2024年3月中旬〜下旬
平地の二次林でニホンアナグマ(Meles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が一緒に登場したシーンをまとめてみました。
シーン1:3/17・午前4:46・気温-3℃(@0:00〜)
未明に右から来たタヌキが途中で通りすがりにアナグマの巣口Lの匂いを嗅ぎました。
やがて後続個体も右から登場し、巣口Lを跳び超えて左へ向かいました。
シーン2:3/21・午後18:54・気温-2℃(@0:36〜)
寒の戻りで少し雪が降ったようで、林床にうっすらと雪が積もっています。
晩にタヌキがセットを左へ通り過ぎました。
右下から登場した後続個体は、アナグマの巣口R、Lを順に覗き込み、点検して回ります。
シーン3:3/24・午前4:52・霧(@1:25〜)
3日後の夜霧が立ち込める未明に、2頭のタヌキが登場。
1頭は奥の林内へ入り、もう1頭はアナグマの営巣地をうろついて巣口Rを点検。
シーン4:3/24・午前4:54・霧(@2:25〜)
手前の獣道を右往左往していた個体aがセットに戻ってきたら、いつの間にか巣穴Rに潜り込んでいた別個体bが外に出てきて出迎えました。
アナグマが巣内Rで冬眠しているはずなので、「同じ穴の狢 」の状況になっていたことになります。
タヌキbは巣口Rで身震い。
タヌキのペアはばらばらに右へ立ち去りました。
シーン5:3/24・午前5:24・気温0℃(@3:26〜)
30分後、1頭のタヌキが右に立ち去り、しばらくするともう1頭が出巣Rしました。
辺りを警戒しながら奥の灌木林へ向かいます。
明け方に夜霧から雪に変わったようで、林床はっすらと雪化粧していました。
シーン6:3/24・午前5:24・気温2℃(@4:00〜)日の出時刻は午前5:34。
日の出前ですが、もう明るくなっていました。
♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが奥の二次林から手前のセットに来て、1頭が迷わず巣穴Rに潜り込みました。
内見しただけで、しばらくすると外に出てきました(出巣R)。
尻尾に黒班が無い個体です。
セットをうろついている間に、もう1匹は二次林に残ったまま待っています。
シーン7:3/24・午前5:33・気温3℃(@5:00〜)
20秒後(日の出直前)に監視カメラが再び起動すると、1匹のタヌキは二次林で伏せたまま不動でした。
もう1匹も奥の林内へ向かう途中で、林縁のミズキ灌木の根元に排尿マーキングしました。(@ 〜)
このとき右後脚を持ち上げたので、♂と判明。
♀だと思っていたパートナーは、なぜか♂について行かず、林内に座ったまま見送るだけでした。
シーン8:3/24・午前6:48・気温0℃(@6:00〜)
すっかり明るくなった早朝に、2頭のタヌキがアナグマの巣口R周辺をうろついていました。
一方のタヌキがパートナーに寄り添って、尻(肛門?)の匂いを念入りに嗅ぎました。 (@6:05〜)
おそらく♂が♀の発情状態を確認しているのでしょう。
♀は嫌がらずに尻尾を少し上げました。
♂が♀の尻の辺りを舐めて毛繕いしているようにも見えます。(対他毛繕い)
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
ニホンアナグマが冬眠していた営巣地(セット)にホンドタヌキが♀♂ペアで現れる頻度がなぜか急に上がりました。
巣穴Rを何度か内見しているようです。
もしかして、空き巣なのでしょうか?
タヌキ♀の発情状態を、付き添う♂がチェックしています。
(先にお伝えしておくと、今季各所に設置したトレイルカメラにホンドタヌキ♀♂の交尾シーンは写っていませんでした。)
タヌキ♀の出産に備えて、アナグマの巣穴を乗っ取るつもりなのでしょうか。
監視カメラには写っていませんが、実はこの時、巣穴の主であるアナグマの身に極めて重大な事件(死亡・殺害?)が起きていた可能性があります。
(あー、次の急展開を早く言いたい…。)
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