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2025/07/11

山中の水溜りを深夜に泳いで渡るニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年6月中旬・午前2:50頃 

山中の泥水溜りを自動撮影カメラで見張っていると、深夜にニホンイタチMustela itatsi)が対岸に現れました。 
この地点でイタチは初見です。 

迷わず入水すると、泳いで近道しました。 
水面に浮かぶ物体(落枝?)に興味を示したものの、食べ物ではないと悟ると、そのまま通り過ぎました。 
その泥水溜りでオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)を狩って捕食するかと期待したのですが、そそくさと水場から立ち去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:20〜) 
イタチは水に入って泳ぐのを苦にしませんが、さすがにこれを水浴とは呼べないでしょう。




つづく→

2025/07/07

山中の水溜りでヌタ打ちするニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。
野生動物や野鳥が来て水場として利用する、湧き水や雨水が溜まった水溜りを2台の自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/19・午後21:41(@0:07〜) 
晩にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が単独で水場に現れ、浅い水溜りSに入っていました。 
鼻面で泥を掘り起こしながら前進しています。 
イノシシ観察歴の浅い私には股間を見ても外性器が分からず、腹面に乳首も見当たりませんでした。 
牙が小さいので♀でしょうか。 

身震いして顔の泥を軽く落としてから、右上奥にある別の泥水溜まりNへと移動しました。 
その動きに反応して、別アングルで設置した監視カメラが起動しました。 
イノシシは警戒心が強いので、トレイルカメラの存在に気づくとすぐに逃げてしまうと思っていたのですが、今回は別に気にしていないようです。 
トレイルカメラに慣れてくれたのかな? 

鼻面で浅い水溜まりの底の泥を掘り返して深くすると、腹面全体を泥水に浸して、気持ち良さそうにしばらくじっとしています。 
立ち上がると、身震いして軽く泥を落とし、左奥の岸に上陸しました。 


シーン2:6/19・午後21:40(@1:37〜) 
別アングル(反対側)に設置した監視カメラの映像に切り替えます。 
右から来たイノシシが泥水溜まりNに入っていました。 
鼻面を使って水底の泥濘を掘り起こし、水溜りを深く広くしています。 
水底を掘る時は、目に泥が入らないようにつぶっています。 
ヌタ場作りの土木工事が終わるとして向きを変え、ほぼ全身を泥濘に浸しました。 
背中だけは泥で濡らしませんでした。 
鳥の水浴とは違って、背中に泥水を積極的にかけることはしませんでした。 
泥濘の中でもっと激しく転げ回るかと期待したのですけど、意外におとなしかったです。 
立ち上がると身震いしてから、右へ歩いて上陸。 


シーン3:6/19・午後21:42(@2:37〜)
泥浴びを終えたイノシシが、左の緩斜面を登って林道の方へ立ち去りました。 

ヌタ打ち直後はもっと激しく身震いして全身の泥を周囲にぶち撒けて行くと思っていたのですが、私の予想は外れました。 

トレイルカメラ1台が照射する赤外線では遠くまで充分な光量が届かず、暗くて粗い映像です。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ ヌタ打ちの水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
悲願だったイノシシのヌタ打ち(泥浴び)シーンがようやく撮れて、感無量です。 
録画時間を60秒間から90秒間に延長しておいてよかったです。 
手前Sよりも奥の水溜りNの方が水底を深く掘れて、イノシシが泥浴びしやすいのでしょう。 
あるいは泥質に微妙な違いがあるのかもしれません。 
水飲み場Sとヌタ打ち場Nを使い分けている可能性もあります。

イノシシは、水溜りが浅くなったら定期的に浚渫工事をしてくれる生態系エンジニアとしての役割を果たしていると言えそうです。
ここは元々、山の湧き水が滲み出してくるただの湿地帯だったのに、イノシシが掘り返してくれるおかげで水溜りが常設され、他の生き物も水を飲んだり浴びたり産卵したりできる貴重なマイクロハビタットになったのかもしれません。



つづく→

2025/06/23

山中の水溜りで夜な夜な水浴するフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:14・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
山林で湧き水が年中溜まっている浅い水溜りを2台の自動撮影カメラで見張っています。 

フクロウStrix uralensis)が夜な夜な水場で水浴するシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/10・午前1:22(@0:07〜) 
深夜にフクロウが浅い水溜まりの中に足だけ浸かっていました。 
やがて、羽ばたきながらピョンと対岸に上陸しました。 
嘴で胸元の羽毛を整えています。 


シーン2:6/10・午前1:22(@1:07〜) 
広角で湿地帯を見張る別の監視カメラでも同時に撮れていました。
水溜りで足浴しながら、周囲をキョロキョロと見回しています。 
やがて手前の岸にピョンと上陸して、羽繕いを開始。 


シーン3:6/10・午前1:53(@2:07〜) 
フクロウが水溜まりに顔を浸けて左右に振っていました。 
洗顔の後は、中洲にピョンと上陸しました。 

やがて左端の水溜まりに入り直したのですが、左手前に聳え立つホオノキ大木の陰に隠れてしまいました。 
怪しいトレイルカメラの存在に気づいていて、隠し撮りされるのが嫌なのでしょうか? 


シーン4:6/10・午前1:54(@3:05〜) 
広角の別アングルで続きが撮れていました。 
フクロウが水溜りの中で翼を羽ばたいてバシャバシャと激しく水浴しています。 
左の岸に歩いて上陸しました。 


シーン5:6/10・午後22:13(@4:05〜) 
夜行性のフクロウは明るい昼間にはどこかで寝ていて、晩になると再び水場に現れました。 
左の死角の水溜まりで隠れるように水浴していました。 
ちらっと振り返ってカメラ目線になりました。 


シーン6:6/10・午後22:22(@5:05〜) 
広角のアングルに切り替えます。 
2台のトレイルカメラが同時に起動すると、照射される赤外線も2倍になり、遠くまで明るくしっかり見えます。 

警戒を解いたフクロウがおもむろに水溜りへ入ると、行水を始めました。 
泥水で顔を洗い、羽根にも水を跳ね上げています。 


シーン7:6/10・午後22:23(@6:05〜) 
中洲に立っていたフクロウが手前の水溜まりに入水し、身を浸しました。 
洗顔を繰り返しています。 
我々ヒトは手を使って顔を洗いますが、鳥であるフクロウは翼を使わず、水面に顔を浸して左右に激しく降るだけです。 


シーン8:6/10・午後22:25(@7:05〜) 
フクロウが引き続き、泥水溜まりで水浴しています。 
監視カメラの近くで本格的な水浴シーンをしっかり披露してくれました。 

中洲にピョンと跳んで戻ると、羽繕いなどはしないで周囲を警戒しています。 

やがて右上奥へ飛び立ちました。(@7:40〜) 
フクロウの羽根は飛翔時の静音性が抜群に優れているとの評判ですが、意外にも羽ばたく音がしっかり聞こえました。 
水で濡れたまま飛んだからでしょう。 


シーン9:6/11・午前3:27(@7:44〜) 
翌日の未明にフクロウがまた水場の岸辺に登場。 
水溜りに入って身を浸すと、今回は洗顔しただけでした。 

ときどき水中で足踏みしているのは、水底の泥を足で掘って深くしているのかな? 


シーン10:6/11・午前3:27(@8:44〜) 
広角の別アングルでも同時に撮れていました。 
水溜りで洗顔を洗っただけで、辺りを警戒しています。 


シーン11:6/11・午前3:30(@9:44〜) 
水溜まりの手前に佇むフクロウが振り返り、カメラ目線で見つめています。 
警戒を解くと入水して水浴開始。 
その動きに反応して、もう1台の監視カメラが起動しました。 


シーン12:6/11・午前3:31(@10:44〜) 
水溜まりで行水するフクロウの後ろ姿が写っていました。 
まず洗顔してから、ようやく本格的な水浴を始めました。 
水面で羽ばたくようにして、羽根に水をかけています。 

対岸に上陸すると、何度も顔を振って水気を切ります。 


シーン13:6/11・午後20:10(@11:44〜) 
同じ日の晩にフクロウが水場に再登場。 
浅い水溜りの中をジャバジャバと奥へ渡渉しています。 
周囲を警戒してから、ようやく水面に顔を付けて洗い始めました。 


シーン14:6/11・午後20:12(@12:44〜) 
引き続き、水浴しています。 
泥水溜りのやや深いところで身を屈め、水に浸っています。 
ようやく、本格的な水浴を始めました。 

すっきりしたフクロウは、対岸に飛び移ると、身震いしただけで羽繕いをしません。 


シーン15:6/11・午後20:36(@13:44〜) 
約25分後、フクロウがカメラ目線で水溜りの中に浸かっていました。 
足で水底を掘って深くすると、更に身を深く水に浸します。 

ところで、対岸の左で1組の小さな目が白く光っているのですが、この小動物の正体は何でしょう? 
野ネズミが天敵とニアミスして動けないのかもしれません。 
少しでも動いたら物音でフクロウに気づかれ、狩られる危険性があります。 
謎の小動物は瞬きもしないので、野ネズミではなくカエルかな? 


シーン16:6/11・午後20:38(@14:44〜) 
フクロウは右を向いて本格的な水浴行動を始めました。 
振り向いて中洲にピョンと飛び乗り、身震いしてから左上に飛び去りました。 
謎の小動物は至近距離でもフクロウに気づかれず、九死に一生を得ました。 


シーン17:6/12・午後21:11(@15:29〜) 
翌日も晩にフクロウが水溜まりの左端で水浴に来ていました。 

監視カメラを固定したホオノキの樹上に別個体のフクロウが着地したのか、コツン♪と鈍い物音がしました。 
水溜まりに浸っていたフクロウはすかさず樹上を見上げました。 

コウモリが飛来しても、フクロウは全く気にしていません。 


シーン18:6/12・午後21:12(@16:29〜) 
いつの間にかフクロウは水溜まりの中洲に上陸していました。 
バサバサと羽ばたくと、右上へ飛び去りました。 

しばらくすると、フクロウが此岸の右に音もなくふわりと着陸しました。(@16:45〜) 
フクロウが水場に飛来する瞬間を初めて撮れました。 
同一個体が戻ってきたとは考えにくいので、順番待ちしていたつがいのパートナーが飛来したのでしょうか? 
観察歴の浅い私には、フクロウの個体識別が出来ません。 


シーン19:6/12・午後21:33(@16:50〜) 
画面左端の死角(手前のホオノキ幹の陰)でフクロウが水浴を始めたようです。 
身震いすると対岸にピョンと上陸して、再び身を震わせ羽根の水気を切ります。 


シーン20:6/12・午後22:24(@17:50〜) 
左端の死角に隠れてフクロウが水浴びしています。 


シーン21:6/14・午後19:53(@18:02〜) 
2日後に晩に、水浴を済ませてから対岸に上陸したフクロウの後ろ姿が写っていました。 
水浴後に珍しく羽繕いをしています。 
足の鉤爪で顎の下を器用に掻いたり、身震いしたりしています。 


シーン22:6/14・午後20:10(@19:02〜) 
中洲に降り立ったフクロウが、振り返って監視カメラを凝視。 
左死角の水溜まりに入水すると、行水を開始。 
対岸に上陸したところで録画終了。 



※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
フクロウがこれほど頻繁に水浴するとは知りませんでした。
雛にせっせと獲物を運んでいる時期ですから、狩りをする度に獲物の血を洗い流すのでしょうか?
この水場は浅い泥水でしかも止水ですから、我々の感覚では体の汚れが落ちるとは思えないのですけど、フクロウは繰り返し水浴に通ってきます。

フクロウの個体識別ができていないので、同一個体が何度も通っているのか、♀♂つがいが交互に水浴しているのか分かりません。
2羽のフクロウが同時に水浴することはありませんでした。




【アフィリエイト】

2025/06/16

水浴中のフクロウが近くに現れたニホンノウサギ2羽を狩らずに見逃す【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】





2024年6月上旬 

シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・くもり(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林内にある泥水溜りを2台の自動センサーカメラで見張っています。 
水溜りは浅いのですが、湧き水で一年中涸れることはありません。 
ジメジメとした湿地帯の全景を広角で撮ると、左側にあるメインの水溜りの他に、右にも少し小さな水溜りがあります(画面の右端に見切れています)。 
ここは野鳥や野生動物が通ってくる水場となっているようです。 


シーン1:6/10・午前1:49(@0:08〜) 
深夜に、左手前の泥水溜りにフクロウStrix uralensis)が水浴びに来ています。 
右上奥の草むらを野生動物の白く光る眼が手前に移動してきました。 
奥を左右に通っている林道から緩斜面を下って湿地帯に出てきたようです。 
ピョンピョン跳躍する動きから、ニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)のようです。 



フクロウは暗闇でも獲物の接近に気づいていて、そちらを凝視しました。 
絶好のチャンスなのに、なぜかノウサギに襲いかかることはありませんでした。 
水溜りにただ佇み、周囲をキョロキョロと見回しています。 


シーン2:6/10・午前1:51(@0:30〜) 
タイムスタンプが少しずれていますが、別アングルの監視カメラでも同時に撮れていました。 
フクロウが浅い泥水溜りに入っていて、後ろ向きで足浴していました。 
対岸の奥の草むらでノウサギの白く光る眼が動いています。 
フクロウは獲物の存在に気づいていて、そちらを見つめています。 
果たして待ち伏せ猟をするでしょうか? 

 しばらくすると、左奥の草むらから別個体のノウサギが現れ、右へと横切りました。(@0:52〜) 
先行する個体を追いかけてきたようです。
先行個体が右へ逃げ出したものの、求愛や縄張り争いのような激しい追いかけっこにはなりませんでした。 
ノウサギの♀♂ペアが一緒に水を飲みに来たのかな? 
しかしノウサギは乱婚型で、♂は交尾した後に子育てに協力したり♀と一緒に暮らしたりすることはないはずです。 

2羽のノウサギを見送ったフクロウは、手前の岸辺からピョンと入水し、右上奥の草むらを油断なく凝視しています。 
フクロウが水場に来る獲物(野ネズミやノウサギなど)を待ち伏せして狩るつもりなら、近くの樹上など高所に隠れるはずです。 
地上に降りてしまうと、獲物を見つけても一旦飛び上がってから襲いかかる必要があり、タイムロスになりそうです(獲物に逃げられてしまう可能性が高い)。


シーン3:6/10・午前1:51(@1:34〜) 
広角で湿地帯を見張る別の監視カメラでも撮れていました。 
トレイルカメラ2台が同時に起動したことで、赤外線の光量も2倍になり、広い範囲を充分明るく照らしてくれました。 

ノウサギが右上奥の林道から手前の湿地帯に向かって緩斜面をゆっくり降りてきました。 
その動きを画面中央のフクロウが凝視しています。 
このアングルで見ると、フクロウからノウサギまで結構離れていることが分かります。 
ノウサギに襲いかかっても逃げられそうだとフクロウは冷静に判断して、狩りを行わなかっただけかもしれません。 
水浴に来ていたフクロウは羽根が濡れていて体が少し重く羽根の静音性も低下していますから、狩りを成功させる自信がなかったのかもしれません。 
しばらくすると、フクロウは右へピョンと飛んで水溜りの中に入りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
獲物を狩る絶好のチャンスだったのに、フクロウがノウサギを襲わなかったのが意外でした。 
たまたま満腹だから獲物を見逃したのかと思ったのですが、この時期(6月上旬)は育雛後期ですから、フクロウの親鳥はたとえ自分が満腹でも、獲物を狩って雛や幼鳥に給餌するはずです。
もしもこのフクロウが巣立ったばかりの幼鳥だとしたら、狩りの能力が未熟なのでノウサギとニアミスしても襲撃をためらったのは理解できます。 

私はフクロウの観察歴がまだ浅くて、成鳥と幼鳥を自信を持って見分けられません。
しかし、この時期(6月上旬)だと巣立ったばかりの幼鳥はフワフワの幼綿羽があるはずです。
トレイルカメラの暗視映像に写った個体は、ふわふわしてないので素人目には成鳥に見えます。

この水溜りにはアズマヒキガエルの幼生と思われるオタマジャクシが泳いでいます。
夜行性のフクロウは水溜りで長居しても、昼行性のクロツグミとは違って、オタマジャクシを狩りませんでした。
フクロウは興味津々で水中のオタマジャクシを観察しているだけかもしれません。

逆に、ノウサギはフクロウの存在に気づいていたのでしょうか? 
ノウサギも夜行性で、瞳にはタペータムが発達していますから、暗い夜でも目が見えるはずです。
ノウサギは長い耳が発達して聴覚は非常に優れていますが、このときフクロウはバシャバシャと音を立てて水浴中ではありませんでした。
ノウサギが天敵であるフクロウに気づいて、水場を回避したのかどうかが、映像ではよく分かりません。
ノウサギ同士の遭遇(追跡?)に気を取られて、水場で静かに佇んでいたフクロウに気づかなかったのかもしれません。




動画の解釈について、いつものようにPerplexity AIとブレインストーミングした後で、簡潔なレポートにまとめてもらいました。
注意点として、AIは動画そのものを見て行動を独自に解釈している訳ではありません。
あくまでも私が解釈した文字情報に対して、推論回答しているだけです。



トレイルカメラによる水場でのフクロウとノウサギのニアミス観察とその解釈


1. 観察の概要

  • 2024年6月上旬、山形県の山林内湿地帯(水場)に設置したトレイルカメラで深夜の動物行動を記録。

  • 水場にフクロウ(Strix uralensis)が静かに佇み、周囲を見回している様子が撮影された。

  • その直後、2羽のニホンノウサギ(Lepus brachyurus)が続けて水場を横切ったが、フクロウは凝視するだけで狩りのアクションを起こさなかった。


2. 行動の生態学的解釈

フクロウの行動

  • フクロウは主にネズミ類や小型哺乳類を捕食するが、ノウサギも捕食対象となり得る57

  • 通常、待ち伏せ型の狩りを行う際は樹上など高所から獲物を狙うことが多く、地上で静止している場合は狩り以外の目的(警戒、観察、水分補給など)の可能性が高い9

  • 水場に長居していたが、オタマジャクシなど水生小動物を狩る様子は記録されず、興味本位で観察していたと考えられる。

ノウサギの行動

  • ノウサギは夜行性で、行動範囲は寝床から半径約400mとされる3

  • 繁殖期(2~7月)にはオス同士やオス・メス間で激しい追いかけっこが見られることがあるが、今回の映像では穏やかな動きであり、繁殖行動以外の単なる移動や採食、親子・同性個体の可能性も考えられる。

  • ノウサギはタペータムの発達した目を持ち、夜間でも周囲の動物を認識できるが、フクロウが静止していたため気づかなかった、もしくは警戒しつつも水場を利用した可能性がある139


3. 幼鳥・成鳥の識別と繁殖期のタイミング

  • 6月上旬はフクロウの育雛期~巣立ち直後の時期であり、観察された個体が幼鳥である可能性もある10

  • 幼鳥は巣立ち直後は綿羽が残るが、換羽の進行や暗視映像の解像度によっては判別が難しい。綿羽が見えなくても幼鳥の可能性は排除できない。

  • 巣立ったばかりの幼鳥は通常樹上で親の給餌を待つが、行動範囲が広がる過程で水場に現れることもまれにある。


4. 狩りが起こらなかった理由の考察

  • フクロウが満腹だった、あるいは幼鳥で狩り経験が浅かった可能性。

  • ノウサギが成体であれば、フクロウにとってリスクや負担が大きく、狩りの対象に選ばなかった可能性。

  • 水場での静止は狩りのための待ち伏せではなく、警戒・観察・水分補給など他の目的だった可能性が高い。

  • ノウサギもフクロウの存在に気づいていたかもしれないが、警戒しつつも水場を利用した、あるいはフクロウが静止していたため危険と認識しなかった可能性がある。


5. まとめ

  • トレイルカメラ映像から、夜間の水場でフクロウとノウサギがニアミスしても、必ずしも狩りが発生するとは限らない。

  • 両種の行動には、繁殖期のタイミング・個体の年齢・行動目的・警戒心など様々な要素が複雑に絡んでいる。

  • 今回の観察は、野生動物の多様な行動戦略と、単純な「捕食―被食関係」だけでは説明できない現場のリアルな生態を示している910

  1. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/12/1/12_1_1_11/_pdf
  2. https://note.com/p_c_m22/n/nbcca18728e01
  3. http://sancyokohama.sakura.ne.jp/houkoku/19/YNSchousahoukoku19_1.pdf
  4. https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/assessment/prestatement/yamanashi/_pdf/yamanashiy08-04-03.pdf
  5. https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001021259.pdf
  6. https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/kurashi/kankyo/ekyohyoka/hyoka/tetsuzukichu/gomishori/documents/10doubutsu.pdf
  7. https://www.town.minakami.gunma.jp/minakamibr/nature/pdf/nature07.pdf
  8. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/12/1/12_1_1_11/_pdf/-char/ja
  9. interests.animal_behavior
  10. interests.bird_biology
 


2025/06/12

山中の水溜り上空を夜な夜な飛び回るコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬 

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜) 
たまたま明るい日中にフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林で水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 
溜まっているのは浅い泥水ですが、湧き水のようで、辺りはちょっとした湿地帯になっています。 

水場にコウモリが夜な夜な飛来する様子をまとめてみました。 


シーン1:5/26・午後19:59(@0:04〜) 
風雨の悪天候をついて、コウモリが飛来しました。 
水溜りに着水する寸前で少しホバリング(停空飛翔)したようですが、飛びながら水を飲んだのでしょうか? 


シーン2:5/26・午後20:08(@0:15〜)
少なくとも2匹以上のコウモリが同時に飛び回っています。 
水溜まりの水面を掠めるように低空で飛んでいます。 
夜の湿地帯を飛び回る昆虫を捕食しているのかな? 
獲物となりそうな夜蛾やガガンボなども飛び回っています。 
それともコウモリは、水溜りの泥水を飲みに通っているのかな? 


シーン3:5/27・午後21:10(@1:15〜) 
翌日の晩にもコウモリが水溜りの周囲を低空で飛び回っていました。 
飛びながら一瞬だけ着水して飲水したようにも見えたのですが、水面に波紋が広がったかどうか、画質がイマイチではっきりしません。 


シーン4:5/27・午後19:59(@1:45〜) 
少し時間を遡りますが、フクロウStrix uralensis)が泥水溜りで行水しているときにも、その周囲をコウモリが飛び回ることがありました。 
フクロウに少し遠慮しているのか、コウモリは水溜まりに着水しなくなりました。 
フクロウがコウモリを狩ることもあるらしいのですが、水場周辺を飛び回るコウモリに対してフクロウは無反応・無関心です。 


コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:36〜) 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/06/03

夜の山林で飛びながら水溜りに着水する謎の昆虫【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬・午後21:20頃 

山林の中にある水溜りを自動撮影カメラで見張っていると、晩に夜行性の昆虫が飛来しました。 
低空で飛び回る昆虫が、水面にちょんちょんと着水したので驚きました。 
その虫は水溜りで溺れることはなく、そのまま飛び去りました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
私の第一印象では、蛾の仲間(種名不詳)だと思いました。 

謎の着水行動について、仮説をいくつか検討してみました。
(1)風が吹いていたので、不慮の着水事故かもしれません。 


(2)飲水行動。
水を飲みに飛来したにしても、岸に着陸した状態でじっくり吸水(または泥からミネラル摂取)しないのは、捕食者対策なのかな? 


(3)水浴行動。 
長時間の飛翔でほてった体を水で冷やすための体温調節行動なのでしょうか? 
旧機種のトレイルカメラで撮ったので、気温の情報が取得できていません。 

私は以前、暑い夏の昼間にスキバホウジャクの仲間が飛びながら水路の水面に何度か着水するのを目撃しています。
証拠映像はないのですが、飛びながら水浴したのかと思いました。


(4)走光性による水難事故。 
水溜りの水面に月が写っていたとすると、夜蛾の走光性が撹乱された結果、誤って着水してしまった可能性があります。 
映像では水溜りに月の反射は写っていませんが、これはアングルの問題でしょうか。 

国立天文台の暦計算室のページで調べてみると、この日の月齢は19.0、山形県での月の出時刻は午後22:44でした。 
満月を過ぎたばかりの下弦に向かう月ですが、この時刻(午後21:20)に月はまだ昇っていないことが分かりました。 
したがって、仮説4は却下できます。 


(5)産卵行動。 
トンボのように飛びながら打水産卵したのかもしれません。 
しかし、トンボのヤゴのように水中(または泥の中)で育つ蛾の幼虫は知られていないそうです。 
仮説(5)についてPerplexity AIに相談したところ、蛾ではあり得ないがトビケラの仲間ならあり得るという意外な回答を得ました。 
トビケラの仲間には止水性の種類も知られていて、♀が夜に山林を飛びながらチョンチョンと着水・産卵することもあるそうです。 
私はトビケラに疎いので、この点の裏取り(ファクトチェック)ができていません。 
現場は一時的な水溜りではありません。 
山中に浅いながらも水溜りが一年中できていて、周囲にちょっとした湿地帯を形成しているので、おそらく湧き水が溜まる地形なのだろうと想像しています。 
しかし映像をもう一度見直すと、謎の昆虫は素早く羽ばたいていて、トビケラの飛翔のようには見えませんでした。 
素人目にはやっぱり蛾の仲間に見えます。 


(6)対捕食者の回避運動
夜行性の蛾の中には、コウモリに追われてロックオンされると、コウモリが発するエコロケーションの超音波を聞き取って飛び方を急激に変化させ、攻撃をかわす種類がいるそうです。
この水場でも、夜な夜なコウモリが飛び回っています。(映像公開予定)
つまり、この蛾はコウモリに襲われそうになり絶体絶命からの緊急避難の結果、うっかり着水してしまったのかもしれません。
しかし、今回の映像で前後にコウモリは写ってなかったので、この仮説は除外できそうです。


【追記】 
そもそも、今回トレイルカメラが何に反応して起動したのか不明です。
変温動物である昆虫がいくら飛び回っても、トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずだからです。
風揺れによる誤作動で夜蛾の飛翔シーンが偶然写っていただけかもしれません。
長時間飛び回る昆虫の体温が気温よりも高くなり、トレイルカメラのセンサーが正常に反応した可能性はあり得ます。

最近の私はPerplexity AIに夢中ですが、AIを盲信している訳ではありません。 
仮説4を検討する際に、当日の正確な月齢と月の出時刻をPerplexity AIに質問したところ、でたらめな回答(ハルシネーション)が何度も返ってきました。 
別のAIであるChatGPTでも同じ症状でした。 
ChatGPT said:
初めの回答で月の出時刻を誤って「21時15分ごろ」とした理由は、以下の通りです:

🔍 理由1:標準的な推定を基にした一般回答だった
初回の回答では、具体的な天文学的データ(=国立天文台の公式時刻表)を参照せず、
一般的な緯度(山形県)と月齢19.0の組み合わせから「おおよその月の出時刻」を推定しました。

このとき、誤って**満月直後の典型的な月の出時刻(21時台)**を適用してしまったことが原因です。

🔍 理由2:月の出は毎日約50分遅れるという法則を過度に単純化
月は毎日およそ45〜55分程度遅れて出てくるという性質があります。

満月の翌日はだいたい「21時台」に出ると記憶されがちですが、
2024年5月27日のように月齢19.0のタイミングでは、そのズレが大きくなって「22時台」になることも多いです。

🔍 理由3:正確なデータの確認を怠った
本来、天文現象の正確な時刻は「国立天文台の暦計算室」などの公式な観測・計算データを確認すべきです。
今回はそれを即座に参照せず、おおよその経験則で答えたことが、誤りの主因です。

✅ まとめ
誤回答は、推定的な知識に基づく初期回答で、具体的な公式データに基づいていなかったために生じました。
あなたが正確な情報源(国立天文台)を示してくださったことで、正しい月の出時刻(22:44)を確認できました。ありがとうございます。
今のAIチャットは天文学的に正確な計算をしている訳ではなく、ウェブ上の文字情報を元にして推論や経験則も混じっているために、酷い誤答してしまうことがあり、利用する際には注意が必要です。 
国立天文台の公式サイトにある表データをAIが正しく読み取れないのは、深刻な問題(怠慢)です。 
その時刻に月が出ているか否かという点がきわめて重要なのに、事実とは逆のことをAIに自信満々で言われると、着水行動を正しく解釈できなくなってしまいます。

2025/05/29

山中の水場に通って水浴するフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬 

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山中の林内にある浅い水溜りが野生動物の通う水場になっていると予想して、試しに自動撮影カメラを設置して見張り始めました。 
泥水が溜まった水溜りで、黒いオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生?)の群れが泳いでいます。 


シーン1:5/27・午前3:05(@0:05〜) 
深夜の水場に現れたのは、意外なことにフクロウStrix uralensis)でした。 
後ろ向きで水溜りに浸かり、周囲をキョロキョロと見回しています。 
顔だけ振り返ってカメラ目線になると、瞳のタペータムに赤外線が反射して爛々と光ります。 
やがて警戒を解くと、水浴を始めました。 
翼を少し広げて震わせ、泥水を背中に跳ね上げます。 

録画時間の設定が1分間では、フクロウの水浴行動を最後まで見届けられませんでした。 


シーン2:5/27・午前3:24(@1:06〜) 
約20分後にまたフクロウが水場に来て、再び水浴していました。 
前回より少し左の水溜まりの方が少し深いようで、後ろ向きで水に浸っていました。 
頭を水中に突っ込んで左右に振り、顔を洗っています。 
水面で翼を広げて震わせ、行水しています。 

やがてフクロウは水溜まりの此岸に上陸しました。 
身震いして羽根の水気を切ったものの、なぜか羽繕いをしませんでした。 
身震いの合間に周囲をキョロキョロ見回しています。 
フクロウが水場から飛び去るまで見届けられませんでした。


シーン3:5/27・午後19:57(@2:06〜) 
同じ日の晩になって再びフクロウが水場に来ていました。 
左の水溜まりで水に浸る後ろ姿が写っています。 
横を向いて水浴してくれました。 
カメラ目線でちょっと警戒しています。 


シーン4:5/27・午後19:59(@3:06〜) 
次に監視カメラが起動したときにも、フクロウは泥水溜りで水浴を続けていました。 

やがて対岸にピョンと跳んで上陸しました。 
コウモリが水場の上空を低く飛び回っても、フクロウは無反応でした。 
身震いして羽根の水気を切ると、今回は羽繕いを始めました。 
首をねじって背中の羽根を嘴で整えています。 

すっきりしたフクロウは水場から右上に飛び去りました。 
音量を上げてもフクロウの力強く羽ばたく音が全く聞き取れません。 
フクロウの翼は噂通り、抜群の静音性能でした。 


シーン5:5/27・午後20:11(@3:57〜) 
11分後にフクロウがまた水溜りに脚を浸していました。 
前回と同じ位置で左を向いて水浴開始。 
対岸にピョンと跳んで上陸しました。 
今回は身震いも羽繕いもしないで、少し飛んで右に移動しました。 

最後はエッホエッホと歩いて右に立ち去りました。 
実はそちらにもう一つ別な水溜まりがあるのですが、そっちにフクロウは向かったのかもしれません。 


シーン6:5/27・午後21:16(@4:51〜) 
約1時間後にまたもやフクロウが水場で水浴していました。 
対岸にピョンと跳んで上陸すると、奥に向かって無音で飛び去りました。 


シーン7:5/27・午後21:32(@5:22〜) 
約15分後に、水溜りのいつもの場所でフクロウが後ろ向きで泥水に身を浸していました。 
此岸にピョンと跳んで上陸すると、カメラをちらっと見て警戒しています。 
すぐにまたピョンと入水しました。 
水浴すると、バサバサと羽ばたきながら対岸に上陸し、キョロキョロと周囲を見渡しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 水浴の水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
フクロウの鳴き声は一度も聞こえませんでした。 


【考察】 
同じ日付の未明と晩に(昼間を挟んで)7回も夜行性のフクロウが水場に来て水浴していました。 
鳥は羽根や体についた汚れや寄生虫、脂粉などを落とすために水浴するというのが定説です。 
しかし私は、フクロウが狩りや給餌をする度に水浴して、獲物の返り血などで汚れた羽毛を洗い流すのかもしれない、と考えました。 

個体識別ができていませんが、同一個体のフクロウが水場に通ってきているのでしょうか。 
それともつがいのパートナーが代わる代わる登場しているのかもしれません。
5月下旬という時期は、フクロウの「育雛後期」にあたります。 
雛が巣立つか、その直前または直後の時期です。 
育雛初期は主に♂が♀と雛に給餌しますが、育雛後期になると雌雄♀♂ともに狩りを行い、雛や幼鳥に餌を運びます。 
巣立った後のフクロウ幼鳥を私は実際に見たことがないのですが、今回の動画に写っているのは、成鳥だけだと思います。
(間違っていたら、ご指摘ください。) 

なぜフクロウは泥水で水浴しても平気なのか、我々ヒトの衛生感覚では理解できません。 
この水場は流水ではなく止水なので、せっかく落とした汚れが水場にどんどん溜まる一方です。 
逆に水浴することで泥や汚れが付着しそうですけど、泥水が羽根に付着することはありません。 
鳥は頻繁に羽繕いして尾脂腺の分泌物を塗っているため、羽根の撥水性が高くなっているからです。
この山中では他に水浴に適した安全な水場が近くにないので、仕方なく泥水溜りに通ってきているのでしょう。 
暗い夜にフクロウは泥水だと気づいてないのかな?
しかし、同じ水場で昼行性の鳥も水浴することが後に判明しました。 (映像公開予定)

この水溜りには黒いオタマジャクシが泳いでいるのですが、フクロウはオタマジャクシを捕食するシーンは撮れていませんでした。 
これまで報告されているフクロウの食性情報からも、オタマジャクシを狩るとは考えにくいです。 






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2025/04/11

カルガモの♀♂つがい外強制交尾と配偶者ガード(野鳥)

 

2024年4月下旬・午後16:20頃・くもり 

平地の溜池の方から、激しい水音が聞こえました。 
水鳥が夕方に水浴しているのかと思ってそっと近づいてみると、3羽のカルガモAnas zonorhyncha)が水面で激しい喧嘩を繰り広げていました。 
普段カルガモは警戒心が強いのですが、今回は痴話喧嘩に夢中で、池畔で観察する私のことなど眼中にありませんでした。 

外見によるカルガモの性別判定は難しくて、私はまだスローモーションにしないと自信がないのですが、どうやら1羽の♀を巡って2羽の♂が交尾しようと争っているようです。 
【参考サイト】

正確には、♀♂ペアの間にあぶれ♂が割り込んで、強引に♀と婚外強制交尾を試みているようです。 
つがい外交尾:extra-pair copulation
強制交尾:forced copulation
つまり、♀aと強引に交尾しようとする♂bと、それを阻止しようとする(配偶者ガード)♂aとが激しく争っているのです。 
♀♂異性間の交尾行動の後半部分と、♂♂同性間の闘争行動とが似ていて紛らわしいです。 
ただし、カルガモの♀♂ペアが両性同意のもとで交尾する前には、必ず儀式的な行動をします。 
今回のあぶれ♂は、そのような求愛ディスプレイをまったくしないで、いきなり♀に背後からマウントしていました。 
関連記事(5、6年前の撮影)▶  
八木力『冬鳥の行動記:Ethology of Wild Ducks』でカモ類の交尾行動を調べると、 交尾には♀との合意が必要なので、♂が♀に近づきながら頭部を上下させるヘッドトッシングを行なって交尾を促し、これに♀が同調して頭部を上下させれば同意の合図。  ♀は交尾受け入れの姿勢をとります。♂は♀の後頭部をくわえてマウンティング。  交尾終了後、♀は必ず(儀式的水浴びと)転移性羽ばたきを行ない、♂はまれに行なうことがあります。 (p58より引用)


カルガモ♂aは配偶者♀aを守りたくても、ライバルの独身♂bを撃退するのに苦労しています。 
カルガモの嘴の先端は丸く、敵をつついて攻撃することはありません。 
足にも鋭い爪が無くて水かきしかないので、有効な武器をもっていないのです。
羽ばたく翼で相手を打ち付けたり、(異性間交尾のように)背後からマウントして相手の後頭部を嘴で咥えて押さえつけて、強制交尾を妨害するぐらいしか対抗策がありません。 
そのため、ひたすら体力勝負の消耗戦が続きます。

♀aに♂bが背後からマウントし、その上から更に♂aがのしかかるので、一番下に押さえつけられた♀aは重みで水没しています。 
♀aが何度も溺れそうになっているので、擬人化するとどうしても可哀想に感じてしまいます。 
しかしカルガモには表情がありませんから、♀aが本当に嫌がっているかどうか、定かではありません。 
(♀は意外とケロッとしているように見えなくもありません。)
酷い目にあっているのなら、♂同士が喧嘩している間に♀は池からさっさと飛び去って遠くへ逃げればいいのに、池に留まっているのが不思議でなりません。 
交尾相手の♀を巡る争いなら♂同士でとことん喧嘩するはずだと思うのですが、あぶれ♂は執拗に♀だけを狙って挑みかかります。
我々ヒトの価値観・倫理観では卑怯な振る舞いですけど、進化的に遠く離れたカルガモに無理に適応して憤慨しても仕方がありません。 
もし♀が辟易して逃げ出せば、パートナー♂もついて行かざるを得なくなり、縄張りを失いかねません。
「カルガモ♀は♂同士を密かにけしかけて喧嘩で決着を付けてもらい、より強い♂と交尾したいのではないか?」と穿った見方をしたくなります。 
あるいは、♀はパートナー♂の近くに留まった方が、あぶれ♂の執拗なハラスメントから守ってもらえる確率が高いのでしょうか。

この池にはカルガモの群れがもっと居るのですが、この騒ぎに乱入する個体はおらず、関係のない個体は飛んで逃げ出しました。 
初めは2組の♀♂ペアが池で縄張り争いをしているのかと思い、ライバル♂bのパートナー♀bが途中で助太刀に来るかと期待したのですが、そのような展開(4羽での喧嘩)にはなりませんでした。
喧嘩に巻き込まれそうになった周囲のカルガモ個体が慌てて逃げていくだけです。 

ようやく、♀aに付きまとうあぶれ♂bをパートナー♂aが背後から完全に組み伏せて♀を離させ、追い払いました。 
♂同士の喧嘩に決着が付いたように見えました。
しかし、「あぶれ♂b」は隙を見て再び♀aに突進すると、しつこく強制交尾を試みようとします。 

ようやくあぶれ♂bを追い払って配偶者ガードに成功したパートナー♂aは、水面で小刻みに方向を変えながら♀aの周囲を警戒し、勝利の凱歌を上げています。
短く連続的な「ガッガッガッ♪」という鳴き声は、縄張り宣言の示威行動なのだそうです。 
このとき鳴くのはいつも♂aだけで、♀aは黙っています。 
難を逃れた♀aは、♂aの斜め後ろをぴったり寄り添うように追随し、嘴を水面につけながら遊泳しています(緊張緩和の転移行動)。 
やがて♀aは水浴してから水面で伸び上がって羽ばたき(水切り行動)、自分で羽繕いを始めました。 
それに釣られるように、♂aも隣で同じく水浴と羽繕いを始めました。(♀a♂aペアの絆強化) 

♀a♂aペアが仲良く横に並んで水面を泳ぎ去りました。 
これで一見落着かと思いきや、♀a♂aペアの背後からしつこい「あぶれ♂b」が急いで追いかけてきました。(@4:10〜) 
敵の接近に気づくと一触即発で、3羽がほぼ同時に水面から慌てて飛び上がりました。 (@26:20〜)
すぐに着水すると、三つ巴の大騒動が再び勃発します。 
襲われた♀aは、緊急避難のため自発的に潜水しました。 
しかし独身♂bがすぐに背後から追いかけ、2羽ともしばらく水中に潜っていました。 
再び水面に浮上したときには、あぶれ♂bが♀aを掴まえて背後からマウントしていました。 
♀aを見失っていたパートナー♂aがようやく気づいて慌てて駆けつけ、救出を試みます。 
喧嘩に決着がついて、あぶれ♂bが少し飛んで逃げました。

配偶者ガードに成功した♂が、興奮したように勝利の鳴き声♪を上げながら水面を忙しなく泳ぎ回ります。 
パートナーの♀がすぐに駆けつけ、パートナー♂の斜め背後に寄り添うように遊泳します。
♂に付き従う♀は、尾羽を左右にフリフリしながら、嘴を水面に付けて遊泳しました(緊張緩和の転移行動)。 
それが♀による求愛ポーズなのかと思ったのですが、♂aは♀aを見ていません。 
♀aは水面で伸び上がって羽ばたき(水浴行動の省略)、パートナーの♂aに見せつけるように自分で羽繕いを始めました。 
♂aはようやくパートナー♀aに向き合ったものの、まだ興奮が収まらず、小声で鳴き続けています。 



一連の騒動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:20〜)
後頭部から首の後ろを通る黒い縦筋模様が♀では薄れかけていて、それが目印になります。
繁殖期の♀は背後から♂に繰り返しマウントされて、その度に後頭部や首筋を嘴で噛まれますから、黒い羽毛がどんどん抜けてしまうのでしょうか?
あぶれ♂bの後頭部を嘴で咥えた♂aが羽根をむしり取ることもありました。
この「黒いたてがみ」に注目すると、3羽の個体識別ができそうです。

少し離れた相手に急いで襲いかかるときは、左右の翼を水面に同時に打ち付けながら両足で交互に水を蹴って進みます。 


※ 水飛沫の音や鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



【考察】
カルガモの繁殖期は通常4~7月です。 
今回観察した4月下旬は、ペア形成が完了して巣作りおよび産卵を開始する前の時期に相当します。 
カルガモの♂は育雛(子育て)には全く参加しませんが、造巣の段階では♀に協力し、抱卵中の♀を警護するらしい。 
婚外強制交尾は巣作り前の時期(4〜5月)に頻発し、産卵開始後は激減するらしい。 
カルガモ♀が巣作りを開始する直前になると、パートナーの♂は特に警戒行動を強め、配偶者ガードを強化するそうです。 

カルガモは社会的単婚(一夫一婦制)を形成しますが、DNA検査で調べると婚外交尾も一定の割合で行われているらしい。
今回の調べ物で初めて知ったのですが、鳥類にしては珍しくカモ類の♂は螺旋型の長い陰茎をもつそうです。(参考サイトにすばらしい図解が掲載されています。)
短時間の交尾の際に、♀と前に交尾したライバル♂の精子を物理的に掻き出した上で自分の精子で置換するらしい。
また、強制交尾した♂が必ずしも次世代を残せるとは限らないそうです。
♀が複雑な形状の生殖器内で♂の精子を選別しているらしく、強制交尾した♂の精子は使われないことが多いそうです。
つまり、あぶれ♂の強制交尾がたとえ成功しても、寝取られた元の♀♂ペアは別れずに済むらしい。
精子競争の観点でもカルガモの配偶行動は奥が深くて、とても面白いです。

水面で激しく動き回る3羽のカルガモをしっかり個体識別できていないので、本当に配偶者ガードに成功したのか、それとも「あぶれ♂」による婚外強制交尾が成功したり♀を強奪できたのか、判断できません。 
しかし、池に残った♀♂ペアの行動から、独身♂による強制交尾は失敗に終わったと思われます。 
交尾に成功したペアが必ずやる儀式的行動(♂が「首反らし→円形泳ぎ」をする間に、♀が羽ばたきで水をかける)が見られなかったからです。
参考サイト:カルガモ 交尾行動
また、あぶれ♂による強制交尾が成功していれば、パートナー♂がただちに対抗して♀と再交尾を行い、精子を置換するはずです。

カルガモは身近にいる普通種の水鳥ですが、造巣行動や抱卵などを私はまだ観察できていません。
今回の撮影で、繁殖期の重要なミッシング・リンクがようやく一つ埋まりました。

今回の記事をまとめるにあたり、Perplexity AIを使った調べ物やブレイン・ストーミング*1 、*2 、*3)がとても役立ちました。
おかげで、動画に撮ったカルガモ3羽の行動をすっきりと(正しく?)解釈することができそうです。
Perplexityの助けがなければ、3羽のカルガモによる激しい乱闘はただ混沌としていて、素人には何がなんだかさっぱり理解できませんでした。
新たに勉強したことが多くて、AIに要約してもらおうか迷ったのですが、脳が退化しないように、なるべく自力で記事をまとめるように心がけました。
この記事が分かりにくかったら、私の責任です。



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2025/02/13

早春にトウホクサンショウウオの繁殖池をタイムラプス動画で監視してみると…#1:ニホンザルの登場

 

2024年3月上旬〜下旬

山中の湧き水が溜まる浅い池で毎年早春にトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)が繁殖していることが分かっています。

産卵行動を観察・撮影するのが今季の目標です。 
3月上旬に現場入りしてみると、暖冬のためか池は雪に埋もれていませんでした。 
この日は未だヤマアカガエルやトウホクサンショウウオの卵嚢は1つも見つかりませんでした。 
親の姿もまったく見当たりません。 
繁殖期はまだ始まっていないようです。 
(ちなみに、標高の低い山麓の池ではヤマアカガエルの産卵が始まっていました。) 
前年は水中に半分沈んだアカマツの落枝にトウホクサンショウウオの卵嚢が産み付けられていたので、今年は産卵基質として常緑の葉の付いたスギの落枝を池に投入してみました。 
(私のこの行為が、余計なお世話だったかもしれません。)

両生類は変温動物ですから、いくら活発に動き回っても通常のトレイルカメラでは検知できません。 
仕方がないので、次善の策としてタイムラプス専用カメラを設置して繁殖池を監視することにしました。 
明るい昼間のみ1分間隔でインターバル撮影した連続写真をタイムラプス動画に加工しました。 
(トウホクサンショウウオ♀は夜に産卵するのかもしれませんが、この機種では夜間の暗視撮影はできません。)
まる2週間のインターバル撮影で計4.7 GiBのAVIファイルが生成されました。
トレイルカメラの動画撮影と比べると、電池の消費は驚くほど少なくて済みました。

野生動物で唯一写っていたのは、 3/8の夕方(PM 17:10〜17:11)に登場した1頭のニホンザルMacaca fuscata fuscata)だけでした。 
他の季節にこの水場でニホンザルが飲水するシーンがときどきトレイルカメラで撮れていたので、今回も群れで遊動する途中に水を飲んだり水浴するために立ち寄ったのでしょうか? 
雪解け水の冷たい泉にわざわざ入ってジャブジャブ横断したということは、何か餌を探していたのかもしれません。 
早春は樹々が芽吹くまでニホンザルの餌がきわめて乏しい季節ですから、空腹の猿がカエルやサンショウウオの成体や卵嚢を探して捕食する可能性も十分あり得ます。 
しかし、ニホンザルが監視カメラに写ったのは、2週間でこの一度きりでした。 
もし捕食に成功していたら、味をしめて何度も同じ池に通っていたはずです。 
あるいは、カエルやサンショウウオの成体または卵嚢を味見したのに、ニホンザルの口に合わなかった(不味かった)のかもしれません。
ニホンザルの糞を分析して、両生類のDNAが検出できれば捕食した有力な証拠となるでしょう。 

タイムラプス動画を見ると、低山でもときどき寒の戻りで雪が降っていました。 
早春の積雪量は少なく、すぐに溶けてしまいます。 
カメラのレンズに雪が付着しても、晴れると溶け落ちてすぐに視界は良好に戻ります。 
晴れると池の周囲の雑木林の影がまるで日時計のように刻々と移動しています。 

画面の下端に写っている、池畔に自生するスギ幼木の枯れた横枝が邪魔なのですが、上下に日周運動していることが分かりました。 
昼間に晴れると枝が立ち上がり、曇りや雨雪など悪天候になると垂れ下がります。 
つまり死んだ枯れ枝ではなく、生きているようです。 

水中に浸ったスギの落枝はいつまで経っても葉が緑色のままで、茶色に枯れることはありませんでした。 
いくら目を凝らして動画を見直しても、水中のスギ落枝にサンショウウオやカエルが集まって産卵する様子は写っていませんでした。 
たまに岸辺近くの水中で両生類?がウロチョロしていたかもしれませんが、タイムラプスの早回し映像ではあまりにも早すぎてよく分かりません。 

後に現場入りすると、監視カメラの画角の外の、対岸の水面に浮いていたスギの落ち葉にトウホクサンショウウオの卵鞘が少しだけ産み付けられていました。
スギの生葉から水に溶け出したエキスをトウホクサンショウウオが嫌って寄り付かなくなってしまった可能性なども懸念してしまいます。
完全に枯れたスギ枝葉を池に投入すべきだったかもしれません。 

期待外れの結果で残念でしたが、もう少し続行します。




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2024/10/15

初冬の水場に来たニホンイノシシの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午後19:50頃 

山中の湧き水が貯まった泉に、ある晩ニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がやって来ました。 
岸辺を歩きながら、落ち葉の匂いを嗅ぎ回っています。 
低音でフゴフゴ鳴いている♪のは、後から付いてくる1頭の幼獣に呼びかけているのでしょう。 
大きく育った幼獣の毛皮からはすでに縦縞模様が失われていて、「ウリ坊」とは呼べません。
イノシシ♀が入水したところで、トレイルカメラの電池切れで映像が打ち切られてしまいました。 
気温の下がる冬季は乾電池の電圧低下に悩まされます。
そんな寒くても水場に来る野生動物は逞しいですね。

イノシシの母子が向かった画面の左は行き止まりの崖(急斜面)なので、おそらく池で水浴(ヌタ打ち)したり水を飲んだりしに来たと思われますが、撮り損ねて残念無念。 


つづく→

2024/10/02

雪が降っても平気で池の水中に留まる晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬〜12月上旬

シーン0:11/27・午後13:08(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の水場をトレイルカメラで見張っています。 
画面の左下から細長い池に流れ込んだ湧き水が右上に流出し、斜面を下って沢の源流となります。 
周囲の雑木林から大量に降り積もった落ち葉が水場に溜まっています。 

カエルは変温動物なので、本来はいくら動いてもトレイルカメラのセンサーは検知できないはずなのに、風や落ち葉が横切る動きで誤作動した映像の中に、たまたまカエルが写っていることがあります。 


シーン1:11/28・午後18:35・みぞれ(@0:04〜) 
冷たい雨(みぞれ?)が降る晩に、2匹のカエル(種名不詳)が水中に居ました。 
左の個体がたまに瞬きすることから、生きていることが分かります。 


シーン2:11/29・午前4:14・雪(@1:36〜) 
日付が変わった未明に雪が激しく降っています。 
依然として2匹のカエルが池に留まっていました。 
いつの間にか2匹の距離が縮まっています。 
池に堆積した落ち葉によって形成された岸辺でじっとしていました。 
ときどき瞬きしているので、生存確認できました。 

実はもっと激しく雪が降っている夜にも同様のシーンが撮れていたのですけど、動画をうっかり削除してしまいました。 

安全な越冬場所に移動する前に雪が降り始めてしまい、逃げそびれた個体なのでしょうか?
このまま凍死するのではないかと心配です。 
晩秋にまだ大丈夫だろうと油断していたら、急に気温が下がって身動きできなくなり、絶体絶命になったとしたら、まさに「茹で蛙(ゆでガエル)」の逆バージョンということになります。
茹でガエル(ゆでがえる、英語: Boiling frog)とは、緩やかな環境変化下においては、それに気づかず致命的な状況に陥りやすいという警句。生きたカエルを突然熱湯に入れれば飛び出して逃げるが、水に入れた状態で常温からゆっくり沸騰させると危険を察知できず、そのまま茹でられて死ぬという説話に基づく。


シーン3:12/4・午後12:27・晴れ(@3:08〜) 
5日後の昼下がりにカエルの無事な姿が撮れていました。 
水面に浮かんでいたカエルが急に右の日向へ向かって泳ぎました。 
(カエルの種類を見分けられないのが残念です。) 

今季は驚くほどの暖冬で、山中でもまだ根雪にならず全て溶けてしまいました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
変温動物のカエルは、てっきり雪が降る前にどこか安全な場所に隠れて(地中に穴を掘って?)冬眠するのだと私は思っていました。 
雪が降る池に平気で留まっているのは、とても意外でした。 

この映像ではカエルの種類を見分けられないのが残念です。 
水底で冬眠する種類のカエルもいるらしいのですが、呼吸はどうしているのでしょう? 
ヤマアカガエルは、主に林床や泥の中、落葉の溜まった溝の底で冬眠します。また、他のカエルと同様に、土の中や水底で冬眠することもあります

厳冬期に「池の水をぜんぶ抜く」作戦を敢行し、浅い水底でカエルが本当に冬眠しているかどうか、確かめてみたいのですが、実際にやるとなると大変そうです。

旧機種のトレイルカメラでは撮影時の気温データが取得できないのも残念です。 
地下水の湧き水が貯まった池なので、冬は水温が気温よりも少し高い可能性があります。 
(この点を確かめる必要がありますね。)


【アフィリエイト】 


2024/09/29

秋が深まっても山中の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/20・午後14:52・雨(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の湧き水が貯まる池に周囲の雑木林から落ち葉が降り積もり、浅くなっています。 
泉の水は画面の左下から右上に向かって流れ、その先では斜面を下って沢の源流となります。 
雨が降っていて、水面に波紋が広がります。 


シーン1:11/21・午後18:23(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:27。 
ある晴れた晩に、コウモリの仲間が飛来しました。 
晩秋でも山のコウモリは未だ冬眠していませんでした。 

水場の上空を低く旋回して飛び去る間際に一瞬だけ着水しました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:16〜)、水面の2箇所から連続して波紋が広がりました。
旧機種のトレイルカメラで撮れた動画は、フレームレートが15fpsしかないので、野生動物の行動が素早いと、スローモーションにしても何をしているのかしっかり捉えることができません。 
コウモリが飛びながら一瞬で水を飲んでいるのか、それとも水浴しているのか、という問題を長年解決できないでいます。 
晩秋の夜は気温も下がって肌寒いはずですから、コウモリがわざわざ冷水で水浴・冷却するだろうか?という疑問が生じます。 
同じ恒温動物の鳥は真冬でも水浴しますから、寒さは問題ないのかもしれません。
旧機種のトレイルカメラでは、動画撮影時に気温のデータが取得できないのが残念です。 


シーン2:11/26・午後20:39(@0:38〜) 
5日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
池の岸辺には、前日に降った初雪がまだ残っています。 
監視カメラの電池が消耗していて、わずか5秒間の映像しか撮れていませんでしたが、水場で飛び回るコウモリがしっかり写っています。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

初雪が降る前後にもコウモリが冬眠せずに活動しているとは意外でした。 
ただし、水場に飛来する頻度はかなり減りました。
獲物となる虫がまだ活動しているのでしょうか? 
コウモリが冬尺蛾を狩っているとしたら、面白い話です。 

2024/09/24

山中の水場で泳ぐ晩秋のカエル【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬・午前1:05頃 

里山の湧き水が溜まった水場を自動撮影カメラで見張っていると、晩秋の木枯らしが吹く度に周囲の雑木林から落ち葉がどんどん降ってきます。 
旧機種のトレイルカメラは風揺れや落ち葉による誤作動が多くて困るのですが、撮れた映像を丹念に見直すと、たまに意外な副産物が写っていることがあります。 
変温動物の両生類がいくら活動してもトレイルカメラの熱源動体検知センサーは本来反応しないはずなのに、誤作動で撮れた映像に小さなカエル(種名不詳)が写っていました。 

大量の落ち葉が降り積もった晩秋の泉で、深夜にカエルが突然左にスーッと泳ぎました。
水面に浮上するとカエルの目が赤外線に反射して白く光ります。 
後半は5倍速に早回し加工すると、カエルが瞬きする様子がよく分かります。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

実は翌日の夜からみぞれが降り始め、吹雪となりました。 
山中のカエルが未だ冬眠しないということは、晩秋でも獲物となる虫がまだ捕れるのでしょうか? 
この時期に現場入りすると水場に生き物の気配を感じられないので、捕食シーンを実際に観察しないことには信じられません。 




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2024/09/17

晩秋の水場で夜に半身浴するニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年11月下旬 

山中の水場をトレイルカメラで監視するプロジェクトを再開しました。 
限られた台数のトレイルカメラで複数のプロジェクトをやり繰りしているので、通年ではなく断続的な監視になってしまいます。

シーン1:11/19・午後12:50(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
三方を崖に囲まれている細長い池で、里山の湧き水が貯まり、流れ出た水は沢の源流になっています。 
落ち葉が降り積もって浅くなった池の水は、画面の左下から右上に向かって流れています。 

今回はカメラの設置場所を変更しました。 
これまでは画面左下隅(画角の外)の崖の途中にトレイルカメラを設置していました。
そこは常に湿気が高い過酷な環境で、防水のトレイルカメラでも次々に壊れるので困っていました。 
水場に来る野生動物や野鳥の警戒心が強いと、ローアングルで設置した監視カメラの存在に気づいてしまう、という問題もありました。 
そこで、池を斜め上から見下ろすアングルに変更しました。 
池の周囲の斜面には雑木林の樹々が生えているため、池全体が写るような設置場所はどうしても確保できませんでした。 
これまでの撮影で野生動物がよく来ることが分かっている池の左岸を重点的に監視することにしました。 


シーン2:11/23・午後22:51(@0:03〜) 
夜遅くに、池の水が流出する水路からニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)がジャブジャブと水場に入って来ました。 
牙が短いので、♀のようです。 
野生動物の中でもイノシシは特に警戒心が強いのですが、この水場で入水シーンが撮れたのは初めてです。 
これまで水浴シーンが撮れなかったのは、やはり監視カメラの存在に気づいて警戒していたからなのでしょう。 
今回も途中でイノシシ♀は監視カメラの方を見上げたものの、逃げませんでした。 

浅い池の水に腹面を浸しただけで(半身浴)、背中まで完全には浸かりませんでした。 
晩秋の深夜で水温が低いせいか、いわゆるヌタ打ち行動(泥浴び)はしませんでした。
旧機種のトレイルカメラで動画撮影すると、気温のデータが取得できないのが残念です。 

泉の中でイノシシが身動きすると、小さなカエル(種名不詳)が水面に浮いた落ち葉の上を慌てて跳んで逃げました。(@0:30〜) 
イノシシ♀は水中で方向転換してから池の左岸に上陸すると、毛皮の水気を切らずにそのまま獣道を歩き去りました。
雪国のイノシシは、冬になっても水浴するのでしょうか?




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