2025/02/14

早春にホンドタヌキ♀♂がパートナーの発情状態を調べ、ニホンアナグマの冬眠巣穴を何度も内見【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年3月中旬〜下旬 

平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っています。 
ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が一緒に登場したシーンをまとめてみました。 


シーン1:3/17・午前4:46・気温-3℃(@0:00〜) 
未明に右から来たタヌキが途中で通りすがりにアナグマの巣口Lの匂いを嗅ぎました。 
やがて後続個体も右から登場し、巣口Lを跳び超えて左へ向かいました。 


シーン2:3/21・午後18:54・気温-2℃(@0:36〜) 
寒の戻りで少し雪が降ったようで、林床にうっすらと雪が積もっています。 
晩にタヌキがセットを左へ通り過ぎました。 
右下から登場した後続個体は、アナグマの巣口R、Lを順に覗き込み、点検して回ります。 


シーン3:3/24・午前4:52・霧(@1:25〜) 
3日後の夜霧が立ち込める未明に、2頭のタヌキが登場。 
1頭は奥の林内へ入り、もう1頭はアナグマの営巣地をうろついて巣口Rを点検。 


シーン4:3/24・午前4:54・霧(@2:25〜) 
手前の獣道を右往左往していた個体aがセットに戻ってきたら、いつの間にか巣穴Rに潜り込んでいた別個体bが外に出てきて出迎えました。 
アナグマが巣内Rで冬眠しているはずなので、「同じ穴のむじな」の状況になっていたことになります。 

タヌキbは巣口Rで身震い。 
タヌキのペアはばらばらに右へ立ち去りました。 


シーン5:3/24・午前5:24・気温0℃(@3:26〜) 
30分後、1頭のタヌキが右に立ち去り、しばらくするともう1頭が出巣Rしました。 
辺りを警戒しながら奥の灌木林へ向かいます。 

明け方に夜霧から雪に変わったようで、林床はっすらと雪化粧していました。 


シーン6:3/24・午前5:24・気温2℃(@4:00〜)日の出時刻は午前5:34。 
日の出前ですが、もう明るくなっていました。 
♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが奥の二次林から手前のセットに来て、1頭が迷わず巣穴Rに潜り込みました。 
内見しただけで、しばらくすると外に出てきました(出巣R)。 
尻尾に黒班が無い個体です。 
セットをうろついている間に、もう1匹は二次林に残ったまま待っています。 


シーン7:3/24・午前5:33・気温3℃(@5:00〜) 
20秒後(日の出直前)に監視カメラが再び起動すると、1匹のタヌキは二次林で伏せたまま不動でした。 
もう1匹も奥の林内へ向かう途中で、林縁のミズキ灌木の根元に排尿マーキングしました。(@ 〜) 
このとき右後脚を持ち上げたので、♂と判明。 
♀だと思っていたパートナーは、なぜか♂について行かず、林内に座ったまま見送るだけでした。 


シーン8:3/24・午前6:48・気温0℃(@6:00〜) 
すっかり明るくなった早朝に、2頭のタヌキがアナグマの巣口R周辺をうろついていました。 
一方のタヌキがパートナーに寄り添って、尻(肛門?)の匂いを念入りに嗅ぎました。 (@6:05〜)
おそらく♂が♀の発情状態を確認しているのでしょう。 
♀は嫌がらずに尻尾を少し上げました。
♂が♀の尻の辺りを舐めて毛繕いしているようにも見えます。(対他毛繕い) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
ニホンアナグマが冬眠していた営巣地(セット)にホンドタヌキが♀♂ペアで現れる頻度がなぜか急に上がりました。
巣穴Rを何度か内見しているようです。 
もしかして、空き巣なのでしょうか?

タヌキ♀の発情状態を、付き添う♂がチェックしています。
(先にお伝えしておくと、今季各所に設置したトレイルカメラにホンドタヌキ♀♂の交尾シーンは写っていませんでした。)
タヌキ♀の出産に備えて、アナグマの巣穴を乗っ取るつもりなのでしょうか。 

監視カメラには写っていませんが、実はこの時、巣穴の主であるアナグマの身に極めて重大な事件(死亡・殺害?)が起きていた可能性があります。 
(あー、次の急展開を早く言いたい…。)


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