平地の二次林でジンチョウゲ科の低木ナニワズ(別名エゾナニワズ、エゾナツボウズ)に今年も赤い実がつきました。
早くも黄葉が始まっていて、夏になると落葉してしまいます。
雪国なのに、緑の葉を付けた状態で冬を越すという不思議な樹木です。(冬緑性)
ジンチョウゲ科のナニワズは、花、葉、樹皮、果実などにクマリン系配糖体のダフィニン(daphnin)を含む有毒植物です。
確かに、ナニワズの葉に虫食い跡(食痕)を一度も見たことがありません。
山渓ハンディ図鑑4『樹に咲く花:離弁花2』でナニワズのことを調べようとしても、近縁種のオニシバリ(別名ナツボウズ)の写真しか掲載されていませんでした。
ナニワズの果実は液果状の核果(正確には液果ではない)で、その種子は被食型の動物散布で分布を広げると考えられています。
果実は有毒。 種子のようにみえるのはかたい内果皮に包まれた核。なかに種子が1個ある。 (p594-595より引用)
具体的には、ヒヨドリなど果実食性の鳥類がナニワズの果実を丸呑みにした後、遠くに飛んでから未消化の種子を糞と一緒に排泄し、運が良ければ発芽するのでしょう。
ヒヨドリはナニワズの毒に対して耐性があるようです。
トレイルカメラを使って、ナニワズの熟果を食べに来る鳥や動物を私もいつか観察してみたいものです。
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これから種子散布を調べるための資料として、採取してきたナニワズの熟果から果肉を水で洗い流し、種子(核)を得ました。
もしもタヌキやニホンザル、ヒヨドリなどの糞にナニワズの種子が含まれていれば、果実を食べたことが分かります。
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