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2024/03/01

池の畔で苔を舐めるウラギンヒョウモン♂

 

2023年6月中旬・午後12:00頃・晴れ 

里山にある池の畔で、ウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が苔むした倒木に止まっていました。 
翅をゆるやかに開閉しながら口吻を伸ばして吸水しています。 
性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
映像からコケの名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

この個体は左前翅の後角部が大きく破損しているものの、左右対称の損傷ではないので、鳥に襲われかけたビークマークではなさそうです。 
翅表に性標の有無がよく見えませんでしたが、翅裏の地色が濃色でないので♂と思われます。 

飛び立ってすぐ手前に着陸し直したのですけど、草むらの陰になって見えなくなりました。 
私が撮影アングルを求めて池をぐるっと回り込むと、ウラギンヒョウモン♂は岸辺の泥濘から吸水していました。 
残念ながらカメラを向ける前に逃げられてしまいました。 



【アフィリエイト】 

 

2024/02/23

モリアオガエルの泡巣で吸汁するホソヒラタアブ♀と食卵するアリ

 

2023年6月中旬・午後12:15頃・晴れ 

山中にあるモリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池に定点観察しにやって来ました。 
梅雨時で池の水位が上がり、満水状態です。 
例年なら池畔のマユミ灌木の枝先に卵塊が産み付けられているのですが、いつもの場所には泡巣がありませんでした。 
池畔の灌木を丹念に調べると、モリアオガエルの卵塊をいくつか発見しました。 
定量的な調査をしていませんが、今季は少ない印象です。 

ミヤマガマズミの枝葉にモリアオガエルが産み付けた一つの卵塊に1匹のホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が止まっていました。
左右の複眼が離れているので♀と分かります。 
翅を広げたまま口吻を伸縮させて、乾いた粘液をしきりに舐めているようです。
タンパク質やミネラル成分が豊富なのでしょう。
吸汁しながらも、腹部を上下に軽く動かして腹式呼吸しています。 

一方、赤っぽい微小なアリ(種名不詳)も同じ泡巣の表面をうろついています。 
赤アリがかじっている黄色い粒々は、モリアオガエルの泡巣に含まれる卵です。
ホソヒラタアブは近づいてくるアリを嫌って飛び立ち、軽くホバリング(停空飛翔)してアリから少し離れた位置に止まり直しました。 
アリ自身にホソヒラタアブ♀を攻撃する意図(餌場の縄張り防衛)は別になさそうです。 
アリがモリアオガエルの卵を泡巣からほじくり出して自分の巣穴に運ぶかどうか、興味があったのですが、かなりの長時間観察しないと見届けられないでしょう。

ホバリング中のホソヒラタアブ♀がモリアオガエル泡巣の表面にチョンチョンと触れるような思わせぶりな動きを繰り返しているのが気になりました。 
産卵行動だとしたら、大発見です。 
それとも近くのアリを牽制しているのでしょうか? 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:10〜3:40)、どうやら産卵行動ではなさそうです。  
停飛しながら足の先で泡巣の表面に軽く触れているだけで、腹端は泡巣に触れていませんでした。 
泡巣表面の湿り気を足先の感覚器で調べているのかもしれません。 
ホバリングしながら泡巣の横のミヤマガマズミの葉にも足先で触れたので、どこに着陸しようか吟味しているだけなのでしょう。 
そもそもホソヒラタアブの幼虫はアブラムシを捕食するので、カエルの卵塊に産卵するはずがありません。 

関連記事(14年前の撮影)▶ ホソヒラタアブの幼虫と前蛹


周囲にモリアオガエルの卵塊はいくつもあるのに、特定の卵塊にしか昆虫が集まらないのは不思議です。 
アブ・ハエ類が吸汁目的だとしたら、産みたてで水気の多い白い泡巣を舐めれば良さそうなのに、少し乾いた卵塊が好みなのは何故でしょう?
わざわざ唾液を吐き戻しながら乾いた卵塊を舐め、吸汁しているのです。
出来たてフワフワの泡巣の上をアリが歩けないのはなんとなく予想できます。

関連記事(10年前の撮影)▶ モリアオガエルの泡巣に集まるハエ 
キンバエ類、ニクバエ類、ベッコウバエの仲間など大小様々のハエが来ていました。 



 
【アフィリエイト】 
・科学のアルバム『モリアオガエル 新装版
・動物の記録『モリアオガエルの谷
 
水際に自生するミヤマガマズミの枝葉に群がってまさに抱接・産卵中のモリアオガエル♀♂も見つけました。
新鮮な泡巣は真っ白です。
モリアオガエル♀♂が粘液や尿を後脚で泡立てている最中に虫は来ていませんでした。
日が経って乾いた泡巣は黄色っぽくなります。

2024/02/03

雪解け田んぼに集まるコハクチョウ大群の諸活動:採食・飲水・羽繕い・昼寝・小競り合い【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・晴れ 

早春の田んぼにコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開していました。 
あまりにも個体数が多いので、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。(計何羽が登場するか数えてみる?) 
採食したり(落ち穂拾い)、雪解け水を飲んで喉を潤したり、羽繕い、昼寝など各々がのんびり過ごしています。 
近くの舗装路を車や自転車が通りかかっても、白鳥は逃げようとしません。 
この大群の中には首輪を装着した個体は見つけられませんでした。 

採食中に群れが混み合ってくると、たまに小競り合いが勃発します。 
畦道から隣の雪田に下りた個体が、目の前を横切ろうとした別個体を邪険に追い払いました。(若鳥同士の小競り合い @2:00〜) 
嘴でつつかれそうになった相手は反撃せずに、慌てて逃げて離れました。 
その左では、別個体が雪田で片足立ちのまま採食しています。 
冷たい雪解け水に浸かった足がしもやけや凍傷にならないように、片足ずつ交互に持ち上げて温めているのでしょう。 

せっかくカメラを三脚に固定して高画質の4K動画で撮っても、雪解けの進む刈田から陽炎が絶えずゆらゆらと立ち昇っています。
もっとシャープな映像を撮るには、気温の低い早朝に撮影する必要がありそうです。

2023/11/25

雪解け田んぼに集結するコハクチョウの百態(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・くもり 

早春で雪どけが進む広大な田園地帯にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して、落ち穂拾いしています。 
あまりにも個体数が多くて、どの個体の行動に注目すべきか目移りしてしまいます。 
三脚を立ててカメラで左右にパンして、採食群の遠景を記録してみました。 

残雪が溶けて泥濘んだ刈田で採食したり、座り込んで寝ていたり、水を飲んだり、羽繕いしたり、刈田を歩き回ったり、片足立ちでストレッチしたりと、様々な行動が見られます。 
小競り合いや羽ばたき威嚇している個体もいます。 
泥に埋もれた藁を嘴で掻き分けてから採食しています。 

白鳥がひときわ密集したエリアは餌となる落ち穂の量が豊富なのでしょうか。 
撮影中にもコハクチョウが2〜4羽の小群(家族群)単位で続々と飛来・旋回すると、仲間が大勢居る餌場に合流しました。 
白鳥の優雅な着陸シーンは何度見ても感動します。 

飼い犬(白い犬種)の散歩に来た中年男性♂が奥の農道を歩いても、充分に距離が離れているせいか白鳥は逃げ出しませんでした。 (@4:55〜、@6:13〜) 



コハクチョウの密集した大群の迫力は圧巻です。 
餌場やねぐらでこれほど同種が密で暮らしていたら、ひとたび鳥インフルエンザなどの感染症が蔓延したらひとたまりもありませんね。 
…と書こうとしたら、私の勉強不足(知ったかぶり)でした。 
水鳥はインフルエンザが腸で常在しており病原性を引き起こすことはほとんどない。 
・水禽類(水鳥)の腸管で増殖し、鳥間では(水中の)糞を媒介に感染する。水禽類では感染しても宿主は発症しない。(wikipediaより引用)

鳥インフルエンザ・ウイルスが問題視されるのは、抵抗性のないニワトリなどの家禽に感染して大量死をもたらす経済的損失と、突然変異したウイルスがヒトへ感染を広げるパンデミックのリスクがあるからです。
長い進化の末に水鳥が鳥インフルエンザ・ウイルスと共存するようになった仕組みは解明されているのでしょうか?(免疫の獲得?)


【追記】
白鳥が渡来する初冬になっても、なぜか同じ刈田にコハクチョウの採食群を見かけません。
刈田で落ち穂拾いするなら、根雪が積もる前に採食しても良さそうなものですが、もっと良い餌場があるのでしょうか。


2023/10/26

春の小川で水を飲むヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月中旬・午後17:47(日の入り時刻は午後18:22) 

小川に架かる丸木橋を見張っている自動センサーカメラにヒヨドリHypsipetes amaurotis)が写りました。 
画面右下の赤丸に注目してください。 
西日が射す夕方に右岸の浅瀬に降り立ち、静かに水を飲んでいました。 
お辞儀をして嘴で水をすくうと、頭を上げて喉に水を流し込みます。 
この飲水行動を何度も繰り返します。 
喉の乾きを癒やすと、ヒヨドリは河畔林の方へ(左上に)飛び去りましたた。 
この間、ヒヨドリは鳴き声を発しませんでした。
やや遠いので、飲水シーンを2倍に拡大してリプレイ。(@0:32〜) 

ヒヨドリは警戒心が強いのか、無人カメラでないと飲水シーンを見せてくれません。



ヒヨドリが居なくなると、ウグイス♂(Horornis diphone)が鳴き始めました。(@0:57〜) 
姿は見えませんが、おそらく近くの笹薮に隠れているのでしょう。 
繁殖期が始まったばかりで、ホーホケキョ♪という特徴的な節回しが未だ下手糞です。 
囀りさえずりの練習をしているようです(ぐぜり?)。 
前半部のホー♪が弱かったり、逆に後半が省略されてホー♪だけだったり、ホーホケケキョ♪と「ケ」が1個多かったりと、不安定な囀りさえずりでした。 


※ 後半はウグイス♪の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2023/10/22

台所の濡れ布巾を舐めて吸水するイエユウレイグモ(蜘蛛)

 

2023年4月上旬・午後23:20頃 

深夜に水を飲もうと暗い台所に行って照明を点灯すると、驚きの光景を目にしました。 
皿を洗ってから、キッチンカウンター(ワークトップ)の水滴を拭いた雑巾を絞って広げ、乾かしています。 
その上でなんと、イエユウレイグモPholcus phalangioides)が吸水していたのです。 
イエユウレイグモの飲水行動は初見です。 
というか、そもそも造網性クモが自発的に水を飲むシーンを見たことがありませんでした。
慌ててカメラとハンディカムを持ってきて、薄暗い台所で動画撮影することにしました。

補助照明としてハンディカム内蔵の白色LEDを点灯しても、かなり薄暗いです。 
ハンディカムを近づけても、クモは逃げませんでした。
歩脚が長いイエユウレイグモが、うずくまるような前傾姿勢で濡れ布巾に口を直接付けています。 
天井からぶら下がっている「しおり糸」は見えませんでした。 

まったく動かないので、死んでいるのかと心配になりました。 
雑巾の繊維に絡まって身動きできないのでしょうか? 
私が左手の人差し指でイエユウレイグモの歩脚にそっと触れると、慌てふためいて「引き糸」を登り返し、シンク(流し)の真上から照らす蛍光灯のフードに辿り着きました。 
その辺りにはイエユウレイグモの不規則網が張り巡らされているのですが、映像では見にくいです。 
大慌ての逃避行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:09〜) 

この個体は喉が渇くと不規則網から夜な夜なシンクに懸垂下降して水分補給しているのでしょうか? 
監視カメラを設置してみたら面白そうです。
もし私が邪魔をしなければ、濡れ雑巾から延々と吸水を続けていたかもしれません。
濡れ雑巾は決してきれいではなく、アンモニア臭(雑巾臭)がしたりします。
イエユウレイグモはむしろ、雑巾が吸い取ったミネラル成分やアンモニアなどが気に入って摂取していた可能性もありそうです。

時期的にイエユウレイグモの幼体または亜成体と思うのですが、しっかり調べるためには一時捕獲して採寸したり外雌器の状態を精査しないといけません。
少なくとも触肢の発達した成体♂ではありませんでした。

世の中にはイエユウレイグモをモデル生物(実験動物)として飼育している研究者もいるそうです。
飼育下ではどうやって水を飲ませているのでしょうね?


関連記事(8、9、12、14年前の撮影)▶ 

2023/09/26

午後の雪解け田んぼで採食、飲水、排便、羽繕いするコハクチョウの大群【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:20〜16:15頃・晴れ 

雪解けが進む広大な田んぼにコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が集まって採食しています。 
今回は三脚を立てて最高画質の4K動画で撮影してみました。 
大群が刈田のあちこちに散開しているため、どの個体を撮るか目移りしてしまいます。 
よく晴れた午後で、地面が露出した田んぼから陽炎が立ち昇っています。 
採食中の白鳥にどれだけ近づけるか、どれだけ警戒心が強いか分からなかったので、初めは物陰から隠し撮りしました。 
周りに仲間が多ければコハクチョウは結構図太いことが分かり、後半は慎重に近づいて撮影できました。 

採食中のコハクチョウは、刈田を歩き回りながら頭を下げて嘴を藁や泥の中に突っ込んで掻き分けています。 
おそらく水中の藻や微生物、稲(イネ)の落ち穂などを嘴で濾し取りながら食べているようです。(落ち穂拾い) 
藁や泥そのものを食べている訳ではありません。 
ときどき雪解け水を嘴ですくって頭を高く上げながら喉に流し込み、水を飲んでいます。 

採食しながら泥水状の液状便を勢い良く排泄しました。(@0:31〜) 
川や湖沼で塒入りする白鳥の群れにヒトが大量に給餌すると、食べ残しの餌や白鳥の糞で水質が急激に悪化(富栄養化)する問題が生じます。 
最近では鳥インフルエンザの蔓延を防ぐためにも、白鳥への給餌を禁止する地域が増えました。 
刈田で勝手に飲み食いする白鳥がその場で排泄する分には、そのまま田んぼの肥料となって好都合です。 

これだけ至近距離から白鳥の採餌行動を観察できて感激です。 
早春の陽光で煌めく水面の反射がコハクチョウの腹面に写り、嘴から水が滴り落ちます。 
食事の合間にのんびり羽繕いしています。 
黒い水かきのある足でザクザク、ペタペタと残雪を横断し、畦道を乗り越えて隣の雪解け田んぼへ移動します。 

※ 映像素材の順番を適当に入れ替えました。 

2023/09/01

雪国の川面で羽繕いするキンクロハジロ♂(冬の野鳥)

 

2023年1月中旬・午前11:20頃・晴れ 

平地を流れる川に集まった多数のカルガモAnas zonorhyncha)の群れに混じって、1羽だけ冬鳥のキンクロハジロ♂(Aythya fuligula)が居ました。(混群?) 

やがてキンクロハジロ♂は上流を向いて川面を遊泳しながら羽繕いを始めました。 
羽繕いの合間に嘴を水で軽くゆすぎました。(@0:57〜) 
水を飲んだのかもしれません。 
羽根を整えると、身震いしながら伸び上がり、尾羽を左右に震わせます。 
背伸びしながら翼を広げて羽ばたかない点がカルガモとは異なります。 
(カルガモの行動については別の記事で映像公開予定?) 
以前の観察では、水浴の後にはキンクロハジロ♂も背伸びしながら翼を広げて羽ばたき水気を切っていました。

関連記事(2年前の撮影)▶ 小雪が降る川で水浴びするキンクロハジロ♂(冬の野鳥)


しかし、その行動の頻度はカルガモより低いようです。
キンクロハジロは潜水ガモに属しますから、そうでないカルガモよりも羽根の撥水性が高いのか、あるいは水気を切る必要性が低いのかもしれません。


撮影中は気づかなかったのですが、キンクロハジロ♂の手前に地味な♀もちらっと写りました。(@0:47〜)  

2023/08/25

新雪を食べ歩く雪国のハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2023年1月下旬・午後14:25頃・くもり 

山麓の農村部で深い雪に埋もれた畑を1羽のハシボソガラスCorvus corone)が歩き回っていました。 
雪面はサラサラの新雪で柔らかそうです。 
カラスの嘴に雪が付着していたので注目(ズームイン)すると、雪原のあちこちで嘴を突っ込んで雪を食べていました。 
ときどき顔を激しく振って、嘴に付いた粉雪を振り落とします。 
運動会の飴食い競争を連想しました。 

あるいは、雪の下に貯食した食料を探しているのかな?と想像したものの、私に見られていることに気づいているカラスは警戒して貯食物には近づかないでしょう。 
こんな特徴のない雪原の真ん中にカラスは餌を埋めて隠さない気がします。
貯食するのなら、何か目印のある分かりやすい場所を選ぶはずです。




最後は雪を蹴立てて飛び立つと、低空で奥の防風林へ飛び去りました。 
除雪の成果もあり、車道には雪が全くありません。 

ハシボソガラスが嘴で新雪を素早くかき分ける行動および雪原から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:40〜)

2023/07/02

晩秋の水場で喉の乾きを癒やすニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 



2022年11月中旬・午後・晴れ 

里山の水場に設置するトレイルカメラの位置を変えてみました。 
泉を見下ろすようにカメラを固定して、水場に来る野生動物を見張ります。 
すると、遊動する野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが水場にやって来ました。 

シーン1:11/17・午後15:42・気温8℃ 
落ち葉が降り積もって少し浅くなった池の左岸からニホンザル♀が身を乗り出し、水面に口を付けています。 
水面に波紋が広がっていまるものの、猿が水を飲む音は聞き取れません。 
手前に生えたスギの枝葉が邪魔ですね…。 
喉を潤した猿は林道の方へ歩き去りました。 
尻の状態から♀成獣だと分かります。 
画面の右上隅の奥に別個体がちらっと見えました(子ザル?) 


シーン2:11/17・午後16:00・気温6℃ (@0:33〜) 
18分後に、別個体と思われるニホンザルがまた水場の左岸で水を飲んでいました。 
その後は林道の方へ元気に駆けて行きました。 


シーン3:11/17・午後15:40・気温7℃ (@0:46〜) 
画面の左下隅で白っぽい毛皮のニホンザルが池の水を飲んだようですが、監視カメラの死角でよく見えません。 
耳を澄ますと、猿が小声で鳴く声♪が聞こえます。 

しばらくすると、画面の左上奥の斜面を遊動する個体が遠くに写りました。 
水場の方に近づいて来ます。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
状況を説明しやすいように、動画素材の順番を入れ替えました。 


関連記事(同所で4ヶ月前の撮影)▶ 


2023/06/29

キノコのキーホルダーに止まるコムラサキ♂の謎

 

2022年9月上旬・午後14:05頃・晴れ 

河川敷の遊歩道で誰かが落としたキーホルダーを別の誰かが拾って、親切にも道端の柳の枝に引っ掛けておいたようです。 
キーホルダーにはフェルト製のキノコのアクセサリーが付けられていました。 

河畔林の柳(樹種不詳)から樹液が滲み出していて、様々な昆虫が集まる樹液酒場となっています。 
樹液酒場から飛んで逃げたコムラサキ♂(Apatura metis substituta)が隣の柳で止まったのが、キノコのキーホルダーでした。 
実際はもう少し長く止まっていたのですが、ぼんやり見ていた私が「これは面白い行動では?」と気づいて動画に撮り始めるまでタイムラグがありました。 
雨水を含んで濡れていたスポンジ状のアイテムに止まると、口吻を伸ばして舐めていました。 
甘い樹液を舐めた後で、口直しに吸水およびミネラル摂取していたのでしょう。 
翅を開閉しながら吸汁していたコムラサキ♂にようやく合焦した途端に、すぐ飛び去ってしまいました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
残念ながら、映像ではコムラサキ♂の口吻はくるくるとゼンマイ状に縮めてしまった後でした。 

キーホルダーに付いていたキノコのアクセサリーは、写実的ではなくデフォルメしたキノコで、青、白、橙、ピンクなどカラフルな模様が描かれています。 
もしかすると吸汁目的ではなく、青いキノコのアイテムを同種♀と誤認して飛来した可能性もありそうです。(誤認求愛) 
しかしそれなら「コムラサキ♂ホイホイ」として次から次へと誘引されるはずです。 
そんな事態にはなっていませんでしたから、私の考え過ぎかもしれません。 
横にある柳の樹液酒場でクワガタムシが誤認求愛していたので、コムラサキの行動の解釈もそれに引っ張られました。

2023/06/26

砂利にオシッコをかけて吸い戻しをするキバネセセリ♂

 

2022年7月中旬・午前10:45頃・晴れ(雨上がり) 

里山のスギ植林地から伐採した木を運び出す準備のために、林道に敷かれた砂利が最近になってローラー車で締め固められました。 
雨上がりの砂利道でキバネセセリ♂(Bibasis aqulina chrysaeglia)が低く飛び回り、忙しなく離着陸を繰り返しています。 
どうやら、あちこちで砂利を味見しているようです。 
私が近づくと飛んで逃げるものの、すぐにまた路上に舞い降りて吸水再開。 

ようやく気に入った味のする小石を見つけたようで、延々と舐め始めました。 
黒くて丸い小石の表面に薄っすらと泥が付着しています。 
その上に乗って口吻を伸ばし、表面を舐めています。 
ときどき腹部を前屈して、透明な液体を足元にかけました。 
これはキバネセセリに特有の「吸い戻し」行動です。 
自分の尿で泥を溶かしながら、ミネラル成分(塩分)を摂取しているのです。 

関連記事(1、8、15年前の撮影)▶  

次の砂利へと飛び立つ前に準備運動として、しっかり閉じていた翅を小刻みに震わせました。

2023/02/11

右目を失明したニホンイノシシが夜の林道で下草を食べ池畔の水を飲む【トレイルカメラ×2:暗視映像】

 

2022年9月上旬・午後19:35頃 



里山の林道で水溜りのある区間を監視カメラで見張っていると、ある晩にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が通りかかりました。 
林道上に生えたミゾソバなどの下草を鼻で掻き分けながら食べています。 
ヌタ場で泥浴び(ヌタ打ち)してくれるのではないかという私の予想に反して、今回も水たまりを避けるように迂回して通り過ぎました。 
採食中に振り返ってカメラ目線になると、イノシシの左目だけが光って見えました。(@0:27〜) 
そのまま林道を向かって右に立ち去りました。 
イノシシが向かった方角には水場があり、別のトレイルカメラを池畔に設置しています。 

約1分後、数十m離れた水場にイノシシが登場しました。 
2箇所に設置したトレイルカメラで同一個体のイノシシが続けて撮れたことになります。 
監視カメラを並べることで、野生動物の行動がより立体的に見えてきます。

イノシシは対岸の林道で立ち止まり、頭を下げています。 
湧水が溜まった泉から流れ出た水は林道を横切り、斜面を下って沢の源流となるのですが、イノシシは池の対岸で狭くなっている出水口で水を飲んだように見えます。 
私としてはトレイルカメラにもっと近づいて池の水を飲んで欲しいのですが、どうもイノシシはカメラの存在に気づいて警戒しているような気がします。 

顔を上げると、イノシシの右目が潰れていました。 
隻眼の同一個体で間違いありません。 
その後は文字通り道草を食いながら、林道を右へ立ち去りました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しました。 


右目を失明した隻眼の個体は以前も同じ水場のトレイルカメラで記録されています。
関連記事(1.5か月前の撮影)▶ 右目を失明したニホンイノシシが夜霧の水場に登場【トレイルカメラ:暗視映像】

片目が潰れて見えない野生動物は大きなハンディキャップを背負っていると思うのですが、無事に生き延びています。 
イノシシにとって視覚よりも嗅覚の方が重要なのかもしれません。 

当地では隻眼と正常個体の少なくとも2頭のイノシシが活動していることが分かりました。 
生息密度が低いようで、トレイルカメラにイノシシは滅多に写りません。 



2023/02/07

林道の水溜りで泥水を飲むカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 



2022年9月上旬・午前10:15頃・ 

里山の林道で水溜りのある区間を監視カメラで見張っていると、カケスGarrulus glandarius)が登場しました。 
画面の赤丸の位置に注目してください。 
水たまりの岸で何度も頭を下げて泥水を飲む後ろ姿が写っています。 
喉を潤したカケスは真上に飛び上がりました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2023/02/06

夜の池で対岸に渡れる地点を探し当てる野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年9月上旬 

湧き水が溜まった山中の泉を見張っている監視カメラに夜行性の野ネズミ(ノネズミ)がこの時期は2回写りました。 

シーン1:9/4・午後22:24 
池の左岸に現れた野ネズミが水際に降りて、対岸に渡れるかどうかあちこち探し歩いています。
暗闇でも水深が分かるのでしょうか。 
対岸まで来た野ネズミは、狭くなっている出水口(沢の源流)を見つけると、ピョンと跳び越えました。 
今回の個体は夜の池を泳いで渡りませんでした。 
草深い右岸を少し登ると、トラバースして此岸の死角へ走り去りました。 


シーン2:9/10・午後18:46 (@0:18〜) 
6日後の晩に画面奥の森からコウモリが夜の池に飛来しました。 
池の上空を往復して帰るついでに着水し、飛びながら一瞬で水を飲んだようです。 

その直後に、対岸の出水口に野ネズミが現れ、チョロチョロと徘徊しました。 
残念ながらカメラの電池が消耗していて、尻切れトンボで録画が打ち切られてしまいました。 

夜の水場に最も頻繁にやって来るのはコウモリです。 
しかし他の野生動物が水場に来たときには、コウモリは遠慮して(警戒して?)同時には飛来しないのが普通です。 
今回は珍しく例外で、コウモリと野ネズミが入れ違いで水場に登場しました。 
野ネズミは体が小さいですから、草むらに隠れているとコウモリの超音波(エコロケーション)では存在を検知しにくいのかもしれません。 
逆に、野ネズミはコウモリの発する超音波が聞こえているのかどうか、興味があります。 
お互いに天敵として恐れるべき存在ではないので、気にしなくなっていても不思議ではありません。 

 最後に1/3倍速のスローモーションでシーン1をリプレイ。(@0:28〜) 

2022/11/30

コウモリが飛来する夜の池でカエルがトレイルカメラを相手に「だるまさんが転んだ」【暗視映像】

 

2022年8月上旬
前回の記事:▶ 霧の立ち込める夜も池を飛び回るコウモリの群れ【トレイルカメラ:暗視映像】

トレイルカメラで山中の泉を見張っていると、いつも通り、夜になるとコウモリが飛来しました。 
今回の注目ポイントは夜行性コウモリの飲水行動ではなく、水面下に潜んでいるカエル(種名不詳)です。 
カエルは変温動物ですから、水中で動き回ってもトレイルカメラが熱源として動体検知することはありません。 
たまたま恒温動物のコウモリが飛来してカメラが起動したときに、水中のカエルが一緒に写っていたのです。
音量を上げてみても、カエルの鳴き声は録音されていませんでした。 

シーン1:午後19:22・夜霧 
冒頭の赤い丸に注目して下さい。 
夜霧が立ち込める池の水面からカエルが顔を出しているようで、両目が暗視カメラの赤外線を反射してギラギラと光って見えます。 


シーン2:午後19:38・霧が減少 (@0:23〜) 
約15分後にコウモリが飛来すると、池のカエルがいつの間にか少しだけ前進していました。
カメラが録画中には、カエルは水中でじっとしています。


シーン3:午後19:44・霧が晴れた 
コウモリが水場の上空を低く飛び回っても、池のカエルは無反応で瞬き一つしません。 


シーン4:午後19:48・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン5:午後19:49・晴れ 
カエルに動きなし。


シーン6:午後19:57・晴れ (@1:24〜) 
水中のカエルがいつの間にか再び前進して、落枝の手前まで来ていました。 
まるでカエルがトレイルカメラを相手に「ダルマさんが転んだ♪」をして遊んでいるようです。(イカゲームならぬ、カエルゲーム! )
夜行性カエルの遊泳シーンが記録されていなかったのが残念です。 

ちなみに、午後20:23にコウモリが飛来した時には、池のカエルは居なくなっていました。(映像は割愛) 
おそらく此岸に上陸したのでしょう。 

※ 霧が立ち込める冒頭のシーンのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。



 

Netflixで大ヒットしたドラマ『イカゲーム』で登場したように、韓国でも「ダルマさんが転んだ♪」と同じ子供の遊びがあります。
鬼は韓国語で「무궁화 꽃이 피었습니다」(むぐんふぁ こち ぴおっすむにだ:=ムクゲの花が咲きました)と言ってから振り返ります。 
英語圏では、鬼が「Red light, Green light」(=赤信号、青信号)と言って遊びます。 

2022/11/13

沢の源流で水を飲み排尿する夏毛のホンドテン♂(キテン)

 

2022年8月上旬・午後14:10頃・晴れ 

山中の湧き水が溜まっている泉で私がオタマジャクシの定点観察をしたり、池畔に設置したトレイルカメラの電池を交換したりと、独り静かに長時間作業していると、意外な珍客が現れました。 
野生のホンドテンMartes melampus melampus)です。 
いわゆるキテン(黄貂)と呼ばれる夏毛の個体でした。 

スルスルと崖を降りて、池から流れ出る小川の右岸まで来ると、首を伸ばして水面に口を付け、冷たい流水を飲み始めました。 
途中で私を見上げても、逃げたり恐れたりする素振りが全く無くて、無邪気な様子でした。

次にホンドテンは草むらをかき分けて水路に入ると、下流を向いてチョロチョロと小便を排泄しました。 
テンが水洗トイレで用を足すとは知らず、衝撃を受けました。 
飲み水となる水場を汚染しないように、ちゃんと池から流れ出る水路に小便しています。
他の多くの哺乳類のように、尿で匂い付けマーキングしないのは不思議です。 
テンは肉食獣ですから(厳密には雑食性)、獲物となる小動物に尿の匂いで自分の存在を知られたくないのかもしれません。 
テンは尿ではなく糞で縄張りのマーキングを行うのでしょう。
▼関連記事(2ヶ月前の撮影) 
ホンドテンの糞を舐めて吸汁するイチモンジチョウとニクバエ
野生動物のフィールドサインに関する書籍を読むと、テンの糞のことはサインポストとして有名でも尿については何も書いていません。

排尿を済ませたホンドテンは、林道へと歩き去りました。 
ミゾソバなどの下草がテンの目線より高く生い茂っている林道を、長い胴体でピョコピョコ飛び跳ねるように走ります。 
名残惜しい私は、テンが立ち止まってくれないかと(テンの気を引こうと)撮影しながら舌を鳴らしてみたのですが、全く無視されました。 
後ろ姿で尾を上げたときに股間に白毛で覆われた睾丸が見えたので、どうやら♂のようです。 
林道を横断すると、スギ植林地の斜面を下って谷へ降りて行きました。 

動画の最後に、水場の全景を記録しておきます。 
湧き水(地下水)の溜まった池から流れ出る小川が蛇行しながら林道を横断し、杉林の斜面を下る沢の源流となっています。 

トレイルカメラを池畔に設置し直す直前だったので、ホンドテンの出没シーンを別アングルの映像で撮れてないのが残念です。 
それでも、この夏一番嬉しい野生動物との出会いでした。 

ヒトを全く恐れないということは、生まれてから一度もヒトを見たことがないウブな個体なのかな? 
平凡社『日本動物大百科1:哺乳類I』の記述を読むと、今回私はとんでもなく幸運だったようです。
 テンはきわめて神経質な動物で、観察者の衣服のこすれる音にも敏感に反応する。日中に人前に姿を見せることはあまりないため、完全な夜行性と思われがちである。野生のツシマテンに電波発信機を装着させたテレメトリー調査により1日の活動を追跡すると、森の中では日中でもかなり活動していることがわかった。(p138より引用)
この日の私の出で立ちは、本格的な迷彩服ではないものの、目立たない服装が奏功したようです。 
 テンは夏の間は動物食が強く、小鳥やネズミ、リスやムササビなどを襲っている。いわば毎日「命のやりとり」をしているわけだから、警戒心も強くてなかなか姿を見ることもできない。 (熊谷さとし『動物の足跡学入門 ‐形とつき方から推理する‐』p164より引用)
もしかすると、それまで水場で私が作業する様子をテンが崖の上からじっと見ていて、人畜無害だと判断してくれたのかもしれません。 
あるいは暑い夏に喉の渇きを我慢し切れずに水場にやって来たのでしょうか? 

この水場を監視するトレイルカメラに以前記録されていた謎の獣の正体は、アナグマではなくホンドテンだったのかもしれません。
関連記事(1月前の撮影)▶ 夜霧が立ち込める山中の池に現れた謎の野生動物!【トレイルカメラ:暗視映像】



【追記】

今回の個体が小川で排尿したのは、私が見ていたせいで草むらに隠れて用を足しただけかもしれません。 

一般的な排泄行動なのかどうか、もっと観察例を増やさないといけませんね。


つづく→深夜の水場で排便する夏毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

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