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巣口周辺の雑草を避けて飛ぶクロマルハナバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
クロマルハナバチの巣:定点観察#8
2016年7月上旬
クロマルハナバチ(Bombus ignitus)の巣穴に出入りする蜂を240-fpsのハイスピード動画で記録するために長撮りを繰り返していたら、非常に興味深いスクープ映像が撮れてしまいました。
峠道の側溝に繁茂した雑草(ハナタデ??)が伸びて巣穴をすっかり覆い隠しています。
画面右上隅からフキバッタの一種の幼虫が雑草の葉に飛び降りて来ました。
やがて、コンクリート壁面の排水口から出巣してきたクロマルハナバチのワーカー♀が雑草を避けつつ、フキバッタの頭上を通過して外役に飛び去りました。
それに驚いたフキバッタは、葉上を少しだけ前進。
またしばらくすると、フキバッタは壁に向かって自発的に跳び付きました。
その後はじっと休んでいます。
コンクリート壁面を覆う雑草が突然、不自然に揺れたと思ったら小動物が駆け上がってフキバッタを捕食しました。
スローモーションで見直すと、捕食者の正体はニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)でした。
茂みに覆われて私は気づかなかったのですが、クロマルハナバチの巣穴の右横下にカナヘビがずっと潜んでいたようです。
コンクリート壁面に止まっていたフキバッタの幼虫を目がけてニホンカナヘビが垂直の壁を一気に走って登り、見事に口で咥えました。
バッタが跳んで逃げる暇を与えませんでした。
カナヘビは獲物を咥えたまま側溝に落下。
狩りの瞬間だけリアルタイム映像に加工してリプレイすると、電光石火の早業であることが実感できます。
もしかするとカナヘビは、巣穴に出入りする蜂を狩ろうと待ち伏せしていたのかもしれません。
巣口近辺の草むらがそれまでにもときどき不自然に揺れているのが気になっていたのですが、その理由がようやく分かりました。
もしカナヘビが巣穴に押し入ったら、クロマルハナバチは集団で防衛・撃退したでしょうか?
ニホンカナヘビが狩りをする瞬間を運良く観察できたのはもちろん初めてで、この日一番嬉しい収穫でした。
偶然撮れた映像ですので、画角の不満はご勘弁願います。
▼関連記事
・ハチを捕食するニホンカナヘビ
・カメムシの幼虫を捕食するニホンカナヘビ
つづく→#9:帰巣時に渋滞・追突するクロマルハナバチ♀【ハイスピード動画】
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脱皮殻を食べるウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】
ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#9
2016年9月中旬
ウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の終齢幼虫は旺盛な食欲で育ち、かなり丸々と太りました。
枝豆(ひと粒)よりも大きなサイズで、大き目のピーナッツぐらいになりました。
面倒なのでイラガ(Monema flavescens)幼虫たちと一緒に飼っています。
ともに広食性で、食樹植物の調達が楽なのは助かります。
芋虫のことをあまり知らない人が見れば、幼虫の時期はとても同じイラガ科とは思えないほど外見が大きく異なります。
ミズナラの同じ葉でウスムラサキイラガ幼虫がイラガ幼虫とニアミスすると、互いに嫌がって逃げ出します。
ウスムラサキイラガ幼虫は体を左右に大きく揺すって威嚇しています。
イラガ幼虫が近くに来るとウスムラサキイラガ幼虫が上半身を上下させて腕立て伏せのような威嚇をすることもありました。
イラガ幼虫とは異なり、ウスムラサキイラガ幼虫が口で相手に噛みつく行動は見られませんでした。
イラガ幼虫の方が運動性が高く、接触を嫌って離れて行きます。
ウスムラサキイラガ幼虫の疎らに生えた毛に毒があるのか分かりませんが、小競り合いになってもさほど防御効果は無さそうです。
同じ餌資源をめぐって縄張り争いのような感じになりますが、互いに接触を嫌って離れることで自然に分散して平和が保たれます。
▼関連記事
イラガ(蛾)幼虫同士の喧嘩
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→#10:ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄
2016年9月下旬
ニラ畑というほどではありませんが、川沿いの原っぱで半野生化したニラの群落でキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
吸蜜するかと期待したのですが、他の訪花昆虫を狩ろうとして獲物を探索して飛び回っていました。
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イラガ(蛾)若齢幼虫の脱皮
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-7
2016年9月中旬
脱皮したイラガ(Monema flavescens)の若齢幼虫は全身のクチクラが固まるまでなかなか食事を再開しません。
脱皮殻の傍らで休みつつ、ときどき蠕動運動しています。
頭部がペコペコと伸縮するのが面白く思いました。
夜になると、ようやく抜け殻を食べ始めました。
少しずつ前進しながら脱皮殻を食べ進みます。
刺毛の生えた肉角の抜け殻も平気で食べてしまうのは驚きです。
そんなものを口にしたら激痛が走りそうですけど、毒棘の抜け殻に毒は含まれていないのでしょうか?
自身の毒には耐性があるのかな?
普段は草食性ですが、脱皮直後だけは抜け殻を食べてタンパク質を補給するのでしょう。
もし抜け殻を取り上げてしまうと、発育が著しく遅れたりするのかな?
完食してもその場でしばらく静止しています(蠕動あり)。
【おまけの動画】
同じ素材で早送り速度を落とした10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。
つづく→#8:糸を吐いてぶら下がるイラガ(蛾)幼虫
2016年9月中旬
家庭菜園の畑でおそらくアズキと思われる花にクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀を見つけました。
アリの行動を見る限り、蕾の中には入らず花外蜜腺を舐めているようです。
私は作物関係の植物にも疎いのですが、これはアズキ(小豆)ですよね?
初めは細長い実の形からインゲンマメかと思ったのですが、インゲンマメの花は黄色くないようなので除外しました。
「アズキの特性:3.花外蜜腺」と題したPDF資料をインターネット検索で見つけました。
アズキの花が咲く頃、アズキの花梗をよくみていると、数頭の蟻が徘徊し地面と花梗の間を忙しなく動き回っています。なぜでしょうか。このような蟻の行動は、ダイズやインゲンマメの茎ではアブラムシが寄生したとき以外は見られません。(中略)インゲンマメは花外蜜腺が欠如している。
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脱皮前の眠で微動だにするイラガ(蛾)若齢幼虫【100倍速映像】
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-6
2016年9月中旬・午後15:39〜15:43・室温24.7℃、湿度59%
カキノキの葉表で眠状態のイラガ(Monema flavescens)の若齢幼虫をせっかく微速度撮影で監視していたのに、肝心の脱皮を開始する瞬間は油断して見逃してしまいました。
素人目には外見が干からびてきて生気が失われ、ただ発育不全で死に行く個体なのかと勘違いしてしまったのです。
カメラが一台しか無い上に、発育段階の異なる複数個体を飼っていると、どうしても他に目移りしてしまうという事情もあります。
気づいた時には体の前半部は既に脱げかけていて、仰天しました。
三脚を用意する余裕もなく、慌てて手持ちカメラで動画を撮り始めました。
今回はリアルタイムのHD動画です。
微速度撮影しなくても意外に早く脱皮することが分かりました。
下半身の抜け殻は白っぽい。
全身が抜け出るにつれて白く細長い気管の抜け殻も伸びていきます。
肉角や刺毛など複雑な形状なのにきれいに脱げるのが面白いですね。
抜け出てすぐに方向転換し、抜け殻の方に向き直りました。
直後は脱皮殻を食べません。
つづく→#7:脱皮後に抜け殻を食すイラガ(蛾)若齢幼虫【60倍速映像】
2016年9月中旬
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ショウリョウバッタ♀を捕まえた!
住宅街の路地で採集した褐色型のショウリョウバッタ♀(Acrida cinerea)を手に持ったまま近くの田んぼまでやって来ました。
ここなら車の往来も無く、邪魔されずに落ち着いて安全に撮影することができます。
飛翔シーンを240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
音声が録音されず無音なのはカメラの仕様です。
農道の地面に解放すると、すかさず跳んで逃げ出しました。
砂利の敷かれた農道では褐色型のショウリョウバッタ♀は見事な保護色になっています。
跳躍(ジャンプ)するだけのときと、力強く跳んでから素早く羽ばたいて飛ぶときがあります。
疲れたらしばらく飛ばなくなるのかな?
飛んで逃げるのは体力を消耗するようで、可能な限りカモフラージュに頼って農道にじっとしています。
繰り返し撮影するとなかなか飛んでくれなくなりました。
少しずつゆっくり歩いて立ち去ろうとします。
後半(@1:36〜)は更に1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
これでようやく羽ばたく際の黄色っぽい後翅が見えるようになりました。
ハイスピード動画(無音)を優先して通常のHD動画(音声あり)では一度も撮らなかったため、ショウリョウバッタの♀が♂とは異なり羽ばたきながらチキチキ…♪と鳴かないことを示す記録が残せませんでした。
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脚が退化したイラガ(蛾)幼虫の歩行のひみつ
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-5
2016年9月中旬・午前00:39〜10:36
イラガ(Monema flavescens)の若齢幼虫が食事もせずにカキノキの葉表に静止しています。
脱皮前の眠状態は、肉眼で見る限り完全に静止して死んでいるようです。
しかし微速度撮影してみれば、ときどき微かに蠕動運動していることが分かります。
100倍速の早送り映像をご覧下さい。
体内では様々な変化が進行中なのでしょう。
大道芸人の彫刻芸(statue)も早回し映像にすると粗が見えてくるのと似てますね。
ワンダリング(営繭前の徘徊)中の別個体(終齢幼虫)と接触すると入眠中の個体は少しだけ身動きしました。(威嚇?)
移動したり回避したりする能力は無いようです。
ピンセットで棘状突起に触れても、身をよじるだけで逃避のために移動しませんでした。(映像無し)
全身から水分が失われた印象で、棘状突起がやや褐色に変わりました。
要するに、脱皮するまでひたすら愚直に長撮りしている訳です。
初めにセッティングすれば後はカメラに任せるだけなので、別にしんどい作業ではありません。
いよいよ脱皮が近づくにつれて、この自発的な蠕動運動の間隔が短くなります。
つづく→#6:イラガ(蛾)若齢幼虫の脱皮
2016年9月中旬
住宅街の路地で褐色型のショウリョウバッタ♀(Acrida cinerea)を見つけました。
子供の頃はよく見かけて珍しくもなかったバッタですが、最近では久しぶりの嬉しい遭遇でした。
動画で撮りながら少し近づいても予想に反して飛んで逃げることはありませんでした。
靴の先で触れると跳躍してから羽ばたいて逃げました。(飛翔シーンは次回紹介します。)
しかし飛んだ先は民家のブロック塀でした。
歩いて少し登ったところを手掴みで捕獲。
口から醤油状の液体を吐き戻すかと期待したのですが、おとなしくしています。
この路地はいつ車が来るか分からないので、飛翔シーンを落ち着いて撮影できる場所までウキウキと持って行きました。
つづく→ショウリョウバッタ♀の跳躍と飛翔【ハイスピード動画】
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ミズナラの葉を蚕食するイラガ(蛾)幼虫【60倍速映像】
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-4
2016年9月中旬〜下旬
イラガ(Monema flavescens)の幼虫は英語でslug caterpillarと呼ばれるらしく、確かに動き方がナメクジのようです。
まずは側面から接写してみます。
腹脚が退化していて、腹面全体の粘着力を使った蠕動により前進しています。
胸脚も小さく、痕跡程度しかありません。
次は透明プラスチックの飼育容器越しに腹面を接写してみました。
内臓器官が透けて見えます。
その中でも白い顆粒の連なりが目に付きます。
これは何でしょう?
解剖して調べた訳ではありませんが、終齢幼虫だとすれば、繭作りに備えて発達した絹糸腺あるいはシュウ酸カルシウムを貯めこんだマルピーギ管なのかな?
若齢の時期から発達段階を追って腹面の内臓を観察するのも面白いかもしれません。
やがて幼虫は徘徊運動を始めました。
腹面全体が波打ち、前進します。
カタツムリやナメクジとは異なり、這った後に粘液は付いていないようです。
【参考】
カタツムリの腹足の蠕動運動との比較(ヒダリマキマイマイの映像)
前進するヒダリマキマイマイ腹足の蠕動【早回し映像あり】
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
名著『わたしの研究:イラガのマユの謎』p57によれば、
イラガの幼虫には、あるくための足がありません(とくに、腹の足は、ほとんどみえません。胸の足は、すこしあとがのこっています)。どうしてあるくかというと、ちょうどナメクジがはうように、からだをうしろからまえへ、波のようにうごかしてすすみます。
つづく→#5:脱皮前の眠で微動だにするイラガ(蛾)若齢幼虫【100倍速映像】
2016年9月中旬
平地で車道の端を歩いていたら目の前でコカマキリ♀(Statilia maculata)が少し飛んで逃げたので存在に気づきました。
(映像はここから。)
もうこの時期は幼虫ではなく、有翅の成虫になっています。
マリーゴールドの咲き乱れる道端の花壇でこちらを警戒しながらゆっくり歩き回ります。
訪花する昆虫を待ち伏せして狩らないかな?と期待していると急に飛び立ち、見失ってしまいました。
引きの絵にすれば飛翔シーンがしっかり撮れたのに残念でした…。
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イラガ(蛾)幼虫同士の喧嘩
イラガ(蛾)の飼育記録#2016-3
2016年9月中旬
イラガ(Monema flavescens)の幼虫に食樹植物としてカキノキとミズナラの枝を水差しで与えてみました。
ミズナラの葉を好む個体に注目して、食餌のシーンを撮影してみました。
葉表(照明の当たらない裏側)に止まって見事な食べっぷりを披露しています。
葉縁に顔だけ出して蚕食するのですが、胸部のフードに頭部が覆われて肝心の口器の動きが全く見えません。
口元を隠すお上品な食事マナーです。
イラガ科幼虫に特有なこのフードの正式名称をご存じの方は教えて下さい。
名著『わたしの研究:イラガのマユの謎』p29に「イラガの幼虫の口」と題した頭部の細密画が掲載されています。
「頭部は、胸部にもぐりこんでます」と記されているものの、特に名称ば付いていませんでした。
後半は微速度撮影に切り替えたので、60倍速映像をご覧下さい。(@2:50〜)
※ リアルタイムの動きを記録した前半部のみ動画編集時に自動色調補正を施しています。
【おまけの映像】
同じ素材で早回し速度を落とした10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。
つづく→#4:脚が退化したイラガ(蛾)幼虫の歩行のひみつ
2016年9月下旬・午後17:33〜17:37
住宅地のケヤキ並木にスズメ(Passer montanus)の群れが塒入りしていました。
ここは最近新たに見つけた集団塒なのですが、夕方に何度も通ってようやく動画で記録することができました。
駐車場に隣接するケヤキ並木の中で、建物に一番近い所に立ってる木を中心に就塒しています。
ここのスズメは就塒前集合はしていないようです。
少なくとも私には見つけられませんでした。
集団でチュンチュン鳴く声が喧しく響いています♪。
続々と飛来する小群が梢に降り立つ瞬間が何度も撮れました。
まるで木の葉落としのように直接枝葉へ飛び込みます。
ときどき枝から枝へ飛び回って塒内を移動しています。
後半は少しケヤキの木に近づいてから続きを撮りました。
するとスズメが警戒し、次々と飛び上がって上の枝葉に移動しました。
しかし横の車道を車が通ってもスズメは気にしません。
この日の公式な日の入り時刻は午後17:37。
スズメの塒入りがまさに日没時刻と一致していたことに、ちょっとした感動を覚えます。
※ かなり薄暗い映像だったので、動画編集時にHDR-ishのエフェクトを施しています。