2019/08/10

ヒメハナバチの営巣地でホバリングする寄生アブ?との攻防【ハイスピード動画】



2019年5月中旬・午後12:02


▼前回の記事
採餌後に地面の巣口を見失ったヒメハナバチ♀の一種【HD動画&ハイスピード動画】

ヒメハナバチ科(またはコハナバチ科?)の一種♀が採餌から営巣地(集団コロニー)に戻って来て地面を掘っている様子を240-fpsのハイスピード動画で撮影していると、意外な珍客が登場しました。

巣口を見つけられずに苦労しているヒメハナバチ♀の背後で1匹の小さな虻が地面スレスレの低空でホバリング(停空飛翔)しています。
寄生ハエの♀が寄主の巣に産卵するチャンスを虎視眈々と狙っているのだとしたら面白いのですが、素人目には(寄生ハエではない)ホソヒラタアブの仲間にしか見えません。
辺りには芝生(?)が疎らに生えているだけでハナアブ類が好むような花は咲いていませんし、こんな裸地に一体何の用があるのか謎です。
交尾相手の♀を待ち伏せしているホソヒラタアブ♂なのでしょうか? (だとしても♀がこんな所に来るでしょうか?)
あるいは寄生性ツリアブの一種なのですかね?
このアブ(?)について何かご存じの方は教えて下さい。
同定用の高画質写真は撮れていません…。

ホバリングしている虻が、穴掘り中のヒメハナバチ♀aとの距離をこっそり縮め始めました。
そこへもう別個体の蜂bが飛来しました。
後脚の花粉籠に花粉を運んでいない空荷の個体です。(雄蜂♂なのかも?)
虻と一緒にもつれ合うように飛び去りました。
営巣地を寄生者から防衛しているのでしょうか?
蜂bがタイミング良く飛来したのは、たまたまですかね?



北海道大学のキャンパスでホクダイコハナバチの生態を解明した坂上昭一『ハチの家族と社会:カースト社会の母と娘』という中公新書の名著を紐解くと、「寄生者たち」と題した章が設けられていました。

ヒメホオビロハナバエ(諏訪正明博士同定・新和名)は巣の近くの地表で、ハチの帰巣をじっと待っている。帰ってくると飛び立ち、その1ー2センチ後を追う。ハチは敵の存在に気づいているのか、左右にコースを変えるが、ハエは実に正確にその飛跡をたどる。ハチが着地して巣に消えると、ハエは巣口に腹をつっこむ。ときには中まで潜っていく。このとき卵、または体内でかえった幼虫を産むのだろう。巣はかなり多いのに、ハエはハチのもどってきた巣にしか入らない。寄主の存在が確実な巣のみをねらうのだろうか。(p31より引用)


しかし「ヒメホオビロハナバエ」でインターネット検索しても、画像(写真)はおろか全く何も情報がヒットしません。
その後に和名が変わったとしても、本に学名が併記してあれば追求できたのに、残念です。
とりあえず、私が見ているハチがヒメハナバチ科なのかコハナバチ科なのか、確かめることが先決ですね。


つづく→ヒメハナバチの営巣地で穴掘りを邪魔し、巣口に侵入を試みるアリ【ハイスピード動画】


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