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2018/08/10

寄主オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵失敗を繰り返すヤドリバエ♀の謎



2018年5月中旬


▼前回の記事
寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】

ヤドリバエ(寄生ハエ)の一種♀が寄主のオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)若齢幼虫を巣上で追い回して産卵を試みるものの失敗を繰り返すシーンだけ編集しました。

早回し映像ではなくリアルタイム映像でご覧下さい。
いわば、失敗を集めたNG集です。



ヤドリバエ♀は標的に狙いを定めると歩いて接近します。
腹端を前方に屈曲させ、産卵のチャンスを狙います。
幼虫の長い体の後部になら卵を産み付けるチャンスは幾らでもありそうなのに、そこには決して産卵しないのが不思議です。



テント状の巣には穴があり、そこからオビカレハの幼虫が外に脱出しようとしていました。(巣の左上@3:32)
穴の横で待ち伏せしていたヤドリバエ♀は絶好の産卵チャンスなのに、産卵姿勢のままなぜか決行せず断念しています。(意気地なし!)
余談ですが、この小さな穴から巣内に戻る幼虫も居るのかな?


群生する幼虫が徐々に巣を離れてミズナラ灌木の小枝をよじ登り始めました。
一旦巣を離れた幼虫がまた巣に戻って来ることもあります。
おそらく夜暗くなると散開してミズナラの葉を食害し、朝になると巣に戻って休むのでしょう(夜行性?)。
実は今回、オビカレハ幼虫の群れの行動をタイムラプスで長撮りするつもりでいたら、ヤドリバエ♀の存在に気づいたのです。


産卵に成功したシーンは巣を見つけ撮り始めてすぐの2回だけでした。
そのときの産卵箇所は寄主の頭部付近(胸部側面?)でした。
巣内で幼虫の群れに長時間つきまとっているシーンを見ても、産卵を狙う箇所に拘りがあることが伺えます。

その理由はおそらく、オビカレハ幼虫の後部にこっそり産卵するのは簡単でも、異物感で気づいた幼虫はすぐに口で卵を取り除いてしまうからです。
これは、便秘で苦しむオビカレハ幼虫が排泄後も肛門から落ちずにずっと付着したままの糞を体を曲げて口で取り除いたシーンをたまたま観察したことから予想されます。
ただし、このヤドリバエ♀が寄主の体表に卵を産み付けるタイプであるかどうか、映像では分かりませんでした。(私の記憶が正しければ確か、産卵管を突き刺して寄主の体内に産み付ける種類のヤドリバエ♀もいたはずです。)
体内に産み付けられてしまえば、もはや口で卵を取り除くことは不可能でしょう。

次は免疫系による異物排除・隔離の出番です。

しかし寄主の頭部付近を狙うと当然見つかりやすくなり、頭振り行動で反撃されるリスクも高まります。
幼虫に気づかれたら一時退避して、ほとぼりが冷めるのを待つしかありません。

ヤドリバエ♀の代替策として、空中から幼虫の胸部に飛びついた瞬間に卵を産み付ける作戦はどうでしょう?
しかし、オビカレハ幼虫(天幕毛虫)に生えている長毛は、寄生蝿の着陸を邪魔したり、鋭敏な触覚センサーとして働くのでしょう。
ヤドリバエ♀が毛虫の体に着陸しようとしても、すぐに気づかれて振り落とされてしまいそうです。

毛虫の毛を刈ると被寄生率が上がるかどうか、試しに実験する価値はありそうです。

寄主が群生する巣を見つけたヤドリバエ♀は産卵する標的を選り取り見取りのやりたい放題で、見つかってしまったオビカレハ幼虫としては全滅を免れる術は無いのかと初めは思いました。

しかしこうして観察を踏まえてじっくり考えてみると、ヤドリバエ♀は意外にも難易度の高いミッションに辛抱強く挑んでいたのだと分かってきました。
寄生蝿は寄主の体の前後を見分ける必要がある訳です。
私の予想ではなんとなく、前進運動する動きで見分けている気がします。
逆に寄主側の自衛策としては、自己擬態で体の前後を同じ模様にして見分けにくくすれば良さそうです。

似たような自己擬態は、シジミチョウ類の成虫が後翅の尾状突起を触角に似せて鳥に急所の頭部をつつかれないように騙している例が有名です。
実際にオビカレハ幼虫は、体の前後の両端に黒い斑紋が目立ちます。
少なくとも静止している間は、この自己擬態作戦である程度はヤドリバエ♀からの執拗な攻撃を凌げるかもしれません。

ただし、この自己擬態は未だ不完全です。
頭楯の灰色も後端に真似る必要がありますね。
オビカレハ幼虫に偽の頭楯(灰色)を後端にくっ付けてみる実験をしてみたら、ヤドリバエ♀による被寄生率が下がるでしょうか?

オビカレハ幼虫は広食性ですから、大発生すると森林害虫として深刻な被害をもたらします。
したがって、天敵のヤドリバエ(寄生蝿)の習性を研究することは、農薬(殺虫剤)に頼らない生物学的防除(天敵を利用した害虫駆除)に結びつく可能性があるでしょう。
とりあえず、このヤドリバエの種類を写真鑑定できる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
現物は採集できていません。

インターネット検索しても、オビカレハ幼虫を寄主とする寄生蝿の情報は得られませんでした。
それでも関連しそうな文献がヒットしました。(PDFファイルが無料で見れます)

石野依利子、戒能洋一『ヤドリバエDrino inconspicuoides の産卵行動について』
つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2003) 2, 101
アワヨトウという蛾の幼虫に寄生するヤドリバエの一種Drino inconspicuoidesで産卵行動を調べた研究です。
興味を惹かれた箇所を引用すると、

 ♀バエは、寄主から数cm離れたところまで歩行により近づき、しばらくの間寄主の動きを追った後、産卵を試みた。その際、寄主が移動した場合は、頭部の向きを変える、歩行により後を追うなどの行動をとった。寄主に接近するまでの時間や産卵までの時間などは個体差が大きかった。
産卵を試みる際は、寄主に肢をかける(6本肢すべてをかけて「乗って」しまう場合もある)個体と、寄主の近くから産卵管を伸ばす個体とが観察された。産卵を試みなかった個体には、寄主に全く接近しなかったものと、寄主の方から接近してきたなどの原因で寄主との距離が縮まっても寄主を避ける行動をとったものの2種類があった。

今回私が観察した寄生蝿はDrino inconspicuoidesと別種かもしれませんが、産卵行動が共通だとすると、産卵に何度も失敗する(手間取る)のはよくあることなのだろうと納得できました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完。


2018/08/06

オビカレハ(蛾)若齢幼虫に産卵する寄生ハエ♀



2018年5月中旬・午後17:00〜17:03


▼前回の記事
便秘に苦しむオビカレハ(蛾)幼虫はどう対処するか?

ミズナラの灌木に天幕状の巣を作って共同生活しているオビカレハMalacosoma neustrium testaceum)の若齢幼虫の様子を見ていると、怪しいハエが一匹、巣に紛れ込んでいました。
その正体は寄生バエ(ヤドリバエ科の一種)♀でした。
左の翅に切れ込みが入ったように破れていて、個体識別が可能です。

夕方の逆光で見えにくいのですが、動きの鈍い幼虫を狙いを定めると腹端を前方に屈曲しながら幼虫の背後から近づき、頭部付近の側面に卵を産み付けたようです。
産卵の決定的瞬間に別個体の幼虫が横を通りかかり、産卵管が見えなくなってしまいました。
攻撃されたオビカレハ幼虫は弱々しく頭部を左右に振って威嚇するだけでした。
ヤドリバエ♀は巣の上部に一時的に退避しました。

しばらくしてほとぼりが冷めると戻って来て、同一個体の寄主に対して再び産卵しました。
今度は産卵姿勢がしっかり撮れました。
腹端を前方に強く屈曲させて寄主に狙いを定め、寄主の頭部近く(胸部体節)の腹面(側面かも?)に産卵しました。
幼虫の群れに反撃されそうになると、さっと身をかわします。

天幕状の巣には発育段階の異なる大小様々なオビカレハ幼虫が集まっています。
寄生蝿の右下に見えるのは、幼虫が脱皮した後の抜け殻のようです。


オビカレハを寄主とするヤドリバエを写真同定してもらうために、ストロボを焚いた写真も高画質で撮ったつもりでした。
ところがカメラの設定を前日までインターバル撮影していたときの低画質にしたままで気づきませんでした。(痛恨のミス)

このヤドリバエ♀は口吻を出しっぱなしのように見えます。
寄主の巣を舐めて化学情報を検知しているのでしょうか?
産卵した寄主の傷口から出る体液を舐めたりするのかな?
素人目にはなんとなく口吻のように見えたのでが、そういう形状の触角なのかも? (高画質の写真を撮っていれば…。)



※ 逆光対策として、動画編集時にHDRishフィルターを適用しました。
いつもの自動色調補正より効果的です。
写真を撮るだけなら逆光のときはフラッシュを焚けば済むのですが、動画撮影しようとすると困ってしまいます。
不用意に照明を点灯すると、昆虫や野生動物の自然な行動に悪影響を及ぼしたり逃げられたりする恐れがあるからです。

つづく→寄主オビカレハ(蛾)幼虫の巣に居座り産卵を狙うヤドリバエ♀【6倍速映像】


ヤドリバエsp♀+オビカレハ(蛾)若齢幼虫群れ@巣:ミズナラ灌木
ヤドリバエsp♀@産卵→オビカレハ(蛾)若齢幼虫

2018/06/08

アカオニグモ♀の卵嚢作りと産卵:その6 まとめ【100倍速映像】(蜘蛛)



2017年11月上旬


▼前回の記事
アカオニグモ♀の卵嚢作りと産卵:その5【俯瞰400倍速映像】(蜘蛛)

アカオニグモ♀成体(Araneus pinguis)が飼育容器の底で卵嚢を作る一部始終を横から微速度撮影で記録しました。
10倍速映像を3部作に分けて(シリーズその1〜3)各ステップを紹介してきましたが、更に早回し速度を上げた100倍速映像で一気にお見せします。
作り初めのアカオニグモ♀は円形の天幕を休み休み張っていました。
前に紹介した動画その1では退屈な休憩シーンを編集でカットしましたが、今回はノーカットなので、休憩の取り方も分かります。

深夜になると急に作業のペースが上がり(@8:56〜)、天幕シートを一気呵成に作り上げました。
続いて、天幕の下面に産卵を開始。(@9:52)
オレンジ色の丸い卵塊の下半分を糸で包み始めます。(@10:02)
遂に卵嚢が完成しました。(@11:46)
これ以降♀クモは静止し、卵嚢をガードします。

卵塊を保護する卵嚢を作る際は、網を作る糸とは全く異なる専用の糸(非粘着性)が紡ぎ出されるそうです。

管状腺(cylindriform gland)は、中疣と後疣に開口する比較的大きな糸腺です。管状腺の糸は、卵嚢の内側で卵塊を包む柔らかい糸として用いられます。産卵のときだけに必要になるので、♀にしかありません。 (『糸の博物誌:ムシたちが糸で織りなす多様な世界』p12より引用)



ネット検索で調べたら面白い情報を見つけました。
卵を保護するための「卵のう」の表面は、規則的に編まれた織布とは違って、太い糸と細い糸からなる繊維が不織布状になっている。 (大崎茂芳. "クモの糸の秘密." 繊維学会誌 62.2 (2006): P_42-P_47.PDFより引用)




卵嚢が完成した後にアカオニグモ♀が卵嚢ガード(休息)するシーンの大半は編集でカットしました。


私は解剖学的な知識が曖昧だったのですけど、最近読んだ本、中田兼介『まちぶせるクモ:網上の10秒間の攻防』によれば、 ♀クモの交接孔と産卵孔は別々なのだそうです。

♀の外雌器は書肺の後ろにあり、別々の受精嚢につながる2つの交接孔と、その間に産卵のための孔が一つ開いている。 (p4より引用)


クモの種類によって違うのかな…?と疑問に思って、専門書『クモの生物学』第10章を紐解いて復習しました。
コガネグモ上科のクモ類は完性域類に属し、♀の受精嚢は交接口と受精口の2方向に開口している両開口型で、交尾口と産卵口が別々らしい。


シリーズ完。


2018/06/07

アカオニグモ♀の卵嚢作りと産卵:その5【俯瞰400倍速映像】(蜘蛛)



2017年11月上旬・(午後18:32〜翌日の午後16:11)


▼前回の記事
アカオニグモ♀の卵嚢作り:その4:卵嚢ガード【60倍速映像】(蜘蛛)

飼育下でアカオニグモ♀(Araneus pinguis)が卵嚢を作る様子を別アングルからも微速度撮影していました。
インターバル撮影の専用カメラ(Brinno TLC200)を上から見下ろす俯瞰のアングルで設置し、20秒間隔の連続写真を撮りました。
その素材を元に20fpsの動画に加工しました。
400倍速の早回し映像をご覧下さい。
残念ながらこのカメラは焦点距離が30cm以上なので、思い切った寄りの接写ができません。
入門機種なので、オプションのマクロレンズも用意されていないのです。
やや遠くから(引きの絵で)撮った映像になりますが、仕方がありません。


初めのうちアカオニグモ♀は円形の天幕を休み休み張っているのがよく分かります。
深夜になると作業のピッチが上がり、早朝の午前6:19に卵塊を産み始めました。
卵嚢を中心にしてクモ自身が回転しながら糸を紡ぎ、卵塊を少しずつ覆います。
このとき♀クモの回転運動は右回り、左回り(時計回り、反時計回り)と交互に(ランダムに)行われていることが、俯瞰だとよく分かります。
午前9:28にクモは完成した卵嚢にぶら下がったまま静止しました。
これ以降はほとんど動きが無くなり、卵嚢ガードを続けています。
後半になると、大きさの比較として一円玉(直径20mm)を並べて置いてみました。


つづく→その6:100倍速まとめ映像


2018/06/06

アカオニグモ♀の卵嚢作り:その4:卵嚢ガード【60倍速映像】(蜘蛛)



2017年11月上旬・午前10:42〜午後14:12
▼前回の記事
アカオニグモ♀の卵嚢作り:その3(蜘蛛)【10倍速映像】

一晩かけて卵嚢を作り上げたアカオニグモ♀(Araneus pinguis)の様子を60倍速の早回し映像でご覧下さい。
たまに身動きしたり向きを変えたりするだけで、卵嚢にしがみついた姿勢のまま静止しています。

こうした休息状態は「卵嚢ガード」と呼ばれるのですが、もし卵の天敵が現れたら本当に母クモは撃退するのでしょうか?
実験してみたいのですけど、この時期になると野外で活動する虫の数が激減していて、適当な相手を見つけてこれませんでした。
例えばアリとかカメムシでも良いから卵嚢の上に乗せて歩かせてみて、母クモの反応を見たいものです。


つづく→卵嚢作りを別アングル(俯瞰)でインターバル撮影


アカオニグモ♀(蜘蛛)俯角@卵嚢ガード+scale
アカオニグモ♀(蜘蛛)俯角@卵嚢ガード+scale
アカオニグモ♀(蜘蛛)俯角@卵嚢ガード+scale


アカオニグモ卵嚢@方眼紙(ススキの種子が付着)
卵粒をコーティングしていた粘液が白く固まった?


【後日談】
この♀はもう新しい円網を張って餌を捕る元気は無く、5日後に死亡しました。
4日目までは生きていて、卵嚢ガードを続けました。
寿命を迎えたアカオニグモ♀の外雌器を接写すると、垂体が残っていました。
これは未交接の処女♀という意味なのですかね?

だとすれば、せっかく苦労して作った卵嚢も無精卵ということになります。
(クモの種類によっては、♂が交接の際に♀の垂体を破壊して他の♂と交接させなくするらしいのですが、アカオニグモもそうなのか私は知りません。)


以下の写真は死後3日後に接写したもので、少し干からびた状態です。

アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:背面@方眼紙
アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:腹背@方眼紙
アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:頭胸部@方眼紙
アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:顔@方眼紙
アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:腹面@方眼紙
アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:外雌器+垂体
アカオニグモ♀(蜘蛛)標本:外雌器+垂体


得られた卵嚢を大事に保管して越冬させたのに、記事を書いている6月上旬になっても未だに幼体が孵化(出嚢)しません。
冬季は冷暗所(室温の低い地下室)に保管していたのですが、暖冬だったために冷気に充分晒されず、休眠越冬に失敗したのでしょうか?
それとも無精卵だったのかもしれません。
もう少し待って駄目なら、卵嚢を割って中を調べてみます。



【追記】
7月上旬、遂に痺れを切らして卵嚢をハサミで切り開いてみました。
すると中から乾燥した卵の粒が零れ落ちました。
幼体が孵化した形跡は無く、やはり無精卵だったことが分かりました。

アカオニグモ(蜘蛛)未受精卵@卵嚢切開@方眼紙
アカオニグモ(蜘蛛)未受精卵@卵嚢切開@方眼紙
アカオニグモ(蜘蛛)未受精卵@卵嚢切開@方眼紙



2018/06/04

アカオニグモ♀の卵嚢作り:その3(蜘蛛)【10倍速映像】



2017年11月上旬・午前7:10〜10:40
▼前回の記事
アカオニグモ♀の卵嚢作りと産卵:その2(蜘蛛)【10倍速映像】

橙色の丸い卵塊がフワフワの白い糸で包まれていきます。
アカオニグモ♀(Araneus pinguis)が卵嚢の下面にぶら下がった状態でグルグル回る動きを止めました。
遂に卵嚢が完成したようです。(@13:55;午前9:29)
大きさの比較として、画面右側で奥から手前に伸びている白い丸パイプの直径は12mm。
大仕事を終えたアカオニグモ♀は、その場でピクピクと身動きしています(身繕い?)。

♀クモが卵塊の下に潜り込んで作業できる(ギリギリの)高さを見込んで、初めに天幕を張り始めていることに感嘆しました。
産卵後は腹部がペシャンコに萎むことも織り込み済みのようです。


つづく→卵嚢作り:その4(卵嚢ガード)


アカオニグモ♀(蜘蛛)側面@卵嚢:完成直後

2018/06/03

アカオニグモ♀の卵嚢作りと産卵:その2(蜘蛛)【10倍速映像】



2017年11月上旬・午前3:55〜7:09
▼前回の記事
アカオニグモ♀の卵嚢作り:その1(蜘蛛)【10倍速映像】


アカオニグモ♀(Araneus pinguis)の卵嚢作りが続いています。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
作りかけの天幕(卵嚢の天井部)にぶら下がって休んでいた前半部分は編集でカットしました。

明け方になると、糸を紡ぐ作業のピッチが急に上がりました。
アカオニグモ♀は休みなくグルグル回りながら天幕シートに糸疣を繰り返し打ち付けて糸を張り続けています。
サボりながら作業していたこれまでとは打って変わり、一気呵成に卵嚢上部を作り上げます。

私がようやく就寝したので、クモ♀が警戒を解いて本格的に作業するようになったのでしょうか。
やはり、最も無防備で危険な産卵行動のタイミングを天敵の活動が少ない夜明けに合わせるために、時間調節していた(サボっていた)のかもしれません。
だとすれば、どのようにして時刻を知るのか、気になります。
撮影用のLED照明を夜通し点灯しっぱなしだったので、視覚による日照情報では時刻を判断できないはずです。
クモが体内時計を持っているか、早朝の最低気温を感知して、時刻を判断したのだと思います。

ちなみに、この日の日の出時刻は午前6:07。
もちろん、この一例だけでは結論は出せません。

クモが作業を止めて静止したと思いきや、いよいよメインイベントの産卵が始まりました。(@9:21;時刻は日の出直後の午前6:20)
出来上がった白い天幕の下面に押し付けるように生殖口から産卵し、橙色の卵塊が少しずつ大きくなります。
オレンジ色のピンポン球を小さくしたような卵塊です。
大きさの比較として、画面右側で奥から手前に伸びている白い丸パイプの直径は12mm。

丸い卵塊がこぼれたり落ちたりしないで天幕にしっかり付着しているのは、卵が粘液で包まれていて粘着力があるためでしょう。
もしヒトが同じ課題を与えられたら、まず容器(卵嚢)の底を作ってから中に産卵し、次に上から蓋をするでしょう。
重力に縛られた発想しかできないのです。
クモのやり方は重力があるのに上下逆で、どうして進化したのかいつも不思議に思います。
もし無重力の宇宙ステーションで飼育したら、クモはどんな卵嚢を作るのでしょうね?

卵を産み終わったアカオニグモ♀は、卵塊の下面を糸で包み込み始めました。(@10:52〜)
卵塊を中心としてクモ自身が回転しながら丹念に糸を紡いでいます。
クモの回転の向きは時計回りだったり反時計回りだったりと、特に規則性は無いようです。
産卵前は丸々と膨らんでいた♀の腹部がペシャンコに萎んでいるのが印象的。


つづく→卵嚢作り:その3(完成)


2018/06/02

アカオニグモ♀の卵嚢作り:その1(蜘蛛)【10倍速映像】



2017年11月上旬・午後13:22〜翌日の午前3:48
▼前回の記事
糸を引いて懸垂下降するも水面を忌避するアカオニグモ♀(蜘蛛)【3倍速映像】

飼育下でアカオニグモ♀(Araneus pinguis)に造網させようと悪戦苦闘してきましたが、私が提供した足場でクモは思うように振る舞ってくれません。
本を参考にして、脱走防止のために大型水槽の底に水を張っていたのですが、水難事故が繰り返されました。
さすがに可哀想になって、水を抜くことにしました。
この♀成体は円網を張りたいのではなくて、卵嚢を作る場所を必死で探しているのではないか?と思い始めたからです。
乾いた水槽の底をアカオニグモ♀はひたすら徘徊・探索していました。

一晩放置して朝になると、水槽の底の物陰にアカオニグモ♀は小さな不規則網?を張ってその中で休んでいました。
水槽の底に敷いたダンボールの上、木製トイレットペーパーホルダーと物干し枠に囲まれた隙間です。
ただの住居網でしょうか?
しばらく様子を見ていると、どうやらここに卵嚢を作り始めたようです。
(動画はここから。)

卵嚢作りの一部始終を微速度撮影で記録してみました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。
大きさの比較として、画面右側で奥から手前に伸びている白い丸パイプの直径は12mm。

この居心地良さそうな隙間でクモはぐるぐる回りながら周囲の足場に糸を張り巡らせています。
様々な材質の人工物(プラスチック、木、ダンボール紙)に対してもクモの糸はしっかり接着しています。


次に、アカオニグモ♀は自分の体の上を覆うように、ドーム状の天幕を作り始めました。
上から見ると円形の天幕がほぼ水平に張られます。
これがやがて卵嚢の天井部分になるのです。
天幕にぶら下がる姿勢でほとんどの作業を行いますが、ときどき地面に下りたりもします。
休み休みしながら、この天幕を断続的に作っています。
網のような天幕の裏面にぶら下がり、自らグルグルと回りながら腹端を上下に動かし、糸疣を天幕に付けて管状腺から出る糸を張っていきます。
クモ自身が回る向きは時計回りだったり反時計回りだったりと、一定していませんでした。
糸を紡いで作る構造物という点では同じですが、当然ながら、獲物を捕らえるための円網を張る動き(作り方)とはまるで違います。

実は作業時間よりも休んでいる時間の方が長かったです。

計24回の休憩タイムは退屈なので、編集でカットしました。
(休息も含めたノーカット版の動画は記事を改めて公開します。)

絹糸腺(管状腺)が枯渇する度に、回復(糸の材料を合成)を待っているのでしょう。
この個体に対して後ろめたいことがある私は、彼女が体力を消耗して息も絶え絶えなのではないかと、気が気ではありません。
卵嚢を作り始めるまでに私の世話(飼育)が上手く行かなかったので採集後の貴重な数日をロスしてしまい、おそらく栄養状態が万全ではなかった(飢えていた)はずです。
それだけでなく、数回の水没事故(溺れそうになって酸欠状態?)を経た個体なので、産卵行動を司る神経系に何らかの後遺症が残っているのではないか?という心配もあります。
円網ではなく卵嚢を作りたいという♀の意図を早く汲んでやるべきでした。(産ませてよ!)
果たして卵嚢を最後まで完成してくれるでしょうか?
私がクモの卵嚢作りを観察するのは、イオウイロハシリグモ、ジョロウグモ以来です。
アカオニグモは元々ゆっくり卵嚢を作る種なのかな?
気温の低い野外では、更に緩慢な動きのはずです。
楽観的に考えれば、最も無防備で危険な産卵を夜中に行うように、時間を調節している(適当にさぼっている)のかもしれません。

前日に比べて、アカオニグモ♀の腹背の赤みがどんどん増した気がします。(照明の具合?)
クモを採寸し忘れたのが残念。
底に敷いたダンボールは初め水滴が染みて濡れていたのですが、次第に乾いてきました。

撮影中にときどき測った室温および湿度の記録です。(1日目のみ)
午後14:28 25.4℃、44%
午後16:05 25.6℃、42%
午後18:10 24.6℃、41%

晩秋の外気温に比べたら、かなり高温です。


つづく→卵嚢作り:その2(産卵)


【参考】
遠藤知二『まちぼうけの生態学:アカオニグモと草むらの虫たち』によれば、

アカオニグモ(コガネグモ科オニグモ属)
形態: ♀は成熟するにしたがい、おなかの色が黄白色から赤色へかわる。♂のおなかの色は黄白色のまま。
生活史: 産卵期は9〜10月。秋に産まれた卵は雪の下で越冬し、翌春に孵化。 (月刊たくさんのふしぎ2011年8月号p5より引用)


少し古い本ですが名著の誉れ高い、千国安之輔『クモの親と子(観察の本4)』を紐解くと、アカオニグモの生活史を丹念に観察記録した章があります。
しかし卵嚢作りの過程を千国先生は見ておられないようで、次のような記述と越冬後の卵嚢(および幼体の団居)の写真しか掲載されていませんでした。

 秋の終わりごろになると、アカオニグモの母グモは、地面のくぼみを利用して袋を作り、卵をうみます。
卵は雪の下で冬を越し、翌年5月なかばに孵化します。



いつもお世話になっている『クモ生理生態事典 2016』サイトでアカオニグモの産卵について調べた成果を抜き書きします。

・産卵期は10~11月で,地中のくぼみに卵のうを作る
・卵のうは半球形で直径2.5cmぐらい.卵を包む糸は黄色. 寒い地方では秋に産まれた卵は深い雪の下で越冬し,翌春ふ化.
・樺太では,産卵期は9月中旬~10月上 旬.卵のうは円形,半球状で直径2.5cm,高さ1.5cm.卵数は1546個.
・雌は産卵後1~2週間にて死亡
・地面のくぼみに産卵.出のうは5月中旬・葉や茎でまどい,その後分散



アカオニグモ♀(蜘蛛)@卵嚢作り開始
アカオニグモ♀(蜘蛛)@卵嚢作り開始
アカオニグモ♀(蜘蛛)@卵嚢作り2日目
アカオニグモ♀(蜘蛛)@卵嚢作り2日目

2018/05/20

ノシメトンボ♀♂の交尾と連結打空産卵



2016年9月下旬

稲穂が実る田んぼでノシメトンボ♀♂(Sympetrum infuscatum)が尾繋がり状態で飛びながら卵をばらまいていました(連結打空産卵)。
タンデムで停空飛翔(ホバリング)し、卵をほぼ同じ地点に何度も繰り返し産み落としています。
飛翔中は空気抵抗を減らすために、脚を体に引き寄せていることが分かります。
稲穂に別の♀♂カップルが止まって交尾しています。

稲田のあちこちでノシメトンボ♀♂が何組も同様に産卵していました。

図鑑『日本のトンボ』によると
(ノシメトンボは)連結産卵から♀単独での産卵に移行することも多く、♂が近くを飛んで警護する
らしいのですが、単独産卵は未だ見たことがありません。

▼関連記事(丁度2年前に撮った映像は短いので、撮り直しました。)
ノシメトンボの連結打空産卵

ノシメトンボ♀♂@飛翔+連結打空産卵
ノシメトンボ♀♂@飛翔+連結打空産卵+交尾

2018/04/08

トノサマバッタ♀緑色型の産卵未遂



2017年9月中旬・午後16:49〜16:55

田園地帯の砂利が敷かれた農道で緑色型のトノサマバッタ♀(Locusta migratoria)が産卵を始めていました。
私がすぐ横を通り過ぎても跳んで逃げずに、身じろぎするだけでした。
(映像はここから。)


腹端を器用に開閉して地表面を探りながら、少しずつ掘り進めています。
西日を浴びて影が長く伸び、なかなかフォトジェニックです。
トノサマバッタ♀は太陽に対して横を向いていました。
この個体は、左の後脚が欠損しています。(-L3)

長期戦になるかと思い、少し離れた位置に三脚を立てて微速度撮影で記録してみることにしました。
10倍速の早回し映像をご覧下さい。(@1:47〜1:57)
しかし残念ながら、このトノサマバッタ♀はじきに穴掘りを中断してしまい、農道を歩き始めました。
おそらく土質が硬すぎるなど産卵に適さないと判断して諦めたのでしょう。
小さなクロアリ(種名不詳)が産卵中のバッタにつきまとったので、煩く思ったのかもしれません。

トノサマバッタ♀は砂利道を横断し、草むらへ逃げ込みました。
次回は産卵シーンを最後まで見届けたいものです。
♀を採集して飼育下で産ませるのが成功への早道かもしれません。


『カラー自然シリーズ44:バッタのくらし』によると、

(トノサマバッタは)一生のあいだに、多いものは20個近くの卵塊を産み残します(p25より引用)





2018/04/04

ミヤマアカネ♀♂連結打水産卵からの♀単独打水産卵



2017年9月上旬・午後12:13〜12:16

正午過ぎに街中の側溝でミヤマアカネ♀♂(Sympetrum pedemontanum elatum)が連結飛翔しながら連続で打水産卵していました。
用水路を流れる水深はかなり浅かったです。
産卵地点は流れの中央ではなく、コンクリートの護岸付近のようです。(死角でうまく撮れず)
本種は卵で越冬するそうです。

しかし、こんな水草も生えていない殺風景なコンクリート三面張りの水路に産卵しても、無事に孵化してヤゴが育つとは思えません。
冬は融雪溝として使われるため水量が激増し、大量の雪が連日投下されるからです。

やがて、この♀♂ペアは尾繋がりを解消してしまいました。
私が近づいたから焦って連結が外れてしまったのかと申し訳なく思ったのですけど、後に本種の産卵習性を知るとどうやら自然に別れたようです。
驚いたことにミヤマアカネ♀は単独でも産卵を続け、♂はその近くでホバリング(停空飛翔)しながら警護していました。
本種は分かりやすい性的二形(雌雄異型)なので、観察しやすくて助かります。
成熟した♂は目にも鮮やかな「赤とんぼ」ですが、♀は地味な黄色っぽい体色です。

その後、♀だけが近くの路上で暫し休息(日光浴?)しました。
私が♀の写真を連写している間に♂の姿を見失ってしまいました。
次の♀を探しに行ったのかもしれません。


図鑑『日本のトンボ (ネイチャーガイド)』でミヤマアカネについて調べると、まさに観察した通りの産卵行動が書いてありました。

交尾後のペアは連結態のまま浅い流れを訪れ、水面や泥面を腹端で打って産卵する。♂の警護飛翔を伴い、♀が単独で産卵することもある。飛翔中は翅の模様がちらつくように目立つ。(p405より引用)

wikipediaでも同様の記述でした。

産卵は打水産卵または打泥産卵で、緩やかで浅い流れの上を通常は雌雄が連結して行う。流速が早い場所、水深の深い場所は産卵には適していないようである。産卵の途中で「キ」の字に連なったまま植物などにつかまり休息することも多い。その後連結を解いて雌の単独で産卵に移行することもあり、その場合は短時間ではあるが雄が上空で警護飛翔をする。


ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵
ミヤマアカネ♂@用水路+警護飛翔
ミヤマアカネ♀@路上+休息:産卵直後

2018/01/25

アオイトトンボ♀♂がサジオモダカ?の茎に連結産卵



2016年9月下旬

平地の浅い沼(湿地)でアオイトトンボ♀♂(Lestes sponsa)が連結状態(尾繋がり)で飛び回っていました。



初めはヨシの枯れた茎に連結状態で止まっていました。
休んでいる♀を急かすように♂が羽ばたいて、離陸を促しています。
ペアが連結飛翔で移動すると、サジオモダカと思しき抽水植物の茎に掴まりました。
アオイトトンボ♀は腹端を植物体に押し当てると、尖った産卵管を刺し込み、産卵を始めました。
茎に産卵管を軽く押し当てた状態で錐揉みするように左右にねじるような動きをして穿孔しています。
その間、アオイトトンボは♀♂ともに翅は半開きでした。
産卵を済ませると♀が主導して飛び立ちました。
(飛び立ちのシーンをスロー再生で見直すと、やはり♂が先に羽ばたきを始め♀をリードしていました。)

浅い水から生えている注水植物の茎から茎へ点々と移動しながら産卵を続けます。

しっかり同定するために胸部の斑紋を真横から撮りたいところです。
しかし意外に至近距離だったので、私が下手に動くと飛んで逃げられてしまいそうな気がしました。
仕方なく、我慢して産卵行動の動画撮影を優先しました。
遅ればせながらネイチャーガイド『日本のトンボ』という図鑑を手に入れたおかげで、苦手なトンボの名前調べも捗るようになりました。

やはり、収録種数の少ないミニ図鑑を何冊持っていても、埒が明かないですね。



産卵していた植物の名前も調べるのに苦労しました。
ただでさえ挺水植物の知識も図鑑も無い上に、花も咲いていないのでは、難問過ぎます。
ネットであちこち調べ回り、なんとなくサジオモダカかな?と思うものの、あまり自信がありません。
花期に現場を再訪して、しっかり突き止めるつもりです。

アオイトトンボ♀が後半に産卵した細い茎の植物は、ミクリじゃないし、何ですかね?(@3:09〜)
卵を産み付ける植物の種類は特に選り好みしないようです。

普段ヒトがあまり踏み込まない湿地帯に長靴を履いて出かけると、何かしらの新しい発見がありますね。

水深は浅く、長靴のくるぶしぐらいでした。
水面に油が浮いていて、お世辞にも水質はあまり綺麗とは言えませんでした。


アオイトトンボ♀♂@サジオモダカ?茎+連結産卵
この挺水植物の名前は?

サジオモダカ?・全景(水面に油が浮いている)
サジオモダカ?葉
サジオモダカ?(この粒々が蕾なのか実なのか、よく分かりません)

2018/01/09

クロイトトンボの産卵連結飛翔で主導権を握るのは♀【ハイスピード動画】



2017年8月上旬
▼前回の記事
連結態でスイレンの葉裏に産卵するクロイトトンボ

睡蓮池で尾繋がり状態(連結態)のクロイトトンボ♀♂(Cercion calamorum calamorum)ペアは頻繁に産卵ポイントを変えていました。
卵塊として産みつけるのではなく、おそらく1粒ずつあるいは少数の卵を浮葉植物の組織内に埋め込むのでしょう。
飛び立つ際に♀♂どちらが主導権を握っているのでしょうか?
240-fpsのハイスピード動画で連結飛翔を撮ってみました。(@0:15〜)

スローモーションで確認すると、決して♂が♀の首根っこを掴んで無理やり引き回している訳ではないと判明しました。
♀が産卵を終えたり場所が気に入らなかったりしたことで先に離陸を開始すると、僅かに遅れて♂も追従して飛び立っています。
必ず♀が先に飛び立ち、♂も瞬時に反応して追随するのです。
お手数ですがYouTubeの再生速度を0.25倍速のスローモーションに切り替えてご覧頂くと、よく分かるはずです(リアルタイムに対して1/32倍速の映像となります)。
クロイトトンボの♀♂カップルは亭主関白というよりもかかあ天下でした。
産卵のための飛翔ですから♀が主導権を握るのは別に不思議なことではありませんが、スーパースローの映像で突き止められたのは嬉しいことです。

ただし、一度だけ例外がありました。(@3:29〜4:17)
珍しく♂が先に飛び立とうとしたものの、♀はピクッとしただけで産卵を続けます。
結局はタンデムで飛び立ちました。(改めて♀が先行離陸)

最後の例はまた興味深いです(@4:20〜)。

♀が腹端で睡蓮の葉を探りながら軽く羽ばたいても、♂は無反応で飛び立ちませんでした。
♀の羽ばたきが激しくなり♀の脚が睡蓮の葉から完全に離れると(離陸)初めて♂が羽ばたき始めました。

イトトンボの連結飛翔をハイスピード動画で撮るのは意外にも今回が初めてでした。
タンデム(連結態)でパラパラと羽ばたくペアの影が美しいですね。
離陸後はどこへ向かって飛び(方向転換)、どこに着陸するのか、その主導権も♀が握っているのか、それとも♂が力強く♀をリードしているのか、気になるところです。

しかし、映像ではよく分かりませんでした。
♀が先に産卵地点に着陸する場合が多いようです。
連結飛翔中は一心同体に見えますが、どのように意思疎通をしているのですかね?

プロペラではなくトンボの羽ばたきを模倣したドローンを作り、列車のように何台も連結して飛ばしたら面白そうです。


腹部背面は黒いが、♂の腹端は水色。



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