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2025/07/03

山中の水溜りに夜な夜な飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に開けた湿地帯があり、野生動物や野鳥が水場として利用する泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

コウモリの登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/10・午前0:24(@0:08〜) 
深夜にコウモリが低空で何度も水溜まりの上を旋回しています。 



シーン2:6/12・午後20:44(@0:48〜) 
2日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
ときどき水溜りの水面を掠めるように低く飛んでいるのは、その一瞬で泥水を飲んでいるのでしょうか? 
それとも、体を濡らす水浴行動なのかな? 


シーン3:6/12・午後21:25(@1:02〜) 
約40分後にも水場に飛来したコウモリが写りました。 


シーン4:6/12・午後21:26(@1:10〜) 
つづき

シーン5:6/13・午後22:26(@1:17〜) 
翌日の晩にもコウモリが水溜りに飛んできました。 


コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:26〜) 
ツバメのように水面スレスレを繰り返し飛んで、夜蛾などの虫を空中で捕食しているのかな? 
山中の別の水場よりも、コウモリの着水頻度が低い気がします。 
一瞬でも着水したら水面に波紋が広がるはずですが、カメラのアングルの問題で波紋が見えにくいだけかもしれません。
水面のアメンボをコウモリが飛びながら一瞬で狩っているのだとしたら、凄すぎます。
この問題を解明するためには、今使っているトレイルカメラの録画フレームレートが25fpsでは低すぎます。
60fpsの暗視動画が撮れる最高機種のトレイルカメラがあるらしいと最近知ったのですけど、高嶺の花です。

つづく→

2025/07/01

山中の水溜りで水を飲み、水底の泥濘を掘り返すニホンイノシシ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・くもり(@0:03〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林の中に開けた湿地帯があり、野生動物や野鳥が来る水場として利用する泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 

ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の登場シーンを以下にまとめます。 


シーン1:6/7・午後23:17(@0:07〜) 
深夜にイノシシが単独で手前から来て、泥濘の中を歩いて左奥の泥水溜りに向かっています。 
尻尾を左右に振りながら歩くイノシシのお尻が見えています。 
イノシシの接近に反応して、別アングルの監視カメラが起動しました。 
意外にも、このイノシシ個体はそれに対して無反応でした。 

ちなみに、画面内で白く光る4点は、空中に張り巡らされたクモの巣の粘球が4個、赤外線を反射しているのでしょう。 


シーン2:6/7・午後23:17(@0:34〜) 
別アングルの監視カメラで続きが近くから撮れていました。 
泥水溜りの対岸に現れたイノシシが前脚だけ入水し、水面に鼻面を付けていました。 
おそらく泥水を飲んでいるのでしょう。 

喉の乾きを癒やしてから顔を上げると、なぜか顎の下に枯れ草?がぶら下がっています。 
牙が小さいことから、♀のようです。 

イノシシ♀が対岸を左に向かって歩き出したところで、録画終了。 
トレイルカメラの存在を気にしている素振りはありません。 

今回もなぜか泥浴び(ヌタ打ち)をしてくれませんでした。 
 90秒間に録画時間を延長すべき。 


シーン3:6/7・午後23:18(@1:33〜) 
広角の監視カメラの映像に戻ります。 
シダなど下草が生い茂っている奥の緩斜面を少し登ると、イノシシ♀は切株の横で立ち止まりました。 
どうやら切り株に体を擦りつけているような気がします。 
トレイルカメラの照射する赤外線が遠くてあまり届かず、画面が暗くてよく見えません。 
後日に現場検証しても、切株に泥汚れや体毛の付着物などは見当たりませんでした。 
もしも同じ切り株でマーキング行動が繰り返されるのなら、そこにも監視カメラを設置しようかと思ったのですが、これっきりでした。

イノシシ♀はそのまま緩斜面をゆっくり登ると、奥を左右に通っている林道に達したようです。 


シーン4:6/10・午前0:10(@2:34〜) 
3日後の深夜にも、イノシシが湿地帯の水場に現れました。 
水溜りから泥水を飲んでいる後ろ姿が写っています。 
その動きに反応して、別アングルに設置した監視カメラも起動しました。 

水溜まりの泥濘を鼻面で掘り返しているのは、泥遊びなのでしょうか? 
(ヌタ打ちしたくて水溜りの底を鼻面で少し掘ってみたものの、水深が足りないときづいたようです。)
湿地帯を横切り、右へ向かいます。 
実は画角の右外に、もう一つの水溜りがあるのです。 


シーン5:6/10・午前0:11(@2:34〜) 
泥水溜りの近くに設置した監視カメラでも、一連の行動がしっかり撮れていました。 
前回と同一個体の♀なのかな? 

対岸の右で泥水を飲んでいる間は、(眠そうに? 気持ち良さそうに?)半目になっています。 
対岸を左に向かって歩く途中で、鼻面で水溜まりの底を掘り返しました。 
横向きになったときに、腹面に乳首がちらっと見えたので、やはり♀だったようです。 
低音でブーブーと唸り声を発しました。 

コウモリが左から飛来したものの、水溜りに着水しませんでした。 
イノシシはコウモリにまったく無関心でした。

今度こそイノシシ♀が泥浴びするかと期待したものの、湿地帯を奥へと遠ざかってしまいます。 
実は右奥にあるもう一つの泥水溜りの方が少し深くて、泥浴び(ヌタ打ち)に適しているようです。 
もしかすると、飲水用とヌタ打ち用で、2つの水溜まりをイノシシは使い分けているのかもしれません。 
どうしてもイノシシのヌタ打ち行動を撮りたいので、奥の水溜りにも監視カメラを設置すべきですね。

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/06/28

山林の泥水溜まりで餌を探すクロツグミ?【野鳥:トレイルカメラ】

 


2024年6月上旬〜中旬

シーン0:6/7・午後13:14・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・くもり(@0:03〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中にある湿地帯で、野生動物や野鳥が来る水場となっている泥水溜りを2台の自動撮影カメラ(旧機種)で見張っています。 
水溜りを近くから狙うカメラは、フクロウを重点的に撮影するために、夜間のみ(薄明薄暮を含む)監視するようにタイマー設定しました。 


シーン1:6/8・午後12:35(@0:07〜) 
昼下がりに謎の鳥が左上のホオノキ樹上から飛来して、泥水溜まりの対岸に着陸しました。 
遠い上にカラーで撮れなかった(旧機種のトレイルカメラに特有の症状)ので、鳥の種類を見分けられません。 
常連の鳥だとすると、クロツグミTurdus cardis)かもしれません。 
泥水溜りで水を飲んだり浴びたりすることもないので、獲物を捕りに来たようです。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:20〜) 
水溜りの中央部ではなく岸辺付近をクロツグミ?が歩き回っていました。 


シーン2:6/16・午後18:20・(@0:33〜)日の入り時刻は午後19:07。 
夕方に、地味な鳥が浅い泥水溜りの中洲に来ていました。 
クロツグミ♀かな?と思うものの、自信がありません。 

水際に走り寄ると、素早く嘴を水面に突っ込みました。 
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus)のオタマジャクシを狙って逃げられたのでしょうか? 
水溜りの中には入らず、岸の泥濘をピョンピョン跳んで(ホッピング)、左の死角に移動してしまいました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:53〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

2025/06/21

山中の水溜りで泥水を飲むニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬 

シーン0:6/4・午後13:38・晴れ(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
 山林内に広がる湿地帯や湧き水が溜まった泥水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 
左右の水溜りを同時に監視してみたいという目論見で、湿地帯を広角で狙うようにスギの幹にカメラを固定しました。 


シーン1:6/6・午前2:40(@0:04〜) 
夜になると画面の右上からスギの枝葉が垂れ下がり、カメラの赤外線を至近距離でギラギラと反射して目障りですね。 
明るい昼間は横枝に張りがあるのですが、毎晩暗くなると横枝が少し垂れ下がってしまうのです。 
カメラの画角を決めた昼間には、そこまで予測できませんでした。 

奥を左右に通る林道からニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が草に覆われた緩斜面を降りて来ました。 
浅い水溜まりに口を付けて、泥水を飲み始めました。 
喉の乾きを癒やすと、イノシシは手前に向かって泥濘をゆっくり歩き始めました。 
ところが、監視カメラの存在に気づいたようで、慌てて左に走って逃げました。 
安物のトレイルカメラだと、夜に赤外線LEDがうっすらと赤く光って(可視光)しまうのです。 
トレイルカメラがかすかに発する電子音のノイズが耳障りなのかもしれません。 
イノシシは警戒心が非常に強く、なかなか泥浴び(ヌタ打ち)をしてくれません。 


シーン2:6/6・午前2:51(@0:40〜) 
10分後に、別個体らしいイノシシが水場に現れました。 
赤外線を反射して白く光るスギの枝葉が目障りで、肝心の暗所にいる被写体がよく見えなくなってしまうので、画面の右端を編集でカットしました。 

2頭目のイノシシは泥水溜りの対岸を左に歩き去り、泥水を飲んだり浴びたりすることはありませんでした。 
やや遠くて監視カメラの赤外線が届かず、はっきり見えないのですが、まるでカバのようなシルエットです。 


※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

後日に現場入りすると、画角の左外にホオノキの大木が立っていて、その手前の泥濘に蹄の跡がくっきりと残っていました。 
私はカモシカとイノシシの蹄跡をいまいち見分けられないのですが、トレイルカメラの記録と併せて考えると、イノシシが歩いた跡(フィールドサイン)だと分かりました。

2025/06/12

山中の水溜り上空を夜な夜な飛び回るコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬 

シーン0:5/24・午後12:40・晴れ(@0:00〜) 
たまたま明るい日中にフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林で水溜りを自動センサーカメラで見張っています。 
溜まっているのは浅い泥水ですが、湧き水のようで、辺りはちょっとした湿地帯になっています。 

水場にコウモリが夜な夜な飛来する様子をまとめてみました。 


シーン1:5/26・午後19:59(@0:04〜) 
風雨の悪天候をついて、コウモリが飛来しました。 
水溜りに着水する寸前で少しホバリング(停空飛翔)したようですが、飛びながら水を飲んだのでしょうか? 


シーン2:5/26・午後20:08(@0:15〜)
少なくとも2匹以上のコウモリが同時に飛び回っています。 
水溜まりの水面を掠めるように低空で飛んでいます。 
夜の湿地帯を飛び回る昆虫を捕食しているのかな? 
獲物となりそうな夜蛾やガガンボなども飛び回っています。 
それともコウモリは、水溜りの泥水を飲みに通っているのかな? 


シーン3:5/27・午後21:10(@1:15〜) 
翌日の晩にもコウモリが水溜りの周囲を低空で飛び回っていました。 
飛びながら一瞬だけ着水して飲水したようにも見えたのですが、水面に波紋が広がったかどうか、画質がイマイチではっきりしません。 


シーン4:5/27・午後19:59(@1:45〜) 
少し時間を遡りますが、フクロウStrix uralensis)が泥水溜りで行水しているときにも、その周囲をコウモリが飛び回ることがありました。 
フクロウに少し遠慮しているのか、コウモリは水溜まりに着水しなくなりました。 
フクロウがコウモリを狩ることもあるらしいのですが、水場周辺を飛び回るコウモリに対してフクロウは無反応・無関心です。 


コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:36〜) 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


2025/06/04

タヌキの新鮮な溜め糞から吸汁して飛び去る夜蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年5月下旬〜6月上旬

シーン0:5/24・午後12:03・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山の林道でホンドタヌキ♀♂が残した溜め糞場ltrを自動撮影カメラで監視中です。 
スギの落葉が敷き詰められた林道を挟んで、画面の手前(カメラの背後)がスギの植林地、画面の奥が雑木林になっています。 
基本的に画面の右から左に向かって登る山道なのですが、溜め糞場ltrのある区間は、ほぼ平坦な地形になっています。 

ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:5/26・午前7:52・晴れ(@0:04〜) 
朝から白毛のタヌキが溜め糞場ltrに来ていて、左向きで脱糞していました。 
便秘気味なのか、硬目の立派な固形糞を排泄しました。 
後半は健康そうな糞に変わりました。 

白毛タヌキ♀は振り返って自分の糞の匂いを嗅いでから、身震いし、そのまま画面の右下へ立ち去りました。 
おそらくスギ林に入って行ったようです。 


シーン2:5/27・午前8:01・くもり(@0:51〜) 
翌朝には珍しく♀♂ペアで登場しました。 
まず先行個体の♂が左奥を向いて脱糞中でした。 
後ろ姿の肛門がよく見え、大便の健康状態は良好そうです。 
尻尾が細く見えるのは、夏毛に換毛中だからでしょうか。 

やがて右から後続個体の白毛♀がやって来て合流しました。 
このペアは体格差があり、大柄な白毛の個体が♀だと推測しています。 
後続の白毛♀は溜め糞場ltrの匂いを嗅いでから、奥を向いて排便開始。 
やや軟便でした。 
林道の右を向いて気にしています。 

その間に先行個体♂が右下へ立ち去りました。 


シーン3:5/27・午後19:19・(@1:51〜) 
その日の晩に、タヌキが右向きで脱糞していました。 
消化の悪い物や腐りかけの物でも食べたのか、液状の下痢便を排泄しています。 
振り返って自分の糞の匂いを嗅ぐと、林道脇のミズナラ灌木の下に佇んで林道の左を凝視しています。 


シーン4:5/27・午後19:21・(@2:51〜)
これが今回一押しの興味深い動画です。 
排便直後の新鮮なタヌキの溜め糞に小さな昆虫が動いていました。 
やがて左にヒラヒラと飛び去ったのは、夜行性の蛾(種名不詳)でした。 
翅の鱗粉や複眼が暗視カメラの赤外線を反射していたようです。 
糞便臭に誘引された夜蛾が口吻を伸ばして下痢便からナトリウムやアンモニアなどのミネラル成分を摂取していたのでしょう。 

夜蛾がタヌキの溜め糞場ltrから飛び去るシーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ(@3:12〜)。 


シーン5:5/31・午後19:48(@3:33〜) 
4日後の晩にタヌキが左向きで脱糞中でした。 
排便中にキューン♪と甲高く寂しげに鳴きました。(@3:44〜) 
黒い糞の健康状態は良好なので、便秘による苦悶の声とは思えません。 
パートナーを呼ぶ鳴き声なのでしょうか。 
我々はどうしてもタヌキの鳴き声を「寂しげ」などと勝手に感情移入したり擬人化してしまいがちです。 
用を足したタヌキは、林道を右へ立ち去りながら、もう一度クゥーン♪と鳴きました。 


シーン6:6/2・午後16:02(@4:00〜) 
2日後の雨が激しく降る午後に、白毛のタヌキ♀が左向きで脱糞していました。 
白い毛皮が雨で濡れています。 
糞の健康状態は良好そうです。 
振り返って自分の新鮮な糞の匂いを嗅ぐと、手前のスギ林へと立ち去りました。


つづく→

2025/06/03

夜の山林で飛びながら水溜りに着水する謎の昆虫【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2024年5月下旬・午後21:20頃 

山林の中にある水溜りを自動撮影カメラで見張っていると、晩に夜行性の昆虫が飛来しました。 
低空で飛び回る昆虫が、水面にちょんちょんと着水したので驚きました。 
その虫は水溜りで溺れることはなく、そのまま飛び去りました。 
1.5倍に拡大した上で1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 
私の第一印象では、蛾の仲間(種名不詳)だと思いました。 

謎の着水行動について、仮説をいくつか検討してみました。
(1)風が吹いていたので、不慮の着水事故かもしれません。 


(2)飲水行動。
水を飲みに飛来したにしても、岸に着陸した状態でじっくり吸水(または泥からミネラル摂取)しないのは、捕食者対策なのかな? 


(3)水浴行動。 
長時間の飛翔でほてった体を水で冷やすための体温調節行動なのでしょうか? 
旧機種のトレイルカメラで撮ったので、気温の情報が取得できていません。 

私は以前、暑い夏の昼間にスキバホウジャクの仲間が飛びながら水路の水面に何度か着水するのを目撃しています。
証拠映像はないのですが、飛びながら水浴したのかと思いました。


(4)走光性による水難事故。 
水溜りの水面に月が写っていたとすると、夜蛾の走光性が撹乱された結果、誤って着水してしまった可能性があります。 
映像では水溜りに月の反射は写っていませんが、これはアングルの問題でしょうか。 

国立天文台の暦計算室のページで調べてみると、この日の月齢は19.0、山形県での月の出時刻は午後22:44でした。 
満月を過ぎたばかりの下弦に向かう月ですが、この時刻(午後21:20)に月はまだ昇っていないことが分かりました。 
したがって、仮説4は却下できます。 


(5)産卵行動。 
トンボのように飛びながら打水産卵したのかもしれません。 
しかし、トンボのヤゴのように水中(または泥の中)で育つ蛾の幼虫は知られていないそうです。 
仮説(5)についてPerplexity AIに相談したところ、蛾ではあり得ないがトビケラの仲間ならあり得るという意外な回答を得ました。 
トビケラの仲間には止水性の種類も知られていて、♀が夜に山林を飛びながらチョンチョンと着水・産卵することもあるそうです。 
私はトビケラに疎いので、この点の裏取り(ファクトチェック)ができていません。 
現場は一時的な水溜りではありません。 
山中に浅いながらも水溜りが一年中できていて、周囲にちょっとした湿地帯を形成しているので、おそらく湧き水が溜まる地形なのだろうと想像しています。 
しかし映像をもう一度見直すと、謎の昆虫は素早く羽ばたいていて、トビケラの飛翔のようには見えませんでした。 
素人目にはやっぱり蛾の仲間に見えます。 


(6)対捕食者の回避運動
夜行性の蛾の中には、コウモリに追われてロックオンされると、コウモリが発するエコロケーションの超音波を聞き取って飛び方を急激に変化させ、攻撃をかわす種類がいるそうです。
この水場でも、夜な夜なコウモリが飛び回っています。(映像公開予定)
つまり、この蛾はコウモリに襲われそうになり絶体絶命からの緊急避難の結果、うっかり着水してしまったのかもしれません。
しかし、今回の映像で前後にコウモリは写ってなかったので、この仮説は除外できそうです。


【追記】 
そもそも、今回トレイルカメラが何に反応して起動したのか不明です。
変温動物である昆虫がいくら飛び回っても、トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずだからです。
風揺れによる誤作動で夜蛾の飛翔シーンが偶然写っていただけかもしれません。
長時間飛び回る昆虫の体温が気温よりも高くなり、トレイルカメラのセンサーが正常に反応した可能性はあり得ます。

最近の私はPerplexity AIに夢中ですが、AIを盲信している訳ではありません。 
仮説4を検討する際に、当日の正確な月齢と月の出時刻をPerplexity AIに質問したところ、でたらめな回答(ハルシネーション)が何度も返ってきました。 
別のAIであるChatGPTでも同じ症状でした。 
ChatGPT said:
初めの回答で月の出時刻を誤って「21時15分ごろ」とした理由は、以下の通りです:

🔍 理由1:標準的な推定を基にした一般回答だった
初回の回答では、具体的な天文学的データ(=国立天文台の公式時刻表)を参照せず、
一般的な緯度(山形県)と月齢19.0の組み合わせから「おおよその月の出時刻」を推定しました。

このとき、誤って**満月直後の典型的な月の出時刻(21時台)**を適用してしまったことが原因です。

🔍 理由2:月の出は毎日約50分遅れるという法則を過度に単純化
月は毎日およそ45〜55分程度遅れて出てくるという性質があります。

満月の翌日はだいたい「21時台」に出ると記憶されがちですが、
2024年5月27日のように月齢19.0のタイミングでは、そのズレが大きくなって「22時台」になることも多いです。

🔍 理由3:正確なデータの確認を怠った
本来、天文現象の正確な時刻は「国立天文台の暦計算室」などの公式な観測・計算データを確認すべきです。
今回はそれを即座に参照せず、おおよその経験則で答えたことが、誤りの主因です。

✅ まとめ
誤回答は、推定的な知識に基づく初期回答で、具体的な公式データに基づいていなかったために生じました。
あなたが正確な情報源(国立天文台)を示してくださったことで、正しい月の出時刻(22:44)を確認できました。ありがとうございます。
今のAIチャットは天文学的に正確な計算をしている訳ではなく、ウェブ上の文字情報を元にして推論や経験則も混じっているために、酷い誤答してしまうことがあり、利用する際には注意が必要です。 
国立天文台の公式サイトにある表データをAIが正しく読み取れないのは、深刻な問題(怠慢)です。 
その時刻に月が出ているか否かという点がきわめて重要なのに、事実とは逆のことをAIに自信満々で言われると、着水行動を正しく解釈できなくなってしまいます。

2025/05/23

川の水に浸した餌を食べるハシブトガラス(野鳥)

 

2024年5月中旬・午後12:00頃・くもり 

石がごろごろした河原の岸で、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が水を飲んでいました。 
石の隙間や水面から何か餌を摘み上げて食べ始めました。 
その合間にも、川の水で繰り返し喉を潤しています。 
やがて、喉袋(素嚢)が膨らんできました。(初めは膨らんでいなかった。) 
もしかすると、固くなったパンなどの餌を持ってきて川の水に浸し、食べやすくしていたのかもしれません。 
カラスが餌を持参したシーンを私は見ていませんから、水際で見つけた餌を食べただけかもしれません。

やがてハシブトガラスは身震いして水気を切ってから、下流へ飛び去りました。 
最後に飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:48〜) 
カラスは喉袋に貯めた餌を飛び立つ前に飲み込んでいて、喉袋の膨らみが無くなっていました。 
つまり、巣で待つパートナーや雛鳥に給餌するための採食行動ではありませんでした。 
今回は水浴行動を見ていません。 

カラスの親鳥が水でふやかした餌を喉袋に詰めて巣に持ち帰り、雛に給餌したら、間接的に給水した(水分を与えた)ことになります。 
それなら非常に興味深い行動だと思ったのですが、私の先走り(早とちり)でした。 @Perplexity AI

喉袋(素嚢)という用語については、ChatGPTに色々と教えてもらいました。
Wikipediaには素嚢(crop)と別にペリカンやウなどにある喉袋(gular pouch)が立項されています。
しかし解剖学的に別物であり、カラスに対してgular pouchを使うのは適切ではないのだそうです。

2025/05/17

羽ばたきを続けながら草を舐めるビロウドツリアブ♀【ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の麓の入山口付近で、ビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が低く飛び回っていました。 
緑の草の葉(イネ科:種名不詳)の表面を口吻で舐めています。 
朝露の残りを吸水しているのかと思ったのですが、日向に生えた草は乾いて見えます。 
草を舐めている間も猛烈な勢いで羽ばたき続けているのですが、 足で草に止まっている(着地)ので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。 
カロリーの浪費だと思うのですけど、アイドリング運転のように、いつでも即座に飛び立てるようにしているのでしょう。 

少し飛んで移動し、あちこち味見して回ります。 
 同一個体を追いかけたら、次は水溜りの中に浸った枯れ草を延々と舐め始めました。 
動画を公開する順番と逆になりましたが、初めからビロウドツリアブ♀は枯れ草を選んでいた訳ではないことを記録しておきます。 



2025/03/27

吸水(ミネラル摂取)後にホバリングしながら空中で排泄するビロウドツリアブ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年4月中旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の麓でビロウドツリアブ♀(=ビロードツリアブ;Bombylius major)が低く飛び回っていました。 
入山口付近で沢の水が流れ出るわだちの泥濘の上をホバリングしながら低く飛び、濡れた枯草や草の根などあちこちに着地しては口吻で味見しています。 
やがて気に入った場所が見つかると、1箇所に留まって吸水を始めました。 

地面に倒伏した枯草に止まり、濡れた表面を口吻の先で舐めています。 
口吻の先端が枯草から外れると、再び探り当てようとするので、ビロウドツリアブ♀が自発的に舐めている行動で間違いありません。
吸水およびミネラル摂取の行動と思われますが、水たまりの泥を直接舐めないのはなぜでしょうか? 
枯草の繊維が毛細管現象で泥水を吸い上げてくれ、濾過した水を飲めるのかもしれません。 
ビロウドツリアブ♀は大量の水を飲んでいるはずですが、吸水中に余分な水分を腹端から排泄(排尿)することは一度もありませんでした。 

ビロウドツリアブの口吻は黒くて細長い(真っ直ぐ)のですが、その先端部をよく観察すると、左右二股の先割れ状態になっていることに気づきました。
吸水しながら、この口吻先端部を頻りに開閉しています。 (I⇔Y⇔T) 
こんな口吻の動きを他の昆虫で見たことが一度もありません。

チョウ類の場合は、泥などを舐めている(mud-puddling)のは主に♂です。 
性成熟に必要なミネラル成分(ナトリウム塩やアンモニア塩など)を摂取していると考えられてます。 
しかし、今回のビロウドツリアブは、左右の複眼が離れている♀でした。 

蛭川憲男『水場に集まる生きものたち: 里山から高原、山地の自然』という本には、吸水するビロードツリアブの写真は掲載されていませんでした。 
しかし、長野市松代町の水場で1994年〜2004年に観察された計72種類の虫をまとめた中に、ビロードツリアブが含まれていました。(p21「表2:水場へ集まったチョウ類以外の生きもの」) 

インターネットで検索すると、ビロウドツリアブの吸水行動を写真に撮ったブログがいくつかヒットしました。 
関連記事()▶  
ビロウドツリアブ♂吸水20200319 @KONASUKEの部屋 
ビロードツリアブの吸水行動 @居眠り蛸の自然観察 

しかし、ビロウドツリアブの性別を♀と見分けた上で記述している例や、口吻の先端部が開閉していることを記述したブログは見つかりませんでした。 

ビロウドツリアブ♀は吸水中も休むことなく高速で羽ばたき続けていますが、枯草に足を掛けているので、ホバリングではありません。 
240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみても(@2:22〜)、ビロウドツリアブ♀の羽ばたきが高速過ぎて、ほとんど止まって見えます。 
これはストロボ効果と呼ばれる現象です。 
ビロウドツリアブは同じ枯草にしがみついたまま、ゆっくり向きを変えながら吸水しています。 
おかげで私が動かなくても、色んな角度から吸水シーンを撮影することが出来ました。 

ときどき別種のハナアブやハエ?など他の昆虫が飛来して、吸水するビロウドツリアブ♀に興味を示し、ニアミスすることがありました。(@17:26〜、@25:30〜) 
しかし、ビロウドツリアブ♀はほぼ無反応で、一心不乱に吸水を続けています。

長々と吸水してからようやく満足したのか、ビロウドツリアブが飛び立ちました。 
後脚だけ後ろ向きで、残りの4本脚は前方に揃えて飛んでいます。 
離陸直後に、ホバリング(停空飛翔)しながら空中で脱糞しました! 
黄色く濁った液体を1滴ポトリと排泄しました。 
ビロウドツリアブの体と比べると、結構大きな水滴でした。 
執念の長撮りが報われた瞬間です。 

その後は低空ホバリングで高度を保ちながら、段階的に方向転換して(ヨー回転)周囲を見回しています。 
ところが、ビロウドツリアブ♀は先ほどと全く同じ枯草に止まり直して、羽ばたきを止めずに吸水を再開しました。 
よっぽど、この枯草のミネラル含有量が多くて気に入ったのでしょう。 

素人目には羽ばたくカロリー消費がおそろしく無駄だと思うのですが、不安定な足場で体勢を保つには、羽ばたき続けないといけないのでしょう。 
天敵(捕食者)に襲撃されそうになったら直ちに飛んで逃げられるように、準備運動(アイドリングの羽ばたき)を怠らないようにしているのかもしれません。 
もうひとつ別の解釈を思いつきました。 
高速羽ばたきによる下向きの強風(ダウンウォッシュ、downwash)で濡れた枯草からの蒸発を促進し、毛細管現象による泥水の吸い上げを促進していたのかもしれません。 

ビロウドツリアブの吸水行動を初めて観察できて、感動しました。
ハイスピード動画のパートが第三者(視聴者)にはいくらなんでも長過ぎるかもしれません。
思い入れが強い私は、いくらでも見てられます。
編集でカットするのが忍びなくて、そのままお届けします。
愚直に長撮りしたおかげで、吸水後に排泄する決定的瞬間も記録することが出来ました。


2024/12/25

水溜りの泥を舐めてミネラル摂取するツバメシジミ♂

 

2023年9月中旬・午後15:30頃・晴れ

田園地帯の農道に水溜まりができていました。 
その岸にツバメシジミ♂(Everes argiades hellotia)が止まって、乾きかけた泥を舐めていました。 
ツバメシジミの吸水行動は初見です。 
しかし近くにいたキタキチョウ♂の集団吸水の撮影に集中していた私はツバメシジミ♂に気付くのが遅れてしまい、ズームインしたときには口吻を伸ばしていませんでした。 
飛び去る直前に腹端を下げて接地させたのは、排尿行動ですかね? 
地上では翅をしっかり閉じているので、性別不明でした。 
飛び立つ羽ばたきを1/5倍速のスローモーションでリプレイすると、翅表が紫青だったので♂と判明。

2024/11/06

ニホンアナグマの越冬用営巣地で新雪を舐める初冬のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月下旬・午後17:00頃・気温-3℃(日の入り時刻は午後16:26) 

とっぷり日が暮れて真っ暗になった晩に、♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)に現れました。 
大雪が積もった落葉二次林の林床を2頭が前後して右奥へ向かっています。 

後続個体が居る場所がちょうどアナグマの巣口Rの辺りなので、解釈が悩ましいです。 
左から深雪をかき分けながらやって来たタヌキのペアがセットを横断している途中でトレイルカメラが遅ればせながら起動したのか、それとも巣穴Rから外に出てきた直後のようにも見えます。 
後者だとすると、アナグマとタヌキが同じ巣穴で越冬していることになります。 (同じ穴のむじな

後続個体が巣口Rに座って待っている間に、舌でペロペロと雪面を舐めていました。 
新雪をむしゃむしゃと食べるのではなく、ぺろぺろと舐めています。 
冬になると、雪国の野生動物は喉の乾きを癒やす飲み水には困らなくなります。 
タヌキの雪舐め行動がよく見えるように、まずは1.5倍に拡大した映像をご覧ください。 
その後にオリジナルの映像をリプレイ(@1:00〜)。 




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2024/11/05

雪山でスギの枝葉に積もった雪を味見するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬〜下旬 

シーン0:12/14・午後14:08(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
スギの木の下(画面の左下)にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動撮影カメラで見張っています。 
場所は里山にあるスギ植林地の上端部で、斜面を下から上に見上げるアングルなので、奥には落葉性広葉樹も見えます。 
右には渓谷(沢)が流れています。 


シーン1:12/17・午後13:38(@0:04〜) 
暖冬でしたが、この日から雪が本格的に降り始めました。 
スギ林床も薄っすらと雪化粧しました。 


シーン2:12/19・午後12:00(@0:08〜) 
新雪が積もった林床を手前から歩いて来たカモシカが、溜め糞場sr1を素通りして右上奥の画角外に消えました。 
谷の方へ向かったのかと思いきや、しばらくすると右奥から画角内に戻って来ました。 
渡河地点を探して谷の左岸を上流へ向かって移動しているのかもしれません。 

スギ林に大雪が降っても常緑の枝葉にかなり積もるので、林床(地面)の積雪量は大したことありません。 
スギ樹上の冠雪は少しずつ落雪するのです。 
雪山でもスギ林の中は歩きやすいのですが、外に出ると一気に深雪となり、カモシカも一歩ずつ苦労して深雪をかき分けながら進まないといけないようです。(ラッセル) 


シーン3:12/21・午後16:39(@0:29〜)日の入り時刻は午後16:26。 
日没直後なのに、積雪があると雪明りでまだ明るいです。 
右の谷から来たカモシカが立ち止まり、目の前に垂れ下がったスギの枝葉に積もった雪を食べていました。 
直後にもぐもぐ咀嚼しましたが、まさかスギの葉(常緑)を採食したのでしょうか?
よほど飢えていないとスギの葉なんか食べないはずです。 

その後は溜め糞場sr1を素通りして、監視カメラに向かって一直線に歩いて来ました。 
角が細いので、若い個体のようです。 
死角に消えてからゴシゴシと物音がしたので、カメラを固定してあるスギの幹に眼下腺を擦り付けてマーキングしたかもしれません。 


シーン4:12/24・午後17:59(@0:59〜) 
3日後の真っ暗な晩に、カモシカが深雪をラッセルしながら雪山を右から左へ横切ると、スギの背後を通って左へ立ち去りました。 


シーン5:12/24・午後18:36(@1:16〜) 
約35分後に、同一個体と思われるカモシカが左から引き返してきたようです。 
スギの背後を通って右へ(谷へ)向かっています。 


シーン6:12/24・午後18:39(@1:31〜) 
4分後にカモシカが雪山の斜面を下ってきました。 
トレイルカメラに気づいたようで、ちょっとフリーズしてから、左下へ歩き去りました。 
溜め糞場sr1で排便するつもりだったのに、警戒して止めたのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
せっかく溜め糞場sr1にトレイルカメラを設置したのに、この辺りを縄張りとしてうろつくカモシカが排便してくれなくなりました。 
どこか別な場所に新たな溜め糞場を設けたのでしょうか? 
この動画に何頭のカモシカが登場したのか、しっかり個体識別できていません。 




2024/10/30

根雪が降る前の初冬にも山中の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午前0:30頃 

里山で湧き水が溜まった泉の左岸を自動撮影カメラで見張っています。 
深夜に1匹のコウモリが右から低空で飛来し、左の崖に衝突しないように急旋回して引き返しました。 
水面に同心円の波紋が広がったことから、一瞬だけ着水したことが分かります。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 動画の後半は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この時期に虫はもう活動してないはずなので、狩りの可能性は無いでしょう。 
コウモリは飛びながら水面に口を付けて一瞬で池の水を飲んだと思われます。 
水浴の可能性を捨てきれないのですが、旧機種のトレイルカメラで撮った動画はフレームレートが15fpsしかないので、スロー再生しても素早い動きがぼやけてしまって、解明できません。

寒くなって水場に飛来するコウモリの数が激減したものの、雪国のコウモリが初冬のこんな遅い時期まで元気に活動しているとは知りませんでした。
暖冬の影響でしょうか。
この池でコウモリが撮れたのは、この日が最後でした。(根雪が積もる約1週間前)
春になるまで、どこか安全な塒で冬眠するのでしょう。



つづく→? 


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2024/10/12

初冬の水場で水を飲むホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月上旬・午前4:10頃 

里山で湧き水が溜まった浅い泉を自動撮影カメラで見張っていると、未明にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で現れました。 
動画の冒頭から冷たい池の中に足を漬けて水を飲んでいました。 
水面をちょっと舐めただけで左岸に上陸し、左上に斜面を登って行きました。 

水浴するにはさすがに寒すぎるのでしょう。 
イタチのように池畔で冬眠中のカエルを狩るかな?と期待したものの、タヌキは水を少し飲んだだけで立ち去りました。 


2024/09/29

秋が深まっても山中の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/20・午後14:52・雨(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の湧き水が貯まる池に周囲の雑木林から落ち葉が降り積もり、浅くなっています。 
泉の水は画面の左下から右上に向かって流れ、その先では斜面を下って沢の源流となります。 
雨が降っていて、水面に波紋が広がります。 


シーン1:11/21・午後18:23(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:27。 
ある晴れた晩に、コウモリの仲間が飛来しました。 
晩秋でも山のコウモリは未だ冬眠していませんでした。 

水場の上空を低く旋回して飛び去る間際に一瞬だけ着水しました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:16〜)、水面の2箇所から連続して波紋が広がりました。
旧機種のトレイルカメラで撮れた動画は、フレームレートが15fpsしかないので、野生動物の行動が素早いと、スローモーションにしても何をしているのかしっかり捉えることができません。 
コウモリが飛びながら一瞬で水を飲んでいるのか、それとも水浴しているのか、という問題を長年解決できないでいます。 
晩秋の夜は気温も下がって肌寒いはずですから、コウモリがわざわざ冷水で水浴・冷却するだろうか?という疑問が生じます。 
同じ恒温動物の鳥は真冬でも水浴しますから、寒さは問題ないのかもしれません。
旧機種のトレイルカメラでは、動画撮影時に気温のデータが取得できないのが残念です。 


シーン2:11/26・午後20:39(@0:38〜) 
5日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
池の岸辺には、前日に降った初雪がまだ残っています。 
監視カメラの電池が消耗していて、わずか5秒間の映像しか撮れていませんでしたが、水場で飛び回るコウモリがしっかり写っています。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

初雪が降る前後にもコウモリが冬眠せずに活動しているとは意外でした。 
ただし、水場に飛来する頻度はかなり減りました。
獲物となる虫がまだ活動しているのでしょうか? 
コウモリが冬尺蛾を狩っているとしたら、面白い話です。 

2024/09/19

山中の泉で水を飲むツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン1:11/19・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山で湧き水が溜まった水場にやって来る野生動物を自動撮影カメラで監視しています。 
晩秋には周囲の雑木林から降り積もった落ち葉が池に溜まり、浅くなっています。 
画面の左下から湧き水が池に流入し、右上に向かって流れて、沢の源流となります。


シーン2:11/23・午後21:10頃(@0:03〜) 
真っ黒なツキノワグマUrsus thibetanus)が奥の岸辺で水面に口を付けて水を飲んでいました。 
前足を浅い池の中に入れています。 
カメラの起動が遅れたようで、すぐに水場を離れて獣道へ立ち去ってしまいました。 
熊は未だ冬眠していないことが分かります。 


関連記事(1、2年前の撮影)▶  


つづく→

2024/08/08

沢の岸で水を飲むキイロスズメバチ♀

 

2023年9月中旬・午後13:50頃・晴れ 

里山の斜面を下ってきた沢が川に合流する手前の地点でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が吸水していました。 
渓流の岸に堆積した湿った砂礫の上で口吻を伸ばして水を飲みながら、半開きの翅を細かく震わせています。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


関連記事(4、8、9、14、15年前の撮影)▶  


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2024/06/20

汗腺がないコウモリは体温冷却のために飛びながら水浴するのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬 

山中で湧き水の溜まった浅い泉に夜な夜な飛来するコウモリの群れを自動センサーカメラで記録しています。 
水場に訪れて水を飲んだり水浴したりする野生動物や野鳥を撮影する目的でトレイルカメラを設置してみると、最も頻繁に写るのはコウモリでした。 


シーン0:8/5・午後14:35(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
湧き水が溜まった浅い池から画面の奥に向かって水が流れ出て、沢の源流になっています。 


シーン1:8/5・午後19:19〜23:53(@0:04〜)日の入り時刻は午後18:48 
日没後に暗くなると、水場にコウモリがやって来ます。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、着水後に急旋回して飛び去るコウモリが空中から何かを捨てていました。(@6:09〜) 
これは排泄行動なのか、それとも池で何かを捕獲したら獲物ではないと悟って捨てたのでしょうか? 
濡れた体から水滴が落ちただけのようには見えません。 


シーン2:8/6・午前0:11〜3:40(@6:27〜)日の出時刻は午前4:43 
深夜に日付が変わっても夜が明けるまでコウモリは次々と池に飛来します。 

少数の個体が繰り返し飛来しているのか、それとも多数の個体が1回ずつ飛来しているのか、知りたいのですが、どうやったら突き止められるでしょう? 
(素人が許可なくコウモリを捕獲するのは禁じられています。)

着水後に急旋回して飛び去るコウモリが足に何かを掴んでいるように見えたときがあります。(@6:55〜) 
私の気のせい(願望からの幻覚)ですかね? 
動画のフレームレートが15fpsと低いので、スロー再生しても動きがカクカクしていてはっきりしません。 

珍しく着水シーンを横から撮れたシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@8:55〜) 


シーン3:8/6・午後21:05〜22:33(@9:56〜)日の入り時刻は午後18:46 
2頭(以上)のコウモリが同時に飛来することもあります。 


【考察】 
低空で水面スレスレに飛びながらコウモリが何をしているのか、という問題がなかなか解決しません。 

まず、池で捕食している可能性はどうでしょうか? 
海外にはウオクイコウモリという種類がいるのですけど、淡水のこの池は小さくて浅いので、獲物となる魚は居ません。(居るのはオタマジャクシやサンショウウオぐらいです。) 
池の上を飛んでいる昆虫やアメンボなどの水生昆虫を水面で狩っている可能性も考えましたが、スロー再生すると違うようです。 
狩りなら毎回違う場所に着水するはずですが、コウモリの着水地点は大体決まっているようです。 
この池は三方(画面の背後および左右)が崖に囲まれているため、飛来したコウモリは崖に衝突しないように急旋回しながら飛び回る必要があります。 
地形要因から飛行ルートが限られ、着水できる地点も限定されるのでしょう。 

次に、水を飲んでいるか、水浴しているのか、どちらでしょう? 
フレームレートの高い高画質の暗視動画が撮れる最新機種のトレイルカメラを導入するまで、謎解きはお預けです。 
プロの動物写真家なら多灯ストロボと赤外線センサーを池畔に設置して、着水の決定的瞬間を写真で切り取ろうとするでしょう。 
動画派の私としては、なんとか動画で記録したいのです。 


大井徹『獣たちの森』という本を最近たまたま読んでいたら、コウモリの解剖生理学について興味深い事実を知りました。
汗腺は老廃物の排出とともに体温調整の機能を持つ。人は全身に汗腺を持つが、食虫類、げっ歯類、食肉類の一部では足と肛門付近にのみある。鯨類といくつかのコウモリ、げっ歯類にはない。(p58より引用)
コウモリが発汗しないとすると、飛翔時に体温の急上昇を抑えるために、定期的に体毛を濡らす必要があるのかもしれません。 
つまり、飛びながら水浴を繰り返し、気化熱を利用して体温を冷やしているのかもしれません。 
さっそく文献検索で斜め読みしてみると、コウモリの翼は飛行時の空冷だけで体温が充分に低いらしく、胴体しか冷やす必要がないのだそうです。 

・Luo, J., Greif, S., Ye, H. et al. Flight rapidly modulates body temperature in freely behaving bats. Anim Biotelemetry 9, 45 (2021). https://doi.org/10.1186/s40317-021-00268-6
・RUMMEL, Andrea D.; SWARTZ, Sharon M.; MARSH, Richard L. Warm bodies, cool wings: regional heterothermy in flying bats. Biology Letters, 2019, 15.9: 20190530.

しかし、「体温調節仮説」にも問題があります。 
雨の日や霧の日には体を濡らす必要がないはずなのに、コウモリは晴れの日と変わらず池に飛来するのはなぜ?という疑問が残ります。 


毎回水面に波紋が広がることから、私はてっきりコウモリが飛びながら意図的に一瞬だけ着水しているのだと長らく信じていました。 
しかし、必ずしもそうとは言い切れないことに最近気づきました。 
側溝を流れる水面スレスレに飛ぶミツバチをハイスピード動画で撮影したところ、着水しなくても激しい羽ばたきの勢いで直下の水面が押し下げられ波紋を生じることが分かったのです。 



コウモリの飛翔シーンをハイスピード動画で撮ってみたいのはやまやまなのですけど、それには強力な赤外線投光器が必要です。

2024/06/15

集団吸水しながら排尿するキタキチョウ♂

 

2023年9月中旬・午後15:30頃・晴れ 

田園地帯の砂利が敷かれた農道の水溜まり付近に4頭のキタキチョウ♂(Eurema mandarina)が集まって吸水していました。 
キタキチョウの飲水シーンは初見です。 
砂利道で半乾きの泥から水を飲んでいました。 
体は静止していても、伸ばした口吻をしなやかに動かしてあちこちの地面を探っています。
着陸時はいつも翅をしっかり閉じているので、横風が吹くと翅が煽られてしまいます。 
地面のあちこちで味見をしてはすぐに飛び立ち、忙しなく移動しながら泥水を啜っています。
なかなかじっくり撮影させてもらえません。

吸水シーンの後ろ姿も何気なく撮っていたら、閉じた翅で隠された腹端から透明な液体をポタリと排泄していました。 
シロチョウ科で排泄シーンを観察できたのは初めてです。 
腹端から透明なおしっこを放出した瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:25〜2:47) 
真横から撮った動画には残念ながら排尿シーンが写ってませんでした。 
セセリチョウ科のような吸い戻し行動ではなく、むしろアゲハチョウ科の吸水・排尿に近いです。 
泥に含まれる微量なミネラル成分を必要なだけ摂取するためには大量の水を飲む必要があり、余分な水分をどんどん排泄しているのでしょう。 
大量に飲んだ水で体を冷やす効果もありそうです。(水冷式冷却) 

私にはキタキチョウの性別を形態的に見分けられませんが、吸水という行動から全て♂としておきます。
(キタキチョウの)♂は湿った場所や川原などで好んで吸水し、時に集団も見られ、獣糞にも集まる。(フィールドガイド『日本のチョウ』p75より引用)
吸水後に飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:57〜) 、羽ばたいた際にちらっと見えた翅表の黒斑から、夏型♂と判明。 

もっと多数のキタキチョウ♂が集結して群れになる集団吸水シーンを期待したのですが、今回は2頭が並んだのが最大で、あとは別々に離れて吸水していました。 
ここの泥に含まれるミネラル成分が薄いのでしょうか。 

なぜ集団吸水する蝶の群れが形成されるのでしょうか? 
先客がいれば、ミネラル成分の濃度が高い地点を探してあちこち味見する手間が省けます。 
群れになることで捕食者に襲われる確率が下がりますし、周囲を警戒する目も増えます。 
キタキチョウの標本や黄色の紙片を水溜まり周辺に置いておくだけでキタキチョウが集まるかどうか、いつか実験してみたいものです。 


※ 編集ミスで動画の一部を消音してしまいました。 


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