2021/08/14

池の畔で水を飲むコガタスズメバチ♀創設女王

 

2021年6月上旬・午後17:30頃・くもり 

里山の斜面にある池の岸辺を夕方にコガタスズメバチVespa analis insularis)の創設女王が低空で飛び回っていました。 
湿った地面に何度も離着陸を繰り返したので、水を飲みに来たようです。
関連記事(13年前の撮影)▶ コガタスズメバチの吸水
一瞬オオスズメバチかと思ったのですが、1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、前伸腹節に褐色斑が無いのでコガタスズメバチだと思います。 
創設女王だから大型に見えたのでしょう。

実は同じ日にここで、チャイロスズメバチ♀(創設女王)も飛来したのを目撃しています。 
私が着ていた濃い色の迷彩パーカーに興味を示し、私の体にまとわりついてきたので焦りました。 
しかし大顎を鳴らす威嚇音♪は発しませんでした。 
証拠動画を撮り損ねたのが残念です。 
こういうときは決して腕を振り回してスズメバチを払い落とそうとしてはいけません。絶対に。 
黙って静かに後退すればスズメバチの方から離れてくれます。 
特に単独営巣期の創設女王は攻撃性が高くないので、あまり恐れることはありません。 
女王蜂は自分が生き残って子孫を残すことを最優先するので、無用な戦闘を避けるのです(逃げるが勝ち)。

樹冠で鳴き真似♪するモズ♂(野鳥)

 

2016年6月中旬・午前5:55頃・晴れ 

池の近くで立ち枯れしたハンノキの梢に早朝からモズ♂(Lanius bucephalus)が止まっていました。 
どうも違う種類の鳥の鳴き真似をしてるようです。 
モデルとなった鳥の種類が私には分からず、動画をお蔵入りにしていました。 
どなたか聞き分けられる達人がいらっしゃいましたら教えて下さい。 

周囲のヨシ原ではオオヨシキリ♂(Acrocephalus orientalis)が大声で囀りさえずりの鳴き声を発していました。 
しかし、オオヨシキリの鳴き真似ではないようです。

▼関連記事:5年前の撮影@同一個体♂ :ハンノキで高鳴き♪するモズ♂(野鳥)

2021/08/13

サラサウツギの花蜜を吸うクマバチ♂

 

2021年6月上旬・午後15:35頃・晴れ 

民家の庭木のサラサウツギ(=ヤエウツギ)キムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。 
顔色は見えなかったものの※、複眼の発達した雄蜂♂でした。 
雄蜂♂は採餌・集粉しませんから、後脚に花粉籠はありません。 
風揺れに悩まされ、ズームインしたくてもなかなか思うように出来ませんでした。 
風が吹いて枝が大きく揺れてもクマバチ♂は八重ウツギの花にしがみついて吸蜜を続けます。 
隣の花には飛ばずに歩いて移動しました。 

※ 白い頭楯がチラッとほんの一瞬だけ見えました。
▼関連記事(8年前の撮影)性別不明?:ヤエウツギに訪花するクマバチの飛翔【ハイスピード動画&HD動画】

ツチガエルの狩りは待ち伏せ型:虫の捕食

 

2021年6月上旬・午後16:45頃・くもり
前回の記事:▶ サシガメ?を捕食したツチガエルが反撃され吐き出す
池の上の崖を登りかけた地点でツチガエルGlandirana rugosa)がじっと座って獲物を待ち伏せしています。 
小さな黒いハエ(種名不詳)が飛来して、目の前の小石に止まりました。 
捕食するかと期待してズームインしたものの、なぜかツチガエルは全く反応せず、ハエはすぐに飛び去ってしまいました。 
このアングルでは遠近感が分かりにくいですが、ツチガエルの射程距離に入らなかったのかもしれません。 
あるいは、ハエの反射神経はおそろしく敏捷で跳びついても逃げられることをツチガエルが経験上知っていたとしたら、カロリーを無駄に消費する捕食行動はやらないでしょう。 

次に、画面の右端から謎の黒い虫(種名不詳)が徘徊して崖を横切り始めました。 
途端にツチガエルが気づいて獲物に向き直りました。
獲物が目の前に来た所で素早く跳びつきながら赤い舌を伸ばし、捕食に成功しました。 
狩りの瞬間をまずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。 
続いて等倍速でリプレイ。 

今回も獲物の正体を同定できないのが残念です。 
映像を何度見返しても、何という昆虫なのかさっぱり分かりません。 
(どなたか見て分かる達人がいらっしゃいましたら教えて下さい。)
全身が真っ黒で触角が長い虫でした。 
アリでないことは確かです。
関連記事(7年前の撮影)▶ アリを捕食するツチガエル
同一個体の観察を更に続けると…。

2021/08/12

湿地で見つけた瀕死のアメリカザリガニ

 

2021年6月上旬・午後15:30頃・晴れ 

長靴を履いて、増水した湿地帯を探索してみました。 
足首のくるぶし程度の水深でした。 
何か面白い生き物はいないかなー? 
ドブ臭いので誰も近付こうとしませんが、だからこそブルー・オーシャン(宝の山)かもしれません。
水質はお世辞にも良いとは言えず、ヘドロのような藻が発生しています。 

 

1匹のアメリカザリガニProcambarus clarkii)が泥の中に横倒しになってもがいていました。 
枯れたヨシの茎に下半身が下敷きになっていて脱出できないようです。 
泡を拭いているのは鰓呼吸なのでしょう。 
持っていた一脚の先端で枯れヨシ茎を取り除いてやりました。 
起き上がっても動きが鈍く、衰弱しているようです。 
もう一度つついて横倒しにしても、自力では起き上がれません。 
この個体は左側の前脚のハサミが欠損していました。 
現場から数十m離れた地点で前脚のハサミだけが水中に落ちていました。 

この湿地帯を少し歩き回ると、アメリカザリガニの死骸があちこちに多数散乱していました。 
その一部は古いようで、白化していました。 
殻が壊れたものはおそらく野鳥や野生動物に捕食された食痕(食べ残し)でしょう。
それは自然の営みということで問題ないのですが、素人目には無傷なのに死んでいる個体は水質汚染のせいではないかという気がしてなりません。 
最近、この湿地帯に鉄サビのような赤い泥水が大量に流入してヨシ原を枯らしているいる上に、水面に石油(?)が油膜となって浮いていることがあるからです。 
しかし何年か継続して定点観察したりザリガニを飼育観察してみないと、何が正常で何が異常なのか私には判断できません。 
そもそも私はアメリカザリガニの「野生での暮らしぶり」について勉強不足です。 
本来アメリカザリガニは水質汚染に強く、非常に汚れた水でも棲めるはずです。 
そのアメリカザリガニがここで次々に変死しているとなると、深刻な水質汚染なのではないかと心配です。


【追記】
湿原の水面に浮かぶ油膜状のものは必ずしも油膜とは限らないのだそうです。

参考サイト:
 茶褐色の土壌が謎を解く鍵となります。この色は、湿原の水に溶けている鉄イオンが酸化され酸化第二鉄が析出したときに見られます。この酸化の多くは空気中の酸素によりますが、それだけでなく、鉄バクテリアとよばれる細菌によっても行われることがあります。特に水の流れのない所でこのバクテリアが増殖すると、水面に光沢のある酸化鉄の皮膜ができ、それはまるで油膜のようです。湿原でこのような「油膜」を見つけても放置しておいて問題ありません。(「長野周辺の山歩きと山野草」サイトより引用)
・油膜と鉄バクテリアの判別方法(PDFファイル

次回見つけたら、改めて確認してみるつもりです。

獲物のゴキブリを巣に運ぶコムクドリ♂(野鳥)

 

2021年6月上旬・午後15:50頃・晴れ
前回の記事(同じ場所で1ヶ月前に撮影):▶ 電線に離れて止まるコムクドリの♀♂つがい(野鳥)

街なかの交差点付近で耳障りな警戒声をけたたましく鳴き続けるコムクドリ♂(Sturnus philippensis)が居ました。 
よく見ると、嘴に何か虫を咥えています。 
狩ってきた獲物を巣で待っている雛に給餌するために帰る途中だと分かりました。 
獲物の正体は黒いゴキブリの成虫でした。 
ゴキブリは既に死んでおり、暴れていません。 
触角が長く有翅なので、クロゴキブリまたはヤマトゴキブリ♂(Periplaneta japonica)のようです。 

コムクドリ♂はゴキブリを咥えたまま、ギーッ、チョッ♪と耳障りな声で繰り返し鳴き続けています。 
喉の動きと鳴き声が同期(リップシンクロ)しているので、この個体の警戒声で間違いありません。 
アカマツの樹上や電線、電柱の支線などを落ち着き無く飛び移り、ひたすら鳴き騒いでいます。 
繁殖期の野鳥は巣の位置をヒトに知られることを嫌がります。 
帰巣の瞬間を私に見られたくないのでしょう。 
コムクドリ♂の気持ちが分かった私は後半から少し後退して距離を取ったのですが、駄目でした。 
過去の撮影経験から「このぐらい離れたら帰巣・給餌してくれるだろう」と思うぐらい離れたのに、この♂個体は警戒を解かず、頑として帰巣してくれませんでした。 
撮影アングルを変えたら風切り音と車の走行音がうるさくて、コムクドリの鳴き声(警戒声)は聞こえにくくなってしまいました。 

電線に止まっている際に白い液状便を排泄したのは苛立ちの現れでしょうか。 
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧ください。(@1:42) 
その後に等倍速でリプレイ。 

民家の庭に植栽されたアカマツの樹洞に営巣しているのかと初めは予想したのですが、どうやら違うようです。 
巣で待つ雛の鳴き声(餌乞い♪)も聞こえませんでした。 
親鳥♂の警戒声は「今は危ないから、居場所が敵にばれないように絶対鳴くなよ!」と雛鳥に命じているのかもしれません。 

交差点の真上を通る電線に止まり直したコムクドリ♂は、遂に帰巣を諦めたようです。 
その場で獲物のゴキブリをバリバリと食べてしまいました。(@7:52) 
食後は汚れた嘴を足元の電線で念入りに拭っています。 
獲物を食べ終えた後も警戒声♪は止めません。 
やはり巣が交差点のすぐ近くにあるのでしょう。 
ヒトに巣の位置を絶対に知られたくないというコムクドリ♂の強い決意・執念に感銘を受けました。 
出前やUberEatsの配達人が配達中に食べ物を勝手に食べてしまったのなら大問題ですが、今回のコムクドリ♂の行動はおそらく私のせいです。

道路沿いの民家の壁面にフード付き排気口が3つ並んでいます。 
その奥の天井裏で営巣しているのかな? 
壁の真ん中にあるフード付き換気扇口も怪しく見えます。 
いずれかの穴に親鳥が飛び込むことを期待したのですが、私がちょっと目を離した隙に、親鳥は電線からどこかへ飛び去ってしまいました。 
コムクドリの営巣地は分からずじまいです。

 
ゴキブリ食後のコムクドリ♂@電線


2021/08/11

コガタスズメバチの古巣を切断して内部構造を調べよう

 

2021年8月上旬
前回の記事:▶ 飛べ!ギンモンシマメイガ:室内に発生した寄生蛾の謎【HD動画&ハイスピード動画】

昨年の晩秋に採集したコガタスズメバチVespa analis insularis)の巣にギンモンシマメイガPyralis regalis)が寄生していた可能性が出てきたので、古巣の標本を半分に切って内部を調べてみましょう。 
営巣木は平地のテマリカンボク。 
採集した古巣の表面に透明ラッカーを塗布したまま室内で保管(放置)していたのです。 


巣全体は縦にやや細長い卵型で、短径は約15cm、長径(高さ)は約20cmでした。 
ノコギリを使ってコガタスズメバチの古巣を慎重に半分に切断しました。
切断作業中に巣全体がグズグズに崩れるのではないかと心配だったのですが、意外ときれいに一刀両断することができました。 
予め外皮にクリアラッカーをスプレーで何度も繰り返し噴霧していたので、脆い外皮が糊で固められたように強化されていたのです。 
巣の表面に見える照かりはクリアラッカーのせいです。 

巣内を調べると、逃げ遅れたコガタスズメバチ成虫(新女王)の死骸は1匹もありませんでした。 
巣の縦断面を見ると巣盤は3層あり、頑丈な巣柄で縦に連結されています。 
それぞれの巣盤は正六角形の育房のハニカム構造で形成されています。 
育房は全て空っぽでした。 
白い繭キャップはワーカー♀によって取り除かれています。 
巣盤全体を覆う外皮は多層構造になっていて、高い断熱性能が伺えます。 
巣の側面に開いた唯一の巣口に至る通路は滑らかに加工されていました。 
これだけ精緻な建造物をコガタスズメバチ♀は樹皮のパルプから作り上げていて、何よりも巣全体が驚くほど軽いです。(重量も測定すべき)  

予想に反して、巣内に寄生蛾(ギンモンシマメイガ)幼虫による食痕は特に見当たりませんでした。 
手で巣を崩しながらこの点を徹底的に調べるべきなのですが、半分に切った巣をそのまま標本として残したいので、今回はざっと見るだけに留めました。 
多数のギンモンシマメイガ幼虫に食い荒らされた巣はこうなります。↓
関連記事(12年前の撮影)▶ コガタスズメバチの巣に寄生する蛾の幼虫

巣の内部にも改めてクリアラッカーを数回塗布し、防虫剤(ナフタレン)と一緒に容器に入れて保管します。 
シリーズ完。

池の岸で鳴き続けるモリアオガエル♂♪

 

2021年6月上旬・午後18:10頃・晴れ 

里山の山腹にある小さな池Lは初夏になるとガマなどの抽水植物が繁茂するようになりました。 
水深は浅く、緑の藻でひどく濁っています。 
モリアオガエル♂(Rhacophorus arboreus)がひたすら鳴き続ける声が響くので辺りを探すと、ようやく鳴き声の主を見つけました。 
夕方の薄暗い時間帯なので、手持ち夜景モードで動画撮影しました。 
皮膚の質感がザラザラで、虹彩の色が赤茶色ですから、シュレーゲルアオガエルではなくモリアオガエルと分かります。 
体は水に浸かっておらず、完全に上陸している状態です。 
池の水面の方を向いて座っていました。 
額になぜか白い泥のような汚れが付着しています。 

白い喉の鳴嚢を大きく膨らませてカララ…カラララ…♪と乾いた声で鳴き、たまにクーワッカッカッカッカ…♪という鳴き方を交えます。 
鳴く瞬間は口も鼻腔も閉じています。 
鳴き終わると鼻腔が開いて鼻呼吸しています。 
鳴く合間にも喉をヒクヒクと伸縮させ細かく震わせています。 
近くにもう1匹同種の♂がいるようで(未発見)、互いに鳴き交わしていました。 
それぞれの♂が岸辺で縄張りを宣言し、抱接相手の♀を呼び寄せているのです。 
薄暗くても白い鳴嚢が膨らむとよく目立ちます。 
鳴き声を頼りに集まって来る♀は、最後は♂の白い鳴嚢を目印にして近寄ってくるのではないかと想像したくなります。 

最後モリアオガエル♂は岸辺から池の中に飛び込んだのですが、その瞬間を撮り損ねてしまいました。 

せっかく♀を呼ぶために鳴いていたのに、結局この池にモリアオガエルの♀はやって来なかったようです。 
後日に池Lを再訪してもモリアオガエルの泡巣は見当たりませんでした。 
そもそも池Lの岸には産卵に適した(枝が水面に張り出した)灌木が全く生えていないのです。 
(辛うじて生えているのはアカマツ幼木のみ) 
抽水植物ガマの茎や葉に産卵するかと期待したのですが、そこにも泡巣は作られていませんでした。 
繁殖池として適さない場所で♂がいくら鳴き続けても、♀は産卵に来てくれません。 
ここを選んだ♂の判断ミスです。 

モリアオガエル♂の鳴き声を声紋解析してみる?

 

2021/08/10

飛べ!ギンモンシマメイガ:室内に発生した寄生蛾の謎【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月中旬〜下旬・午後・ 

美しく珍しい蛾を室内で見つけました。 
2頭のギンモンシマメイガPyralis regalis)が天井近くの白壁に止まっていたのです。 
翌朝になると居なくなっていました。 
夜行性らしく、消灯すると活発になり、どこかに飛び立ったようです。 
その後も数日おきにぽつぽつと計4頭のギンモンシマメイガが現れました。 (一部は重複してるかも)
本種の成虫出現月は夏(7〜8月)とされているので、どうやら暖かい室内で季節外れに羽化した個体と考えられます。 

メイガ科らしく、いつも腹端を反らせた海老反り姿勢で静止していました。 
これはコーリング中の♀なのかな?
関連記事(6年前の撮影)▶ ノシメマダラメイガ♀(蛾)の性フェロモン放出:コーリング
白色LEDの照明を近づけても逃げません。 
蛾にしては美麗種だと思うのですが、室内でただじっとしているだけの蛾を撮っても動画ブログのネタとしてあまり面白くありません。 
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:38〜) 
壁や天井に止まっているギンモンシマメイガにそっと触れると、準備運動なしにすぐ羽ばたいて飛び去りました。 

ギンモンシマメイガ♀はスズメバチの巣に産卵し、孵化した幼虫はスズメバチの巣を食い荒らして育つことが知られています。
▼関連記事(12年前の撮影) 
コガタスズメバチの巣に寄生する蛾の幼虫 
コガタスズメバチの巣から羽化したギンモンシマメイガ(蛾)
半年前に採集したコガタスズメバチの古巣を標本としてこの部屋に保管しておいたので、今回の発生源として心当たりがあるのはそれです。 
営巣木テマリカンボクの枝ごと採集した巣の中に危険なコガタスズメバチ成虫が残っている可能性があったので、巣を丸ごと冷凍庫に数時間入れて凍結処理しました。
▼関連記事(半年前の撮影) コガタスズメバチの巣を晩秋に採集したら中から蜂が出てきた!【暗視映像】
これで巣内の虫はすべて凍死させたはずなのに、寄生蛾ギンモンシマメイガの幼虫/蛹は生き延びたことになります。 
雪国に生息するギンモンシマメイガの越冬態は低温耐性が強いのでしょうか。 
スズメバチの巣内は断熱効果の高い多層の外皮で守られているので、内部まで十分に冷えなかったのかもしれません。 
その後、古巣を長期保存するために外皮の表面にクリアラッカーを繰り返し塗布しました。
有機溶剤は昆虫に毒性があるはずですが、巣内には浸透しなかったのでしょう。
関連記事(手法の説明)▶ コガタスズメバチの古巣に防腐剤処理して保存
その後は本来ならナフタレンなどの防虫剤と一緒に密閉容器に入れてコガタスズメバチの古巣を保管すべきだったのですが、納戸に放置したままでした。(密閉せず開放状態) 
春になって暖かくなり、寄主の古巣からギンモンシマメイガの成虫が続々と羽化してきたのだろう、と推理しました。

つづく→発生源と疑われるコガタスズメバチ古巣標本の内部を調べてみると…。 


電線で警戒声♪を発し羽繕いするコムクドリ♀(野鳥)

 

2021年6月上旬・午後16:40頃・晴れ 

街なかの電線にコムクドリ♀(Sturnus philippensis)が止まっていました。 
嘴を足元の電線に擦り付けています。 (転移行動?)
ジャー、ジャー♪と警戒声を繰り返し発していますが、風切り音と車の走行音のせいでかき消されてしまっています。 
近くに巣があるのかな? 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

鳴く際に半開きの翼を小刻みに震わせているのは、餌乞い行動を連想させます。 
この個体はてっきり親鳥♀(成鳥)かと思ったのですけど、巣立った幼鳥が親鳥に給餌してもらうのを待っている可能性もありますかね? 
しかし、幼鳥の嘴の色は成鳥の黒より淡い(ややオレンジ色)はずです。 
ということは、この個体はやはり成鳥♀でした。 


やがて、コムクドリ♀は嘴で胸の羽毛を整え始めました。 
足で胸を掻いたりもしたので、どうやら胸が痒いようです。 
羽繕いが済むと、最後は電線で方向転換してから右に飛び去りました。 
近くに営巣木があるはずですが、見失ってしまいました。 
巣の位置をヒトに知られたくない親鳥は、私が見ているせいで帰巣するのをためらっていたのでしょう。


2021/08/09

キショウブの花で採餌するトラマルハナバチ♀

 

2021年6月上旬・午後18:40頃・(日の入り時刻は午後19:01) 

道端の湿地に咲いたキショウブの群落でトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀数匹が訪花していました。 
正当訪花で吸蜜していますが、後脚の花粉籠は空荷でした。 
胸背に黄色い花粉の塊が付着した個体を見つけました。 

※ 薄暗い夕暮れ時なので、手持ち夜景モードで撮影しました。 
それでも蜂の早い動きがぶれてしまっています。

サシガメ?を捕食したツチガエルが反撃され吐き出す

 

2021年6月上旬・午後16:50頃・くもり 

里山の池Lの畔にある急な崖を登りかけたところでツチガエルGlandirana rugosa)がじっとしていました。 
池から遠ざかる方向にときどき(不定期に)跳ぶので、何をしているのだろうと不思議に思い、少し離れたところから長撮りしてみました。 
どうやらツチガエルは獲物を待ち伏せしているのだと分かりました。 

冒頭でツチガエルは左前肢で素早く左目を拭きました。 
このとき左目を一瞬引っ込めました。 
顔に登ってきた微小なクロアリを払い除けたのかもしれないと想像したものの、背側からのアングルでは定かではありません。 

しばらくすると、崖を向いていたツチガエルが急に方向転換し、斜面の下に向き直りました。 
続けざまに2回跳んで、崖を斜めに少し降りました。 
地面を走って逃げる黒い虫を追いかけながら素早く跳びついて、狩りに見事成功しました。 
ピンクの長い舌を伸ばして捕食したのです。 
それまで私は獲物の存在に気づきませんでしたが、ツチガエルは右斜め後方を徘徊する虫を目敏く発見したことになります。 
狩りの決定的瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:54〜) 

ところがツチガエルはせっかく捕らえた獲物を飲み込まず、慌てて前足を使って掻き出すようにすぐ吐き出しました。 
口内で手痛い反撃に遭ったようです。 
ツチガエルは口を半開きにしたまま、逃げる獲物を呆然と見送ります。 
どうやら口内を刺されたようで、ピンクの舌先の表面に水疱が見えました。 (単なる唾液の泡かもしれません。)

無事に虎口を逃れた獲物は、飛ばずに崖を走り去りました。 
映像を何度見直しても、獲物の正体がはっきり分かりません。 
黒いサシガメの一種ではないかと思うのですけど、どうでしょうか? 
サシガメも通常のカメムシのように緊急時に(自衛のために)悪臭を放出するのかな?
毒針をもつ蜂やアブの可能性もありますかね? 
どなたか見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。 

酷い目に遭ったツチガエルは、これに懲りて(学習して)似た見た目の黒い虫をもう二度と捕食しないはずです。
関連記事(9年前の撮影)▶ 毒虫アオバアリガタハネカクシを捕食したトノサマガエルが嘔吐

同一個体の観察を続けると…。


2021/08/08

リンゴ園でヨシ筒の巣箱に出入りするマメコバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後15:10頃・晴れ
▼前回の記事:探雌飛翔中のマメコバチ♂を襲うセイヨウミツバチ♀の謎【ハイスピード動画】
リンゴの花を受粉してくれるマメコバチOsmia cornifrons)のために、リンゴ園ではヨシ筒を束ねた巣箱を設置しています。 
ヨシの茎の切り口が巣口になっていて、その周囲を小さなマメコバチ♀♂が多数飛び回っていました。 
ハチの動きがあまりにも素早くて、ただ見ているだけでは何が起きているのかよく分かりません。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:31〜) 
ホバリングしている個体の多くは雄蜂♂でした。
関連記事▶ リンゴ園に設置された巣箱に群がり交尾相手♀を探すマメコバチ♂の群飛【HD動画&ハイスピード動画】
たまに♀が巣箱に飛来します。 
♀は腹部下面のスコパに黄色い花粉を付けて巣に搬入し、貯食します。 
何百本も束ねてあるヨシ筒の中で一体どうやって♀は自分の巣を見分けているのでしょう? 
♀も迷子になっているのか、実際に巣に入る帰巣シーンは撮れていませんでした。 
あるいは羽化後に未だ自分の巣をどこにするか決めかねていて、物件を探している段階(営巣地探索)なのかもしれません。 

 一方、♀が出巣するシーンは一度だけ撮れていました。(@0:47) 
巣口から頭を先にして出て来ると、周囲のヨシ茎束にぶつかりながら飛び去りました。 
次の採餌に出かけ、リンゴの花で花蜜や花粉を集めてくるのです。
この♀は巣を離れる際に定位飛行をしなかったので、自分の巣の位置をしっかり記憶済みということになります。 

興味深いことに、探雌飛翔中の♂は巣箱に飛び交う♀に飛びついて交尾を挑むことは一度もありませんでした。 
おそらく採餌に忙しい♀はすべて交尾済みなのでしょう。 
雄性先熟のマメコバチの♂は、後から羽化してくる処女♀を巣口で待ち構えて交尾するチャンスに賭けているようです。 
私は未だマメコバチ♀♂の交尾シーンを観察できていません。
一度だけ、リンゴの花の上で♀に交尾を挑み断られた♂を見たことがあります。
関連記事(別のリンゴ園で撮影)▶ マメコバチ♂の探雌飛翔と♀の交尾拒否



【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』を読むと、マメコバチの生態について解説してありました。
 ツツハナバチ類はハキリバチ科に含まれる小型のハナバチ類で、春先に限って活動を行う。(中略)この仲間は、中空になった竹筒や植物の茎内に営巣するものが多い。
 巣にはいくつもの部屋を作り、その部屋ごとに花蜜を練ったものを溜め込んで一つずつ卵を産みつける。部屋の仕切り材には、その辺で切り取った植物の葉を噛んでペースト状に柔らかくしたものを使う。東北地方のリンゴ、サクランボ果樹園では、敷地内の一角にヨシの茎を多数束ねたものを置き、(中略)コツノツツハナバチ(マメコバチ)Osmia cornifronsを飼育している場所がある。ミツバチが活動しにくい春先でも活発に活動し、果樹の花を受粉してくれるためだ。(p177より引用)
マメコバチの暮らしを紹介してくれる本は貴重です。

 

水田から飛び立ち空中で脱糞するアオサギ(野鳥)

 

2021年6月上旬・午後16:25頃・晴れ 

水を張った田んぼにアオサギArdea cinerea jouyi)がいました。 
冒頭でいきなり右足で嘴を掻きました。 (冠羽が逆立ったのは風のせい?) 
長い足でゆっくり緩急をつけて水田を歩き回り、獲物を探しています。 
捕食シーンが撮れるかと期待したのに、急に方向転換してから飛び立ってしまいました。 
アオサギの背後の農道で採食していた2羽のハクセキレイのうちの1羽が突然こちらに向かって飛んできたので、アオサギもつられて逃げたようです。 
力強く羽ばたいてアオサギは田んぼを飛び去り、高度をぐんぐん上げていきます。 
飛びながらグヮー、グヮー、と鳴き声を発しました。(@1:36) 
※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
その後、飛びながら白い液状便を大量に排泄しました。(@2:00)
   

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