2017/08/26

飛べ!スケバハゴロモ【HD動画&ハイスピード動画】



2016年10月上旬

夜、室内の明かりに引き寄せられたのか、一匹のスケバハゴロモEuricania facialis)が窓の外から急に飛び込んできました。
卓上をのそのそ歩き回り、ときどき飛びます。
飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(@0:59~)
飛び立つ予兆が分からないので、愚直に長撮りを繰り返します。

羽ばたいて飛び立つのではなく、パチン♪と音を立てて跳躍してから空中で羽ばたくようです。
飛翔のコントロールは下手糞で、なぜかすぐ下に落下していまいます。
照明のせいで正常な運動機能が狂わされているのかな?(走光性)

しかしハイスピード動画を撮るには強い光が必要なので、悩ましいところです。

むしろ跳躍の瞬間に興味が湧き、側面および腹面から脚と翅の動きをハイスピード動画に撮りたくなりました。
しかし残念ながら、疲れて飛んでくれなくなりました。



2017/08/25

パンを拾い食いするハシブトガラスがうっかり…(野鳥)



2017年5月下旬

嘴に何か白い塊(パン?)を咥えたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が川の方から飛んで来て、交差点の電柱に止まりました。(映像はここから)
柱上トランス(柱上変圧器)の隙間に貯食するつもりなのかと思い慌てて動画に撮り始めると、その場でチビチビと食べ始めました。
残念ながら下から見上げるアングルでは足で押さえつけたパンが見えません。



私にじっと見られていることに気まずくなったのか、カラスは少し飛んで近くの屋根の上に移動しました。
このとき餌も持っていったのか、それともまた別な餌を屋根で見つけたのか、はっきりしません。
嘴に何も咥えていなかったので、おそらく喉袋に詰めて運んだような気がします。
屋根の隅で食事を再開。
途中で嘴をトタン屋根に擦り付けています。
餌を咥えたまま屋根の縁まで一歩踏み出したら、うっかり落としてしまいました。
取りに行くかと思いきや、諦めたようです。
食べこぼしのパン屑?が嘴の左側面に付着しているのが微笑ましい。



街中の側溝で鳴くケラ♂の謎:#2【暗視映像】



2017年5月下旬・午後22:00頃
▼前回の記事
街中の側溝で鳴くケラ♂の謎:#1【暗視映像】

夜道を歩いていると、また新たに街中でケラ♂(Gryllotalpa orientalis)が鳴いている側溝(幅100cmの融雪溝)を見つけました。

まずは赤外線の暗視カメラで撮影してみます。
次に白色LEDを点灯してもケラ♂は平気でジーーー♪と単調に鳴き続けていました。
ケラの姿は見つけられなかったものの、鳴き声のする方向から察するに、地上の植生内ではなく、護岸の石垣の隙間に潜んでいるようです。

撮影直後の気温は24.7℃、湿度44%。
実はここは泣く子も黙る税務署前でした。
お上に毟り取られてオケラになった納税者の怨嗟の声なのか?と想像したら、ちょっと可笑しくなりました。
もしここがギャンブル施設だったらより一層面白かったですね。(出来過ぎの話)


昼間に撮った現場の状況。右岸の石垣で鳴いていた。

こんな自然度の低い環境でケラが鳴いているのは、あまりにも不自然に思いました。
前回の記事で述べたように、田植え前に水入れされた田んぼから水路を流されてきてようやく辿り着いた個体なのではないかと私は予想しています。
数日後の夜に再訪しても鳴き声はしなくなっていました。
飛んでどこか新天地へ移動したのなら良いのですが、人知れず死んだのかもしれません。
この側溝は両脇が石垣になっているので、コンクリート三面張の水路より遥かにマシですね。(おそらく脱出可能)
側溝の上流が本当に田んぼに繋がっているのかどうか、突き止める必要があるのですが、難航しています。

ケラと同じく田んぼで暮らすことの多いタガメの本を読んでいたら、似たような話が書いてありました。
市川憲平、北添伸夫『田んぼの生きものたち:タガメ』によると、

「田んぼから突然水がなくなります。稲刈りの準備のために、落とし口を開いて、田んぼの水を落としたのです。(中略)落とし口から側溝へと流されるタガメも少なくはありません。コンクリート製の側溝の壁は垂直で、飛ぶことのできない幼虫は脱出できず、雨が降ると川まで流されてしまいます。」(p32より引用)

田の落水とともに、コンクリートの溝に流されたタガメは、雨が降ると下流に流れていきます。コンクリートの溝には、かくれるところがほとんどないからです。(p34より)



2017/08/24

雛の糞を巣の外に捨てるムクドリ【野鳥:ハイスピード動画】



2017年5月下旬
▼前回の記事
屋根裏の巣で待つ雛に虫を給餌するムクドリ♀♂つがい【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

ムクドリSturnus cineraceus)の親鳥が雛に虫を給餌した後、毎回ではないのですが、次の採餌に出かけるついでに雛が排泄した糞を嘴に咥えて巣の外へ捨てに行くことがあります。
親鳥の排糞行動を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。(同日の午前10:34と午後12:38)
雛の糞はゼラチン状の粘液で包まれ、親鳥がつまんで運び出しやすくなっています。
こうやって親鳥は巣内をなるべく清潔に保とうと努めているのです。
それでも巣口の真下の壁面は雛の糞で汚れていました。
この納屋の屋根裏でムクドリが毎年営巣しているのです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

沢近十九一『鳥の親子 (動物のふしぎな世界 5)』によると、

スズメの仲間(しぐま註:スズメ目?)の小鳥たちは、ひながだす糞を、巣のそとへはこびだします。えさをあたえおわった親鳥が、巣のふちにとまって、ひなをみつめています。親鳥は、ひながふんをするのを、待っているのです。ひなには、肛門のまわりに、あかるい色の、とくべつなはねがあります。ひながふんをするまえに、このはねが、ぱっとひろがって、親鳥の注意を、ひなのほうにむけさせるわけです。(p27より引用)



今のところ私が排糞行動を実際に見れた野鳥は2種だけなのですが、言われてみれば確かにハシボソガラスもムクドリも全てスズメ目でした。
雛の肛門周りの色をしっかり見れるほど巣を間近で観察したことは未だありません。



シロヤマツツジ?の花で採餌するクロマルハナバチ♀



2017年5月下旬

民家の庭に咲いたツツジの仲間の白い花にクロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が訪れていました。
後脚の花粉籠に薄い橙色の花粉団子を付けています。



私は庭木や園芸品種にまるで疎いのですが、これはシロヤマツツジですかね?
それともサツキの一品種?



2017/08/23

屋根裏の巣で待つ雛に虫を給餌するムクドリ♀♂つがい【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】



2017年5月下旬・午前10:29~10:43

また新たにムクドリSturnus cineraceus)の巣を見つけました。
郊外(農村部)の納屋の軒下に破れたような穴が空いていて、その奥でお腹を空かせた雛が鳴いています。
すぐ横の道を走る車の音がうるさいのですが、耳を澄ませば雛の鳴き声が聞こえます。
巣口直下の壁面は鳥の糞で汚れています。

しばらく待つと案の定、2羽の親鳥が相次いで採餌から戻って来ました。
雛鳥のため嘴に虫を何匹も咥えて運んできた親鳥は、私のことを初めはかなり警戒し、帰巣するのを躊躇しています。
いくら人家近くに営巣しているとは言え、やはり見知らぬヒトに巣の位置をなるべく知られたくないのでしょう。
営巣地の近くの電線に止まり、横歩きで少しずつ営巣地に近づいたり、電線から電線へ飛んで右往左往したりしています。
しかし私が少し離れてから静かに(なるべく動かず)撮影を続けると、結局は巣口に飛び込んで雛へ給餌するようになりました。
番(つがい)の♀♂が共働きでせっせと給餌していますね。
顔の斑紋で親鳥の個体識別ができるかもしれません。
踏切が鳴り♪列車が近くを通過しても、親鳥はもう騒音に慣れてしまっていて全く動じません。

巣口に出入りする親鳥を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@3:12~4:14、5:23~5:50)
親鳥の警戒を少しでも和らげるため、私は車道を挟んで少し離れた位置からカメラで狙うことにしました。
ムクドリは入巣の際に、壁の手前で見事なホバリング(停空飛翔)を披露してくれました。

飛来したスズメが壁際でホバリングした後、なぜか納屋の壁の水平なでっぱりに止まりました。
スズメ自身の営巣地を物色しているのかもしれません。
慌てて飛んで来たムクドリの親鳥はスズメを追い払ってから巣に入りました。(このとき虫は運んでいなかったようです。)
親鳥が2羽同時に巣に入ることは出来ない(巣が狭い)ようで、巣口の手前で鉢合わせになると渋滞することがありました。

通常のHD動画と交互に撮影しました。
親鳥が巣口に飛び込むと、雛鳥たちが一斉に餌乞いの鳴き声を発して賑やかになります。
ハイスピード動画では鳴き声を録音できない仕様なので、一長一短です。
親鳥は出巣した後も近くの電線に一旦止まってから次の採餌に出かけることが多いです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

実はこの屋根裏の穴に毎年ムクドリが営巣していて目をつけていたのですが、動画をじっくり撮影できたのは今回が初めてです。


つづく→排糞行動(ハイスピード動画)



ニセアカシアの花蜜を吸うセイヨウミツバチ♀



2017年5月下旬

川沿いで満開に咲いたニセアカシア(=ハリエンジュ)の花にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が来ていました。
後脚の花粉籠は空荷でした。

ミツバチに限らず今季はとにかく訪花する虫の数が少ないのが不思議、というか不気味ですらあります。(沈黙の春?)
自然界でハナバチが激減すると植物(虫媒花)の受粉ができなくなり、悪影響の連鎖が拡大して生態系に壊滅的な打撃を与えるでしょう。



【追記】
坂上昭一『ハチの家族と社会』(中公新書)によると、
ミツバチでは蜜集めと花粉集めは、大半の植物で専業個体が分業するのに対して、(中略)他のハナバチでは、同じ個体が訪れた花で両方を集める。(中略)そのため、蜜は多く出すが花粉はあまり出さない花には、ミツバチは来ても他のハナバチは来ない。初夏の札幌を彩り、また養蜂家にとって重要なニセアカシアの花はその好例である。 (p23より引用)
確かにそう言われてみると、私もミツバチの他にはクマバチぐらいしかニセアカシアに訪花するハナバチを見たことがありません。

▼関連記事
ニセアカシアの花で吸蜜・採餌するクマバチ





2017/08/22

川岸の倒木で羽繕い、脱糞するカワウ(野鳥)



2017年5月下旬

川岸から川に横に張り出した倒木で黒い物が動いているのを見つけました。
初めは黒いビニール袋がひっかかっているのか、カラスかと思ったのですが、念のために望遠レンズで見てみるとその正体はカワウPhalacrocorax carbo)でした。
最近の私はカラスの観察ばかりしているので、黒い鳥に対して目ざとくなっているようです。



上流を向いて止まったカワウは初めキョロキョロと辺りを警戒していましたが、その後はひたすら羽繕いを念入りにしていました。

ウ類の翼羽は油分が少なくあまり水をはじかないため、長時間、同じ姿勢を保ち濡れた翼を広げ小刻みに震わせ翼を乾かす習性を持つ。(wikipediaより引用)
引きの絵にすると、川面にカワウの影が映っています。
川岸に漂着したゴミが見苦しいですね。
郷土の川が汚れているのは本当にお恥ずかしい限りです。
嘆くばかりでなく、愚直に川のゴミ拾いを続けるしかありませんね。

途中、その場で白い液状の糞を大量に放出しました。(@0:32)
直後に翼を力強く羽ばたいています。
またしばらくすると、お辞儀をしながら翼を広げるという謎の行動が見られました。(@5:19)
このときのスナップショットを見直すと、背中?の羽根が抜けている(ように見える)部分が数カ所ありました。



これは病的な症状なのか、それとも正常な換羽期なのですかね?
(たまたま何かの拍子に地肌が見えただけ?)
素人考えでは、そもそも繁殖期の成鳥なら日中こんなにのんびり過ごさない気がします。(†追記参照)
若鳥なのでしょうか?

アオサギ?が近くから飛び去ったときもカワウはさほど動じず、つられて逃げ出すこともありませんでした。
粘っても一向に飛び立つ気配がないので撮影終了。
数時間後に再びチェックすると、カワウは居なくなっていました。
塒(ねぐら)やコロニーはどこなのだろう?
止まり木の少し下流には二段堰がありました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


▼関連記事
川に潜って漁をするカワウ(野鳥)

【参考文献】
県内のカワウ営巣地を知りたくてネット検索してみたらヒットしました。

・カワウ営巣地におけるドライアイスを使用した個体数管理の効果(PDFファイル)
・カワウの生態と最新の生息状況 -科学的な対応のために(PDF:元はパワーポイントのプレゼン資料?)
一つ目は「個体数調節」とマイルドな表現を使ってますけど、ちょっとショッキングな研究です。
私は魚釣りをほとんどやらずに育ったので、カワウに対する漁民の憎悪と混じりっ気なしの殺意にたじろいでしまいます。
ヒトとカワウのこういう軋轢も知っておかないといけませんね。
もし新たに営巣地を見つけたら秘匿する必要がありそうです。



↓【おまけの映像】
カワウを観察するのが未だ二回目の私は長撮りした映像をずっと見ていられます。
しかし思い入れがない皆さんには退屈でしょうから、半分にカットしました。
もしかするとカワウの羽繕いに決まった手順があるかもしれないので、ノーカット版もブログ限定で公開しておきます。
どんな行動にも前後の文脈に何か意味があるかもしれない、と常々思ってしまうのです。(カットに躊躇してしまうのはただの貧乏性?)




†【追記】
中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によると、
 カワウはほかの多くの鳥とちがって、まだ寒い冬から子育てをはじめます。(中略)繁殖の時期をむかえたカワウは、頭に白髪のような白い羽が目立つようになります。 (p30より引用)
映像の個体は頭部に白い羽毛があまりありませんね。
ここは雪国ですが、もうカワウの繁殖期は終わっているのかな?
同じ本でもう一つ、とても興味深い記述がありました。 
 カワウの水かきにも秘密があります。ふつうは水かきがついていると、木の枝につかまるのがむずかしくなります。(中略)カワウは水かきをもつにもかかわらず、上手に枝をつかむことができます。 
 多くの鳥は前に3つ、後ろに1つのゆびをもちますが、カワウは前だけに4つのゆびがあり、それぞれのゆびの間に水かきがあります。この4つのゆびを使い、木をぎゅっとつかむのです。 (p20-21より引用)
児童向けの月刊誌と侮ってはいけません。
一流の動物写真家による見事な生態写真が満載で、とても勉強になりました。
私も次に機会があれば止まり木に居るカワウの水かきに注目してみたいところですが、ブラインドを使うなど工夫してもっと近づいて撮る必要がありそうです。

ヨツモンカメムシ♀♂交尾中の綱引き



2017年5月下旬・午前7:00頃

朝、郊外の道端に生えた灌木(ハルニレ?)の葉でヨツモンカメムシUrochela quadrinotata)の♀♂ペアが交尾していました。
風で葉が絶えず揺れるので、あまりズームできません。
左にいる大柄な個体Lが♀なのでしょう。

交尾器を結合したまま互いに逆へ歩こうとするので、綱引きのような引っ張り合いになっています。
ドリトル先生に登場するオシツオサレツを思い出しました。
このオシツオサレツ状態を性的対立と呼ぶのは大袈裟でしょうけど、葉裏に隠れたいのか、♀が交尾を終えたいのかもしれません。

葉上に鳥の糞が付着しているのですが、吸汁せずにその上を通り過ぎました。

▼関連記事
鳥の糞を吸汁するセアカツノカメムシ♀
鳥の糞を吸汁するツノアオカメムシの幼虫

最後はようやく2匹とも葉裏に回り込みました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



ところで、この灌木の樹種はハルニレで合ってますかね?(あまり自信がありません)


2017/08/21

雛のために橋で虫を捕食するハクセキレイ♀(野鳥)



2017年5月下旬・午後18:15頃(日の入り時刻は午後18:52)

夕方の河川敷を歩いていると、橋でハクセキレイ♀(Motacilla alba lugens)を見つけました。
橋の欄干の外、コンクリートの縁に沿って歩きながら昆虫をせっせと捕らえていました。
横の車道を車が走っても全く気にしていません。
獲物はイモムシではなく、川に多いユスリカやガガンボ類(成虫)のようです。
自分の食欲を満たすためにその場で捕食するのではなく、嘴に獲物を何匹も溜め込んでいるということは、巣で待つ雛鳥のために採餌しているのです。
初めは嘴に何も咥えてなかったのに、次々と虫を捕まえて、最後は大漁です。
団子状の虫の塊をどうやって落とさずに、次の獲物を捕獲できるのか、不思議ですね。
飛び上がって空中で捕虫する妙技も披露してくれました。

途中で橋脚の基礎部分に飛び降りました。
てっきり橋脚に巣があるのかと思いきや、再び欄干へ戻って虫捕りを続けています。
橋の袂まで歩いて戻り、最後は巣へ飛び去りました。
土手を越えて住宅地へ向かったようです。
いつかハクセキレイの営巣地を突き止めたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。



【追記】
宮崎学『野生動物の首をしめるゴミ (かわりゆく環境 日本生き物レポート)』を読むと、似た事例が書いてありました。
 ハクセキレイの行動を追っていてわかったのだが、この野鳥は、日中、自動販売機や人家の玄関先など、夜間に照明のともるようなところで、えさとなる虫たちを捕まえていることをよく目にする(中略)。 これは、夜、明かりに集まる虫たちは、夜間の照明によってホルモンの調整がおかしくなって、昼間、その場所に動かないでとどまっていることが多いためなのである。その虫たちをハクセキレイはさがしだして捕まえているわけである。 (p103より引用)

確かに、夜になると橋を照らす外灯に大量の虫が川から誘引されますから、昼間は死んだ虫や休んでいる虫が橋の上に散乱しているのでしょう。



ハンノキカミキリを見つけた!



2017年5月下旬・午前6:40頃

朝の散歩をしていると、郊外の道端に生い茂ったススキの葉に見たことのないカミキリムシを発見。
赤と黒のツートンカラーで、かなり目立ちます。
帰ってから調べてみるとハンノキカミキリCagosima sanguinolenta)と判明。
この属名のCagosimaは鹿児島から来てるのですかね?(人名? 調べても分かりませんでした。)

じっとしているハンノカミキリに指を近づけると触角が動きました。
体に触れても方向転換するだけで、擬死落下したり飛んで逃げたりしませんでした。
気温が上がるまで日光浴していたのかもしれません。

すぐ近くに大規模な貯木場があるので、てっきりそこから来たのかと推測しました。
ところが本種のホストは「ヤマナラシ、シラカンバ、ヤシャブシ類、ハンノキ類、カキ」とあり、林業で伐採される樹種(スギ)とは違うようです。
横の河畔林などで発生したのかな?



2017/08/20

ハシブトガラス♀♂の求愛給餌と相互羽繕い(野鳥)



2017年5月上旬

アカマツ樹上でのハシブトガラス営巣記録#4


ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の巣があるアカマツに対して左奥の落葉高木(樹種不明)にいつの間にか親鳥の1羽αが止まっていました。
芽吹き始めた樹上で嘴を足元の枝に擦り付けたりのんびり羽繕いしたりしています。
やがて右から番(つがい)のもう一羽βが飛来しました。(@0:30)
同じ枝に並んで止まると左のαLが両方の翼を持ち上げてばたつかせました。
これはカラスの雛や幼鳥がやる餌乞い行動と同じです。
右のβRがそれに応え、口移しで給餌しました。
食後は2羽とも嘴を枝に擦り付けています。
カラスの求愛給餌行動を見たのは初めてです。
きっとβRが♂なのでしょう。
遠くて風が強いこともあり、α♀による餌乞いの鳴き声などは聞き取れませんでした。

プレゼントで♀の胃袋を掴んだ後に右の個体R(♂)がキスを迫ると左の個体L(♀)がのけぞって嫌がっているのが、見ていて微笑ましく思いました。
めげずにR♂がL♀に軽い相互羽繕いを数回行いました。(ニホンザル同士の蚤取り行動を連想します)
お返しの羽繕いはなかったので、厳密には「相互羽繕い」ではなく「対他羽繕い」ですね。
とにかく仲睦まじい様子で熱々です。
妬けるねー。

『科学のアルバム:カラスのくらし』によると、

この時期には、♀のカラスが♂のカラスに食べ物をねだることがあります。この行動は、のちにたまごをうむ♀のカラスに、より多くの栄養分をあたえることにやくだっているようです。
♀のカラスに食べ物をあたえる、♂のカラス。♀は羽をふるわせ、クークーと鳴いています。(p14より引用)
♂が♀に食べものをあたえる行動は、♀が産卵期をむかえてからもずっとつづきます。(p15より)



最後はほぼ同時に枝から飛び立ちました。
カーカー♪鳴きながら左に飛び、1羽はスギ高木の天辺に止まりました。
また私に対する警告です。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

私がハシブトガラスの巣を撮影しているとあまりにも親鳥が嫌がるので、短時間で切り上げて帰りました。
親鳥がストレスでこの営巣地を放棄してしまうのでは本末転倒になってしまいます。

つづく→#5:巣で給餌後に抱雛するハシブトガラス♀(野鳥)



▼関連記事(3、6年後に撮影)
モミ樹上の巣で求愛給餌するハシボソガラスの♀♂つがい(野鳥)

パートナーにパンを求愛給餌するハシブトガラス(野鳥) 



営巣木との位置関係

ホバリング中のクマバチ♂に石を投げてみると…【HD動画&ハイスピード動画】



2017年5月下旬

川の堤防で河畔林のニセアカシア(=ハリエンジュ)が白い花を満開に咲かせていました。
その周囲でキムネクマバチ♂(Xylocopa appendiculata circumvolans)がホバリング(停空飛翔)しています。
訪花する♀を待ち構えて交尾しようと空中で縄張りを張っているのです。
♂同士の競争が熾烈なためか、飛んでくる♀を見つけたらスピード勝負です。
♀でなくとも取り敢えず何か飛んでくる物(未確認飛行物体)を見つけたら全速力で飛んで行き、他種の昆虫やライバルのクマバチ♂なら縄張りから追い出します。
そのため雄蜂の複眼は♀に比べて非常に大きく発達しています。
体力を消耗するこの縄張り占有行動を雄蜂は忙しなくひたすら繰り返しています。

この行動の解明に一石を投じるため足元の砂利を拾い、240-fpsのハイスピード動画に撮りながらホバリング中のクマバチ♂に小石を投げつけてみました。(@0:41~)
すると、放物線を描いて落ちる石を交尾相手の♀またはライバル♂と誤認して雄蜂がスクランブル(緊急発進)で追尾します。
クマバチ♂の優秀な動体視力および迎撃の反応速度もスローモーションの映像から分かりますね。
投げた小石の大きさや色、形状によって雄蜂の反応性に違いはあるか、ちゃんと調べたら面白いかもしれません。
おそらく同一個体と思われる♂に対して繰り返し投石実験を行いました。
投石を追いかけても、すぐに誤認と気づいて追尾を止めています。
しかし慣れは生じず、ほぼ毎回引っかかる(騙される)のが興味深く思いました。
反射的な行動なのでしょう。
先日、鏡に映った自分の姿に対してもクマバチが飛びかかっていく面白い行動を観察したのですが、そうなるのも納得です。

▼関連記事
車体や窓に映った鏡像に戦いを挑むクマバチ♂

実を言うと、このネタは数年前にYouTubeのコメント欄で海外の虫好きの方から教えてもらった遊びです。
動画で記録したくて毎年密かに挑戦してきたものの、実際に撮ろうとすると意外に大変でした。
石を投げてくれる助手がいれば簡単なミッションですけど、一人でやろうとすると意外に難しいのです。
三脚を立ててホバリング中のクマバチ♂をカメラで狙っている間に、忙しい♂はもうどこかへすっ飛んで行ってしまいます。
仕方なしに手持ちカメラで撮りながら小石を投げつけてみたら、案ずるより産むが易しで、なんとか上手くいきました。
ちなみに雄蜂は針をもたないので、この実験で刺される危険は全くありません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

次に機会があれば背景がすっきりした所で撮り直すつもりです。
それからクマバチ♀♂の交尾を観察してみたいものです。





【追記】
高家博成、江川多喜雄『虫のうごくひみつ (花はな虫むし)』という児童書に、この実験のことが書いてありました。
むらさき色のふじの花がさくと、その近くの空中に、頭とおなかが黒くて、むねが黄色のクマバチの♂が、とまっているように、とんでいるのを見ます。♀がやってくるのをまっているのです。そばになにかとんでくると、さっととんでいって、♀かどうかたしかめます。スズメやハトのような、自分よりずっと大きいものでも、おいかけます。 
 ためしに小石をほうりなげてみました。すぐおいかけて、地めんにぶつかりそうになると、さっとはなれ、またもとのところにもどって、とびつづけました。(p5より引用)


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