2024/12/14

真冬の二次林を走って横切る雪国のニホンザル【トレイルカメラ】

 



2024年1月中旬・午後12:18・くもり・気温14℃ 

ニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)がある平地の二次林をトレイルカメラで見張っていると、ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の成獣が単独で左上奥からやって来ました。 
途中から走り出して、雪深い林床を右に横切りました。 
ラッセルするほどの積雪量ではないようです。
群れの仲間はどこにいるのでしょう? 


つづく→

サンシュユの赤い熟果と種子



2024年1月上旬・午後 

民家の庭に植栽されたサンシュユ(別名ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミ)が完全に落葉した後も雪が降った後も、赤く熟した果実が枝先に残っていました。 
長楕円形の熟果を少しだけ採集させてもらい、柔らかい果肉を洗い流して乾かし、細長い種子を得ました。 

熟した果肉は柔らかくて潰れやすい。
図鑑に書いてあった通り、「核は長さ8〜12mm、中央に縦の稜がある」という特徴がありました。(山渓ハンディ図鑑4『樹に咲く花:離弁花2』p655より)
冬の間に野鳥がサンシュユの赤い実を少しずつ食べに来るはずですが、まだ実際に観察できていません。
鳥はあまり好物ではないようです。
サンシュユの果実(液果ではなく核果)を丸呑みにした鳥は遠くに飛び去りますから、未消化の種子が鳥の糞と一緒に排泄されます。

『野鳥と木の実ハンドブック』p32によれば「(サンシュユの赤い実を)口に入れるとほのかに甘く、おいしい」とのことですが、私はまだ味見したことがありません。

これから種子散布の調査をする上で、比較対象として実物の種子の標本が必要になるので、身近な植物の様々な種子を少しずつ集めています。 
これでもし、野生動物や野鳥の胃内容物調査や糞分析をしたときにサンシュユの種子が出てきたら、見分けられるようになるはずです。

スギ樹上に貯食していたドングリを厳冬期に回収するカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年1月中旬 

シーン1:1/9・午後13:12・気温13℃(@0:00〜) 
雪が積もった里山で、スギの木の下にあるニホンカモシカのねぐらを自動センサーカメラで見張っています。 
画面の右端から左に向かって、スギの幼木が斜めに倒れかけています。 
その状態でも枯死してはおらず、常緑の葉が茂ったままです。 
林業の観点からは間伐の対象とすべきなのですが、カモシカにとっては塒の目隠しになっています。 


シーン2:1/15・午後14:17・気温-4℃(@0:03〜) 
雪がしんしんと降る昼間に、スギ斜め倒木に1羽のカケスGarrulus glandarius)が止まっていました。 
冠雪した枝葉に頭を突っ込んで、何かを探しています。 
貯食していたドングリ(堅果)を咥えて上へ飛び去りました。 

最後にカケスはスギ樹上の死角から下の雪面に素早く飛び降りました。 
このときドングリを咥えているかどうか不明です。 
その場でドングリを食べて(飲み込んで)しまったのか、それとも別な場所に隠し直したのでしょうか? 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。(@0:37〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
フィールドにトレイルカメラを設置すると、偶然に面白い映像がたまに撮れるのが、トレイルカメラの醍醐味です。
カケスが貯食物を冬に回収するシーンを初めて観察することが出来ました。

現場は山の斜面に植林したスギ林の上端部で、その上はカラマツ林となっています。 
ドングリが実る樹種(ミズナラやコナラ)は隣接して生えていません。 
したがって、ドングリ堅果がスギ斜め倒木の枝葉の中に自然に落ちて引っかかっていたはずがありません。 
カケスが秋に近くの雑木林から拾ってきたドングリを、そこに隠しておいて、餌の乏しい厳冬期に記憶を頼りに取り出しに来たのでしょう。 
前回の登場シーン(10日前の撮影)を慌てて見返してみたのですが、カケスが斜め倒木の枝葉にドングリを持ち込んで隠した証拠映像は撮れていませんでした。
スギの立木ではなく斜め倒木を隠し場所に選んだのは、覚えやすいようにするためではないかと思います。

スギ斜め倒木の枝葉にカケスの貯食物が大量に隠されているのかと期待して、後日、現場入りしたときに探ってみたのですけど、何も見つかりませんでした。
あちこちにドングリを1個ずつ分散して隠してあるのでしょう。(リスクヘッジ)


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2024/12/13

厳冬期のホンドタヌキが雪山の斜面を掘って採食?【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月中旬

シーン0:1/9・午後12:38・晴れ(@0:00〜) 
雪の積もった里山でスギ植林地に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1をトレイルカメラで見張っています。 
画面の手前から奥に向かって斜面を見上げるアングルになっています。 
林床の雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 
カメラの設置画角を失敗してしまい、肝心のカモシカ溜め糞は画面の左下隅になってしまいました。 

♀♂ペアと思われるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:1/12・午前2:46(@0:06〜) 
深夜に、2頭のタヌキが縦列で雪山の斜面を左下から右上へ横切ります。 
雪面が硬く凍結していて、タヌキが歩いても足が潜りません。 
先行する個体が立ち止まって、何かを始めました。 
どうやら凍結した雪面を掘り始めたようですが、後ろ姿で前脚の動きが見えません。
最後は右の谷へと立ち去りました。 
その間に後続個体は、穴掘りに夢中のパートナーを放って左へ行ってしまいました。 

タヌキによる雪山での穴掘り採食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:05〜) 
雪の下から苦労して掘り出した餌を結局食べたのかどうか、はっきり分かりませんでした。
例えば雪面を歩くセッケイカワゲラを見つけて捕食を試みたものの雪の中に逃げられたのではないか?と勝手に想像してみたのですが、タヌキは夜の暗闇で果たして小さな虫を見えるのでしょうか?(見えなくても鋭い嗅覚と聴覚でカバーできるのか?)


シーン2:1/15・午前5:30(@1:51〜) 
雪が降る未明に1頭のタヌキが、スギの根元で雪面の匂いを嗅いでいました。 
雪で埋もれたカモシカの溜め糞場sr1をうろついてから、手前へ立ち去りました。 
左下から後続のパートナーが登場し、右上奥へ向かいました。 

餌の乏しい厳冬期で飢えたタヌキはカモシカの糞塊を雪の中から掘り出して食べてもおかしくないかな?と予想しているのですが、食糞はまだ実際に観察したことがありません。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


ヒャクニチソウの花蜜を吸い飛び回るイチモンジセセリ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月上旬・午後12:10頃・晴れ 

郊外で民家の裏庭の花壇に咲いた色とりどりのヒャクニチソウ(百日草)の群落でイチモンジセセリ♀♂(Parnara guttata)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
イチモンジセセリはいつものように翅をしっかり閉じたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 

ヒャクニチソウの花から次の花へ飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:09〜) 
この花壇には、ピンク系統だけでも様々な色の花弁のヒャクニチソウが咲いていました。

2024/12/12

暖冬で早く雪が溶けたニホンアナグマの越冬用営巣地で換気口を発見?野ネズミの巣穴?

 



2024年1月上旬・午後14:25頃・くもり 

久しぶりに平地の二次林にあるニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)に現地入りしました。 
異常な暖冬のために、林床に積もった根雪がほとんど溶けて地面が露出していました。 

アナグマの巣口Lから少し南に位置する地面に小さな穴が開口していました。 
その穴は斜め下に掘られています。 
積雪期に見つけたときは、アナグマの換気口(空気穴)かと思ったのですが、野ネズミ(ノネズミ)が出入りする巣穴のような気もしてきました。 
雪が積もったときに、この穴の上だけ雪がきれいに丸く溶けているのが不思議でなりません。 
野ネズミの体温や呼気が雪を溶かすほど暖かいことになってしまいます。 
小さな巣口の周囲の雪面に野ネズミの足跡が付いているのも見たことがありません。 
謎の小さな穴から野ネズミが出入りしているかどうか、トレイルカメラをもう1台追加して監視したかったのですが、限られた数の撮影機材で複数のプロジェクトを同時並行で進めているため、諦めざるを得ませんでした。 

折衷案として、たまたま野ネズミが勝手に掘った巣穴がアナグマの居住区画に合流してしまい、意図せずして換気口になってしまったのではないか、と考えています。 
つまり、野ネズミとアナグマが同居しているという説です。 
隙間風が吹き込んで寒いかもしれませんが、大雪が積もってメインの巣口が埋もれてしまったときには、予備の空気穴がないと巣内で冬眠するアナグマたちは窒息してしまいます。 
アナグマが同じ巣穴に居候する野ネズミに対して寛容なのは、そんなメリットがあるのかもしれません。 


つづく→

落葉したウルシの樹上で熟した果実を食べるエナガ(冬の野鳥)

 

2023年12月下旬・午後13:20頃・晴れ 

雪が積もった平地の二次林でエナガAegithalos caudatus)の群れと遭遇しました。 
完全に落葉したウルシの樹上で熟した果実(核果)を次々に食べています。 

高木の下から見上げる撮影アングルなので、エナガのお尻しか見えませんが、逆にエナガは私に気づいておらず、無警戒で採食を続けています。 
ジュリリ、ジュリリ…♪というエナガの鳴き声が聞こえますが、食事しながら鳴いてるのか、群れの別個体が鳴いているのか不明です。 

ウルシの木に巻き付いて育ったツルウメモドキの赤い実も手前にあるのに、エナガは全く食べようとしません。 
ウルシの実の方が美味しい(好み)のでしょう。 
エナガを始めとする鳥がウルシの実を丸ごと食べて遠くに糞をすることで、ウルシの種子散布に貢献していることになります。 
鳥がウルシの実を食べてもかぶれないのは何故なのか、何か対策(適応進化)しているのか、不思議です。


さて、このウルシ属の樹種を正確に見分けられるでしょうか? 
山形県にハゼノキやヤマハゼは自生していないはずなので、除外します。 
夏に葉や花を見ればたちどころに判明するのですが、落葉した冬だと一気に難しくなります。 
樹高は目測で約10m近くありました。 
実の表面が無毛で白い粉を吹いていないことから、ヤマウルシ ではなくウルシだろうと暫定的に判断しました。 
ウルシだとすれば、昔に誰かが漆の樹液を採取するために植栽したのかもしれません。
次にヌルデの可能性を排除するのが、また難題です。 
果柄が比較的長いので、やはりウルシでしょうか?
冬芽や葉痕で樹種を見分ける方法は全くの勉強不足で、写真に撮っていません。
ウルシ候補の木に登って、樹上にわずかに残った枯れ葉を調べに行こうか迷ったのですが、落葉後の冬でも不用意に木登りしたらかぶれる可能性が高いらしく、諦めました。 
葉が出る季節まで待って定点観察し、もしヌルデだったら訂正することにします。 

参考:「葉と果実によるウルシの仲間の見分け方」@山渓ハンディ図鑑『樹に咲く花:離弁花2』P288




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2024/12/11

真冬に根曲がり巣穴を内見する雪国のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月上旬〜下旬

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜)
平地のスギ防風林でニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴a(根曲がり巣穴)をトレイルカメラで見張っています。


シーン1:1/9・午前0:24(@0:04〜)
新年の深夜に雪の積もった奥の林床を獣が右へ走り去りました。 
一瞬の登場シーンを1/4倍速のスローモーションでリプレイしてみると、その正体は冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)でした。 

新雪の上に残巣穴aからイタチ(?)が左手前に向かってラッセルした新しい足跡が残っているのに、その出巣シーンを撮り損ねてしまったようです。 
トレイルカメラも万能ではなく、色々と技術的な限界があるのが悩ましいところです。 
新機種に切り替えても、きっと新たな限界が出てきて不満に思うはずです。 


シーン2:1/22・午後12:56・雨(@0:16〜)
異常な暖冬で、1月下旬になっても雪がほとんど積もっていません。


シーン3:1/23・午後22:21・降雪(@0:20〜)
地面には積雪がまったくありませんが、降る雪が風に舞って吹雪のようです。
奥の獣道から登場したテンが立ち止まり、カエルの死骸が置いてあった地面の匂い(詳細は映像公開予定)を嗅いでいます。
方向転換してから根曲がり巣穴を物色したものの、中には侵入しませんでした。
強風で倒伏したスギの根っこに左から回り込みながらよじ登り、天辺で周囲を警戒しています。
地面に飛び降りてからも巣口周辺を右往左往、上下に移動しながら偵察しています。
イタチの空巣をテンが乗っ取って利用するつもりなのでしょうか?


シーン4:1/23・午後22:54・降雪(@1:20〜)
約30分後にホンドテンが再び登場しました。
同一個体が戻ってきたのかな?
死んだカエルの残り香(死臭)が気になるのか、地面の匂いを嗅いでいます。
さっきと同じく方向転換して根曲がり巣穴の入口を点検したものの、中には入りませんでした。
去り際に左後脚を持ち上げながら巣口に排尿マーキングしました。
ということは、♂の可能性が高そうです。(テンは♀でもその体勢でマーキングすることがあるらしい。)
水平倒木の下をくぐって手前へ立ち去りました。
排尿マーキングの様子を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:37〜)


シーン5:1/28・午前6:31・降雪(@1:53〜)
ようやくまとまった量の新雪が積もりました。
気温が低いようで、さらさらの乾雪です。
冬毛の保護色で分かりにくいのですが、ホンドテンが根曲がり巣穴の巣口に頭を突っ込んでいました。
右から来たのだと思うのですけど、雪面の足跡が読み取れません。
今回も巣内には潜り込まず、左へ立ち去りました。


シーン6:1/28・午前6:42・降雪(@2:13〜)
約10分後に監視カメラが再び起動したときには、何も動物は写っていませんでした。
新雪の雪面を奥から手前に向かって駆け下りた足跡が新しく付いていました。
もしかすると、テンが左奥から戻ってきたのかもしれません。


シーン7:1/30・午前8:30・降雪(@2:18〜)
2日後の朝、雪面は溶けかけて湿雪でした。
珍しく明るい時間帯に自然なフルカラーで録画されていました。
ついに根曲がり巣穴に入るテンの後ろ姿(尻尾)が捉えられていました。

約10秒後に内見を済ませたテンが巣口から顔を出しました。
根曲がり巣穴の内部はテンが方向転換できるぐらい広い空間があるようです。
出巣したホンドテンは身震いして左へ立ち去りました。

自然光下で見た冬毛のホンドテンは頭部が真っ白で、残りの体は薄い黄土色でした。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
「穴があったら入りたい」テンは果たしてこの後、イタチの巣穴を乗っ取って本格的に住み着いてくれるでしょうか?
また別の解釈として、ここには野ネズミが同居しているようなので、ホンドテンは獲物を狩ろうとして何度もやってきているのかもしれません。




日本の食肉類: 生態系の頂点に立つ哺乳類』の第7章に収録された総説、大河原陽子『ニホンテン』によると、
近年になって、環境条件次第では必ずしも森林のみに固執するわけではないことが明らかになってきた。テン属の環境利用に影響する要因として、餌に対する選好性や餌の資源量、気候条件、地域的な捕食者相の違い、隙間の多い環境(たとえば、樹洞のある大型の樹木や倒木)の有無などがあげられる。隙間の多い環境では、テン属の休息場が多数提供されるだけではなく、(中略)テンが餌を探す際に、倒木の下や岩の隙間などを探索する  (p168より引用)




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ブタナの花を舐め身繕いするナミハナアブ♀

 

2023年11月上旬・午後12:55頃・晴れ 

河川敷に咲いたブタナの群落でナミハナアブ♀(Eristalis tenax)が訪花していました。 
ブタナの花蜜や花粉を舐めているようです。 
合間に手足で拭って身繕いしています。 
後半になるとようやく横向きになってくれて、口吻の伸縮がしっかり見えました。 
最後は左に飛び去るまで見届けました。


これで♀♂揃いました♪
関連記事(1年前の撮影)▶ ブタナに訪花するナミハナアブ♂

2024/12/10

アナグマが越冬する営巣地に単独で通う雪国のホンドタヌキ:1月上旬〜中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月上旬〜中旬

シーン0:1/7・午前後・くもり・気温10℃(@0:00〜) 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)をトレイルカメラで見張っています。 
近所のホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通ってくる様子をまとめました。 
年末に根雪が積もったのに、暖冬でほとんど溶けてしまいました。 


シーン1:1/8・午前2:18・雪・気温-2℃(@0:04〜) 
翌日の深夜に雪が降っていました。 


シーン2:1/9・午後21:29・気温0℃(@0:11〜) 
次の日の晩、雪が降り止んだセットを単独で現れたタヌキが早足に右から左へ横切りました。 


シーン3:1/10・午後21:16・気温-2℃(@0:20〜) 
昼間に積雪がだいぶ溶けたようです。 
晩にタヌキが右下手前からノソノソ歩いて登場しました。 
アナグマの巣口Rの横を忍び足で通り過ぎました。 


シーン4:1/15・午前3:28・気温0℃(@1:13〜) 
セットの雪解けが進行しています。 
雪が降る未明にタヌキが右から左へ横切りました。 
途中で立ち止まって身震いしました。 


シーン5:1/20・午前5:53・気温-4℃(@1:29〜) 
低温でトレイルカメラの起動が遅れがちのせいか、今回もタヌキが忽然と登場しました。 
(雪面に残る足跡を見ると、まさか出巣R直後なのでしょうか?) 
立ち止まってカメラ目線になってから、左へ立ち去りました。 


シーン6:1/20・午前6:39・気温-4℃(@1:44〜)日の出時刻は午前6:49。 
同じ日の日の出直前の明るい時刻にタヌキがまたやって来ました。 
(まさか出巣L直後なのか?) 
画面の左端に横向きの尻尾だけ写っています。 
そのまま左に立ち去った…と思いきや、しばらくすると左から戻って来ました。 
凍結した雪面の匂いを嗅ぎながらアナグマの巣口Lの手前で迂回すると、巣口Rの手前で立ち止まりました。 
奥の二次林内に入ったところで録画終了。 


シーン6:1/20・午前6:48・気温-4℃(@2:21〜) 
約8分30秒後に、タヌキが再び画面の左端にちらっと写りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

登場したタヌキが同一個体とは限りません。
複数個体が代わる代わる徘徊している可能性もあります。

根曲がり巣穴の周囲で採食する雪国のシジュウカラとヤマガラの混群【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年1月上旬〜中旬 

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで監視しています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。
年末に積もった雪はほとんど溶けてしまいました。 
巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。 
カラ混群が採食に来る様子を以下にまとめました。 


シーン1:1/10・午前11:14(@0:04〜) 
左の地上でシジュウカラParus minor minor)が採食しています。 
やがて右からヤマガラSittiparus varius)が飛来し、倒木の細根に止まって、あちこちつつき始めました。 


シーン2:1/10・午前11:21(@1:04〜) 
約6分後にも4羽のシジュウカラが飛来して、根曲がり巣穴の周囲で採食していました。 
巣口で採食する恐れ知らずの個体もいたのですが、イタチが巣内から跳び出してきて鳥を狩ることはありませんでした。 

最後に左から高速飛来して右へ横切った鳥が気になりました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:58〜)、その正体はメジロZosterops japonicus)でした。 


シーン3:1/15・午後17:35(@2:37〜)日の入り時刻は午後16:46 
 5日後の晩には雪が降りました。 


シーン4:1/19・午前8:38(@2:40〜)
積もった雪がだいぶ溶けて、雪面は明らかに湿雪です。 
巣口の左手前の細い灌木の枝にシジュウカラが止まって奥を向いていました。 
雪面を徘徊したり灌木に登ったりして、あちこち啄んでいます。 
もう1羽が合流して、♀♂ペアなのかもしれません。  

スギ風倒木の土付きの根を啄んでいた個体が、何か餌を持って手前の細い灌木の横枝に止まりました。 
正面を向いてくれたので、胸の黒ネクタイが細いことから♀と判明。 
何か小さな実?を足で押さえながら、嘴でつついています。 
それとも、嘴を足元の横枝で拭っただけかな? 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ(@3:42〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


不思議なことに、巣口の手前にあるツルウメモドキの赤い実を野鳥は全く食べようとしません。 


つづく→

2024/12/09

雪山の塒に眼下腺マーキングしてから通り過ぎるニホンカモシカの親子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月上旬・午前6:00・気温1℃・日の出時刻は午前6:52 

雪の積もった里山でスギの木の下でニホンカモシカCapricornis crispus)が寝るねぐらを自動センサーカメラで見張っています。 
暖冬のため、積雪がかなり溶けてしまっています。 
画面の手前から奥に向かって斜面が下っています。 

新年の夜明け前にカモシカの成獣がやって来ました。 
個体識別ができていませんが、6日前にこのねぐらで寝た同一個体が戻ってきたのかな? 
斜めに倒れかけたスギ幼木に顔を擦りつけて、眼下腺マーキングしました。 
雪面や露出した地面の匂いを嗅ぎながら塒に向かうと、垂直のスギ幹にも眼下腺マーキング。
口をもぐもぐしているのは、反芻のための咀嚼でしょうか。 
塒に座って休むかと思いきや、再びスギ幹の匂いを嗅いでから、左の山側へに立ち去りました。 

監視カメラの方をほとんど見なかったので、警戒したとは思えません。 
ねぐらの地面が濡れていて冷たいから避けたのでしょうか? 

5分後に別個体のニホンカモシカが同じ経路で(右下手前から)登場しました。(@1:47〜)
同一個体が塒に戻ってきたのではなく、小型で角も小さい若い個体(幼獣)でした。 
斜めのスギ倒木を見上げたものの、まだ体高が低くて眼下腺マーキングしたくても届きません。 
塒の地面から生えている細い落葉灌木の先に眼下腺を擦り付けてマーキングしました。 
垂直のスギ幹の匂いを嗅いだだけで、そこには眼下腺マーキングしませんでした。 
カモシカ幼獣も塒入りしないでスギの右を通り過ぎ、細い倒木の下をくぐって左奥へ向かいました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。


【考察】
今回は塒で寝る姿を撮影できなかったのは残念です。 
少なくとも、この地点は複数個体のカモシカが縄張りを巡回する獣道になっていることが判明しました。 
塒で寝なくても、眼下腺マーキングする地点(サインポスト)として共有しているようです。 
性別を見分けられませんでしたが、ほぼ同じ経路を同じ方向に歩いていることから、先行する成獣が母親で、後続個体はその子供ではないかと想像しています。 
5分間も間隔が開いているということは、独立(子別れ)しかけているのかもしれません。
ニホンカモシカの母子が同じ塒で一緒に寝ることはあるのか、証拠動画を撮ってみたいものです。 



ヤブツルアズキの花蜜を吸い飛び回るウラナミシジミ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月中旬・午後16:00頃・晴れ 

郊外にある民家の裏庭で、草ぼうぼうの花壇(家庭菜園?)にマメ科植物が黄色い蝶形花(左右非対称)を咲かせていました。
その群落にウラナミシジミ♀♂(Lampides boeticus)が群がっていました。 
花から花へ忙しなく飛び回り、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
訪花中は翅を半開きにするか、閉じていました。 
横の車道を車が走ると、すぐに飛んで逃げてしまいます。 

このマメ科植物の名前を私は知りませんでした。 
まず、この群落が雑草なのか栽培品種なのか、分かりづらい状況なのです。 
インゲンのような細長い豆果が実っていますが、インゲンほど立派ではありません。 
茎が自立しておらず、蔓性であることに気づきました。 
蔓の若い先端付近は緑ではなく、赤みを帯びています。 
「9月に黄色い花を咲かせ、細長い実をつけ、蔓性であるマメ科植物」という条件でAIのGeminiに相談すると、ヤブツルアズキだろうと候補を教えてもらえました。 
ノアズキの可能性は、豆果の形状が違うので除外できます。 
アズキの原種であるヤブツルアズキの豆は食用できるらしいのですが、家庭菜園にわざわざ雑草のヤブツルアズキを植えて栽培しているのでしょうか? 
昔はアズキを栽培していた畑を放置していたら、先祖返り(野生化)して蔓性に戻ったのかな?
アズキとヤブツルアズキは同種の変種扱いなので、交雑できるらしい。
アズキはふつう蔓なしだが、半蔓性のものもあり、原種は蔓性だったと推測される。(中略)ヤブツルアズキは、アズキの原種とも、アズキの栽培種が逃げ出して野生化したともいわれる。 (POINT図鑑『フェンスの植物: はい回る蔓たち』p158より引用)

ヤブツルアズキ:3出複葉+蔓
ヤブツルアズキ:3出複葉+蔓
ちなみに、ウラナミシジミは隣に咲いていたキク科のガーベラ?には全く訪花しませんでした。 
ウラナミシジミ幼虫の食草はマメ科植物ですから、成虫はやはりマメ科のヤブツルアズキに好んで訪花するのでしょう。 
産卵に来る♀を♂が待ち伏せしているのかもしれません。(動画公開予定) 

ウラナミシジミがヤブツルアズキの蝶形花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:05〜1:30) 
翅の破損状態に注目すると、複数個体を撮影していたようです。 
例えばサムネイルの個体は♂ですが、性別を見分けられない個体も登場します。 
ウラナミシジミの性別を見分けるには、翅表の斑紋をじっくり検討する必要があります。 
晴れて気温が高いせいか、あるいは求愛行動に必死なせいか、ウラナミシジミの羽ばたくスピードが速すぎて、スーパースローでも翅表がしっかり見えないのです。 
日差しが強すぎると、翅の角度によっては翅裏の斑紋が翅表に透けてしまうこともあって混乱します。 


【アフィリエイト】 

2024/12/08

真冬に根曲がり巣穴を訪れる雪国のニホンアナグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年1月上旬〜1月中旬〜2月上旬 

シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで見張っています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かりました。 


 実はすぐ近く(右斜め背後)にもう一つ同様の巣穴bがあり、そこにもイタチが出入りしていたのですが、撮影機材が足りないために、2つの巣穴a,bを同時に見張ることができません。 
 巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。 

ニホンアナグマMeles anakuma)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:1/9・午後23:49(@0:04〜) 
林床にうっすらと残った雪の上を歩いて手前に立ち去るアナグマの背中だけが写っていました。 
この地点でアナグマは初見です。 
低温のためか監視カメラの起動が遅れてしまいましたが、まさか根曲がり巣穴aから外に出てきた直後なのでしょうか? 
アナグマの顔が写っていません。 


シーン2:1/15・午前0:56(@0:24〜) 
トレイルカメラの電池がすっかり消耗してしまい、わずか1秒間しか暗視動画が記録されなくなりました。 
6日後の深夜、アナグマのお尻がちらっと写っていただけです。 
アナグマが根曲がり巣穴aの中に潜り込んだかどうか、見届けられず残念無念。 
いつの間にか、この巣穴aをアナグマがイタチから乗っ取ったのでしょうか?
もちろん、ただ巣口に顔を突っ込んで匂いを嗅いでいただけという可能性も充分にあり得ます。 


シーン3:1/15・午前0:57(@0:27〜) 
約30秒後に監視カメラが健気に再起動すると、アナグマは根曲がり巣穴aの入口から左奥を見ていました。 


シーン4:1/15・午後17:35(@0:31〜)日の入り時刻は午後16:46 
同じ日の晩には新雪が積もっていました。 
雪面に野生動物が残した足跡はありません。 


シーン5:2/8・午前5:04・降雪(@0:34〜) 
次にアナグマ(らしき動物)が写ったのは、翌月になってからでした。
小雪がちらつく未明に左から来た獣が右へ立ち去るところでした。 
尻尾しか写ってないのですが、タヌキではなくアナグマだと思います。 

このときも監視カメラの起動が遅れてしまい、根曲がり巣穴から出巣したばかりなのか、それとも根曲がり巣穴には全く興味を示さずに横を通り過ぎただけなのか、区別がつきません。 


【考察】 
トレイルカメラを使ってニホンアナグマの観察をするのは、まだ1年目です。 
ホンドタヌキと違って基本的にニホンアナグマは冬眠するという認識でした。 
雪国の厳冬期でもアナグマはときどき外を出歩くのが普通なのか、それとも異常な暖冬で雪が少ないために今季は冬眠が浅いのか、私には未だ分かりません。 
これから何年も長期に渡って気長に観察を続ける必要があります。

この根曲がり巣穴が本当にイタチの越冬用巣穴なのかどうか、疑問になってきました。
昨年末に録画されて以来、この巣穴にイタチは出入りしていないようなのです。(ただし、監視できてない空白期間があります)
イタチはトレイルカメラの存在に気づいて警戒し、巣穴を放棄してしまったのでしょうか?
元々はアナグマが掘った巣穴をイタチが一時的に利用していただけかもしれません。
空き巣になると、別の野生動物が利用しようと代わる代わる物色しに来ます。
気温の下がる厳冬期はトレイルカメラの性能(センサー感度)も落ちるため、根曲がり巣穴に主が出入りする決定的な証拠映像がなかなか撮れずにもどかしいです。


電柱の天辺で頷きながら獲物を探し、狩りに飛び立つチョウゲンボウ♀(野鳥)

 

2023年11月中旬・午前11:50頃・晴れ 

秋の田んぼで稲刈りが終わると、毎年チョウゲンボウFalco tinnunculus)が狩りをしに現れるようになります。 
見晴らしの良いお気に入りの止まり場があるので、そこを定点観察しています。 
コンクリート支柱の天辺に止まって頷きながら周囲の刈田を見渡しています。 
鋭い眼力で遠くの獲物を探しているのです。 
後頭部が茶色なので♀と判明。 

やがて、右に素早く飛び去りました。 
刈田の上空でホバリングおよび狩りをしたのですが、そのシーンは撮り損ねてしまいました。 
手前に生い茂る枯れた雑草が邪魔で、すぐに見失ってしまうのです。 
しばらく待っても、同じ止まり場には戻ってきてくれませんでした。 
私を警戒しているのかもしれません。

飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:42〜) 
チョウゲンボウの性別の見分け方に、頭部の色に注目する以外にも、尾羽根の斑紋に性差があるのだそうです。 
今回はそれを確かめられました。 
参考ブログ:チョウゲンボウ 雄と雌の特徴
下面からだと見分けにくいが、メスの尾羽には数本の黒帯がある。

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