2020/03/07

外出を取り止めて帰巣したハキリバチ♀の謎【ハイスピード動画】



2019年9月下旬


▼前回の記事
葉片を巣に持ち帰る度に迷子になるハキリバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

巣材の葉片を搬入するために巣穴に出入りを繰り返すハキリバチ♀の観察を続けていると、一度だけ奇妙な出巣行動をしました。
ツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)ですかね?]
240-fpsのハイスピード動画での撮影です。
1/8倍速のスローモーションをご覧下さい。

ハキリバチ♀がいつものように穴の奥から歩いて出てくると、巣口から羽ばたいて飛び立ちました。
離陸直後に空中でUターンしたので、巣口の位置を記憶し直すための定位飛行をするのかと思いきや、なぜか再び真っ直ぐ帰巣しました。
今更カメラや私の存在を警戒するはずがありませんし、寄生者が近くに待ち伏せしていた訳でもありませんでした。
忘れ物を取りに戻ったのでしょうか?(※追記参照)
…というのは冗談です。(手ぶらで出巣するのは毎度のことです。)

巣穴の通路で小石を乗り越える際に、ハキリバチ♀の腹部下面にスコパが見えました。
奥の育房で何をしているのか見えないのが残念です。

これが何か意味のある行動だとすると、一つ考えられるのが産卵のための方向転換です。
借坑性の蜂が竹筒トラップなどの細い隙間に営巣したときは、坑内で方向転換することができないので、育房の準備が出来上がると一旦外に出て巣口で向きを変え、後ろ向きで入巣し直し産卵するのです。


▼関連記事(9年前の撮影)
オオフタオビドロバチ♀の産卵
オオハキリバチ♀の産卵

今回の巣穴は中でハキリバチ♀が方向転換できるぐらい充分広いのに、わざわざ一旦出巣する意味が分かりません。
しかも、いつもと同じく頭から入巣しています。
という訳で、産卵でもなさそうです。
疲れ切ってもう巣材集めに行きたくなくなったのでしょうか?
しかしこのハキリバチ♀は意外にも13秒後に再び外出しました。
巣口に向かって暗い穴の奥から歩いて出て来る蜂の姿が私には見えなくて撮影を中断した結果、尻切れトンボの映像になってしまいました。
これ以降もハキリバチ♀は採餌活動や貯食行動に切り替えたりせずに、夕方まで巣材の搬入を続けました。


つづく→ハキリバチの巣穴を覗きたい…

※【追記】
芸人の中川家がやる物真似のネタ「玄関から外に出かけた直後、忘れ物をしたことに気づいて家に引き返すサラリーマン」を連想して可笑しくなりました。







換羽期のハシボソガラス幼鳥の羽繕い(野鳥)



2019年9月下旬

アパートの引き込み線にハシボソガラスCorvus corone)4羽の群れが並んで止まり、各々が念入りに羽繕いしていました。
嘴の中が赤い幼鳥が混じっています。
換羽中なのか、ホワホワした綿羽が首の回りに逆立って見えます。

私に警戒したようで、続々と屋根に飛び上がりました。
次々に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

トタン屋根の上で羽繕いを続け身震いしたら、抜け落ちた綿羽が風で飛散しました。
屋根の上で一番右に登った個体が少し屈みながら白い糞を排泄しました。(@0:55)
引き込み線に残った最後の1羽も羽繕いしながら脱糞しました。(@1:20)

ハシボソガラスの抜け落ちた羽根がクルクルと回りながら地面に落ちてきました。(1/5倍速スローモーション)
落ちている鳥の羽根を拾い集めてコレクションするのも楽しそうです。

もしかすると4羽全てが幼鳥ではなくて、幼鳥2羽、成鳥2羽という構成の家族群かもしれません。
嘴の中の色を全個体で確認できませんでした。


ハシボソガラス幼鳥4(野鳥)@電線:引込線+羽繕い:換羽

2020/03/06

ニラの花蜜を吸い飛ぶジガバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月下旬・午後15:45頃

農村部の道端に自生したニラの群落でジガバチの一種♀が訪花していました。
この組み合わせは意外にも初見です。
吸蜜する蜂を見ると、黄色い花粉で口元が汚れているものの顔が黒いので♀ですね。(ジガバチ♂の頭楯は白い)
訪花中は揃えた翅を上下に動かしています。
機嫌良くジガジガ…♪と小声で鳴いていたのかもしれませんが、私には聞き取れませんでした。

花から自発的に飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:59〜)


ジガバチsp♀:背面@ニラ訪花吸蜜
ジガバチsp♀:側面@ニラ訪花吸蜜
ジガバチsp♀:顔@ニラ訪花吸蜜

さて、この個体はサトジガバチ(Ammophila sabulosa nipponica)またはヤマジガバチ(Ammophila infesta)のどちらでしょう?
撮影地は平地の里になりますが、標高はあまり関係ないとも言われています。
同定するため、撮影後にありあわせのビニール袋を蜂に素早く被せて採集しました。
以下は標本の写真。(掲載予定)


夕方の池で連結産卵するギンヤンマ♀♂



2019年9月下旬・午後16:25頃

林に囲まれた夕方の溜池でギンヤンマAnax parthenope julius)の連結ペア♀♂が産卵していました。
この時間帯でギンヤンマの産卵行動を観察したのは初めてです。
薄暗い上に逆光でトンボを撮ったので、ほとんどシルエットしか見えません。
ストロボを焚いて写真に撮ろうか迷ったのですが、閃光に驚いて逃げられてしまうと困ります。
岸からでは被写体にフラッシュが届かない距離だろうと判断し、諦めて動画撮影を続けました。
動画編集時に彩度を少し上げたらようやくギンヤンマに特徴的な体色が見えるようになりました。

枯死したガマやヨシなど抽水植物の枝(茎?)にしがみつき、下側の♀が腹端だけを水中に浸して植物組織の中に産卵しています。
頻繁に飛び立つと少し移動してから別の茎に止まり直し、あちこちで同様に産卵を続けます。
♀の腹端が着水すると、池の水面に波紋が広がります。

連結態で飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、必ず♀が♂よりも先に羽ばたき始めることが分かりました。
産卵時の主導権は、やはり♀が握っているようです。

しばらくすると、ようやく一箇所に落ち着いてじっくり産卵するようになりました。
それまでは、産卵基質の状態が気に入らなかったのでしょう。(未産卵?)
そこへ単独のギンヤンマ(あぶれ♂)が飛来しました。(@1:41;探雌飛翔)

(※ 黄昏飛行と呼ぶには未だ時間帯が早いでしょうか?)
あぶれ♂が♀♂ペアの上空でホバリング(停飛)すると、連結態の♂がその場で軽く羽ばたいて、あぶれ♂を撃退しました。
産卵に専念している♀は、特に交尾拒否行動をしませんでした。
トンボの♂は交尾しても♀が産卵してくれるまでは、自分の精子で確実に受精したという保証がありません。
尾繋がりしている状態であれば、ライバル♂に♀を奪われる心配は無くなります。(交尾後ガード)
逆に、あぶれ♂の存在が産卵警護の必要を生むのでしょう。
交尾後もライバル♂が居なければ、♂は連結態を解除して(次の♀を探しに行き)♀は単独で産卵することもあります。

▼関連記事
池で単独産卵するギンヤンマ♀
ギンヤンマ♂♀の連結産卵

一方、水面を泳ぎ回るアメンボが近づいても産卵中のギンヤンマ♀♂は気にしません。

あぶれ♂がもう来なくなっても、ギンヤンマの翅が小刻みに震えています。
日が落ちて気温が下がり、胸部の飛翔筋を震わせて離陸前の準備運動をしているのかもしれません。
(風で翅がはためいているだけかな?)


ギンヤンマ♀♂@池:枯茎+連結産卵
ギンヤンマあぶれ♂@池+探雌飛翔

2020/03/05

ネムノキ幼木に飛来した産卵前のキタキチョウ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月下旬・午後14:20頃・晴れ

岩だらけの河原の砂地に生えたネムノキの幼木の周囲をキタキチョウ♀(Eurema mandarina)が忙しなく飛び回っていました。
ネムノキは本種幼虫の食樹植物の一つです。
葉に一瞬止まって品定めしたものの、すぐに離れたので産卵はしていないようです。
このネムノキがよほど気になるようで、何度も舞い戻って来ます。

むしろ、どうして産卵しないのだろう?と不思議に思いました。
キタキチョウ♀の飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:03〜)

撮影後にネムノキの葉をよく調べて卵の有無を確認すべきでしたが、すぐに他の被写体に気を取られてすっかり忘れてしまいました…。


キタキチョウ♀@ネムノキ幼木+飛翔

ゴイサギ成鳥が飛びながら大量に脱糞(野鳥)



2019年9月上旬・午後18:18(日の入り時刻は18:02)

溜池のどこかに潜んでいたゴイサギNycticorax nycticorax)の成鳥が日没後に飛び立つと、池の上空を右旋回しながら空中で白い液状便を大量に排泄しました。
身軽になったゴイサギ成鳥は、湿地帯で立ち枯れしたハンノキ?の枝に着陸しました。
この枯木にも多数のゴイサギ幼鳥が集まっていました。

空中での排便シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


※ 夕暮れに撮った薄暗い映像なので、動画編集時に彩度を少し上げています。


2020/03/04

葉片を巣に持ち帰る度に迷子になるハキリバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月下旬・午後14:28〜14:51


▼前回の記事
巣穴に葉片を運び込むハキリバチ♀の一種【HD動画&ハイスピード動画】

前回と同じ日の観察記録ですが、時間を少し遡ります。
ハキリバチの巣穴を見つけることができたのは、次のような顛末でした。

私が河原のコンクリート護岸を歩いていると、丸く切り取った緑の葉片に跨った状態で休んでいるハキリバチの一種♀を見つけたのです。
巣材を切り抜いてから巣に持ち帰る途中に違いありません。
素人目にはツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)と似ていると思うのですが、どうでしょう?
どなたか種類を見分けられる方がいらっしゃいましたら、ご教示願います。

ハキリバチsp♀+巣材葉片@コンクリート護岸+休息

私が動画を撮りながら蜂を追いかけると、低空で飛びながら右往左往しています。
付いて歩く私を怖がって逃げ回っているのでしょうか?
それとも寄生者の追跡を警戒して、巣穴の位置を知られないように、尾行者をまこうとしているのでしょうか?
巣穴に初めて飛び込んだ瞬間は撮り損ねたものの、コンクリートの隅に四角形の人工的な巣穴を発見しました!
その後は巣穴の下で待ち構えて、ハキリバチ♀の帰巣(巣材搬入)および出巣のシーンを撮影することにしたのです。

私が巣口を見張っていると、帰巣途中のハキリバチ♀が左隣の区画で迷子になっていました。
それぞれの区画内の右上隅を調べて回り、巣口を探しています。
ようやく正しい区画の巣穴に辿り着いて巣材を搬入しました。

その次の回には、営巣地の右隣の区画から飛来しました。
営巣地のすぐ上のコンクリート護岸に着陸して、しばらく休息しました。
私が初めにハキリバチ♀を見つけたのは、これと似たような状態で疲労困憊していたのでしょう。
葉片の運搬作業は重量が大変というよりも、空気抵抗が大きいせいで、長距離の空輸を繰り返すのは重労働なのでしょう。
帰巣の度に迷子になっているのでは効率が悪く、体力を消耗しそうです。

この営巣地は川沿いに建造された人工的なコンクリート護岸で、同じ形をした区画の繰り返しになっています。
そのうちの一つだけに四角形の小さな穴が開いているのです。
GPSを使わずにこの巣穴の位置を正しく記憶する必要に迫られた場合、皆さんならどうしますか?
巣穴の周囲に何か目印となるものを見つける必要があるでしょう。
私も翌日の観察に備えて、巣穴の周囲に目印のテープを貼っておきました。
あるいは理系センスの高いヒトなら、座標の概念を用いてコンクリート護岸の端から数えて何番目の区画か、という覚え方も可能です。

蜂はその日初めて出巣した直後に定位飛行して、巣穴の周囲の状況をしっかり記憶します。
しかし我々ヒトの視覚系とは全く異なる複眼で世界を認識しているために、蜂はこうした単調な幾何学的な繰り返し構造の中で営巣地を見つけるのが少し苦手であることが分かっています。
私もこれまで実際に何例も観察しています。(アシナガバチ、マルハナバチ、コハナバチ、ツチスガリなど)
今回のハキリバチ♀は巣穴の位置を正確に記憶するために何を目印に使っているのでしょうか?

迷子の帰巣シーンおよび休憩シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:03〜3:29)
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@4:48〜)

その次の帰巣時には、巣穴の左隣の区画から蜂は飛来しました。
またその次の回には、営巣地の右隣の区画で迷子になっていました。
迷子のパターンがランダムなので、おそらくハキリバチ♀は大雑把な位置を覚えていて、それから周囲を精査して(各区画の右隅を重点的に探索)巣穴を探し当てるようです。
ハキリバチ♀が帰巣する軌跡を見ると、座標の概念があるようには思えません。(それを証明するにはどうすれば良いでしょう?)

興味深いことに、撮影を繰り返すと(時間が経つと)ハキリバチ♀はあまり迷わなくなりスムーズに帰巣するようになりました。

後半では採寸代わりに、1円玉(直径20mm)を巣口の近くに置いて写し込みました。
アルミ硬貨は日光を反射してギラギラ光っているので、蜂にとってはかなり目立つ目印になりそうです。
しばらく1円硬貨の存在に慣れてもらった後で、1円玉を取り除いたり、横に1区画分ずらしたり、等間隔で複数並べて置いたりすると、ハキリバチ♀は帰巣時に混乱して再び迷子になるでしょうか?
もしかすると1円玉ではなく、巣穴の下に長時間突っ立っている私自身を蜂は目印にしているのかもしれません。
これはファーブルやティンバーゲンがやった古典的な実験の焼き直しです。
しかし観察初日は欲を出さずに撮影に専念するべきだと思い直しました。
(翌日に操作実験をする予定でしたが、残念ながらハキリバチ♀は戻って来なくなってしまいました…。)


つづく→外出を取り止めて帰巣したハキリバチ♀の謎【ハイスピード動画】



ハキリバチsp営巣地:周辺@コンクリート護岸・全景

シロオビアワフキを捕食するノシメトンボ♀



2019年9月下旬

農地(平地の田畑)を横切る農道沿いの草むらでノシメトンボ♀(Sympetrum infuscatum)が立ち枯れした草の穂先にぶら下がって食事中でした。

獲物のシロオビアワフキAphrophora intermedia)を抱え込み、クチクラが硬そうなのに頭部/胸部からバリバリ貪るように食べています。
獲物は未だ生きており、脚でトンボの口を払いのけようと必死に暴れるものの非力で逃げられません。
ノシメトンボ♀が突然、ヨモギから滑落しました。(@1:29〜)
羽ばたきながら空中で体勢を立て直すと獲物を抱えたまま少し飛んで、ヨモギの花穂に止まり直しました。
獲物は手放さず、何事もなかったように捕食を続けます。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

三脚があれば完食するまで微速度撮影したいところでした。

ところで、後半のシーンで画面の左側、ヨモギの茎にネコハエトリ♀(Carrhotus xanthogramma)がいました。
巨大なノシメトンボ♀には怖がって襲うどころか近づこうともしません。


▼関連記事(1年前の撮影)
泡巣を作るシロオビアワフキ幼虫【60倍速映像】


ノシメトンボ♀@?枯穂+シロオビアワフキ捕食
ノシメトンボ♀@ヨモギ花穂+シロオビアワフキ捕食

2020/03/03

カワラハハコに訪花するベニシジミ夏型の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月下旬・午後14:05頃・晴れ

河原に咲いたカワラハハコの群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
翅を半開きのまま吸蜜しています。
複数個体を撮影した中で、翅の縁がかなり破損した個体がいました。
しかし破損部位が左右非対称なので、鳥に襲われたビークマークではなさそうです。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:03〜)


ベニシジミ夏型@カワラハハコ訪花吸蜜
ベニシジミ夏型:顔@カワラハハコ訪花吸蜜

イカルチドリ?の警戒・逃走・飛翔(野鳥)



2019年9月下旬・午後13:50頃

川の対岸で見慣れない鳥(チドリの仲間)が2羽、コンクリートブロックや岩の間にじっと座り込んでいました。
カメラを向ける私を警戒して擬死状態なのでしょうか?
地味な灰色なので、動きを止めると非常に見つけにくい保護色になっています。
初めのうちは顔をキョロキョロ動かしていたのに、私に気づくと全く動かなくなりました。
手前に生えた背の高い雑草が邪魔だったので私が横に少し移動すると、奥の個体が立ち上がり、いつでも飛び立てる体勢になりました。

以前見かけたコチドリより嘴が若干長い印象です。
シロチドリは下流域の水鳥らしいので除外できます。
撮影地点は一応、上流域です。(上流と中流の間?)

川での分布は、おおむね上流からイカルチドリ、コチドリ、シロチドリの順になる。(山渓フィールドブックス4『野鳥』より引用)
しかも山形県内でシロチドリは絶滅危惧種に指定されているそうです。

消去法でイカルチドリCharadrius placidus japonicus)だと思うのですがどうでしょうか?
『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』でイカルチドリを参照すると、

川の中〜上流の川原や中州にすみ、しばしばコチドリとも共存するが、コチドリが砂地や砂泥地を好むのに対し、本種は砂礫地に多い。
くちばしと脚が長いことが特徴。(p214より引用)

今頃になって抱卵・抱雛しているのか?と不思議に思い、こっそり橋を渡って対岸に近付こうとしたらあっさり見破られてしまいました。
コンクリート護岸を下流へ逃走する後ろ姿を見送りました。
近くに居たセグロセキレイ2羽も慌てて飛び去りました。
川岸に近い浅瀬を2羽のイカルチドリ?が並んで下流へ歩き去りながら採食しています。
すぐにまた飛び立ち、少し飛んで中州の岩場に着陸しました。
やはり抱卵中ではなかったようです。

橋を渡りながらなんとか動画撮影したものの、手前の水道橋が邪魔でした。
逃走・飛翔シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
スローモーションで見直しても飛翔中に淡色の翼帯が見えないので、イカルチドリではない…?
(参考:山渓カラー名鑑『日本の野鳥』p210)


イカルチドリ2(野鳥)@河原+警戒静止
奥の個体が警戒して立ち上がった。
イカルチドリ2(野鳥)@川岸+警戒静止・全景

2020/03/02

ベニバナボロギクを訪花するヤドリバエ(Pentatomophaga latifascia)



2019年9月下旬・午前11:16

平地で広い田畑を横切る農道沿いに咲いたベニバナボロギクの群落で見慣れないハエが訪花していました。
黒い翅を広げて花に静止していますが、背側からしか撮れず口吻の状態が見えませんでした。
口吻を伸ばしても蜜腺に届かない気がします。
花粉を舐めていたのか、あるいは単に休んでいただけかもしれません。

そっと回り込んで側面から撮るべきか、それともハイスピード動画に切り替えるべきか…と私がもたついていたら、飛び立つ瞬間を撮り損ねてしまいました。
未採集、未採寸。
ハエ類に疎い私には所属する科も分からないので、どなたかこの格好良いハエ(アブ?)の名前をご存知でしたら教えてください。

黒い体に黄色い縞模様があり、狩蜂にベーツ擬態しているようです。
現場ではなんとなくカノコガAmata fortunei)という蛾を連想したのですが、落ち着いて写真を比較するとむしろスカシバ(蛾)の方が似てますね。



【追記】
いつもお世話になっている「みんなで作る双翅目図鑑」サイトの「画像一括閲覧ページ」を眺めていたら、とてもよく似た写真を見つけました。
Tachinidaeヤドリバエ科 Phasiinae ヒラタヤドリバエ亜科のPentatomophaga latifascia(和名なし)のようです。

茨城@市毛さんから以下のコメントを頂きました。
本種などが含まれるPhashinaeヒラタヤドリバエ亜科は,主にカメムシに寄生します.Shima(2006)のヤドリバエの寄主目録には,クサギカメムシチャバネアオカメムシが記録されています.なお,備考に本種は寄主の腹部に卵を粘着させると書かれています.

確かにこの辺りでクサギカメムシは幾らでも見かける普通種です。

【参考ブログ】田中川の生き物調査隊:ヤドリバエの一種



ハエsp@ベニバナボロギク訪花吸蜜?

ブッドレア(紫)の花蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀



2019年9月下旬・午前11:20頃・晴れ

民家の裏庭の花壇に咲いたブッドレアウラギンスジヒョウモン♀(Argyronome laodice japonica)が訪花していました。
半開きの翅を開閉しながら吸蜜しています。
右後翅が破損した個体でした。
紫の花穂を歩き回りながら一心不乱に吸蜜を続けています。

花からなかなか飛び立ってくれないので、先を急いでいた私は痺れを切らして撮影終了。


ウラギンスジヒョウモン♀:翅表@ブッドレア(紫)訪花吸蜜
ウラギンスジヒョウモン♀:翅裏@ブッドレア(紫)訪花吸蜜

2020/03/01

ゴイサギ幼鳥の群れが池の岸で小枝を相手に捕食の自主練(野鳥)



2019年9月上旬・午後18:00頃(日の入り時刻は18:02)

日没直前の溜池でゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥の群れが岸辺に多数集まっていました。
さほど深い池ではないのに、ゴイサギ幼鳥は皆、決して池の中央には行かずにコンクリートの護岸や浅い水際に留まっています。
その点が足の長いダイサギとは違います。

池の水面に浮いている落葉や落枝を嘴で素早く拾い上げては捨てる、という遊び(?)を飽きずに繰り返しています。
水中から小枝を咥えて引っ張り出すことも何度もありました。
おそらく巣立ち後の幼鳥が池の小魚などを自力で捕食できるように、遊びながら練習しているのでしょう。
水面にプカプカ浮く丸い木の実(クルミではなくトチノキ?)を相手に遊んでいる個体もいます。
その木の実は嘴で挟み切れない大きさらしく、苦戦しているのが微笑ましいです。
樹上で羽繕いした別個体から落ちたのか、鳥の羽毛も池の水面に浮いていました。
その漂って来る羽毛を使って捕食練習するかと期待したのですが、それは無視しました。


▼関連記事(3年前の夕方に撮影。単独個体)
小枝で漁の特訓をするゴイサギ幼鳥(野鳥)


画面手前の枯れ木で止まっていた個体が私に警戒して飛び立ち、奥の柳の枝に移動しました。
引きの絵(広角)にすると最大で計9羽の幼鳥が写っていました。(カウント漏れがありそう)
どの個体に注目すべきか目移りしてしまい、後半は散漫な映像になってしまいました。


※ 夕暮れに撮った薄暗い映像なので、動画編集時に彩度を上げています。


イヌコウジュの花蜜を吸い飛び立つツバメシジミ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年9月下旬・午前11:30頃

河川敷に咲いたイヌコウジュの群落でツバメシジミ♀(Everes argiades hellotia)が訪花していました。
翅を半開きのまま吸蜜しています。

翅が擦れていて、♀の特徴である後翅表の橙斑が不明瞭な個体です。
左前翅翅頂が破損しており、右後翅の尾状突起も失われています。
触角を模した尾状突起が左右非対称になったせいか、この個体は自己擬態のための翅を擦り合わせる運動をしませんでした。

日光浴してるのかな?

吸蜜シーンをもっとじっくり撮りたかったのですが、すぐに飛び立ってしまいました。
逆風に立ち向かいながらイヌコウジュの群落を飛び回ります。
隣接するマメ科植物?やイネ科の葉に着陸すると、翅を広げた姿勢で小休止。
ときどき横風で翅が煽られています。

葉から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:53〜)
その後はしばらく待ってもイヌコウジュに訪花してくれませんでした。


ツバメシジミ♀@イヌコウジュ訪花吸蜜
ツバメシジミ♀@?葉
ちなみに、このシソ科植物の名前を私は知りませんでした。
ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑 秋』で調べ、
萼の裂片が尖っている点を決め手によく似たヒメジソを除外しました。(p73より)




イヌコウジュ花
イヌコウジュ花・全景



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