2019/01/12

トンネルの塒を離れる前に出口付近を往復飛翔するコウモリの群れ【暗視映像】



2017年9月中旬・午後17:00、17:51

野生のコウモリが日中の集団塒として使っているトンネルを初めて探検し終わり、出口sに戻ろうとすると、コウモリの離塒が始まりそうな夕刻になりました。
ちなみに日の入り時刻は午後17:43。
赤外線の暗視カメラで撮った映像ですが、外界の自然光が差し込むので明るく見えます。

ボックスカルバートのトンネル内から出口の方を向いて撮ると、数頭のコウモリが飛んで往復していました。
外がまだ明るいのを確認するとコウモリはすぐに、暗いトンネルに引き返して来ます。
刻々と外が暗くなるにつれて、偵察に飛び回るコウモリの数が増えてきます。
私がトンネルを歩き回って寝ていたコウモリの平穏な暮らしを乱してしまった(私がコウモリをトンネルから追い出すような形になった)影響も当然あるでしょう。
しかし、離塒前のコウモリが出口付近でしばらく往復飛翔するのは、これまでも繰り返し観察してきたことです。
このアングルで撮れたのは初めてでした。

▼関連記事
日没後に塒のトンネルから飛び出すコウモリの群れと衝突事故【暗視映像】

日が落ちて外界が充分に暗くなると(日没から約30分後)、夜行性のコウモリは続々とトンネルの外に飛び出し、夜の採餌に出掛けるのです。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨトウガ(蛾)の幼虫がシュウカイドウの蕾を食害



ヨトウガ(蛾)幼虫の飼育記録#3



▼前回の記事
シュウカイドウの蕾を食べるヨトウガ(蛾)の幼虫【30倍速映像】

2018年9月下旬

ヨトウガMamestra brassicae)の幼虫(俗名ヨトウムシ:夜盗虫)シュウカイドウの蕾を食べる様子を接写してみました。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#4:スイゼンジナの葉を食べるヨトウガ(蛾)の幼虫


ヨトウガ(蛾)幼虫@シュウカイドウ蕾食害

2019/01/11

トンネル内でぶら下がったまま死んだコウモリ【暗視映像】



2017年9月中旬

野生コウモリが昼塒として利用しているボックスカルバートを調査中に、コウモリの死骸を見つけました。
赤外線の暗視カメラで撮りながら真っ暗なトンネルを奥に進んでいると、コンクリートの壁面に不自然な体勢で下向きにへばり付いていた個体が気になりました。

前脚は左だけ広げ、後脚は左だけでぶら下がっています。
足掛かりは無さそうなのに、壁面の割れ目の少し下にしっかりしがみ付いたまま死んでいました。
本当に死んでいるのか半信半疑だったので、暗視動画を撮りながら指で翼の先をつついてみました。
後で冷静に考えると、感染症のリスクがあるコウモリに素手で触れたのは大きな間違いですね。

腐らずにミイラ状態になっているようです。
腐臭も無く、死肉食性の昆虫なども集まっていませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


『身近で観察するコウモリの世界―町を飛ぶ不思議な野生動物 (子供の科学★サイエンスブックス)』によると、

コウモリはどうして脚でぶら下がって生活をしているのだろう。これは空を飛ぶことと関係がある。
 空を飛ぶためには、体重をできるだけ軽くしたい。そのため、コウモリは骨を細く軽くした。ただ、脚の骨まで細いので、鳥のように枝の上側にとまって体を支えることは難しい。頭を下にしてぶら下がれば、体を支える脚の筋肉も少なくていい。足指の先にある鋭いかぎ爪で壁や枝などに引っ掛かっているだけだから、足の指に力をかけなくていい。寝ぼけて落っこちる心配はないのだそのかわり、死んでもぶら下がったままのことがある。(p28より引用)


コウモリの集団塒を見つけたのに、コウモリの種類が見分けられずに困っています。
昆虫が相手なら手っ取り早く採集して標本をじっくり精査すれば同定できるのですが、野生の生きたコウモリを素人が無許可で採集するのは法律で禁じられているのです。
という訳で、死骸も天の恵みとしてありがたく頂くことにしました。(ビニール袋に採集)

さて、せっかく貴重な死骸を持ち帰ったものの、未だ調べられていません。
同定のために体の各部位を細かく採寸しようと思って後日、容器の蓋を開けたらミイラ化した死骸に少しカビが生えていました。
カビの胞子が舞ったので吸い込まないように慌てて蓋を閉め、その後は「パンドラの箱」に厳重に密閉して某所に保管してあります。
日本産のコウモリではまず大丈夫だと思うのですが、ヒトにも感染する危険な病原体のちょっと怖い話を思い出したからです。
すぐにでもホルマリン漬けにした方が良いかもしれません。
いつか時間のあるときに、このコウモリを標本にしてみるつもりです。
全身骨格標本を作るのは大変そうですけど、透明樹脂にコウモリを丸ごと包埋した標本なら私にもできそうです。



コウモリsp_h死骸@トンネル内壁面

現場で死骸を撮った写真を見返すと、既に毛皮にうっすらとカビが生えていました。
ボックスカルバートの底は水が溜まっている(時季によっては流水)ので、一年中、気温はやや低く湿度は高く保たれていそうです。

私にはコウモリの死因も死亡時期も分かりません。
寿命による自然死なのか、病死(感染症?)または餓死の可能性も考えられます。


アメリカ合衆国では2006年に、ニューヨーク州で冬眠中のコウモリがカビに感染して大量に死んでいるのが見つかった。このカビに感染すると冬眠中に目が覚めて蓄えていた脂肪を使い尽くして死んでしまうのだ。このカビは今ではアメリカ北東部に広がり、これまで5000万頭以上のコウモリが犠牲になっている。 (子供の科学★サイエンスブックス『身近で観察するコウモリの世界―町を飛ぶ不思議な野生動物 』p94より引用)

今回トンネル内で見つけた死骸は1頭だけで、多数の生きたコウモリが元気に飛び回っていますから、カビ感染による大量死は起きていないと思います。
ただし、トンネルの底は水が流れているので、死後に落ちてしまった個体は水に流されて残っていないだけかもしれません。

それから、このトンネルは冬眠用の塒としては使われていないことが分かっています。

オトコエシを訪花するスズキハラボソツリアブの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬


山間部の峠道沿いの斜面に咲いたオトコエシの群落でスズキハラボソツリアブSystropus suzukii)が訪花していました。
ホバリング(停空飛翔)でゆっくり飛び回り、花に着陸すると羽ばたきを止めて吸蜜します。

240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:58〜)
飛行中も長い後脚をだらんと伸ばしたままなのは不思議です。

♂だけが長い後脚を持つのなら♀による性選択(性淘汰)が働いて進化したのだろうと推定されますが、♀も同様に後脚が長いのです。
いかにも空気抵抗が大きくて飛びにくそうです。

飛ぶのが遅いと鳥などの天敵に捕食されるリスクが高いと思うのですけど、毒針を持つアシナガバチにベーツ擬態して飛び方も真似しているのでしょうか?

同一個体を撮り続けていたら、訪花中に小型の別個体(♂?)が体当りしてきました。(@3:28)
求愛交尾には至らず、2匹は飛び去りました。

近縁種のニトベハラボソツリアブといつも迷うのですが、今回は自力でなんとか同定できました。
触角全体が黒く、後脚の第1跗節の全体が黄色である点がスズキハラボソツリアブの特徴です。
(跗節の脛節に繋がっている方から順に、第1跗節、第2跗節、…と呼びます。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜
スズキハラボソツリアブ@オトコエシ訪花吸蜜

2019/01/10

夕方の空で喧嘩するカラスの群れ(野鳥)



2018年9月下旬・午後16:17

街中の上空を夕方に5羽のカラスが激しく飛び回っていました。
遊びのような追いかけっこなのか、縄張り争いの空中戦なのか、原因が分かりません。
(繁殖期が終わると縄張り意識は薄れると思うのですが…?)

少し遠くて外見からカラスの種類を見分けられないのですが、聞こえる鳴き声がカーカー♪と澄んでいるので、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)かな?

塒入りするにはまだ早いでしょう。
ちなみに、日の入り時刻は17:30。


カラスspp5(野鳥)群れ@空中戦

オビガ♀(蛾)のコーリング行動:性フェロモン放出【10倍速映像】




オビガ(蛾)の飼育記録2018年#13



▼前回の記事
性フェロモンを放出するオビガ♀(蛾)のコーリング行動

2018年9月下旬・室温23.0℃

深夜にコーリングするオビガ♀e(Apha aequalis)を次は微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
腹端にある誘引腺の伸縮と共に腹部もヒクヒク動いています。

腹端が接していたティッシュペーパーの匂いを後で嗅いでみたのですが、オビガの性フェロモンはヒトの鼻には無臭でした。
残念ながら同時期に羽化した成虫♂が居なかったので、その後の交尾に至る配偶行動を観察できませんでした。
野外の暗闇で飛んでいるオビガ♂が♀の性フェロモンを嗅ぎつけて窓から室内に殺到し…といった『ファーブル昆虫記』に書かれているようなドラマチックな展開もありませんでした。



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#14:産卵


2019/01/09

水たまりで単独打水産卵するウスバキトンボ♀?【HD動画&ハイスピード動画】



2018年9月下旬

砂利が敷かれた農道の轍に水溜りができていて、そこで単独打水産卵しているトンボ♀が居ました。
いわゆる「赤トンボ」ではなくて、黄色っぽい体色です。
水で濡れた腹端が白く光って見えます。

動画を優先したのでトンボの種類を同定できる高画質の写真は撮れておらず、採集もできませんでした。
なんとなく、ウスバキトンボ♀(Pantala flavescens)ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

図鑑『日本のトンボ』でウスバキトンボの産卵を調べると、

交尾後は連結態のまま広範囲に飛び回り、間欠的に打水産卵する。♀は単独でも産卵し、♂が警護飛翔を行うこともある。(p451より引用)

ウスバキトンボだとすると、今季に世代交代をしながら北上してきたのでしょう。
南方性のトンボですから、ここ北国では幼虫(ヤゴ)が卵から孵化しても越冬できず死滅してしまいます。

ウスバキトンボ?♀の単独打水産卵を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:16〜)
飛行中は脚を畳んで体に引き付け、空気抵抗を減らしています。
ホバリング(停空飛翔)で狙いを定めると、羽ばたきを一瞬止めて自由落下でスーッと高度を下げます。
墜落しないように再び羽ばたき始めると同時に腹端が下がり、その勢いで水面を叩いて腹端から産卵します。
浅い水溜りに打水産卵する度に水面に波紋が広がります。
水溜りの岸辺に近い浅い所を狙って産卵しているような印象を受けました。
決して深い中央部では産卵していません。

♀が単独で産卵中に近くで警護しているはずの♂が見当たらないのも不思議です。
撮影中は気付かなかったのですが、もしかすると水溜りの奥の草に止まっている赤っぽくて細長い物体(ピンぼけ)がウスバキトンボ♂ですかね?

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



2019/01/08

防鳥テープの無効例:田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)



2018年9月下旬

秋に田んぼの稲穂が実り始めると、スズメPasser montanus)など種子食性の野鳥に食害されないようにキラキラ光る防鳥テープ(別名:防雀テープ)が田んぼ中に張り巡らされます。

季節の風物詩のような田園風景です。
このテープは片面が銀色で裏面がメタリックな赤色になっています。
田んぼの畦道に杭や細い竹竿を突き立て、その間に防鳥テープを張り渡します。
秋風が吹くとテープが捻れて両面のメタリックな2色が目まぐるしく動いてチラチラと光ります。
このギラツキをスズメは嫌って田んぼに寄り付かなくなる、動かない案山子よりも防鳥効果がある、というのが商品の宣伝文句です。
しかし長年使われて防鳥効果が薄れているのか、このテープを大量に使っている田んぼを最近ではあまり見かけなくなりました。

それほど大きな田んぼではないものの、今時珍しく縦横無尽に(斜めにも)大量の防鳥テープを張り巡らせている所を見つけました。
ここは住宅地の裏なので、スズメ追いの爆音器を田んぼに設置すると近隣から苦情が殺到する、などの事情があるのでしょう。
宅地開発が進む前、この辺りは広大な田んぼだったのに、皮肉なものです。

▼関連記事
収穫前の田んぼからスズメ(野鳥)を追い払う爆音機♪

稲刈り前の田んぼに張り巡らされた防鳥テープの様子を私が動画に撮っていると、すぐ近くの電柱や電線にチュンチュン♪と鳴きながらスズメが続々と集まり始めました。
ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)も一羽、電線に止まり素知らぬ顔で羽繕いしていました。

田んぼから少し離れて野鳥の行動を見張ることにしました。
しばらくすると案の定、スズメが電柱や電線から下の田んぼに続々と舞い降りて稲穂を啄み始めました。
スズメは一旦田んぼに降り立つと、稲穂の茂みに隠れて居場所が分からなくなります。

せっかく苦労して張り巡らせた防鳥テープをスズメが恐れている素振りはありません。
防雀テープ破れたり!
食害シーンの証拠映像を撮るにはアングルがいまいちですけど、私が下手に田んぼに近づくとスズメは逃げてしまいますから、なかなか難しいのです。
いつか無人カメラを設置して田んぼの被害状況を長時間監視してみたいものです。

この田んぼの端で新築の家を建てているのですが、スズメは建築作業の騒音を全く気にしないようです。
田んぼから一段高くなっている横の道を車が通ってもスズメは無頓着です。
ただし通行人が歩いて来ると警戒して飛び去り、一時避難していました。(スズメにとって歩行者は警戒すべき不審者)
最後に私が動画を撮りながら田んぼにそっと歩み寄ると、驚いたスズメの大群が一斉に飛び立ち、電線に避難しました。
これほど多数のスズメが田んぼに潜んでいたとは驚きです。
スズメが一斉に飛んで逃げるシーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイします。

動画の初めに登場するカラスも実は、田んぼに居た(悪さをしていた?)個体が私を警戒して飛び立ち、電線に避難していたのです。
スズメと異なり、しばらく待ってもカラスは田んぼに戻らず、食害シーンを撮れませんでした。(来季の宿題です)

市販の防鳥グッズに対して私がいまいち懐疑的なのは、野鳥がすぐに慣れてしまう同様の光景を子供の頃から見てきたからです。
もちろんこの記事は商品の営業妨害が目的ではありません。
そもそも防鳥グッズに100%の効果は期待できません。
地域の田んぼ全体で対策するか一部の田んぼだけで対策するかによっても効果は変わってきますし、スズメの慣れ具合は場所や状況によってまちまちでしょう。

この田んぼでも防鳥テープを張らなくなると、スズメによる被害がもっと酷いことになるのかもしれません。
なるべく安上がりな防鳥グッズを設置し、結果として何割の増収になったか?というコストパフォーマンス(費用対効果)が求められます。

例えば最新鋭のドローンを飛ばしたり二足歩行ロボットを導入して畦道を常に巡回させればスズメは怖がって田んぼに寄り付かなくなるかもしれません。
しかし防鳥効果を100%にしても、高額な対策コストに見合う収穫が得られなければ本末転倒です。

この田んぼだけ稲刈りが遅れているのは、稲穂の実りの状況が芳しくないためのようです。
鳥による食害が原因かどうかは米農家に聞いてみないと分かりません。
稲穂を食い荒らす野鳥と知恵比べを長年繰り返している稲作農家の苦労もよく分かります。
スズメは警戒心がとても強く、田んぼで稲穂を盗み食いする際も常に緊急避難場所を近くに用意しています。
鳥の習性を見てきた鳥好きによる私案としては、赤銀テープだけでなく他の防鳥グッズと組み合わせることをまずお勧めします。

次に、田んぼの周囲でスズメの避難場所を無くしてしまうことを提案します。
田んぼ内に防鳥テープを張り巡らせるだけでなく、電力会社と協力して田んぼ周辺だけでも無電柱化を推進するとか電線や電柱にスズメが止まれないような工夫をすれば、田んぼの防鳥効果が高まりそうな気がします。
ただし、電線にトゲトゲの障害物を装着すると今度は冬の積雪で電線が切れてしまうおそれがありそうで、雪国ではどうするか悩ましいところです。
(それでもスズメは田んぼの近くの民家の屋根や庭木に止まるようになるだけかもしれません…。)

藤岡正博、中村和雄『鳥害の防ぎ方』によれば、

テープはよりをつけて張ってやると、風でよく動き、その度に太陽の光を反射してキラキラひかります。この反射光を鳥は嫌うようで、日の出前や曇天の日には効果が落ちるという試験結果があります。このテープは本来は、スズメを対象にして考えられたようですが、スズメ以外の鳥にも効果が期待できます。(中略)鳥に慣れがつくことから逃れることはできませんから、絶対的な効果は期待できません。(p144-145より引用)



「鳥獣害研究室-鳥害対策 - 農研機構」が公開しているサイトでも赤銀テープの評価は低いです。
防鳥テープ キラキラと光るテープを作物の上に張り巡らす。防雀テープともいう。見えにくいテグスと違って、鳥が当たっていやがるわけではなく、警戒して避けることを期待したもの。あまり効果は期待できないが、安価で気楽に使える。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀
田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀
田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀
田んぼ(稲刈り前)+防鳥テープ赤銀

スズメ群れ(野鳥)@電柱+電線:田んぼ横
スズメ群れ+ハシボソガラス(野鳥)@電柱+電線:田んぼ横

シュウカイドウの蕾を食べるヨトウガ(蛾)の幼虫【30倍速映像】




ヨトウガ(蛾)幼虫の飼育記録#2


▼前回の記事
ヨトウガ(蛾)幼虫の徘徊・探索

2018年9月下旬

飼育を始めたヨトウガMamestra brassicae)の幼虫(俗名ヨトウムシ:夜盗虫)シュウカイドウを庭から採ってきて与えてみました。
目に付いた花を適当に与えただけで、深い理由はありません。
夜になると蕾を食べ始めました。
30倍速の早回し映像をご覧下さい。
ピンク色の萼を食い破ると中にある黄色い雄しべや雌しべも食害しています。
夜行性なのに、撮影のために照明の光を当てても気にしないようです。
負の走光性よりも食欲が勝るのかな?

食餌中にときどき頭部を蕾の縁などに擦り付ける謎の動きをしているのが気になります。
シュウカイドウに含まれる食害防御物質(毒)が効いているのでしょうか?

北海道立衛生研究所がホームページで公開している情報によると、

シュウカイドウ(ベゴニア、シュウカイドウ科)は
全草にシュウ酸、サポニンなどを含むため、誤食すると胃や腸の粘膜がただれ、下痢、痙攣、虚脱などを起こします。

少し嫌がる素振りを見せながらも、シュウカイドウの蕾を休み休み食べ続けるヨトウガ幼虫もさすが広食性の害虫です。
後半は食餌を止め、辺りをウロウロと徘徊運動しています。

翌朝シュウカイドウの株を調べると、食痕は蕾に残されているだけで、葉を食べた形跡はありませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#3:ヨトウガ(蛾)の幼虫がシュウカイドウの蕾を食害



ヨトウガ(蛾)幼虫@シュウカイドウ蕾+食害
ヨトウガ(蛾)幼虫@シュウカイドウ蕾+食害
ヨトウガ(蛾)幼虫@シュウカイドウ蕾+食害・全景

2019/01/07

雨の蓮池で遊泳するカルガモの群れ(野鳥)



2018年9月中旬

小雨がぱらつく朝、蓮池で4羽のカルガモAnas zonorhyncha)が群れになって元気に泳いでいました。
大きな蓮の葉の下に入れば雨宿りができそうですけど、カルガモは雨に濡れても全く気にしません。
岸辺から逃げないのは、誰かに餌付けされていて、私が給餌するのを密かに期待しているのかもしれません。(私は野鳥に給餌していません。)

黄葉した桜の落ち葉が水面に浮いていて、カルガモの胸にへばりついていました。
カルガモの個体識別ができたら観察がもっと楽しくなるはずですけど、私には性別も見分けがつきません。(¶追記参照)
夏が過ぎても未だ少し咲いているハスの花も一緒に撮れば良かったですね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



¶【追記】
孝森まさひで『カモ類の観察:身近な水鳥の観察ガイド』によれば、カモ類の中でカルガモだけが雌雄同色なのだそうです。
カルガモの♂が♀と同じ色をしているのは、繁殖期に日本で子育てをするカモが他にはほとんどいないので、♀が他種の♂と間違えることがないためではないかと考えられている。 (p53より引用)





【追記2】
農業関係のテレビ番組を見ていたら、レンコンを栽培するハス田で鳥が地下茎を食害するため、防鳥ネットを張る対策が必要だという話を耳にしました。
半信半疑で調べてみると、マガモやオオバンなどが水中で倒立して水面下約20~40cmの深さにあるハスの地下茎を夜に食害する(夜行性)のだそうです。
この蓮池では、鳥害対策を何もしていないのに、マガモもオオバンもなぜか見かけたことが一度もありませんし、ハスの大群落に食害の影響は現れていません。
ここで唯一見かけるカモ類は、カルガモです。
カルガモは典型的な潜水ガモではなく、むしろ水面採餌ガモなので、蓮池の水深が充分に深ければ水中に潜ってもハスの地下茎に届かないのかもしれません。
あるいは、池で鯉やカルガモに給餌するヒトが代わる代わる現れるために、ここのカルガモはわざわざレンコンを食べる必要がないのかもしれません。
苦労しているレンコン農家には申し訳ないのですが、鳥がレンコンを採食する様子を観察してみたいものです。
夜行性のカモ類だとすると、撮影するのは難しそうです。

オオウラギンスジヒョウモン♀の産卵



2018年9月下旬

田んぼの畦道の草むらをオオウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome ruslana)が忙しなくあちこち飛び回っています。

あちこちのイネ科の枯草に腹端を擦り付けて産卵しては、すぐに飛び去ってしまいました。
本種幼虫の食草はスミレ類なのですが、母蝶♀は食草に卵を産み付けるのではなく、産卵場所はかなり適当なようです。
(実はスミレの葉がちゃんと近くにあるのかもしれませんが、花が咲いていない時季だと私にはスミレが分からないのです。)


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
かなり古い資料なのですが、手元にある保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ類編』(1972年)でオオウラギンスジヒョウモンの産卵習性を調べると、

産卵は食草近くの他物に1卵ずつで、北海道では食草と無関係な樹木の葉上に産卵した報告がある。産付された卵はそのままの状態で越冬するが、一部秋に孵化して幼虫で越冬するのではないかとも思われる。(p213より引用)



オオウラギンスジヒョウモン♀@草むら/枯草+産卵

2019/01/06

トビが飛び去り電線に(野鳥)



2018年9月下旬

山麓の田園地帯でトビMilvus migrans)にカメラを向けた途端に警戒し、電柱の天辺から飛んで逃げてしまいました。
羽ばたきと滑空を繰り返し、田んぼの上空を旋回してから電線に止まりました。
大型の猛禽類が電柱ではなく不安定な電線に止まるのは珍しいと思いました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


オトコエシの花とトゲカメムシ



2018年9月下旬

峠道沿いに咲いたオトコエシの群落でトゲカメムシCarbula humerigera)が訪花していました。
カメムシも吸蜜するのでしょうか?

残念ながら、撮り始めたらすぐにカメラのバッテリーが切れてしまいました。


トゲカメムシ@オトコエシ訪花吸蜜

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