2023/04/08

路上で毛繕いする野生ニホンザル♀♂にどれだけ近づけるか「ダルマさんが転んだ」チャレンジ!

 



2022年10月上旬・午後13:55頃・くもり 

山間部の峠道にニホンザルMacaca fuscata fuscata)の♀♂ペアが居座って、長々と相互毛繕いしています。 
普段の私なら離れた位置に留まって野生動物を動画でじっくり長撮りするのですが、この日はどうしても猿の横を通り過ぎて道を先に進まないといけない用事があり、少し急いでいました。 
どのぐらい効果があるか分かりませんが、ニホンザルを警戒させないように、まず迷彩柄のマスクを装着しました。 
猿が油断して2頭とも下を向いたときに忍び足でゆっくり近づき、顔を上げたら停止する、という「ダルマさんが転んだ」作戦のスタートです。 
逃げられても仕方がないと思いつつやってみたら、「餌付け」しなくても至近距離(2〜3m)まで近づくことができました。 
ブラインドに隠れるのではなく、野生動物に自分の身をあえて晒して丸見え状態で慣れてもらう「ヒト付け」はフィールドワーカーの達人の極意ですが、その真似事に成功したようです。 
もしかすると、これまで山中で何度も遭遇したことのある群れの一員で、私のことはすっかり顔馴染みだったのかもしれません。(「またアイツか…」) 

注意点としては、餌を決して与えないことと、決して猿の目を直視しないことです。 
手元のデジカメのバックモニターまたはファインダーを常に見るようにします。 
ニホンザルと直に視線を合わせてしまうと、彼らの世界では喧嘩を売ってることになります。 
「何だてめぇー、ガンつけやがったな!」
女子供の場合は怒った猿に襲われるリスクさえありますから、真似するときは自己責任でご注意ください。 
女性や子供は大人の男性に付き添ってもらうか、サファリパークのように車中から観察するようにした方が安全でしょう。
(私が女子供に差別意識がある訳ではなく、ニホンザルの習性として現実がそうなので、ヒトの世界のポリコレをニホンザルの世界に持ち込んでもどうにもできません。)
こちらが常にゆっくり動く姿を見せることで「いざとなったら自分たちの方が素早く逃げられる」という自信を猿にもたせることができます。
「鈍臭い奴だな〜」と良い意味で舐めてくれたら、ニホンザルに近づいても怖がらなくなります。

よほど私のことを人畜無害と信頼してくれたのか、互いに毛繕いしながらチラチラとこちらを見つつも、全く逃げようとしませんでした。 
目の前の路上に黄色い落ち葉がハラハラと舞い散っても、ニホンザルは気にしません。 
後半はさすがに緊張したように起き上がって逃げ腰になりましたが、それでも対他毛繕いを続けています。
ひょっとすると私から餌をもらえるのかと期待していた可能性もありますが、深刻な猿害問題を知っている私は野生ニホンザルに給餌したことは一度もありません。






草刈り後の河川敷で干し草をついばむカルガモの群れ(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後16:05頃・晴れ 

河川敷で草を刈った後の干し草の束が点々と散らばっています。 
普段は川の中に居る留鳥カルガモAnas zonorhyncha)が河川敷に上陸して、群れでゆっくり歩きながら干し草から採食していました。 
カルガモは超普通種なのに、こんな採食行動は初めて見ました。 

牛や馬のように干し草そのものをムシャムシャと食べているのではなく、干し草の下に嘴を突っ込んでガサゴソと左右に細かく動かし、何かを食べています。 
おそらく枯れ草の種子を食べているのでしょう。(種子食) 
干し草の下に隠れているコオロギなどの昆虫もついでに捕食しているかもしれません。 
青々とした草の葉(クローバー?)の先端を嘴で毟り取り、少し食べることもあるようです。 
よく見ると舌を高速で出し入れしているようですし、ハイスピード動画で撮ればよかったですね。 

私が立ち止まってしつこく撮影しているせいで警戒したのか、カルガモ4羽の群れはさり気なく遠ざかり、後半は奥にある堤防の方へ(干し草地帯から芝生地帯へ)行ってしまいました。 

一緒に採食しているカルガモの群れをよく見ると、横から見た翼の白い縁取りの前に青い羽根が見える個体と見えない個体がいることに気づきました。
これで成鳥と幼鳥の違いや性別などを見分けられたりするのでしょうか?
個々の羽根にも鳥類学的に正式な名称がありそうですが、私は未だ勉強不足です。

※ 時系列順ではなく、素材の順番を入れ替えました。 
冒頭のシーンなどは曇りに見えますが、奥にある堤防で西日が遮られているだけで、秋晴れの夕方でした。 


2023/04/07

夜の雑木林で斜面を歩くザトウムシをコウモリが襲う?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月上旬・午前4:13 

雑木林の山腹を自動撮影カメラで監視しています。 
冒頭シーンは明るい昼間に撮った現場の状況です。 
画面の右上隅が泥汚れの付いたカラマツの根元になっています。 

深夜に何かが高速で横切りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、どうやらコウモリが低く飛来したようです。 
その直前に謎の虫が左の斜面を登っていて、そのすぐ上を掠めるように一瞬遅れてコウモリが飛びました。 
狩りを試みて失敗したのかな? 

後半は斜面を徘徊するザトウムシの一種が写っていました。 
赤い丸で囲んだ位置に注目してください。(@0:29〜) 
細長い歩脚でヒョコヒョコと林床を歩いています。 
ザトウムシは変温動物ですから、本来ならトレイルカメラの前を横切っても起動しないはずです。 
たまたま恒温動物のコウモリが飛来した直後なので、ザトウムシの活動がついでに記録されていました。 

コウモリがザトウムシを狩る決定的瞬間がいつか撮れないかな〜?と密かに期待しているのですけど、コウモリの超音波でザトウムシのような特殊な体型の虫を探知して狩ることができるのでしょうか?

トレイルカメラで撮影するようになって分かったことは、山林のどこに設置してもザトウムシが結構頻繁に写るということです。 
その一方でクモ類は、造網性クモしか写ったことがありません。 
夜の林床は徘徊性クモではなくザトウムシの天下なのでしょうか。 
考えてみると徘徊性クモは視覚に頼って獲物を狩るので、完全な昼行性なのでしょう。
ザトウムシの飼育も一度はやってみたいと思いつつ、余力がなくて先延ばしになっています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

ヘビの死骸に群がるヨツボシモンシデムシとヤマトマルクビハネカクシ

 

2022年10月上旬・午後14:15頃・くもり 

蛇行しながら山を登る舗装路にヘビの死骸が転がっていました。 
横断中に走ってきた車に轢かれたようで、ペシャンコに潰されて干物のように乾いていました。 
周囲はスギの植林地です。 
頭部が食い千切られているのは猛禽の仕業でしょうか? 

1匹のヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)がヘビの死骸の傷口に頭を突っ込んで死肉を貪っていました。 
その体表を薄ピンク色の微小なダニが徘徊しています。 
他には微小なアカアリ(種名不詳)もヘビの死骸に来ています。 
私が死骸に近づいたら、集まっていたハエ類はほとんど飛んで逃げてしまったのですが、ニクバエとキンバエの仲間が1匹ずつ戻って来ました。 

死んだヘビの背面を見たかったので死骸を裏返してみると、ゴキブリのような艶のある茶色をした謎の虫が死骸の下から慌てて逃げ出しました。 
よく見るとゴキブリではなく甲虫で、翅の短いハネカクシの仲間でした。 
後で調べてみると、どうやらヤマトマルクビハネカクシTachinus japonicus)という種類のようです。 
飛んで逃げることはなく、路上をしばらく走り回ると、死臭を頼りにロードキルに再び戻って来ました。 
干物のように乾いたヘビの死骸を早速齧り始めました。 

白い腹面を向けて(仰向け)いた死骸を裏返して背面を見ても特徴に乏しく、何という種類のヘビか私には見分けられませんでした。 (どなたか教えてください。) 
鱗が白っぽい薄皮に覆われているのは、死後に路上で急速に乾燥したせいなのか、あるいは脱皮の直前に死んだのかな? 
そのため生前の模様が分かりません。 
薄っすらと縦縞が見えるので、シマヘビですかね?(自信なし) 
全体的に干からびていて、「鮭とば」を連想しました。 

撮影後にヨツボシモンシデムシとヤマトマルクビハネカクシを採集しました。 
以下に標本の写真を掲載する予定です。 
ヨツボシモンシデムシは普通種ですけど、鞘翅の裏面が何色なのかずっと気になっていたので調べてみるつもりです。
▼関連記事(4年前の撮影)  
ヒミズの腐乱死体に飛んで集まるヨツボシモンシデムシ
ヨツボシモンシデムシをヘビの死骸と一緒にお持ち帰りして飼育してみたいところですが、この日はタッパーウェアなどの密閉容器を持ってきてませんでした。

2023/04/06

夜の林道で幼獣を引率してミゾソバを一緒に採食するニホンカモシカ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年10月上旬・午後23:00頃 

里山の林道で水溜りのある区間をトレイルカメラで監視していると、深夜にニホンカモシカCapricornis crispus)の親子が通りかかりました。 
ちなみに、冒頭のシーンは数日前の明るい昼間に撮った現場の様子です。 
画面の右に水溜りの泥濘があります。 
林道一面にミゾソバなど湿った土壌を好む下草が覆い尽くしています。 
画面の奥(上)は林道脇の法面(斜面の山側)になっていて、カメラの背後が斜面の谷側です。 

まず初めに、カモシカの成獣が林道を右から現れました。 
水溜りの手前でミゾソバを採食しています。 
半身になってくれたのですが(@0:30〜)、右肩に黒点はありませんでした。 
右から左へ林道をゆっくり移動しながら採食を続けています。 
林道の右端を歩くので、林道脇の法面に生えた雑草もたまに食べています。 

やがて、画面の右端から幼獣が登場します。(@2:34〜) 
親子のペアなので、先行する成獣はおそらく♀だろうと判明しました。 
暗闇でカモシカの母子がつかず離れず採食行動しているのに、コンタクトコールで互いに鳴き交わしていませんでした。 
月明かりがあるのかと思い調べてみると、この日は月齢7.2の半月で、撮影時刻は月が沈んだ後でした。 
つまり、月明りは無かったことになります。 
辺りは鬱蒼とした雑木林の山林ですから、たとえ晴れていたとしても星明りもほとんど届かない闇夜ではないかと思います。 

その後はニホンカモシカの母子が仲良く並んでひたすら採食しています。 
幼獣の体高は、母親の半分ぐらいでした。 
以前、この林道の下草が延々と泥で汚れているのを見つけたのですが、てっきりイノシシが泥浴びをした後に走り回ったからだと思い込んでいました。 
関連記事(1ヶ月前の撮影)▶ ニホンイノシシによる泥汚れ?(2)獣道の下草
ひょっとするとイノシシの仕業ではなくて、体高の低いカモシカ幼獣が母親について林道を歩き回った痕跡かもしれない、と今回の映像で気づきました。 
もしも幼獣の腹の毛が泥水で濡れていれば、下草にも擦れて泥汚れが付きそうです。 

カモシカ幼獣の背中には「ひっつき虫」が大量に付着しています。 
獣道の茂みを通った際に草の実がカモシカの毛皮に付着し、遠くに運ばれて種子散布されるのでしょう。 

採食の合間に幼獣が右後脚の蹄?で右首?(耳?)を掻き、身震いしました。(@4:27〜) 
ヤブ蚊など吸血性の昆虫に刺されて痒かったのでしょう。 

先行する母親が林道を左に立ち去りかけると、後に続く幼獣は眼の前にある母親の尻の匂いを嗅ぎました。(@5:22〜) 
授乳するかと思ったのですが、違いました。
カモシカのおっぱいは後ろ足の間にあり、赤ちゃんカモシカは、お母さんの後ろ足の内側に頬をくっつけるようにしてお乳を飲むのです。(武田修『ロッキーへの手紙』p19より引用)
もう完全に乳離れしているのでしょう。 
暗闇でうっかり母親にぶつかりそうになっただけのようです。
ちなみに、幼獣の頭部にはかなり短い角が生えかけていました。 

親子水入らずの採食シーンを自動撮影カメラの前で長々と披露してくれました。 
カモシカは草食獣有蹄類の中でも採食様式がbrowserに分類され、灌木の葉を主に食べると本には書いてあるのに、この動画では明らかにミゾソバなど草本植物ばかりを食べていました。 
画面の手前(林道の左端)に雑木林の幼木が点々と生えているのですが、その葉をカモシカ親子は全く口にしませんでした。 
少なくともこの時期はミゾソバが美味しい食べ頃(旬)らしく、カモシカは大好物なようです。 
ここは東北地方日本海側の多雪地帯でニホンジカ(採食様式grazer)は進出できませんから、カモシカには餌植物を巡って競合する強力なライバルが居ません。 
したがって、当地のカモシカは選り好みせずに機会があれば木の葉だけでなく草も食べる、ということなのかもしれません。
(grazerのニッチが空いていればカモシカも時にはgrazerのように草を採食する) 

※ 動画編集時に暗い映像は自動色調補正を施して明るく加工しています。 



ヒガンバナの花蜜を吸うキタキチョウ

 

2022年10月上旬・午後16:00頃・晴れ 

民家の庭に咲いたヒガンバナ(別名:彼岸花、曼珠沙華)キタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。 
真っ赤な花を咲かせるヒガンバナは季節の風物詩ですが、訪花昆虫を見たのはこれが初めてです。
とても嬉しい出会いでした。 
ヒガンバナに訪花する蝶と言えばクロアゲハの仲間という先入観があったので、黄色いキタキチョウとの組み合わせにちょっと驚きました。 
赤い花を訪れる蝶は珍しいので、その点でも興味深いです。
 
ヒガンバナの群落と言うほどではなく、庭に2本しか生えていなかったのに(そのうち1本は未だ蕾)、キタキチョウはヒガンバナの花蜜をよほど気に入ったようで、何度も飛び立っては同じ花序に舞い戻ります。
キタキチョウは翅をしっかり閉じたまま吸蜜します。 
クロアリ(種名不詳)も2匹ヒガンバナに訪花していました。

眩しい西日が逆光になってしまいましたが、反対側に回り込みたくても他人様の庭には勝手に入れないので、仕方がありません。 
 

2023/04/05

下草が生い茂る真夜中の林道で餌を探し歩くホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年10月上旬・午前2:50:頃 

画面の右端に黒々と写っている水溜りをトレイルカメラで見張っています。 
前回の映像とは逆方向から狙うようにカメラを設置しました。
ミゾソバなど湿地を好む下草が一面に繁茂する林道をホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が深夜に右から左へ歩いて行きます。 
頭を下げて鼻面で下草を掻き分け、匂いを嗅ぎながらゆっくり進みます。 
カモシカとは違って、タヌキはミゾソバそのものをむしゃむしゃと食べることはありません。 
獲物となる昆虫やカエルなどの小動物を探しているのでしょう。 
最後は林道を手前に渡り、画面の左下隅に消えました。 
どうやら谷へ降りて行く獣道を利用したようです。

クロバナヒキオコシで訪花吸蜜するクロマルハナバチ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年10月上旬・午後13:30頃・晴れ 

山間部の道端に咲いたクロバナヒキオコシの群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が訪花していました。 
鮮やかでカラフルな装いのクロマルハナバチ♂は私の特にお気に入りのマルハナバチです。
耳を澄ますと、羽音がかすかに聞こえます。 
この組み合わせは初見です。 
雄蜂♂は♀と違って集粉しませんから、当然ながら後脚に花粉籠はありません。 
吸蜜しながら身繕いすることもありました。 

マルハナバチは小さな脳で巡回セールスマン問題をどうやって解くのか?というのは面白い問題です。 
この個体♂はクロバナヒキオコシの群落の中で、隣の株に次々と移動して効率的に吸蜜していました。
「おおっ!」と感心したのも束の間、すぐに例外的な飛び方をしました。 
そうやって巡回経路を時々リセットするのも何か理由がありそうです。 
花蜜が枯渇している花には着陸する前にマルハナバチは匂いで気づいて回避できるのかな? 
自分が訪花した花にはフェロモンなどで匂い付けしておけば、無駄な重複訪花を避けて効率よく蜜源植物を巡回できそうです。 

訪花シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜) 
現場は昼間でも薄暗かったので、カメラの設定で明るさを上げてから撮影を始めたら、途中から日が射してきて困りました(逆に白飛び!)。 
吸蜜中のクロマルハナバチ♂は翅を半開きのまま、羽ばたきを止めています。 
クロバナヒキオコシの花から飛び立つと、長い舌を伸ばしたままホバリングしています。 
次の花に着陸しようと脚で掴んだら千切れてしまい、蜂ごと落花することもありました。 

花から花へ忙しなく飛び回るために、蜂にピントを合わせ続けるのが至難の業です。 
またクロバナヒキオコシの唇形花が小さいので、どうしても奥ピンになり勝ちです。 
飛び回る蜂の動きがあまりにも忙しなくて通常の動画では撮る気にならないような場合でも、ハイスピード動画に切り替えると、細切れでも意外にうまく撮れていることがあるのでオススメです。
ところで、最近デジカメのハイスピード動画の性能の進化は止まってしまったのでしょうか?
240fps以上のスーパースローが撮れる大衆向けの機種を待ち望んでいます。
 

2023/04/04

アリに噛まれて飛び起きたパートナー♀を心配するニホンザル♂

 



2022年10月上旬・午後13:50頃・くもり 

山間部の路上に寝そべってニホンザルMacaca fuscata fuscata)成獣♂から毛繕いを受けていた若い♀が急に飛び起きました。 
音量を上げて聞き直しても、前回とは違ってカケスGarrulus glandarius)の警戒声♪に反応した訳ではありません。 
その直前にも♀は自分の体の下の路面を気にしていたので、どうやら路上を徘徊していたアリの上に知らず知らず乗ってしまって、怒ったアリに噛まれたようです。
(この映像では遠くてアリは写っておらず、私の想像です。) 
ニホンザルは長い体毛に覆われていますから、体毛の間に潜り込まれたアリに皮膚を直に噛まれて痛がっているとは限らず、アリが毛皮を這い回るだけでもくすぐったくて嫌なのかもしれません。 

横に居た♂も驚いたものの、パートナー♀の身に何が起きたのかすぐに察したようです。 
心配そうに♀の顔や胸元を覗き込み、噛んだ虫を探しているようです。 
言語を使わないニホンザルでも共感性や気遣いの萌芽を垣間見たようで、興味深く思いました。 
もし♀の体に小さなアリを見つけたら、♂は蚤取りの一環として手で器用に取り除いて食べてしまったはずです。
しかし、ニホンザル♀♂が攻撃者を見つけて反撃・報復することはありませんでした。 

やがて♂は♀への対他毛繕いを再開しました。 
今度は頭部の毛を掻き分けて甲斐甲斐しく蚤取りをしています。 
私は動物の行動を安易に擬人化しないように心がけているつもりですけど、ニホンザルの行動を観察していると、ほとんどヒトと変わりません。
ヒトでは親が幼児に対して「痛いの痛いの飛んでいけ〜♪」 などと声を掛けながら慰めてやりますが、猿も仲間の痛む患部を撫でたりさすったりしてあげるのでしょうか?

最後に大柄な個体の股間に陰茎および睾丸が正面から見えたので、♂と分かります。 
睾丸が紅潮してないということは、未だ発情していないということを意味しています(繁殖期の開始は晩秋)。






川に飛来したカワウ若鳥が着水に失敗して転倒(野鳥)

 

2022年10月上旬・午後15:40頃・晴れ 

川の右岸にニセアカシア(別名ハリエンジュ)の倒木が連続している場所があり、カワウPhalacrocorax carbo hanedae)やカルガモAnas zonorhyncha)などの水鳥にとって格好の止まり木になっています。 
巣が並んでいる訳ではないので「カワウのコロニー」とは呼べませんが、大体いつもカワウが集まって休んでいます。
のんびり羽繕いしたり、カワウが濡れた翼を広げて乾かしたりしています。 

定点観察を終えた私がカメラをズームアウトしかけたら、上流から新たに1羽のカワウが低空で飛来しました。 
突風が吹いた訳でもないのに、着水に失敗しました。
右に旋回しながら着水しようとしたら、右に傾け過ぎた右翼の先をうっかり水面に引っ掛けてしまったのです。
片側から水の抵抗を急に受けたカワウは当然ながらバランスを崩し、もんどり打って転倒しました。 
カワウのこんな無様な(下手糞な)着水シーンは今まで見たことがありません。 
すぐに立ち直って川面を遊泳し始めたので、どうやら無事だったようです。 
もっとスピードが出ていたら、翼が骨折して致命的な大事故になっていたかもしれません。 
カワウ若鳥の着水失敗シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜)
潜水に特化した体型に進化したカワウは川から離陸するのも手間取りますし(助走が必要)、飛ぶのがそもそもあまり上手くないのでしょう。

水を飲みながら川面を泳いで渡り、仲間が集まる倒木に近づきます。 
すると先客のカルガモが遠慮して倒木から離れ、止まり場所をカワウに明け渡しました。 
体格では圧倒的にカワウ>カルガモなので、力関係もそうなっているようです。 
カルガモを追い払った新参のカワウは、倒木のすぐ手前でザブンと水浴してから飛び乗りました。 
新参のカワウが止まり木でこちら(上流側)を向いてくれたので、胸の羽毛が白い若鳥と判明。 
飛行経験が未熟なのも若さゆえ、ということで納得しました。 
着水直前に急旋回すると事故る、と学習したはずです。
もしかすると、着水直前に水中に岩や怪魚の姿を認めたカワウ若鳥が慌てて緊急回避した結果だったのかもしれません。

止まり木上で隣の個体と小競り合いのように牽制し合い、適切な距離を取って並びます。(ソーシャル・ディスタンス!) 
止まり木に合流した若鳥は早速、羽繕いを始めました。 

2023/04/03

道端から突き出た落枝の先端に眼下腺分泌物を連日擦り付けるニホンカモシカたち【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬〜10月中旬 

自動撮影カメラで見張っている里山のスギ林道を通りかかったニホンカモシカCapricornis crispus)の記録を15日間分まとめてみました。 

シーン1:9/26・午後20:42・気温18℃ 
林道を右から歩いて登場しました。 
道端の斜面から斜めに突き出しているスギ落枝の先端に軽く顔を擦り付けて眼下腺マーキングすると、左に立ち去りました。 


シーン2:9/27・午前10:41・気温20℃・晴れ (@0:18〜) 
右から左へ通り過ぎる途中、スギ落枝の匂いを嗅いで眼下腺マーキングして行きました。 


シーン3:9/27・午後17:01・気温19℃ (@0:40〜) 
同じ日の6時間20分後、カモシカがまた現れました。 
個体識別できていないので、同一個体なのか別個体なのか私には分かりません。 
日没前の夕方なのにスギ林の林床はかなり暗く、暗視モードで起動しました。 
ちなみに、日の入り時刻は午後17:32。 

いつものように林道を右から左へ通過する途中、スギ落枝に眼下腺の分泌物をゴシゴシと擦り付けて行きました。 


シーン4:9/28・午後14:18・気温20℃・晴れ (@1:02〜) 
明るい午後に林道を右から登場。 
今回は珍しく眼下腺マーキングせずに落枝を素通りしました。 


シーン5:9/28・午後23:36・気温15℃ (@1:09〜) 
同じ日の9時間20分後の深夜に、右から登場。 
顔をスギ落枝に2回擦り付けただけで、左へ立ち去りました。 


シーン6:9/29・午後18:05・気温19℃ (@1:22〜) 
林道を右から歩いて来たカモシカが溜め糞場sもスギ落枝も素通りし、そのまま左へ通過しました。 
この個体は幅の広い林道の中央を歩いたので、暗い夜道ではマーキング用のスギ落枝に気づかなかったのかもしれません。 


シーン7:10/1・午後13:53・気温22℃・晴れ (@1:31〜) 
明るい日中に林道を右からやって来ました。 
スギ落枝に眼下腺マーキングした直後のカモシカは、舌をペロペロと出し入れすることが多いようです。 


シーン8:10/1・午後19:06・気温18℃ (@1:56〜) 
同じ日の5時間10分後、珍しく画面の左下から登場しました。 
林道脇の法面(斜面)を降りてきたのかもしれません。 
まっすぐ林道を渡ると、スギ落枝の先端の匂いを念入りに嗅いで眼下腺マーキング。 
右折して林道を右に立ち去りかけたときに、何かに驚いて右へ駆けて行きました。(@2:26〜) 
なぜか右後脚がガクッとなり(スギ落葉に踏み外した?)、それに自分でビックリしたのでしょうか? 
それともトレイルカメラが発するかすかなノイズや赤外線に急に気づいて、警戒したのかもしれません。(カメラに慣れていない個体?) 

今回ようやくカモシカの右半身が見えたのですが、右肩に不明瞭な黒い模様があるだけで、目立つ黒点はありませんでした。 
カモシカの毛皮の斑紋は生まれつきの母斑かと勝手に思ったのですが、個体識別には使えないのかもしれません。 
もしもカモシカの体毛は根元が黒いのだとしたら(ヒトで例えると、毛染めしてからしばらく経った後のプリン髪状態)、寝癖やつむじなどで毛並みが少し乱れるだけで斑紋がかんたんに変化することになります。 
たとえばシロクマの地肌は黒色です。
この点を確かめるには、動物園に行って質問する(飼育個体の体に触らせてもらう)か、カモシカの死骸を見つけるしかありません。 (※追記参照)


シーン9:10/2・午後18:54・気温18℃ (@2:35〜) 
林道を右から左へ通過する途中、いつものスギ落枝で眼下腺マーキングして行きました。 
この個体はかなり念入りに顔をゴシゴシと擦り付けています。 


シーン10:10/4・午後17:27・気温21℃ (@3:16〜) 
日没直後なのに杉林は早々と真っ暗になるため、暗視モードで起動しました。 
ちなみに日の入り時刻は午後17:21。 
いつものように右からきたカモシカが眼下腺マーキングしてから左へ立ち去りました。 
左前脚の付け根付近に何か枯れ草(落ち葉?)が付着したままブラブラしています。 
右耳の後ろにも小さな落ち葉?が付着しています。 


シーン11:10/5・午前3:20・気温16℃ (@3:38〜) 
林道を右から左へ通り過ぎる途中で立ち止まってスギ落枝の先端に眼下腺マーキング。 
その後、足元の溜め糞場sの匂いを嗅いでから林道を手前に渡りました。 
珍しく、林道脇の法面を登る獣道を辿って行ったようです。 


シーン12:10/5・午前13:40・気温12℃・晴れ (@4:11〜) 
同じ日の10時間20分後、明るい昼下がりにカモシカが林道を左から登場しました。 
例によって立ち止まってスギ落枝に眼下腺マーキング。 
この個体は右肩に黒点はありませんでした。 
右へ立ち去る途中で顔をプルプルと振りました。 


 シーン13:10/5・午後15:52・気温12℃ (@4:42〜) 
更に2時間10分後、未だ明るい時刻のはずなのに、なぜか赤外線の暗視モードで起動しました。 
急に暗くなったのでしょうか? 
林道を右から登場したカモシカがスギ落枝先端部の匂いを嗅いだだけで、眼下腺マーキングせずに通り過ぎました。 
自分の匂いしか無ければ、マーキングを省略するのかな? 
頭を下げて、足元の溜め糞場sの匂いも嗅いで行きました。 


シーン14:10/5・午後16:02・気温12℃ (@5:11〜) 
わずか10分後、再び右から来るカモシカが写りました。 
別個体のはずですけど、どうでしょうか。 
左背に落葉(枯葉)を乗せていました。 
溜め糞場sの匂いに気を取られたようで、眼下腺マーキングするスギ落枝は素通りしました。 


シーン15:10/6・午後18:43・気温10℃ (@5:24〜) 
右から左へ、眼下腺マーキングあり。 


シーン16:10/8・午後15:51・気温13℃・晴れ (@5:45〜) 
林道を右から左へ通過する途中で立ち止まり、スギ落枝先端の匂いを嗅ぎました。 
このとき頭部にたかる多数のブヨを振り払おうと、左右の耳をパタパタと大きく動かし、身震いしました。 
頭を下げて足元の溜め糞場sの匂いも嗅いでから、左に立ち去りました。 


シーン17:10/9・午前2:44・気温9℃(最低気温を更新?) 
深夜に林道を左から登場したカモシカが、スギ落枝に額を擦り付けて眼下腺マーキング。 
右へ立ち去る際に右半身を見せてくれたものの、右肩に黒点なし。 


シーン18:10/9・午後13:21・気温14℃ (@6:40〜) 
同じ日の10時間35分後、晴れた昼下がりに林道を歩いて右から登場。 
いつものスギ落枝の匂いを念入りに嗅いだだけで、眼下腺で匂い付けはしませんでした。 
足元の林道の匂いも嗅いでから左へ立ち去りました。 


シーン19:10/9・午後16:34・気温13℃ (@7:14〜) 
更に3時間15分後、日没前の夕方でもスギ林は暗く、暗視モードで起動しました。 
ちなみに日の入り時刻は午後17:11。 
林道を左から右へ通り過ぎる途中でスギ落枝に眼下腺マーキング。
この個体は右肩に黒点が上下に2つ並んでいました。 
これが個体識別に使えるぐらい安定した形質(生まれつきの母斑?)なのかどうか、知りたいところです。 


シーン20:10/9・午後20:34・気温12℃ (@7:27〜) 
更に4時間後の晩に、またもや左からカモシカが登場。 
最近になって偶然出現したスギ落枝に眼下腺マーキングするためにニホンカモシカたちが長時間立ち止まってくれるので、私としてはじっくり観察できてありがたいです。 
今度は右肩に黒点は無く、4時間前とは別個体のようです。 
林道を右へ立ち去る間際にブルルッ♪と鼻息が聞こえました。 


シーン21:10/10・午後17:41・気温16℃ (@7:43〜) 
日の入り時刻は午後17:12。 
うっすらと夜霧が立ち込めているようです。 
林道を左から登場したカモシカが、いつものスギ落枝に眼下腺マーキングしました。 
よほど力を込めて顔を擦り付けているようで、落枝がミシミシと軋む音♪が聞こえます。 
この長い落枝は地面に突き刺さっているのではなく、斜面の途中に引っかかっているだけです。
(地面との摩擦があるために斜面を滑り落ちません。) 

この個体は右肩に黒点はありません。 
眼下腺分泌物で長々と匂い付けした直後、舌をペロペロと出し入れしました。 
この行動はカモシカのフレーメン反応なのですかね? 
ゆっくりとした足取りで右へ立ちりました。 


シーン22:10/11・午前10:13・気温16℃・晴れ (@8:35〜) 
晴れて明るい午前中に林道を左から登場し、鼻面をスギ落枝に擦り付けていました。 
右肩に黒点なし。 
右へ歩き出してすぐに立ち止まり、前方を見据えています。 
身震いして体にたかるブヨ(吸血昆虫)を振り払いました。 
ちょうど溜め糞場sに跨がりながらカモシカの短い尻尾がピクリと動いたので、脱糞するのかと期待したものの、私の予想は外れ、カモシカはそのまま右へ歩き去りました。 
私は未だカモシカの排便シーンを見たことがありません。 


林道を頻繁に行き来するカモシカの個体識別ができないことが悩みです。 
野生カモシカの映像から個体識別を自動で高速にやってくれる賢いAI(人工知能)を開発してもらいたいものです。
そいういうプログラムをChatGPTで書いてくれないかしらん?





※【追記】
生後間もないカモシカの幼獣を2年間飼育した武田修『ロッキーへの手紙』によると、
毛をかきわけても地肌はみえない(p88より引用)
とのことなので、カモシカの白っぽい体毛を掻き分けても黒い地肌が見えることは無いようです。
それなら背中の黒斑や黒点は生まれつきの母斑である可能性が高まり、個体識別に使えそうです。
ヒトで言うとホクロみたいなものでしょうか。

オカトラノオに訪花吸蜜するスジグロシロチョウ♀夏型【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年7月中旬・午後13:05頃・晴れ 

里山の山道に沿って咲いていたオカトラノオの小群落で夏型のスジグロシロチョウPieris melete)が訪花していました。
シロチョウ科は基本的に翅をしっかり閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜します。 
この個体はオカトラノオ訪花中にときどき小刻みに羽ばたくのは、 なぜでしょう?
(1)花穂上を歩いて移動する際にバランスを崩さないようにするため? 
(2)蜜源植物をガードしているクロアリ(種名不詳)に攻撃されないよう、アリが近づいたら牽制するため? 

よく観察すると、どうやらオカトラノオの花穂上で小さなアリとのニアミスを嫌って羽ばたいたり飛び去ったように見えます。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:46〜) 
隣の花穂に移動することもあれば、同じ花穂に舞い戻って来ることもありました。 
よく晴れた日なので(光量充分)、ハイスピード動画撮影日和でした。 
スーパースローで見るスジグロシロチョウ♂の羽ばたきは見応えがあり、翅表の斑紋もしっかり確認できます。

2023/04/02

雑木林の地面を夜な夜な徘徊して食物を探し回る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬〜10月中旬

里山の雑木林で泥汚れの付いたカラマツの大木を自動撮影カメラで見張っています。 
夜な夜な野ネズミ(ノネズミ)が林床の斜面で食べ物を探し回る活動する様子をまとめました。 
画面の右上隅がカラマツの根元になります。 

シーン1:9/26・午後19:03 
画面の上から現れ、カラマツの根本を右に駆け去りました。 


シーン2:9/29・午後19:38 (@0:07〜) 
画角の上端を野ネズミが出たり入ったりしています。 
白く光る目だけが見えるものの、すぐに姿を消しました。 


シーン3:10/2・午後18:29 (@0:13〜) 
斜面を右上にチョロチョロと駆け上がりました。 


シーン4:10/11・午前4:13 (@0:20〜) 
画面中央の斜面に生えたシシガシラというシダ植物の葉の下から野ネズミが現れました。 
斜面に立ち止まっているのですが、後ろ姿では何をしているのか見えずに残念。 


シーン5:10/11・午前4:30 (@1:20〜) 
15分前と同じ下草の葉陰(画面中央)で野ネズミが何かしています。 
急に走り出すと、泥カラマツの下を通り、斜面を右にトラバースしました。 

後々分かってくるのですが、夜の雑木林でも野ネズミは常に捕食者に襲われるリスクがあります。
したがって、休むときでも食事のときも、野ネズミはどこかに隠れていないと不安なようです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 

次回からこの場所で、いよいよ野ネズミへの野外給餌実験を始めます。 

つづく→

スギ林道の溜め糞場に来る生き物たち:9/13〜19の全記録【10倍速映像】

 

2022年9月中旬

里山の杉林道にニホンアナグマMeles anakuma)とホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が共有している溜め糞場sがあり、トレイルカメラで長期間監視しています。 
この山林には昼行性の動物もいれば夜行性の動物もいて、秋の溜め糞場は千客万来です。 
9/13〜9/19の丸7日間の全記録を時系列順にまとめ、10倍速の早回し映像にしてみました。 

これまで私は登場する動物種ごとに切り分けて紹介していたのですが、時系列順にするとまた印象が変わる(違ったドラマが見えてくる)かもしれません。 
センサーカメラが起動してから1分間録画するタイマー設定にしているので、動物が居なくなってからも構わず1分間は律儀に撮り続けます。 
従来の報告ではカットしていた退屈な後半(動物の不在映像)も含めています。 

早回し映像に加工すると、溜め糞に集まる糞虫の活動や離合集散がよく分かるようになります。 
引きの絵で撮ると糞虫の動きは緩慢なので、等倍速映像ではどうしても糞虫の存在を見落としがちです。
カメラの誤作動で録画された謎のボツ映像も、よく見直すと糞虫が写っていたりします。 
新鮮な糞塊を糞虫たちがせっせと地中に埋めて食べてくれるおかげで、森の中はきれいに保たれているのです。 
逆に糞虫の活動が落ちると、地上に残る溜め糞の規模は大きくなります。 
ちなみに、街なかで飼い犬や野鳥の糞が大問題になるのは(糞害問題)、現代人が勝手な都合で地面をアスファルトやコンクリートで埋め立てたり殺虫剤を撒いたりした結果、掃除屋の糞虫が活躍できないよう締め出したからに他なりません。 

他にも得体のしれない虫たちが林床を日夜動き回っていることが分かります。 
そうした糞虫などを捕食しようと、次は野鳥たちが溜め糞場に通って来ます。 

夜になると野ネズミが活動します。
種子散布の本に書いてあった通りに、溜め糞に含まれる未消化の種子や糞虫を野ネズミが食べるのではないか?と期待したのですが、そのような決定的な証拠映像はなぜか未だ撮れていません。
正直に言うと、本の記述(先人たちの研究結果)に疑いを持ち始めています。
私の見ているフィールドは他と何が違うのでしょう?

タヌキとアナグマは少し離れた地点に排便していた(平和に棲み分け)のですが、ある日アナグマが急にタヌキの溜め糞場のすぐ横に対抗するように排便しました。 
糞便による2種間の勢力争いも興味深いドラマです。

教科書に書いてあるような、溜め糞場を巡る生態系や食物連鎖、生物多様性を身近なフィールドで実際に目の当たりにすると感動します。 

この撮影手法はやって来る動物次第なので、撮影間隔がどうしても不定期になってしまいます。 
糞虫の日周活動を本格的にタイムラプス動画で記録するのなら、静止画でインターバル撮影(例えば5分間隔)する設定にしても面白いかもしれません。 
ただし、そうすると今度は恒温動物(哺乳類と鳥類)が滅多に写らなくなってしまうでしょう。 
動画用とインターバル写真撮影用と2台のトレイルカメラを併設できれば理想的です。 

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