2023/12/05

山中の泉で育つトウホクサンショウウオの卵嚢を手に取ってみる

 



2023年4月下旬・午後13:00頃・晴れ 

定点観察のため山中の水場に来ると、新たにアズマヒキガエルの卵塊が大量に産み付けられていました。 

関連記事(同所同日の撮影)▶ 山中の泉に産み付けられたアズマヒキガエルの卵塊 


動画を撮りながら右手を水の中に差し入れて、浅い泉の底に沈んでいるトウホクサンショウウオHynobius lichenatus) の卵塊を一つすくってみました。 
卵嚢が不透明で表面には皺があり、中の胚がよく見えません。 
前回よりも胚発生が進行しているようですが、未だ動いてはいません。 

アカマツの落枝を池から取り除いた後に撮影しました。

秋田喜憲『石川県能登宝達山のサンショウウオ物語-サンショウウオに魅せられて40年』を読むと、2枚の透明ガラスで傷つけないよう卵嚢を圧して観察すると見やすいらしいです。(p24より)
筆者は顕微鏡を見ながら細密画で胚を写生し、発生段階表を自力で作成しておられます。
筆者の偉業はそれだけではありません。
生き物のフィールド調査に心血を注ぐとはどういうことか、教えてくれる凄い名著です。
ただし本書にトウホクサンショウウオは登場しません。



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