2017/08/12
白梅の樹上で幼鳥2羽に巣外給餌するスズメ(野鳥)
2017年5月下旬
民家の庭に植えられた白梅の枝にスズメ(Passer montanus)の幼鳥が2羽隠れていました。
近くの枝に寄り添うように並んで各自が羽繕いしています。
スズメの幼鳥は嘴の端が黄色っぽく、頬班が薄い点が特徴です。
巣立ったばかりの幼鳥なのでしょう。
親鳥が数分間隔で通って、せっせと食料を給餌しています。
幼鳥は近くに親を見つけると直ちに餌乞いを始めます。(撮影条件が悪くて鳴き声は聞き取れません。)
口移しで給餌した親鳥(頬班が黒い成鳥)は大抵すぐに飛び去ります。
雨上がりで肌寒いのか、親鳥を待つ間に幼鳥は首を横に曲げて嘴と顔を翼の羽毛に埋めました。
換羽していない幼鳥は見た目がホワホワしています。(膨ら雀?)
ふとした拍子に目覚めても、眠そうにしています。
白梅の枝には未熟な果実(青梅)が幾つも実っています。
親鳥はいつも同じ個体(手前に居る個体)に給餌してばかりなので、不公平ではないかと他人事ながら心配になります。
後半、ようやく奥の幼鳥も給餌してもらえました。
連続して2羽の親鳥が幼鳥の面倒を見に来ることがありました。
♀♂の番(つがい)が共働きで巣外給餌しているでしょう。
たまたまだと思いますが、後から来た親鳥は何も食物を運んで来ず、すぐに飛び去りました。
(映像はここまで。)
この後、私が欲を出して白梅の木に近づいたら、スズメの幼鳥2羽は茂みから飛んで逃げてしまいました。
この樹上にはスズメの巣が無いことは確認してあります。
すぐ横の家屋の軒下などに親鳥は営巣し、そこから巣立った幼鳥と思われます。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
▼関連記事
巣立ち雛に給餌するスズメ(野鳥)
イチモンジチョウの蛹化【40倍速映像】
2017年5月下旬
イチモンジチョウの飼育記録#8
突発的な蠕動運動を繰り返していたイチモンジチョウ(Limenitis camilla)の前蛹は、朝になると最終脱皮(蛹化)して垂蛹になりました。
断続的だった蠕動運動が激しく続くようになると、いよいよ脱皮が始まります。
途中で一旦、上半身も真っ直ぐに伸びました。
当時の私はこの個体がてっきり体内寄生されていると思い込んでいたので、ここまで正常に発生したのは意外でした。
ところで、このゴツゴツした垂蛹に見られる背面の竜骨突起(正式名は?)と頭部の耳状突起が気になりました。
一体どんな役目があるのですかね?
耳状突起の中で触角が作られる訳でもありませんし、竜骨突起に対応してイチモンジチョウの成虫の背中に大きな瘤(コブ)があるとは思えません。
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側面 |
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側面 |
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腹面 |
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背面 |
下の落ちた蛹化殻を採集して、私の個人的な抜け殻コレクションに加えました。
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背面 |
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顔 |
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側面 |
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腹面 |
【おまけの動画】
早回し速度を落とした20倍速映像と10倍速映像(オリジナルの素材)をブログ限定で公開します。
つづく→#9:イチモンジチョウ垂蛹の黒化
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チョウ・ガ(鱗翅目),
発生,
微速度撮影
2017/08/11
川の水を飲むハシボソガラス(野鳥)
2017年5月下旬
街中を流れる川の岸に立ったハシボソガラス(Corvus corone)が浅瀬の水を繰り返し飲んでいました。
一口ずつ嘴で水を掬い上げて喉に流し込む飲み方です。
喉の渇きを癒やすとカラスは飛び立ち、横の岸壁に止まりました。
イチモンジチョウ前蛹:蛹化前の蠕動【20倍速映像】
2017年5月下旬
イチモンジチョウの飼育記録#7
眠から覚めたイチモンジチョウ(Limenitis camilla)の終齢幼虫が前蛹になるまでの様子は撮り損ねてしまいました。
タニウツギ小枝の下面に腹端を固定するための足場を絹糸で綴ってから脚を枝から離して腹端でぶら下がり、前蛹になりました。
当時の私は、この個体が絶対に体内寄生されているに違いないと思い込んでいて、あまり観察に身が入らなかったのです。
むしろ私の関心は、ヤドリバエや寄生蜂の幼虫がいつ寄主を食い破って出てくるか?という方にありました。
日付が変わってから、イチモンジチョウの前蛹が脱皮して蛹になる過程を微速度撮影で愚直に記録し始めました。
20倍速の早回し映像をご覧ください。
前蛹は自発的な蠕動運動を繰り返し、ときどき身を捩らせています。
蛹化の前兆が分からなかったのですが、次第にクチクラの裏に泡のような空気が入り、色が白っぽくなってきました。
新旧クチクラ層の間に隙間が作られつつあるのです。
つづく→#8:イチモンジチョウの蛹化【40倍速映像】
Labels:
チョウ・ガ(鱗翅目),
発生,
微速度撮影
2017/08/10
ハシボソガラスの雛が巣立った後の空巣(野鳥)
▼前回の記事
巣内で各々羽繕いするハシボソガラスの雛と高圧線から見守る親鳥(野鳥)
高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#12
2017年5月下旬
前回の観察から間隔が空いてしまいました。
8日ぶりに様子を見に行ってみると、雛の巣立ちを見逃してしまったようです。
雛が羽ばたき練習をあまりしなかったので、すっかり油断していました。
ハシボソガラス(Corvus corone)の巣はもぬけの殻でした。
他の用事を済ませてから再訪しても同じで、空巣のままでした。
鉄塔の周りをグルグル回りながら動画と写真で空巣を記録しました。
早朝に見に行ったので、東の空がやや朝焼けしています。
木の小枝を組み合わせて作った巣の崩壊が進んでいますね。
巣が前よりも明らかに小さく貧弱になって、形も崩れています。
風化しただけでは説明できそうにないので、おそらく巣立ち直前の雛鳥3羽が元気に暴れ回った結果、巣材がどんどん脱落してしまったのだろう、と想像しています。
今思うと、鉄塔の真下に巣材が散乱していないかどうか、確かめに行けばよかったですね。
さて、私が未練がましく空巣を撮りまくっている間、縄張り内で親鳥らしきハシボソガラスが電線で羽繕いしているのを見つけました。
おそらく横目で私の動きを監視しているのでしょう。
雛が巣立った後も親鳥はしばらく幼鳥を巣外給餌しているはずですが、幼鳥をどこかに匿っているのか居場所を突き止められませんでした。
次に気になる疑問としては、幼鳥の子育てが一段落したら親鳥の同じ番(つがい)が同じ営巣地で二度目の繁殖を始めるか?という点です。
近くを通りがかる度にこの高圧線鉄塔#19をチェックしたところ、その後も巣は再建されませんでした。
当地ではハシボソガラスの繁殖は年一回なのだろう、と分かりました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
シリーズ完
野鳥の育雛をじっくり定点観察できたのは初めてで、色々と勉強になりました。
ここは巣が高所とは言え丸見えの状態なので、バードウォッチングの初心者向けの教材ですね。
しかし撮り損ねてしまった習性が幾つかあり、心残りです。
こんな事もあろうかと、同時並行で別なカラスの巣も観察していますので、怒涛のカラス・シリーズはまだまだ続きます。
食欲を失ったイチモンジチョウ終齢幼虫の徘徊運動
2017年5月中旬
イチモンジチョウの飼育記録#6
イチモンジチョウ(Limenitis camilla)終齢幼虫の食欲が無くなり、タニウツギの小枝をやたらと登り降りするようになりました。
枝先の蕾を調べても以前のように萼片を食べることは無く、引き返します。
相変わらず蠕動運動による前進のリズムがぎこちない点が気になりました。
体長は終齢でもおかしくないのですが、素人目には細くて痩せている印象です。
このギクシャクした独特な動きがてっきり異常な運動障害だと思いこんでいた当時の私は、体内寄生されていて栄養不足なのではないか?と気を揉みました。
この記事を書くための調べ物で最近知ったのですが、実は本種の幼虫に特有の動きなのだそうです。
(イチモンジチョウ)幼虫の歩き方はミスジチョウ類ともよく似ており、緩急のリズムを伴ったごくゆっくりしたものである。(保育社『原色日本蝶類生態図鑑(II)1983』p134-135より引用)
撮影直後(午後19:07)に測定した室温は26.8℃、湿度35%。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
その後はタニウツギ小枝の下面に静止しました。(下に掲載した写真参照)
上半身を丸めるような奇妙な姿勢ですが、蛹化前の眠に入ったのです。
つづく→#7→イチモンジチョウ前蛹:蛹化前の蠕動【20倍速映像】
2017/08/09
巣内で各々羽繕いするハシボソガラスの雛と高圧線から見守る親鳥(野鳥)
▼前回の記事
巣内で相互羽繕いするハシボソガラスの雛(野鳥)
高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#11
2017年5月下旬・午前11:51~12:13
ハシボソガラス(Corvus corone)親鳥の1羽が給餌後に鉄塔の天辺から伸びる高圧線の定位置に止まり、縄張りを監視しています。
下の巣では3羽の幼鳥が身動きしています。
しばらくすると親鳥が高圧線から飛び立ち、餌を取りに出かけました。
親鳥の帰りを待つ間、巣内の雛は各々がのんびり羽繕いしています。
私がアングルを変えながら巣をしつこく撮っていたら、いつの間にか親鳥が1羽戻って来て、鉄塔のすぐ横の高圧線から油断なく見張っていました。
この日はなぜか雛が羽ばたきの練習をする行動は一度も撮れませんでした。
これが巣立ち前の雛を見た最後の映像になります。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際の空はもっとどんよりしていたのですが、カラスのコントラストを上げるために補正しました。
つづく→#12:ハシボソガラスの雛が巣立った後の空巣(野鳥)
桐の萼で吸汁しながら交尾するツマジロカメムシ♀♂
2017年5月中旬
河川敷にそびえ立つキリ(桐)の高木の花を橋の上から更に観察すると、交尾中のツマジロカメムシ♀♂(Menida violacea)を見つけました。
咲いた花の根元の茶色の萼に乗って静止しています。
体長に性差がありました。
大きい左の個体が♀なのかな?
口元がよく見えませんが、おそらく♀は吸汁しているのでしょう。
互いに逆向きで交尾しながら、結合部を上下に何度も繰り返して動かしています。
♀がしつこい♂から逃れるために交尾器を外そうと躍起になっているのか、それとも♀が口吻をキリの萼に突き刺すためにグリグリと力を込めて前傾姿勢になっているのかもしれません。
以前観察した、木苺の実に取り付いていたツマジロカメムシは、果実に突き立てた口吻を抜き差ししたり体をグリグリと激しく動かしたりしながら吸汁していました。
▼関連記事
クマイチゴの果実を吸汁するツマジロカメムシ♀が動くせいで持ち上げられそうになっている右の♂が後脚をばたつかせていて滑稽でした。
やがて♀♂ペアは落ち着きました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ツマジロカメムシは普通種ですけど、私はいつもスコットカメムシと迷います。
スコットカメムシは、体長1センチメートル前後の、キリやヤマハンノキなどのさまざまな樹木で見つかる山地性のカメムシ (藤崎憲治『カメムシはなぜ群れる?』より引用。『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇 』p100より)
しっかり同定するために交尾ペアの近くに居た別の個体を一匹採集しました。
橋の欄干から手を伸ばせばキリの樹幹に手が届くという、観察には理想的な環境なのです。
捕獲したら臭気を発しました。
以下は採集した標本の写真。
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セミ・カメムシ・サシガメ(半翅目),
配偶行動
2017/08/08
巣内で相互羽繕いするハシボソガラスの雛(野鳥)
▼前回の記事
巣で羽ばたき練習をするハシボソガラスの雛(野鳥)
高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#10
2017年5月下旬・午前10:56~10:59
久々に様子を見に行くと、雛が巣立ってしまったのではないかと心配でしたが、無事3羽とも巣に残っていて一安心。
暑そうに口を開けている個体が居ます。
親鳥が留守の間に、ハシボソガラス(Corvus corone)雛同士が相互羽繕いを始め、珍しく思いました。
隣の個体(兄弟姉妹)の羽毛を嘴でやさしく掻き分けています。
ニホンザル同士でよくやる蚤取りを連想しました。
ただしこの羽繕いは一方的で、お返しはありませんでした。
ですから厳密には、相互羽繕いではなく、対他羽繕いと呼ぶべきですね。
あまり深い意味は無い、ただの暇つぶしなのかな?
私は未だカラスの相互羽繕いを滅多に見たことがありません。
▼関連記事
ハシボソガラスの相互羽繕いと空中戦の遊び【野鳥】
つづく→#11:巣内で各々羽繕いするハシボソガラスの雛と高圧線から見守る親鳥(野鳥)
桐の花の萼から吸汁し飛ぶツマジロカメムシ
2017年5月中旬
河川敷で育ったキリ(桐)の高木の花を橋の上から観察していると、ツマジロカメムシ(Menida violacea)を見つけました。
ほころびかけた蕾の萼片に静止しています。
口元がよく見えないのですが、茶色の萼から吸汁しているようです。
しばらくすると徘徊を始め、隣の花の萼にせかせかと移動しました。
今度は蕾ではなくしっかり咲いた花に来たのに、花弁には進出しないで萼に留まっているのが興味深く思いました。
最後には後翅を広げて茶褐色の毛が密生している萼から飛び立ちました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
辺りを探すと更に複数個体のツマジロカメムシがキリの枝先に集まっていました。(映像公開予定)
不思議なことに、いつも茶色の萼に止まって吸汁しています。
花筒の中に決して入らないので、花の受粉には関与しません。(桐の送粉者ではない)
いつも花筒の根元に止まっていたので、昆虫の盗蜜行動に興味のある私は一瞬だけ興奮しました。(ぬか喜び)
なぜツマジロカメムシは桐の葉柄や枝から吸汁せずに萼を好むのでしょう?
つづく→交尾
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セミ・カメムシ・サシガメ(半翅目),
食事,
飛翔
2017/08/07
雛の糞を巣の外へ捨てに行くムクドリ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】
2017年5月中旬
▼前回の記事
屋根裏の巣で待つ雛に虫を給餌するムクドリの♀♂つがい(野鳥)
屋根裏の巣に居る雛のためにムクドリ(Sturnus cineraceus)の親鳥がせっせと給餌に通っています。
毎回ではないのですが出巣の際に、雛の排泄した白い糞を嘴に咥えて巣穴から飛び出して来ることがありました。
雛の糞はゼラチン質の粘膜に包まれて食後に排泄されるので、親鳥が排糞しやすくなっています。
こうして親鳥は巣の中を出来る限り清潔に保っているのです。
そのまま流し撮りして、巣から飛び去る親鳥の後姿を捉えました。
運び出した雛の糞をどこに捨てるのでしょうか?
親鳥が空中から適当に落とすのか、それとも決まった場所があるのかな?
次は排糞の瞬間を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
キリの花で採餌するクロマルハナバチ♀
2017年5月中旬
春に咲く木の花の中で個人的に大好きなのはジンチョウゲと並んでキリ(桐)です。
個性的な芳香なのにすっきりとしていて甘ったるくなく、たまりません。
桐は500円玉硬貨の図案にも採用されています。
そんな桐の花の送粉者に興味を持って毎年調べているのですが、とにかく高木なので花を観察するのは一苦労です。
長い梯子を持ち歩いたり危険で面倒な木登りをせずに、なんとか観察できないでしょうか?
昨年は山の急斜面を利用して撮影する方法を編み出しました。
今年は別な方法を試みます。
平地の河川にかかるとある橋の下(河川敷)に桐の木が数本植えられていて、橋の上から樹幹に咲いた花をヒトの目線に近い高さで愛でることが出来る絶好のポイントを見つけていたのです。
山地と平地とで桐に訪花する送粉者の種類は変わるでしょうか?
未だ蕾の頃から開花を待ちわびて、足繁く通いました。
この日、満開には早いものの、かなりの数の花が咲いていました。
風が止むと桐の花の甘い芳香が辺りに強く漂います。
ようやく開花していたのに、山地ではメインの送粉者であったクマバチ♀がここでは一匹も来ていなかった点が意外でした。
逆にちょうど一年前の里山ではほんの一瞬しか見れなかったクロマルハナバチ♀(Bombus ignitus)がここでは我が物顔に採餌していました。
▼関連記事
桐の花で採餌するクロマルハナバチ♀
花から花へ飛び回る同一個体を追いかけて動画に撮りました。
クロマルハナバチと言えば盗蜜行動の常習犯ですが、キリは花筒が太いため、正当訪花で安々と潜り込めます。
花筒の中で葯に触れたクロマルハナバチ♀の胸背に白い花粉がべっとりと付着しています。
やがて前年に作られた桐の実の殻に止まって身繕いを始めました。
体毛に付着した花粉を念入りに落とし、それまで空荷だった後脚の花粉籠に移し替えています。
しかし胸背には足が届かず、花粉で汚れたままです。
これは桐の花にとっては好都合で、クロマルハナバチ♀が次の花に潜り込んだ際に胸背が雌しべの先に擦れて受粉が成立するのでしょう。※
お化粧が済むと再び採餌を再開しました。
動画を視聴すると大きな川の流れる音が聞こえると思います。
以上から「川沿いの平地で桐に訪花するメインの送粉者はクロマルハナバチなのだろう」と単純に結論付けるのは早計です。
多分この仮説で正しいと思うのですが、念のために何年も通って観察例を積み重ね、傾向を比べてみないといけません。
というのも、今年の春は虫の発生が非常に遅れている(とにかく野外で昆虫が少ない)という報告が日本各地から寄せられ、私も同じ異状を実感しているからです。
実は今回、橋の上でかなり長時間粘っても、桐を訪花した昆虫はこのクロマルハナバチ♀一匹だけでした。
※ 実際に桐の花を分解して、雌しべ、雄しべと葯の位置を確認してみましょう。
ここは橋の欄干から手を伸ばせば桐の花を摘み取ることも可能なのです。
右半分の花弁をカットしてみます。
マルハナバチが花蜜を吸おうと花筒に潜り込むと、まず雌しべの先に背中が擦れることがよく分かります。
雄しべの葯はその少し奥に並んでいます。
送粉者のハナバチと共進化した結果、キリの花はこのような構造になったのです。
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ハチ・アリ(膜翅目),
化粧,
訪花
2017/08/06
屋根裏の巣で待つ雛に虫を給餌するムクドリの♀♂つがい(野鳥)
2017年5月中旬
郊外の住宅地で電線に止まっているムクドリ(Sturnus cineraceus)を見つけました。
嘴に数匹の幼虫(イモムシ)を咥えています。
雛のために周囲の畑などで捕まえてきたのでしょう。
電線から飛び立ったムクドリの姿を追うと、目の前にある2階建ての民家の軒先に開いた穴に飛び込みました。
奥の屋根裏で営巣しているのでしょう。
耳を澄ますと案の定、穴の奥から雛の鳴き声が賑やかに聞こえてきます。
給餌を済ませた親鳥が巣口から顔を出したものの、辺りを警戒して再び奥に引っ込んでしまいました。
ようやく外に出てきた親鳥は目の前の電線に止まりました。(このときは空荷で出巣)
私を見下ろしてかなり警戒していますが、次の餌を探しに飛び去りました。
そのまま私がしばらく粘って待つと、なんとか親鳥の帰巣シーンを撮ることができました。
直後に巣の中で雛鳥たちが賑やかに餌乞いし、しばらくすると静かになりました。
給餌を済ませた親鳥が出巣する前に、またもや躊躇して引っ込みました。
私が見ているのでひどく警戒しているのか、それとも雛が食後に脱糞するまで待っているのかもしれません。
ようやく出巣した瞬間に、右から別個体の親鳥が飛来しました。
番(つがい)の親鳥が入れ替わるように入巣したのです。
(このときも排糞せず空荷で出巣しています。)
見事なシフトの交代ですね。
巣になるべく親鳥のどちらか片方が残って、大切な雛を守るようにしているのでしょうか。
…と思ったら、後から来た親鳥も給餌後は巣を留守にしました。
食べ盛りの雛を育てるため、親鳥は共稼ぎで虫を捕りに出かけていることが分かりました。
次に帰巣する親鳥を待ち構えて監視していると、今度は営巣地の屋根の右角に着陸しました。
嘴に何か虫を運んでいます。
すぐに飛び降りると屋根裏の巣に入って行きました。
雛に給餌した親鳥はすぐに巣口から顔を出し、辺りを警戒します。
巣から空荷で出てきた親鳥は目の前の電線に一旦止まりました。
少し休むと鳴きながら飛び立ちました。
この屋根裏は何年も繰り返して使われている営巣地だろうと推理しました。
なぜなら、巣穴の空いたベニヤ板だけが他とは違っているからです(この区域だけ多数の孔が空いているタイプの板を使用)。
雛の糞で汚れた区域のベニア板を最近張り替えたのでしょう。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→排糞行動
タニウツギ蕾の萼を食すイチモンジチョウ終齢幼虫
2017年5月中旬
イチモンジチョウの飼育記録#5
食餌植物として新鮮なタニウツギの小枝を採取してきて与えてやりました。
するとイチモンジチョウ(Limenitis camilla)終齢幼虫は花のつぼみの基部に5本ある緑色の細長い萼片に口をつけて食べ始めました。
なぜか若葉よりも萼の味が気に入ったようで、やがてほぼ全てのつぼみの萼が丸坊主になってしまいました。
しかし花の蕾自体は決して齧りませんでした。
常識を疑いタニウツギの葉に毒が蓄積されていると仮定すれば、イチモンジチョウ幼虫が葉よりも若い萼片を好むのも納得できますし、
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→#6:食欲を失ったイチモンジチョウ終齢幼虫の徘徊運動
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チョウ・ガ(鱗翅目),
食事,
訪花
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