癬ホンドギツネが、夜の二次林で餌を探し歩いているようです。
2回とも、アナグマの巣穴には侵入しないで立ち去りました。
ところがなんと、疥癬に感染したホンドギツネは1頭だけではありませんでした。
「細尾」の状態(脱毛症状の進行具合)が異なる2頭がいるのです。
話がますますややこしくなりそうです…。
当地のホンドギツネ個体群に寄生虫(ヒゼンダニ)感染症の疥癬が蔓延していることが伺えます。
予後が悪い(死に至る)皮膚病ですから、ホンドタヌキやニホンアナグマにまで疥癬が広がらないことを祈るしかありません。
逆に、生態系の中で野生動物が増え過ぎないように(過密になり過ぎないように)個体数を抑制する重要な働きがヒゼンダニにはあるのです。
つづく→
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