2019/08/10

巣箱に通って雛に給餌し糞を処理するハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#10



▼前回の記事
巣箱のある送電塔で鳴き続けるハシブトガラスの親鳥(野鳥)


2019年5月下旬・午前10:08〜10:38

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥♀♂が共稼ぎで巣箱に通って雛鳥に代わる代わる給餌するシーンをまとめてみました。
雛が未だ小さいので、給餌の頻度は低いようです。


シーン1:

採食から巣に戻ってきた親鳥は、食料を詰め込んだ喉袋が大きく膨らんでいます。
餌乞いした2羽の雛に口移しで給餌しました。
この後、どうやら雛が排泄した糞を親鳥が食べたようです。
もう少し雛が育つと、親鳥は雛の糞を巣の外へマメに捨てに行くのですけど、この親鳥は出巣せずにそのまま雛の横で付き添っています。(抱雛?)

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』によると、

・鳥の下嘴の骨格はVの字になっていて、その間が皮で覆われています。カラスの場合はその皮がとてもよく伸びるので、思いのほかたくさんの食べ物を詰め込むことができます。

・食べ物を蓄える皮の部分は、嘴が大きいブトはかなり伸びますが、嘴た小さくて細いボソの場合はそれほど伸びないので、あまりたくさん詰め込むことができません。(中略)おそらくブトの半分以下しか詰め込めないでしょうけれど。(p83-84より引用)



シーン2:(@1:50〜)

在巣の親鳥(おそらく♀)が左を向いてカー♪と一声だけ発しました。
下段の鉄骨に止まっていたもう1羽の親鳥(おそらく♂)が飛び上がって帰巣すると、巣内の雛が振動で気付いて盛んに餌乞いを始めました。
送電塔の鉄骨から鉄骨へピョンピョン跳ねるようにして入巣した親鳥♂は喉袋が膨らんでいます。
甲斐甲斐しく雛に給餌していますが、鉄骨の陰でよく見えません。
続けて今度も食糞したようです。
巣から左へ鳴きながら飛び去った親鳥♂の喉袋が少し膨らんでたのは、雛の排泄した糞を捨てに行くからかな?(排糞行動)



シーン3:(@3:47〜)

いつの間にか、親鳥が♀♂共に巣を留守にしています。
やがて右下より飛来した親鳥(おそらく♀)が帰巣しました。
例によって喉袋が大きく膨らんでいます。
ホッピングで巣箱に入ると、雛に給餌しました。
食後の雛が排泄した糞を今回も食べ(食糞)、そのまま雛に付き添って面倒を見ています。
次にもう1羽の親鳥(おそらく♂)も帰巣しました。(@7:00)
雛に給餌すると、雛の糞を喉袋に入れて外に捨てに行きました。
巣に残った親鳥♀が左を向いてカーカー♪鳴いています。


つづく→#11


ヒメハナバチの営巣地でホバリングする寄生アブ?との攻防【ハイスピード動画】



2019年5月中旬・午後12:02


▼前回の記事
採餌後に地面の巣口を見失ったヒメハナバチ♀の一種【HD動画&ハイスピード動画】

ヒメハナバチ科(またはコハナバチ科?)の一種♀が採餌から営巣地(集団コロニー)に戻って来て地面を掘っている様子を240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、意外な珍客が登場しました。

巣口を見つけられずに苦労しているヒメハナバチ♀の背後で1匹の小さな虻が地面スレスレの低空でホバリング(停空飛翔)しています。
寄生ハエの♀が寄主の巣に産卵するチャンスを虎視眈々と狙っているのだとしたら面白いのですが、素人目には(寄生ハエではない)ホソヒラタアブの仲間にしか見えません。
辺りには芝生(?)が疎らに生えているだけでハナアブ類が好むような花は咲いていませんし、こんな裸地に一体何の用があるのか謎です。
交尾相手の♀を待ち伏せしているホソヒラタアブ♂なのでしょうか? (だとしても♀がこんな所に来るでしょうか?)
あるいは寄生性ツリアブの一種なのですかね?
このアブ(?)について何かご存じの方は教えて下さい。
同定用の高画質写真は撮れていません…。

ホバリングしている虻が、穴掘り中のヒメハナバチ♀aとの距離をこっそり縮め始めました。
そこへもう別個体の蜂bが飛来しました。
後脚の花粉籠に花粉を運んでいない空荷の個体です。(雄蜂♂なのかも?)
虻と一緒にもつれ合うように飛び去りました。
営巣地を寄生者から防衛しているのでしょうか?
蜂bがタイミング良く飛来したのは、たまたまですかね?



北海道大学のキャンパスでホクダイコハナバチの生態を解明した坂上昭一『ハチの家族と社会:カースト社会の母と娘』という中公新書の名著を紐解くと、「寄生者たち」と題した章が設けられていました。

ヒメホオビロハナバエ(諏訪正明博士同定・新和名)は巣の近くの地表で、ハチの帰巣をじっと待っている。帰ってくると飛び立ち、その1ー2センチ後を追う。ハチは敵の存在に気づいているのか、左右にコースを変えるが、ハエは実に正確にその飛跡をたどる。ハチが着地して巣に消えると、ハエは巣口に腹をつっこむ。ときには中まで潜っていく。このとき卵、または体内でかえった幼虫を産むのだろう。巣はかなり多いのに、ハエはハチのもどってきた巣にしか入らない。寄主の存在が確実な巣のみをねらうのだろうか。(p31より引用)


しかし「ヒメホオビロハナバエ」でインターネット検索しても、画像(写真)はおろか全く何も情報がヒットしません。
その後に和名が変わったとしても、本に学名が併記してあれば追求できたのに、残念です。
とりあえず、私が見ているハチがヒメハナバチ科なのかコハナバチ科なのか、確かめることが先決ですね。


つづく→ヒメハナバチの営巣地で穴掘りを邪魔し、巣口に侵入を試みるアリ【ハイスピード動画】


中州で交尾するコチドリ♀♂(野鳥)



2019年5月下旬・午前6:47

川の中州で朝からコチドリ♀♂(Charadrius dubius curonicus)が交尾していました。
一瞬の出来事なので、まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
画面中央下で♂が♀の背後からマウントし、羽ばたきながらバランスを取って交尾中です。
交尾時間は短く、コチドリの♀♂つがいはすぐに別れました。
♂は私を警戒しているのか、すぐに左へ飛び去ってしまいました。
その場に残った♀は中州を歩き回りながら採食開始。
カメラを左にパンすると、先程♀と別れたばかりの♂も同じ中州の少し離れた所で採食していました。
その近くにはムクドリも居ます。

つづく→朝の中州で採食するコチドリ♀♂(野鳥)


2019/08/09

ニセアカシアの花蜜を吸うウスバアゲハ



2019年5月下旬・午前7:35

河畔林で満開に咲いたニセアカシア(別名ハリエンジュ)の大木でウスバアゲハ(別名ウスバシロチョウ;Parnassius citrinarius)が訪花していました。

翅の縁があちこち破損した個体です。
その翅を全開にして朝日を浴びながら、がっつくように吸蜜しています。
口吻を縮めて少し休んでから飛んで別な花穂に移動し、吸蜜を再開しました。


ウスバアゲハ@ニセアカシア訪花吸蜜
ウスバアゲハ@ニセアカシア訪花吸蜜

早朝の水田で水浴びするカルガモの群れ(野鳥)



2019年5月下旬・午前5:30頃(ちなみに日の出時刻は午前4:20)

早朝の水田で3羽のカルガモAnas zonorhyncha)がジャブジャブと水浴していました。
行水が済んだ2羽は横の畦道に歩いて登ると、軽く羽ばたいて羽根の水気を切り、羽繕いを始めました。
それと入れ替わるように左の個体が畦道から田んぼに入水し、嘴で水をすくって飲み、採食を始めました。


カルガモ2(野鳥)群れ@水田畦道+羽繕い

2019/08/08

採餌後に地面の巣口を見失ったヒメハナバチ♀の一種【HD動画&ハイスピード動画】



2019年5月中旬・午前11:55〜12:11

この時期(早春)に活動するハナバチと言えば、ウツギヒメハナバチなどが有名です。
ウツギの花で採餌する♀や♂の求愛行動などはこれまで観察しているものの、どうしても営巣地を見つけられませんでした。
今回、ヒメハナバチ科(またはコハナバチ科?)の一種の集団コロニーを偶然に見つけました。

後脚の花粉籠に黄色い花粉団子を満載した蜂が営巣地を低空でぐるぐる飛び回ってから、飛び去ってしまいました。
しばらくすると採餌から帰巣した別の♀が(黄色い花粉団子を満載)裸地を掘っていました。
しかし巣口を見つけられずに飛び去ってしまいます。
出巣の際に巣口を一時閉塞する習性があるのかな?
もしかすると、直前に私が気づかずに歩き回って営巣地を踏み荒らしてしまった可能性もあります。

私が近くで突っ立ているせいで、帰巣した蜂にとって営巣地の景色がガラリと変わってしまって迷子になっているのでしょうか?
蜂は記憶を頼りに何度も帰巣をやり直しては巣口を必死で探しています。
あるいは、たっぷり採餌した後で一から巣穴を掘り始める蜂なのでしょうか?(狩蜂ならともかく、そんな非効率な営巣習性のハナバチは記憶がありません。)
養蜂ミツバチの大量死(蜂群崩壊症候群)で騒がれたように、ネオニコチノイド系農薬(殺虫剤)の影響で記憶や認知機能が低下しているのでしょうか?
(フィールドで見かけるミツバチやマルハナバチの数が今季は少ない印象があり、非常に気がかりです。)

映像を見直すと、気になる物がちらっと写っていました。(@0:15)
画面左下隅の地面にある黒い小さな物体(小石?)が蜂の頭部のようにも見えます。
門衛が巣内から顔を出して外を見張りつつ巣口を塞いでいるのかな?と想像してみたのですが、定かではありません。

事態をややこしくしているのは、映像に登場する蜂が少なくとも2種類いるように見えることです。
後脚の花粉籠に黄色い花粉団子を満載した個体と空荷の個体です。
採餌から戻った個体は全身が黄色い花粉でうっすらと汚れているために、空荷の♀とは同種でも見た目の印象が変わって見えるのかもしれません。
空荷の個体は体表の光沢が目立ちます。
同種の♀と♂が営巣地を飛び回っているのでしょうか?
採集してきちんと調べたら、本当に別種の蜂かもしれません。

巣穴を試掘してから飛び立った♀(+花粉団子)が別個体(空荷)と空中でコツンと衝突しました。
初めの♀は驚いて飛び去ってしまいました。
小競り合いの様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイします。
集団コロニーで近所の♀同士で縄張り争いがあったりするのかもしれません。
それとも雄蜂♂が♀に交尾を迫る求愛行動なのかな?
同様のシーンが何度も繰り返されます。
空荷の個体も地面を少し掘っただけで、すぐに諦めて飛び去ってしまいます。
辺りを低空で飛び回ると、再び同じ場所に着地しました。
そこへ花粉団子を満載した♀個体が戻って来て、追い払われました。
この♀も巣穴を見つけられずに地面を試掘しただけで、諦めて飛び去ってしまいました。
事態が一向に進展しないので、見ている私も次第にやきもき(苛々)してきます。

蜂の飛翔があまりにも敏捷なので、一体何が行なわれているのか素人目にはさっぱり分かりません。
そこでやや引きの絵にして、240-fpsのハイスピード動画に切り替えてみました。(@2:23〜5:57)
すると効果は絶大で、文明の利器のありがたみを実感します。
逆に、スーパースローの映像が撮れない時代に蜂の詳細な観察記録を残した先人の偉大さが際立ちます。

花粉籠を花粉で満載した♀が地面で穴掘りしています。
諦めて飛び立つと、出巣のときの視覚記憶と照らし合わせるように定位飛行してから、「やっぱりこの辺りだわ」とばかりに、ほぼ同じ場所に着陸しました。
小石(砂粒)の間に頭を突っ込んで少し掘ってみたものの、諦めて再び飛び去りました。
採餌から帰巣した♀蜂は営巣地の裸地で小刻みに離着陸を繰り返し、あちこちで試掘を繰り返して巣口を探し回っています。
帰巣時に迷子になりやすいのなら、予め巣口付近にフェロモンで匂い付けしておけば良いのに…と私は余計なお世話を妄想しながら見ていました。(これからそのように進化するはず!?)

自然界の生き物は初心者にも手加減しません。
図鑑や本に書いてあるようなスッキリ分かりやすい状況ではなく、現実のフィールドではいきなり難しい応用問題が目まぐるしく繰り広げられます。
観察しても混沌としていて、とにかく分からないことばかりです。
これから謎を一つずつ解きほぐしていくしかありません。
映像で蜂の名前の見当が付く方がいらっしゃいましたら、是非教えてください。

ウツギヒメハナバチかどうか未だ分かりませんが、周囲にウツギの木は未だ見つかっていません。

今後も定点観察に通う必要があるため、場所を秘匿します。
当地では珍しいカシワの木を某所で見つけて、春に芽吹く様子を写真に撮るため定点観察に通っていました。
その根元付近の地面に何気なく目をやると、とても小さな蜂(ミツバチよりも小型)が多数飛び回っていたのです。
辺りにはカシワ以外の樹種(落葉性広葉樹)も混在していましたが、問題の営巣地は木陰ではなく日当たりが良いギャップになっていました。
地面は少し斜面になっていて、芝生(?)が疎らに生えていました。
周囲の環境などもこれ以上詳しく書くのを(当分の間は)控えますが、人里離れた自然豊かな環境というより、意外にも都市環境に近いです。
生息地(集団コロニー)がいつ人為的に荒されるか危ぶまれる場所なので、なおさら気を使います。
たとえ普通種のハナバチでも、初めて観察する私にとっては大切なフィールドです。

つづく→ヒメハナバチの営巣地でホバリングする寄生アブ?との攻防【ハイスピード動画】




【追記】
北海道大学のキャンパスでホクダイコハナバチの生態を解明した坂上昭一『ハチの家族と社会:カースト社会の母と娘』という中公新書の名著を紐解くと、営巣地で終日観察したなかで「変わった行動」を示した個体が記録されていました。
巣12の♀は、9時32分に外出したきり、観察終了まで戻らなかった。ただし翌日は帰巣していた。このような例は記憶喪失の結果と思われる。まだ未経験の若バチだったのかもしれない。類似の例が17の観察巣で7回見られた。 (p30より引用)
とりあえず、私が見ているハチがヒメハナバチ科なのかコハナバチ科なのか、確かめることが先決ですね。

ヒメハナバチ♀sp+花粉団子@巣穴掘り
ヒメハナバチ♀sp+花粉団子2@帰巣
ヒメハナバチsp-花粉団子@巣穴掘り
ヒメハナバチ♀sp±花粉団子2@帰巣ニアミス

巣箱のある送電塔で鳴き続けるハシブトガラスの親鳥(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#9



▼前回の記事
ハシブトガラスの雛がヘリコプターに餌乞い(野鳥)

2019年5月下旬・午前9:56〜10:27

しばらく巣を留守にしていたハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥(おそらく♀)が鳴きながら戻ってきました。
ところが着地したのは巣箱のある段の上の鉄骨で、右を向いてカーカー♪鳴き続けています。
ようやく巣箱と同じ段の鉄骨に飛び降りても(@1:41)、雛に給餌する訳でもなく、ひたすら鳴き続けています。
どうやら右の遠くの河畔林に居るらしい♂と鳴き交わしていようです。
「油を売ってないで雛鳥のために早く餌を取って来い!」と亭主に催促しているのかもしれません。
この間、巣内の雛鳥は餌乞い行動をしませんでした。
雛は未だ小さいので、一度餌を食べてしまうとなかなか空腹にならないのかもしれません。
「親鳥が鳴いている間は危険が迫っているので絶対に動かないように」という鉄則が雛の本能にプログラムされているのでしょうか?
ハシブトガラスの本気の警戒声はもっと切迫しているので、このときの親鳥の鳴き方とは違うと思うのですけど、どうでしょう?

親鳥♀は鳴き止むと羽繕いを始めました。(@2:08)
それまで巣内でじっとしていた雛が動きましたが(@3:10)、横の親鳥が鳴くと再び巣に身を伏せました。
最後、親鳥は鳴きながら送電塔の右に飛び降りました。(@5:01)

24分後、巣箱に入って雛に付き添う親鳥が左を向いてカァーカァー♪鳴き続けています。
先程よりも音程が低く、落ち着いた感じです。
今度は親鳥♂なのかもしれませんが、外見で個体識別できないのが残念です。
状況に応じて声色を使い分けているはずです。
カラスの鳴き声を日本語に訳してくれる翻訳機カーリンガルが欲しいところです。

つづく→#10:巣箱に通って雛に給餌し糞を処理するハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)




2019/08/07

ミズキの花から飛び立つコアオハナムグリ



2019年5月下旬

河畔林に聳え立つミズキの大木で散りかけた花にコアオハナムグリGametis jucunda)が来ていました。
花上で静止し、頭部だけがかすかに上下に動いているものの、食事をしているのかよく分かりません。

最後は飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。
ハナムグリの仲間は、固い鞘翅(前翅)を閉じたまま横の隙間から柔らかな後翅を伸ばして羽ばたき飛ぶことができます。

重い望遠レンズを構えてミズキ高木を下から長時間見上げる無理な体勢で撮影を続けていたら、肩凝りが酷くなって鼻血が出てしまいました。
幸いすぐに凝血したので、手鏡を見ながらスポーツドリンクで洗い流しました。


コアオハナムグリ@ミズキ訪花

セグロセキレイ♂が中州で虫をフライングキャッチ【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)



2019年5月下旬・午前6:47〜7:10

▼前回の記事
川岸で水浴するセグロセキレイ♂(野鳥)

川で水浴を済ませたセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)は、雑草だらけの中州で小さな虫を捕食し始めました。
飛んでいる昆虫を華麗に舞うように空中で繰り返しキャッチしています。

フライングキャッチの妙技を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:00〜)
捕らえた獲物を嘴に貯めているので、巣に持ち帰って雛に給餌するのでしょう。
画面奥の川面にはカゲロウの成虫が飛び交っています。
セグロセキレイ♂は何度も果敢に飛び上がっているものの、実はフライングキャッチの成功率は高くないようです。

最後は意外な珍客の登場です。
セグロセキレイ♂と入れ替わるように、川の向こうから1羽のコチドリCharadrius dubius curonicus)が飛来し中州に着陸しました。
この2種間で縄張り争いは特に見られませんでした。


2019/08/06

羽化したマメドクガ♂(蛾)



マメドクガの飼育記録#19

▼前回の記事
繭を紡ぐマメドクガ(蛾)終齢幼虫♂【100倍速映像】

2019年5月下旬・午後19:00頃

繭棚で繭を紡いでから13日後。
飼育容器内で繭棚に立て掛けておいた割り箸に掴まっているマメドクガCifuna locuples confusa)の成虫に気づきました。
触角が羽毛状の♂でした。
毛深い前脚を前に揃えて止まっています。
羽化する前兆が分からず、繭からの脱出および翅伸展の過程を見逃してしまい残念無念…。

空繭の開口部の写真を撮ること。(掲載予定)


シリーズ完。


マメドクガ♂b(蛾)@割箸+羽化後
マメドクガ♂b(蛾)裏面@割箸+羽化後・全景
マメドクガ♂b(蛾)@割箸+羽化後macro
マメドクガ♂b(蛾)@割箸+羽化後macro
マメドクガ♂b(蛾)@割箸+羽化後macro
マメドクガ♂b(蛾)触角@割箸+羽化後macro

ハシブトガラスの雛がヘリコプターに餌乞い(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#8



▼前回の記事
炎天下の巣箱で暑さに喘ぎながら雛に付き添うハシブトガラス(野鳥)

2019年5月下旬・午前9:52

ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の親鳥♂が待てど暮せど採餌から戻ってこないので、痺れを切らした親鳥♀が巣を離れて自分で採餌に出かけてしまいました。
(出巣シーンは撮り損ね)

雛鳥はおとなしく留守番しています。
飛来したヘリコプターが送電塔の上空を通過すると、巣内の雛が大きく背伸びをしました。
親鳥が戻ってきたと誤認して、反射的に餌乞いをしたようです。
雛鳥の鳴き声は遠くて聞き取れませんでした。
カラスの雛鳥は通常、帰巣した親鳥が巣や鉄塔にトンと着陸したときの振動に反応して餌乞いを始めます。
雛がもう少し育つと、巣に戻って来る親鳥の姿を見つけただけで餌乞いをするようになります。
今回、飛来したヘリコプターに対する雛鳥の餌乞い反応は、視覚刺激によるものか聴覚刺激(ヘリコプターのエンジン音)がもたらしたものか、どちらでしょう?

つづく→#9:巣箱のある送電塔で鳴き続けるハシブトガラスの親鳥(野鳥)


ハシブトガラス雛(野鳥)@巣:送電塔#KN7+餌乞い

2019/08/05

ニセアカシアの葉柄を徘徊するチャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫



2019年5月下旬

川沿いで白い花が満開に咲いたニセアカシア(別名ハリエンジュ)の木の枝葉に蓑虫がたくさん付いていました。
チャミノガEumeta minuscula)の幼虫です。

多数の小枝を筒状に束ねて作った蓑に入ったまま引きずって葉柄を移動している個体がいます。
腹脚は退化してるのか、胸脚だけで歩いているようです。
頭部は焦げ茶色で斑点があります。
『イモムシハンドブック』を紐解いて調べると、チャミノガの食草リストにニセアカシア(マメ科)が含まれていました。(p50より)
葉を食べるシーンを観察したかったのですが、なぜか方向転換して葉柄を引き返してしまいました。
花を食べることもあるのでしょうか?

一時的に採集した蓑を採寸してみると、蓑の長さは約2cmでした。
撮影後は元の枝葉に蓑虫を戻しておきました。
持ち帰って飼育してみたいのはやまやまですが、これ以上ネタを増やす余力がなくて断念。
今後の宿題です。


チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫2@ニセアカシア葉裏
チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫@ニセアカシア葉柄+徘徊
チャミノガ(蛾)幼虫:蓑虫@ニセアカシア葉柄+scale

スイバの実を食べるカワラヒワ♀(野鳥)



2019年5月下旬

川沿いの土手に生えたスイバの群落で食事中のカワラヒワ♀(Carduelis sinica)を見つけました。
茎の穂先に掴まり、赤みを帯びた実(痩果)を次々に喋んでいます。
食後は土手の下の方へ飛び去りました。
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


▼関連記事(6年前に2羽を撮影)
スイバの実を採食するカワラヒワ(野鳥)

撮影後に群落へ近づいて葉が茎を抱くことを確認したので、ギシギシではなくスイバです。


カワラヒワ♀(野鳥)@スイバ実採食
カワラヒワ♀(野鳥)@スイバ実採食
カワラヒワ♀(野鳥)@スイバ実採食

スイバ実
スイバ実
スイバ葉
スイバ実・全景

2019/08/04

炎天下の巣箱で暑さに喘ぎながら雛に付き添うハシブトガラス(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#7



▼前回の記事
送電塔の巣箱で雛を育てるハシブトガラス♀♂(野鳥)


2019年5月下旬・午前9:22〜9:41

送電塔の周りをぐるりと回りながら、色んなアングルで巣箱の様子を撮影してみました。

巣内に座って抱雛中のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)親鳥(おそらく♀)は嘴を開けっ放しにしたまま辺りをキョロキョロ見渡しています。
この営巣地は強い直射日光を遮る屋根や木の枝葉が無いので、炎天下で暑さに喘いでいるのでしょう。
陽炎が立ち昇っています。
雛の日射病対策のために親鳥が翼を広げて日陰を作ってあげているかどうか、興味があるのですけど、下から見上げるアングルでは見えません。
ドローンを飛ばして上から見てみたいところですけど、親鳥のストレスになるし危険なので止めましょう。

この送電塔は郊外の交通量の多い大通り沿いに立っていて、車の騒音が絶え間なく聞こえます。
ハシブトガラスと言えば繁殖期は巣に近づくヒトに対して非常に警戒心が強いことで有名ですが、私がここまで近づいて撮っても親鳥は怒ったり威嚇してきたりしませんでした。
だいぶ人馴れした、あるいは珍しく性格の穏健な個体のようで、観察しやすくて助かります。
この日はあまりにも暑くて、親鳥もバテていたのかもしれません。

鉄塔の中段に設置された巣箱をよく見てみると、かなり凝った作りでした。
プラスチックのパイプを組み合わせて、浅い箱の枠を作ります。
側面および正方形の底面に金網を張って金具や針金で固定してあります。
金網を使っているので、雨が降っても排水対策は万全です。
この巣箱(特設ステージ)に親鳥が巣材の枯枝を何本も運び込んで組み合わせ、巣が作られています。
巣箱がしっかりしているので、巣材の量を減らして手抜き工事しても大丈夫かもしれません。


ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7
ハシブトガラス(野鳥)巣:送電塔#KN7

やがて在巣の親鳥♀はカーカー♪と鳴きました。(@1:42)
澄んだ声で鳴くのがハシブトガラスの特徴です。

気温が高いので、親鳥は雛を抱かずに、横に付き添って座っているだけです。
小さな雛が嘴を大きく開き、横に居る親鳥に向かって背伸びをしました。(@2:00)
おそらく餌乞いだと思うのですが、翼は動かしておらず、雛の鳴き声は遠くて聞き取れませんでした。
しかし親鳥は採餌に出かけません。
雛の赤い口内を間近で見ても、親鳥の給餌衝動が解発されない場合があるのですね。
父親♂が採餌から戻ってくるのを待っているのでしょう。
雛が小さい間は片方の親鳥が付きっきりで見守るようです。

ちなみに、隣の送電塔に設置された巣箱にカラスは営巣していませんでした。(いずれ別の記事に書く予定です)

つづく→#8:ハシブトガラスの雛がヘリコプターに餌乞い(野鳥)


ミズキの花蜜を舐めるジョウカイボン



2019年5月下旬・午前8:00頃

河畔林でミズキ大木の散りかけた花に多数のジョウカイボンLycocerus suturellus)が集まり、飛び回っていました。
肉食性とされているジョウカイボンが頭を花に突っ込んで花蜜や花粉を食べているのは珍しいと思って撮りました。

▼関連記事(5年前の撮影)
ヤエウツギを訪花するジョウカイボン

こうして花の上を歩き回るので、ミズキの授粉を助ける送粉者として役立っていることになります。

複数個体を撮影。
最後は、葉から飛び立つ飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


ジョウカイボン@ミズキ訪花吸蜜

川岸で水浴するセグロセキレイ♂(野鳥)



2019年5月下旬・午前6:44

川の中州の水際でセグロセキレイ♂(Motacilla grandis)が朝から水浴びしていました。
浅瀬に浸かったまま勢いよく羽ばたくと盛大に水飛沫が上がります。
ハイスピード動画に切り替える余裕がありませんでした。
私はセキレイ類の水浴シーンを今まで見たことがなかったので、ようやく観察できてかなり嬉しかったです。(早起きは三文の得!)

水浴びを済ませたセグロセキレイ♂は、少し飛んで中州の石の上に移動しました。
身震いして羽根の水気を切ると、目の前にいた虫をいきなり捕食しました。
水浴後に羽繕いをするのは、カラスの行水と同じですね。



つづく→セグロセキレイ♂が中州で虫をフライングキャッチ【HD動画&ハイスピード動画】(野鳥)

セグロセキレイ♂(野鳥)@川岸:中州+水浴
セグロセキレイ♂(野鳥)@川岸:中州+水浴
セグロセキレイ♂(野鳥)@川岸:中州+水浴

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