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2024/11/06

ニホンアナグマの越冬用営巣地で新雪を舐める初冬のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月下旬・午後17:00頃・気温-3℃(日の入り時刻は午後16:26) 

とっぷり日が暮れて真っ暗になった晩に、♀♂ペアと思われる2頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)がニホンアナグマMeles anakuma)の越冬用営巣地(セット)に現れました。 
大雪が積もった落葉二次林の林床を2頭が前後して右奥へ向かっています。 

後続個体が居る場所がちょうどアナグマの巣口Rの辺りなので、解釈が悩ましいです。 
左から深雪をかき分けながらやって来たタヌキのペアがセットを横断している途中でトレイルカメラが遅ればせながら起動したのか、それとも巣穴Rから外に出てきた直後のようにも見えます。 
後者だとすると、アナグマとタヌキが同じ巣穴で越冬していることになります。 (同じ穴のむじな

後続個体が巣口Rに座って待っている間に、舌でペロペロと雪面を舐めていました。 
新雪をむしゃむしゃと食べるのではなく、ぺろぺろと舐めています。 
冬になると、雪国の野生動物は喉の乾きを癒やす飲み水には困らなくなります。 
タヌキの雪舐め行動がよく見えるように、まずは1.5倍に拡大した映像をご覧ください。 
その後にオリジナルの映像をリプレイ(@1:00〜)。 




【アフィリエイト】 

2024/11/05

雪山でスギの枝葉に積もった雪を味見するニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬〜下旬 

シーン0:12/14・午後14:08(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
スギの木の下(画面の左下)にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1を自動撮影カメラで見張っています。 
場所は里山にあるスギ植林地の上端部で、斜面を下から上に見上げるアングルなので、奥には落葉性広葉樹も見えます。 
右には渓谷(沢)が流れています。 


シーン1:12/17・午後13:38(@0:04〜) 
暖冬でしたが、この日から雪が本格的に降り始めました。 
スギ林床も薄っすらと雪化粧しました。 


シーン2:12/19・午後12:00(@0:08〜) 
新雪が積もった林床を手前から歩いて来たカモシカが、溜め糞場sr1を素通りして右上奥の画角外に消えました。 
谷の方へ向かったのかと思いきや、しばらくすると右奥から画角内に戻って来ました。 
渡河地点を探して谷の左岸を上流へ向かって移動しているのかもしれません。 

スギ林に大雪が降っても常緑の枝葉にかなり積もるので、林床(地面)の積雪量は大したことありません。 
スギ樹上の冠雪は少しずつ落雪するのです。 
雪山でもスギ林の中は歩きやすいのですが、外に出ると一気に深雪となり、カモシカも一歩ずつ苦労して深雪をかき分けながら進まないといけないようです。(ラッセル) 


シーン3:12/21・午後16:39(@0:29〜)日の入り時刻は午後16:26。 
日没直後なのに、積雪があると雪明りでまだ明るいです。 
右の谷から来たカモシカが立ち止まり、目の前に垂れ下がったスギの枝葉に積もった雪を食べていました。 
直後にもぐもぐ咀嚼しましたが、まさかスギの葉(常緑)を採食したのでしょうか?
よほど飢えていないとスギの葉なんか食べないはずです。 

その後は溜め糞場sr1を素通りして、監視カメラに向かって一直線に歩いて来ました。 
角が細いので、若い個体のようです。 
死角に消えてからゴシゴシと物音がしたので、カメラを固定してあるスギの幹に眼下腺を擦り付けてマーキングしたかもしれません。 


シーン4:12/24・午後17:59(@0:59〜) 
3日後の真っ暗な晩に、カモシカが深雪をラッセルしながら雪山を右から左へ横切ると、スギの背後を通って左へ立ち去りました。 


シーン5:12/24・午後18:36(@1:16〜) 
約35分後に、同一個体と思われるカモシカが左から引き返してきたようです。 
スギの背後を通って右へ(谷へ)向かっています。 


シーン6:12/24・午後18:39(@1:31〜) 
4分後にカモシカが雪山の斜面を下ってきました。 
トレイルカメラに気づいたようで、ちょっとフリーズしてから、左下へ歩き去りました。 
溜め糞場sr1で排便するつもりだったのに、警戒して止めたのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
せっかく溜め糞場sr1にトレイルカメラを設置したのに、この辺りを縄張りとしてうろつくカモシカが排便してくれなくなりました。 
どこか別な場所に新たな溜め糞場を設けたのでしょうか? 
この動画に何頭のカモシカが登場したのか、しっかり個体識別できていません。 




2024/10/30

根雪が降る前の初冬にも山中の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月中旬・午前0:30頃 

里山で湧き水が溜まった泉の左岸を自動撮影カメラで見張っています。 
深夜に1匹のコウモリが右から低空で飛来し、左の崖に衝突しないように急旋回して引き返しました。 
水面に同心円の波紋が広がったことから、一瞬だけ着水したことが分かります。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 

※ 動画の後半は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】
この時期に虫はもう活動してないはずなので、狩りの可能性は無いでしょう。 
コウモリは飛びながら水面に口を付けて一瞬で池の水を飲んだと思われます。 
水浴の可能性を捨てきれないのですが、旧機種のトレイルカメラで撮った動画はフレームレートが15fpsしかないので、スロー再生しても素早い動きがぼやけてしまって、解明できません。

寒くなって水場に飛来するコウモリの数が激減したものの、雪国のコウモリが初冬のこんな遅い時期まで元気に活動しているとは知りませんでした。
暖冬の影響でしょうか。
この池でコウモリが撮れたのは、この日が最後でした。(根雪が積もる約1週間前)
春になるまで、どこか安全な塒で冬眠するのでしょう。



つづく→? 


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2024/10/12

初冬の水場で水を飲むホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年12月上旬・午前4:10頃 

里山で湧き水が溜まった浅い泉を自動撮影カメラで見張っていると、未明にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で現れました。 
動画の冒頭から冷たい池の中に足を漬けて水を飲んでいました。 
水面をちょっと舐めただけで左岸に上陸し、左上に斜面を登って行きました。 

水浴するにはさすがに寒すぎるのでしょう。 
イタチのように池畔で冬眠中のカエルを狩るかな?と期待したものの、タヌキは水を少し飲んだだけで立ち去りました。 


2024/09/29

秋が深まっても山中の水場に飛来するコウモリ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン0:11/20・午後14:52・雨(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
里山の湧き水が貯まる池に周囲の雑木林から落ち葉が降り積もり、浅くなっています。 
泉の水は画面の左下から右上に向かって流れ、その先では斜面を下って沢の源流となります。 
雨が降っていて、水面に波紋が広がります。 


シーン1:11/21・午後18:23(@0:04〜)日の入り時刻は午後16:27。 
ある晴れた晩に、コウモリの仲間が飛来しました。 
晩秋でも山のコウモリは未だ冬眠していませんでした。 

水場の上空を低く旋回して飛び去る間際に一瞬だけ着水しました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイすると(@0:16〜)、水面の2箇所から連続して波紋が広がりました。
旧機種のトレイルカメラで撮れた動画は、フレームレートが15fpsしかないので、野生動物の行動が素早いと、スローモーションにしても何をしているのかしっかり捉えることができません。 
コウモリが飛びながら一瞬で水を飲んでいるのか、それとも水浴しているのか、という問題を長年解決できないでいます。 
晩秋の夜は気温も下がって肌寒いはずですから、コウモリがわざわざ冷水で水浴・冷却するだろうか?という疑問が生じます。 
同じ恒温動物の鳥は真冬でも水浴しますから、寒さは問題ないのかもしれません。
旧機種のトレイルカメラでは、動画撮影時に気温のデータが取得できないのが残念です。 


シーン2:11/26・午後20:39(@0:38〜) 
5日後の晩にもコウモリが飛来しました。 
池の岸辺には、前日に降った初雪がまだ残っています。 
監視カメラの電池が消耗していて、わずか5秒間の映像しか撮れていませんでしたが、水場で飛び回るコウモリがしっかり写っています。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:43〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 

初雪が降る前後にもコウモリが冬眠せずに活動しているとは意外でした。 
ただし、水場に飛来する頻度はかなり減りました。
獲物となる虫がまだ活動しているのでしょうか? 
コウモリが冬尺蛾を狩っているとしたら、面白い話です。 

2024/09/19

山中の泉で水を飲むツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年11月下旬 

シーン1:11/19・午後12:50・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
里山で湧き水が溜まった水場にやって来る野生動物を自動撮影カメラで監視しています。 
晩秋には周囲の雑木林から降り積もった落ち葉が池に溜まり、浅くなっています。 
画面の左下から湧き水が池に流入し、右上に向かって流れて、沢の源流となります。


シーン2:11/23・午後21:10頃(@0:03〜) 
真っ黒なツキノワグマUrsus thibetanus)が奥の岸辺で水面に口を付けて水を飲んでいました。 
前足を浅い池の中に入れています。 
カメラの起動が遅れたようで、すぐに水場を離れて獣道へ立ち去ってしまいました。 
熊は未だ冬眠していないことが分かります。 


関連記事(1、2年前の撮影)▶  


つづく→

2024/08/08

沢の岸で水を飲むキイロスズメバチ♀

 

2023年9月中旬・午後13:50頃・晴れ 

里山の斜面を下ってきた沢が川に合流する手前の地点でキイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が吸水していました。 
渓流の岸に堆積した湿った砂礫の上で口吻を伸ばして水を飲みながら、半開きの翅を細かく震わせています。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 


関連記事(4、8、9、14、15年前の撮影)▶  


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2024/06/20

汗腺がないコウモリは体温冷却のために飛びながら水浴するのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬 

山中で湧き水の溜まった浅い泉に夜な夜な飛来するコウモリの群れを自動センサーカメラで記録しています。 
水場に訪れて水を飲んだり水浴したりする野生動物や野鳥を撮影する目的でトレイルカメラを設置してみると、最も頻繁に写るのはコウモリでした。 


シーン0:8/5・午後14:35(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
湧き水が溜まった浅い池から画面の奥に向かって水が流れ出て、沢の源流になっています。 


シーン1:8/5・午後19:19〜23:53(@0:04〜)日の入り時刻は午後18:48 
日没後に暗くなると、水場にコウモリがやって来ます。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、着水後に急旋回して飛び去るコウモリが空中から何かを捨てていました。(@6:09〜) 
これは排泄行動なのか、それとも池で何かを捕獲したら獲物ではないと悟って捨てたのでしょうか? 
濡れた体から水滴が落ちただけのようには見えません。 


シーン2:8/6・午前0:11〜3:40(@6:27〜)日の出時刻は午前4:43 
深夜に日付が変わっても夜が明けるまでコウモリは次々と池に飛来します。 

少数の個体が繰り返し飛来しているのか、それとも多数の個体が1回ずつ飛来しているのか、知りたいのですが、どうやったら突き止められるでしょう? 
(素人が許可なくコウモリを捕獲するのは禁じられています。)

着水後に急旋回して飛び去るコウモリが足に何かを掴んでいるように見えたときがあります。(@6:55〜) 
私の気のせい(願望からの幻覚)ですかね? 
動画のフレームレートが15fpsと低いので、スロー再生しても動きがカクカクしていてはっきりしません。 

珍しく着水シーンを横から撮れたシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@8:55〜) 


シーン3:8/6・午後21:05〜22:33(@9:56〜)日の入り時刻は午後18:46 
2頭(以上)のコウモリが同時に飛来することもあります。 


【考察】 
低空で水面スレスレに飛びながらコウモリが何をしているのか、という問題がなかなか解決しません。 

まず、池で捕食している可能性はどうでしょうか? 
海外にはウオクイコウモリという種類がいるのですけど、淡水のこの池は小さくて浅いので、獲物となる魚は居ません。(居るのはオタマジャクシやサンショウウオぐらいです。) 
池の上を飛んでいる昆虫やアメンボなどの水生昆虫を水面で狩っている可能性も考えましたが、スロー再生すると違うようです。 
狩りなら毎回違う場所に着水するはずですが、コウモリの着水地点は大体決まっているようです。 
この池は三方(画面の背後および左右)が崖に囲まれているため、飛来したコウモリは崖に衝突しないように急旋回しながら飛び回る必要があります。 
地形要因から飛行ルートが限られ、着水できる地点も限定されるのでしょう。 

次に、水を飲んでいるか、水浴しているのか、どちらでしょう? 
フレームレートの高い高画質の暗視動画が撮れる最新機種のトレイルカメラを導入するまで、謎解きはお預けです。 
プロの動物写真家なら多灯ストロボと赤外線センサーを池畔に設置して、着水の決定的瞬間を写真で切り取ろうとするでしょう。 
動画派の私としては、なんとか動画で記録したいのです。 


大井徹『獣たちの森』という本を最近たまたま読んでいたら、コウモリの解剖生理学について興味深い事実を知りました。
汗腺は老廃物の排出とともに体温調整の機能を持つ。人は全身に汗腺を持つが、食虫類、げっ歯類、食肉類の一部では足と肛門付近にのみある。鯨類といくつかのコウモリ、げっ歯類にはない。(p58より引用)
コウモリが発汗しないとすると、飛翔時に体温の急上昇を抑えるために、定期的に体毛を濡らす必要があるのかもしれません。 
つまり、飛びながら水浴を繰り返し、気化熱を利用して体温を冷やしているのかもしれません。 
さっそく文献検索で斜め読みしてみると、コウモリの翼は飛行時の空冷だけで体温が充分に低いらしく、胴体しか冷やす必要がないのだそうです。 

・Luo, J., Greif, S., Ye, H. et al. Flight rapidly modulates body temperature in freely behaving bats. Anim Biotelemetry 9, 45 (2021). https://doi.org/10.1186/s40317-021-00268-6
・RUMMEL, Andrea D.; SWARTZ, Sharon M.; MARSH, Richard L. Warm bodies, cool wings: regional heterothermy in flying bats. Biology Letters, 2019, 15.9: 20190530.

しかし、「体温調節仮説」にも問題があります。 
雨の日や霧の日には体を濡らす必要がないはずなのに、コウモリは晴れの日と変わらず池に飛来するのはなぜ?という疑問が残ります。 


毎回水面に波紋が広がることから、私はてっきりコウモリが飛びながら意図的に一瞬だけ着水しているのだと長らく信じていました。 
しかし、必ずしもそうとは言い切れないことに最近気づきました。 
側溝を流れる水面スレスレに飛ぶミツバチをハイスピード動画で撮影したところ、着水しなくても激しい羽ばたきの勢いで直下の水面が押し下げられ波紋を生じることが分かったのです。 



コウモリの飛翔シーンをハイスピード動画で撮ってみたいのはやまやまなのですけど、それには強力な赤外線投光器が必要です。

2024/06/15

集団吸水しながら排尿するキタキチョウ♂

 

2023年9月中旬・午後15:30頃・晴れ 

田園地帯の砂利が敷かれた農道の水溜まり付近に4頭のキタキチョウ♂(Eurema mandarina)が集まって吸水していました。 
キタキチョウの飲水シーンは初見です。 
砂利道で半乾きの泥から水を飲んでいました。 
体は静止していても、伸ばした口吻をしなやかに動かしてあちこちの地面を探っています。
着陸時はいつも翅をしっかり閉じているので、横風が吹くと翅が煽られてしまいます。 
地面のあちこちで味見をしてはすぐに飛び立ち、忙しなく移動しながら泥水を啜っています。
なかなかじっくり撮影させてもらえません。

吸水シーンの後ろ姿も何気なく撮っていたら、閉じた翅で隠された腹端から透明な液体をポタリと排泄していました。 
シロチョウ科で排泄シーンを観察できたのは初めてです。 
腹端から透明なおしっこを放出した瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:25〜2:47) 
真横から撮った動画には残念ながら排尿シーンが写ってませんでした。 
セセリチョウ科のような吸い戻し行動ではなく、むしろアゲハチョウ科の吸水・排尿に近いです。 
泥に含まれる微量なミネラル成分を必要なだけ摂取するためには大量の水を飲む必要があり、余分な水分をどんどん排泄しているのでしょう。 
大量に飲んだ水で体を冷やす効果もありそうです。(水冷式冷却) 

私にはキタキチョウの性別を形態的に見分けられませんが、吸水という行動から全て♂としておきます。
(キタキチョウの)♂は湿った場所や川原などで好んで吸水し、時に集団も見られ、獣糞にも集まる。(フィールドガイド『日本のチョウ』p75より引用)
吸水後に飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:57〜) 、羽ばたいた際にちらっと見えた翅表の黒斑から、夏型♂と判明。 

もっと多数のキタキチョウ♂が集結して群れになる集団吸水シーンを期待したのですが、今回は2頭が並んだのが最大で、あとは別々に離れて吸水していました。 
ここの泥に含まれるミネラル成分が薄いのでしょうか。 

なぜ集団吸水する蝶の群れが形成されるのでしょうか? 
先客がいれば、ミネラル成分の濃度が高い地点を探してあちこち味見する手間が省けます。 
群れになることで捕食者に襲われる確率が下がりますし、周囲を警戒する目も増えます。 
キタキチョウの標本や黄色の紙片を水溜まり周辺に置いておくだけでキタキチョウが集まるかどうか、いつか実験してみたいものです。 


※ 編集ミスで動画の一部を消音してしまいました。 


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2024/06/07

真夏日に側溝に集まって水を飲むセイヨウミツバチ♀の群れ【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月上旬・午後12:25頃・晴れ 

郊外の道端で側溝の中をセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が何匹も飛び回っていました。 
コンクリートで三面が固められた側溝の中には浅く水が流れていました。 
流水の上を複数のミツバチが低空で飛び回っています。 
水路にチョロチョロ流れ込む水音やミンミンゼミ♂が周囲で鳴く声♪が喧しいのですが、耳を澄ますとミツバチがブンブン飛び回る羽音がかすかに聞こえます。 

水際の岸壁に着陸するとミツバチは口吻を伸ばし、水で湿った緑のコケを舐めていました。 
コンクリート岸壁の隙間に潜り込んで水を飲んでいる個体もいます。 
吸水中も激しく腹式呼吸しています。 
どの個体も後脚の花粉籠は空荷だったので、蜜源植物で採餌するついでに吸水に立ち寄った訳ではありません。 
側溝内であちこち移動して水を飲み続けています。 



水を飲んで腹一杯になると、セイヨウミツバチ♀は飛び去りました。 
真夏日なので、おそらく帰巣した蜂は巣を冷却するために水を吐き戻し(散水)、扇風行動に従事するのでしょう。 
水で濡らした巣に風を送ると、気化熱(蒸発熱)を奪うことで巣を効果的に冷やすことが出来るのです。


ミツバチの集団吸水行動を動画に撮れただけで私は満足してしまい、肝心の気温を測り忘れて画竜点睛を欠きました。 
あまりの暑さで私も頭がぼーっとしていた(熱中症気味)ようです。 
少なくとも30℃を越えていたのは間違いありません。 

側溝内の水質は決してきれいではない点が気がかりです。 
下水道がまだ整備されていない地区のようで、近隣住宅から垂れ流される生活排水が側溝にチョロチョロと流れ込んでいたのです。
白い汚濁が常に流れている様子が見えます。
洗剤混じりの汚水なんか味見したただけで臭くて不味いはずなのに、意外にもミツバチは全く気にしていませんでした。 
それとも日照り続きで他のきれいな水源が干上がってしまい、仕方なく側溝を流れる汚水を飲んでいるのかもしれません。
今回は巣の冷却水として使うだけだと思いますが、生物濃縮による健康被害が心配になります。 
このミツバチの巣箱から採れた蜂蜜はどれぐらい汚染されているでしょう?(知らぬが仏)

側溝の水際に離着陸するセイヨウミツバチ♀を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:14〜) 
飲水後に飛び立つと、ホバリング(停空飛翔)しながら濡れた足先を互いに擦り合わせています。(@3:55〜) 

肉眼では水面スレスレで飛ぶミツバチの足がときどき着水するように見えました。 
しかしスーパースローで見ると、蜂の高速羽ばたきで水面に波紋が広がっているだけだと分かりました。 

岸壁で飲水中にうっかり足を滑らせてしまう個体がいました。(@4:43〜) 
幸いすぐに自力で岸壁に這い上がり、水路で溺れずに済みました。 

最後にセイヨウミツバチ♀同士の興味深いシーンが撮れていました。(@5:08〜) 
岸壁で水を飲んでいる個体aに対して、後から飛来した個体bがホバリング(停飛)しながらあまりにも接近するので、嫌がったミツバチaは歩いて離れようとしました。 
蜂bが飛び去ると、蜂aはホッとしたように岸壁で向きを変えながら飲水を続けます。 
後から飛来した個体bは着陸地点を探していただけだと思うのですが(無神経なトナラー?)、意地悪な嫌がらせ(誰何、牽制、追い払い)のようにも見えました。 
異なるコロニーから来たワーカー♀の間で水場をめぐる縄張り争いがあるのでしょうか? 
しかし、側溝の岸壁に沿って並ぶミツバチは未だ全然混み合っていないのに、わざわざ占有行動をするのか疑問です。


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2024/04/25

砂利道の水溜まりで水を飲み小石を弄ぶハシボソガラスの親子(野鳥)

 

2023年8月上旬・午後14:25頃・晴れ 

溜池の横を通る砂利道のわだちに出来た小さな水溜まりで2羽のハシボソガラスCorvus corone)が水を飲んでいました。 
とても浅い水溜まりなのに、嘴の先を何度も挿し込んでは少量の水を喉に流し込んでいます。 
 桜並木の木陰なのに、嘴を開いたまま暑さに喘いでいます。 
(私もあまりの暑さで熱射病気味になり、気温を測るのが億劫で忘れてしまいました。) 
口内の色から成鳥と幼鳥の親子であると見分けがつきました。 

 1羽が飛び去った後も、残る1羽が長々と飲水。 口内が赤い幼鳥だった。 現場検証すると、水溜まりの泥にカラスの足跡が残されていた。 横に自生するウワミズザクラの果実がオレンジから赤く熟しつつある。 

遠くから撮影している私に一早く気づいたのは口内が黒い成鳥で、警戒して左に飛び去りました。 
その際、幼鳥に対して逃げろ!と警戒声を発しませんでした。 
(ということは、親子ではないのかもしれません。) 
未だヒトをあまり恐れない幼鳥は水溜まりに独り居残り、チビチビと水を飲んでいます。 
その後は、水溜まりの底の泥をついばんだり、落ち葉をめくったり、小石を嘴で転がしたり拾い上げて落としたりしています。 
餌となる虫でも探しているのでしょうか。 
親鳥が巣外給餌に来るまで待っている間に暇を潰しているだけかもしれません。 
嘴をぽかんと開いたまま、ときどき周囲をキョロキョロ見回しています。 

翼をしっかり畳んでおらず、やや半開きのような気がするのですけど、撮影アングルがいまいちではっきりしません。 
日向に居るのであれば、翼を広げて虫干しの日光浴をしていると解釈できるのですけど、日陰では理由が分かりません。 
幼鳥に特有の姿勢なのかな? 

ようやく歩き出した幼鳥が水溜まりを横断すると、尾羽を少し持ち上げながら白い糞を水溜まりの縁に排泄しました。(@5:34〜) 

どうやら仲間が居なくて急に寂しくなったようです。 
辺りをキョロキョロ探してから、農道をトコトコ歩いて日向に入り、右へ飛び去りました。
それまでも周囲でアブラゼミ♂♪のやかましい合唱に混じってカラスの鳴き声がカーカー♪と散発的に聞こえていたので、樹上の仲間に合流したのでしょう。 

ハシボソガラスが居なくなった直後に、水溜まりを現場検証することにしました。(@6:06〜) 
農道の轍に沿って大小の水溜まりが点在しています。 
ハシボソガラスの親子が来ていたのは、大きな(深い)水溜まりではなくて、小さな浅い水溜まりでした。 
獲物となるアメンボなどの水生昆虫が居る訳でもありませんでした。 
ただし、私が来る前にカラスが水溜まりの虫を捕食し尽くしてしまったのかもしれません。 
カラスが歩き回っていた岸辺の泥に烏の足跡が多数残っていました。 
白い物体が泥濘に溶けつつあるのは、カラスの糞と思われます。 


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2024/03/30

山道の水溜まりに集まって産卵するオオハナアブ♀

 

2023年7月上旬・午後14:05頃・晴れ 

里山の中腹で林道のわだちが水溜まりになっていました。 
そこに複数のオオハナアブ♀(Phytomia zonata)が群がり、ブンブン♪と羽音を立てながら忙しなく飛び回っていました。 
岸の泥濘や草地に降り立ったオオハナアブは、左右の複眼が離れている♀ばかりでした。 
♂が居ないのは不思議です(性比の偏り)。 

背側から見下ろしても何をしているのかよく分かりません。 
夏の日差しを浴びて腹式呼吸しています。 
身繕いや日光浴以外の目的がきっとあるはずです。 
側面から撮りたくて私が下手に移動すると、警戒したオオハナアブ♀は羽音を立てて飛び立ってしまいます。 
しばらくホバリング(停空飛翔)してから同じ地点に再着陸することがあります。 
泥水を舐めに来ているのかと思ったのですが、口吻を伸縮させている個体がいなかったので、吸水ではなさそうです。 
かなり粘って撮影すると、どうやら腹端の産卵管を水溜まりの岸の泥濘や泥まみれの枯草に挿し込んで卵を産んでいるようです。 

【参考ブログサイト】
オオハナアブの産卵 @海野和男デジタル昆虫記
オオハナアブの産卵か? @ぶんぶん・ぷらっと・・・写真ブログ


水溜まりの上を低空でジグザグに飛び回る様子はあまりにも高速のため、その動きについて行こうとカメラを振り回す羽目になり、見ると酔いそうな動画になりました。 
そこで1/5倍速に加工したスローモーションでご覧ください。(@2:20〜) 
1/8倍速のハイスピード動画でも撮りたかったのですけど、固定焦点になってしまうので、使い道が限定されてしまいます。 
オオハナアブ同士で縄張り争いや求愛飛翔などの空中戦が繰り広げられているのかどうか肉眼では分かりませんでした。
スロー再生すると、ただ次の産卵地点を探索している低空飛翔だと判明しました。 

※ 撮影順ではなく入れ替えて編集してあります。 
複数個体を撮影。 


【アフィリエイト】 

2024/03/01

池の畔で苔を舐めるウラギンヒョウモン♂

 

2023年6月中旬・午後12:00頃・晴れ 

里山にある池の畔で、ウラギンヒョウモン♂(Fabriciana adippe)が苔むした倒木に止まっていました。 
翅をゆるやかに開閉しながら口吻を伸ばして吸水しています。 
性成熟に必要なミネラル成分を摂取しているのでしょう。 
映像からコケの名前を見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えてください。

この個体は左前翅の後角部が大きく破損しているものの、左右対称の損傷ではないので、鳥に襲われかけたビークマークではなさそうです。 
翅表に性標の有無がよく見えませんでしたが、翅裏の地色が濃色でないので♂と思われます。 

飛び立ってすぐ手前に着陸し直したのですけど、草むらの陰になって見えなくなりました。 
私が撮影アングルを求めて池をぐるっと回り込むと、ウラギンヒョウモン♂は岸辺の泥濘から吸水していました。 
残念ながらカメラを向ける前に逃げられてしまいました。 



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2024/02/23

モリアオガエルの泡巣で吸汁するホソヒラタアブ♀と食卵するアリ

 

2023年6月中旬・午後12:15頃・晴れ 

山中にあるモリアオガエルRhacophorus arboreus)の繁殖池に定点観察しにやって来ました。 
梅雨時で池の水位が上がり、満水状態です。 
例年なら池畔のマユミ灌木の枝先に卵塊が産み付けられているのですが、いつもの場所には泡巣がありませんでした。 
池畔の灌木を丹念に調べると、モリアオガエルの卵塊をいくつか発見しました。 
定量的な調査をしていませんが、今季は少ない印象です。 

ミヤマガマズミの枝葉にモリアオガエルが産み付けた一つの卵塊に1匹のホソヒラタアブ♀(Episyrphus balteatus)が止まっていました。
左右の複眼が離れているので♀と分かります。 
翅を広げたまま口吻を伸縮させて、乾いた粘液をしきりに舐めているようです。
タンパク質やミネラル成分が豊富なのでしょう。
吸汁しながらも、腹部を上下に軽く動かして腹式呼吸しています。 

一方、赤っぽい微小なアリ(種名不詳)も同じ泡巣の表面をうろついています。 
赤アリがかじっている黄色い粒々は、モリアオガエルの泡巣に含まれる卵です。
ホソヒラタアブは近づいてくるアリを嫌って飛び立ち、軽くホバリング(停空飛翔)してアリから少し離れた位置に止まり直しました。 
アリ自身にホソヒラタアブ♀を攻撃する意図(餌場の縄張り防衛)は別になさそうです。 
アリがモリアオガエルの卵を泡巣からほじくり出して自分の巣穴に運ぶかどうか、興味があったのですが、かなりの長時間観察しないと見届けられないでしょう。

ホバリング中のホソヒラタアブ♀がモリアオガエル泡巣の表面にチョンチョンと触れるような思わせぶりな動きを繰り返しているのが気になりました。 
産卵行動だとしたら、大発見です。 
それとも近くのアリを牽制しているのでしょうか? 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@2:10〜3:40)、どうやら産卵行動ではなさそうです。  
停飛しながら足の先で泡巣の表面に軽く触れているだけで、腹端は泡巣に触れていませんでした。 
泡巣表面の湿り気を足先の感覚器で調べているのかもしれません。 
ホバリングしながら泡巣の横のミヤマガマズミの葉にも足先で触れたので、どこに着陸しようか吟味しているだけなのでしょう。 
そもそもホソヒラタアブの幼虫はアブラムシを捕食するので、カエルの卵塊に産卵するはずがありません。 

関連記事(14年前の撮影)▶ ホソヒラタアブの幼虫と前蛹


周囲にモリアオガエルの卵塊はいくつもあるのに、特定の卵塊にしか昆虫が集まらないのは不思議です。 
アブ・ハエ類が吸汁目的だとしたら、産みたてで水気の多い白い泡巣を舐めれば良さそうなのに、少し乾いた卵塊が好みなのは何故でしょう?
わざわざ唾液を吐き戻しながら乾いた卵塊を舐め、吸汁しているのです。
出来たてフワフワの泡巣の上をアリが歩けないのはなんとなく予想できます。

関連記事(10年前の撮影)▶ モリアオガエルの泡巣に集まるハエ 
キンバエ類、ニクバエ類、ベッコウバエの仲間など大小様々のハエが来ていました。 



 
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・科学のアルバム『モリアオガエル 新装版
・動物の記録『モリアオガエルの谷
 
水際に自生するミヤマガマズミの枝葉に群がってまさに抱接・産卵中のモリアオガエル♀♂も見つけました。
新鮮な泡巣は真っ白です。
モリアオガエル♀♂が粘液や尿を後脚で泡立てている最中に虫は来ていませんでした。
日が経って乾いた泡巣は黄色っぽくなります。

2024/02/03

雪解け田んぼに集まるコハクチョウ大群の諸活動:採食・飲水・羽繕い・昼寝・小競り合い【冬の野鳥:4K動画】

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・晴れ 

早春の田んぼにコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開していました。 
あまりにも個体数が多いので、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。(計何羽が登場するか数えてみる?) 
採食したり(落ち穂拾い)、雪解け水を飲んで喉を潤したり、羽繕い、昼寝など各々がのんびり過ごしています。 
近くの舗装路を車や自転車が通りかかっても、白鳥は逃げようとしません。 
この大群の中には首輪を装着した個体は見つけられませんでした。 

採食中に群れが混み合ってくると、たまに小競り合いが勃発します。 
畦道から隣の雪田に下りた個体が、目の前を横切ろうとした別個体を邪険に追い払いました。(若鳥同士の小競り合い @2:00〜) 
嘴でつつかれそうになった相手は反撃せずに、慌てて逃げて離れました。 
その左では、別個体が雪田で片足立ちのまま採食しています。 
冷たい雪解け水に浸かった足がしもやけや凍傷にならないように、片足ずつ交互に持ち上げて温めているのでしょう。 

せっかくカメラを三脚に固定して高画質の4K動画で撮っても、雪解けの進む刈田から陽炎が絶えずゆらゆらと立ち昇っています。
もっとシャープな映像を撮るには、気温の低い早朝に撮影する必要がありそうです。

2023/11/25

雪解け田んぼに集結するコハクチョウの百態(野鳥)

 

2023年3月下旬・午後15:10頃・くもり 

早春で雪どけが進む広大な田園地帯にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して、落ち穂拾いしています。 
あまりにも個体数が多くて、どの個体の行動に注目すべきか目移りしてしまいます。 
三脚を立ててカメラで左右にパンして、採食群の遠景を記録してみました。 

残雪が溶けて泥濘んだ刈田で採食したり、座り込んで寝ていたり、水を飲んだり、羽繕いしたり、刈田を歩き回ったり、片足立ちでストレッチしたりと、様々な行動が見られます。 
小競り合いや羽ばたき威嚇している個体もいます。 
泥に埋もれた藁を嘴で掻き分けてから採食しています。 

白鳥がひときわ密集したエリアは餌となる落ち穂の量が豊富なのでしょうか。 
撮影中にもコハクチョウが2〜4羽の小群(家族群)単位で続々と飛来・旋回すると、仲間が大勢居る餌場に合流しました。 
白鳥の優雅な着陸シーンは何度見ても感動します。 

飼い犬(白い犬種)の散歩に来た中年男性♂が奥の農道を歩いても、充分に距離が離れているせいか白鳥は逃げ出しませんでした。 (@4:55〜、@6:13〜) 



コハクチョウの密集した大群の迫力は圧巻です。 
餌場やねぐらでこれほど同種が密で暮らしていたら、ひとたび鳥インフルエンザなどの感染症が蔓延したらひとたまりもありませんね。 
…と書こうとしたら、私の勉強不足(知ったかぶり)でした。 
水鳥はインフルエンザが腸で常在しており病原性を引き起こすことはほとんどない。 
・水禽類(水鳥)の腸管で増殖し、鳥間では(水中の)糞を媒介に感染する。水禽類では感染しても宿主は発症しない。(wikipediaより引用)

鳥インフルエンザ・ウイルスが問題視されるのは、抵抗性のないニワトリなどの家禽に感染して大量死をもたらす経済的損失と、突然変異したウイルスがヒトへ感染を広げるパンデミックのリスクがあるからです。
長い進化の末に水鳥が鳥インフルエンザ・ウイルスと共存するようになった仕組みは解明されているのでしょうか?(免疫の獲得?)


【追記】
白鳥が渡来する初冬になっても、なぜか同じ刈田にコハクチョウの採食群を見かけません。
刈田で落ち穂拾いするなら、根雪が積もる前に採食しても良さそうなものですが、もっと良い餌場があるのでしょうか。


2023/10/26

春の小川で水を飲むヒヨドリ【野鳥:トレイルカメラ】

 

2023年4月中旬・午後17:47(日の入り時刻は午後18:22) 

小川に架かる丸木橋を見張っている自動センサーカメラにヒヨドリHypsipetes amaurotis)が写りました。 
画面右下の赤丸に注目してください。 
西日が射す夕方に右岸の浅瀬に降り立ち、静かに水を飲んでいました。 
お辞儀をして嘴で水をすくうと、頭を上げて喉に水を流し込みます。 
この飲水行動を何度も繰り返します。 
喉の乾きを癒やすと、ヒヨドリは河畔林の方へ(左上に)飛び去りましたた。 
この間、ヒヨドリは鳴き声を発しませんでした。
やや遠いので、飲水シーンを2倍に拡大してリプレイ。(@0:32〜) 

ヒヨドリは警戒心が強いのか、無人カメラでないと飲水シーンを見せてくれません。



ヒヨドリが居なくなると、ウグイス♂(Horornis diphone)が鳴き始めました。(@0:57〜) 
姿は見えませんが、おそらく近くの笹薮に隠れているのでしょう。 
繁殖期が始まったばかりで、ホーホケキョ♪という特徴的な節回しが未だ下手糞です。 
囀りさえずりの練習をしているようです(ぐぜり?)。 
前半部のホー♪が弱かったり、逆に後半が省略されてホー♪だけだったり、ホーホケケキョ♪と「ケ」が1個多かったりと、不安定な囀りさえずりでした。 


※ 後半はウグイス♪の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

2023/10/22

台所の濡れ布巾を舐めて吸水するイエユウレイグモ(蜘蛛)

 

2023年4月上旬・午後23:20頃 

深夜に水を飲もうと暗い台所に行って照明を点灯すると、驚きの光景を目にしました。 
皿を洗ってから、キッチンカウンター(ワークトップ)の水滴を拭いた雑巾を絞って広げ、乾かしています。 
その上でなんと、イエユウレイグモPholcus phalangioides)が吸水していたのです。 
イエユウレイグモの飲水行動は初見です。 
というか、そもそも造網性クモが自発的に水を飲むシーンを見たことがありませんでした。
慌ててカメラとハンディカムを持ってきて、薄暗い台所で動画撮影することにしました。

補助照明としてハンディカム内蔵の白色LEDを点灯しても、かなり薄暗いです。 
ハンディカムを近づけても、クモは逃げませんでした。
歩脚が長いイエユウレイグモが、うずくまるような前傾姿勢で濡れ布巾に口を直接付けています。 
天井からぶら下がっている「しおり糸」は見えませんでした。 

まったく動かないので、死んでいるのかと心配になりました。 
雑巾の繊維に絡まって身動きできないのでしょうか? 
私が左手の人差し指でイエユウレイグモの歩脚にそっと触れると、慌てふためいて「引き糸」を登り返し、シンク(流し)の真上から照らす蛍光灯のフードに辿り着きました。 
その辺りにはイエユウレイグモの不規則網が張り巡らされているのですが、映像では見にくいです。 
大慌ての逃避行動を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:09〜) 

この個体は喉が渇くと不規則網から夜な夜なシンクに懸垂下降して水分補給しているのでしょうか? 
監視カメラを設置してみたら面白そうです。
もし私が邪魔をしなければ、濡れ雑巾から延々と吸水を続けていたかもしれません。
濡れ雑巾は決してきれいではなく、アンモニア臭(雑巾臭)がしたりします。
イエユウレイグモはむしろ、雑巾が吸い取ったミネラル成分やアンモニアなどが気に入って摂取していた可能性もありそうです。

時期的にイエユウレイグモの幼体または亜成体と思うのですが、しっかり調べるためには一時捕獲して採寸したり外雌器の状態を精査しないといけません。
少なくとも触肢の発達した成体♂ではありませんでした。

世の中にはイエユウレイグモをモデル生物(実験動物)として飼育している研究者もいるそうです。
飼育下ではどうやって水を飲ませているのでしょうね?


関連記事(8、9、12、14年前の撮影)▶ 

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