2023/10/07

遊歩道の溜め糞場を素通りするホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月下旬 

スギ山林の遊歩道にある溜め糞場opに通ってくるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 
設置した監視カメラを警戒してか、慣れるまでなかなか溜め糞場opで排便してくれませんでした。 


シーン0:3/24・午後14:44・(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
斜面を見上げた奥には残雪が見えます。 


シーン1:3/24・午後23:22・(@0:05〜) 
深夜にスギ林床の斜面でタヌキが立ち止まり、怪訝そうにカメラを見ていました。 
警戒を解くと溜め糞場opには立ち寄らず、左に立ち去りました。 
厳しい冬を越したばかりなのに、この個体は結構太って見えます。 
妊娠している♀なのかな? 
栄養は満ち足りてそうです。 
里が近いので、残飯を漁っているのかもしれません。


シーン2:3/25・午後21:04・(@0:16〜) 
翌日の晩に現れたタヌキが地面の匂いを嗅ぎながら、カメラの方に向かって真っ直ぐ斜面を下りて来ました。 
トレイルカメラを固定したスギの幹の匂いを嗅いでいるようです。 
私の残り香を気にしているのかな? 
最後は方向転換して右下に立ち去りました。 


シーン3:3/25・午後22:55・(@0:43〜) 
時間を空けて再びやって来たのは別個体でしょうか? 
個体識別できていないので、同一個体が戻ってきたのかもしれません。 
斜面で振り返り、カメラ目線をくれました。 

よく見ると、この個体はどうも左耳が前に折れているようです。 
感情表現ではなく安定した形質なら、個体識別に使えそうです。 

カメラの存在を警戒したタヌキは溜め糞場opには立ち寄らず、斜面を少し登ってから遊歩道を左に下りて行きました。 
排尿マーキングした♀の匂いを嗅ぎ取っているはずなのに、この個体はそれに対抗して小便をかけませんでした。 
おそらくつがいのパートナー♂なのではないかと想像しています。 


シーン4:3/27・午前2:57・(@0:58〜) 
2日後の深夜に登場したタヌキは林床の匂いを嗅いでから、左に立ち去りました。 


シーン5:3/27・午前22:56・(@1:07〜) 
20時間後の晩遅くにタヌキが再び写りました。 
自動センサーカメラの起動が遅れ、溜め糞場opを横切って右上に立ち去るところでした。 
しかも低温障害で録画が中断されていました。 
立ち止まって排便したのなら、さすがに動画に記録されていたはずです。 


シーン6:3/31・午前4:15・(@1:12〜) 
4日後の未明にもタヌキが登場したのに、カメラの起動が遅れて、左上に歩き去るタヌキの後ろ姿が写っただけでした。 
斜面を登って遊歩道に辿り着くと、緩やかな階段を左に下って行きます。 



パートナーにパンを求愛給餌するハシブトガラス(野鳥)

 

2023年3月下旬・午前11:25頃・晴れ 

早春の河川敷でハシブトガラス♂(Corvus macrorhynchos)が人工的に造られた池の横で何かしています。 
水浴びまたは飲水するのかと思い私がカメラを向けると、死角に隠れようとします。 
カラスの性別を外見で区別できませんが、後々の行動からこの個体を♂と呼ぶことにします。
 カラスの雌雄について触れておこう。ハシブトガラスでもハシボソガラスでも、体の各部を計ると平均値では♂の方が大きい。だから大きいのが♂、と言いたいところだが、小柄な♂と大柄な♀ではサイズが逆転する場合がある。第一、並んでいないと大きさは比較しにくいし、羽毛の状態でも印象は変わる。(中略)  個人的な見解だが、(中略)ハシブトガラスの場合、逆に♂の首が短く見える。実際にはむしろ長いのかもしれないが、それ以上に太く、猪首に見える気がするのだ。(羽毛を逆立てているだけかもしれないが、捕獲して手に持っても太く感じるという)♂はくちばしも隆起が大きく先端が鈍いような気もするが、この辺は個体差が非常に大きいので何とも言いにくい。  いずれにせよ、かなり微妙な区別である。カラス屋でも「必ずわかる」と豪語する人には会ったことがない。控えめな人なら「全然わからない」と答えるくらいだ。 (松原始『カラスの教科書』 p110-111より引用)

動画を撮りながら私も少し右にずれて撮影アングルを確保すると、 カラスは池畔の岩の下から大きなパンの塊を取り出して嘴に咥えました。 
どうやらご馳走を一時的に隠していたようです(貯食行動)。 
パンを口いっぱいに頬張ると、枯れ草に覆われた土手を歩いて登りました。 
両足を揃えてピョンピョンとホッピングしてから左へ飛び立ちました。 
低空で川を飛び越えると、対岸の大きな岩の上に着地しました。 
川岸の残雪はもうほとんど消えています。 
ハシブトガラス♂は周囲を見回し、パンを頬張ったままカーカー♪鳴きました。 
おそらくつがいのパートナー♀を呼び寄せているのでしょう。 
川の流れる音で鳴き声が掻き消されそうなので、ここだけ動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げました。 

 ♂は「からら…ころろ…」とうがいのような小さな声で♀に求愛を始める。この声は求愛給餌に関連していて、どうやら「はい、あーんして」という意味のようだ。これを聞いた♀は反射的に体を伏せ、翼を半開きにして震わせながら「アワワワ」と鳴き、餌乞い姿勢をとる。恐らくハシブトガラスが抱卵中の♀の中に餌を渡す時の音声も同じものだ。
単純に餌の受け渡しに留まらず、2羽で寄り添っている時にも「からら…」と鳴くことがあるので、つがい間の関係性を維持する意味があるのだろう。(『カラスの教科書』p76-77より引用)


カメラを左に(川上に)パンすると、橋脚から横にテラスのように張り出した梁部でパートナーの♀が待っていました。 
♀が背を向けてガーガー♪嗄れ声で鳴いたのは、♂を呼ぶ声なのでしょうか?(※1) 

案の定、♂がパンを持って右から飛来しました。 
♀の左横に着地すると、♂はパンを吐き出してコンクリートの上に置きました。 
それを見た♀が嬉しそうに小走りで駆け寄り、パン一欠片をお裾分けしてもらいました。 
仲良く並んでパンを食べる2羽の体格を比べると、右の個体がやや大きいようです(♀>♂)。 
食べ残したパンを喉袋に詰め、嘴にも咥えて飛び立つと、どこかに持ち去りました。 

早春はカラスの繁殖期なので、この行動は求愛給餌と呼べるでしょうか?
求愛給餌 コートシップ・フィーディングともいう。求愛行動のひとつで、♂が♀にえさを与えること。このとき♀は、ヒナと同じようにつばさを小刻みにふるわせる。(『マルチメディア鳥類図鑑』より引用)
求愛給餌(きゅうあいきゅうじ、英:courtship feeding) 繁殖相手としたい異性に自らの獲物を差し出そうとすることで成立する、一種の求愛行動。一般に、雄が雌に対して行うもので、雌はこれを受け取るか拒むかで求愛の受け入れの是非を体現する。(wikipediaより引用)
私が過去に観察した求愛給餌の事例を復習してみましょう。 


関連記事(3、6年前の撮影)▶  


今回♂がパンを持ってきたとき、♀は幼鳥がするような餌乞い行動(催促)をやりませんでした。 
また、パンを分け与える際も口移しではありませんでした。 
食後に交尾するかと期待したのですが、ハシブトガラス♀♂は橋脚の梁部から相次いで飛び去ってしまいました。 
したがって、素人が勝手に求愛給餌と解釈するのは躊躇われます。 
仲間に餌を分け与えた(シェア)とゆるく解釈すべきかもしれません。

実は全く別の解釈も考えられます。 
ハシブトガラス♀は♂に分けてもらった以上の量のパンを食べた点が気になります。 
カメラを少しズームアウトすると(@1:30〜)、橋の歩道を渡る老婦人♀が右から左に歩いて通り過ぎるところでした。 
実際に目撃した訳ではありませんが、この老婦人(または別の誰か)が橋脚梁部のテラスに居るカラスに対して常習的にパンを給餌した可能性がありそうです。 
♂が飛来する前に♀が梁部で鳴いた(※1)のは、老婦人に対して餌乞いしたのかもしれません。 
老婦人が完全に通り過ぎると、ハシブトガラス♀♂は警戒を解いて残りのパンを食べました。 
思い返せば動画冒頭の行動も、ハシブトガラス♂が貯食しておいたパンを取り出したのではなく、ヒトが橋の欄干から投げ与えたパンが強風で飛ばされ、カラスがそれを拾いに行った可能性もありそうです。 

カラスの行動観察はとても面白いのですけど、性別判定がきわめて困難(素人には無理?)なため、行動の解釈に困るのが難点です。

2023/10/06

早春の笹薮で夜に餌を探し回る冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月上旬および下旬

シーン1:3/3・午後12:25・(@0:00〜) 
残雪に覆われた河畔林を探索していると、笹藪の横にニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)の丸い糞粒が多数転がっていました。 
どうやら常緑のササ(種名不詳)およびツルマサキの葉を食べ漁りながら雪面に排便したようです。 
細い朽木が雪原に倒れた結果、それに巻き付いていた常緑の蔓植物(ツルマサキ)も共倒れになり、雪面にツルマサキの赤い実や緑の葉が散乱しています。 
ノウサギはこれが気に入って食べに来ていたのでしょう。(食痕?) 

ニホンノウサギが夜な夜な同じ場所に通って食事をするのなら、トレイルカメラを設置して撮影してみたいものです。 
まさかノウサギも決まった場所に溜め糞するのでしょうか?
実はこの直後にすぐ近くでタヌキの溜め糞場rpを見つけました。 




そこで予定を変更して、トレイルカメラで溜め糞場rpと横の笹薮を同時に監視することにしました。 
ノウサギの採食行動を撮るにはカメラのアングルをもう少し左に向けたいのですけど、少ない台数のトレイルカメラでなんとかやりくり(妥協)するしかありません。 


シーン2:3/24・午後22:45・気温5℃(@0:58〜) 
ちょうど3週間後の深夜にようやくニホンノウサギの姿が写りました。 
林床の残雪が完全に溶けた早春でも純白の冬毛のままで、逆に目立ちます。 

林床の匂いを嗅ぎながら、ゆっくり慎重に1歩ずつ移動しています。 
カメラに尻を向けたときもあったのですが、脱糞したかどうか不明です。 
タヌキの溜め糞場rpには興味を示さず、立ち寄ることもありませんでした。 





【追記】
大井徹『獣たちの森 (日本の森林/多様性の生物学シリーズ 3)』という本の「第3章:森を食べる獣たち」を読んで驚きました。
ウサギは軟糞を肛門から直接口に受け、摂取する。一方、消化しにくい繊維質は硬糞として排出されるが、この硬糞も主に日中に排出されるもの(一日に排出される硬糞の1/4)は摂食される。ウサギは夜間に活動して、日中は休息するという日周リズムを持っているが、昼の間は硬糞や軟糞を、夜間は新鮮な植物を食べている。 (p103より引用)
この食糞行動を観察してみたいのですが、飼育下でないと難しそうです。

白梅の花で採餌するセイヨウミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年3月下旬・午後13:25頃・晴れ 

民家の庭で満開に咲いたウメ(白梅)にセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。 
早春の風物詩ですが、意外にもこの組み合わせは初見です。 

花から花へ飛び回り、開きかけの蕾にも訪花していました。 
隣接する花にはわざわざ飛ばずに歩いて移動します。 
訪花中にバランスを崩しそうになると、羽ばたいて体勢を立て直します。 
吸蜜の合間に身繕いして、体に付着したウメの花粉を集めます。 
後脚の花粉籠が空荷の個体もいれば、クリーム色(黄白色)の花粉団子を運んでいる個体もいます。 

白梅の花からセイヨウミツバチ♀が飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:41〜) 
飛翔中には口吻を伸ばしていませんでした。 

複数個体を撮影。



関連記事(同所同日の撮影)▶ 白梅の花でニホンミツバチ♀が採餌

2023/10/05

遊歩道のタヌキ溜め糞場で未消化の種子を食べに来た野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2023年3月下旬・午前2:10頃 

スギ植林地の遊歩道にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場opを自動撮影カメラで見張っていると、野ネズミ(ノネズミ)が登場しました。 
他の地点に設置している監視カメラも含めて冬の積雪期には野ネズミの活動は全く写らなかったのですけど、春になって山林の残雪が溶けると再び活動を始めたようです。 


シーン0:3/24・午後14:44 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 


シーン1:3/31・午前2:08(@0:05〜) 
深夜に斜面の林床を野ネズミがチョロチョロと探餌徘徊しています。 
タヌキの溜め糞場opを見つけると長く留まり、未消化の種子を食べているようです。 
ホンドタヌキは種子散布者で、野ネズミは種子捕食者になります。 
森全体の健康を保つためには、両者のバランスが欠かせません。 

残念ながらカメラの電池が消耗していて、録画が早々に打ち切られてしまいました。


シーン2:3/31・午前2:09(@0:42〜) 
録画が再開されると、野ネズミは溜め糞場opを離れていました。
スギ落ち葉の下に顔を突っ込んで餌を探しながら斜面を左下に移動しています。(探餌徘徊)


雪解け田んぼで採食するコハクチョウの大群に遠慮するハシボソガラス【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後16:15頃〜17:15頃・晴れ 

雪国で広大な田園地帯の残雪が溶け始めると、冬鳥のコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が押し寄せて集団採食するようになりました。 
 一方、ハシボソガラスCorvus corone)は留鳥です。 
白鳥が飛来するまで、この雪田はカラスが支配する餌場でした。 
ライバルや猛禽などの天敵が現れると、モビング(擬攻撃)して縄張りから追い払ってしまいます。 




ハシボソガラスは餌場で新参のコハクチョウに対してどう振る舞うでしょうか? 
白鳥に対してもモビングや嫌がらせをするのではないかと内心期待して、注目してみました。 

基本的に2種の鳥は互いの存在を無視して、各々が自由気ままに採食しているように見えます。(餌場を平和に共有?)
2種間であからさまな縄張り争いや占有行動は見られませんでした。 

雪解け田んぼでハシボソガラスがときどきガーガー♪と嗄れ声で鳴いています。 
コハクチョウの近くで鳴きながら尾羽根をすばやく左右に開閉するのは、威嚇や緊張の現れなのかな? 
最近急に現れたよそ者に困惑して、縄張りの餌場から追い出したいのではないかと勝手に想像してしまいます。 

カラスが白鳥の背後から忍び寄ったときは、白鳥の尾羽根を引っ張ったりつついたりして嫌がらせをするかな?と期待したものの、カラスにそんな勇気は無いようです。
至近距離でカラスに背後を取られても、白鳥はカラスを全く恐れていません(相手にしてない)。 
体格で勝るコハクチョウはハシボソガラスのことなど眼中に無いようで、雪解け田んぼでひたすら落ち穂拾いや羽繕いを続けています。 

よく観察すると、ハシボソガラスはモビングするどころか体格の大きなコハクチョウに遠慮しているようです。 
餌場でコハクチョウがハシボソガラスに向き直ったり近寄ったりすると、カラスは慌ててその場を離れて歩き去ります。 
普段は厚かましいカラスが餌場で弱気になっている様子を見るのは珍しいです。 
明らかに多勢に無勢なので、諦めているようです。 
結局カラスは居心地が悪くなって飛び立ち、白鳥の数が少ない区画に移動しました。 

もしかして、少数のコハクチョウが雪解け田んぼに飛来し始めた初期にはハシボソガラスの方が優勢で、白鳥を追い払ったりしていたのでしょうか?
餌場となる雪解け田んぼはあまりにも広大なので、とても縄張り防衛できないのかもしれません。
 

2023/10/04

春雨の降る日中に笹藪の溜め糞場で排便するホンドタヌキのペア【トレイルカメラ】

 



2023年3月下旬 

笹薮の生い茂る河畔林でタヌキの溜め糞場rpを自動撮影カメラで定点監視しています。 


シーン1:3/26・午後14:50・雨天・気温8℃(@0:00〜) 
雨が降る午後に1頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が右から登場しました。 
夜行性のタヌキが明るい日中に溜め糞場に来るのは珍しいです。 
北東を向いて排便すると、ブルブル身震いして濡れた毛皮の水気を切ってから左手前に立ち去りました。 
雨天の昼間に脱糞するタヌキは初見です。 


シーン2:3/26・午後14:54・気温9℃(@0:36〜) 
3分後に2頭目の個体が溜め糞場rpにやって来ました。 
おそらく♀♂つがいのパートナーが相次いでやって来たのでしょう。 
登場経路(右から)も、排便する向き(北東)も先行個体と同じでした。 
左手前に立ち去る間際に立ち止まって身震いする行動まで同じで、まるで再放送のようでした。 

明るい昼間ならタヌキの顔つきから個体識別できるでしょうか? 


シーン3:3/31・午後13:15・晴れ
5日後に現場入りしてトレイルカメラの電池を交換しました。 
林床の残雪は完全に無くなり、周囲に生い茂る笹藪の草丈は最大で約170cmにも伸びていました。 
カメラの視界を遮って撮影の邪魔になりそうな笹だけ最小限に刈りました。 
あまり環境を改変しすぎると、タヌキが警戒して溜め糞場rpに近寄らなくなってしまいそうです。 

大量の溜め糞はほとんど古くて乾いた糞でした。 
ズームインしても、食糞性の昆虫は全く(ハエ1匹さえ)来ていません。 

最後に引きの絵で状況説明したつもりが、せっかちな私の悪い癖でカメラを振り回すスピードが早過ぎました。 
酔いそうな映像だったので、1/2倍速のスローモーションに加工しました。 








早春の刈田に舞い降りたトビとハシボソガラスの謎【野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後16:00頃・晴れ 

残雪が完全に解けた刈田にトビMilvus migrans)が旋回しながら舞い降りました。 
実はこの直前まで田園地帯の電柱からノスリが飛び去る様子を撮影していたので(映像公開予定)、見失ったノスリがまた飛来したのかと思いました。 
しかし、翼の下面を見れば黒地に白斑なのでトビと分かります。 

飛んでいるトビが着地する行動を見るのは珍しいです。 
何か小動物の死骸を刈田に見つけたのでしょうか? 
しかし映像にはそれらしき獲物は何も写っていません。
それとも刈田に溜まった泥水を飲みに来たのかな? 
残念ながら着陸した直後に瞬間にカメラの電池切れで撮影が打ち切られてしまいました。 
大至急、電池を交換して続きを撮ります。 (痛恨のタイムロス1分間)

その間にトビの横に1羽のハシボソガラスCorvus corone)がトビの横に来ていました。 
トビとカラスは共にスカベンジャー(動物遺骸の掃除屋、屍肉食性)ですから、トビが見つけた獲物をハシボソガラスが横取りに来たのかと私は思いました。 
獲物の争奪戦が勃発するでしょうか? 
カラスは猛禽類が大嫌いなので、縄張りから追い払ったり、いつも何かしらの嫌がらせ(モビング)をしてきます。 
しかし2羽とも何も食べていませんでした。 
動画撮影の中断で捕食シーンを撮り損ねたのかな? 

横の車道に車が通りかかったのか、2羽が一斉に飛び立ちました。 
このときトビの足は獲物を掴んでいませんでした。 

トビの着陸および飛び立ち(離着陸)の瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
せっかく面白そうな行動だったのに、撮影は色々と不運続きでした。


2023/10/03

早春の雪山で溜め糞場を素通りするニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月下旬 
雪山で見つけたカモシカの溜め糞場srを自動撮影カメラで監視していると、遂にニホンカモシカCapricornis crispus)が写りました。 

シーン1:3/22・午後12:42・気温19℃(@0:00〜) 
明るい昼間に偶然撮れた現場の様子です。 
スギ大木の根元付近に落葉落枝と混じってカモシカの溜め糞が残雪上に散乱しています。 


シーン2:3/25・午後22:36・気温2℃(@0:05〜) 
画面の手前からやって来たカモシカは、溜め糞場srを素通りするとスギ大木の下で立ち止まりました。 
幹の匂いを嗅いだだけで眼下腺マーキングをしませんでした。 
ちなみに、スギ幹の右隣にまっすぐ伸びた細い木は木質化したフジ蔓です。
その後ニホンカモシカは山腹の残雪を横切って雪崩谷の方へ(右へ)トボトボと歩いて行きます。 

今回の個体は便意を催さなかったのでしょうか? 
溜め糞場srの匂いも嗅ぎませんでした。



オオイヌノフグリの花蜜を吸う越冬明けのキタテハ秋型

 

2023年3月下旬・午前11:45頃・晴れ 

雪が溶けた川原の土手は枯れ草に覆われ、オオイヌノフグリの群落だけが青々としています。
早春にいち早く咲いたオオイヌノフグリの大群落で秋型のキタテハPolygonia c-aureum)が訪花していました。 
翅を広げて日光浴しながら吸蜜しています。 
そのままオオイヌノフグリの花畑を歩き回り、次々に吸蜜します。 

越冬明けなのに、翅に破損が無いきれいな個体でした。 
後翅の黒斑の中に散りばめられている水色の小さな点がオオイヌノフグリの花の色とマッチしていてきれいです。
ときどき翅を閉じると春風に翅が煽られそうになりますが、翅裏に目立つC文字も見えました。 

2023/10/02

遊歩道の溜め糞場で2回排尿マーキングするホンドタヌキ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月下旬・午後22:35 

スギ植林地を通る遊歩道に残された溜め糞場opを自動撮影カメラで監視しています。 
ある晩、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で画面の下から登場。 
斜面を歩いて登る途中で立ち止まり、腰を屈めました。(@0:01〜) 
後ろ向きの映像ですけど、おそらく♀が尿で縄張りをマーキングしたのでしょう。 
♂なら排尿の際に片足を上げたはずです。 
つまり排尿姿勢でタヌキの性別を見分けられるのです。

次に遊歩道まで登ると、そこにある溜め糞opでも横向きで排尿マーキングしました。 (@0:14〜)
縄張りをマーキングするために、タヌキは自由自在に少量ずつ排尿できるようです。
今は繁殖期ですから、次に通りかかる♂は♀の小便の匂いを嗅いで発情の状態をチェックするのかもしれません。 




今回の♀個体は便意を催さなかったらしく、遊歩道を左に下りて行きました。 



散歩に来た飼いイヌから一斉に離れて危険を回避するコハクチョウの採食群【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後16:30頃・晴れ 

夕方の雪解け田んぼで集団採食するコハクチョウCygnus columbianus bewickii)を動画撮影していたら、 群れが一斉に雪田を歩いて右に移動し始めました。 
畦道を乗り越えて隣の雪田に移動する個体もいます。 

初め私は大移動の理由が分からなかったのですが、飼い犬(秋田犬? 柴犬?)を散歩に連れてきた中年男性♂が奥の農道を左から歩いて来ました。 (@1:13〜)
ヒトとイエイヌCanis lupus familiaris)に対する警戒・回避行動だと、ようやく合点がいきました。 
リードに繋がれている犬は白鳥に襲いかかる心配はないと知っているのか、コハクチョウの採食群は一斉に飛んで逃げることはありませんでした。 
その場で伸び上がりながら羽ばたいている個体は、いつでも飛び立てるように準備しているのかな?(それとも虚勢を張る誇示行動?)
コハクチョウがイヌに対して意外に図太いというよりも、採食している手前の雪田エリアと飼い犬が散歩する奥の農道は、映像で見る遠近感よりも実際はだいぶ離れているようです。 

もしリードに繋がれていないイエイヌや野生のホンドギツネが近づいてきたら、コハクチョウの警戒・回避行動はどう変化するのか、興味があります。 


2023/10/01

早春の雪山を夜中に駆け抜ける冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年3月下旬・午前4:30頃・気温5℃ 

雪山で見つけたカモシカの溜め糞場を自動センサーカメラで見張っていると、ノウサギが写りました。


シーン1:3/22・午後12:42・気温19℃ 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
スギ大木の根元付近に落葉落枝と混じってカモシカの溜め糞が残雪上に散乱しています。 


シーン2:3/23・午前4:31・気温5℃(@0:05〜) 
未明にニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が残雪の山腹斜面をトラバースするように左から右へ一目散に駆けて行きます。 
気温が氷点下まで下がっていないので雪面は凍っていないはずですが、ノウサギは体重が軽いせいか雪面に足がもぐりません。 
季節は早春でもノウサギの毛色は未だ真っ白な冬毛でした。 
スギ大木の背後を通って、雪崩谷の方へ向かっています。 




短い疾走シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:16〜) 
左右の足を揃えて軽快にピョンピョン跳んでいます。
繁殖期の求愛行動などがトレイルカメラに記録されると嬉しいのですが、期待できるかな?



早春の河川敷を駆け回り虫を次々に捕食するツグミ(冬の野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:40頃・晴れ 

根雪が完全に溶けて枯れ草に覆われた河川敷でツグミTurdus eunomus)が採食していました。 
緑の若草があちこちに生えかけています。 

冬鳥のツグミはしばらく立ち止まって辺りをキョロキョロ見回してから急に走り出し、あちこちの地面を啄んでいます。 
前傾姿勢になって小走りの移動を断続的に繰り返すことから、明らかに種子食の行動ではありません。 
おそらく越冬明けの昆虫や徘徊性クモ類が動き回るのを見つけて捕食しているのでしょう。 
今回のツグミは落ち葉めくりの探餌行動を一度もやりませんでした。 




ニセアカシアの河畔林の方へどんどん遠ざかります。

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