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2025/08/22

ヒメアオキの果実に形成された虫こぶ(アオキミフクレフシ)から羽化したアオキミタマバエ♀♂

 

2024年5月上旬 

里山で林内の低層に自生する常緑のヒメアオキ群落に果実が赤く色づき始めました。 
ほとんどの果実が寄生されているようで、いびつな形状の虫こぶ(虫瘤、虫えい)が形成されています。 
虫えいの和名は「植物名+部位+形+フシ」を付ける原則があるのに、ヒメアオキの果実にできる虫こぶの名前は「ヒメアオキミフクレフシ」ではなくて、アオキ属全体の果実虫こぶとして「アオキミフクレフシ」でまとめられるて呼ばれているのだそうです。 
そもそもヒメアオキとアオキは別種に別れてはおらず、変種の扱いです。
(日本の太平洋側の暖温帯林下に自生するアオキの日本海側多雪地帯型の変種がヒメアオキ。)

この虫こぶを数個採集し、家に持ち帰りました。 
採集時の動画を撮り忘れたので、動画の冒頭はスライドショーで写真を見せます。
100円ショップで買えるプラスチック製のピルケースは、採集した虫や抜け殻、果実、虫こぶなどの小物を収納するのに重宝しています。 


『虫こぶハンドブック』でアオキミフクレフシについて調べると
寄主:アオキ(ヒメアオキ) 
形成者:アオキミタマバエ Asphondylia aucubae 
形状:果実が変形する虫えい。内部は数個の虫室があり、1幼虫を含む。南日本で正常果より小さく、北日本やヒメアオキではやや大きくなる傾向がある。虫えい化した果実の方が、枝に残ることが多い。 
生活史:6月に羽化し、幼果に産卵。1齢幼虫で虫えい内越冬。 (p53 より引用)


2日後に様子を見ると、ピルケース内でアオキミタマバエAsphondylia aucubae)の成虫♀♂が羽化していました。 
慌ててカメラにマクロレンズを装着し、動画で記録しました。
ピルケースの1区画のサイズは、2.0 x 1.8 x 1.5 cm。
アオキミタマバエはプラスチックのつるつるした垂直壁面をよじ登れないようですが、蓋を開けると、次々に飛んで逃げてしまいます。 
虫こぶ(ヒメアオキミフクレフシ)の表面に仰向けになって落ちたときに羽根がへばりつき、動けなくなっている個体がいました。 

アオキミタマバエの性別の見分け方をよく知らないのですが、きっと腹部が太い個体が♀で、細い個体が♂なのでしょう。 
複眼の形状に性的二型はありませんでした。 
羽化直後に交尾している♀♂ペアはいませんでした。 
アオキミタマバエに二次寄生した寄生蜂などは羽化していませんでした。



文献検索してみると、山形大学の研究グループによる面白そうな論文がヒットしました。
山口良彦; 林田光祐. アオキミタマバエによる虫えい形成がヒメアオキの実生更新に及ぼす影響. 日本森林学会誌, 2009, 91.3: 159-167. 

抄録 
東北日本海側のコナラ林において, 常緑低木ヒメアオキの果実の成熟から実生の定着までの繁殖過程とそれに対する三つの生物間相互作用の影響を調べ, 虫えい形成者による散布前捕食の相対的な重要性について評価した。0.25 haの調査区内のすべての果実を調べたところ, アオキミタマバエの寄生による虫えい形成果の割合が1998年生で57%, 1999年生で77%と高い値を示した。虫えい形成果の種子含有率は1∼2割であり, 散布前捕食が種子生産を大きく減少させていた。一方, 健全果は渡り途中のヒヨドリによってごく短期間にほぼ完全に消費され, 種子が散布された。野ねずみによる種子の摂食は確認されたが, 播種した種子の消失率は1割以下であり, 散布後の種子捕食圧は強くなかったと推察される。発芽率は8割以上と高く, 実生の生存率も低くなかった。以上のことから, 本調査地のヒメアオキ個体群では, 虫えい形成者による果実への寄生が実生更新の重大な阻害要因であることが示唆される。 




2024年5月下旬 
平地のスギ防風林でもヒメアオキの群落を見つけたので、熟果を探してみました。 
赤く熟した果実は全て歪に変形している虫こぶ(アオキミフクレフシ)ばかりで、寄生率が非常に高いことが分かります。 
果皮に張りがなくて皺くちゃの虫こぶはもう古いのかな? 
黒い穴はアオキミタマバエ成虫の羽化孔で、ひとつの果実から数匹が羽化したことが分かります。 
しかし、付近にアオキミタマバエを見つけられませんでした。 
私の悪い癖で、接写しながらカメラを忙しなく動かしてしまい、動画酔いしそうです。 
仕方がないので、1/2倍速のスローモーションでお見せします。 

鳥や動物による種子散布を調査する準備段階として様々な植物の種子を集めているのですが、ヒメアオキの種子を採取するために寄生されていない熟果(正常果)をいくら探しても今季は見つけられませんでした。 
ヒヨドリなど果実食性の鳥がヒメアオキの正常果を片っ端から選択的に食べてしまうのだそうです。 
ちなみに、虫こぶ(アオキミフクレフシ)の中では種子が正常に形成されません。
いずれフィールドにトレイルカメラを設置して、鳥がヒメアオキの実を食べに来る決定的な証拠映像を撮影してみたいものです。 
虫こぶ(アオキミフクレフシ)を忌避して正常果を選り好みする様子を実際に観察するのが次の目標です。 


※ Perplexity AIと問答を繰り返して、勉強しながらこの記事を書きました。


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2025/08/17

池畔のハルニレ枝先に産み付けられたモリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちるまで【微速度撮影#6】

 



2024年6月下旬〜7月上旬

モリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池で、岸辺に自生する灌木に白い泡巣産み付けられる様子を長期間観察しています。 
タイムラプス専用カメラを使い、午前5:30〜午後18:00のタイマー設定で1分間隔のインターバル撮影を行いました。 
 丸1週間分(7日間)の記録です(6/28〜7/5)。 
梅雨の雨で池の水量がだいぶ増えました。

トレイルカメラと同じく、タイムラプス撮影は、初めに画角をどう決めるかが全てです。 
ハルニレの灌木に産み付けられた新鮮な白い泡巣が画面の右手前に写るように画角を決めました。 
(画角をもっと右に向けるべきだしたね。) 
画面の中央には対岸のマユミ灌木の枝葉に古い泡巣が写っているのですが、少し遠いです。 

撮れたタイムラプス動画を見ると、モリアオガエルの繁殖期はもう終わったのか、この期間に新たに泡巣は追加されませんでした。 
(カメラの画角内に作られなかっただけで、現場検証すると泡巣は別な場所に増えていました。)

曇ったり雨が降ったりする度に、ハルニレの枝葉が池の水面に向かってしなりながら垂れ下がります。 
晴れると枝に張りが戻ります。 
日照が少なくて植物の光合成が低下すると、細胞の膨圧が低下して垂れ下がるのでしょうか。 
それにしては変形運動(萎凋?)の度合いが大き過ぎる気がします。 
細い葉柄が膨圧の低下で垂れ下がるのは理解できるのですが、剛性があるはずの木質の枝まで垂れ下がるのが不思議でした。 
よくよく考えてみると、枝が垂れ下がる理由はもっと単純ですね。
雨が降るとハルニレの葉やスポンジ状のモリアオガエル泡巣が濡れてたっぷり吸水し、重くなった結果、枝が大きくしなるのでしょう。 
晴れると濡れた泡巣が乾燥して軽くなり、枝の弾性で元に戻ります。 

7/3〜4に大雨が降っている間に、ハルニレの枝が大きく垂れ下がり、モリアオガエルの泡巣が見えなくなりました。 
雨が上がってハルニレの枝葉が起き上がると、産み付けられていたモリアオガエルの泡巣は、ほとんど溶け落ちていました。 
このときにモリアオガエルの幼生(オタマジャクシ)は水中に脱出したようです。 
モリアオガエルの泡巣が雨で溶け落ちる一部始終をタイムラプス動画で記録したかったのですが、枝が大きくしなることも予想して画角を決める必要があり、難しいです。

対岸のマユミ灌木に産み付けられた古い泡巣も、この期間に溶けたようです。

干上がりかけた池の対岸を左から右へ歩いて移動した鳥はキジバトかな?(@5:55〜) 


※ 雨がよく降る野外でタイムラプス専用カメラを設置する際には、透明プラスチックの防水ケースに収納しています。 
レンズの部分には眼鏡の曇り止めをスプレーしたら、雨の水滴をよく弾き、すぐに乾くようになりました。 
(レンズの表面に直接スプレーしたのではなく、防水ケースの表面にスプレーしました。) 
さらに、カメラの天井部に雨よけのひさしを取り付けたら、梅雨の大雨でもレンズはあまり濡れませんでした。 
下敷きのような薄いプラスチックをハサミで適当に切って、庇を自作しました。 


余談ですが、画面左奥のスギ林床や対岸の水際で蔓植物の先端の成長点がぐるぐると時計回り(上から見下ろしたときの回転の向き)で回旋運動していました。 
タイムラプス動画を4倍速で再生するとよく分かるのですが、YouTubeでは2倍速までしか早回しできません。 
現場に自生する蔓植物として、クズ、ツルウメモドキ、サルトリイバラ、フジ、ツルマサキなどが候補として考えられます。
しかし、回旋運動が時計回りというだけでは蔓植物の種類を全く絞り込めません。 
成長する蔓植物の運動も面白そうなテーマなので、いずれ改めてじっくり微速度撮影してみるつもりです。 


※ いつものように、Perplexity AIと相談しながら記事を書きました。 


つづく→

2025/06/26

山中の浅い泥水溜りで泳ぐアズマヒキガエル幼生の群れ

 

2024年6月上旬・午後13:25頃・くもり 

山林の湿地帯にある泥水溜りが野生動物や野鳥の通う水場になっているので、トレイルカメラで監視しています。 

浅い水溜りの中で、多数の黒いオタマジャクシが蠢いていました。 
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の幼生でしょう。 
水溜りが干上がりかけていてオタマジャクシには絶体絶命のピンチのように見えます。
しかし、これから梅雨の時期ですし、山からの湧き水が出る地形らしくて、浅い水溜りながらも年間を通して干上がることはありません。 

水場に来る捕食者にしてみれば獲物を食べ放題のはずですけど、ヒキガエルの幼生はブフォトキシンという強力な毒で身を守っているのだそうです。 

しかし意外なことに(定説に反して)、一部の鳥は平気で捕食しています。
それらの(例外的な)鳥はブフォトキシンに対して耐性があるのか、それともヒキガエル幼生の毒が実はそれほど強くないのでしょうか?





2024/08/16

翅が奇形のオオカマキリ♀褐色型を見つけた!

 

2023年10月下旬・午後14:30頃・くもり 

里山で林道を下っていると、なぜか水を満タンに入れた2Lペットボトルが道端に横倒しで放置されているのを見つけました。 
林業関係者や登山客が水筒代わりに持ってきて、飲まずに置き忘れてしまったのでしょうか? 
(現場近くに水を汲める場所はありません。)
何かの重りにしては、目的が分かりません。 
水入りペットボトルに猫よけの効果があると信じているヒトが、その応用で野生動物を防除したくて置いたのかな? 
だとすれば1本だけでなく、もっと沢山置いてそうなものです。 

ペットボトルの謎はともかく、その上になぜか褐色型のオオカマキリ♀(Tenodera sinensis)が鎮座していました。 
前翅も後翅も全ての翅が激しく捻れくれていることに気づきました。 
どうやら羽化に失敗して奇形になったようです。 
そのため、赤黒い腹背が剥き出しになっています。 
褐色型のオオカマキリは普通、前翅が緑色に縁取られているはずなのに、この個体は全身が茶色です。 
コカマキリなのか?と急に自信がなくなってきました。 
しかし、コカマキリなら前脚脛節の内側に独特の模様があるはずです。 

私が人差し指でオオカマキリ♀の鎌や胸背に触れても、無反応でした。 
鎌を前方に伸ばした前習えの姿勢をくずしません。 
ファイティングポーズを取ったまま死んでいるのかと思いきや、手掴みで捕獲したら、ようやく少し暴れました。 
手のひらに乗せると、少し歩いて地面に飛び降りました。 
奇形の翅では羽ばたいて飛ぶこともできません。

飢えているのか寿命が近いのか、ひどく衰弱している印象です。 
産卵前らしく、腹部は膨満していました。

今回カマキリがペットボトルの上に乗っていたのは、たまたまでしょうか?
後で思いついたのですが、もしかして透明の水入りペットボトルには太陽光が反射して、ハエやハチ、トンボなどの虫が誘引されるのかもしれません。
だとすれば、このカマキリは獲物を待ち伏せしていたことになります。 
普通、カマキリは花の上などで待ち伏せします。
カマキリだけが水入りペットボトルに誘引されるとしたら、それはそれで面白い現象です。


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2024/05/19

池で後脚が生えたトウホクサンショウウオの幼生

2023年8月下旬・午前11:25頃・晴れ 

定点観察している山中の水場に久しぶりにやって来ました。 
私が池に近づくと、岸から水中に数匹のカエルが飛び込んで逃げました。 
トノサマガエルとツチガエルがちらっと見えたような気がして水中を探すと、1匹のツチガエルGlandirana rugosa)だけ見つけることができました。 
ストロボを炊いて撮った写真を見直すと、トウホクサンショウウオHynobius lichenatus)の幼生も端っこに写っていたのに現場では全く気づきませんでした。(痛恨のミス!) 
後脚が左右にまっすぐ延びています。 

関連記事(同所で1年前および2ヶ月前に撮影)▶  


本当はもっと頻繁に通って定点観察すべきだったのですが、さぼってしまいました。 
2023年の夏は記録的な酷暑となり、現場入りするための登山をすると、熱射病で命の危険を感じるほど過酷でした。
2023年夏の昼間に撮った虫の動画が少ないのも、そのためです。 
その点、トレイルカメラに任せれば文句も言わずに無人で撮影してくれるので助かりました。(直射日光が当たる場所だと熱暴走するおそれがあります。) 


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北海道のサンショウウオたち
トリミングした写真。

2024/03/19

山道を横切り道端の草に登るタケカレハ(蛾)の幼虫

 

2023年7月上旬・午後15:35頃・くもり 

里山の林道でタケカレハEuthrix albomaculata directa)の幼虫を見つけました。 
砂利道を横断すると、道端に生えたイネ科の草(種名不詳)に辿り着くや否や、葉先から伝ってよじ登り始めました。 
イネ科の草がタケカレハ幼虫の食草ですから、食草に向かって移動していたのは、ごく自然な行動です。 

私が草むらをかき分けて接写しようとすると、タケカレハ幼虫は警戒して動きを止めました。(擬死?) 
大きさの比較対象として、私の左手の指を横に並べてみました。 
このときうっかり指が幼虫の毛先にちょっと触れてしまいましたが、その後タケカレハの毒毛にかぶれた記憶はありません。
(タケカレハの)幼虫は長い毒針毛の束を頭部付近と尾部付近に1束ずつ持っている。カレハガ、マツカレハなどの幼虫とは違い、刺激を受けても、この束は膨らまない。 (wikipediaより引用)
黄色に黒い斑点が並ぶ配色は目立ちますから、おそらく天敵(捕食者)に対して毒毛の存在を誇示する警告色なのでしょう。 
素手で直接触れませんから、近くの葉をちぎりとって、その葉先で毛虫をツンツン突いてみました。 
すると慌てて活動を再開しました。(逃避行動) 
頭部をときどき左右に振って探索しながら、全身の蠕動運動で草の葉身を登って行きます。 
足場の葉が細いため、綱渡り中にときどき体重のバランスを崩して左右に転がり落ちそうになりますが、腹脚および胸脚で葉をしっかり掴んでいるため落ちません。 

「冒頭でタケカレハ幼虫の近くにヤドリバエ(寄生ハエ)が来てたかも?」と野帳に記してあるのですが、映像を見直してもハエは写っていません。 
クロアリをハエと誤認したのかな?

関連記事(11年前の撮影)▶ タケカレハ幼虫に寄生したヤドリバエ科の一種 


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2024/02/25

水田で泳ぐオタマジャクシの混群(トノサマガエルとニホンアマガエルの幼生)

 

2023年6月中旬・午前9:30頃・晴れ 

平地に広がる水田の隅にオタマジャクシが群がっていました。 
水中で静止している個体と泳ぎ回っている個体がいます。 
何かに驚いて急に素早く泳ぎ去ると、水底の泥が舞い上がります。 
どのオタマジャクシにも未だ脚は生えかけていません。 (変態が始まっていない。)
水深が浅いので、水面に浮かんで呼吸する必要がなく、腹面を見せてくれません。 (渦巻状の腸管を確認できず。) 

田んぼの水中にところどころ緑の藻が繁茂しています。 
見下ろすアングルではオタマジャクシの口の動きが見えず、採食してるかどうか不明です。 

ヒキガエルの真っ黒な幼生とは明らかに異なります。 
トノサマガエルPelophylax nigromaculatus)の幼生ではないかと思います。 
よく見ると、個体によってサイズがまちまちです。 
成長段階の違いかと初めは思ったのですけど、よく見ると小さい個体は全体的に黒っぽくて両目が離れているので、ニホンアマガエルHyla japonica)の幼生が混じっているようです。 

【参考サイト】


オタマジャクシの飼育観察もいつかやってみたいと思いつつ、忙しくてなかなか手が回りません。 


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2023/12/20

笹の葉裏に繭を紡いだヤママユ?(蛾)

2022年8月中旬

里山の林道で左右の下草を刈る作業をしていました。 
笹薮を伐採した直後に歩くと、笹の葉裏に作られた黄緑色(ペパーミントグリーン)の大きな繭を見つけました。 
笹ごと拾って採集し持ち帰りました。 
笹の種類は日本海側の多雪地帯に多いチマキザサではないか?と思うものの、真面目に検討していません。 

イネ科植物の笹を食草とする幼虫と言えば、以前この林道で見かけたヨシカレハ毛虫が思い浮かびます。
しかしヨシカレハやタケカレハの繭と比べると明らかに色も形も違います。 


この繭と一番似ているのは、ヤママユAntheraea yamamai)という蛾の幼虫が紡いだ繭です。 
しかし、ヤママユの幼虫はイネ科の笹を食べるはずがありません。 
林道の周囲は雑木林の灌木です。
ブナ科の葉を食べて育ったヤママユの終齢幼虫が下草に一旦降りてから、笹の茎を登り直して葉裏に営繭したと考えれば、一応は辻褄が合います。

『繭ハンドブック』を参照すればすぐに種類が分かるだろうと楽観していたのに、意外にも似た見かけの繭は掲載されていませんでした。 
こうなったら室内で成虫を羽化させて自分で解明するしかありません。 
羽化が始まったらすぐに撮影できるように、笹ごと繭を卓上に放置していたのですが、待てど暮せど蛾の成虫が羽化してくれません。 
遂に1年以上経ちました。
繭内で完全変態に失敗したのか、体内寄生されていたようです。
しかしヤママユ?幼虫を寄主として育った寄生バチや寄生ハエが繭を食い破って脱出した形跡はありません。 

飼育失敗の原因として思い当たることと言えば、卓上の照明を夜遅くまで煌々と点灯していたことです。 
本来羽化するはずの秋になっても日照時間が短くならなかった(長日条件のまま)結果、夏の休眠が解除されないまま蛹が死んでしまったのかもしれません。
また、2022年は秋になっても室内の気温(室温)があまり下がりませんでした。
しかし気温ならまだしも、繭の中の蛹が日照時間を感知できるのかどうか疑問です。

2023/12/05

山中の泉で育つトウホクサンショウウオの卵嚢を手に取ってみる

 



2023年4月下旬・午後13:00頃・晴れ 

定点観察のため山中の水場に来ると、新たにアズマヒキガエルの卵塊が大量に産み付けられていました。 

関連記事(同所同日の撮影)▶ 山中の泉に産み付けられたアズマヒキガエルの卵塊 


動画を撮りながら右手を水の中に差し入れて、浅い泉の底に沈んでいるトウホクサンショウウオHynobius lichenatus) の卵塊を一つすくってみました。 
卵嚢が不透明で表面には皺があり、中の胚がよく見えません。 
前回よりも胚発生が進行しているようですが、未だ動いてはいません。 

アカマツの落枝を池から取り除いた後に撮影しました。

秋田喜憲『石川県能登宝達山のサンショウウオ物語-サンショウウオに魅せられて40年』を読むと、2枚の透明ガラスで傷つけないよう卵嚢を圧して観察すると見やすいらしいです。(p24より)
筆者は顕微鏡を見ながら細密画で胚を写生し、発生段階表を自力で作成しておられます。
筆者の偉業はそれだけではありません。
生き物のフィールド調査に心血を注ぐとはどういうことか、教えてくれる凄い名著です。
ただし本書にトウホクサンショウウオは登場しません。



2023/11/22

山中の泉に産み付けられたアズマヒキガエルの卵塊

 



2023年4月下旬・午後13:30頃・晴れ 

山中の湧き水が溜まった水場に11日ぶりの定点観察に来ました。 
先に産み付けられていたトウホクサンショウウオ卵塊の変化については、別の記事にします。 

前回は無かったのに、新たにアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)の卵塊が浅い池の水中にニョロニョロと大量に産み付けられていました。 
細長い透明なゼラチン質で心太ところてんのようです。 
その中にタピオカのような黒い卵が点々と並んでいます。 

ポプラ社『いろいろたまご図鑑』によると、
ヒキガエルのたまごのかたまりは、まるで寒天のひものようだ。長さは8mにもなることがある。この中に、小さなたまごが数千個もはいっている。 
 たまごは黒く、太陽の光を受けて温まりやすくなっている。早春に産卵するカエルのたまごに黒いものが多いのは、太陽の熱を利用するためかもしれない。(p182より引用)

動画を撮りながら右手を池の水中に差し入れて、ヒキガエルの卵塊を素手ですくい上げて見ました。 
細長い卵塊はヌルヌルで掴みにくく、持ち上げると途中で(切れて?)落ちてしまいます。 
黒い卵は球形で、胚発生は未だ進んでいないようです。 
最近産み付けられたばかりなのでしょう。 
あるいは湧き水の水温が低いので、胚発生が緩慢なのかもしれません。 
水温を測るべきなのに、温度計を持ってくるのを忘れてしまいました…。 

夏になるとこの泉にはアズマヒキガエルの黒い幼生(オタマジャクシ)が大量に居ることが分かっています。
残るミッシングリンクは繁殖行動です。

今回は池に親カエル(成体)の姿を1匹も見つけられませんでした。 
私が繁殖池に来たので水底に堆積した落ち葉の下などに逃げ込んでしまったのか、それとも今季の繁殖活動(カエル合戦)は既に終わって解散した後なのかもしれません。

残念ながら今季はアズマヒキガエルの繁殖行動(カエル合戦)を見逃してしまいました。 
どうやら今年はヒキガエルの繁殖期が例年よりも早く始まったようです。 
頻繁に定点観察したくても、ここまで登ってくるのが体力的にきついです。
無人カメラを設置してヒキガエルの繁殖行動(産卵)を動画に記録したくなりますけど、変温動物の両生類がいくら激しく動き回ってもトレイルカメラの温度センサーは反応してくれないので役に立ちません。
次善の策として、来年はインターバル撮影(タイムラプス)で記録してみようかな? 
財力があれば、携帯電話と連動して遠隔操作できるライブカメラを設置してみたいところです。


つづく→
 

2023/11/17

山中の泉に沈んだアカマツの落枝に産み付けられたトウホクサンショウウオの卵嚢

 

2023年4月中旬・午後13:30頃・晴れ 

里山の根雪がすっかり溶けたのを見計らって、山中から地下水が湧き出る水場へ久しぶりの定点観察に行きました。 
岸辺のあちこちにゼラチン質の巨大な卵嚢が幾つも産み付けられていました。 
この泉にはトウホクサンショウウオHynobius lichenatus)生息していることが分かっているので、おそらくトウホクサンショウウオ♀が最近産み付けたばかりの卵嚢でしょう。 



岸辺の浅い水中に産み付けられた大きな卵嚢を右手で掬い上げてみると、ブヨブヨの触感で捉えどころがありません。 
くるんとカールした勾玉のような形状でした。 
岸辺の卵嚢は何にも固定されておらず、水底にゴロンと転がっているだけです。 
胚発生が少し進んでいたものの、まだ自発的な動きはありませんでした。 

サンショウウオには溜まり水など流れのない水(止水)に産卵するものと、産地の谷川など流れのある水(流水)に産卵するものがいる。(秋田喜憲『石川県能登宝達山のサンショウウオ物語:サンショウウオに魅せられて40年』p12より引用)

撮影現場は水の流入および流出があるものの、どちらに分類されるかと言えば止水域です。 

wikipediaによれば、トウホクサンショウウオは
雪解けを迎える3月から6月が繁殖期で、止水域に20-100個でひとかたまりの卵を産む[4]。

実は、池畔の崖に立っていたアカマツが冬の間に積雪の重みに耐え切れず真っ二つに折れてしまい、池の中にアカマツ倒木の枝が突き刺さっていました。 
(あるいはひょっとすると、落雷を受けたのかもしれません。)
水温が低いために、松葉が枯れずに緑色のままです。 
水中のアカマツ落枝にもトウホクサンショウウオの卵嚢が多数産み付けられていました。 
落枝ごと水中から外に引き上げてみると、卵嚢は自重で細長く垂れ下がり、印象がまるで変わりました。
卵嚢がちぎれることはありませんでした。 
アカマツの枝先や針葉に卵嚢が固定されているようです。 

トウホクサンショウウオの産卵シーンを観察できず、残念でした。 
来年以降の宿題として持ち越します。
もっと残雪のある早春に来る必要がありそうです。
この日はトウホクサンショウウオの成体を1匹も見かけませんでした。 
既に繁殖を終えて陸地に帰ったのか、それとも私を警戒して水中に逃げ込んだのか、分かりません。

水場でヤマアカガエルの卵塊が見つかるかと期待して山を登って来たのに、意外にも全くありませんでした。 
この泉でヤマアカガエルは繁殖しないのでしょうか? 
それとも、今春は大量のアカマツ落枝で池の水面がほとんど埋め尽くされたせいで産卵できなかったのかもしれません。

それから、アズマヒキガエルの卵塊も見つかりませんでした。 
ヒキガエルの繁殖期(カエル合戦)にはまだ時期が早そうです。 

水場に無人カメラを設置してサンショウウオやカエルの産卵シーンをなんとか撮影したいところです。
しかし両生類は変温動物のため、いくら激しく動き回ってもトレイルカメラのセンサーが反応してくれないのが問題です。 

ひょっとしたら水中の落枝をそのままにした方が、トウホクサンショウウオは捕食を免れてよく育つのかもしれません。 
しかし放置すると野鳥や野生動物が水場として利用しにくそうなので、撮影後はアカマツの倒木や落枝を撤去しました。 

ところで、動画撮影中に周囲の雑木林からツツピーツツピー♪というシジュウカラ♂(Parus minor minor)の囀りさえずりが繰り返し聞こえます。 

本当はトウホクサンショウウオの卵嚢を採取して持ち帰り、飼育してみたいところです。
あれこれ手を広げ過ぎてしまい、忙しくてとても余力がありません。 
できる限り定点観察に通うことにします。
調べてみると山形県のトウホクサンショウウオは 準絶滅危惧種(NT)に指定されているので、採集は控えるべきかもしれません。


同じ山系で雪解け水が溜まった別の池でもトウホクサンショウウオ♀が産んだと思われる卵嚢を先日見つけています。




そちらの池は標高が低くて日当たりも良いので、水温が高そうです
産卵時期も少し早く、胚発生も早く進行するでしょう。

それに対して、雑木林に囲まれた山中の水場は標高が高くて日当たりが良くありません。
しかも地下水の湧き水は夏でも冷たい(水温が低い)ため、トウホクサンショウウオの胚発生はゆっくり進行すると思われます。




【追記】
ネットで調べ物をしていたら、興味を引く文献を見つけました。
藤原愛弓, and フジワラアユミ. "宮城学院女子大学構内における準絶滅危惧種トウホクサンショウウオの産卵地の発見と個体数の推定." 宮城學院女子大學研究論文集 130 (2020): 47-57.
ありがたいことに、全文PDFがダウンロード可能です。
ざっと斜め読みしてみると、私の観察とそっくりの産卵環境が報告されていて驚きました。
MG 産卵地の周囲や水底には、周辺に生育する落葉・常緑広葉樹の落ち葉が厚く堆積しており(写真 4)、主に樹幹部から落下してきたと思われる枯れ枝や数本の倒木が、MG 産卵地の中の数か所に半分没した状態で確認できた。
 卵嚢が多く産み付けられていた場所は、倒木の下(写真 5)や木の枝(写真 6)であった。
広葉樹のみならず、アカマツの枝や葉にも産み付けられていた(写真 7)。同所的に最も多くの卵嚢が産み付けられていたのは倒木の下であり、3 月 19 日には水中に半分没した倒木の側面から下面にかけて、計 24 個の卵嚢が確認された。一方で、落ち葉が堆積した場所に、そのまま産み付けられている卵嚢も確認された。


【追記2】

平凡社『日本動物大百科5:両生類・爬虫類・軟骨魚類』を紐解いてトウホクサンショウウオの産卵生態について調べると、

透明でバナナ状の卵のうの表面に多数のしわがある点で、トウキョウサンショウウオやクロサンショウウオと区別できる。

 3〜6月の 雪どけのころに、繁殖個体が止水に集まり産卵する。止水といっても、(中略)山間の細流のよどみなどのようなわずかに流れのあるところが好まれる。♀は水中の石の下の枯れ枝などに1対の透明な卵のうを産みつける。1匹の♀が産む卵の大きさや卵数は地域により大きく異なるが、直径2.4〜3.2mmほどの卵を20〜100個産卵する。(p13より引用)

卵嚢表面の皺については、私が撮った写真でも確認できます。 

2023/09/27

雪解け水の池でヤマアカガエルの卵塊の傍を泳ぐミズカマキリ♀

 

2023年3月下旬・午後14:00頃・晴れ 

里山の雪解け水が貯まった池でヤマアカガエルRana ornativentris)の卵塊を調べていたら、池の水中を泳ぐミズカマキリRanatra chinensis)を見つけました。 
越冬明けの個体が飛来したのかな? 
『フィールド版ため池と水田の生き物図鑑:動物編』でミズカマキリについて調べると、
越冬は水中で、ミズカマキリは集団で越冬すると言われているが実際に観察されることはまれである。(p88より引用)
水生昆虫に疎い私は、生きたミズカマキリをフィールドで見つけたのはこれが生まれて初めてで、歓喜しました。 
池畔は残雪で囲まれ、水面には太陽が反射して眩しいです。 
雪解け水の貯まった池の水温は低いはずです。


この池でヤマアカガエル♀♂の繁殖行動をタイムラプス撮影するプロジェクトは、いまいち納得の行く結果を得られませんでした。
がっかりしたものの、この日はミズカマキリと出会えた喜びで帳消しになりました。

初めミズカマキリは私を警戒して身を隠そうとしているのか、ヤマアカガエルの卵塊の下に潜り込もうとして、もがくように泳いでいました。 
手足にオール状の構造がないため、泳ぎはあまり得意ではなく、水中で手足をゆっくり動かすだけです。 
中脚と後脚は長毛を有し、中脚と後脚で器用に水を掻いて潜水し、水中を遊泳する。(同書p88より引用)
潜水中は腹端から伸びた呼吸管の先端を水面に出して、ときどき息継ぎしています。 
これぞまさに忍法「水遁の術」。 
呼吸管を根元から曲げることができます。 

ゼラチン質の卵塊の下からなかなか浮上できず溺れそうになっているのか?と心配になったものの、ようやくミズカマキリはヤマアカガエル卵塊の上に脱け出しました。 
水面で卵塊に乗って静止し、獲物を待ち伏せするのかな?(日光浴?) 
岸辺は枯れた草の茎が水中に沈んでいるため、細長い体型で黄土色(枯草色)のミズカマキリがじっと静止すると見事なカモフラージュになっています。 

ミズカマキリが再び動き回っても、近くで背泳するマツモムシは無反応でした。 
互いに狩り(捕食)の対象ではないようです。
ミズカマキリは前脚の鎌でマツモムシを狩ることはなく、蹴散らすようにして水中を進みます。 
水中ではミズカマキリの右前脚の鎌が途中から欠損しているように見えたのですけど、ただ折り畳んでいるだけでした。 

少し離れたところにヤマアカガエルの♂成体がいました。 
岸の方を頭を向けて水面に浮かび、産卵に来る♀を待ち構えています。 
ヤマアカガエルがミズカマキリに跳びついて捕食するかと期待したのですが、繁殖期のヤマアカガエル♂は「食い気より色気」なのでしょう。 

日当たりの良い岸辺にヤマアカガエル♀が最近産み付けた個々の卵内では黒い胚が発生しつつあります。 
ミズカマキリが岸辺のヤマアカガエル卵塊に執着しているように見えたのはたまたまでしょうか?
個々の卵内で育つ黒い胚または孵化した幼生(オタマジャクシ)を狩って体液を吸汁するつもりなのかもしれません。
ところが、しばらく粘って観察しても、捕食の確証を得られませんでした。 
タピオカドリンクのような卵塊を散々吸汁した後で満腹なのかな? 
動きのない胚は獲物と認識できないのでしょうか。 
実はこの池の岸辺に沿ってヤマアカガエルの卵塊がいくつも産み付けられていて、既に幼生が孵化した卵塊もありました。 
ミズカマキリがオタマジャクシを捕食したいのなら、そちらに向かうはずです。 

眼は上を向いており、アメンボ類のような水面上の小動物を待ち伏せて捕食する。(同書p88より引用)




1枚目は水中の潜水シーン
2〜4枚目は水面に浮かぶミズカマキリ
潜水中に呼吸管で息継ぎ

2023/01/26

脱皮殻を食べるフクラスズメ(蛾)若齢幼虫

 

2022年9月上旬・午後21:25頃・室温28.3℃・湿度67% 

飼育していたアカタテハ幼虫のために採集してきた食草のクサコアカソフクラスズメArcte coerula)の幼虫が紛れ込んでいました。 
葉裏の主脈にしがみついた姿勢でいつの間にか脱皮していました。 
脱皮の過程を見逃したのは残念です。
脱皮したばかりのフクラスズメ幼虫が方向転換し、自身の抜け殻を食べていました。 
マクロレンズで口元を接写してみましょう。 
脱皮直後のフクラスズメ若齢幼虫の頭楯は、濁った赤茶色(オレンジ色?)でした。 
脱皮殻を完食したら、クサコアカソの葉裏で移動を始めました。 

過去の飼育経験では、脱皮後の終齢幼虫は抜け殻(脱皮殻)を全く食べませんでした。
関連記事(2年前の撮影)▶ 脱皮後の休息中に黒化が進むフクラスズメ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】

どうやら、抜け殻を食べるのは若齢幼虫だけのようです。 
失われたタンパク質を速やかに再摂取するための行動ですから、脱皮殻を食べるかどうかは、その個体の栄養状態によるのかもしれません。 (個体差?)
あるいは、齢が進むとクチクラが固くなり、抜け殻を消化できなくなるのかな? 

野外でフクラスズメの脱皮殻が食草上に見つかりますが、何齢の幼虫が残した抜け殻か調べたら面白いかもしれません。 
(齢数判定には、地面に落ちた頭楯の抜け殻を探し出して採寸する必要があります。)
機会があれば、卵から飼育して脱皮を繰り返す度に見届けたいものです。
 

2023/01/21

アカタテハの蛹化【10倍速映像】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#9

前回の記事:▶ アカタテハ前蛹の蠕動【100倍速映像】蛹化前の眠状態


2022年8月下旬・午前7:10頃・室温25℃ 

アカタテハVanessa indica)が前蛹になってから約12時間後、ようやく脱皮が始まりました。 
偶然かもしれませんが、部屋のカーテンを開けて朝日が射したことが蛹化の引き金になったのかな? 
撮影用のUSBリングライトを夜通しで前蛹に煌々と照らしていたので、光量の変化はあまり関係ない気がします。 

前蛹の蠕動運動が激しくなると、胸背が割れて抜け殻が腹端の方に送られていきます。 
蛹化殻を振り落とすために激しく暴れました。 
落ちた抜け殻はすぐ下のクサコアカソの茎に引っかかりました。 

これでアカタテハは垂蛹となりました。
しばらくは自発的に蠕動し、次第に変色します。

つづく→#10:? 
これ以降は以前に撮影済みなので、観察がおざなりになってしまいました。 



2022年9月上旬 
蛹化してからわずか7日目にアカタテハ成虫が室内で無事に羽化しました。 
過去の経験から、てっきり10日かかると思い込んでいたので、油断していました。 
残暑で室温も高く、完全変態に必要な積算温度が早く達成できたのでしょう。 
垂蛹の色の変化で羽化の前兆(翅の色が透けて見えるようになる)に気づかなかったのは不覚です。

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