2024年1月上旬〜1月中旬〜2月上旬
シーン0:1/7・午後13:39・くもり(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木の根元に掘られた「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで見張っています。
この巣穴aにはニホンイタチ(Mustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かりました。
関連記事(同所で昨年末の撮影)▶ 雪国の根曲がり巣穴に出入りする冬毛のニホンイタチ【トレイルカメラ:暗視映像】
実はすぐ近く(右斜め背後)にもう一つ同様の巣穴bがあり、そこにもイタチが出入りしていたのですが、撮影機材が足りないために、2つの巣穴a,bを同時に見張ることができません。
巣口aの手前の地面にはツルウメモドキの赤い実が見えます。
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の登場シーンを以下にまとめました。
シーン1:1/9・午後23:49(@0:04〜)
林床にうっすらと残った雪の上を歩いて手前に立ち去るアナグマの背中だけが写っていました。
この地点でアナグマは初見です。
低温のためか監視カメラの起動が遅れてしまいましたが、まさか根曲がり巣穴aから外に出てきた直後なのでしょうか?
アナグマの顔が写っていません。
シーン2:1/15・午前0:56(@0:24〜)
トレイルカメラの電池がすっかり消耗してしまい、わずか1秒間しか暗視動画が記録されなくなりました。
6日後の深夜、アナグマのお尻がちらっと写っていただけです。
アナグマが根曲がり巣穴aの中に潜り込んだかどうか、見届けられず残念無念。
いつの間にか、この巣穴aをアナグマがイタチから乗っ取ったのでしょうか?
もちろん、ただ巣口に顔を突っ込んで匂いを嗅いでいただけという可能性も充分にあり得ます。
シーン3:1/15・午前0:57(@0:27〜)
約30秒後に監視カメラが健気に再起動すると、アナグマは根曲がり巣穴aの入口から左奥を見ていました。
シーン4:1/15・午後17:35(@0:31〜)日の入り時刻は午後16:46
同じ日の晩には新雪が積もっていました。
雪面に野生動物が残した足跡はありません。
シーン5:2/8・午前5:04・降雪(@0:34〜)
次にアナグマ(らしき動物)が写ったのは、翌月になってからでした。
小雪がちらつく未明に左から来た獣が右へ立ち去るところでした。
尻尾しか写ってないのですが、タヌキではなくアナグマだと思います。
このときも監視カメラの起動が遅れてしまい、根曲がり巣穴から出巣したばかりなのか、それとも根曲がり巣穴には全く興味を示さずに横を通り過ぎただけなのか、区別がつきません。
【考察】
トレイルカメラを使ってニホンアナグマの観察をするのは、まだ1年目です。
ホンドタヌキと違って基本的にニホンアナグマは冬眠するという認識でした。
雪国の厳冬期でもアナグマはときどき外を出歩くのが普通なのか、それとも異常な暖冬で雪が少ないために今季は冬眠が浅いのか、私には未だ分かりません。
これから何年も長期に渡って気長に観察を続ける必要があります。
この根曲がり巣穴が本当にイタチの越冬用巣穴なのかどうか、疑問になってきました。
昨年末に録画されて以来、この巣穴にイタチは出入りしていないようなのです。(ただし、監視できてない空白期間があります)
イタチはトレイルカメラの存在に気づいて警戒し、巣穴を放棄してしまったのでしょうか?
元々はアナグマが掘った巣穴をイタチが一時的に利用していただけかもしれません。
空き巣になると、別の野生動物が利用しようと代わる代わる物色しに来ます。
気温の下がる厳冬期はトレイルカメラの性能(センサー感度)も落ちるため、根曲がり巣穴に主が出入りする決定的な証拠映像がなかなか撮れずにもどかしいです。
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