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2025/10/29

真夏の水溜りで一緒に水を飲むニホンカモシカの母子【トレイルカメラ】

 



2024年8月上旬〜中旬 

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
シーン0:8/1・午後12:23・晴れ・気温33℃(@0:03〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
点在する水溜りS、Nに来る生き物を2台の自動撮影カメラでそれぞれ監視しています。 
この期間に登場したニホンカモシカCapricornis crispus)の母子をまとめてみました。 


シーン1:8/2・午前10:23・晴れ(天気雨)・気温27℃(@0:07〜)
水溜まりSの左端でカモシカの母子が仲良く並んで水を飲んでいました。 
奥にいる個体が幼獣で、手前が母親♀です。 

水を飲み終えると、左の死角に立ち去りました。 
カメラの画角をもっと左にずらして設置すべきでしたね。 
晴れていても小雨がぱらついているようで、水溜りの水面に波紋がポツポツと広がります。 


シーン2:8/19・午前11:09・晴れ・気温28℃(@0:24〜) 
17日後にも子連れのカモシカ♀が水場に現れました。 
真夏の日差しが強いせいで、木漏れ日と木陰のコントラストが大きいです。 
連日の日照りで泥水溜りSがかなり干上がり、小さくなっています。 

今回もカモシカの母子が岸辺に仲良く横に並んで、泥水を飲んでいました。 
途中から警戒を解いたのか、もう少し画角の右に来てくれました。 
上空を飛ぶヘリコプターの騒音を気にしながら、水場にしばらく佇んでいます。 
苦労して泥濘を右に横切りました。 

湿地帯の泥濘からひょろひょろと生えた細い灌木(樹種不明)の葉裏の匂いをカモシカ♀が嗅ぎ、顔の眼下腺を擦り付けました。(@1:34〜) 
 角がまだ生えていない当歳仔の幼獣は、同じ枝先の匂いを嗅いだものの、自らは眼下腺マーキングをしませんでした。 

カモシカ母子はカメラのすぐ前を通って、右へ立ち去りました。 
後に現場検証すると、泥濘に深く潜ったカモシカ母子の蹄跡がくっきり残されていました。 


シーン3:8/19・午前11:13・晴れ・気温28℃(@2:11〜) 
2分後に、同一個体のカモシカ幼獣が、少し離れた水溜りNにも水を飲みに来ていました。 
こっちの水溜りNでの飲水シーンは初見です。 
当歳仔のカモシカが水溜りNの深みに足を踏み入れると、メタンガスの泡がブクブクと立ち昇ります。
カモシカ幼獣は右前脚で水底の泥を激しく掻きました。 (@2:22〜)
ただの幼児らしい水遊びなのか、それとも水溜りの底を深く掘っているのかな? 
泥で濁った水を平気で飲んでいます。 

やがて身を翻して左に走り去りました。 
先行する母親♀からはぐれないように、慌てて追いかけて行ったのでしょう。 


※ 水音や泥濘を歩く音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

2025/10/28

山中の水溜りで水を飲むフクロウと飛び回るコウモリ:8月上旬【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年8月上旬

シーン0:8/1・午前11:47・晴れ・気温35℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出して浅い水溜りになっています。 
水溜りSに来る生き物を無人センサーカメラで監視しています。 

この期間に登場したフクロウStrix uralensis)とコウモリをまとめてみました。 

シーン1:8/4・午後19:26・気温26℃(@0:03〜) 
ある晩にフクロウが水溜まりSの対岸近くに左向きで入水していました。 
監視カメラの存在も含めて、周囲の様子を警戒しているようです。 
ようやく水をちびちびと飲み始めました。 

水場に黒いコウモリが低空で飛来すると、フクロウが見上げました。 
やがてフクロウは対岸に跳んで上陸しました。 
その後もコウモリが飛来したものの、水溜りSに着水することはありませんでした。 
フクロウが飛び立つまで見届けられませんでした。 

コウモリの飛翔シーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:04〜) 


シーン2:8/1・午後12:23・くもり・気温33℃(@2:31〜) 
別のトレイルカメラで見張っている、もう一つの水溜りNの昼間の様子です。 


シーン3:8/10・午後21:59・気温23℃(@2:35〜) 
晩にコウモリが監視カメラの近くから飛び去る姿がちらっと写っていました。 


シーン4:8/19・午前11:36・晴れ・気温33℃(@2:48〜) 
暑い日が続くと、水溜りNは少し干上がってきました。 


つづく→

2025/10/23

夜の水溜りで水を飲むニホンザル♀【トレイルカメラ:暗視映像】



前回の記事:▶ 山中の湿地帯や林道を横切るニホンザルの群れ【トレイルカメラ】 

2024年8月上旬・午後19:10頃・気温25℃ 

すっかり暗くなった晩に、山中の湿地帯にある水溜りSにニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)がやって来ました。 
 
初めは振り返ってカメラ目線でしたが、すぐに警戒を解くと、水面に口をつけて水を飲み始めました。 
日没後(夜)にニホンザルの活動を観察できたのは珍しいですし、水を飲む行動は初見です。 

喉の渇きを癒やすと、振り返ってホオノキ樹上を見上げてから、此岸を左へ立ち去りました。 
心なしか頬袋が膨らんでいるようなので、餌を詰め込んでいるのかもしれません。(※考察参照)
このとき胸に乳首が見えたので、♀のようです。 
この近くの樹上に塒入りしたはずですが、群れの仲間はどこにいるのでしょうか。 
ニホンザルの習性からして、♀が離れザルとして単独行動するとは考えにくいです。 


【考察】 
ニホンザルが頬袋に食べ物を詰め込むことは有名です。
水を飲む際に水を頬袋に入れて持ち運ぶことはあるのでしょうか?

Perplexity AIの回答がこちらです。

ニホンザルは頬袋を使って水を貯めたり運んだりすることはありません。頬袋は「食物を一時的に貯蔵して安全な場所でゆっくり食べる」ための構造であり、液体を蓄える機能は持っていません。elephanttalk+1

頬袋の内部は口腔とつながっており、乾いた固形物を入れることを前提にした構造のため、水のような液体を入れるとすぐに漏れ出します。実際、ニホンザルは水を飲む際には頬袋を使わず、すくう・なめる・直接吸うなどの方法で飲みます。頬袋に水をためて運ぶという行動は、観察報告も実験例も知られていません。parks+1

なお、類似行動としては、ハムスター属などの一部げっ歯類が頬袋を空気でふくらませて浮力の補助に使う例が知られていますが、霊長類でそのような機能を持つ種は確認されていません。wikipedia+1


つづく→

2025/10/16

幼獣を連れて水場に来たニホンカモシカ♀が飲み食いし、眼下腺でマーキング【トレイルカメラ】

 



2024年7月下旬・午前10:20頃・晴れ・気温27℃ 

里山の湧き水が溜まった湿地帯にニホンカモシカCapricornis crispus)の母子が昼間からやって来ました。 
まず初めに、右下から成獣(後に♀と判明)が登場。 
泥濘から生えた幼木(樹種不明)の枝葉に顔を擦り付けて眼下腺マーキングしていました。 

顔を下げると、水溜まりに口を付けて飲み始めました。 
股間を見ても外性器が不明です。 
水を飲みながら胴体の皮膚をときどきピクピク動かしているのは、吸血性昆虫が体に止まらないよう追い払っているのでしょう。 
我々ヒトには真似できない芸当です。 
短い尻尾もたまに振っています。 

一度顔を上げて周囲を警戒してから、再び水を飲みます。 
やがて水溜まりをジャブジャブと左奥へ横断し、少し奥の水溜まりからも飲みました。 
よほど喉が渇いていたようです。 


監視カメラが続けて起動すると、手前の死角に別個体bのカモシカも来ていました。 
おそらく母親♀について歩く幼獣なのでしょう。 

水場で喉の乾きを癒やした母親♀は、左岸の泥濘に生えた植物の葉裏の匂いを嗅ぎ、眼下腺マーキングしてから、葉を数枚食べました。 
映像ではなんとなくイタドリかな?と思ったのですけど、現場でしっかり同定するのを忘れました。 
母カモシカはそのまま左に立ち去りました。 

その後も手前の死角から鼻息や物音がゴソゴソ聞こえます。 
カモシカ幼獣bの姿が再び画面の下端にちらっと写りました。 
その辺りをキイロスズメバチのような昆虫が飛び回っているのは、もしかすると吸血性のアカウシアブTabanus chrysurus)かもしれません。 


※ 水を飲んだり泥濘を歩く音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


山中の水たまりで水を飲み獲物を探し回るアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年7月下旬・午前9:34・晴れ・気温27℃ 

山中にある湿地帯を無人センサーカメラで見張っていると、アオゲラ♀(Picus awokera awokera)が登場しました。 
横顔に赤い顎線がないことから♀と分かります。 
水溜りSの此岸で頭を上げ下げして泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿なのは残念。 
ホッピングで岸辺の泥濘を移動し、少し飛んで対岸に渡りました。
対岸の落枝をつついたりして、獲物となる虫を探しているようです。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:01〜) 

キツツキの一種なのに、樹上から降りてきて湿地で獲物を探しているのが少し意外でした。 
wikipediaでアオゲラの食性を調べると、
食性は動物食傾向の強い雑食で、主に幹や枝で昆虫を採食するが、果実も食べる。樹上でも地表でも採食を行い、地上でアリも採餌する。

つづく→

2025/10/10

山中の水溜りで泥浴びするニホンイノシシ♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月下旬

シーン0:7/16・午前11:45・晴れ・気温32℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の状況です。 
山林で湧き水が滲み出した湿地帯の水溜りを無人センサーカメラで見張っています。 


シーン1:7/21・午後21:57・気温24℃(@0:03〜) 
晩にニホンイノシシ♂(Sus scrofa leucomystax)が右手前から単独で水場にやって来ました。 

口元に牙がしっかり見えて、股間に睾丸があるので、♂のようで
す。 
腹面に発達した乳房や乳首は見えません。 

水溜りSに入ると、イノシシは少し水を飲んだようです。 
次は鼻面で水底の泥を深く掘り始めました。 
浅い水溜りの水深を深くしてから身を沈めました。 
腹までしか水に浸らないものの、気持ち良さそうです。 
イノシシのヌタ打ち(泥浴び)というと、泥の中に転げ回って(のたうち回って)全身泥まみれになるというイメージでしたが、実際は違いますね。 


シーン2:7/21・午後22:00(@2:04〜) 
やがてイノシシ♂は水溜りから立ち上がって身震いしました。 
泥水に浸かっていた体の下半分だけが黒く濡れて見えるものの、背中の毛皮は乾いたままです。 

方向転換して左に立ち去りました。 

※ ヌタ打ちする泥水の音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


その後、イノシシが監視カメラの手前で激しく身震いして泥を振り落としたはずなのに、なぜかそのシーンが撮れていません。 
実は後日に現場入りすると、トレイルカメラに盛大な泥汚れが付着していたのです。 



当時はイノシシの仕業に違いないと思い込んでいたのですが、犯人はフクロウかもしれないと、翌年になると判明します。
カメラの上面にも泥汚れが付くのは変だと気づくべきでした。

ちなみに、ヌタ打ち直後のイノシシが獣道を立ち去った跡は、下草に滴り落ちた泥が白く乾いているので、すぐに分かります。 


チヂミザサだけ名前が分かりました。



山中の水溜まりで水を飲み餌を探すカケスのペア【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年7月下旬・午前5:40頃・晴れ・気温22℃・日の出時刻は午前4:37 

里山で湧き水が溜まった湿地帯に早朝から2羽のカケスGarrulus glandarius)が一緒に現れました。 
♀♂つがいなのかな? 

1羽が対岸で水を飲んでいる間に、もう1羽はあちこちに少し飛んで移動すると、泥濘に嘴を突き立てて餌を探しています。 
泥の中から何かをほじくり出したものの、すぐに捨てました。 
また少し飛んで対岸の落枝の上に止まり直すと、嘴を落枝に擦り付けて泥汚れを落としました。 
カケスのペアは相次いで水場から飛び去りました。 

1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:02〜)

2025/10/06

山中の水溜まりで水を飲むキジバト【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年7月下旬・午後16:55頃・晴れ・気温24℃ 

山林で湧き水が滲み出した湿地帯の水溜りを無人センサーカメラで見張っていると、午後に1羽のキジバトStreptopelia orientalis)が現れました。 
この地点でキジバトは初見です。 

水際に歩み寄ると、水面に嘴を付けてゴクゴク飲み始めました。 
後ろ姿ではなく少し横を向いてくれたので、飲水シーンがしっかり撮れました。 
水を飲みながらも合間に周囲を警戒しています。 
喉の乾きをいやすと、水浴びはしないで、右上に飛び去りました。
1.5倍に拡大した上で、キジバトの飲水シーンをリプレイ。(@1:22〜) 


つづく→

2025/09/24

群れで山道を登りながら子猿に授乳するニホンザル♀

 

2024年7月上旬・午後13:45頃・晴れ 

里山で私が静かに下山していると、前方からニホンザル♀♂(Macaca fuscata fuscata)の群れが山道を逆に登って来きました。 
私も猿も立ち止まって互いに様子を伺います。 

先頭個体は子連れの母猿で、山道に座り込むと赤ん坊を胸に抱いて授乳していました。 
私を怖がった母猿は山道を外れて横の草むらに隠れましたが、しばらくするとまた子猿を抱えて山道に戻ってきました。 
授乳中の♀は暇つぶしに自分の体を掻いたり毛繕いしています。

乳首が長い経産婦なのに、子猿を連れずに単独で行動している♀もいます。 
今季は出産しなかった♀個体なのでしょうか。 

ニホンザル達はどうしても私と安全にすれ違って遊動を続けたいらしく、私を迂回するように横の草むらに次々と入って行きます。 
赤ん坊(乳児)は母親♀の胸にしっかりしがみつき(乳首を咥えたまま)、抱っこの状態で運ばれていきます。 




【アフィリエイト】 

2025/09/22

山中の水溜りから水を飲むアオゲラ♀【野鳥:トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬 

シーン0:7/1・午後12:25・雨・気温27℃(@0:00〜) 
山林の湧き水が滲み出してくる湿地帯で、水溜りSを無人センサーカメラで見張っています。 
梅雨の雨が降って、水溜りが大きくなりました。 
右奥には別の水溜りNも見えています。 


シーン1:7/2・午前5:56・雨・気温18℃(@0:04〜) 
左上から緑色の鳥が湿地帯に飛来し、右下の死角に消えました。 
しばらくすると、手前からアオゲラ♀(Picus awokera awokera)が現れ、ホッピングで水溜りSに近づきました。 
水溜りの泥水を飲む後ろ姿が撮れました。 

後頭部のみ赤くて、横を向いたときに顎線が赤くないので、♀と分かります。 

ときどき泥濘をあちこち嘴でつついて、小さな虫を捕食しているようです。 
(泥そのものを食べてミネラル摂取している可能性は?) 

水場から飛び去るのを見届ける前に、1分間の録画が終わりました。 


2025/09/07

山中の水溜りに母親と一緒に来て水を飲むニホンカモシカの幼獣【トレイルカメラ】

 



2024年7月上旬

シーン1:7/1・午後12:25・雨・気温27℃(@0:00〜) 
山林にある湿地帯で湧き水が滲み出す水溜りを自動撮影カメラで見張っています。 
梅雨の時期なので雨が降り、水溜りの水量が増えました。 


シーン2:7/3・午後12:37・くもり・気温20℃(@0:04〜) 
ニホンカモシカCapricornis crispus)の母子が水場にやって来ました。 
母親が先導して、水溜りの横を通って湿地帯の泥濘を右から左へ横切りました。 
横から腹面を見ても♀の乳房や乳首が見えません。 

後続の幼獣は毛皮が白っぽく、たてがみが黒く、角は未だとても短いです。 
幼獣は喉が渇いているのか、水面の匂いを嗅ぎ、舌を出してペロっと舐めました。 
水を少し飲んだだけで、慌てて走って母親を追いかけます。 

母子ともに雨上がりで全身の毛皮が濡れていました。 

シーン3:7/3・午後13:12・くもり・気温21℃(@0:20〜) 
約35分後に、同一個体と思われるカモシカの幼獣が左から水場に戻ってきました。 
水際で頭を下げると、泥水を飲みました。 

幼獣は迷子になったのではなく、左奥の茂みの陰から母親♀が現れました。 
幼獣を待っている間に、母親♀は何か下草の葉をむしゃむしゃ食べていました。 
喉の乾きを癒やした幼獣が母親♀に駆け寄っても授乳しませんでした。 


※ 雨音や水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
ニホンカモシカの幼獣が水を飲んだということは、てっきり離乳した後なのだろうと推測しました。 
しかしPerplexity AIに問い合わせると、カモシカの幼獣は授乳期でも乳とは別に水を飲んで水分を補給する必要があるらしく、離乳後と決めつけることはできないのだそうです。 


2025/08/21

山中の湿地で夜に水を飲み採食する2頭のニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像:フィールドサイン】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/24・午後12:41・くもり(@0:00〜) 
シーン0:6/24・午後13:17・くもり(@0:00〜) 
山林の中に少し開けた湿地帯があります。 
様々な野生動物や野鳥が水場として利用する、湧き水や雨水が溜まった水溜りを2台の自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 


シーン1:6/27・午後20:11(@0:07〜) 
ある晩にニホンイノシシSus scrofa leucomystax)が登場しました。 
水溜まりSに口をつけて泥水を飲んでいます。 
飲み終わると、そのまま此岸の泥濘を右へ向かいます。 
今回のイノシシは単独ではなく、後続個体が縦列でついて歩いていました。 
普通なら母子なのですけど、今回のペアには体格差がありません。 
なんとなく、若い兄弟姉妹のような気がします。 
ただし体表に縦縞模様はありませんでした。(ウリ坊ではない)。
横から腹面を見ても、乳房や乳首、外性器などは見当たりません。 


シーン2:6/27・午後20:11(@0:29〜) 
湿地帯の反対側に設置した監視カメラでも続きが写っていました。
2頭のイノシシは、湿地の泥濘を右から左へゆっくり歩いています。 
先行個体はどんどん左へ立ち去りますが、後続個体は一箇所に立ち止まっています。 
鼻面で泥濘を掘り返し、餌を探しているのでしょう(採食行動)。

残念ながら、手前の泥水溜りNには近づきませんでした。


シーン3:6/27・午後20:12(@1:12〜)
後続個体が対岸の左奥で立ち止まり、林縁で何か採食しているようです。 
左に立ち去った後で、イノシシが重低音で鳴く声♪がかすかに聞こえました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ イノシシの鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


シーン4:6/28・午後13:10・(@0:00〜) 
翌日に現場検証すると、前夜に来たイノシシは、水が澄んだ浅い水溜りではなく、わざわざ白濁した左の深い水溜りから水を飲んでいたようです。 

約17時間前にイノシシ2頭が続けて歩いた泥濘に、蹄の跡がくっきりと残っていました。 
私はまだフィールドでニホンカモシカとニホンイノシシの蹄跡をしっかり見分けられる自信がないのですけど、今回はトレイルカメラの証拠動画が残っているので、間違いなくイノシシの足跡です。 

イノシシの足跡はスギ林の方へ向かっていました。 
採食痕のフィールドサインも現場でじっくり撮影すべきでしたね。


余談ですが、「所さんの目がテン!」という動物系長寿番組の2024年8月18日放送回は、「いきものの森SP:見られなくなった植物復活?タイムカプセル実験」というタイトルでした。 
埋土種子の発芽実験を実演した上で、「イノシシやアナグマなど、表土(腐葉土)を大規模に掘り返す動物は、撹乱して埋土種子が発芽しやすくしているのかもしれない」と専門家がコメントしておられました。 
ヒトのせいでイノシシやアナグマが絶滅した森は、植物の多様性が予想以上に劣化し、貧弱で貧相な森になってしまうでしょう。


2025/08/15

夜明け前に野鳥のコーラスを聞きながら水溜りの水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月下旬

シーン0:6/28・午後13:15・くもり・気温29℃(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した浅い水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動撮影カメラ(新機種)で見張っています。 

フクロウStrix uralensis)の登場シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/29・午前4:00・気温17℃(@0:04〜)日の出時刻は午前4:16。 
夜明け前に水場に来たフクロウが周囲を警戒してから、歩いて入水しました。 
ときどき頭を下げて泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿なのでよく見えません。 

辺りはまだ真っ暗なのに、野鳥の早朝コーラスが始まっています。 
おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)などが、周囲の森で美声を競い合うようにさえずり、縄張り宣言しています。 


シーン2:6/29・午前4:03(@2:04〜) 
水溜まりに入ったまま右を向いていたフクロウが、右上へ飛び去りました。 


シーン3:6/30・午前4:04・気温17℃(@2:14〜)日の出時刻は午前4:17。 
翌日もほぼ同じ時刻(夜明け前)にフクロウが水場に来ていました。 
今回もフクロウは野鳥の早朝コーラスを聞きながら水を少し飲んだだけで、水浴びはしないで右に飛び去りました。 

周囲でヒヨドリHypsipetes amaurotis)がやかましく鳴いています。 


※ 鳥のコーラス♪が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 
フクロウが水場で鳴くことは一度もなく、いつも静かに黙っています。 




【アフィリエイト】 

2025/08/12

林道で大量に吸水しながら排尿するミヤマカラスアゲハ♂

 

2024年6月下旬・午後14:10頃・くもり 

里山で砂利が敷かれたつづら折れの林道に沿って低く飛び回っていたミヤマカラスアゲハ♂(Papilio maackii)が着地すると、翅を全開にしたまま静止しました。 
前翅の翅表に黒いビロード状の性斑(性標)があるので、♂と見分けられます。 
伸ばした口吻を激しく動かして、濡れた砂利の表面を舐めています。 
かるく羽ばたきながら方向転換した際に、後翅の裏面に不明瞭な白帯がちらっと見えたので、夏型♂のようです。 
少し飛んで移動すると、林道のあちこちで小石の味見をしています。 
林道の傍らにはウツボグサドクダミの花が咲いているのに、ミヤマカラスアゲハ♂は花蜜にまったく興味を示しません。 
濡れた砂利やスギの落ち葉などを舐めて吸水し、性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
飛び立ってもしばらくすると同じ地点に舞い戻り、吸水を再開します。 

よく見ると、ミヤマカラスアゲハ♂は吸水しながら、腹端から透明な液体をポタポタと排泄しています。 
水に薄く溶けている微量なミネラル成分を摂取するには、水を大量に飲まないといけないので、余った水分をどんどん排出しているのです。 

吸水しているミヤマカラスアゲハ♂の顔を正面からアップで撮ったストロボ写真をよく見ると、口吻の表面に水滴が点々と付いているのが興味深く思いました。 
口吻の接合部から水漏れしているのでしょうか? 
気化熱で冷やした水を飲んで体を効率よく冷やそうとしているのなら、面白い話です(水冷式の体温調節)。 


【アフィリエイト】 



ミヤマカラスアゲハ♂が飛び去ってから現場検証すると、林道の路肩の草むらに獣糞を見つけました。 
糞の色は黒く、未消化の種子がたくさん含まれています。 
テンの糞にしては太いですし、なんとなくツキノワグマUrsus thibetanus)が残した糞ではないかと思うのですが、あまり大きな糞ではありません。 

クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫1匹と、ニクバエの一種が獣糞に集まっていました。 

実はミヤマカラスアゲハ♂も初め、この獣糞に誘引されていた(舐めていた?)ようなのですが、草むらが邪魔で撮影できませんでした。 
私が回り込んで撮影アングルを確保しようとしたら、砂利を踏む音に警戒したチョウが警戒して飛び去り、吸水行動に切り替えたようなのです。 
今回は悔しい思いをしたのですが、次の年になってようやく、ミヤマカラスアゲハが獣糞で吸汁する証拠動画を撮ることが出来ました。(映像公開予定)

2025/08/03

山中の水溜りで泥水を飲むニホンザルの群れ【トレイルカメラ】

 

2024年6月中旬 

シーン0:6/7・午後13:14・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:04〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に湧き水が年中滲み出す湿地があり、浅い水溜りを2台の自動撮影カメラで見張っています。 

ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の飲水シーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/16・午後13:57(@0:00〜) 
野生ニホンザルの群れが続々と遊動してきます。 
この地点でニホンザルが撮れたのは初めてです。 
1頭が湿地の泥濘を手前から歩いて横切り水溜まりに向かうと、水面を見つめています。 
対岸に移動してから、泥水に口を付けて飲み始めました。 
喉の乾きを癒やすと、右に遊動して行きます。 

しばらくすると、奥の林道を別個体の猿が左から右へ遊動する姿が写っていました。 


シーン2:6/16・午後14:03(@0:48〜) 
左から来たと思われるニホンザルが泥水溜りの此岸で水面に口を付けて泥水を飲んでいました。 
腹に子ザルがしがみついていたことから、成獣は母親♀と分かります。 
そのまま水溜りの岸に座り込みました。 
自分で水を飲む子ザルをその場に残したまま、母親♀は泥水溜りを迂回してから、右へ向かいます。 
置いていかれそうになった子ザルは、慌てて走って追いかけました。 

左から来た別の母親♀が、子ザルを背中におんぶしたまま、水溜りの対岸で水を飲み始めました。 

その間も、奥の林道をニホンザルの群れが左から右へ次々と通りかかります。 


シーン3:6/16・午後14:04(@1:51〜) 
林内を左から来た個体が、泥水溜りの対岸から飲水開始。 
その様子を近くでじっと見守っている個体がいます。 
群れ内の順位性から、劣位の個体は水場でも順番待ちをしないといけないのかな? 

ときどきニホンザルの鳴く声が聞こえてきます。(コンタクトコール? クーコール?) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 猿の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


2025/07/24

飛びながら山中の水溜りに着水するコウモリの謎【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬

シーン0:6/17・午後12:25・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林の中に少し開けた湿地帯があり、湧き水が滲み出した水溜りを野生動物や野鳥が水場として利用するので、自動センサーカメラ(旧機種)で見張っています。 

夜な夜な飛来するコウモリの登場シーンを以下にまとめます。 
飛びながら夜蛾などの獲物を空中で捕食していると思うのですが、低く飛びながら、ときどき一瞬だけ着水するのが気になります。 


シーン1:6/19・午前0:46(@0:04〜) 
深夜に湿地帯の上空をグルグルと飛び回っています。 


シーン2:6/19・午後23:52(@0:14〜) 


シーン3:6/20・午前1:42(@0:31〜) 


シーン4:6/20・午後22:39(@1:07〜)


シーン5:6/22・午後21:27(@1:16〜) 


【考察】
トレイルカメラで撮れた暗視動画の25fpsのフレームレートでは、たとえスローモーションに加工しても、敏捷なコウモリが着水の瞬間に何をしているのか分かりません。
以下のような複数の可能性が考えられます。
  • 飛びながら水面に口を浸けて素早く水を飲んでいる飲水行動。
  • 飛びながら体を濡らす水浴行動。
  • 水面に浮かぶアメンボなどを飛びながら狩っている捕食行動。
フレームレートの高い上位機種のトレイルカメラは値段も張り、なかなか導入できません。


つづく→

2025/07/20

山中の水溜りで水を飲むフクロウ【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬・午後21:25頃 

山中の湿地帯にある浅い水溜りに、ある晩フクロウStrix uralensis)が来ていました。 

足を水に浸したまま、何度も泥水を飲んでいるようですが、後ろ姿でよく見えません。 
頭を下げて嘴が着水する度に、水面に波紋が広がります。 
(YouTubeに投稿したら、再エンコードされた動画では波紋が見にくく加工されてしまいました。)
顔を水面に付けながら激しく左右に振っていないので、洗顔の水浴行動とは違います。 


2025/07/17

山中の水溜りに次々と飛来して泥濘から集団吸水する夜行性の蛾【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月中旬〜下旬 

シーン1:6/20・午後22:13(@0:00〜) 
水溜りからフクロウが飛び去った後で、山中の湿地帯では夜行性の蛾(種名不詳)が飛び回っています。 
やがて右から飛来した1頭の夜蛾が、水溜りの中洲に着陸しました。 
トレイルカメラが照射する赤外線を反射して、夜蛾の複眼が白く光って見えます。 
 1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:32〜) 


シーン2:6/20・午後22:39(@0:47〜) 
約25分後、コウモリの飛来で監視カメラが起動しました。(コウモリの映像は割愛。) 
中洲の泥濘に留まったまま休んでいる夜蛾が写っています。 
おそらく口吻を伸ばして泥を舐め、泥水に含まれるミネラル成分を摂取しているのでしょう。 

そこへ右から低空で飛来した別個体の夜蛾が、同じ中洲に着地しました。 
すると先客の個体が驚いて飛び立ち、後から来た個体も釣られて再び飛び立ちました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@1:28〜) 
同種らしき夜蛾が計3頭集まっていました。 


シーン2:6/22・午後21:27(@1:58〜) 
コウモリが飛び去った後で、1頭の夜蛾が右から低空で飛来し、水溜りの岸の泥濘に着陸しました。 
1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@2:13〜)


【考察】
昼行性なら、集団吸水行動をする鱗翅目(チョウ・ガの仲間)は珍しくありません。 
水場で吸水している仲間を飛びながら視覚的に見つけると、近くに舞い降りて飲み会に参加します。 
ミネラル成分が濃い地点を味見しながら自力で探す手間が省け、水場で捕食者に襲われるリスクも下がるのでしょう。 
同じ地点で吸水およびミネラル摂取する個体数が連鎖反応でどんどん増えて、集団吸水の群れが形成されます。 

その一方で、夜行性の蛾では水場で仲間を視覚的に見つけるのは難しいはずです。 
集団吸水の群れが夜も形成されるとしたら、個々で探索行動をした結果たまたま同じ地点に集まってしまう場合か、仲間を嗅覚で誘引する集合フェロモン(性フェロモン?)を放出しているのでしょう。 

謎解きする上で次の一手としては、この水溜りに集まって吸水・ミネラル摂取する夜蛾の種類を同定したいものです。
そのためにはどうしても現場で夜蛾を採集するか、ストロボを焚いて同定用の写真を高画質でしっかり撮る必要があります。
しかし現場入りして夜通し水場を見張るのは大変そうですし、プロジェクトの主要目的である野生動物や野鳥が私を怖がって水場に来なくなってしまうのでは本末転倒です。
無人カメラで闇雲にインターバル撮影するとしたら、フラッシュを光らせる電池の消耗が激しそうです。

2025/07/16

山中の水溜りで行水するカケス【野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年6月中旬

シーン0:6/17・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
山林に囲まれた湿地帯に点在する水溜りが野生動物や野鳥の水場になっているので、2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:6/19・午前10:47・晴れ(@0:04〜) 
左の水溜まりの左岸に1羽のカケスGarrulus glandarius)aが来ていて、水溜まりを見つめています。 
この地点でカケスは初見です。 

すぐに別個体のカケスbが右から飛来して右の水溜りの岸に着地したものの、なぜかすぐに左上に飛び去ってしまいました。 
大型車両の騒音に驚いたのかもしれません。

カケスaが対岸の泥濘に飛び移ると、泥水に嘴を何度も突っ込みました。 
これは泥水を飲んでいるのでしょうか? 
(飲水行動なら、一口ごとに上を向いて水を喉に流し込むはずでは?) 
水中のオタマジャクシを捕食しているようには見えません。 

しばらくすると、浅い水溜りで水浴を始めました。 
水溜りに身を浸しながら翼を羽ばたいて、自分の体にパシャパシャと水をかけています。 
カケスの水浴行動を見るのは珍しいので、1.5倍に拡大した上でリプレイ(@1:06〜)。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


普段は静かなのに、なぜか大型車両のエンジン音や振動がうるさく聞こえます。 
まさか、近くの林道や山頂で土木工事が始まったのでしょうか? 

カケスの濁った鳴き声がジェー♪と一声聞こえたものの、水浴中の個体が鳴いたかどうか不明です。 
カケスの行水を最後まで見届ける前に、1分間の録画が打ち切られました。


シーン2:6/19・午前11:00・晴れ(@2:00〜) 
12分後に、1羽のカケスが対岸の細い落枝に留まっていました。 
別個体が左から飛来して地上の湿地に降り立つと、入れ替わるように右へ飛び去りました。 
この2羽は♀♂つがいなのかな? 
縄張り争いで水場から追い払った、という解釈もできそうです。
このときカケスの鳴き声は聞き取れませんでした。 

ホッピングで右へピョンピョン移動し、死角に消えました。 
もう一つの水溜まりに向かったようですが、そっちの監視カメラにはなぜか写っていませんでした。 
しばらくすると画角内にカケスが戻ってきて、最後は手前に飛び去りました。 


シーン3:6/19・午前13:06・晴れ(@2:33〜) 
使っている旧機種のトレイルカメラは挙動が気まぐれ(不安定)で、急にフルカラーに戻りました。 
現場の状況をもう一度見せて終わりにします。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/07/08

夜の水場で長居するフクロウは何をしているのか?【野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年6月上旬〜中旬 

シーン0:6/7・午後13:14・晴れ(@0:00〜) 
シーン0:6/7・午後13:40・晴れ(@0:04〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
山林に湧き水が年中溜まっている湿地帯があり、浅い水溜りを2台の自動撮影カメラで見張っています。 

夜な夜な水場に来るフクロウStrix uralensis)の水浴以外のシーンを以下にまとめました。 


シーン1:6/9・午前3:51(@0:07〜) 
未明に中洲に佇んでいたフクロウが対岸に飛び移って身震いしてから、右上に飛び去りました。 
飛び立つ瞬間にフクロウが羽ばたいた風に煽られて、周囲の下草が揺れています。 

画面の左端手前に眩しく光っているのは、ホオノキ大木の幹です。 
この影に隠れてフクロウが水浴した直後だったのかもしれません。 


シーン2:6/10・午前1:19(@0:31〜) 
翌日の深夜に来たフクロウは、対岸の水際に佇んでキョロキョロと周囲を警戒しています。 
手前の中洲にピョンと飛び移りました。 


シーン3:6/10・午前1:18(@1:31〜) 
別アングルで設置した監視カメラの広角映像に切り替えます。 
被写体のフクロウが遠くても、2台のトレイルカメラが同時に照射する赤外線によって、充分明るく録画できました。 


シーン4:6/10・午前1:21(@2:02〜) 
中洲の奥の水溜まりで足浴するフクロウの後ろ姿が写っています。 
よちよちと右へ渡渉すると、軽く羽ばたきながら対岸へピョンと上陸しました。 
しばらくすると、再び水際にぴょんと移動。 


シーン5:6/10・午後22:12(@3:02〜) 
昼間を挟んで同じ日の晩に、フクロウが再び水場に降り立ちました。 
すぐには入水しないで長々と周囲をキョロキョロと警戒しています。 
赤外線を反射して白く光る眼しか写りません。 


シーン6:6/11・午後20:08(@3:23〜) 
翌日の晩にも、水場に来たフクロウは警戒を怠りません。 


シーン7:6/11・午後20:08(@4:24〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 


シーン8:6/11・午後20:35(@4:37〜) 
赤外線を反射して白く爛々と光る両目が水面にも反射して写っています。 
夜行性のフクロウの目にはタペータムが発達しています。 

フクロウがキョロキョロと周囲を見回す際に首の可動域の広さは驚異的です。 


シーン9:6/11・午後20:35(@5:37〜) 
別アングルの広角映像に切り替えます。 
夜の森で水場にじっと佇んでいるだけでも、フクロウは絵になりますね。 


シーン10:6/12・午後21:09(@6:37〜) 
翌日の晩。 
ホオノキ高木の横枝に別個体(つがいのパートナー?)のフクロウが着地したのか、ゴン♪と鈍い物音がしました。 
その瞬間に、足浴していたフクロウは樹上を見上げました。 

水溜まりの中でフクロウは翼を広げても、警戒しているのかなかなか水浴行動を始めてくれません。 
頻りにホオノキ樹上を見上げて気にしています。


シーン11:6/12・午後21:08(@7:37〜) 
湿地帯全景の映像に切り替えます。 


シーン12:6/12・午後21:13(@7:49〜) 
いつの間にかフクロウは水溜まりの中洲に移動していました。 
ようやく警戒を解くと、ぴょんと飛んで右の水溜まりに身を浸しました。 
その動きに反応して、対面の監視カメラが起動。 


シーン13:6/12・午後21:14(@8:09〜) 
入水したフクロウが水面に何度か顔を付けたものの(洗顔行動?)、頭上を頻りに気にしていて、なかなか本格的な水浴を始めてくれません。 
後ろ姿で分かりにくかったのですが、もしかするとフクロウはこのとき泥水を飲んでいたのかもしれません。
ハト類以外の鳥は、水を一口飲むごとに顔を上げて水を喉に流し込む必要があります。 


シーン14:6/12・午後21:16(@9:09〜) 
水溜まりから対岸に上陸すると、しばらくしてから足元の泥濘をなぜか嘴で啄みました。(@9:30〜) 
水生昆虫など何か小さな獲物を捕食したのかと思いきや、すぐに興味を失い左の水溜まりへジャブジャブと渡渉します。 
そこから右上へ飛び去りました。(@10:02〜) 

謎の捕食シーンを1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@10:09〜) 
水際の落ち葉を試しに嘴でつついてみたようです。 


シーン15:6/12・午後21:23(@10:21〜) 
数分後にフクロウが水溜りの中洲に降り立っていました。 
私はフクロウの個体識別が出来ていませんが、つがいのパートナーが順番待ちをしていて交互に水場に来ているのか、それとも同一個体が繰り返し来ているのでしょうか? 

しかし今回もフクロウは水浴するでもなく、ひたすら周囲をキョロキョロと見渡しているだけです。 


シーン16:6/12・午後21:23(@11:21〜) 
広角の監視映像に切り替えます。 


シーン17:6/14・午後19:48(@11:33〜)
2日後の晩に現れたフクロウです。 
足浴していたフクロウが歩いて水溜まりの左エリアへ移動しました。 
左手前に聳え立つホオノキ幹の影に隠れて、監視カメラの死角で水浴するつもりなのでしょうか? 
そこでも水中で足踏みしたり周囲を警戒したりするばかりで、なかなか行水を始めません。 


シーン18:6/14・午後19:48(@12:33〜)
広角の監視映像に切り替えると、異変が生じていました。 
トレイルカメラの近くでクモ(種名不詳)が垂直円網を張った結果、奥の湿地帯が見えにくくなってしまいました。 
造網したクモがこしきに占座しています。 
それでもクモの巣を透かして、泥水溜りに来ているフクロウの姿がなんとか見えます。 
邪魔なクモの巣が張れないように後日、トレイルカメラ周囲に伸びたスギの横枝を剪定しました。 

カメラを凝視していたフクロウが翼を広げてバランスを取りながら、よちよち歩いて水溜まりの中を移動しています。 
周囲を警戒しながら水浴しているようですが、円網のせいでよく見えません。 

キョキョキョキョ…♪という単調な音がかすかにずっと聞こえるのは、おそらくヨタカCaprimulgus indicus jotaka)の鳴き声♪のようです。  (※追記参照)
それともトレイルカメラの内部ノイズ?
関連記事(9年前の撮影)▶ ヨタカ♂(野鳥)の鳴き声♪と声紋解析 


シーン19:6/15・午前3:50(@13:35〜)
日付が変わった未明にフクロウが再び左の死角ギリギリに来ていました。 
やはりトレイルカメラに監視されるのを嫌って、死角で水浴したいようです。 
その対策として、後にトレイルカメラの設置場所をもう少し右にずらすことになります。 

ヨタカに代わって夜明け前から鳴き始めた美声の鳥は、おそらくクロツグミ♂(Turdus cardis)の囀りさえずりでしょう。 


シーン20:6/15・午後21:23(@14:35〜)
同じ日の晩に、クモ円網の背後でフクロウが水溜りに来ていました。 
水浴するでもなく、周囲を油断なく見回しているだけです。 


シーン21:6/15・午後21:25(@14:47〜)
泥水溜りの中洲に降り立ったフクロウが真上をしばらく見上げています。 


シーン22:6/15・午後22:15(@14:59〜) 
フクロウが水溜りの対岸に佇み、カメラ目線で警戒しています。 
やがてフワリと飛んで手前の中洲に移動しました。 


シーン23:6/15・午後22:14(@15:37〜) 
広角の監視映像に切り替えます。 
手前に張られたクモの垂直円網が夜風に揺れると、こしき周辺の横糸が張られていない部分を透かして、ときどき奥のフクロウがはっきり見えました。 


※ フクロウの羽ばたき音や鳥の鳴き声などが聞き取れるように、動画の一部で編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
この水場に最も頻繁に現れ、最も長居するのは夜行性のフクロウです。 
しかし、フクロウが行水する時間そのものは短いのです。 
水を飲んだり浴びたりしないで佇んでいる時間は、一体何をしているのでしょうか? 

水溜りでのんびり足浴しているだけでも、ひんやり涼しくて気持ちよいのかもしれません。 

なかなか入水しないで警戒しているのは、トレイルカメラの存在が気になるのか、それとも周囲の草むらに捕食者(肉食獣のテンなど)が潜んでいないかどうか警戒しているのでしょうか? 
水浴中のフクロウは無防備になりますから、周囲に捕食者が潜んでいないことを確認するのは当然です。 

水溜りの中で蠢くオタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)の群れをフクロウは興味津々で眺めているのかな? 
それにしては、フクロウはこの水溜りでオタマジャクシを狩って捕食しようとはしません。 
本格的な水浴をする前にフクロウは顔を水面に浸けて素早く左右に振ります。 
私はこれを洗顔行動だと思っているのですが、もし水中のオタマジャクシを狙っているのだとしたら話は変わっています。 
しかしオタマジャクシを狩るのなら、嘴ですばやく突き刺さしたり、足の鉤爪で獲物を捕らえるような動きをするはずです。 

水場に来る野ネズミなどの野生動物を狙って待ち伏せしているのでしょうか? 
それならホオノキの樹上から音も立てずに襲いかかる方が狩りの成功率は高いような気がします。 
地上の水溜りで待ち伏せしていても、獲物に気づかれる可能性は高いですし、地上から一旦飛び上がって獲物に襲いかかるとタイムロスがあって獲物に逃げられそうです。 

フクロウが浅い水溜まりの中を歩き回ったり足で掘ったりしているのは、少しでも深い地点を探して水浴するためだと思っていました。 
オタマジャクシやカエルの捕食など、何か他の目的があるのでしょうか? 
例えばサギ類は、水底で足踏みして振動を与え、小魚などの獲物が驚いて隠れ家から出てきたところを捕食します。 


※【追記】
樋口亜紀『フクロウ類の世界とは』を読んで初めて知ったのですが、フクロウとヨタカは親戚なのだそうです。
(フクロウの)起源は鳥類の歴史の中でも古く、化石や遺伝的研究の結果、少なくとも今から7000〜8000万年前に、夜行性の捕食者として一大グループを構成していた現在のヨタカ目と共通の祖先から別れたと考えられています。 (文一総合出版『フクロウ―その生態と行動の神秘を解き明かす』p14より引用)
そもそも鳥の猛禽類は単系統ではなく収斂進化であることが遺伝子解析から分かっています。


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