2023/07/15

トレイルカメラカメラを警戒してから夜のスギ林道で餌を探すホンドタヌキ【暗視映像】

 



2022年11月下旬・午後18:30・気温7℃ 

ある晩に里山のスギ林道を通りかかったホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が立ち止まり、トレイルカメラを見上げていました。(カメラ目線) 
暗視カメラが照射する赤外線は動物の目には見えないとの触れ込みなのに、実際はうっすらと赤く光るので、敏感な個体には気づかれてしまうのでしょう。 
それともトレイルカメラが起動すると、かすかなノイズを発するのかな? 
赤外線LEDの光量が強過ぎたようで、白飛び気味です。
(カメラの設定で赤外線の光量を下げないといけません。) 

警戒したタヌキが右へ立ち去りかけたものの、暗闇の林道でスギ落ち葉の中に鼻面を突っ込んで匂いを嗅ぎ回り始めました。 
探餌行動だと思うのですが、具体的に何を探しているのでしょう? 
この時期は虫もほとんど居ないはずですし、キノコぐらいしか思い当たるものがありません。 

今回タヌキは溜め糞場sで排便しませんでした。 



砂地の地面を尾端で叩いて回るスキバツリアブ♀(産卵行動?)

 

2022年7月中旬・午前10:10頃・晴れ 

川沿いの堤防路(ダートロード)で砂地の部分にスキバツリアブ♀(Villa limbata)が降り立っていました。 
スキバツリアブはてっきり山地性と思っていたので、こんな平地(郊外と田園地帯の間)でも会えるとは意外でした。 

ホバリングの名手が地上で羽ばたきを止め、尾端を小刻みに上下して地面に付けています。 
本種の♀は産卵前に予め取り込んだ細かい砂で卵をまぶしておくのだそうです。 
途中で少し飛んであちこち移動してから、再び尾端接地行動を繰り返します。 
平べったい石の上では尾端接地行動をしないですぐに飛び立ちました。
定説に反して、実はこれが産卵行動なのでは?と私は密かに疑っています。 
撮影後に現場の砂を掻き分けて微小な卵を探し出し、飼育できたら証明になるのですけど、想像するだけでも難しそうです。
私の仮説が正しければ、この辺りにスキバツリアブの寄主となる地中営巣性のハナバチ類の巣穴があるはずです。
それとも、尾端接地行動した後の♀を追跡して観察すれば、産卵行動が見れるのでしょうか? (私は未だ見たことがありません。) 
本当の産卵はホバリングしながら卵を散布するのかな?

 

2023/07/14

わざと様々な物音を立てて威嚇誇示するニホンザル♀♂

 



2022年11月下旬・午後15:45頃・くもり

黒い首輪を装着したニホンザル♂(Macaca fuscata fuscata)が山麓の水路橋を渡り始めました。 
グレーチングの上を走る足音がガンガン♪と辺りに響き渡ります。 
横の手摺を伝って静かに渡ることも可能なのに、わざわざガンガン♪騒音を立てて渡るということは、私に対する威嚇誇示(ディスプレイ)なのかもしれません。 
谷の対岸に辿り着くと、振り返ってこちらを見ています。 

次に、♀が水路橋を渡り始めました。 
交尾直後らしく、尻に白い精液痕が付着しています。 
この♀個体は手摺を伝い歩きして水路橋を静かに渡っています。 
途中で立ち止まって手摺に座り、こちらを振り返りました。 
そのとき1羽のヤマガラSittiparus varius)が鳴きながら飛来し、手前の手摺に止まりました。(@0:38〜) 
水路橋を渡り終えた♀成獣が対岸の袂に座ってこちらを見ています。 
辺りを見回してから、なぜか再び水路橋の手摺を伝い歩いて此岸に戻り始めました。 
後続の仲間がついて来ないので、迎えに来たのかな? 
それとも、まさか私から給餌してもらえると期待しているのでしょうか? 
猿害の原因になるので、野生ニホンザルに出会っても給餌してはいけません。
餌付けしなくても野生ニホンザルの撮影観察は可能です。 
♀は水路橋を渡り切ると、閉じていた扉を両手でガタガタと激しく揺らしました。 
そんなことをしなくても、ニホンザルは閉じた扉をひょいと乗り越えることが出来るはずです。 
わざと騒音を立てるのは、私に対する威嚇誇示でしょう。 

関連記事(10年前の撮影)▶ 野生ニホンザル幼児が鉄扉を揺する誇示行動

ニホンザルの♂だけでなく♀も威嚇誇示するとは知りませんでした。 
発情期はテストステロンの血中濃度が高いのかな?(素人の勝手な想像です) 
ニホンザルが人工物を使って威嚇誇示するのは動物園でしか見たことがありません。
その動きで閉じていた扉が開きました。 (「開けゴマ!」)
♀は扉の隙間をすり抜けて、此岸のコンクリートに座り込みました。 

つづけて黒い首輪を付けた♂も対岸から水路橋の手摺を伝い歩いて此岸へ渡り始めました。 
遊動するニホンザルの群れが水路橋を右往左往していることになり、どこに行きたいのか何がしたいのか目的が全く分かりません。 
しばらくすると、首輪♂が先導して♀も一緒に水路橋を対岸へ渡り始めました。 
今回、首輪♂は途中で手摺から下りてグレーチングの上を歩き去ります。 
水路橋の途中に座り込んでいた子ザルを♀♂成獣は追い越して行きました。 

次にニホンザルが披露した予想外の行動に私は驚きました。
左の手摺に座っていた♀が急に左へジャンプして(@3:03〜)、谷に自生する落葉高木(樹種は手前がミズキ、奥がクリ)に飛び移ったのです。 
すぐに元の手摺に飛び移りました。
水路橋で殿しんがりを務めていた子ザルおよび対岸から走ってきた♀成獣も同様に、左の高木に飛び移りました。 
落葉樹をザワザワと激しく揺すって威嚇誇示しています。
 
関連記事(7、11年前の撮影)▶

樹上から再び水路橋の手摺に戻ると毛繕い。 

仲間の木揺すり行動を首輪♂が此岸の袂に座って眺めています。 
私に背を向けて毛繕いを始めました。 
おもむろに立ち上がると、首輪♂は水路橋の手摺を伝って対岸に移動開始。 
その途中で首輪♂がくしゃみをしました。(@5:29〜) 
風邪気味なのかな? 
後ろ姿で股間の睾丸が目立ちませんが、ズームインで確認できました。 

今回ニホンザルの群れと遭遇した当初は計5頭いたはずなのに、いつの間にか1頭が行方不明になっていました。 
水路橋で右往左往したりわざとうるさい物音を立てたりしていたニホンザル達は、迷子になった仲間を探し歩き、合流できるように物音を立てていたのかもしれません。

最後に、水路橋と高木との間を身軽に飛び移り、枝を揺する様子を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:52〜) 
手前の看板が邪魔ですけど、野生動物の身体能力に惚れ惚れします。


電線に並んで鳴く♪ハシボソガラスの幼鳥(野鳥)

 

2022年8月下旬・午後14:20頃・くもり 

郊外の住宅地で道端の電線にハシボソガラスCorvus corone)が2羽並んで止まり、変な声で鳴いていました。 
心なしか幼い鳴き声に聞こえるのですが、逆光で下から見上げても嘴の内側の色が見えず、幼鳥の確証が得られません。 (カラス幼鳥の口内は赤いはず)
近くからカメラを向けても逃げなかったので、やはり幼鳥ではないかと思います。 
下の車道を車が走っても、私が近くから見上げるように長撮りしても逃げませんでした。 
おそらく巣立ったばかりの幼鳥の兄弟姉妹が、親鳥からの巣外給餌を待っているのでしょう。 

やがてケーブルから隣のケーブルや電柱の天辺に飛び移りました。 
その際に、1羽が少量の白い糞を排泄しました。(@0:37〜) 

少し離れた電線にもう1羽居ました。 
この個体も幼鳥(三羽烏)なのか、それとも親鳥(成鳥)が幼鳥2羽を見守っているのか、どちらでしょう?

2023/07/13

河畔林に給餌したオニグルミ堅果を夜な夜な持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年11月下旬 

河畔林でタヌキの溜め糞場rvを自動撮影カメラで見張っていると、ときどき野ネズミ(ノネズミ)も登場します。 
この地点でもオニグルミ堅果を給餌して、野生動物の貯食行動を観察することにしました。 
現場近くには実際オニグルミの木も自生しているので、それほど不自然な状況ではありません。 
本当はタヌキの溜め糞場から離れた場所で給餌するべきなのですが、所有するトレイルカメラの数が限られているので、2つのプロジェクトを同時進行でやることにしました。 
画面を時計盤に見立てたときに、12時と2時の位置にある林床の黒々とした場所がタヌキの溜め糞です。 
排便に来たタヌキがオニグルミの堅果を見つけたらどんな反応をするのかも、興味があります。 

トレイルカメラで林床の給餌場/溜め糞場を終日監視すると昼間は風揺れなどで誤作動が頻発するので、夜間のみ(午後17:00〜午前6:30)暗視動画で1分間撮影するように設定しました。 
したがって、もし昼間にリスが来てクルミを持ち去っても、記録されないことになります。 
予め果皮を剥いたオニグルミの堅果40個を山盛りにして、ニセアカシアの根際に置きました。 
夜行性の野ネズミがいつも通り道としている落枝のすぐ横なので、すぐに見つけてくれるはずです。 
これまで山林で同様のオニグルミ給餌実験をしてきましたが、そこではローアングルで撮影していました。 
ここ河畔林ではハイアングルで撮影するようにしたら、また新鮮な映像になりました。 


シーン1:11/25・午後20:59・(@0:00〜) 
給餌した当日の晩に野ネズミが早速登場しました。 
早速クルミを1個選ぶと、口に咥えて右上(南西)に持ち去りました。 

真上から見下ろすように設置したトレイルカメラが毎回起動する度にノイズを発しているのか、初めのうち野ネズミは警戒しているようです。 
やがて慣れてくれて、繰り返し給餌場に通って来るようになりました。 
林床での探餌徘徊行動は無くなり、餌場にまっしぐらに戻ってきます。 
溜め糞場で採食する行動もしなくなり、クルミを持って溜め糞場を横切ります。 

オニグルミ堅果は、大きさも重さも野ネズミが運べる荷物の限界サイズなのでしょう。
運搬途中にときどき落としてしまいますが、拾い直して持ち去ります。 
欲張って大きなクルミを運ぼうとすると、途中ですぐに落としてしまいます。 
餌場でクルミを2、3個吟味してから持ちやすい小さな堅果を選ぶようになりました。 
餌場では選り取り見取りなので、野ネズミが迷って選んでいる間にクルミの山が崩れてしまいます。 

野ネズミは持ち去ったオニグルミ堅果を河畔林のあちこちに埋めて貯食し、長い冬を乗り切るための食料とするのです。 
1個ずつ違う場所に貯食するはずなのに、初めのうちはクルミを持ち去る方向がいつも同じでした。 

この日は計5回写りました。 
個体識別ができないので、何匹の野ネズミが通っているのか分かりません。 
もしも複数個体の野ネズミが餌場で鉢合わせしたら大喧嘩になるはずですから、同一個体が通っている気もします。 


シーン2:11/26・午前1:19・(@1:27〜) 
日付が代わっても野ネズミは深夜の給餌場にせっせと通います。 

いつもと違う不思議な行動をする回がありました。(@2:53〜3:22)
画面右下から餌場に戻って来た野ネズミが「宝の山(クルミ)」の存在に気づいたはずなのに、なぜか右下の林床に戻って探餌徘徊を続けます。 
クルミの食べ方を知らない若い別個体なのかな? 
警戒心が強い個体で怪しい罠だと思ったのでしょうか?  
それとも、餌場に通っている先客が匂い付けで占有権を主張しているのでしょうか? 
色々と妄想が膨らみますが、野ネズミを一時捕獲して個体標識しない限り、結論は出そうにありません。 
残念ながら素人が許可なく野ネズミを捕獲してはいけないことになっているので、お手上げです。 
その次の回からは、従来の運搬ルートでクルミを持ち去るようになりました。 

林床に転がっている落枝を伝って右にクルミを運び去ることがありました。 
新しい運搬ルートに変わったので、別個体の野ネズミなのかな? 
心なしか体格も小柄な気がします。 (気のせいか?)
落枝を橋のように使うと持ち歩くクルミが地面の落ち葉に引っかかったりしないので、楽に運べるのかもしれません。 
その後はもっぱら落枝の新ルートでオニグルミ堅果を運ぶようになりました。 

クルミを咥えたまま貯食場所を探して落ち葉に覆われた林床をうろつくことがありましたが、監視カメラの画角内では貯食してくれませんでした。 

急に今までとは逆の方向へクルミを運ぶようになりました。(@8:34〜) 
落枝を伝って左へ(川岸へ)向かいます。 
どうやらクルミを隠すエリアを変更したようです。 

給餌場に来る間隔が開くときがあるのは、どこか安全な隠れ家(巣穴)で休憩・食餌していたのでしょう。 

しばらくすると、再び落枝を伝って餌場の右へクルミを持ち去るようになりました。 

後半になると餌場にはもう野ネズミが運びにくい大きなクルミしか残っていません。(@11:29〜) 
諦めて給餌場を離れ、他の餌を求めて林床をうろつき始めました。 
この行動も気になります。 
私は映像から自信を持って野ネズミの種類を同定できません。 
山の野ネズミは大きなクルミも運べたのでアカネズミ、川の野ネズミは小さなクルミしか運べないのでヒメネズミ?という乱暴な仮説を立ててみました。 
ヒメネズミはクルミの食べ方を知らない(歯が立たない)のだとしたら、この個体は若くて小柄なアカネズミなのかな? 

たった一晩の撮影でカメラの電池が消耗してしまいました。 
明け方の低温で電圧が低下したのかもしれません。 
録画が切れ切れになってしまいます。 

夜明け前に野ネズミが給餌場に来たのは午前5:48が最後でした。 
日の出時刻は6:27。 
お疲れ様でした。 
帰巣して寝たようです。 

同じ日の日没後に野ネズミが貯食活動を再開しました。
日の入り時刻は16:25ですが、給餌場に現れたのは午後18:35でした。 
寝る前の出来事をしっかり記憶していて、迷わず餌場に出勤しました。 
前夜と同じルートでクルミを運びます(落枝を伝って右へ)。 

夜が更けると小雨(みぞれ?)がぱらつくようになりました。 
それでも野ネズミは平気で給餌場に通い、クルミを運び続けます。 
トレイルカメラが古い機種なので気温データが取得できませんが、明け方はかなり冷え込むはずです。 


シーン3:11/27・午前0:24・(@16:16〜) 
日付が変わって3日目の夜になりました。 
午前0:31に最後のクルミを給餌場から持ち去りました。 




草むらで獲物を探し歩くセグロアシナガバチ♀

 

2022年8月上旬・午後17:00頃・くもり 

農道脇の草むらでセグロアシナガバチPolistes jokahamae)のワーカー♀が歩き回り、獲物(イモムシ類)を探していました。

2023/07/12

丸々と太ったホンドタヌキのペアが晩秋にスギ林道の溜め糞場を素通り【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬・午後19:06・気温6℃ 

里山のスギ林道にある溜め糞場sを監視するトレイルカメラにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が久しぶりに♀♂ペアで写りました。 
前後に並んで林道を右から歩いて来ました。 
2匹とも便意を催さなかったようで、溜め糞場sを素通りして左に立ち去りました。 
後続の個体はカメラの存在に気づいて一瞬立ち止まりました。 

丸々と肥えて見えるのは、冬毛に生え変わり、冬に備えて体脂肪を蓄えているからです。 
今回のタヌキは2頭共に「フサ尾」でした。 
夏の間は「フサ尾」と「垂れ尾」のペアだと思っていたのですが、別個体とペアを組み直したのか、それとも冬毛に生え変わると垂れ尾がフサ尾に変化したのかな? 
顔つきなどもっと安定した特徴でタヌキの個体識別ができるようにならないと、話になりません。 



ミドリヒョウモン♀♂の交尾と連結飛翔【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年9月上旬・午後14:40頃・晴れ 

里山で冬になると雪崩が多発する急斜面があります。 
毎年の撹乱が激しくて樹木が育つにはあまりにも過酷な環境なので、夏には雑草に覆われます。 
その山腹でミドリヒョウモン♀♂(Argynnis paphia)が木苺(種名不詳)の葉に乗って交尾していました。 
ヒョウモンチョウ類の中で私がフィールドで一番良く見かけるのがミドリヒョウモンです。 
性別を見分けるのが簡単なので、配偶行動の観察に適しています。 
♀の翅表は緑っぽく、♂の翅表はオレンジ色っぽくて、黒くて濃い性斑(性標)があります。 

互いに逆向きになって腹端の交尾器を連結したまま、翅を緩やかに開閉していました。 
結合部がひくひくと動いているのが興味深いです。 
♂が精包を♀の体内に送り込もうとしているのでしょう。 

どうも交尾の舞台が居心地悪そうです。 
交尾しながら落ち着きなく歩き回り、水平に止まれる葉に移動しました。 
向きを変えてくれたおかげで翅裏の紋様がしっかり見えるようになり、ミドリヒョウモンと同定できました。 
連結部の微妙な動きも側面からしっかり観察できるようになりました。 

しばらくすると、なぜか再び♀♂ペアが落ち着きなく動き回り始めました。 
♀は交尾を早く切り上げたいのか、♂を足蹴にしました。 

交尾中のチョウが飛ぶ際に♀♂どちらが主導権を握って羽ばたくか、種によって傾向が異なることが知られています。 
互いに逆向きに連結しているため、♀♂が同時に羽ばたくと相殺されて上手く飛べないのです。(交尾器がちぎれてしまう?) 
240-fpsのハイスピード動画に切り替え(@3:05〜)、帽子を投げつけて交尾中のミドリヒョウモン♀♂を飛び立たせてみました。 
緊急発進をスーパースローで見ると、今回は♂が主導権を握り、♀を引きずって飛び去りました。 
♀は翅を閉じて空気抵抗を減らし、♂に身を委ねて安全な場所まで運ばれます。 
このタイプの連結飛翔を「←♂+♀」と表記します。 
ミドリヒョウモンでは逆に「←♀+♂」のタイプの連結飛翔も過去に観察しています。
関連記事(1、2、8年前の撮影)▶  
交尾中に連結飛翔で逃げるミドリヒョウモン♀♂(←♀+♂) 
交尾中のミドリヒョウモン♀♂(←♂+♀) 
交尾中に連結飛翔するミドリヒョウモン♀♂
ミドリヒョウモンの場合、連結飛翔で主導権を握るのは♀♂ランダムなのか、それとも先に危機を感じた個体が反射的に飛び立ち、パートナーは受動的に運ばれる仕組みになっているのでしょうか? 

逃げたミドリヒョウモン♀♂は少し飛んで斜面を下り、日当たりの良いクズの若葉に止まり直しました。 
ほぼ水平の広い葉なので、ようやく♀♂共に落ち着いて交尾を続けます。 

下山を急いでいた私は、交尾が終わってカップルを解消するまで見届けられませんでした。 
それにしても、安全を優先するのならどうして葉裏に隠れて交尾しないのか、不思議でなりません。 
どうして鳥などの捕食者に見つかりやすい葉表で堂々と交尾するのかな? 
♀が♂との交尾を早く切り上げたがる理由の一つが、天敵に捕食されるリスクです。



♀(右)♂(左)@キイチゴ葉
♀(上)♂(下)
♀(下)♂(上)@クズ葉


2023/07/11

ニホンザルの群れに占領された砂防堰堤

 

2022年9月中旬・午前10:50頃・くもり 

野生ニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが砂防堰堤の上でのんびり寛いでいます。 
曇天ですが巨大なコンクリートの塊が日光で程よく温められて、ニホンザルにとってはホカホカと暖かくて気持ち良いのかもしれません。 
個体数があまりにも多いので、どの個体に注目すべきか目移りしてしまいます。 

多くの個体が互いに毛繕い(グルーミング)しています。 
私に気づいて逃げたり隠れたりする個体もいれば、図太く堰堤に居残る個体もいます。 

堰堤の周囲に自生するオニグルミやニセアカシアの枝葉がときどき激しく揺れるのは、ニホンザルが飛び移ったり登り降りしたりしているのでしょう。 
若い個体が柳?の枯木に噛み付いて樹皮を剥がしています。(@0:49〜) 
餌の豊富な夏はわざわざ樹皮を食べないはずなので、樹皮の下に隠れている虫を探しているのでしょう。 
口の中や頬袋に餌を詰めて歩く個体が何頭かいますが、採食メニューが何なのか検討もつきません。 
オニグルミの未熟果はタンニンが渋くて食べられないはずです。 
口元がオレンジ色に汚れているのも気になります。 
子猿がニセアカシアの小葉を手で毟り取ったものの、後ろ姿では採食したかどうか不明です。(ただの暇つぶし?) 

3頭の母子家族がいます。
母親♀と思われる個体が、右手を伸ばして近くに居た長子(若猿)を掴まえました。(@1:50〜) 
嫌がる若猿を引き寄せて対他毛繕いをしてやろうとしたものの、結局は拒まれました。 
いかにも思春期の子供と母親の関係を彷彿とさせるシーンで、微笑ましく思いました。 


※ 撮れた映像素材を順不同に入れ替えて再編集しました。 


【追記】
これまで私は「砂防ダム」と呼んでいたのですが、高さ15m以下の物は「砂防堰堤」と呼ぶのが正式らしいです。
拙ブログの記事に出て来る用語を全て訂正しておきました。

晩秋にヌルデの樹上から飛ぶモズ♀(野鳥)

 

2022年11月下旬・午後13:25頃・晴れ 

川沿いに自生するヌルデの枝にモズ♀(Lanius bucephalus)が止まっていました。 
紅葉を過ぎたヌルデの葉は枯れ、熟した果実(核果)が大量に付いていました。 
モズがヌルデの熟果を食べたら面白いのに…と期待しながら見守るも、どうやら私のことを警戒しているようです。

尾羽根を上下に動かしていたモズ♀は横枝上でピョンと方向転換してから、川の方へ飛び降りました。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

2023/07/10

冷たい雨が降る晩秋の夜にオニグルミ堅果を持ち去る野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年11月下旬・午後18:02・気温6℃ 

山林の斜面に立つカラマツ大木の根元にオニグルミの実を給餌して、野生動物が来るのを自動撮影カメラで監視しています。 
4回目の給餌となる今回は、シワシワに干からびた果皮が付いたままのオニグルミ果実15個と、予め果皮を剥いた堅果7個を分けて、左右2箇所に山盛りに置いてみました。 



野ネズミ(ノネズミ)が果皮を歯で剥いてから堅果を持ち去る様子を観察するのが目的です。 
より自然な採食・貯食行動が見れるはずです。
予めクルミの果皮を剥いてから給餌するのは過保護だと気づいたのです。
野ネズミが通い慣れている餌場は左なのですが、そこにはいつもと違う果皮付きの果実を並べています。 
右にはいつものように果皮を剥いてある堅果を少しだけ置きました。 
カラマツの幹が根元付近で強く湾曲しているため(山地の多雪地帯に特有の樹形)、落ち葉や雨が給餌場にあまりかからないようになっています。 

給餌した翌日、雨が降る晩に野ネズミが来たのは右の給餌場でした。 
オニグルミの果皮を剥くのは面倒臭い(手間がかかる)ので、果皮なしの堅果を優先して運ぶのでしょう。 
いつものようにクルクルと胡桃を回して咥えやすい向きを見つけると、斜面を駆け下りて姿を消しました。 
左の餌場に置いた果皮付きのオニグルミは手つかずのままでした。 
低温のため乾電池の電圧が低下したようで、2分間の録画時間を待たずに途中で切れてしまいました。 
これ以降、野ネズミの貯食活動がなぜか全く記録されていませんでした。 
冷たい雨で野ネズミの毛皮が濡れて冷えてしまい、トレイルカメラの熱源センサーが感知できなかった可能性も考えられます。 
秋が深まるとともに厳しい気象条件になり、撮影も難しくなります。
こんなことなら、果皮付きのクルミだけを給餌すれば良かったですね。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


後日現場入りすると、左の給餌場には野ネズミが剥いた黒い果皮だけが捨てられていて、オニグルミの実は全て持ち去られていました。 
当然もう一度やり直したかったのですけど、このプロジェクトのために個人的に拾い集めたオニグルミのうち果皮付きのストックが1回で全部無くなってしまいました。 
(果皮付きのままのストックは嵩張る上に、カビが生えやすいのです。) 
来季の宿題として持ち越しです。
果皮なしのオニグルミ堅果は未だ大量にストックが残っているので、それを使った給餌実験をしつこく続けます。 



芝生の巣穴で離着陸を繰り返すモンスズメバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2022年8月上旬・午後14:20頃・晴れ 

河川敷で芝生エリアを囲む縁石の横にあるモンスズメバチVespa crabro)の巣穴bを定点観察しています。 
この日は満を持して三脚を持参し、巣穴に出入りするワーカー♀の離着陸を真上からじっくり長撮りしてみました。 
今回の目標は、ワーカー♀が巣内に持ち込む団子が巣材のペレットなのか、それとも獲物を狩った肉団子なのか、見極めることです。 
モンスズメバチはセミを狩るのが得意だと言われていますが、私は未だ実際に狩りの様子を見たことがありません。 
周囲の河畔林からアブラゼミ♂とミンミンゼミ♂がやかましく鳴く蝉しぐれ♪が聞こえてきます。 
巣穴に搬入する肉団子を見ただけでは獲物を同定できないだろうと思うのですが、とにかく観察してみましょう。 
蜂を毎回採寸する代わりに、巣口の横に1円玉(直径20mm)を並べて置きました。 
モンスズメバチ♀の離着陸を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:33〜) 

炎天下の撮影は過酷で、日傘が欲しくなります。 
私は日陰に移動すれば暑さを凌げますが、動画の長撮りを繰り返すとカメラがオーバーヒートして、冷めるまでしばらく使えなくなります。 
携帯ファンで積極的にカメラを空冷すべきかもしれません。 
(試してませんが、ファンの騒音を蜂が嫌うかな?) 

 


蜂を個体標識していないので、計何匹のワーカー♀がこのコロニーで活動しているのか分かりません。 
巣口から出てきても、うろうろと警戒しただけで巣内に戻る個体は門衛なのでしょう。 
3匹の蜂が続けざまに巣口から飛び去ったことがあったので、少なくとも3匹のワーカー♀が居ることが分かります。 
腹部が少し湾曲している個体は、軽い奇形なのかな?  
スズメバチネジレバネXenos moutoni)に寄生されている可能性が考えられます。
ここで問題が発生しました。 
黒い三脚の脚を長く伸ばして巣穴の真上に設置したので、モンスズメバチ♀が次第に警戒し、機嫌が悪くなり始めたのです。 
日本でスズメバチの巣を襲う一番の天敵は体毛の黒いツキノワグマと頭髪が黒いヒト(日本人)です。
したがって、国産のスズメバチは自分たちの巣を守るために、黒い物に対して特に警戒・攻撃するように進化しました。 
スズメバチを観察する際は、必ず全身を白っぽい服装に身を包み、帽子や白タオルで頭の黒髪を覆う必要があります。 
外役ワーカー♀はその日初めて出巣した直後に、巣穴の位置を記憶するためにホバリングしながら扇状に定位飛行します。 
巣穴の上に覆いかぶさるように置かれている真っ黒な三脚という露骨に怪しい物体を見つけた蜂が攻撃的になったのは当然です。 
警戒フェロモンを放出したかもしれません。 

外役ワーカー♀は巣材集めや獲物を狩りに出かけるどころではなくなり、私が目的とする行動を撮影できなくなってしまいました。 
蜂が忙しなく帰巣しても空荷でした。 
着地の瞬間に前脚も万歳すれば空荷で帰巣したと分かります。 
(前脚は手ぶらでも、口に咥えていたら背面からでは運搬物が見えない?) 

巣の横に立って見ていた私の体にも、まとわりつくように蜂が飛び回るようになりました。 
手を振り回したりしないで落ち着いてゆっくり後退しても、モンスズメバチ♀はしつこく追いかけてきます。 
飛びながら大顎をカチカチ♪鳴らす警告音は聞き取れませんでした。 
営巣地から充分に離れると蜂も許してくれ、私から離れて行きます。 
スズメバチ専用の物々しい防護服を着用していなくても、スズメバチの習性と対処法を知っていれば、刺されずに済みます。 
カメラが1台しか無いので、複数のモンスズメバチ♀が三脚や私に対してしつこくまとわりつくように飛び回る様子を動画に記録できず、残念でした。 

スズメバチの撮影で黒い三脚を使うのは良くないと、改めて(身を持って)知りました。 
三脚を白く塗装してしまうと他の目的に使いにくくなりますから(野外で目立ち過ぎる)、白色や迷彩柄のビニールテープを三脚に巻けば良かったかもしれません。 
あるいは、黒ではなく銀色の三脚を使えばよかったですね。
その一方で、巣口の横に置いたピカピカ光るアルミ製の1円硬貨に対してモンスズメバチ♀は無反応でした。 

地中営巣性のスズメバチが巣穴から離着陸する様子を動画撮影するには、前回やったように、巣穴のすぐ横の地面にカメラを置いてローアングルから撮影するのが一番良さそうです。 
巣に持ち帰る肉団子や巣材をしっかり観察するには、上から見下ろすのではなく横からのアングルでハイスピード動画に記録するべきです。 
私のカメラ本体は黒いのですが、上から迷彩柄のバンダナを被せてやると、蜂は落ち着いてくれました。 




この巣穴bでモンスズメバチのコロニーを定点観察できたのは、これが最後でした。 
河川敷の芝生や雑草が綺麗さっぱり刈られた後、モンスズメバチの活動は無くなってしまいました。 
巣口は干し草の山に覆われていました。
こうなるだろうと半ば予想(覚悟)していたとは言え、観察したいテーマが他にもまだ色々あったので、残念でなりません…。 


枯れ草の山を掻き分けて見つけた巣口b


モンスズメバチの巣をてっきり誰かに駆除されてしまったとばかり私は思い込んでいたのですが(被害妄想?)、後になって別の可能性もあることに気づきました。 
翌年の晩春に河川敷で作業する芝刈りカーを初めて見ました。 
回転する刃を人力で左右に動かすことで草刈りするタイプではなく、ゴルフカートのように一人が運転して走り回るだけできれいに草刈りしてくれるタイプでした。 
この芝刈り機なら効率良くあっという間に草が刈れるので、モンスズメバチの巣穴の上を通り過ぎても、蜂に攻撃されないかもしれません。 
(振動と騒音でやはり蜂は怒るかな?) 
最近ではルンバのように無人で自動芝刈りするロボットも開発されています。
もしかすると、モンスズメバチが営巣を止めたのは駆除されたのではなくて、芝刈りの結果、営巣地周辺の景色が激変して外役ワーカー♀が迷子になり、帰巣できなくなってコロニーが衰退滅亡したのかもしれません。 

つづく→

2023/07/09

トレイルカメラを警戒して給餌場に近寄らないホンドタヌキ【暗視映像】

 



2022年11月下旬・午後19:07・気温5℃ 

山林でカラマツの根元にオニグルミの実を給餌して、野生動物が来るのを自動撮影カメラで見張っています。 
今回は果皮が付いたままのオニグルミ果実と、果皮を剥いた堅果を分けて、左右2箇所に山盛りに置いてみました。 

晩に珍しくホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が通りかかりました。 
獣道を通って左から登場したタヌキが立ち止まり、カメラ目線になっています。 
給餌場の方を向いて少し匂いを嗅いだものの、すぐに左へ引き返してしまいました。 
私の残り香を嗅ぎ取り、罠だと思って警戒したのでしょうか?
それとも、ローアングルで至近距離に設置したトレイルカメラが発する赤外線またはかすかなノイズに気づいたのかもしれません。
もし高所から見下ろすアングルでタヌキに気づかれないよう隠し撮りすれば、タヌキはクルミを試食したかな? 
タヌキが胡桃を食べるという話は聞いたことがないので、興味があります。 

つづく→

刈田の上空でホバリングして獲物を狩るチョウゲンボウ♀♂(野鳥)

 

2022年11月下旬・午後12:55頃・晴れ 

稲刈りの終わった刈田の上空でチョウゲンボウ♂(Falco tinnunculus)がホバリング(停空飛翔)していました。 
野ネズミやモグラなどの小動物などをドローンのように上空から探しているのです。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、頭部が灰色っぽいのでおそらく♂のようです。 
秋晴れの空中の一点でヒラヒラと羽ばたきながら見事に停飛しています。 
旋回したりスゥーッと高度を少し下げたりしてから再びホバリング。 
滑空しながらよそ見をした(顔は横を向いた)のに、そちらには旋回しませんでした。 
チョウゲンボウ♂が滑空して刈田に舞い降りたのですが、手前に生えた枯れ草が邪魔で、狩りの成否は不明です。 

地表からチョウゲンボウが飛び立つ瞬間を撮り損ねてしまいました。 
飛翔シーンをスロー再生しても、獲物を足で掴んで運んでいるかどうか、遠くてはっきり見えません。 (空荷なら両足を後方に揃えて流線型になるはず?) 
そのまま流し撮りすると、刈田の端に建つ民家の屋根の角に止まりました。 
続けてもう1羽(つがいのパートナー♀)が追いかけるように飛んで来て、通り過ぎました。 
狩った獲物を屋根の上で啄むかどうか、見届けるべきでしたね。
少なくとも、パートナーに獲物を分け与える(求愛給餌)ことはしませんでした。


飛び去ったチョウゲンボウを追いかけて住宅地に向かうと、電柱の天辺に♂が止まっていました。 
私がカメラを向けると、急旋回しながら飛び去りました。 
ズームアウトして行方を追うと、少し離れた民家の屋根に止まり直しました。 
パートナー♀と合流して同じ屋根の対角に止まると、眼下に広がる刈田を見張って獲物を探します。 
ときどき頷いているのは、気になる対象物を凝視しているからです。 

この間、チョウゲンボウ♀♂の鳴き声は一度も聞き取れませんでした。 


※ 動画の順番を入れ替えて、分かりやすいストーリーに再構成しました。







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