2016/07/30

毛虫を狩り肉団子を作るホソアシナガバチの一種♀



2016年6月上旬

山間部の道端に生えた灌木(ヤマボウシ??)の葉にホソアシナガバチの一種のワーカー♀が乗っていました。
毛虫を狩った直後だったようで、獲物を解体して毛皮を剥いで肉団子を作っています。
糞の詰まった内臓(消化器官)も選り分けて捨てています。
死臭をすばやく嗅ぎつけて、ニクバエがすぐ横で待機している他、微小のコバエも飛来しました。
獲物の正体は不明ですが、なんとなくクスサンの中齢幼虫かな?と勝手に想像しました。

毛虫の毛はアシナガバチから身を守る役には立ちませんでした。

そっと回り込んで肉団子作りを蜂の側面から撮影するのが精一杯で、ムモンホソアシナガバチ(Parapolybia indica)またはヒメホソアシナガバチ(Parapolybia varia)の識別ポイントである顔が正面から見れませんでした。
完成した肉団子を抱えて蜂は飛び立ち、帰巣しました。



夜フランスギクの花で寝るクサギカメムシ【暗視映像】



2015年5月下旬

農村部の道端に咲いたフランスギクの群落で深夜(午前1:45)、クサギカメムシHalyomorpha halys)が訪花していました。
初めは赤外線の暗視カメラでそっと撮ってみました。
現場は真っ暗ではなく、外灯の真下でした。

ビデオカメラの白色LEDライトを点灯しても、クサギカメムシは動きません。
しつこく照らすとようやく脚や触角がピクリと動きました。
吸汁しているかどうか、口吻の状態は確認できませんでした。


キリンソウの花蜜を吸うモンシロチョウ



2016年6月上旬

民家の花壇に咲いたキリンソウの群落でモンシロチョウPieris rapae)が訪花していました。
翅を閉じたまま吸蜜しています。
途中からもう一頭が登場し、仲良く花蜜を吸っています。




2016/07/29

巣材を集めるキアシナガバチ創設女王(黄紋変異個体)



2016年6月上旬

日没直前(午後19:00)の山麓で、スギの材木を垂直に立てた柱にアシナガバチが巣材集めに飛来しました。
時期的に単独営巣期の創設女王でしょう。
前伸腹節に黄紋が無いのでセグロアシナガバチと紛らわしいのですが、おそらくキアシナガバチPolistes rothneyi)の黄紋変異だと思っています。
この辺りに毎年生息する個体群の遺伝的特徴のようです。

樹皮をかじりとる様子を横から撮ろうとしたら、蜂はすぐに飛び去ってしまいました。
その後、暗くなるまでしばらく粘って待ち構えたのですけど、蜂は再訪してくれませんでした。
ちなみに、日の入り時刻は午後19:02。


ハルジオンの花蜜を吸うキタテハ【HD動画&ハイスピード動画】



2016年6月上旬

農道沿いに咲いたハルジオンの群落でキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。
夕方の陽射しを浴びて翅を開閉しながら一心不乱に吸蜜しています。

最後は花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました(@2:30〜2:43)。



2016/07/28

イタドリの葉を巻いた揺籃を点検して回るドロハマキチョッキリ♀



2016年6月上旬

山間部の道端でヒトの背丈よりも高く伸びた(>2m)イタドリの群落でドロハマキチョッキリ♀(Byctiscus (Byctiscus) puberulus)が揺籃を作っていました。
仕上げの段階なのか、♀はひたすら揺籃上をぐるぐると巡回、点検していました。
とても小さいながらも、緑色の金属光沢に輝く非常に美しい甲虫です。




同じイタドリの株の下の方に似たような揺籃が作りかけも含めて幾つもぶら下がっていました。
おそらく同一個体の♀が次々に作製したのでしょう。



途中からは三脚を立てて微速度撮影してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい(@2:44〜4:39)。

交尾したり♀をガードしたりする♂の姿は見当たりません。
ときどき休息したり身繕いしたりするものの、基本的にひたすらパトロールしているだけであまり面白くありません。
ぐるぐる歩き回ることが葉をきつく巻きつける行為になっているのでしょうか?
遂に完成した揺籃から離れて茎を下り、隣の葉の葉柄にて静止しました。



一仕事終えた♀が葉を食べているのか、それとも次の揺籃作りのために噛み傷をつけているのか、あまりにも高所のため様子が全く分かりません。
何枚も葉を寄せ集めて細長くて大きな葉巻型のゆりかご(揺籃)を作るのが本種の特徴です。
したがって、新しい葉を萎れさせて揺籃に更に追加して巻きつけるのかもしれません。
移動してきた葉は虫喰い穴だらけなので、普通に考えれば揺籃作りの材料に選ばれないと思うのですが、ドロハマキチョッキリは無頓着なのかな?

やがて日も暮れかけてきました。
気温の下がる夜はここで寝るのか、それともドロハマキチョッキリ♀は徹夜で作業を続けるのですかね?
観察を続けたいのはやまやまですけど、ビバークする用意をしていなかったので泣く泣く観察を打ち切って下山しました。
イタドリの背丈が非常に高いため、採集は断念。
本種の揺籃作りの一部始終を観察しようとすると、他のオトシブミ類よりもおそろしく長い時間がかかりそうです。

海野和男『ポケット図鑑:昆虫』p161によると、ドロハマキチョッキリは

夏は前蛹で過ごし、8月末に蛹となり、秋の初めに羽化し、ほんの少し活動した後、土中で越冬する。




つづく


コベニスジヒメシャク?(蛾)の吸水



2016年6月上旬

山麓の道で沢の水が流れ込む濡れた路上に、おそらくコベニスジヒメシャクTimandra comptaria)またはその仲間と思われる蛾がペタリと止まっていました。
背面からでは肝心の口吻の状態が見えないのですが、水を飲んだりミネラルを摂取しに来たのでしょう。

本種成虫の口吻が退化しているかどうか、私は知りません。
もしその場合は解釈に困るのですが、打ち水したように気化熱で涼しい路面が気に入ったのでしょうか。





2016/07/27

シロツメクサの花で採餌するセイヨウミツバチ♀



2016年6月上旬

郊外の道端に咲いたシロツメクサの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。
花から花へと忙しなく飛び回るものの、後脚の花粉籠は空荷でした。
意外にもこの組み合わせは初撮りです。

『昆虫の集まる花ハンドブック』p55によれば、

(シロツメクサの)個々の花の雄しべ雌しべは白い花びらのケースに包まれ、外からは見えない。蜜を吸うにはケースを押し下げる必要がある。それができるのは、活動的に花から花へと飛ぶハナバチの仲間。こうして花を操作できず、移動性の低いアブや甲虫を花から排除した。




ハルジオンの花蜜を吸うヒメシジミ♂



2016年6月上旬

峠道の道端に咲いたハルジオンの群落でヒメシジミ♂(Plebejus argus micrargus)が訪花していました。
翅を閉じて吸蜜しながら、くるくると向きを変えてくれました。
飛び立つ瞬間にようやく青い翅表が見え、♂と確定。



2016/07/26

カラスに執拗な擬攻撃を受けるノスリ(野鳥):絶体絶命の空中戦で起死回生の秘策とは?



2016年6月上旬

今回のタイトルは大喜利のお題みたいですが、非常に興味深い映像が撮れました。

農村地帯の上空でカラスの群れが1羽の猛禽類を追い回していました。
カラスはモビング(擬攻撃)しながら鳴き騒いでいます。

必死で逃げている猛禽類の翼の下面を見るとノスリButeo japonicus)と判明。
一方、カラスの方はハシボソガラスとハシブトガラスのどちらなのか、遠過ぎて見分けられませんでした。
ちなみに、この辺りの優占種はハシボソガラスです。

モビングの最中に何か小さな物が一緒に写っています。
カラスが空中戦で毟り取ったノスリの羽根がひらひらと舞い落ちているでしょうか?
擬攻撃はあくまでも攻撃するふりだけの筈では?!
映像を見直すと、カラスと直接的な接触があった訳でもないのに突然、ノスリの羽が3枚抜け落ちて青空にパッと散りました。(@0:18)
ノスリが獲物を手放した可能性も検討しましたが、たぶん違うと思います。

2羽のカラスは勝ち誇ったように、落ちて行くノスリの羽根と空中で戯れ始めました。
これを見た私は、トカゲの尻尾切り(自切)を連想しました。
空中戦ということで、まるで現代の戦闘機が戦闘中に敵の目を逸らす欺瞞のため意図的にデコイフレアチャフなどを放出したようで、興味深く思いました。
犬猿の仲であるカラスの習性を熟知したノスリが咄嗟に尾羽根(?)を意図的に脱落させたのだとしたら非常に面白いのですが、おそらく空中戦で羽根の性能限界を超える無理な方向転換を繰り返したせいでしょう。

(直前にカラスの攻撃で羽根に直接ダメージを受けていた可能性もあります。)

そのまま2羽のカラスはモビングを止め、高圧線の鉄塔の方へ飛び去りました。
おそらく天敵の猛禽類から巣を守る防衛行動だったのでしょう。

その直後に別のカラスが単独でノスリへのモビングを始めました。
空高く帆翔・旋回するノスリは、行く先々でカラスに追われてるようです。

この空中戦でもあわや接触というタイミングでノスリが羽根を1枚放出しました。(@1:32;肝心の瞬間がピンぼけです)
しかし、今度のデコイ作戦はしつこいカラスに通用しませんでした。(カラスの気を逸らすには1枚の羽根では足りない?)


【追記】
YouTubeのコメント欄にてQuitLife氏より鋭い指摘を受けました。
I think the buzzard actually plucked those feathers from the crow.
スロー再生で何度も見直してみると、確かに直前の空中戦で接触した際に反転したノスリが足の爪で反撃しカラスの羽根を毟り取ったようにも見えました。
しばらく飛んでから掴んでいたカラスの羽根をノスリが意図的に放出したのでしょう。
このシナリオなら自然ですし、私も納得できます。
何かを掴んだまま飛んでいると変な空気抵抗を受けるので、危なくなったら手放すのかもしれません。


舞い落ちるノスリの羽根

濡れた路上で吸水するサカハチチョウ春型



2016年6月上旬

春型のサカハチチョウAraschnia burejana)が吸水していました。
場所は山道を登り始めた地点で、沢が流れこむため暗渠のすぐ横の路面がいつも濡れています。
午後の日光を浴び、翅を開閉しながら吸水しています。

翅が左右非対称に見えるのが気になりました(左>右)。
翅を広げる角度が左右違っているだけかと思いきや、前翅の翅頂が重なりません。
羽化不全個体だったり、もしかするとギナンドロモルフ(雌雄モザイク)だったりして…?
飛翔能力には影響ないようです。






2016/07/25

高圧線の鉄塔に営巣するハシボソガラス(野鳥)



2016年6月上旬

高圧線の鉄塔に営巣したハシボソガラスの定点観察#1


郊外に送電する高圧線の鉄塔a#21にハシボソガラスCorvus corone)が営巣していました。
鉄塔の上部に小枝を組み合わせて丸い座布団のような巣が作られています。
私が下からカメラを向けた途端に、カラスが巣から飛び去りました。

営巣段階がどのぐらい進んでいるのか、下から見ても全く分かりません。
造巣を始めたばかりなのか、抱卵中なのか、それとも既に雛鳥が孵っているのでしょうか?

親鳥はすぐに巣へ戻ってきました。(帰巣シーンは撮り損ね)
巣に座ってキョロキョロ辺りを見回している親鳥の細い嘴が見えたので、このとき初めてハシボソガラスと分かりました。
次に出巣したのは私が構えていたカメラを下ろした瞬間だったので、やはりかなり警戒しているようです。

電力会社にすぐ駆除されそうですが、定点観察に通ってみます。

実は高圧線を支える一つ隣の鉄塔bにも同様の巣を見つけたのですけど、使われている様子はありません。(写真は次回)
カラスの偽巣(dummy nest)なのかな?

『カラスは街の王様だ』p13によると、

ハシボソガラスの巣は落葉広葉樹やマツなどの明るい樹枝上に割と開放的に作られるのに対し、ハシブトガラスではクスなどの常緑広葉樹の樹冠部の茂みにひっそりと作られる傾向がある。(中略)巣の高さは、警戒心の強さを反映してか、一般にハシブトガラスの方が高い。

同書p143によると、

カラス類では、偽巣と呼ばれる、実際には使用しない巣を造ることがよくある。



【追記】

松原始『カラスの教科書』p48によると、
(ハシブトガラスおよびハシボソガラスの)両種ともに好きなのは高圧送電線の鉄塔だ。営巣場所などいくらでもありそうな場所でさえ送電鉄塔に営巣している場合があるから、「他になくて仕方なく」とも限らない。普通は巣が見えるのを嫌うハシブトガラスでさえも、だ。あからさまに、どこから見ても丸見えだと思うのだが、カラスの基準ではあれで「囲まれている」事になるのだろうか。高さがあれば、見えても巣が守れるからいいのか。



つづく→#2:親鳥が巣から雛の糞を捨てに行く



ノイバラの花で採餌するハイイロヒゲナガハナバチ♀?



2016年6月上旬

畑の農道沿いに咲いたノイバラの群落で、なんとなくハイイロヒゲナガハナバチ♀(Eucera (Eucera) sociabilis)っぽいハナバチが訪花していました。
後脚の花粉籠に橙色の花粉団子を付けています。

高速で忙しなく飛び回り採集も失敗したので、蜂の名前は自信がないです。
もし間違っていたらご指摘願います。




2016/07/24

ミズナラに形成したナラメリンゴフシ【虫こぶ】#1



2016年6月上旬

虫瘤ナラメリンゴフシの定点観察記録#1


山間部の道端に生えたミズナラの幼木で枝先に大きな虫こぶ(虫えい、虫瘤)を見つけました。
大きさはピンポン球ぐらいで表面はやや桃色に色づいて張りがあり、上部は割れていました。
帰ってから調べてみると、虫こぶの名前はナラメリンゴフシと判明。
ナラメリンゴタマバチ(Biorhiza nawai)の両性世代がナラ類の芽に形成した虫こぶらしい。

『昆虫コレクション』p67によると、

(ナラメリンゴフシは)日の当たるところは赤くなり、よく目立つ。

虫こぶを採集して飼育してみようか、切って中を調べてみようか、しばし悩みました。

私が枝を切ってしまうと水揚げに失敗するリスクがあります。
もし枝が枯れると虫こぶの成長が止まってしまうのか、中のタマバチも死んでしまうのかどうか、知識がうろ覚えで分からなかったのです。
色々と忙しくて手が回らないので、このまま現場に残して通りかかる度に定点観察してみることにしました。

つづく→#2:ナラメリンゴタマバチの羽化?



樹上で羽繕いするカワラヒワ(野鳥)



2015年6月上旬

平地の川沿いに生えた柳やケヤキなどの樹上でカワラヒワCarduelis sinica minor)が羽繕いしていました。
複数個体を撮影。


カワラヒワ@柳樹上
カワラヒワ@ケヤキ樹上

アカガネサルハムシとクロヤマアリ♀の喧嘩【ハイスピード動画】



2016年6月上旬

アカガネサルハムシAcrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii)の飛び立ちを240-fpsのハイスピード動画で撮ろうとしていると、偶然に面白い対決シーンが記録されていました。
クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀がやって来て背後から大顎でつついたり噛み付こうとしています。
一方的に攻撃されても、硬い鞘翅で身を守られたアカガネサルハムシは動じません。
なぜか尻切れトンボの映像になってしまったのが残念です。


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