2025/01/04

雪山の斜面にニホンノウサギが縦横無尽に描く足跡の軌跡【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬・午後19:10頃および23:45頃 

シーン0:1/9・午後12:38・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
雪の積もった里山で、スギ植林地に残されたニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動センサーカメラで見張っています。 
今季は異常な暖冬で降雪量が少ないのですが、林床の溜め糞は雪で覆われ、雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 
画面の手前から奥に向かって上り坂の斜面を見上げるアングルになっています。 

この地点で冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が登場したシーンをまとめました。 


シーン1:1/24・午後23:58・吹雪(@0:07〜) 
シーン2:1/25・午後2:47・吹雪(@0:14〜) 
動物は何も写っていないのですが、誤作動で撮れた映像で雪国の気象をお伝えします。


シーン3:1/25・午前7:11・くもり(@0:21〜) 
スギ樹上からときどきドサッと落雪すると、旧機種のトレイルカメラはそれに反応してしまいます。
林床には新雪が積もり、野生動物の足跡は全く付いていません。 


シーン4:1/26・午前9:43・くもり(@0:27〜) 
樹上からの落雪。 


シーン5:1/26・午後19:08・降雪(@0:33〜) 
新雪が積もった林床にノウサギが左から右へ横切った足跡が残っています。 
監視カメラの起動が間に合わなかったようです。 

雪が横殴りに降っていますが小雪程度で、吹雪とは言えません。 


シーン6:1/26・午後19:13・降雪(@0:38〜) 
5分後に再び監視カメラが起動したのですが、ノウサギの姿は写っていませんでした。 
しかし、雪面に残る足跡を直前の動画と見比べると、ノウサギが右奥から手前へ走ってきて古い足跡と交差していました。 


シーン7:1/26・午後23:42・降雪(@0:44〜) 
雪が降る深夜に斜面を右からトラバースして来たノウサギが、スギの木の手前を左に横切りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


低温下でトレイルカメラは動きの早いノウサギになかなか反応できていません。
それでも、雪面の雪質がパウダースノーの新雪だったため、ニホンノウサギの足跡から軌跡を読み解くことができました。


落葉した木の上で交尾するニホンザル♀♂

 

2023年12月下旬・午後14:40頃・くもり 

山麓の道端の落葉樹(樹種不明)にニホンザルMacaca fuscata fuscata)の♀♂ペアが登っていました。 
樹上で2頭が仲良く寄り添い、♂が♀の背後から軽くマウントしたものの、本格的な交尾には至らなかったようです。 
発情期のニホンザルは外性器が紅潮しています。 
この♀は乳首が短く、育児(授乳)経験のない若い♀個体のようです。 

現場は民家の裏庭で、室内犬がガラス窓越しに外のニホンザルに対して激しく吠えています♪(犬猿の仲) ※追記参照
それでもニホンザル♀♂は、室内のイヌを全く恐れる素振りはありませんでした。

この後も♀♂ペアが樹上で交尾を繰り返していたのですが、生憎カメラのバッテリーが切れてしまい、これ以上は記録できませんでした。 
気温の低い冬には、スペアのバッテリーも保温しながら携帯した方がよいかもしれません。


※【追記】
サルは犬を見ると激しく警戒し「クワン」「カン」という高い声を出す。かつての天敵であるオオカミに対する、警戒行動のなごりなのだろう。(p182より引用)

しかし、私はまだそのような警戒声を実際に聞いたことはありません。 


2025/01/03

雪国のホンドギツネがニホンアナグマの越冬用営巣地で野ネズミ狩りに失敗【トレイルカメラ】

 



2024年1月下旬

シーン0:1/22・午後13:46・くもり・気温20℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する2つの巣穴を同時に1台のトレイルカメラで見張っています。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、林床の地面があちこちに露出していて、まるで早春のようです。 

冬毛のホンドギツネVulpes vulpes japonica)が昼間に登場したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:1/24・午前6:33・気温-3℃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:47。 
夜に大雪が降った翌朝は晴れていました。 
日の出前でも充分に明るいのは、新雪のレフ板効果です。 

左から来たキツネが、アナグマの巣口Lの辺りで新雪の中に頭を突っ込んでいました。 
次に右の巣口Rに忍び寄ると、そこで匂いを嗅いでいます。 
顔を上げたキツネの鼻面には、雪が付着しています。 


シーン2:1/24・午前6:36・気温-2℃(@1:04〜) 
1分半後に監視カメラが再び起動すると、キツネが右から戻ってきていました。 
雪面の匂いを嗅ぎながら、アナグマの巣口Rの横を通り過ぎ、巣口Lに立ち寄りました。 
もしかすると、アナグマの巣穴に居候している野ネズミ(ノネズミ)の匂いを嗅ぎ取って、執拗に探しているようです。 
最後は獣道を手前に立ち去りました。 


シーン3:1/28・午前8:27・気温0℃(@1:40〜) 
4日後、小雪がちらつく朝にもキツネが現れました。 
林床の雪面がいわゆる「腐れ雪」(湿雪)で歩きにくそうです。 
キツネが一歩踏み出す度に足が雪の中にズボズボと沈みます。 

アナグマの巣口Rが雪で埋もれ、そこだけ雪面が窪んでいます。 
ホンドギツネは巣口Rの凹んだ雪面に鼻面を何度か突っ込んで匂いを嗅いでいました。
雪の下で動く獲物のかすかな物音を聞き取ってもいるようです。
やがて後足で立ち上がると、高く上げた前脚を揃えて雪面に打ち下ろしました。 
これはキツネによる典型的な野ネズミ狩りの行動です。 
同時に顔も雪の中に突っ込んで、逃げる獲物に噛みつこうとしています。 
しかし残念ながら獲物には逃げられたようで、キツネはすごすごと右に立ち去りました。 





【追記】
塚田英晴『野生動物学者が教えるキツネのせかい』を読むと、「狩りの方法」と題した章が設けられていました。
草やぶを見つめながら、まるで”ふりこ”のように、頭だけを左右にゆっくりかしげはじめます。そして、ゆっくりと後ろ足だけを曲げていき、徐々にしゃがみこむような姿勢をとったかと思うと、突然ななめ上向きにジャンプします。このとき、前肢を鼻づらの両わきにそろえた状態で、草むらの中に頭からつっ込んでゆきます。(中略)
 ネズミからすると、キツネの狩りの仕方は、まるで空から飛んでくるミサイル攻撃です。こうしたキツネのジャンプ、1~2mぐらいが多く、中には7.5mもの大ジャンプをすることもあります。(中略)狩りがうまくいく確率は2~3割ほどだといいます。(kindle版44%より引用)

続けて、キツネの狩りにおける聴覚の重要性について詳しく書いてありました。 


関連記事(同時期の撮影)▶ ホンドタヌキの越冬用営巣地で野ネズミを狩ろうとする雪国のホンドギツネ【トレイルカメラ:暗視映像】

ママコナの花で吸蜜中のミドリヒョウモン♀を追い払うアリ【ハイスピード動画】

 



2023年8月下旬・午前11:05頃・晴れ 

低山の尾根道に咲いたママコナの群落でミドリヒョウモン♀(Argynnis paphia)の吸蜜シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみたら、ちょっと面白い事件が起きていました。 
近づいてきたクロアリ(種名不詳)のワーカー♀がミドリヒョウモン♀の足(右中脚跗節)に噛み付いて、ママコナの花から追い払ったのです。
蜜源植物を防衛する占有行動でしょうか。
アリに足先を噛まれたミドリヒョウモン♀は、驚いて飛び去りました。

2025/01/02

休耕地の越冬用巣穴が雪で埋もれ、近所のホンドタヌキ♀♂が心配して訪問?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬 

シーン0:1/22・午後14:17・くもり・気温22℃(@0:00〜) 
雪が積もった休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動センサーカメラで見張っています。 
今期は異常な暖冬で、積雪量がかなり少ないです。 
まるで早春のように、地面があちこちで露出しています。 


シーン1:1/27・午後21:35・降雪・気温-1℃(@0:04〜) 
新雪が少し積もっていました。 
小雪がちらつく晩に、手前から奥へ向かってタヌキaが単独で雪原を歩いています。 
新雪の雪原には足跡が皆無なので、巣ごもりしている家族とは別と思われます。 
もしかすると、血縁関係のある親戚(例えば、子別れした子供?)が実家に戻ってきて生存確認・安否確認に来たのかな? 
タヌキが歩く度に足が新雪にずぼずぼと深く潜りますけど、ラッセルするほどの深雪ではありません。 
巣口のあった位置が雪で完全に埋もれてしまい、タヌキは見つけられないでいます。 
鼻面を雪面に突っ込んで匂いで巣口の位置を嗅ぎ当てようとしても、結局は左に立ち去りました。 

手前から後続個体bが登場しました。(@0:54〜) 
♀♂ペアで行動していたのでしょう。 
先行個体aの足跡を辿って巣穴の方へ近づこうとするも、尻切れトンボで録画が打ち切られてしまいました。 


シーン2:1/29・午前3:49・気温-1℃(@1:04〜) 
2日後の晴れた未明に、♀♂ペアの先行個体aがまた手前から奥に向かって雪原を歩いて行く後ろ姿が写っていました。 
雪面には古い足跡が残っているものの、やや不明瞭です。 
タヌキが歩いた直後に足跡はほとんど残らないことから、凍結した雪面にうっすらと新雪が積もっている状態と推測されます。 
キツネの足跡(映像公開予定)を辿って進み、巣口に辿り着きました。 
巣口の匂いをひたすら嗅いでいます。 
入巣したかどうか見届ける前に、録画が打ち切られました。 


シーン3:1/29・午前3:58・気温0℃(@1:36〜) 
8分後に、監視カメラが再び起動すると、先行個体aはまだ巣口を見つけられずにいました。
巣口の雪を掘り起こすこともしていません。 
右から後続個体bが登場して、aと合流しました。 
垂らしていた尻尾を持ち上げてaの周りをうろつき、慎重に互いの匂いを嗅いで挨拶しました。 
やや緊張が見られるので、まだつがい関係ではないのかもしれません。 
この間、2頭の鳴き声は聞き取れませんでした。 

後続個体bも巣口を点検します。 
雪に埋もれた巣口の匂いを嗅ぎながら、その場でぐるぐる回っています。 

その間に、先行個体aは手前に歩いて来ました。 
雪面に足跡は残りません。 

擬人化すると、近所のタヌキ一家の安否を心配しにきたように見えてしまいます。 


シーン4:1/29・午前4:00(@2:36〜) 
先行個体aの後を追うように、後続個体も手前へ歩いて来ます。 


シーン5:1/29・午前6:10・気温-4℃(@2:43〜)日の出時刻は午前6:43。 
夜明け前に濃い霧が発生しました。 
早回しにすると初めて、手前から奥に向かって雪原を歩くタヌキがおぼろげに認識可能になりました。 
巣口で立ち止まり、雪面の匂いを嗅いでいます。 
タヌキが横向きになり、ようやく白く光る眼が見えました。 
ジグザグに歩いているので、タヌキだと思います。 
巣穴の主なら、雪原を迷いなく真っ直ぐ帰巣するはずなので、よそ者のタヌキだと推測しています。


シーン6:1/29・午後22:07・気温-4℃(@2:43〜) 
同じ日の晩になっても、今度は夜霧が発生しています。 
単独のタヌキが手前から奥に向かって歩き、雪原をうろついています。 


シーン7:1/30・午前4:18・気温-6℃(@3:08〜) 
相変わらず画面がぼんやり曇っているのは、霧ではなくてレンズの表面が低温で凍り付いてしまったのかもしれません。 
奥の雪原で、タヌキ?の白く光る眼がちらちら動いています。 


シーン8:1/30・午後17:36・気温1℃(@3:20〜)日の入り時刻は午後17:02。 
日没後の晴れた晩、監視カメラがなぜか誤作動しました。 
画面全体が鮮明に写るようになって一安心。
雪面に古い足跡が残っています。 


シーン9:2/2・午後15:26・晴れ・気温14℃(@3:23〜) 
3日後の晴れた昼間に撮れた営巣地の様子です。 
雪原に巣口が開口していました。 
雪面に古い足跡がうっすらと残っています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
タヌキの個体識別ができていないので、ただの想像ですが、今回登場した個体は、この巣穴に普段出入りする主ではない気がします。 
近所に住む余所者(親戚?)のタヌキが単独またはペアで訪れ、雪の下に埋もれた巣穴の主の安否確認に来たのではないかと想像しています。 

別の可能性として、この巣穴で越冬していた♀♂ペアが、ある日採餌のために遠出している間に大雪が積もって巣口が完全に埋もれてしまい、雪原で迷子になってしまったという解釈もできそうです。 
タヌキは自力で地中に巣穴を掘る土木作業が苦手らしいのですが、雪で埋もれた我が家(自分の越冬用巣穴)の玄関を掘り出す雪かき作業も億劫なのでしょうか? 
ここ以外にも別宅があるはずなので、そこでしばらく過ごしている(ビバーク)はずです。 



警戒して動かないタシギと根比べ(冬の野鳥)

 

2024年1月上旬・午後12:00頃・晴れ 

里山の斜面にヤマアカガエルの繁殖池があります。 
久しぶりに様子を見に来たら、私が雪をザクザク踏みしめる音に驚いた1羽の鳥が池畔から飛んで逃げ出しました。 
少し飛んだだけで、奥の緩斜面に着陸して動きを止めました。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、まるで早春のような景色です。 
池の水面は結氷しておらず、枯れ草に覆われた斜面のあちこちに残雪が見えます。 
謎の鳥にズームインしてみると、その正体は嘴の長いシギの仲間で、タシギGallinago gallinago gallinago)という種類でした。 
シギ類の中でも私が初めて見る鳥なので、とても興奮しました。 
最近本で読んだばかりのタマシギかと期待したのですが、別種でした。 

【アフィリエイト】


ちなみに以前私が観察したのは、ヤマシギでした。 


地味な模様のタシギが枯れ草の上にしゃがみ込んで静止すると、見事な保護色(カモフラージュ)になっています。 
雌雄同色らしいので、性別を見分けられません。 
撮り初めは長い嘴の全体がしっかり濡れていたので、どうやら私が来るまで近くの湿地帯で採食していたようです。 
鼻水も光って見えます。 
初めは完全にフリーズしている訳ではなく、身を屈めながら横目で私の様子を油断なく伺い、わずかに身動きしていました。 
飛んで逃げるべきか、じっと静止して私をやり過ごすべきか、タシギの葛藤が垣間見えます。 

一方私は、タシギが痺れを切らして飛び立つか、警戒を解いて再び採食してくれるかと期待して、我慢比べの長撮りになりました。 
しかしタシギは警戒心がとても強く、その後はひたすらフリーズしているだけでした。 
もし嘴を開いてくれたら、有名な騙し絵「ウサギとアヒル」にそっくりでした。 
フリーズ状態のタシギは瞬きするだけで退屈なので、10倍速の早回し映像でお届けします。 
三脚を使わずに撮影を始めてしまったので、早回しにすると手ブレがひどいのは仕方がありません。 
フリーズの途中でタシギはときどき首を少しかしげて、斜めを見上げました。 
上空に飛来したカラス?を警戒したのかもしれません。 

私もその場でほとんど動かずに20分以上も粘ったのですが、カメラを構える腕の筋肉が限界を迎えました。 
ついに根負けした私が撮影を止めて歩き始めた途端に、タシギは飛び去ってしまいました。 
上空を旋回してから山林の方へ飛び去りました。 
タシギの鳴き声は聞き取れませんでした。 
飛び立つ瞬間に鳴いた気がするのですが(警戒声?)、その瞬間を動画に撮り損ねたのが残念です。 
タシギの飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

静かな山中で長撮りしている間にカカポ♪という謎の鳴き声も聞こえたのですけど、別種の鳥の鳴き声なのか、それともタシギの番(つがい)のパートナーが近くで鳴いたのか、不明です。 
ネットで調べても、そんな鳴き声を発する鳥は日本に居ない、と言われてしまいました。 

凍結した雪面にかなり大きな鳥の足跡が残されていました。
ただし、タシギの足跡とは限りません。 

その後しばらく(数時間)雪山を散策してから同じ地点に戻ってきても、タシギとは再会できませんでした。 


『やまがた野鳥図鑑』でタシギについて調べると、
 長く真っすぐなくちばし、枯れ草色の複雑な模様。旅鳥、または冬鳥としてやってくる。  (中略)河川や水田など湿地に生息するが、警戒心が強く、すぐに草の根元などに隠れてしまう。枯れ草色の複雑な模様の体は、辺りに溶け込み、ちょっと目を離せば見失ってしまう。見事な保護色だ。  朝夕に活発に動き回り、長いくちばしを土中に差し込んで上下に動かし、ミミズや昆虫などを食べる。くちばしは感度抜群。何と土の中でも先端が開くようになっていて、うまく獲物を捕らえる。湿地から「ジェッ」としわがれ声の鳥が飛び立ったら、それは間違いなくタシギだ。 (p151より引用)

タシギは夜行性らしいので、トレイルカメラで採食行動を録画してみるのも面白そうです。 
しかし、ここはどうしても監視カメラを設置しにくい場所なので、諦めざるを得ませんでした。
 
実は2023年の夏から秋にかけて、雑草が生い茂るただの草地だった池畔の地形が一変しました。
おそらくニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の仕業だろうと睨んでいるのですが、広範囲に雑草が根こそぎ掘り返され、掘り跡に山の湧き水が流入して湿地帯(草地)になったのです。
ヒトは長靴を履かないと通れない泥濘の草地と化しました。

イノシシが採食行動によって環境を改変したことで、タシギにとって絶好の餌場となったようです。 
私の推理が正しければ、イノシシは里山の生態系エンジニアの役割を果たしていると言えそうです。
タシギなんて地味な鳥を見れたからと言って喜ぶ物好きは私ぐらいですから、歩きにくくて見苦しい地形になったという理由で、地元の人が(良かれと思って)ブルドーザーで整地し直すのではないかと心配です。 
地球温暖化や開発のせいで生物多様性が急激に減少している昨今、日本で特に保全しないといけないのは、草地と湿地の環境です。
最近の田んぼは収穫後に水を抜いてしまう乾田なので、田シギは住めなくなっているのでしょう。




2024/12/31

冬眠の合間に追加の巣材を集める雪国のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬

シーン0:1/22・午後13:46・くもり・気温20℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の様子です。 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する2つの巣穴を同時に1台のトレイルカメラで監視しています。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、まるで早春のように林床の地面があちこちで露出しています。 


シーン1:1/23・午後20:47・気温-2℃(@0:04〜) 
トーパーから覚醒して右の巣穴Rから外に出てきたばかりと思われるアナグマが、右端の林縁に居ました。 
ノソノソ歩いて右へ向かいました。 
何をしに行ったのでしょう?


シーン2:1/23・午後20:49(@0:20〜) 
約2分後に、アナグマが後ろ向きで右から戻ってきました。 
前脚で林床の落ち葉を大量に掻き集めながら巣内Rに搬入します。 
夏に見られた巣材集めと同じ行動ですが、今回は気温が低いせいか、ピョンピョン跳ぶように後退する動きはしませんでした。 
真冬の巣内はよほど寒いのでしょう。 
濡れている(凍っている)落ち葉に寝床としての断熱効果があるとは思えないのですが、無いよりましなのでしょう。 
自分の体温で落ち葉を乾かしてから寝床として使うのかな? 
あるいは、隙間風を防ぐために詰め込む巣材なのかもしれません。 
(それなら穴掘りの得意なアナグマは、土で隙間を埋めるかも?)
意外にも、巣材集めを繰り返すことはなく、この1回だけでした。 
翌日から再び大雪が降ったので、落ち葉掻きができる最後のチャンスでした。 
まさかアナグマに天気予報の能力があるのか?とまたひとつ謎が増えました。 

今季は異常な暖冬です。 
雪国に生息するアナグマにとって暖冬や地球温暖化が朗報なのかどうか、観察1年目ではまだ判断できません。 
積雪による断熱効果が期待できず、巣穴が地中の浅いところに掘られている場合、放射冷却現象の夜明け前などに巣内も零下までひどく冷え込むのではないかと想像しています。 

越冬に入ったアナグマは、冬眠の合間にたまに巣外へ出てきても、動きがとにかく緩慢でぼんやりしていました。 
今回は珍しく(久々に)、巣材集めという活発な行動を見れてよかったです。 



シーン3:1/23・午後21:02・気温-1℃(@1:11〜) 
12分後に再び出巣Rしたアナグマが、巣口Rの左で小刻みに震えています(体温を上げるためのシバリング?)。 
さっき巣材集めをしたアナグマと同一個体とは限らないので、注意が必要です。
(個体識別ができていません。) 
危なっかしい足取りで、巣口Rの横でマルバゴマギ落葉灌木の根元をうろついています。

右の林内へ向かう途中で林縁に座ったのは、スクワットマーキング(縄張りの匂い付け)かもしれません。 
この個体が巣材集めに行ったのかどうか、その後の動向がなぜか動画に記録されていませんでした。 


シーン4:1/23・午後22:33・降雪・気温-1℃(@2:11〜) 
1時間半後、アナグマが巣口Rの左に戻って来ていました。 
細いマルバゴマギ落葉灌木の根元をよじ登ろうとしてスリップし、地面に座り込みました。 
また緩慢な動きに戻ってしまいました。 
擬人化すると、まるで泥酔しているような、足が痺れているような、覚束ない足取りです。 
雪がちらつく中、頻りに振り返って監視カメラの方を気にしています。 
今回はあえて早回し加工せずに、アナグマの動きが緩慢な様子をお伝えしました。 


シーン5:1/23・午後22:42・降雪・気温0℃(@3:11〜) 
10分後、アナグマは営巣地(セット)をゆっくり回り込んでから、巣口Rに戻ってきました。 
巣口Rの手前で身震いしてから、ようやく中に潜り込みました。 
この個体は左右の瞳の大きさが均等だったので、ここで出産・育児した母親♀(右目<左目)ではないことだけは分かりました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


越冬中のニホンアナグマは、厳密な意味での冬眠ではなく、トーパー(torpor)と呼ばれる状態になります。 
トーパーとは、体温を一時的に環境温度近くにまで下げ、代謝を低下させる状態のことです。
冬眠する動物に比べて体温の低下幅は小さいものの、心拍数も通常の半分程度にまで低下します。(AIのGeminiに教えてもらいました。)
ニホンアナグマは冬眠期間中に体温の周期的な低下と上昇がみられ(異温性)、体温が上昇したときに覚醒して巣外活動するのだそうです。
異温性(heterothermy)とは、恒温動物において部位、もしくは生理状態の違いにより体温が大幅に異なることをいう[1]。(wikipediaより引用)


ホンドタヌキの営巣地で見つけたオオモンクロクモバチ

 

2023年7月中旬・午後14:45頃・晴れ 

雑草が繁茂する休耕地にあるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の営巣地を久しぶりに見に来たものの、巣口にタヌキ幼獣の姿はなく、タヌキの気配を感じられませんでした。 
子育て中はなるべく巣穴に近づかないようにしていたのですが、最後に見たのは6月上旬です。


巣口から伸びる溝(アクセストレンチ?)の土が白っぽく乾いています。 
その地面でオオモンクロクモバチAnoplius samariensis)が翅を小刻みに開閉しながら身繕い(化粧)していました。 
本種の性別の見分け方を私は知りません。 
もし♀ならば、草むらで獲物のクモを狩ったり、裸地に巣坑を掘るかと期待したのですが、すぐに飛び去ってしまいました。 
オオモンクロクモバチが飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、背後からクロアリ(種名不詳)に奇襲され、驚いて飛び立ったことが分かりました。 

近くの森からニイニイゼミ♂(Platypleura kaempferi)の斉唱♪がかすかに聞こえます。

2024/12/30

雪の少ない真冬に根曲がり巣穴に通うホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬~2月上旬

シーン0:1/22・午後12:56(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
暖冬で積雪が少なく、ほとんど溶けてしまいました。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木(根返り)の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動撮影カメラで監視しています。 

この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。 
実はすぐ近く(画面の右背後)にもう一つ同様の巣穴bがあり、そこにもイタチが出入りしていたのですが、撮影機材が足りなくて2つの巣穴a,bを同時に監視できません。 
ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で登場したシーンをまとめました。


シーン1:1/23・午前4:22(@0:04〜) 
夜明け前に、タヌキが根曲がり巣穴aに巣穴に頭を突っ込んでいました。
この後でタヌキが巣穴aの中にしっかり入ったかどうか、見届けられず、残念でした。
わずか2秒間の短い動画しか撮れていなかったからです。 
電池の残量は充分にあるはずなので、miniSDカードの異常(書き込みエラー)なのでしょう。 

しかも、実は画面の下端の地面にモリアオガエルの死骸が転がっているのに、空腹のはずのタヌキは、その場で食べたり持ち去ったりしませんでした。 
雑食性のタヌキは、腐肉食性でもあるのに、見逃したのが不思議でした。
死んだカエルの匂い(かすかな死臭)に気づかなかったのか、それとも警戒した(罠を疑った)のかな?


シーン2:2/5・午前0:52(@0:08〜) 
翌月になり、雪がまた少しだけ積もりました。 
深夜に左奥の獣道から登場しかけたタヌキが、監視カメラの存在(あるいは、かすかな物音)に気づいてフリーズしています。 
風の匂いを頻りに嗅いでから、左に引き返してしまいました。 
湿った雪質の雪面にタヌキの足跡が残りました。

監視カメラを根曲がり巣穴aからもう少し離して設置すれば、タヌキに警戒されずに撮影できるのは分かっています。
しかし、周囲に色々と障害物があるため、どうしても無理なのです。
藪に隠れた安全な場所を選んで営巣していることに、当然のことながら感心します。



野生ニホンザル♀の同性愛行動#2(若い♀同士の抱擁、マウンティング、正常位の擬似交尾など)

 

2023年12月中旬・午後15:55頃・くもり 

夕方に山麓を遊動する野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを慎重に追跡していたら、太い風倒木(樹種はオニグルミ、隣の立木はハンノキ)の上に並んで毛繕いしているペアを見つけました。 
相互毛繕いではなく、片方の個体が一方的に甲斐甲斐しく毛繕い(ノミ取り)しています。 

気持ち良さそうに目を瞑って毛繕い(頭皮マッサージ?)を受けていた個体が急に顔を上げると、互いに対面したまま抱き合いました。
抱擁(ハグ)したまま相手を押し倒すと、下になった個体が腰を動かして陰部を相手に擦り付けました。 
正常位の性行動(疑似交尾)と思われます。 
倒木上で仰向けに寝た個体は、ゴツゴツして寝心地が悪いと思うのですが、短時間で終わりました。 
続けて、再び対他毛繕いに戻りました。 

このとき私が立っていた地面の足場がとても不安定で、猿の手前にある枝が撮影の邪魔だったこともあり、動画を撮りながら少し移動しました。
(映像がひどく手ブレして申し訳ありません。) 
幸い、ニホンザル♀のペアは私が動いても、すぐには逃げ出しませんでした。 

次にペアの一方が立ち上がると、パートナー♀の背後に回り込み、マウンティングしながら腰を動かしました。(pelvic thrust) 
マウントされた♀は、振り返って相手の顔を仰ぎ見たものの、両手は倒木の上に付いたままでした。 
最後の点が、典型的な異性間交尾時の♀の行動とは違いました。
(片手で♂の体に触れたり引き寄せたりするはず) 
短い疑似交尾が終わると、ペアは倒木上で再び対面で座り抱き合いながら体を軽く揺すりました。 
このとき口を少しもぐもぐ咀嚼しています。 
頬袋の中に詰め込んでおいた食料を食べているようです。 

無粋な出歯亀(私)がじっと見ているせいで落ち着かないのか、倒木上のペアが移動を始めました。 
倒木から地面に降りる際に股間がちらっと見えて、ようやく性別が♀と分かりました。 
尻の色が真っ赤ではなくてピンクだったことから、発情していない若い♀のようです。 

もう1頭も倒木から降りて、パートナーを追いかけました。 
土手の途中で追いつくと、背後からマウンティングしました。 
今回も両足を相手の膝の裏に乗せてマウントし、腰を動かしました。 
マウントした個体の股間に睾丸が見えないことから、やはり♀同士のようです。 
マウンティングを終えた直後に、目を凝らしてよく見たのですが、マウントされた♀の尻に白い精液は付着していないようです。(異性間の交尾ではない) 

土手を登って用水路沿いの小径に移動すると、横に並んで座って一方的な対他毛繕いを始めました。 
手前にあるオニグルミの倒木が邪魔で見えにくいのですが、その背後でニホンザル♀のペアが再びマウンティングしました。 
このとき、マウンティングの攻守交代をした点が興味深く思いました。(異性間では決して見られない?)
今回も、マウントされた個体は振り返って相手を仰ぎ見るだけで、パートナーを片手で掴んで引き寄せる動きはしませんでした。 

マウンティングの次は、また熱い抱擁に戻りました。 
♀同士でよくみられるこの行動を、ニホンザルの研究者は「ハグハグ」と呼んでいるのだそうです。(※ 追記参照)
一素人の擬人化した解釈ですが、ハグハグは♀同士の前戯のようなもので、性的な興奮が高まるとマウンティング(後背位)や正常位に移行するようです。 
ハグハグから相手を押し倒し、正常位になりました。 
今度は倒木の上ではなく地面なので、仰向けになっても安定していて背中が痛くありません。 

私に気づいたようで、警戒した個体が左奥へ歩き去り始めました。 
それを追いかけた別個体が背後からマウンティングしました。 
マウントを止めた若い♀のペアは、用水路沿いに設置された転落防止のフェンス(金網)を相次いで身軽に登り、手摺を伝って歩き始めました。 
ここで群れの仲間と合流したことになります。 
それまで、群れの仲間は若い♀同士の同性愛行動に何も干渉しませんでした。 

 仲間が何匹も手摺に並んでいた。♀aもフェンスを登って手摺へ。 用水路の対岸の林縁から伸びた落葉性広葉樹(クリ?)の枝に飛びつくと、ターザンのようにブランコ遊びをしながら、対岸に渡りました。 

この辺りから私はもう誰が誰だかニホンザルを個体識別できなくなりました。
手摺に座って体を掻いていた個体が振り返って仲良しのパートナーを見つけると、駆け寄りました。 
フェンスから地面に相次いで戻ると、そのまま地上でマウンティングしました。 
フェンスの手摺(断面が丸い、金属の横棒)の上では足場が不安定で、マウンティングしたくてもできないのでしょう。 
マウンティングに続けてハグハグを繰り返したということは、♀同士のようです。 

私が少し移動してペアに近づき、なんとか撮影アングルを確保しました。 
(ちょっとだけ目を離して空白時間があったので、さっきと同一の♀ペアかどうか確証がありません。) 
ペアは相変わらず水路横の小径に座り、対面でハグハグしていました。 
立ち上がると背後からマウンティングしました。 
このとき♀の外性器はピンク色でした(未発情)。

マウントを解除した2頭は、相次いで横のフェンスによじ登り、手摺から頭上の落葉樹の横枝に飛びつきました。 
先行個体は、枝にぶら下がったままターザンのように対岸のフェンスに移り、地面に降りました。 
ところが後続個体は体重が軽いのか、ブランコの振幅が小さくて対岸のフェンスには手が届きませんでした。 
どうするのかと思って見守ると、臨機応変にそのまま横枝をよじ登ってから、対岸のスギ横枝に飛び移りました。 
無事に対岸の地上に降りると、先行するパートナーの後を追って遊動を続けます。 
ニホンザルの群れは、全体としてねぐらとなる森を目指しているようでしたが、私が追いかけるので警戒してどんどん逃げているのかもしれません。 

ニホンザル♀同士の同性愛行動を観察したのはこの日が始めてでした。
しかも、同じ山系の少し離れた地点で同じ日に何度も観察できたので、とても興奮しました(interestingという意味で)。 

関連記事(同日の撮影)▶  

もしかすると、発情期なのにこの群れには成獣♂が居なくて(♂不足)、交尾相手の♂が見つからない♀たちが性的に欲求不満になっているのかと、現場では安直に推測しました。
猿害対策でなぜか♂ばかりが駆除されてしまったのか、などと先走って考えたりもしました。 
ところが、この日に撮れた動画をすべて見直すと、発情した成獣♂(αアルファ♂?)も群れと一緒に遊動している様子がしっかり写っていました。 
この日♀の同性愛行動を初めて撮影できて夢中になっていた私は、♂の存在が目に入らなかった(記憶に残らなかった)ようです。 


※ 夕方で薄暗いので、動画の画質が少し粗いです。 


※【追記】
今回見られた前戯のような抱擁は、ハグハグ行動と呼ばれるのだそうです。 
少し長いのですが、文献検索で見つけた学会発表の抄録を引用させてもらいます。
中川尚史, et al. ニホンザルにおける “ハグハグ” 行動パタンの地域変異. In: 霊長類研究 Supplement 第 22 回日本霊長類学会大会. 日本霊長類学会, 2006. p. 28-28.

 

【抄録】演者のひとり下岡は、金華山のニホンザルの“ハグハグ”行動について報告した(下岡、1998)。“ハグハグ”は、「2個体が対面で抱き合い、お互いの体を前後に揺さぶる行動」であり、以下のような特徴が認められた。1)2個体の行動が同調する、2)リップスマックを伴う、3)平均持続時間は17秒である、4)主にオトナ雌によって行われ、血縁の有無によらない、5)グルーミングの中断後や闘争後に見られる。以上の特徴から下岡はこの行動には、個体間の緊張を緩和する機能があると考えた。本発表では、金華山の“ハグハグ”行動と相同と思われる行動が屋久島のニホンザルでも観察されたので報告する。 当該行動は、2005年9月から12月、屋久島西部林道域のニホンザルE群を対象に、演者を含む総勢8名で行った性行動の調査中に観察された。 観察された行動は、下岡が報告した1)~5)の特徴、および機能を持っており、“ハグハグ”と相同の行動とみなすことができた。しかし一方で、行動パタンにわずかな変異が認められた。屋久島の“ハグハグ”も「2個体が抱き合い、お互いの体を前後に揺さぶる行動」であるが、必ずしも「対面で抱き合」うのではなく、一方の個体は他方の側面から抱きつく場合があった。さらに、屋久島の“ハグハグ”は、他個体を抱いた手を握ったり緩めたりいう動作を伴ったが、金華山ではそうした動作は見られていない。 行動の革新が見られ、集団中に伝播し、世代を超えて伝承することを文化と定義すれば、文化の存在を野生霊長類で証明することはかなりの困難を伴う。そこで、1)行動の地域毎の有無、2)行動を示す個体の増加、3)行動のパタンの一致などがその傍証として用いられてきた。金華山の“ハグハグ”とは微妙に異なるパタンで屋久島においても相同の行動が発見されたことは、上記3)の文化の傍証に相当する。今後、1)、2)の傍証についての情報を収集していく予定である。

今回の私の撮影地は山形県で、鹿児島県の屋久島よりも宮城県の金華山にずっと近いです。 ハグハグ行動のパターンが、金華山の個体群と近い事がわかりました。 
屋久島の個体群で記述されたハグハグのバリエーションとは全く違います。
ハグハグが緊張緩和のための行動という解釈には、個人的に納得できません。
今回、私の耳には、同性愛行動に耽るニホンザル♀の鳴き声やリップスマック(唇で鳴らす音)をまったく聞き取れませんでした。 


【追記2】
観察に不慣れな私が若いニホンザル♂を♀と誤認しているだけかもしれません。
だとすれば、同性愛でない可能性が出てきます。
子猿♂は睾丸が未発達だとしたら、私には性別を見分けるのはお手上げです。

2024/12/29

夜明け前の雪山をうろつく冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  

2024年1月下旬・午前5:10頃・気温−2℃・日の出時刻は午前6:43 

雪の積もった里山で杉の根元にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の塒(ねぐら)を自動センサーカメラで見張っていると、夜明け前に真っ白な冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が現れました。 
この地点でノウサギは初見です。
現場は、画面の手前から奥に向かって斜面が下り坂になっているスギ植林地です。 

ノウサギは立ち止まって長い耳をそばだたせ、スギの木から垂れ下がっている細長い蔓の匂いを嗅ぎました。 
やがて、凍った雪面をゆっくり右へ移動し始め、最後は雪の斜面を駆け下りて行きました。 


つづく→

アップルミントに訪花するシロオビノメイガ(蛾)

 

2023年9月上旬・午後14:55頃・くもり 

堤防路に咲いたマルバハッカ(別名アップルミント)の群落でシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が訪花していました。 
触角を小刻みに動かしながら吸蜜しているようですが、後ろ姿で肝心の口吻が見えません。 
アップルミントの白い花穂に対して下向きに止まっているため、翅の面にしっかり正対して撮れないのも、もどかしいです。 
後半に自ら方向転換してくれたのですが、そのときには口吻を伸ばしてはいませんでした。 

その後、私が近くの茂みをうっかり足で揺らしてしまったせいで、警戒心が強いシロオビノメイガは、花や葉の陰に隠れてしまいました。 

この組み合わせで、吸蜜シーンのもっと良い映像が撮れたら、差し替えます。

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