2019/06/29

脱皮前の眠で微動するマメドクガ(蛾)亜終齢幼虫♂【100倍速映像】



マメドクガの飼育記録#9


2019年5月上旬

▼前回の記事
マメドクガ(蛾)幼虫はイネ科の草も食べる

食欲を失ったマメドクガCifuna locuples confusa幼虫bは、食草として与えたイネ科植物を離れ、飼育容器のプラスチック壁面に斜め下向きで静止したままになりました。
照明の当てる角度を工夫して透明な容器をじっくり見ると、幼虫がいつの間にか自身の周囲に大量の絹糸を口から吐いて体軸方向に対して直角に張り巡らしていました。
市販されているこの飼育容器の形状は独特で、一方の側面は平面で、反対側の面は外側にやや湾曲しています。
マメドクガ幼虫は、脱皮のために平面の壁面を選択しました。
これから脱皮する前に、滑りやすいプラスチック壁面でずり落ちないように吐糸で足場を用意しておくのでしょう。
初めはプラスチックに擦り傷、引っかき傷(擦過傷)を付けたのかと早とちりしました。

ノギスで採寸すると、幼虫の体長は約20mmでした。
このとき亜終齢だったことが、後に判明します。
ちなみに『イモムシハンドブック1』p85によれば、マメドクガ終齢幼虫の体長は、35〜40mmとのこと。

脱皮するまで、微速度撮影で愚直に監視します。
100倍速の早回し映像をご覧下さい。
脱皮前のみん状態の幼虫は「微動だにしない」ように見えても、実際にはときどき蠕動していることが分かります。


つづく→#10:終齢幼虫への脱皮


マメドクガ(蛾)亜終齢幼虫b@飼育容器壁面+足場糸+脱皮前眠・全景
マメドクガ(蛾)亜終齢幼虫b@飼育容器壁面+足場糸+脱皮前眠
マメドクガ(蛾)亜終齢幼虫b@飼育容器壁面+足場糸+脱皮前眠
マメドクガ(蛾)亜終齢幼虫b:腹面@飼育容器壁面+足場糸+脱皮前眠

クリ樹上の巣で抱卵するハシボソガラス(野鳥)



2019年5月上旬
▼前回の記事
大きな栗の木の下で、作りかけのハシボソガラスの巣を見上げると…(野鳥)

ハシボソガラスCorvus corone)が営巣したクリ(栗)の大木を7日ぶりに見に来ました。
完成した巣に、おそらく♀と思われる親鳥が座り込んでいます。
抱卵が始まったようです。
ときどきキョロキョロと辺りを見回して辺りを警戒しています。
クリの木の真下から見上げると、親鳥の尾羽が巣の外に突き出して見えます。

日没後に現場を再訪すると、路地の電柱に設置された街灯LEDが栗の木の下で煌々と光っていました。
カラスの巣を見上げようとしても逆光になってしまいます。

芽吹いた営巣木の葉が急激に茂り始めたので、カラスの育雛状況をいつまで観察できるか分かりません。
じきに巣がクリの葉で隠れてしまいそうです。(住宅地の路地裏でも人目につかなくなる。)
それを見越して親鳥はここに営巣したのでしょう。
クリの木の向かい側にコーポが建っているのですが、路地に面した壁に窓は付いて無いので、巣を覗かれる心配はありません。

つづく→クリ樹上の巣で抱雛?するハシボソガラス(野鳥)


ハシボソガラス(野鳥)巣@クリ樹上・全景  矢印←
ハシボソガラス(野鳥)巣@クリ樹上・全景  矢印←
ハシボソガラス(野鳥)@巣:クリ樹上+抱卵
ハシボソガラス(野鳥)@巣:クリ樹上+抱卵
ハシボソガラス(野鳥)@巣:クリ樹上+抱卵
ハシボソガラス(野鳥)@巣:クリ樹上+抱卵
ハシボソガラス(野鳥)@巣:クリ樹上+抱卵
ハシボソガラス(野鳥)巣@クリ樹上
ハシボソガラス(野鳥)巣@クリ樹上
ハシボソガラス(野鳥)巣@クリ樹上

左翼の折れたオナガガモ♂が川で採食(野鳥)



2019年4月下旬
▼前回の記事
翼の折れたオナガガモ♂が川岸で物乞い(野鳥)

左の翼が折れたオナガガモ♂(Anas acuta)は、川の中州の側の浅瀬で採食を始めました。
ヒトからの給餌に頼らなくても、どうやら自力で採食できるようで一安心。

頭だけを水中に突っ込んで何かを食べています。(水草や藻?)
水中での脚の動きは見えないのですが、頭を上げている時に体を小刻みに揺すっているので、川底で足踏みしているようです。
川底に潜んでいる小動物を追い出して捕食する足踏み漁なのかな?

あるいは、川底の石の表面に繁茂する藻を足でこそげ落としてから一気に食べているのかもしれません。
水中カメラで採食行動を直接観察してみたくなりました。

オナガガモの食性は、

食性は雑食性で、植物の種子や水草、貝類などを食べる。(wikipediaより引用)
とのことでした。

つづく→翼の折れたオナガガモ♂にコガモ♀♂の群れが合流して塒入り(野鳥)




オナガガモ♂左翼骨折(野鳥)@川:浅瀬+採食
オナガガモ♂左翼骨折(野鳥)@川:浅瀬+採食



2019/06/28

ベニシジミ春型の羽化不全個体(後翅の奇形)



2019年4月下旬

川沿いの土手の草むらで春型ベニシジミLycaena phlaeas daimio)の羽化不全個体を見つけました。
前翅はきれいですけど、後翅が左右ともにしわくちゃのままです。
蛹から羽化した直後に後翅の伸展が失敗したのでしょう。

スイバの花穂の先端に止まり、翅を広げて日光浴していました。
スイバはベニシジミの食草の一つですが、産卵中ではなかったです。
(♀かどうか、性別を見分けられていません。)

最後は飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでご覧ください。
意外にも、後翅が著しい奇形なのに飛翔能力に異常は認められませんでした。
飛翔シーンをハイスピード動画でも記録したかったのですが、飛んで逃げたベニシジミを見失ってしまいました。

この土手では他にも多数のベニシジミが居ました。
訪花中ではなく縄張りを張っていようで、♂同士の空中戦も目撃しました。


ベニシジミ春型:羽化不全個体@スイバ花穂
ベニシジミ春型:羽化不全個体@スイバ花穂
ベニシジミ春型:羽化不全個体@?葉

ドバト♀♂:電線上での求愛は実らない?(野鳥)



2019年4月下旬

池の上に張り渡した電線にカワラバト(=ドバト;Columba livia)が並んで止まっています。
画面の右端にいる2羽の行動が気になりました。
足元が不安定なのに♂が右隣の♀に向かってお辞儀を繰り返していました。
どうやら求愛しているようです。


▼関連記事
ドバト♀♂の求愛・交尾(野鳥)
ドバトの求愛行動(野鳥)

見た目の体格は♂>♀ですが、♂が体を膨らませているから大きく見えるだけなのかな?
♂が横歩きで♀ににじり寄ろうとすると、♀がさり気なく離れて距離を保ちます。
痺れを切らした♂が羽ばたきながら飛び上がって♀の背に強引にマウントしようと試みたものの、♀は電線から飛び降りて下の橋の欄干に逃げました。
♂もすぐに追いかけましたが、♀は石造りの欄干から下の道に飛び降りて逃走。

後半はアングルを変えて撮った別のペアです。(@0:51〜)
電線に止まった♂Rが左隣りの♀Lに近づこうと綱渡りしても、♀は距離を保ちます。
この♂は求愛の手順が雑で、♀にお辞儀もしませんでした。
♂が羽繕いしたのは♀へのアピールなのでしょう。
鳩の背後は桜の花(ソメイヨシノ)が満開に咲いていて、どうしても肝心の鳩にピントが合いません。
最後は♀、♂の順に電線から飛び降りました。

今回の観察では、交尾前のキスにも至りませんでした。
ドバト♂に追い回されてしつこいセクハラに辟易している♀は、電線に止まればしばらく交尾を回避できるようです。


※ 撮影する私の背後で通りすがりの花見客が際どい会話をしてたので、面白かったのですけど映像では消音しました。


ドバト♀L♂R(野鳥)@堀池:電線+求愛失敗

2019/06/27

駐輪場でセイヨウタンポポの種子を食すカワラヒワ♀♂(野鳥)



2019年5月上旬

民家の中庭で駐輪所の横に砂利が敷かれていて、そこにセイヨウタンポポが生えています。
綿毛(冠毛)がほとんど飛び散った後に種子食性のカワラヒワCarduelis sinica)の♀♂つがいがやって来ました。
背丈の高いタンポポの茎を蹴倒して倒伏させ、わずかに残った種子をついばんでいます。
最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


▼関連記事(6年前の撮影)
タンポポの種子を食すカワラヒワ♂(野鳥)


カワラヒワ♀♂(野鳥)@駐輪場:砂利+セイヨウタンポポ種子採食
カワラヒワ♀♂(野鳥)@駐輪場:砂利+セイヨウタンポポ種子採食

翼の折れたオナガガモ♂が川岸で物乞い(野鳥)



2019年4月下旬

春の川に季節外れのオナガガモ♂が1羽だけ居ました。
ここはオナガガモAnas acuta)の群れが越冬していた川です。
オナガガモは冬鳥の渡り鳥ですから、春になると群れは北のシベリアに渡去します。
川面に1羽だけ取り残された♂個体は、畳んだ翼の左側が不自然な角度で上に曲がっています。
負傷して左の翼が骨折したために飛べなくなってしまったようです。

飢えているのか、私が川岸を歩いているとすぐ近くまで物欲しそうに(人懐こく)寄って来ます。
怪我した鴨を哀れに思って給餌してやる優しいヒトがいるのでしょう。
さすがに餌乞いの芸を仕込まれてはいませんでした。
私は何も食べ物を持っていなかったので静観していると、翼の折れたオナガガモ♂は諦めて泳ぎ去りました。
私が上着を羽織ろうとしてカバンからゴソゴソ取り出そうとしただけで、オナガガモ♂は何か食べ物をもらえるのかと期待するようです。
岸に居る私の方に向かって何度もいそいそと近寄ってくる姿が哀れです。
すぐ近くに来ると、水中での足(水掻き)の動きがよく見えました。
足の水掻きで川面を遊泳する運動機能は正常でした。
川面に浮いた白い発泡スチロールのゴミに興味を示し、嘴で軽くつついてみることもありました。(@1:19, 1:45)

私は基本的に野生動物や野鳥には何も給餌しない(なるべく自然界の営みに介入しない)のがポリシーです。
この個体はたとえヒトから善意の給餌に頼って食いつないだとしても、飛翔能力を失っているのであれば、いずれ猛禽類などの天敵に捕食されてしまう可能性が高いでしょう。
行動を共にする同種の群れが居なくなって終日単独行動になると、天敵に狙われ襲われる危険性は更に高まります。

▼関連記事
川岸の猫を警戒し群れで対処するオナガガモ♀♂(野鳥)

水浴時に羽ばたくかどうか確かめたくて、このまましばらく観察してみます。

つづく→左翼の折れたオナガガモ♂が川で採食(野鳥)


オナガガモ♂左翼骨折(野鳥)@川面遊泳+物乞い
オナガガモ♂左翼骨折(野鳥)@川面遊泳+物乞い
オナガガモ♂左翼骨折(野鳥)@川面遊泳+物乞い
オナガガモ♂左翼骨折(野鳥)@川面遊泳+物乞い

2019/06/26

ヒラタアブの一種♀が柳の葉で日光浴【名前を教えて】



2018年10月上旬

湿地帯の端に生えた柳(種名不詳)の灌木で、ヒラタアブの一種♀が葉に止まっていました。
この直前に、柳の葉の甘露を舐めるキイロスズメバチ♀を観察していたので、これも別種な蜂かと思いきや、蜂に擬態した虻でした。(ベーツ型擬態)
しかも、口吻の状態を見ると、柳の葉の表面を舐めていませんでした。
葉に乗ってただ休んでいるだけ、あるいは日光浴中なのでしょう。
やや大型の種類だったと記憶しています。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヒラタアブsp♀:背面@柳葉+日光浴
ヒラタアブsp♀:側面@柳葉+日光浴

川面から倒木に飛び乗り休むカワウ(野鳥)



2019年4月下旬

カワウPhalacrocorax carbo hanedae)が1羽、下流へ向かって川面を泳いでいました。
歩行時と同じように首を前後に動かしています。
おそらく水中で足を掻いているのでしょう。



川岸では柳(種名不詳)の灌木に花が咲き若葉が茂り始めています。
その灌木林に見え隠れしながら流れに乗って泳ぎ去るカワウを流し撮りすると、川を塞ぐように岸から倒れているニセアカシア(別名ハリエンジュ)の倒木に、軽く羽ばたきながら川面から飛び上がって上陸しました。
お気に入りの止まり木ですぐに羽繕いを開始。
身震いして羽根の水気を切り、翼を大きく広げて濡れた羽根を乾かします。
倒木に下流(北)を向いて止まっています。

この倒木にカワウが上陸する瞬間を観察したのは2回目ですが、2回とも上流から川の流れに乗って倒木にアプローチしてからヒョイと飛び乗っていました。
飛来したカワウが倒木に直接着陸するシーンは一度も見たことがありません。(アオサギでは可能)
きっとカワウは飛翔があまり得意ではないからでしょう。

▼関連記事
カワウが川で潜水漁をしてから倒木に跳び乗り羽繕い(野鳥)
川の倒木に飛来したアオサギ(野鳥) 


カワウ(野鳥)@川面+遊泳
カワウ(野鳥)@川:倒木+羽根乾燥

2019/06/25

川で水浴するコガモ♂(野鳥)



2019年4月下旬・午後18:24

川の中洲に近い浅瀬でコガモ♂(Anas crecca)が水浴びしていました。
頭を水中に何度も突っ込んで水を浴びてから翼を力強く羽ばたき、尾羽を左右に振り振りしています。
さっぱりした♂は、羽繕いを開始。

一方、後半に左から登場した地味な♀は、中州の浅瀬で採食してから川面を遊泳し、♂とすれ違いました。


路地裏で虫を捕食するハクセキレイ♂(野鳥)



2019年4月下旬

ハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)が路地裏のコンクリート塀に止まってこちらを警戒していました。
少し飛んで路地と側溝の上を渡ると、反対側のコンクリート塀の裏に生えた苔の上で何か虫を捕食しました。
獲物を巣に持ち帰らずその場で食べたので、育雛中ではないようです。
背後に2羽のスズメが飛来しても気にしませんでした。

最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。


ハクセキレイ♂(野鳥)@コンクリート塀

2019/06/24

電線に並んだドバトが小競り合い(野鳥)



2019年4月下旬

池の上を横断するように張り渡した電線にカワラバト(=ドバト;Columba livia)が3羽並んで止まっていました。
向いている方向はまちまちです。
右端の個体Rが左隣りの小柄な個体Mににじり寄り、嘴で2回軽くつつきました。
求愛行動ではなさそうですし、陣取り合戦なのでしょうか?
足場が不安定なので、電線の鳩は翼を広げ軽く羽ばたいてバランスを保っています。
つつかれた真ん中の個体Mが堪りかねて飛び上がり、右端に位置取りし直し、隣人(隣鳩)から少し距離をとりました。
互いに嘴が届かないパーソナルスペースを保ちつつ並んでいます。
鳩の群れにも、いわゆる「つつきの順位」があるのでしょうか?
左端の個体Lは、小競り合いに関与しないで静観しています。
私にはドバトの性別は見分けられませんが、もしかすると左端の個体が♀で、右側の2羽が♀とお近づきになりたい♂なのかもしれません。(♀を巡る♂同士の争い)
この間、周囲の喧騒で鳩の鳴き声は聞き取れませんでした。


ドバト3(野鳥)@堀池:電線+つつき攻撃/飛翔回避
ドバト3(野鳥)@堀池:電線+つつき攻撃/飛翔回避

ヒメオドリコソウに訪花するツメクサガ(蛾)



2019年4月下旬

川沿いの土手に咲いたヒメオドリコソウの群落でツメクサガHeliothis maritima adaucta)が訪花していました。
吸蜜しに来たのでしょうか。
少し飛んで別の花に止まり直しました。

てっきり花蜜目的の訪花かと思いきや、映像を見直すとこのとき腹端を曲げて素早く産卵したようにも見えました。

しかしピントが合う前の一瞬だったので、定かではありません。
しかも本種の食草はマメ科植物なので、シソ科のヒメオドリコソウに産卵するはずはありません。
辺りにはシロツメクサやムラサキツメクサ、クサフジ、クズなど他のマメ科植物がいくらでも生えていますから、適当に卵を産み付けても孵化した幼虫が自力で食草に辿り着けるのかもしれません。
アングルが悪いので私が横に動いたら、警戒したツメクサガは飛んで逃げてしまいました。
(そもそも、この個体が♀かどうか、私には外見で見分けられません。)

飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイ。


ツメクサガ(蛾)@ヒメオドリコソウ訪花吸蜜

2019/06/23

川面を泳ぎながら鳴く♪コガモ♂(野鳥)



2019年4月下旬・午後17:02

川の中流域でコガモ♂(Anas crecca)が下流へ急いで泳いで行きます。
川の流れよりも速く移動しているので、明らかに水掻きで水中を懸命に漕いでいるようです。
小声ながらもよく響き渡る高音でピリッピリッ♪と繰り返し鳴いていました。
昨年の秋からこの川で聞こえる度に気になっていた、美声を発する謎の鳥の正体が遂に判明しました。

この鳴き声を声紋解析したいのですが、近くの堰を流れる水音がノイズとなり、きれいな声紋が得られません。

※ 動画編集時に音量を上げています。(音声の正規化)


コガモ♂(野鳥)@川面+遊泳♪

ツルウメモドキの蔓を折って巣材を集めるハシボソガラス♀♂(野鳥)



2019年4月下旬

農地に隣接した河畔林でハシボソガラスCorvus corone)がニセアカシア(別名ハリエンジュ)の樹上で巣材を集めていました。


▼関連記事
カキノキの落枝を拾って巣材にするハシボソガラス(野鳥)

この個体は地上で落枝を拾い集めるのではなく、若葉が芽吹き始めた生木の細い枝や蔓を嘴で折ろうと苦労しています。
細い枝は曲げても良くしなり、なかなか折れません。
ようやく折り取った細い小枝を咥えたまま飛び去り、堤防を越えて行きました。

つがいのもう1羽と思われる別個体がすぐに現れ、同様に巣材集めを始めました。
どうやらニセアカシア本体の枝ではなく、それに巻き付いて育っている蔓植物を嘴で折ろうとしています。
ところが、せっかく苦労して毟り取った小枝(蔓)なのに、何が気に入らないのか捨ててしまいました。
巣材を足元に何本もまとめてから一気に持ち帰る作戦なのか?という私の予想は外れました。
私の視線を嫌ってか、ハシボソガラスは太い幹の陰で作業するようになりました。
しつこい私は撮りながらゆっくり横にずれてアングルを確保します。
ようやく私に対する警戒が薄れたのか、目立つ場所に来て巣材集めしてくれるようになりました。
手頃な長さの蔓を折り取ったのに、もたもたしています。
巣材集め作業の合間にその場で白い糞を排便しました。(@3:56)
折った蔓をその場に残した(忘れた)まま、上の枝に飛び上がりました。
巣材集めというよりも、ただの剪定作業になっています。 
細い蔓1本ではもの足りず、嘴に咥えながら続けてもう一本を採取しようと悪戦苦闘しています。
ようやく2本束ねて咥えても、1本を落としてしまいました。
作業効率が悪くて、見ている私も苛々します。
ようやく飛び立ち、集めた小枝(蔓)を巣に持ち帰りました。

すぐにまたつがいのもう1羽が巣材集めに通って来ました。
私が見ていることに気づくと、気まずそうに作業を止めてしまいます。
もう1羽も戻って来て、パートナーの作業を近くの樹上で見ています。
背後の河畔林でウグイスが鳴いていました♪

この春観察したカラスの行動で一番面白かったです。
確かに野山でこんなに苦労して巣材集めするぐらいなら、住宅地で針金ハンガーを拾い集める方が楽かもしれません。
どうも素人目には、巣材集めの要領が悪くて非効率的なつがいに見えます。
造巣経験の無い繁殖1年目の若いカップル♀♂なのかな?
それとも私にじっと見られていることを意識したカラスがわざと油を売り、もたもたと巣材集めをしていたのかもしれません。
建造中の巣の位置を私に知られたくないので、私が立ち去るのを待っているのでしょうか?
一方、近くの畑で農作業している老夫婦に対しては、カラスは気にしない様子でした。
あるいは、巣の部位や建築段階によって材料を変えているのかもしれません。
仕上げの巣材として編み込むための細くてしなやかな蔓が必要なのでしょうか。

もう一つ別の可能性として、もしかすると営巣地がすぐ近くにあって、卵や雛を守るために私を追い払おうと威嚇しているのかもしれません。
気性の荒いハシブトガラスは枝を折って威嚇することがあります。
その場合、折った枝は下に捨てます。
▼関連記事
木の枝を折って威嚇するハシブトガラス【野鳥】
警戒声♪を発しながら木の枝を折って威嚇するハシブトガラス(野鳥)
しかし今回は穏健なハシボソガラスですし、折り取った蔓を同じ方角に繰り返し持ち去っていることから、巣材集めだろうと判断しました。
威嚇のための枝折りなら、もっと太い枝を折ってポキポキ♪、ポキリ♪と大きな音を立てるはずです。

このつがいは堤防の向こうに巣を作っているようですが、この日は営巣地を突き止められませんでした。

ハシボソガラスが巣材として集めていた蔓植物は、若葉がようやく芽吹き始めたばかりで、名前を調べる特徴が分かりませんでした。
約20日後に現場を再訪し、問題の蔓植物に咲いた雄花からツルウメモドキと確定しました。
花の写真を掲載予定


ハシボソガラス(野鳥)@ニセアカシア樹上+巣材集め:ツルウメモドキ蔓&枝折り
ハシボソガラス(野鳥)@ニセアカシア樹上+巣材集め:ツルウメモドキ蔓&枝折り

早春の河畔林で鳴き交わす♪シジュウカラ(野鳥)



2019年4月下旬

柳(樹種不詳)やニワトコオニグルミなどの灌木が密生している川岸で、2羽のシジュウカラParus minor minor)が枝から枝へ飛び回っていました。
シジュウカラの1羽は♂と確認できました。
つがいなのかな?
耳を澄ますと鳴き声がかすかに聞こえます。


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